JPH07507205A - 遺伝子操作をした微生物の生存をそれらの環境において制限する方法 - Google Patents

遺伝子操作をした微生物の生存をそれらの環境において制限する方法

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JPH07507205A
JPH07507205A JP5516999A JP51699993A JPH07507205A JP H07507205 A JPH07507205 A JP H07507205A JP 5516999 A JP5516999 A JP 5516999A JP 51699993 A JP51699993 A JP 51699993A JP H07507205 A JPH07507205 A JP H07507205A
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モリン,セーレン
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クリステンセン,クラウス ステルンベルウ
バイ,アシム ケー.
エベール,レオ
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アポビア アクチェンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 23、負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を妨げる終止配列である請求の範囲第1 7項記載の細胞。
24、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現が、前 記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負に機能している調節ヌ クレオチド配列の、部位特異的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され 、その調節ヌクレオチド配列が、細胞に存在している間は、その発現の結果加水 分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現を阻害する請求の範囲第1項記載 の細胞。
25、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、部位特異的切 り出しのための最初の部位と部位特異的切り出しのための2番目の部位とに隣接 された配列であり、2番目の部位は最初の部位と同じかまたは機能的に等しい多 量体変形酵素による変形が可能であり、それにより前記調節要素が細胞において 組換えにより切り出される請求の範囲第24項記載の細胞。
26、部位特異的切り出しのための最初と2番目の部位が、プラスミドRP4に 由来するmrs部位である請求の範囲第24項記載の細胞。
27、多形体変形酵素が、部位特異的変形のための部位に関してトランスに位置 する遺伝子によってコードされている請求の範囲第25項記載の細胞。
28、多量体変形酵素をコードしている遺伝子が、プラスミドRP4のparA 遺伝子である請求の範囲第27項記載の細胞。
29、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が第1の伝令 RNAをコードし、前記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負 に機能している調節ヌクレオチド配列が、前記第1の伝令RNAとRNA−RN A二重鎖を形成する第2の伝令RNAであり、それにより、それが発現されると 、加水分解活性のある酵素をコードしている前記遺伝子の発現が阻害される請求 の範囲第24項記載の細胞。
30.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結 果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッ サーをコードしている遺伝子である請求の範囲第24項記載の細胞。
31、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、Iacリプレ ッサーをコードしている遺伝子であり、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子が、操作によってIaeプロモーターに連結されており、前 記lieプロモーターがlaeリブ【ノッサーのためのオペレータ一部位を含ん でいる請求の範囲第30項記載の細胞。
32、負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を阻害する終止配列である請求の範囲第 24項記載の細胞。
33、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、前記調節 ヌクレオチド配列の逆位可能なプロモーター配列の、組換え逆位の結果として推 計学的に発現され、前記プロモーターがその遺伝子に操作によって連結されてい る請求の範囲第1項記載の細胞。
34、プロモーターが、fim^プロモーターを運んでいる配列であるか、また はそれと機能的に相同な配列を運んでいる配列である請求の範囲第33項記載の 細胞。
35、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、細菌プラ スミド、細菌染色体、原核生物ウィルス、真核生物ウィルス、真核生物染色体、 真核生物ミトコンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る群から選択 した1ノブリコンに由来する請求の範囲第1項記載の細胞。
36、加水分解活性のある酵素が、少なくとも1つのシスティン残基を含んでい る酵素である請求の範囲第1項記載の細胞。
37、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が 細菌レプ リコンから由来した遺伝子である請求の範囲第35項記載の細胞。
38、加水分解活性のある酵素が、グラム陰性細菌から単離されたレプリコンに 由来する遺伝子にコードされている請求の範囲第37項記載の細胞。
39、加水分解活性のある酵素が、セラチア属の一種に由来する遺伝子にコード されている請求の範囲第38項記載の細胞。
40、遺伝子が、セラチア・マルセセンス由来の遺伝子である請求の範囲第39 項記載の細胞。
41、酵素が、以下のDNA配列: ■−にiA画=1℃=A5σ−冗成り0匡臓田α匡Aムaのm虞1A−0τひα 蟻砿心aαニロク(aciTAccILCCCACTACCAA’CAWXAA CTCTTCT”I■:ctcct餌−一=世1−框−璽雷ム=i−;=ム四プ に@コac′1−aaACQIJ℃=1に=ω×講α−mぽπ=−■功富編C5 コの=μ講 !ロー匡=工1カヵ=noπCTOIに=℃ameCaCTロ^8 Ai人ゴー心ウロフヵJ^actつztcctccuaココ:CノロCTCc℃ χズ)コニcJCCCCacCeaCCCfズコフ=【講CJCCCTC)c【 eTTACICACTsAATCCACAQCtTCrAcτ℃Iズズズン=r Tiτc講(ズズ=しルミ宵AAのζ二AcA−ロ心ω−−狐口iぽπ−画1〒 A−車πm=α^1Ait慣真mCTACCTA−=Aτ^G&00aKAmC A’1Jer心−ひ℃りAA8^■0靜■カ0π■=m−繻一↑℃η心(9)= =;繊XT口CCC1講uCCCCT11ニー(シンココ;mmACmn℃cc ccatcaccτ’rccacτAAAM;TACτ’ten℃m■■wズズ ズココ16 TA′rC+ACAA(Jζlシニc11ムA[χr、i’mcτ℃ズコニJA TTCCcζχ;1=A(ゴコc11]=講ceacaTe撃戟|二AAJOZ IWズn二AteA A工ACCCCCAAAOuCAA(χ:TcWAA#CacccTτAfiC 4ζcc講cicccACCtCX:I℃zcctc’maRmcrAcτ π1η工σCでχα’J:eAcr+Aαπ℃KaゴπnゴひJIJQ−^AC σαロフ1χωコαacAcccccccaCJCc(χズ;1)=iccλc c’rceeaACICAc〔)CC)CCCCCτ℃Aを有する遺伝子によっ てコードされているエンドヌクレアーゼである請求の範囲第40項記載の細胞。
42、酵素が、以下のDNA配列: を有する遺伝子によってコードされているホスホリノ々−ゼである請求の範囲第 40項記載の細胞。
43、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、グラム陽 性細菌種に由来する請求の範囲第37項記載の細胞。
44、遺伝子が黄色ブドウ球菌由来の遺伝子である請求の範囲第43項記載の細 胞。
45、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子か、または前 記遺伝子を調節している配列の少なくとも1つが、l・つあるいはそれ以上の部 位において突然変異しており、それによって遺伝子にコードされている酵素の細 胞機能制限効果が、細胞において発現される場合、前記遺伝子および前記ヌクレ オチド配列を突然変異していない形で含んでいる細胞に比較して、同じかまたは 増加している請求の範囲第1項記載の細胞。
46、細胞がエンドヌクレアーゼをコードしている遺伝子を含んでいる請求の範 囲第46項記載の細胞。
47、遺伝子がセラチア属の一種に由来する遺伝子である請求の範囲第46項記 載の細胞。
48、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写を調 節しているヌクレオチド配列が、細菌プラスミド、細菌染色体、原核生物ウィル ス、真核生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生物染色体、真核生物ミトコ ンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る群から選択したレプリコン に由来する請求の範囲第1項記載の細胞。
49、細胞が、非酵素の細胞機能制限遺伝子の産物をコードしている更なる調節 発現可能な遺伝子を含んでいる請求の範囲第1項記載の細胞。
50、更なる調節発現可能な遺伝子が、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子を調節している配列と同じタイプの調節ヌクレオチド配列に よって調節されている請求の範囲第49項記載の細胞。
51、更なる調節発現可能な遺伝子が、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子を調節している配列の他のタイプの調節ヌクレオチド配列に よって調節されており、前記の他のタイプが、その発現の結果加水分解活性のあ る酵素が形成される遺伝子を調節することもできる調節ヌクレオチド配列である 請求の範囲第49項記載の細胞。
52、更なる調節発現可能な遺伝子が、プラスミドR1のpare領域か、また はR1hok遺伝子と機能的に相同なりNA配列である請求の範囲第49項記載 の細胞。
53、更なる調節発現可能な遺伝子が、gef遺伝子である請求の範囲第49項 記載の細胞。
54、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子を運んでいる レプリコン、および(または)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと は天然には関係していないDNA配列を更に含んでいる請求の範囲第1項記載の 細胞。
55、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンとは天然には関係していな いDNA配列が、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の 範囲第54項記載の細胞。
56、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと天然には関係していない DNA配列が、農薬活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範 囲第54項記載の細胞。
57、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと天然には関係していない DNA配列が、汚染物質を分解する遺伝子産物をコードしている配列である請求 の範囲第54項記載の細胞。
58、その発現の結果前記細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子を含んでいる組換えレプリコンまたは複数の組換えレプリコンで形 質転換した細胞であり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分 解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能が制限される程度に、細 胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子の発現が、その遺伝子を含んでいる組 換えレプリコンかまたは、形質転換された細胞に存在する他の組換えレプリコン に含まれている、調節ヌクレオチド配列によって調節されている請求の範囲第1 項記載の細胞。
59、細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードしている細胞にお いて、調節発現可能な遺伝子が発現される時、前記遺伝子の発現が、細胞の非制 限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能が 制限される程度に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子の発現が、組換 えレプリコンかまたは、そのレプリコンを含んでいる他の組換えレプリコンに含 まれている調節ヌクレオチドによって調節されている、調節発現可能な遺伝子を 含んでいる組換えレプリコン。
60、調節ヌクレオチド配列を含んでいる請求の範囲第59項記載の組換えレプ リコン。
61、加水分解活性のある酵素が、そのレプリコンが細胞において発現される時 、細胞内に保持される酵素である請求の範囲第59項記載のレプリコン。
62、コードされている酵素が、ヌクレアーゼ、ホスホリパーゼ、リパーゼ、リ ゾチーム、プロテアーゼ、およびカルボヒドラーゼから成る群から選択される請 求の範囲第59項記載のレプリコン。
