JPH0752889A - 浮体屋根内ガスの膨張を自然制御するガス袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】浮体構造物の気密室をガス袋のみとし、気密の
空気袋を廃した形式とし、これに伴う容積変化を機械力
を使用せず、自然力によって調整することを目的とした
ものである。 【構成】浮体屋根を外周を構成する膜２と非気密の空気
室３とガス袋１から構成する。

Description

【発明の詳細な説明】 イ．発明の目的 ガスの浮力を利用した浮体屋根構造物にあっては、日射
による温度変化によって屋根内部に注入されたガスの容
積変化は非常に大きく、一般に２０％以上にもなる。飛
行船にあってはガス室の中に空気袋（バロネット）を設
け、この空気袋の容積を機械的手法で膨張、収縮させて
ガス室の全容積−ガス圧−を一定に保持することによっ
て、船体の強度及び形状の保持を図っている。浮体屋根
においても飛行船同様に温度変化に伴うガス室対策が重
要なものとなるが、本発明では気密の空気袋を廃し、気
密容器はガス袋のみとし、更に温度変化に伴うガス袋の
容積変化を自然調整によって解決しようとするものであ
る。ただし、屋根内の圧力が大気圧以下になると表面が
凹になって、雨がたまったり、風による屋根の表面材に
自励或いは強制振動が発生し易くなるので、屋根表面材
には常にある大きさ以上の張力が存在する事が必要にな
るので、ガス収縮時といえども屋根表面材に張力が発生
する様に考慮したものである ロ．発明の構成 ここで考える浮体屋根は第１図に示す様に屋根膜材と
内部に収納されたガス袋とから成り、に注入された
ガスの浮力を利用して空中に浮かぶ様式をもっている。
屋根膜材はガス袋へガスを注入しない時の状態を示
し、はガスを注入した状態を示しているが、屋根膜材
に張力を維持させるために内部へ収納するガス袋の容積
又は直径がガス未充填の屋根容積或いは屋根厚より大き
くなっている。第２図は最高温度時のガス袋が最大膨張
した状態を示しているが、提案１はこの時ガス袋の強度
を弾性限界内に抑える設計とする。また、第４図は最低
温度時のガス袋の状況を示すが、提案２はガス袋が収縮
した状態或いはガス袋の内圧が大気圧と同様であったと
しても、ガス袋の容積或いは直径がガス未充填時の屋根
容積或いは屋根厚みより大きくなる様に設計する。この
発明はこれらの提案１及び２を同時に満足するガス袋を
設計することになる。 ハ．発明の効果 浮体構造物−屋根とか飛行船など−のガス袋の膨張対策
を機械方式によらず自然方式によるとしたもので、方式
の相違に基づく経済効果は大きく、また、浮体に機械部
分を必要としないので重量の軽減が可能であり、またガ
ス以外の気体用機密室も不要となるので、浮体容積更に
はガス容量を縮小出来ることになり、注入ガスの削減な
どと併せて更に経済効果が増大することになる。

【図面の簡単な説明】 第１図中、屋根へ浮力を与えるガス袋と屋根膜と非
気密室とからなる二重構造方式の浮体屋根を示し、
はガス充填時の状態をはガス未充填時の状態を示す。
第２図は温度の上昇時のガス袋が膨張した状態を示す。
第３図は温度変化の変化に伴う遷移状況下におけるガス
袋の状態を示す。第４図は最低温度下にあってガス袋が
大気圧と同じ状況における屋根の状態を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ガスの浮力を利用した空中に浮かぶ屋根に、屋根外周と
   内部に設けたガス容器とよりなる二重構造様式を採用
   し、そのガスの膨張対策を飛行船などで採用されている
   機械的な調整でなく、自然に調整し得る様なガス袋を設
   計する手法に関するもので、その特許請求範囲は次の通
   り。 イ 特許の請求範囲 その１ 浮体屋根内気体用密閉容器をヘリウムガス用袋のみとし
   気密空気袋を設けない構造方式とする。 ロ 特許の請求範囲 その２ 浮体屋根に収納するガス袋が球形或いは円柱形状のもの
   にあって、温度上昇のためガスが最大に膨張してもその
   袋の変形を弾性限界内に押さえるとともに、逆に温度降
   下によりガスが最小に収縮しても、ガス圧が大気圧と同
   一条件にあってもその袋の容量或いは直径がそのガス袋
   を収納する屋根容量或いは屋根の厚みより大きくしたガ
   ス袋。