63、コードされている酵素がホスホリパーゼである請求の範囲第62項記載の レプリコン。
64、遺伝子の発現の結果、細胞の核酸におけるホスホジエステル結合を加水分 解することのできるヌクレアーゼが形成され、前記遺伝子の発現が、細胞核酸の 片方の鎖にニックが存在する結果となる速度で、細胞の核酸修復機構によって修 復できない程度に、細胞におけるヌクレアーゼの形成を導き、それにより前記細 胞の機能が制限される請求の範囲第59項記載のレプリコン。
65、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、もしそれが存在すれ ば細胞膜を通しての酵素の輸送が可能となるペプチドシグナル配列をコードして いる配列を欠いている遺伝子である請求の範囲第59項記載のレプリコン。
66、調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝 子に、操作によって連結されている調節可能なプロモーターを含んでいる請求の 範囲第59項記載のレプリコン。
67、調節可能なレプリコンが、レプリコンを含んでいる細胞の環境条件、細胞 の生理的状態、および推計学的事変から選択した因子によって調節されている請 求の範囲第66項記載のレプリコン。
68、調節可能なレプリコンが、環境における物理条件、およびある種の化学薬 品の環境における存在の有無から選択した因子である請求の範囲第67項記載の レプリコン。
69、化学薬品が、炭素源、窒素源、代謝物質、アミノ酸、ヌクレオシド、ピリ ミジン塩基、プリン塩基、および金属イオンから選択される請求の範囲第68項 記載のレプリコン。
70、化学薬品がイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド([PTG) である請求の範囲第69項記載のレプリコン。
71、物理条件が、環境における一般的な温度を含んでいる請求の範囲第68項 記載のレプリコン。
72、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現が、それが細胞に 存在している間は加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害 する、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列の、組換え切り出 しの結果として推計学的に誘導される請求の範囲第59項記載のレプリコン。
73、前記切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、最初のフ ランキング配列と、前記最初のフランキング配列に本質的に相同である2番目の フランキング配列とに隣接された配列であり、それにより前記調節要素を細胞に おいて組換えにより切り出すことができる請求の範囲第72項記載のレプリコン 。
フ4.フランキング配列が、10G塩基対乃至5000塩基対の範囲の長さを有 する請求の範囲第73項記載のレプリコン。
75、フランキング配列が、200塩基対乃至3000塩基対の範囲の長さを有 する請求の範囲第74項記載のレプリコン。
76、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、伝令RNAである第 1のRNAをコードしており、切り出し可能な負に機能しているヌクレオチド配 列が前記第1のRNAとRNA−RNA二重鎖を形成する第2のRNAをコード している遺伝子であり、それにより、それらの転写が阻害される請求の範囲第7 5項記載のレプリコン。
77、負に機能する調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコード している遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッサーをコードしている遺伝子で ある請求の範囲第61項記載のレプリコン。
78、負に機能している調節ヌクレオチド配列がIacリプレッサーをコードし ている遺伝子であり、加水分解可能な酵素をコードしている遺伝子が、 Iac プロモーターに操作によって連結されており、前記1acプロモーターが、前記 1acリプレツサーのためのオペレータ一部位を含んでいる請求の範囲第77項 記載のレプリコン。
79、負に機能している調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコ ードしている遺伝子の転写を妨げる終止配列である請求の範囲第72項記載のレ プリコン。
80、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現が、前 記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負に機能している調節ヌ クレオチド配列の、部位特異的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され 、その調節ヌクレオチド配列が細胞に存在している間は、その発現の結果加水分 解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現を阻害する請求の範囲第59項記載 のレプリコン。
81、前記切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、部位特異 的変形のための最初の部位と、最初の部位と同一かまたは機能的に等しい多量体 変形酵素によって変形可能である2番目の部位とに隣接された配列であり、それ により前記調節要素を細胞において組換えにより切り出すことのできる請求の範 囲第80項記載のレプリコン。
82、部位特異的変形のための最初の部位および2番目の部位が、プラスミドP R4由来のmrs部位である請求の範囲第80項記載のレプリコン。
83、多量体変形酵素が、部位特異的変形のための部位に関してトランスに位置 する遺伝子によってコードされている請求の範囲第81項記載のレプリコン。
84、多量体変形酵素をコードしている遺伝子が、プラスミドPR4のparA 遺伝子である請求の範囲第83項記載のレプリコン。
85゜その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、伝令RN Aである第1のRNAをコードしており、前記遺伝子に操作によって連結されて いる切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、前記第1の伝令 RNAとRNA−RNA二重鎖を形成する第2のRNAであり、そのためそれが 発現されると加水分解活性のある酵素をコードしている前記遺伝子の転写を阻害 する第二のRNAをコードしている遺伝子である請求の範囲第80項記載のレプ リコン。
86、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結 果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッ サーをコードしている遺伝子である請求の範囲第86項記載のレプリコン。
87、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、Iacリプレ ッサーをコードしている遺伝子であり、その遺伝子の発現の結果加水分解活性の ある酵素が形成される遺伝子が、 Iacプロモーターに操作によって連結され ており、前記lieプロモーターが、Iaeリプレッサーのためのオペレータ一 部位を含んでいる請求の範囲第86項記載のレプリコン。
88、負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を妨げる終止配列である請求の範囲第8 0項記載のレプリコン。
89、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、前記調節ヌクレオチ ド配列の逆位可能なプロモーター配列の、組換え逆位の結果として推計学的に発 現され、前記プロモーターがその酵素をコードしている遺伝子に操作によって連 結されている請求の範囲第59項記載のレプリコン。
90、プロモーター配列が、fimAプロモーターを運んでいる配列であるか、 またはそれと機能的に相同な配列である請求の範囲第89項記載のレプリコン。
91、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、細菌プラスミド、細 菌染色体、原核生物ウィルス、真核生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生 物染色体、真核生物ミトコンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る 群から選択したレプリコンに由来する請求の範囲第59項記載のレプリコン。
92、加水分解活性のある酵素が少なくとも1つのシスティン残基を含んでいる 請求の範囲第59項記載のレプリコン。
93、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、細菌レプリコンに由 来する請求の範囲第91項記載のレプリコン。
94、加水分解活性のある酵素が、グラム陰性細菌から単離したレプリコンに由 来する遺伝子にコードされている請求の範囲第93項記載のレプリコン。
95、加水分解活性のある酵素が、セラチア属の一種由来の遺伝子にコードされ ている請求の範囲第94項記載のレプリコン。
96、遺伝子がセラチア・マルセセンスに由来する請求の範囲第95項記載のレ プリコン。
97、加水分解活性のある酵素が、以下のDNA配列:CeACCaACCTC TCTATCCT=VコAtACCnCuQ1.ICaACACCACCACC JACTl’CCQJAnaC1nbeAAaCACICACC CCTCCTτCQC^CaTmCttiCT)CCAATATCbACJA( (ズー:TluCCCACQIJATACTCTA=植mACa−(、tA−A AACCQIYCCCCCCCTCjACmCAmTtACJCTCCCCef JAffICa+cwLj−CCTTCTeC!=工4π薫rαCAAC!AT CTCA&Cn’Cctce−τcccccτ0TCACOjCCCCτCCc CtcCCτCCCCCCCCTCτ(:eeJmA↑CCCτC講AT↑A( bTCτC0ACA丁e、tCCCCCC^^−MTCtQTCα口匡匡〇−に 工京μ−CCCQ顛C−αのは−ατ^C−コATのυrでA −^C77JA CQL==巾π=−心つのA■鼻@傾℃αりτ^wτ^τAα−cccccce ccτ^1AATTCCItCCCCCOC(CCCO:ccaCCττC1講 CtCCITCCCTI℃0(TACCTACCCCCCCτATAC`CCa CCOCJTAiO口C−CTeCCCCCCCC^IJIルご丁AC■υ!A JCTO:eccυυ^^−υのπCx=σ^α鐸−τi^つ^ひ^0−=−ゆ Cτ℃χ−コC1シじL^CCCc′r′I″rC+AccccccciCシズ ;r〔コr「τCχシ:tWCTCC’1ACXズ一;τcc純刀FJTCAC C!コccaαA^AメくrrAも口(1−rCに;n;τAπ=電π顎つ(J Aυ■W−コ蘭蒐υaTTcc−υコクズ岡力AA■のn℃ataCJZCtJ AaCCJCAACCTaCTCτTCTCCcccTKCccceccraa pCaCCCTτメpCCCCCA(TbCCACCTCCTCτACrACT 寸=:τ=のC喚ば1施^υのaaC蕉αCαロCルα匡αひυω匡ααπひ( (TOO:JACI:ひσてmご宜匡α匡にυα匡σひを有する遺伝子によって コードされているエンドヌクレアーゼである請求の範囲第96項記載のレプリコ ン。
98、加水分解活性のある酵素が、以下のDNA配列:tAcTcJYA(CC AAATTCAAAATCCACJCCTCAτAcCζzcCム(CCccC c1講eを有する遺伝子によってコードされているホスホリパーゼである請求の 範囲第96項記載のレプリコン。
99、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、グラム陽性細菌種に 由来する請求の範囲第93項記載のレプリコン。
100、遺伝子が黄色ブドウ球菌に由来する遺伝子である請求の範囲第99項記 載のレプリコン。
101、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子か、または前記遺伝子 を調節しているヌクレオチド配列が、1つあるいはそれ以上の部位で突然変異し ており、それにより遺伝子にコードされている酵素の細胞機能制限効果が、細胞 において発現される場合、突然変異したDNAを含んでいない細胞において発現 される酵素の細胞機能制限効果に比較して、同じかまたは増加している請求の範 囲第59項記載のレプリコン。
102、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、エンドヌクレアー ゼをコードしている遺伝子である請求の範囲第101項記載のレプリコン。
103、エンドヌクレアーゼをコードしている遺伝子が、セラチア属の一種に由 来する遺伝子である請求の範囲第102項記載のレプリコン。
104、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の、転写を調節してい るヌクレオチド配列が、細菌プラスミド、細菌染色体、原核生物ウィルス、真核 生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生物染色体、真核生物ミトコンドリア 、真核生物葉緑体、および合成配列から選択したレプリコンに由来する請求の範 囲第59項記載のレプリコン。
105、非酵素の細胞機能制限機能をコードしている、更なる調節発現可能な遺 伝子を含んでいる請求の範囲第59項記載のレプリコン。
106、更なる調節発現可能な遺伝子が、細胞機能を制限する加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子を調節している配列と、同じタイプの調節ヌクレ オチド配列によって調節されている請求の範囲第105項記載のレプリコン。
107、更なる調節発現可能な遺伝子が、細胞機能を制限する加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子を調節している配列より他のタイプの調節ヌクレ オチド配列によって調節されており、前記能のタイプは、細胞機能制限酵素をコ ードしている前記遺伝子を調節することができる請求の範囲第105項記載のレ プリコン。
108、更なる調節発現可能な遺伝子が、プラスミドR1のparB領域からの hok遺伝子か、またはR1hok遺伝子と機能上相同であるDNA配列である 請求の範囲第105項記載のレプリコン。
109、更なる調節発現可能な遺伝子がgef遺伝子である請求の範囲第105 項記載のレプリコン。
110、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を運んでいるレプリコ ン、および(または)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンに、天然に は関係していないDNA配列を更に含んでいる請求の範囲第59項記載のレプリ コン。
111、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子、および(または)m 節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA 配列が、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第1 10項記載のレプリコン。
112、酵素をコードしている遺伝子、および(または)調節ヌクレオチド配列 を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA配列が、農薬活性の ある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第110項記載のレプリ コン。
113、酵素をコードしている遺伝子、および(または)調節ヌクレオチド配列 を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA配列が、汚染物質を 分解する遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第110項記載のレ プリコン。
114、請求の範囲第1項記載の多数の細胞から成る細胞集団にして、前記細胞 が、その発現の結果、前記細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子を含んでおり、細胞は更に前記遺伝子の発現を調節する調節ヌクレ オチド配列を含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水 分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度に細胞 における酵素の形成を導く細胞の集団。
!15.請求項59に定義したような組換えレプリコンで形質転換した、形質転 換可能な細胞を含んでおり、前記レプリコンが前記細胞において複製することの できる請求の範囲第114項記載の細胞集団。
116、細胞が細菌細胞である請求の範囲第114項記載の細胞集団。
117、細菌細胞が、その天然の生育場所が、土壌、表面水、および植物から選 択した生育場所である種から選択した請求の範囲第116項記載の細胞集団。
118、細菌細胞がグラム陰性細菌の細胞である請求の範囲第116項記載の細 胞集団。
119、機能制限酵素をコードしている遺伝子の発現が、前記細胞がヒトまたは 動物体、または外部環境に放出される際、リプレッサー物質が機能しない形に変 わるまで崩壊を受けることのできるリプレッサー物質によって調節することがで き、前記リプレッサー物質が集団の細胞内に異なる濃度で存在することにより、 その直線的な崩壊の結果として、集団の細胞の機能がしだいに制限される請求の 範囲第114項記載の細胞集団。
120、細胞集団の生存を第1または第2の環境において制限する方法にして、 前記細胞集団の、その集団の細胞内で複製することのできる組換えレプリコンを 用いた形質転換と、その発現の結果、前記細胞の細胞質にあって加水分解活性の ある酵素が形成される遺伝子を入れることとを含む方法であり、細胞は更に、環 境因子によって調節され、前記遺伝子の発現を調節する調節ヌクレオチド配列を 含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分解能な細胞 質物質を分解する速度で、細胞の機能を制限して、細胞集団の生存を制限するに 至る程度に、細胞における酵素の形成を導く方法。
121、細胞集団が請求項111乃至請求項119に定義されているような細胞 集団である請求の範囲第120項記載の方法。
122、細胞集団の生存を、遺伝子が発現する、第1の環境において制限し、前 記細胞集団がそれによって第1の環境内に封じ込められる請求の範囲第120項 記載の方法。
123、第1の環境に存在する間は細胞集団の生存を制限せず、第1の環境は、 第1の環境とは物理的および(または)化学的に異なる第2の環境に変わること ができ、第1の環境においては、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子は発現しないが、しかし第2の環境へ移すかまたは物理的および( または)化学的に変化した第1の環境に存在する場合には、遺伝子が発現し、細 胞集団の生存を制限する請求の範囲第120項記載の方法。
124、リプレッサー物質をコードしている調節ヌクレオチド配列に、操作によ って連結した加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を、細胞に与える ことにより、細胞集団の生存を制限し、前記細胞がヒトまたは動物の体、または 外部環境に放出される時、リプレッサー物質が機能しない形に変わるまで崩壊を 受けることができ、前記リプレッサー物質が集団の細胞内に異なる濃度で存在す ることにより、その集団の細胞の機能をしだいに制限する請求の範囲第120項 記載の方法。
125、染色体外の組換えレプリコンを、前記レプリコンが天然に第2の種類の 細胞に形質転換することのできる第1の種類の細胞に入れる方法にして、染色体 外の組換えレプリコンへの、その発現の結果細胞の細胞質にあって加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の供与を含んでおり、前記酵素の形成が、細胞の 非制限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機 能が制限される程度におこり、前記第1の種類の細胞は前記遺伝子の発現を阻害 する調節ヌクレオチド配列を含んでいる染色体レプリコンを有するかまたは有す べく修飾してあり、それにより第1の種類の細胞を防御し、前記調節遺伝子は第 2の種類の細胞にはないため、それによってもし第2の種類の細胞が染色体外の 組換えレプリコンを受けとると、前記遺伝子は発現し、機能制限効果を及ぼす方 法。
126、組換えレプリコンが、請求項59に定義したような、調節ヌクレオチド 配列を含まないレプリコンである請求の範囲第124項記載の方法。
127、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現の結 果、細胞の核酸におけるホスホジエステル結合を加水分解するエンドヌクレアー ゼが形成され、前記遺伝子の発現が、細胞において核酸にニックが存在する結果 となる速度で、細胞の核酸修復機構によって修復され得ない程度に、細胞におけ るエンドヌクレアーゼの合成を導き、それにより前記細胞の機能を制限する請求 の範囲第125項記載の方法。
128゜細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺伝 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードして いる細胞において発現されると、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要 な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度 に、細胞における酵素の形成に導き、前記遺伝子または複数の遺伝子の発現が、 それが細胞に存在する間は酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害する、切り 出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列の、組換え切り出しの結果と して推計学的に誘導され、前記負に機能している調節ヌクレオチド配列が、組換 えレプリコンまたは、そのレプリコンを含んでいる集団の細胞に存在する他の組 換えレプリコンに含まれている方法。
129、組換えレプリコンが、請求項73に定義したレプリコンである請求の範 囲第128項記載の方法。
130、細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺伝 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードして いる細胞において発現されると、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要 な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度 に、細胞における酵素の形成に導き、前記遺伝子の発現が、それが細胞に存在す る間は酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害する、切り出し可能な部位特異 的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され、前記負に機能している調節 ヌクレオチド配列が、組換えレプリコンまたは、そのレプリコンを含んでいる集 団の細胞に存在する他の組換えレプリコンに含まれている方法。
131、組換えレプリコンが、請求項81において定義されているようなレプリ コンである請求の範囲第130項記載の方法。
132、細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺伝 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、前記細胞の細胞膜の向こうへ輸送されず、細胞の細胞質で加 水分解活性のある酵素をコードしている細胞において発現されると、前記遺伝子 の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する 速度で、細胞の機能を制限する程度に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺 伝子の発現が、前記調節ヌクレオチド配列の逆位可能なプロモーター配列の組換 え逆位の結果として推計学的に発現され、前記プロモーターが酵素をコードして いる遺伝子に、操作によって連結されており、それが細胞に存在する間は酵素を コードしている遺伝子の発現が阻害され、前記調節ヌクレオチド配列が、組換え レプリコンか、またはそのレプリコンを含んでいる細胞に存在する他の組換えレ プリコンに含まれている方法。
133、プロモーター配列が、fimAプロモーターを運んでいる配列であるか 、またはそれと機能的上の相同物を運んでいる配列である請求の範囲第132項 記載の方法。
134、請求の範囲第114項記載の生存可能な機能制限細胞集団を含んでいる 免疫活性のある組成物において、細胞は、加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは天然には関係していない、更なるD NA配列を含んでおり、更なる配列は免疫活性のある遺伝産物をコードしている 配列であり、この組成物がヒトまたは動物に投与されると、効果的な免疫反応を 前記ヒトまたは動物において得るために十分な期間および量で免疫活性のある遺 伝子産物を細胞に発現させるが、しかしヒトおよび動物の中では生き残ることが できない、という程度に細胞の機能が制限されている組成物。
135、細胞がその中に、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列であ って、免疫活性のある遺伝子産物とポリペプチドとを含んでなる融合タンパク質 をコードしている配列を含んでおり、ポリペプチドの存在p結果、前記融合タン パク質が、細胞の外表面へ輸送される請求の範囲第134項記載の組成物。
136、融合タンパク質に存在しているポリペプチドが、フィンブリリンタンパ ク質、繊毛、べん毛、OM表面タンパク質に由来するポリペプチドから選択した 表面タンパク質である請求の範囲第135項記載の組成物。
137、細胞表面のポリペプチドが腸内細菌科、ビブリオ科、およびシュードモ ナス科から選択した細菌種に由来する請求の範囲第135項記載の組成物。
138、請求の範囲第111項記載の生存可能な細胞集団を含んでいる農薬活性 のある組成物において、細胞が加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子 または調節ヌクレオチド配列とは天然には関係していない更なるDNA配列を含 んでおり、更なる配列が農薬活性のある遺伝子産物をコードしている配列であり 、この組成物を害虫を含んでいる環境に施すと、前記環境において効果的な農薬 効果を得るために十分な期間および量での、農薬活性のある遺伝子産物を細胞に 発現させるが、しかし細胞は環境において生き残ることができないという程度に 、細胞の機能が制限されている組成物。
139、更なるDNA配列が、昆虫またはそれらの子孫に有害な遺伝子産物をコ ードしている請求の範囲第138項記載の組成物。
140、更なるDNA配列が、バシラス・スリジエンシス由来の、殺虫作用のあ るタンパク質をコードしている配列である請求の範囲第136項記載の組成物。
141、請求の範囲第114項記載の生存可能な細胞集団を含んでいる環境汚染 物質を分解する組成物において、細胞が加水分解活性のある酵素をコードしてい る遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは、天然には関係していない更なるDN A配列を含んでおり、更なる配列は環境汚染物質を分解する遺伝子産物をコード しており、この組成物を、分解されるべき汚染物質を含んでいる環境に施すと、 前記環境において効果的な汚染物質分解効果を得るために十分な期間および量で の、汚染物質を分解する遺伝子産物を細胞に発現させるが、しかし細胞は生き残 ることができないという程度に細胞の機能が制限されている組成物。
142、その発現の結果、細胞機能を制限する酵素が形成される遺伝子、または 複数の遺伝子が、汚染物質を分解する遺伝子産物によって分解することのできる 汚染物質が、実質的に分解して初めて発現される請求の範囲第141項記載の組 成物。
明細書 遺伝子操作をした微生物の生存をそれらの環境において制限する方法 発明の技術分野 本発明は、遺伝子操作により得られた微生物の、生物的封じ込めについての新規 なシステムを供する。本発明は、調節発現の可能な遺伝子、すなわちその発現の 結果、細胞質で活性をもつ加水分解酵の形成が、細胞機能の制限に帰着する速度 で行なわれる遺伝子を含んでいる細胞またはその細胞の集団に関しており、かか る調節発現の可能な遺伝子を含んでいる組換えレプリコンに関しており、発現可 能な遺伝子を含んでいる細胞集団の生存を制限する方法に関しており、染色体外 の組換えレプリコンを最初の種類の細胞に入れる方法、および細胞集団の生存を 推計学的に制限する方法に関する。
また免疫活性のある組成物、農薬活性のある組成物、および環境汚染物質を分解 する組成物をも供し、これらのすべては、細胞が更にそれぞれ免疫活性があるか 、農薬として活性があるか、または環境汚染物質を分解する遺伝子産物をコード しているDNA配列を含んでいる、前文に定義したような細胞の集団を含む。
背景技術 産業上有用な新規な微生物を設計するための組換えDNA技術の適用の増加は、 科学者の社会および一般社会において、潜在的な危険性についての関心を引き起 こしてきた。これらの関心は主として、かかる遺伝子操作により生じた微生物( GEM)の故意のまたは故意でない放出についての、ヒトへの潜在的危害、およ び、好ましくないおよび(または)制御できない生態学的な影響に関するもので ある。
これらの関心は、かかる微生物が使用されている研究室および生産施設における OEMの安全な取り扱いのための、公式のガイドラインの制定を達成させた。か かるガイドラインはこれまでは主として、研究室および生産施設において、かか る施設の労働者が汚染される見込み、またはOEMが発酵容器のような最初の物 理的環境から漏出する見込みを減少させる目的で、物理的に含んでいるOEMの 測定に向けられてきた。
現在では、OEMの取り扱いにおける安全性のレベルは、遺伝子操作により生じ た生物がもし本来の環境から漏出した場合にその生存の可能性を減少させるため に、物理的封じ込み手段と生物的封じ込め手段とを組合せることにより増加させ ることができると考えられている。
しかしながら最近では、外の環境へのOEMの故意の放出および生きたワクチン としてのGEMの使用に関する潜在的危険性に、ますます関心が集中してきてい る。この点については、OEMの環境への放出またはワクチンとしてヒトまたは 動物体へ投与した後に、放出された生物を調節された方法で効果的に殺す生物的 封じ込めシステムか、またはかかるGEMを、放出された環境の天然の微小植物 相によって最終的には追い出されるであろう有意な競争上の不利益の下に置く程 度に、放出されたOEMの機能を制限する生物的封じ込めシステムを持つ必要性 が痛切に感じられる。
生物的封じ込めの最初のシステムは、「安全」なりローニングベクターおよび弱 らせた宿主細菌の使用に基づくものであった。たとえば、伝達機能を欠くか、ま たは非常に狭い宿主範囲を天然にもつベクターの使用が示唆されてきた。弱らせ た宿主細菌の例は、OEMの本来の環境の外側には存在しないか、または低濃度 で存在する外米性の栄養素に対する絶対要求性を有する大腸菌変異体である。
他の提案されている生物的封じ込めシステムは、それによってベクターがOEM に制限される機構に基づいており、たとえば、ある遺伝子の発現がプラスミドの 複製に不可欠であるような遺伝子中にナンセンス突然変異のあるプラスミドベク ターを使用するか、または染色体におけるサプレッサー突然変異を使用し、前記 突然変異が遺伝子のメツセージの翻訳の読み通しを阻止するようにする。更なる アプローチは、OEMの染色体中にrDNAを組込むことにより、rDNAを宿 主内で安定に維持することである。
最近もう一つの生物的封じ込め戦術が開発されており、それによれば組換えベク ターには細胞を殺す機能をコードしている遺伝子にして、GEM本来の環境の外 の広く一般的な条件のようなある環境条件下か、またはベクターが故意にではな く第二の宿主に伝達されるか、またはその発現が推計学的に誘導される場合にの み発現されるプロモーターの支配下にある遺伝子が与えられている。かかる細胞 致死機能のGEMへの取り込みを使用し、適切な調節配列を選択することにより 、本来の宿主細胞および(または)本来の物理環境に含まれるベクターを構築す ることができる。この文章において定義したような細胞致死機能もまた活発な生 物的封じ込め因子と呼ぶことができる。
かかる生物的封じ込めシステムのために、もし推計学的に誘導される発現調節の 機構が選ばれたなら、このシステムを含んでいるOEMの集団は、外部環境への 放出に際し、あるいは生きたワクチンとして用いられた場合に、ランダムな細胞 致死作用を受け、それにより宿主細胞集団の倍加時間が増加するか、または最終 的に生物が消滅する結果となる。
上記の、細胞を殺す機能をコードしている遺伝子は、しばしば「自殺遺伝子」と も呼ばれ、かかる遺伝子、すなわちその発現が前文に定義したように調節されて いる遺伝子の使用に基づいている生物的封じ込めシステムを、一般に条件致死シ ステム、または「自殺」システムと称する。現在まで、細菌の染色体および原核 生物のプラスミドにおいて種々の細胞致死機能が発見されてきた。細胞致死機能 を有する染色体遺伝子の例は、大腸菌に−12の遺伝子のgef(Poulse nら、1990)およびrelF (Bechら、1985. BIIbo、  vol、4 no、4.1059−1066)である。自殺遺伝子をコードして いるプラスミドの例は、各々プラスミドR1およびFから単離したhokおよび fim^(Gerdesら、1986)遺伝子、やはりプラスミドFから単離し た5nrB遺伝子(Akimot。
ら、1986) 、およびプラスミドR16およびR483から単離したpnd 遺伝子(Sakikawaら、1989、およびOnoら、1987)である。
これらの遺伝子の共通した特徴は、それらが構成要素として翻訳され、翻訳後の 段階で調節されており、それらがすべて約50個のアミノ酸から成る小さな毒性 タンパク質をコードしていることである。生物的封じ込めシステムにおけるho k遺伝子の適用はWO37105932に開示されている。
理想的には、効果的な生物的封じ込めシステムの特徴は、最小限の必要性として 、細胞を殺す機能が発現された時その機能が効果的であること、この封じ込めシ ステムが広範囲のGEM種において機能すること、たとえば自殺遺伝子またはそ の遺伝子の発現を調節している配列における突然変異により、細胞致死機能の排 除の危険性が最小であること、および細胞が殺される時放出されるrDNAの、 他の生物による取り込みの危険性が減じられていること、を含むべきである。
前述の周知のいかなる封じ込めシステムもこれらの理想的な必要性のすべてを満 たさない。しかしながら本発明は、新規な有効な生物的封じ込めシステム、すな わち元来の細胞を殺す機能に基づくものではなく、遺伝子が挿入される細胞内で のその遺伝子の発現の結果、細胞質において加水分解活性があり、細胞膜の向こ う側に輸送されない成熟型の細胞外酵素が形成される遺伝子を利用するシステム を供する。かかる酵素が発現されると、細胞の正常な機能は、かかる細胞集団の 競争力およびそれに由来する生存力が有意に減少する程度に制限されるようにな る。
供せられた加水分解活性のある酵素は、RNA分解および(または)DNA分解 酵素であり、かかる酵素に基づく生物封じ込めシステムは、遺伝子操作により生 じた宿主細胞のrDNA分子が、遺伝子操作をした宿主微生物と同時に破壊され る点において、周知の生物的封じ込めシステムを越える更なる利点を有するであ ろう。
発明の要約 多くの細胞は、生来細胞外に移動する、すなわち細胞膜の向こう側へ排出される 、加水分解活性のある酵素を産生ずる。かかる酵素を天然に産生じている細胞で は、酵素が細胞内で発現される場合、酵素的には不活性な、未成熟な細胞外酵素 分子(酵素前駆体)の形をとっており、それにより酵素前駆体が細胞膜の向こう 側に輸送されるシグナルペプチドを含んでいる。細胞膜の通過に際し、シグナル ペプチドは分子から切り離され、それにより分子は成熟型の酵素的に活性のある 形に変わる。
本発明は、正常には、産生細胞の細胞質に存在している間は未成熟で酵素的に不 活性な酵素前駆体の形である細胞外酵素を、ある細胞において、細胞質の中で酵 素活性をもつ成熟した酵素の形で発現させることができ、かつ、かかる活性型の 細胞外酵素の細胞質中での存在が、正常な細胞機能の制限に導く細胞損傷を引き 起こすことができるという発見に基づくものである。
これらの発見に基づき、本発明は、GEMの環境における生存の制限を目的とす る、OEMの生物的封じ込めへの新規なアプローチを供する。
従って第一の面においては、本発明は、ある遺伝子を含んでいる細胞にして、そ の遺伝子の発現の結果、前記細胞の細胞質に存在し、かつ加水分解活性のある酵 素が形成される細胞であり、さらにその遺伝子の発現を調節する調節ヌクレオチ ド配列を含んでいる細胞であり、その発現が、細胞の非制限機能に必要な、加水 分解可能な細胞質物質を加水分解する結果となる速度で、細胞の機能を制限する 程度に、細胞における酵素の形成を導く調節ヌクレオチド配列である細胞を供す る。
さらなる面において、調節発現の可能な遺伝子を含んでいる組換えレプリコンに して、細胞の細胞質に存在し加水分解活性のある酵素をコードしている細胞にお いて発現されると、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な、加水分解 可能な細胞質物質を加水分解する結果となる速度で、細胞の機能を制限する程度 に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子の発現が、組換えレプリコンま たはこのレプリコンを含んでいる細胞に存在している他の組換えレプリコンに含 まれている、調節ヌクレオチド配列によって調節されているレプリコンが供せら れる。
更なる面において、本発明は前文に定義したような様々な細胞から成る細胞集団 に関している。
更に、本発明は細胞集団の生存を最初の環境または2番目の環境に制限する方法 にして、前記細胞集団を、その細胞集団の中で複製し、かつその遺伝子の発現が 前記細胞の細胞質に存在し加水分解活性のある酵素の形成を引き起こす遺伝子を 含んでいる組換えレプリコンを用いて形質転換することを含んでおり、細胞は更 に、環境因子によって調節され得るかつ前記遺伝子の発現を調節する調節ヌクレ オチド配列を含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な、加 水分解可能な細胞質物質を加水分解する結果となる速度で、細胞の機能を制限し て細胞集団の生存の制限に導く程度に、細胞内における酵素の形成を導く方法に 関する。
もう一つの面において本発明は、染色体外の組換えレプリコンを、前記レプリコ ンが2番目の種類の細胞に天然に伝達することのできる最初の種類の細胞へ入れ る方法にして、染色体外の組換えレプリフン上に、その発現が細胞の細胞質に存 在し加水分解活性のある酵素の形成を引き起こす遺伝子を与えることを含み、前 記酵素の形成が、細胞の非制限機能に必要な、加水分解可能な細胞質物質を加水 分解する結果となる速度で、細胞の機能を制限する程度になされ、染色体レプリ コンを持つかまたは持つように修飾された前記の最初の種類の細胞は、前記遺伝 子の発現を阻害する調節ヌクレオチド配列を含んでおり、それによって最初の種 類の細胞を保護し、前記調節遺伝子は前記の2番目の種類の細胞にはないため、 それによってもし二番目の種類の細胞が前記の染色体外組換えレプリコンを受け 取ると、前記遺伝子は発現し、機能制限効果がもたらされる方法に関する。
もう一つの更なる面において本発明は、細胞集団の生存を推計学的に制限する方 法にして、調節発現の可能な遺伝子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞 の形質転換を含み、その遺伝子が、細胞の細胞質に存在し加水分解活性のある酵 素をコードしている細胞において発現される時、その遺伝子の発現が、細胞の非 制限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する結果となる速度で、 細胞の機能を制限する程度に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子また は複数の遺伝子の発現が、それが細胞に存在している間はこの酵素をコードして いる遺伝子の発現を阻害する、切出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド 配列の、組換え切出しの結果として推計学的に誘導され、前記の負に機能してい る調節ヌクレオチド配列が、組換えレプリコンか、またはレプリコンを含んでい る集団の細胞に存在する他の組換えレプリコンに含まれている方法に関する。
また更なる面においては、前文に定義したような、機能を制限された生存可能な 細胞集団を含む免疫活性のある組成物にして、この細胞は加水分解活性をコード している遺伝子または調節ヌクレオチド配列には天然には無関係な更なるDNA 配列を含んでおり、更なる配列は免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配 列であり、この組成物がヒトまたは動物に投与される時、効果的な免疫反応を前 記ヒトまたは動物において得るために十分な期間および量において、免疫活性の ある遺伝子産物を細胞に発現させるが、しかし、ヒトおよび動物の中では細胞は 生き残ることができない、という程度に細胞の機能が制限されている組成物が供 せられる。
本発明はまた、この文章の中で定義したような生存可能な細胞集団を含む農薬と して活性のある組成物にして、この細胞は加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは天然には無関係な更なるDNA配列 を含み、更なる配列は農薬活性のある遺伝子産物をコードしている配列であり、 この組成物を害虫を含んでいる環境に施すと、前記環境において効果的な農薬効 果を得るために十分な期間および量において、農薬活性のある遺伝子産物を細胞 に発現させるが、しかし環境において細胞は生き残ることができない、という程 度に細胞の機能が制限されている組成物を供する。
最後に、この文章において定義したような生存可能な細胞集団を含む、環境汚染 物質を分解する組成物にして、この細胞は加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは天然には無関係な更なるDNA配列 を含み、更なる配列は環境汚染物質を分解する遺伝子産物をコードしており、こ の組成物を分解されるべき汚染物を含んでいる環境に施すと、前記環境において 効果的な汚染物質分解効果を得るために十分な期間および量において、汚染物質 を分解する遺伝子産物を細胞に発現させるが、しかし環境において細胞は生き残 ることができないという程度に細胞の機能が制限されている組成物が供せられる 。
発明の詳細な開示 細胞機能を制限する効果を有する、細胞内で加水分解活性のある細胞外酵素の使 用に基づく生物的封じ込めシステムの概念細胞膜を通過することのできない脂質 、リン脂質、DNA、 RNA、および多糖類のような多くの高分子でも、細胞 の成長のための基質として利用することができる。これらの基質は細胞により排 出されたタンパク質酵素によって、細胞の外側の培地中において酵素的に加水分 解(分解)される。細胞外の分解を仲介するかかる加水分解酵素を「細胞外酵素 」と呼ぶ。外側の細胞膜を通過することができ、従って外側の培地中に排出され る真の細胞外酵素に加えて、ある種の細胞は、あるものは細胞膜の中に入り、通 り抜けるよりもむしろそこにとどまるという不完全に排出される加水分解酵素を 産生ずる。
他の酵素は細胞膜を通過するが、外膜を通過することができず(ペリプラズム酵 素)、さらに別のものは外膜の中にとどまっている。
このような情況においては、「細胞外酵素」という用語は、天然にその酵素を産 生じている細胞か、またはかかる排出可能な酵素をコードしている遺伝子が挿入 されている細胞により、細胞膜(細胞質膜)を通り抜けることによって、天然に 排出された加水分解酵素を呼ぶために用いられており、従ってこの用語は、天然 の真の細胞外酵素、細胞膜結合酵素、ペリプラズムに局在する酵素、および外膜 結合酵素を含む。
一般的には、この文章の中に定義したような排出可能な細胞外酵素が排出される メカニズムは共通した特徴をもつ。たとえば、これらのタンパク質が細胞質で最 初に合成される時には、酵素活性のない前駆体分子の形(プロ酵素とも呼ばれる )であり、正しい場所に位置した後にシグナルペプチドと呼ばれるタンパク質の アミノ末端の部が除去されるため、それらの前駆体分子は細胞外の正しい場所に 入った後のものより分子が大きい。シグナルペプチドの機能は、細胞外酵素タン パク質の位置する場所への移動を助けることである。
分子が正しい位置につくとシグナルペプチドは除去され、それによってタンパク 質は成熟した、または「プロセスされた」酵素活性のある加水分解酵素に変る。
しかしながら、この文の中で定義したような、セラチア属の種のホスホリパーゼ を含めたある種の加水分解活性のある細胞外酵素は、天然にこの酵素を産生じて いる細胞において発現される際シグナルペプチドが与えられない。ホスホリパー ゼをコードしているphlA遺伝子に加えて、ホスホリパーゼを天然に発現して いるセラチア属の細胞は、ホスホリパーゼタンパク質との相互作用により、細胞 の中で発現されるホスホリパーゼからの損害に対して細胞を耐性にする、細胞内 で活性をもつタンパク質をコードしているphlB遺伝子を含む。
前文に説明したように、本発明は有効な生物的封じ込めの概念に対する新規なア プローチを供しており、それは細胞の細胞質中に(すなわち細胞内に)酵素活性 のある成熟型の細胞外酵素の存在を得ることができるという発見に基づいている 。このことは、細胞外酵素分子をコードしているが、しかしそれに対応するシグ ナルペプチドをコードする配列を含まないヌクレオチド配列を、細胞内に挿入す ることにより得られる。シグナルペプチドをコードしている配列のヌクレオチド 配列からの欠失によっても、細胞内で活性のある酵素分子を細胞膜の外側に移動 できないようにすることができる。
前文の説明によれば、細胞内で活性のある細胞外酵素を得るための変法は、前記 酵素の細胞内での活性に対して細胞を耐性にすることのできる遺伝子産物をコー ドしている遺伝子の存在なしに、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝 子を、本発明による細胞に与えることである。
細胞の細胞質は高分子の混合物を含んでおり、それらの高分子の存在および機能 が、成長および複製のような基本的な生命の現われを含む細胞の非制限機能に必 要である。これらの高分子の例は、DNA、 RNA、脂質、リン脂質、タンパ ク質、および炭水化物重合体を含む。
ある遺伝子の発現の結果、前文に定義したような細胞外酵素が形成される遺伝子 を、本発明に従って細胞に挿入すると、天然に生じる細胞内高分子は、細胞内で 活性のある加水分解酵素の基質として作用することができる。
もし細胞質の加水分解可能な高分子を加水分解する速度で、細胞の生命機能を制 限する程度に、加水分解活性のある酵素が細胞内で発現されるとすれば、かかる 細胞の、同じタイプであるがこの文の中に定義したような細胞外酵素が細胞内で 活性のある形で発現されない細胞との競争力は減少するであろう。
このような情況においては、「非制限の細胞機能」という用語は、理想的には新 しい細胞物質の合成と細胞の複製速度とによって表示されるような細胞の成長が 、天然にはその細胞内に生じない細胞内加水分解による高分子の分解によって減 少させられないことを意味する。従ってこの文章の中では、この用語は理想的に は、前文に定義したような細胞内で活性をもつ細胞外酵素が発現されていない細 胞の、ある一定の条件の下での成長速度および複製速度を記述するために用いら れる。それ故この文章の中で使われている「制限された細胞機能」という用語は 、細胞が前文に定義したような非制限細胞機能を有する同種類の細胞と同一の条 件下で成長する時に、細胞内で活性のある細胞外酵素の発現の結果である細胞の 状態を、理想的には減少した成長速度および減少した複製速度という言葉で相対 的に述べるものである。
かかる制限された細胞機能の認知可能な表示は、最終的には細胞の死によって可 能となるが、非制限細胞機能を有する細胞との比較において、遅滞期および(ま たは)細胞の倍加時間の増加の結果としての、一定時間内の細胞数の増加の減少 という結果に終わる、複製速度の減少として現われる細胞の成長の減少によって も可能である。他の表示は、一つあるいはそれ以上の栄養成分要求性の相対的な 増加、または最適温度より低い温度や、毒物により引き起こされる細胞の損傷の ような有害な環境因子に対する相対的に高い感受性によっても可能である。
かかる制限された細胞機能の表示(または複数の表示)の実際のタイプおよびそ の度合は、細胞において発現される細胞外酵素の特定の種類、細胞外酵素の発現 速度、細胞質における一般的な条件の下で酵素が加水分解活性をもつ可能性、高 分子基質の量およびかかる基質の非制限の細胞機能に対する重要性、および細胞 内で活性をもつ細胞外酵素をコードしている遺伝子のコピー数に特に依存するで あろう。
細胞機能を制限する効果を有する、細胞内で加水分解活性のある細胞外酵素 本発明によれば、細胞内で活性のある適切な酵素とは、それが発現される時、原 核細胞および真核細胞の細胞質に存在する高分子を、細胞の機能が制限される程 度に、加水分解によって分解することのできるいかなる細胞外酵素でもよい。本 発明において使用することができる興味深い加水分解酵素は、ヌクレアーゼ、ホ スホリパーゼ、リパーゼ、リゾチーム、プロテアーゼ、およびカルボヒドラーゼ を含む。
この文章の中で用いたように、「ヌクレアーゼ」という用語は核酸を分解するこ とのできる細胞外加水分解酵素を意味する。核酸であるDNAおよびRNAは、 ホスホジエステル結合によりヌクレオチドが連結することによって形成されるポ リヌクレオチドである。あるヌクレアーゼはDNAとRNAの両方を分解するこ とができるが、他のヌクレアーゼ(デオキシリボヌクレアーゼまたはDNアーゼ )はDNAのみを分解し、さらに他のヌクレアーゼ(リボヌクレアーゼまたはR Nアーゼ)はRNAのみを分解する。ヌクレアーゼは、オリゴヌクレオチドの2 つの末端のいずれかの最後のヌクレオチド残基を切断するホスホジエステル結合 を加水分解するエキソヌクレアーゼか、またはポリヌクレオチドの内部に存在す るホスホジエステル結合を切断するエンドヌクレアーゼのいずれでもよい。
本技術においては、「ニック」という用語は通常、エンドヌクレアーゼによるホ スホジエステル結合の切断からの結果であるDNAの一本鎖における欠失を記述 するために使われる。「エキソヌクレアーゼ」という用語は、この特別な情況に おいて用いる際には前文に定義したような活性様式を表しており、ここでは、通 常細胞の外側に排出されるヌクレアーゼを呼ぶために使っているのではないこと に注目しなければならない。
本発明の情況においては、有用なヌクレアーゼはDNAのホスホジエステル結合 を加水分解する能力を有するヌクレアーゼを含む。特にDNAを分解する有用な ヌクレアーゼはエンドヌクレアーゼを含み、その活性は、二本鎖DNAを基質と する場合には、DNA鎖の一方だけにホスホジエステル結合の切断にツク)を生 じる。従って本発明の一つの態様においては、加水分解酵素はかかる能力を有す るエンドヌクレアーゼである。
DNAにおける欠失は、すべての細胞において比較的高い頻度で自然に起こるも のである。しかしながら、正常細胞においてはかかる欠失は、傷ついたDNA鎖 の変化した部位が一連の酵素により認識され除去され、次いでDNAポリメラー ゼによりもとの形に置き換えられ、さらに最終的にDNAリガーゼと呼ばれる酵 素により、DNAらせんに残っていたニック(壊れたホスホジエステル結合)が 閉じられ元のままのDNAの復元が完了することに関与する、生来備わっている DNA修復機構により効果的に除去される。
この天然のDNA修復機構は、この文章において定義したようなヌクレアーゼの 細胞内における酵素活性からの結果と考えられるDNAの欠失にツク)も除去す るであろう。従って、前文に定義したような細胞内で活性のあるヌクレアーゼが 発現されている種類の機能は、細胞の核酸におけるニックの存在が、数において DNA修復機構により修復され得る数を上回る場合にのみ制限され、DNA欠失 にツク)の数はあるレベルに達し、それによって細胞の機能は認知できるほどに 制限されるようになる。
この文章において定義した細胞内で活性のある、ヌクレアーゼを含めた細胞外酵 素の発現の速度はまた、その細胞の細胞質中における一般的な条件下での酵素の 比活性により測定される。これらの条件は、正常にこの酵素を産生じている細胞 の中にある場合、酵素が場所を移される細胞外の環境に一般的な条件とは異なっ てもよいと理解されるであろう。1つの例として、システィンおよびメチオニン のような含硫アミノ酸残基を含んでいる酵素は、酸化により損傷しやすいため、 Rh値の高い細胞の細胞質中に存在している場合、少なくとも部分的に酵素的に 不活性になると推定することができる。
しかしながら驚いたことに、本発明に散った研究の過程において、いくつかのシ スティン残基を含んでいるエンドヌクレアーゼのような含硫アミノ酸を含んでい る酵素が、その酵素を発現する細胞の機能が制限される程度に、細胞内で酵素活 性をもつことができることが発明された。従って本発明の一つの態様においては 、加水分解活性のある酵素は、少なくとも一つの含硫アミノ酸残基を含んでいる 、ヌクレアーゼのような酵素である。
グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌を含めたいくつかの原核細胞は、細胞膜の 向こうへ場所を移される細胞外酵素を生来産生じており、それらの酵素の興味深 い例は、セラチア属の一種によって産生されるエンドヌクレアーゼである。かか るエンドヌクレアーゼは、細胞外において高い比活性を有することが知られてい る。WO36106743においては、セラチア属の一種のかかる細胞外ヌクレ アーゼが大腸菌で発現されることが開示されており、それらが生物材料からの核 酸の除去に有用であることが述べられている。セラチア属の一種のヌクレアーゼ の一例は、N末端のシグナルペプチドをコードしている配列を除外すると、以下 のDNA配列によりコードされる酵素である。
πIぞπ工1シ14 屯 かかるセラチア属の一種のヌクレアーゼは、本発明に従って成熟した酵素の形、 すなわちシグナルペプチドを欠いた形で細胞内番二発現されると、酵素が発現さ れる細胞の機能を制限すること力(できる程度に酵素活性をもつことが、現在発 見されている。従って、本発明の有用な態様においては、その遺伝子の発現の結 果、細胞内で加水分解活性をもつ酵素が形成される遺伝子は、生来のシグナルペ プチドのないセラチア属の一種のヌクレアーゼをコードして0る遺伝子である。
更に適したヌクレアーゼは、エロモナス属またはエルシニア属の種を含めた他の グラム陰性細菌から単離された遺伝子にコードされているヌクレアーゼであるこ とが可能である。
本発明の他の態様においては、加水分解活性のある酵素は、スタフィロコッカス 属の一種のようなグラム陽性細菌から単離された遺伝子にコードされているヌク レアーゼであり、その適切な一例は、黄色ブドウ球菌(Staphylococ cus aureus)のFogg i株の成熟型エキソヌクレアーゼである。
この酵素をコードしている遺伝子はクローン化され、特徴がわかっている(Sh orLlc、 1983. Gene、 22.181−189)。この酵素は 、Ca2+により活性化される、16.8kDの熱安定性のある細胞外ホスホジ ェステラーゼであり、DNAおよびRNAの両方を分解する。この酵素は149 個のアミノ酸から成り、ジスルフィド結合およびスルフヒドリル基をもたない。
このヌクレアーゼをコードしている遺伝子は、この遺伝子を含んでいるプラスミ ドpFOG408から引き出すことができる。
本発明に一致して細胞機能を制限する酵素として有用となり得る他の興味深い加 水分解活性をもつ酵素は、たとえばセラチア属の一種から単離された遺伝子によ ってコードされているホスホリパーゼのようなホスホリパーゼである。その特別 な一例として、WO36106743)に開示されているホスホリパーゼを挙げ ることができ、それは以下のヌクレオチド配列によってコードされている。
Aπ−π===コa;μユムひπ江ひにα===ン買σα=ひOロα〃フ巾コひ π=ひ匡パひαム匡にπロσπ=ゴーα: l 、 AAα工=スππ=1−胃 ルα口^ 。
加水分解活性のある細胞外酵素を含んでいる細胞前文に記したように、本発明は 、−面においてこの文章の中で定義した加水分解活性のある細胞外酵素をコード している遺伝子を含んでいる細胞に関する。細胞は、いろいろな種類の細胞から 、封じ込めに対する必要性の存在に関して選択することができる。従って含まれ る細胞は、細菌細胞、原生動物細胞、酵母または藻類の細胞、または植物、動物 、および藻類のような多細胞生物の組織に由来する細胞でよい。
加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子は、今定義したような、加水分 解酵素を産生ずるいかなる生物にも含まれているいろいろな種類のレプリコンに 由来することができる。従って、遺伝子の源は細菌染色体、細菌プラスミド、原 核生物ウィルス、真核生物ウィルス、真核細胞プラスミド、または真核細胞染色 体を含む。
遺伝子は標準的な方法により、合成により構築することもできる。
本発明によれば、この文章の中で定義されるような細胞は、それ自体が周知であ る方法によって得ることができる。これらの方法は、適切な細胞外加水分解酵素 を発現している細胞のスクリーニング、その酵素をコードしている遺伝子の、か かる細胞からの単離、その遺伝子からのシグナルペプチドをコードしているヌク レオチド配列の除去および、その遺伝子およびその発現を調節することのできる ヌクレオチド配列の、含まれるべき細胞への挿入、その遺伝子の発現を可能にす る条件下での細胞の成長、および細胞内における酵素活性のある形での酵素の存 在の検査の各段階を含む。
加水分解活性のある細胞外酵素をコードしている遺伝子の挿入は、細胞の染色体 でもよいし、あるいは細胞の中で複製することのできる組換えプラスミドのよう な、染色体外組換えレプリコンに遺伝子を挿入してもよい。
加水分解活性のある細胞外酵素の発現を調節する調節ヌクレオチド配列 前文に記したように、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現は 、調節ヌクレオチド配列によって調節されている。
このような情況においては、「調節ヌクレオチド配列」という用語は、転写の段 階または翻訳の段階において、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子 の発現を、直接あるいは間接的に調節するヌクレオチド配列を表すものとされて いる。調節ヌクレオチド配列は、その機能の結果調節可能なプロモーターの活性 が抑制または阻害されるものであればよい。かかる調節ヌクレオチド配列は、こ の文章の中では、「負に機能する調節ヌクレオチド配列」と呼ぶ。
かかる負に機能する調節ヌクレオチド配列の興味深い一例は、加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子の発現を抑制する、リプレッサー物質をコードし ている配列であり、リプレッサー物質は、それを含む細胞が、ヒトまたは動物の 体、または外部環境に放出されると崩壊し、それにより酵素をコードしている遺 伝子の発現の抑制が次第に減少し、リプレッサーの崩壊が完了すると、ついには 抑制が解除される。
本発明の好ましい態様においては、調節ヌクレオチド配列は細胞内において、1 つあるいはそれ以上のレプリコンに含まれることができ、さらに酵素をコードし ている遺伝子を含んでいるものと同一のレプリコンに含まれることも、異なる組 換えレプリコンに含まれることもできる。
細胞機能を制限する酵素の発現を、本発明に従って調節する1つの方法は、加水 分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を、細胞に与えることにより転写の 段階でその遺伝子を調節する方法である。転写段階における調節は、一つあるい はそれ以上の因子によって調節されるプロモーターによる調節を含めた種々の方 法で行うことができる。これらの因子は、それらが存在することによって遺伝子 の発現を確実にするものであるか、またはそのかわりに遺伝子の発現を抑制する ものであって、それがなくなることにより酵素の発現が引き起こされるものでよ い。
前文に定義したようなプロモーターの活性を調節する因子は、種々の因子から選 択することができる。従って、細胞機能を制限する酵素をコードしている遺伝子 の発現は、環境条件または細胞の生理的状態により、あるいは周期的または推計 学的な事変によって決定することができる。現在の情況においては、「周期的な 事変」という用語は温度条件、光の強さの変化、またはホルモン変化のような、 遺伝子の発現に影響することにおいて潜在的に有用であることが知られているあ る種の因子に変化を引き起こす、周期的にくり返しておこる事変を意味するもの と理解されている。「細胞の生理的状態」という用語は、細胞密度または細胞の 増殖の相のような因子を意味する。
本発明によれば、プロモーターを調節する有利な因子は、環境におけるある種の 化学物質の有無あるいは、効果のある温度または他の物理的要因(たとえば環境 における光の強さ)のような、環境における物理的条件を含めた、容易に調節の できる因子である。従って、細胞を増やす発酵培地のような最初の環境に存在す るある種の世代ごとの細胞あたりに、または単位時間あたりに、ある一定の頻化 学物質が、細胞が放出される2番目の環境には存在しない時、あるいは細胞の成 長または生存に必要な因子がもはや存在しない時、もしくはその因子が、細胞の 環境から使い尽される時に期待した効果を表す、すなわち遺伝子が発現される、 という因子である時に、細胞機能を制限する酵素をコードしている遺伝子が発現 される、現在請求しているような封じ込めシステムを期待することができる。
細胞機能を限定する加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の転写を調 節しているプロモーターは、細胞の最初の環境には存在しないが、2番目の環境 にはプロモーターを活性化させるに十分な量で存在しているある化学物質により 、細胞の2番目の環境において活性化されることも可能である。同様にプロモー ターは、たとえば発酵容器のような最初の環境における高い温度から、外部の2 番目の環境における一般的な低い温度へのシフトのような、温度シフトによって 活性化されるか、または光の強さによって、すなわちプロモーターが十分な強さ の光の存在下に活性化されるが、発酵容器のような最初の環境における一般的な 暗さにおいては不活性であるというように活性化されるプロモーターであってよ い。
この文章において定義した細胞が、ある調節された方法で自然環境の中に、たと えば陸地の、ある限られた地域、あるいはヒトまたは動物の腸管に放出される細 胞である場合には、調節可能なプロモーターは化学的に調節されるもの、すなわ ち前文に説明したように、細胞の環境におけるある化学物質の存在の有無によっ て調節されるものでよい。
しかしながら、調節可能なプロモーターは都合の良いことに、たとえば温度の変 化によって、または最も都合の良いことには、推計学的事変によって、周期的に 活性化されるプロモーターである。この文章の中で使われているような「推計学 的事変」という用語は、代謝生成物、アミノ酸、ヌクレオシド、プリンまたはピ リミジン塩度でランダムに起こる事変を表わそうとするものであり、本発明によ れば、細胞機能を制限する、細胞内で活性のある細胞外酵素の発現の活性化が、 任意に細胞の死に導く程度に起こる細胞において、細胞の機能を制限する結果に 終わることができる。この推計学的事変は、プロモーターを運んでいる領域の周 期的な逆位によって引き起こすことができるが、前文に定義したような、組換え 切り出しの可能なネガティブに機能するヌクレオチド配列の組換え切り出しによ って、さらに有利に誘導することができる。
本発明の一般的な適用性を確実にするためには、細胞機能を制限する酵素をコー ドしている遺伝子の、転写の開始に使用されるプロモーターが、好ましくは広範 囲の細胞において前記遺伝子の発現を引き起こすことのできるプロモーターであ ることに注目しなければならない。
加水分解活性のある酵素の調節可能な発現の場合には、調節可能なヌクレオチド 配列は、たとえばアミノ酸生合成に関する細菌オペロンから単離されるか、また は増殖の定常期の後期に転写が活性化される細菌遺伝子から、あるいは繊毛のよ うな細胞の表面構造の合成に関する細菌遺伝子から単離されるプロモーターであ ってよい。
適切なプロモーターの例は、トリブトファン不在下に活性化される大腸菌のtr p、温度感受性な調節ヌクレオチド配列により支配されているバクテリオファー ジλのP、およびPLプロモーター、胞子形成の間活性化される枯草菌遺伝子の プロモーター、および推計学的に活性化される大腸菌およびサルモネラ属の繊毛 遺伝子のプロモーターである。
化学的に調節されるプロモーターの場合には、その存在の有無がプロモーターの 活性化を決定する化学物質は、炭素または窒素源、示、のΦい&;L麓JM1a /η)り急ヨ昏こ送供■るしとρ)でさる01シ芋窃質が、それが存在すればプ ロモーター活性を抑制するものである場合には、細胞が自然環境に放出された時 、プロモーターが活性化されない濃度では自然環境中にほとんど生じない物質で あることが好ましい。たとえば大腸菌細胞における適切なプロモーターの一例は 、trpプロモーターであり、細胞の環境内にトリプトファンがあれば抑制され 、環境内に十分量のトリプトファンがなければ抑制は解除される。 trpプロ モーターまたは他の、同じ方法で調節されているプロモーターを用いた封じ込め システムは、従って、発酵容器のような最初の環境においてはプロモーターを抑 制するための量のトリプトファンを含んでおり、それは最初の環境から2番目の 環境、たとえば通常は非常に少量のトリプトファンを含んでいるか、またはトリ プトファンを全く含まない自然環境に細胞が放出される時、抑制が解除される。
化学物質によって活性化が決定される、調節可能なプロモーターのもう一つの例 は、たとえばイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)によ って誘導されるlacプロモーターである。
前文に述べたように、調節可能なプロモーターは、細胞機能を制限する酵素をコ ードしている遺伝子と、その遺伝子の発現を調節している調節可能なプロモータ ーとを含んでいる細胞の、環境において一般的な温度によってその活性が決定さ れるプロモーターであってもよい。かかる場合には、プロモーターの調節は、プ ロモーターのためのリプレッサーをコードしている温度感受性のある遺伝子が細 胞に存在することにより有利に得られる。典型的な一例として、前文に記したも のを含んでいるλプロモーターは、温度感受性のあるλclリプレッサーにより 調節することができる。
プロモーター領域の周期的な逆位によって推計学的に活性化されるプロモーター (このような情況においては、かかるプロモーターは、「逆位可能なプロモータ ー」および「逆位によるスイッチプロモーター」とも呼ばれる)であり、本発明 の目的にとって有用であるプロモーターは、例としてhin、 cin、および q1nプロモーターを含む。特に有用な逆位プロモーターの一例は、大腸菌の繊 毛のプロモーターであるf1mAプロモーターである。このプロモーターの活性 化(逆位によるスイッチ)は、本目的のためにronJおよびroff」と名づ けだ2つの遺伝子によって調節されており、On遺伝子産物はoff(不活性) からon(活性)への切り換えを誘導し、off遺伝子産物はonからoffへ の切り換えを誘導する。fi■A遺伝子とそれに結合しているプロモーターが染 色体上に1コピーとして存在している野生株の大腸菌細胞においては、逆位によ るスイッチはおよそ、1世代あたり1000細胞に1細胞の切り換え頻度で起こ る。しかしながら、必要とされる逆位によるスイッチの頻度は、Onおよびof f遺伝子の発現の量を調節することによって調節することができる。このことは 、たとえばOnおよびoff遺伝子を転写させるための適当なプロモーターによ って成就される。これらのプロモーターによる転写の頻度は、形成されるonお よびoff遺伝子の産物の相対的な量を決定するであろう。
前文に説明したように、細胞機能を制限する酵素の細胞内における酵素活性は、 前記酵素に対する耐性を細胞に与えるある遺伝子産物の、細胞内における有無に より、たとえば酵素との相互作用により、その細胞機能を制限する効果が発現し ないようにすることによっても調節することができる。
本発明によれば、細胞機能を制限する酵素をコードしている遺伝子の発現を推計 学的に調節する特に有用な方法は、細胞にそれが存在している間はその遺伝子の 発現が抑えられる、負に機能している切り出し可能な調節ヌクレオチド配列の、 組換え切り出しの結果としての遺伝子発現の誘導である。このような情況におい ては、「組換え切り出し」という用語は、自然発生現象である遺伝的組換え(乗 換え)の結果をさし、それによりレプリコンの中のヌクレオチド配列が、DNA に作用する酵素の連続的な作用により、ある調節された方法で、対合し、切断し 、再結合して組換えレプリコンを形成する。細胞における組換えによる事変の頻 度は、理想的には対合した相補的なヌクレオチド配列の間の相同性、および相補 的な配列の長さに依存している。たとえば、細菌細胞で組換えを得るためには約 50塩基対の相同性が必要であることが示されてきた。
本発明によって細胞機能を制限する酵素をコードしている遺伝子を含んでいる、 組換えのしやすい細胞において、負の調節ヌクレオチド配列が十分な長さの反復 ヌクレオチド配列の間に直接挿入されると、反復配列の間の組換えの結果、負の 調節ヌクレオチド配列の組換えによる切り出しを生じて遺伝子が発現されるよう になり、それによって細胞機能を制限に導く量の、または任意に細胞の死をもた らす量の、細胞の機能を制限する酵素を産生ずることができる。
従って、この文章において用いられるような組換え切り出しの現象は、あるDN Aのサブ配列(すなわち負の調節ヌクレオチド配列)が、組換えの結果を通して 、より長いDNA配列から切り出されることを意味する。本質において、長い方 のDNA配列はサブ配列の両側で切断され、新しくできた末端はサブ配列をぬい て結合される。組換えは、十分に相同なフランキングなヌクレオチドサブ配列の 間で起こる。たとえば、−殻構造がw−x−y−x−zで、Xが反復配列であり Yが負の調節ヌクレオチド配列であるDNAであれば、サブ配列Yを切り出し、 再結合してW−X−Zを形成するであろう。
前文に述べたように、組換えの頻度は、反復の長さおよび(または)反復の間の 距離を変えることにより、ある程度決定される。さらにその頻度は、相同性の異 なる反復配列を用いることによって変えることができる。たとえば、反復ヌクレ オチド配列が100%相同で組換えを損わない大きさであれば、組み換え頻度が 高い結果となり、従って負の調節配列は高い頻度で組換えにより切り出される結 果となるのに対し、相補的な配列内のミス対合は、ミス対合の度合に依存して組 換えの頻度を減少させるだろう。−例として、反復ヌクレオチド配列の間の10 %の相違が、組換えの頻度を40%減少させることができることが発見されてい る。
従って、加水分解活性のある細胞外酵素をコードしている遺伝子を含んでいる細 胞は、本発明によれば、最初のフランキングヌクレオチド配列と、実質的に最初 のフランキング配列と相同な2番目のフランキングヌクレオチド配列とが両側に 並んでいる、組換えによる切り出し可能な負に機能する調節ヌクレオチド配列で ある、調節ヌクレオチド配列を含んでいる細胞である。この文章の中で用いてい るように、「実質的に相同Jという用語は、相同性の度合いが、希望した組換え 頻度という結果をもたらすに十分であることを意味するために用いる。ある態様 においては、望ましい組換え頻度の最高値を得るためには、全くの反復(すなわ ち100%相同な配列)を使用することが有利であり、それに対し、細胞機能の 中程度の制限が望ましい態様においては、多少異質性があるが望ましい低い頻度 の組み換えが起こることはまだ可能である反復の使用が適している。
従ってこのような情況においては、「十分に相同」という用語は、加水分解活性 のある細胞外酵素をコードしている遺伝子と負の調節ヌクレオチド配列とを含ん でいる細胞において、望ましい頻度の組換えによる事象を結果的に引き起こす、 二つのフランキングヌクレオチド配列の間の相同性の度合いを表わすために適切 に用いることができる。
すでに前文で述べたように、組換えの頻度はフランキング配列の長さに依存する 。本発明の有用な態様においては、1oo〜5000塩基対の範囲の長さをもつ フランキング配列を使用する。ある好ましい態様においては、200〜300塩 基対の範囲の長さをもつフランキング配列の使用が有利であると考えられる。フ ランキング配列としては、前文に定義したような十分な長さと相同性とをもつい かなる反復配列も用いることができる。フランキング配列の有用な一例は、約9 00塩基対の大きさを有し、プラスミドpBR325に生じる、前述したクロラ ンフエニコル耐性遺伝子であろう(Bolivλr、 1978. Gene。
4、121−136)。反復として挿入された結果組換えを起こすことのできる 有用なヌクレオチドの他の例は、598塩基対というような、たとえば500か ら約3000塩基対の範囲の大きさを有する、プラスミドpKK3535から単 離したrrnB遺伝子のサブ配列である。
本発明の一つの興味深い態様においては、ある遺伝子の発現の結果加水分解活性 のある酵素がその細胞内で形成される遺伝子を含んでいる細胞は、その中におい て前記遺伝子がメツセンジャーRNAである第一のRNAをコードしている遺伝 子を含んでいる遺伝子であり、さらに、加水分解活性のある酵素をコードしてい る前記遺伝子に操作により連結された、切り出し可能な負の調節ヌクレオチド配 列であり、前記の第一のメツセンジャーRNAとRNA−RNA二重鎖を形成し 、その遺伝子が発現されると、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子 の発現が阻害される、第二のRNAをコードしている遺伝子を含んでいる細胞で ある。
本発明のもう一つの有用な態様においては、組換えによる切り出し可能な負の調 節ヌクレオチド配列が、ある遺伝子の発現の結果加水分解活性のある酵素が細胞 内で形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッサーをコードしている遺 伝子である。かかるポリペプチドリプレッサーは、たとえばIacリプレッサー である。有用なIacリプレッサーの特別な例として、t、acrg遺伝子にコ ードされているリプレッサーを挙げることができる。
本発明のさらに有用な態様においては、切り出し可能な負の調節ヌクレオチド配 列は、その発現の結果加水分解活性のある酵素が細胞内で形成される遺伝子の転 写を妨げる、転写終結配列である。本発明の特別の態様においては、かかる適切 なターミネータ−配列は、プラスミドpHBA102rpoctから単離した、  rpOct’転写ターミネータ−であろう(squiresら、19B!、  Nucleic Ac1d Res、 9.6827−6839)。
本発明によれば適切とされる負の調節ヌクレオチド配列は、ウィルス由来、ある いは原核細胞または真核細胞由来のヌクレオチド配列から単離することができる 。従って、このヌクレオチドの源は、細菌染色体、細菌プラスミド、原核細胞ウ ィルス、真核細胞ウィルス、真核細胞プラスミド、または真核細胞染色体を含む 。
本発明の好ましい態様においては、加水分解活性のある酵素をコードしている遺 伝子と、いずれも前文に定義したような最初の、および2番目のフランキング配 列とに、操作によって連結されている、切り出し可能な負の調節ヌクレオチド配 列は、「カセット」の形で供せられ、この「カセット」という用語は、この文章 の中では、少なくとも前述の配列を含み、加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝を任意に含み、たとえば抗生物質に対する耐性をコードしている遺伝子 のような、適当なマーカーを含んでいる更なるヌクレオチド配列を任意に含んで いる、容易に挿入可能なヌクレオチド配列を記述するために使われている。この 情況においては、「挿入可能なJという用語は、この文章の中で定義したような カセットが、その両端に適当な制限部位を与えられ、同じ制限部位を有するレプ リコンへの挿入が可能となっていることを意味する。従って、かかる好ましい制 限部位は、挿入を望むレプリコンに頻繁に生じる部位を含むか、またはそのかわ りに、かかるレプリコンに容易に与えられる制限部位を含む。
本発明によれば、前文に定義したカセットで、加水分解活性のある酵素をコード している遺伝子を含まず、負の調節ヌクレオチド配列に操作によって連結されて いるカセットは、前記遺伝子を含んでいるレプリコンとは異なるレプリコンに挿 入することができると考えられる。任意で、前文に定義したようなカセットを、 たとえばトランスポゾンのような最初のレプリコンに挿入し、続いてそのトラン スポゾンを介して染色体に挿入し、この文章の中で定義したような細胞を得るこ とができる。
前文に説明したように、fimAプロモーターのような逆位を生じるプロモータ ー、またはそれと機能的に相同なプロモーターは、on遺伝子およびoH遺伝子 の遺伝子産物によって調節される。このプロモーター調節機構が、前文に詳しく 説明した方法により組換えによって切り出されるヌクレオチド配列としてこの文 章において定義したような細胞に挿入することのできる負の調節ヌクレオチド配 列として、off遺伝子または機能的に相同な遺伝子を用いる可能性を与えるこ とが理解されるであろう。従って、ある態様において、本発明は、遺伝子発現の 結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、調節ヌクレオチド配列の逆 位を生じるプロモーターの組換え逆位の結果として推計学的に発現され、前記プ ロモーターが、操作によりその遺伝子に連結されている細胞が供せられる。
プラスミドにおいては、生来の機構が生じ、それによって複製の間のプラスミド の多量体変形が起きる。プラスミドRP4の広い宿主範囲によって例証されるよ うに、この変形システムは、(1)多量体変形酵素であるリシルベースをコード している遺伝子、(2)部位特異的な、リシルベースに触媒される変形の部位を 含むことができる。プラスミドRP4においては、リシルベースをコードしてい る遺伝子はparAであり、変形のための部位はsrsと呼ばれる。もし2つの srs部位が直線方向に位置していれば、これらの2つの部位の間に挿入される ヌクレオチド配列は、もしparA遺伝子が同じ宿主細胞に存在していれば、比 較的高い頻度で欠失し、それにより部位特異的組換えシステムが供せられる。有 用な態様においては、parA遺伝子はトランスに局在するであろう。
かかる部位特異的組換えシステムは、前文に定義したような負の調節ヌクレオチ ドの組換えによる切り出しを得るために使用することができるため、かかる部位 特異的組換えシステムが、この文章におLlて定義したような加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子のようなある遺伝子の発現を、推計学的に調節す るための、有用な機構を供することが今明らかとなった。
従って、ある興味深い態様において本発明は、この文章の中で定義したような細 胞において、負の調節ヌクレオチド配列が、部位特異的変形組換え酵素のための 最初の部位と、部位特異的変形のための2番目の部位とが側面に並んでいる配列 であって、2番目の部位も最初の部位と同じか、または機能的に相同な多量体を 変形する酵素によって認識され、それによって調節遺伝子をその細胞において組 換えにより切り出すことができる細胞を供する。ある特別な態様においては、多 量体を変形する酵素をコードしている遺伝子は、部位特異的変形のための部位に 関してトランスの位置にある。この情況において、適切な遺伝子の有用な例は、 プラスミドRP4から単離したparA遺伝子である。
前文に述べたように、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子は、本発 明によれば、細菌のレプリコンを含む種々の源に由来することが可能である。本 発明の一つの好ましい態様においては、その遺伝子は、セラチア属の一種、エロ モナス属の一種、またはエルシニア属の一種のようなグラム陽性細菌に由来する 遺伝子である。
特別な態様においては、セラチア属の種はセラチア・マルセセンス(Serat ia marcescens)であり、加水分解活性のある酵素は、セラチア・ マルセセンス遺伝子にコードされている、この文章の中で定義したような酵素で ある。特に好ましい態様においては、セラチア・マルセセンス遺伝子はエンドヌ クレアーゼをコードしており、前文に定義したようなりNA配列を有する遺伝子 であるか、またはホスホリパーゼをコードしている前文に定義したようなりNA 配列を有する遺伝子である。
さらに有用な態様においては、本発明は、加水分解活性のある細胞外酵素をコー ドしている遺伝子を含んでいる前文に定義したような細胞にして、その遺伝子が 、例としてシグナルペプチドのないヌクレアーゼをコードしている遺伝子を含め たグラム陽性細菌に由来し、黄色ブドウ球菌のようなスタフィロコッカス属の一 種から単離され、たとえばプラスミドに運ばれる遺伝子である細胞を供する。
かかる遺伝子の一例は、プラスミドpFOG408によって運ばれる遺伝ある態 様においては、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子および(または )調節ヌクレオチド配列を、この(これらの)配列が最初に単離された形で挿入 することによって得られるよりも高い酵素活性を得ることは好都合であろう。か かるより高い活性は、最初に単離された配列の挿入によって得られる量または比 活性に比較して、発現される酵素の量の増加および(または)酵素の増加した比 活性の結果であろう。
かかる酵素活性は、たとえば化学的突然変異誘発物質を用いた、あるいは部位特 異的突然変異誘発による、または突然変異誘発活性のある放射線処理による、通 常のin vitroまたはin vivoにおける突然変異誘発処理を、単離 した配列に別々に、あるいは同時に施すことによって便利に得ることができる。
このように処理したヌクレオチド配列であって、細胞内の酵素活性の増加に帰着 する突然変異または複数の突然変異が起きたヌクレオチド配列を含んでいる細胞 は、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現が可能な条件下で、 細胞の培養物を成長させ、最初に単離した配列を含んでいる同じ条件下で成長さ せた細胞または細胞クローンに比較して、前文に定義したような細胞機能制限レ ベルの増加を示す細胞または細胞クローンを単離することにより選択することが できる。
従って、一つの態様において本発明は、この文章に定義したような細胞にして、 その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子および、前記遺伝子 を調節するヌクレオチドの少なくとも一つが、一つあるいはそれ以上の部位で突 然変異し、それにより遺伝子にコードされている酵素の細胞機能制限効果が、細 胞において発現されたとき、前記遺伝子および前記ヌクレオチド配列を突然変異 していない形で含んでいる細胞において発現された酵素の細胞機能制限効果に比 較して、同じかまたは増加している細胞を供する。
一つの興味深い態様においては、突然変異誘発処理によって酵素活性が増加した 細胞は、たとえばセラチア属の一種に由来する遺伝子のような、エンドヌクレア ーゼをコードしている遺伝子を含んでいる細胞である。
非酵素の、細胞機能を制限する機能をコードする、本発明による更なる調節発現 可能な遺伝子を含んでいる細胞この文章の中で定義したような細胞における、細 胞機能制限効果を増大させる方法としては、細胞機能を制限する非酵素の遺伝子 産物をコードしている遺伝子である、更なる調節発現可能な遺伝子を、細胞に挿 入することが有利である。従って、本発明は、一つの特別な態様において、前文 に定義したような、更なる遺伝子を含んでいる細胞を供する。かかる更なる調節 発現可能な遺伝子は、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の調節配 列と同じタイプの調節ヌクレオチド配列によって調節されるか、または別のタイ プの調節ヌクレオチド配列によって調節される遺伝子で、前記の、別のタイプの 調節遺伝子は任意に、細胞機能を制限する加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子の発現をも調節することができる。
更なる非酵素の調節発現可能な細胞機能制限遺伝子産物をコードしている、ある 適切な遺伝子は、細胞を殺す機能を有する前述の遺伝子から都合よく選択するこ とができる。ある好ましい態様においては、前記の更なる遺伝子はプラスミドR 1のparB領域のhok遺伝子、gef遺伝子、およびこれらの遺伝子のいず れかと機能的に同等であるDNA配列から選択する。
前文に定義したように、本発明による細胞は、免疫活性のある酵素、または農薬 として活性があるかまたは汚染物質を分解する遺伝子をそれぞれコードしている DNA配列を更に含んでいる多数の細胞を含んでいる集団として生じる場合には 、各々免疫活性のある組成物、あるいは農薬として活性があるかまたは汚染物質 を分解する組成物において、それらの組成物が放出される特定の環境に含まれる ことによって有用となる細胞である。
従って、かかる特別の態様においては、細胞は、その発現の結果加水分解活性の ある酵素が形成される遺伝子を運んでいるレプリコンおよび(または)調節ヌク レオチド配列を運んでいるレプリコンに天然には関係しないDNA配列を更に含 んでおり、前記DNA配列は免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列か ら、あるいは農薬としての活性がある遺伝子産物をコードしている配列および、 汚染物質を分解する遺伝子産物をコードしている配列から選択することができる 。
このような情況においては、[免疫活性のある遺伝子産物」という用語は、ヒト または動物の体に投与された時、そこにおいて抗体の産生を刺激することのでき る病原性のある生物からのエピトープ(抗原決定基)を8己述するために使用す る。本発明において定義したような、かかる遺伝子産物をコードしている一つあ るいはそれ以上の遺伝子を含む細胞は、有用な生きたワクチンの調製に利用する ことができる。生きたワクチンによって与えられる免疫性のレベルはしばしば、 殺した病原性生物またはその断片を含んでいるワクチンによって与えられるもの よりも高いため、種々の病原体に対する免疫化においては、殺した病原体または その断片に比較して、生きたワクチンの投与が有利であると考えられている。エ ピトープをもつ生きた生物体を含んでいるほとんどの周知のワチクンは、エピト ープをコードしている非病原性生物の組換え体に基づくものであるか、または弱 毒化した病原体に基づくものである。細胞は、特定の免疫活性のある遺伝子産物 をそれぞれコードしている多数の遺伝子を、有利に含むことができる。
しかしながら、弱毒化と生存度と適切な免疫応答との的確な組合せを得ることは しばしば困難であるため、今に散るまで生きたワクチンの使用は制限されてきた 。さらに、ワクチンとしての生きた組換え生物の使用の結果である、遺伝子を操 作した微生物の生体および外部環境へのよく考慮した上での放出は、長期間の環 境への影響の可能性、特に環境におけるGEMの永久的な確立の危険性に関する 社会的懸念のためどこの国でも許可されていない。
本発明は、エピトープを含んでいる生きた細胞に、前文に定義したような細胞機 能を制限する加水分解活性のある酵素をコードしている調節発現可能な遺伝子を 導入することにより、周知のGI?Mlこ基づく生きたワクチンの使用に伴うこ れらの問題を避けるための有利な方法を供する。特に興味深い態様において本発 明は、生きたワクチンのための有用な基盤として、その発現が推計学的に誘導さ れる、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を含む、前文に定義した ような細胞を供する。
本発明の有用な態様においては、免疫活性のある遺伝子産物をコードしているD NA配列を含む細胞はさらに、細胞の外表面にエピトープが発現される際、エピ トープを輸送する、すなわち細胞膜を横切って移動するための手段を含む。好ま しくはかかる移動は、フィンブリリンタンパク質を含む繊毛、ビリ繊毛、べん毛 、または例としてストレプトコツカス属の種に見られる0Mタンパク質を含めた 他の表面タンパク質のような、細胞の外表面のポリペプチド構造をコードしてい るヌクレオチド配列に、エピトープをコードしている遺伝子を挿入することによ り成就される。細胞内で発現され得る、かかるハイブリッドのヌクレオチド配列 を細胞に与えることにより得られる遺伝子産物は、エピトープとそれに関係した 細胞表面構造とを含んでいる融合タンパク質またはハイブリッドタンパク質であ ると考えられる。
融合タンパク質が発現される細胞で、それにより細胞が投与された体の粘膜細胞 に接着することができる構造タンパク質に融合したエピトープを含んでいる細胞 は、エピトープが粘膜と密に接触するようになり、それによって分泌抗体である IgAおよびIgG類の排出の形での防御免疫反応が効果的に刺激されるという 点で特に有用であると考えられる。
さらに、エピトープを運んでいる細胞の接着は、希望する免疫反応を得るために 十分な時間の間、ヒトまたは動物の体に細胞が保持されることを確実にするであ ろう。もし腸管のような特定の体の環境において、十分な数の細胞が、細胞表面 に発現されるエピトープの性質および活性に依存して、15〜30日の範囲の期 間存在するなら、十分な免疫化が典型的に得られると考えられる。
細胞機能を制限する加水分解酵素および調節ヌクレオチドをコードしている遺伝 子についての前文の記述から理解されるように本発明は、免疫学的に有効であり かっ、ヒトおよび動物の微生物相または外部環境への組換え遺伝子の好ましくな い拡散の危険なしに用いることの可能な組換え生物体に基づく生きたワクチンを 供給する有用な方法を供することができる。
本発明によれば、生きたワクチンの調節に有用な細胞は、前文に述べた外部の表 面構造を先天的に含んでいる細菌種から選択したものである。かかる種類は、例 としてサルモネラ属および大腸菌の種のような腸内細菌科、ビブリオ科、および シュードモナス科の種を含む。前文に定義したように生きたワクチンの基盤とし て、本発明において特に有用な、かかる種類の株が、非病原性の株または低い病 原性の株であることは理解されるであろう。
前文に定義した細胞によって発現されたエピトープは、いかなる病原性生物また はそれに対する免疫性の獲得が望まれるいかなる作用物に由来するエピトープで もよい。かかる病原体はウィルス、細菌、および藻類、酵母、または原生動物の ような真核生物を含む。
商業的に重要な態様においては、細胞は農薬として活性のある遺伝子産物をコー ドしているヌクレオチド配列を含むことができる。
このような情況においては、[農薬として活性のある遺伝子産物」という用語は 、害虫、げっ歯頚や鳥のような害を与える物を含めた有害な小動物の存在を、減 少または排除する必要がある環境に放出された細胞の中で発現された場合の産物 を意味する。かかる有害な小動物は、出没している環境への毒性のある化学的農 薬の施薬によって抑制することができるが、最近では、ウィルス、細菌、および 藻類を含めた天然に生じた種々の農薬活性のある生物が、生物的有害生物を制御 する生産品として使われるようになった。
農薬として活性のあるかかる生物の顕著な例は、昆虫、特に毛虫に対して毒性の あるクリスタラインタンパク質を産生ずるバシラス・スリンジエンシス種の同遺 伝子型個体群または株、あるいは幼虫期または成虫期の昆虫に対して病原性のあ るいくつかのウィルスを含む。しかしながらかかる生物の農薬効果はしばしば満 足できないものであり、かつ農業、林業、および園芸には、農薬として活性のあ る改良された生物を供することが強く要求されている。この問題を解くための一 つのアプローチは、改良された毒性効果または環境におけるより良い生存度を有 する、遺伝子操作による生物を構築することである。
かかる改良された生物がもし開発されるなら、環境におけるそれらの使用は、か かる毒性または病原性のあるG[!Mの熟考した上での放出に関する潜在的危険 性についての現在の社会的懸念の結果として、放出が、かかる生物が適用される 環境におけるそれらの生物の好ましくない繁殖または延長された生存に導かない 場合にのみ認可されるであろう。
本発明は明らかに、遺伝子操作による農薬活性のある生物の、環境における生存 を制限する方法を供する。前文に説明したように、細胞機能を制限する加水分解 活性のある酵素の発現速度は、推計学的に調節することができ、従って農薬活性 のある細胞の生存率は、いかなる特殊な要求に対しても便利に適応される。また 細胞機能制限効果は、本発明によれば、適当な細胞機能制限効果を有する加水分 解活性のある酵素を選択することにより調節することができる。
もう一つの有用な態様において本発明は、加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子と天然には関係していないDNA配列が汚染物質を分解する遺伝子産 物をコードしている配列である細胞を供する。土壌および水を含めた外部環境を 汚染する種々の生体異物化合物が、これらの化合物を分解する生来の能力を有す る微生物により分解されることは周知である。明らかに、遺伝子工学の技法は、 増進した汚染物質分解能または広範囲の化合物、特に炭化水素を分解する能力を 有する改良された生物を供給する方法を供する。
しかしながらこのような情況においては、前文に記したような社会的懸念が関連 しており、従って本発明は汚染物質を分解する改良された細胞であって、その生 存が前文に定義したような細胞機能を制限する加水分解活性のある酵素の発現の 調節により制御することの可能な細胞を供給するための有用な方法を供する。特 に好まれる態様においては、細胞は汚染物質を分解する遺伝子産物をコードして いる遺伝子を含み、その発現は、細胞により分解される汚染物質の存在によって 誘導される。
この文章の中で定義されるような細胞は形質転換細胞である。
本発明の更に特別の態様においては、本発明による前文に定義したような細胞は 、その発現の結果細胞機能制限酵素が形成される遺伝子を含んでいるレプリコン または組換えレプリコンで形質転換される細胞であり、前記遺伝子の発現はその 遺伝子を含んでいる組換えレプリコンまたは形質転換した細胞に存在する他の組 換えレプリコンに含まれている調節ヌクレオチド配列によって調節される。
前文に記したように、本発明は更なる面において、前文に定義したような細胞内 で活性のある加水分解酵素をコードしており、細胞内で発現されると細胞機能制 限効果を細胞に及ぼす調節発現の可能な遺伝子を含んでいる組換えレプリコンで あって、前記遺伝子が前文に定義したような調節ヌクレオチド配列により調節さ れ、さらにそのヌクレオチド配列が発現可能な遺伝子に操作によって連結されて いる組換えレプリコンに関する。本発明によれば、調節ヌクレオチド配列は同じ レプリコンに含まれる配列でもよいし、発現可能な遺伝子を含んでいる細胞に存 在する他のレプリコンに含まれている配列でもよい。
本発明によればレプリコンはまた、そこで、加水分解活性のある酵素をコードし ている遺伝子および(または)前記遺伝子の発現を調節しているヌクレオチド配 列が、かかる配列がレプリコンに存在する場合に一つあるいはそれ以上の部位で 突然変異し、遺伝子にコードされている酵素の細胞機能制限効果が、レプリコン を含んでいる細胞において発現される際、この文章の中で定義したような突然変 異していないレプリコンを含んでいる細胞において発現される酵素の細胞機能制 限効果と比較して、同じかまたは大きいレプリコンであることもできる。
一つの態様においては、非酵素の細胞機能を制限する機能をコードしており、そ の発現が細胞機能を制限する加水分解酵素をコードしている遺伝子の発現を調節 している配列と同じタイプの調節ヌクレオチド配列により調節されている、更な る調節発現可能な遺伝子を含むことができる。他の態様においては、非酵素の細 胞機能を制限する機能の発現を調節しているヌクレオチド配列は、異なるタイプ のものであるがしかし、細胞機能を制限する加水分解活性のある酵素をコードし ている遺伝子の発現を調節することもできる。
前記の更なる調節発現可能な遺伝子は、有用な態様においては、プラスミドR1 のpare領域からのhok遺伝子か、またはhok遺伝子あるいは大腸菌染色 体のgef遺伝子と機能上では相同であるDNA配列でよい。
他の有用な態様においては、レプリコンはさらに前文に定義したような、天然に はレプリコンに関係していない、免疫活性のある遺伝子産物、農薬活性のある遺 伝子産物、および汚染物質を分解する遺伝子産物から選択した遺伝子産物をコー ドするDNA配列を含むことができる。
細胞機能制限効果を有する細胞内で加水分解活性のある酵素をコードしている遺 伝子を含んでいる細胞の集団前文に記したように、本発明は更なる面において、 前文に定義してきた多数の細胞から成る細胞集団に関係する。好ましくは細胞集 団は、この文章において定義したような、細胞内で複製することのできる組換え レプリコンで形質転換された細胞を含む。興味深い用途においては細胞集団は外 部環境に放出されるため、細胞は有利な態様においてはグラム陰性細菌種のよう な、天然の生息場所が土壌、地上水、および植物から選択した生息場所である種 から選ばれた細菌細胞である。
このような情況においては、今定義したような細胞集団であってそこにおいて細 胞機能制限酵素をコードしている遺伝子の発現を、細胞に存在するがしかし細胞 の生理的状態によって量が異なるリプレッサー物質によって調節することができ る細胞集団が、ヒトまたは動物の体、あるいは外部環境にその集団を適用する場 合に、リプレッサー物質の、それによってリプレッサー物質が機能しない形に変 えられる程度の崩壊の結果として調節されることに注目することは興味深い。放 出される集団の個々の細胞におけるリプレッサー物質の量がもし異なるとすれば 、この崩壊は細胞集団の生存能力の損失が次第に増加していく結果となるであろ う。
細胞集団の生存を制限する方法 前文にも記したように、本発明は一つの面において、調節ヌクレオチド配列がこ の文章の中で定義したような環境因子によって調節され得る最初の、または2番 目の環境における、細胞集団の生存を制限する方法を供する。好ましい態様にお いては、その方法は前文に定義したような細胞集団に関する。
この方法の特別な態様においては、細胞集団の生存は、細胞機能を制限する加水 分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が発現される最初の環境において制 限され、それにより細胞集団は最初の環境に含まれる。このような情況において は、最初の環境は典型的には発酵容器のような細胞の最初の増殖の場である。
この方法のもう一つの特別な態様においては、細胞集団の生存は2番目の環境に おいて制限されており、それはたとえばある化学物質の枯渇またはかかる化学物 質の添加によって、化学的に異なる2番目の環境へ最初の環境を変更したもので あるか、または、たとえば温度の変化あるいは光の強さの変化によって起こすこ とのできる、物理的に異なる2番目の環境へ変更したものであってもよい。
前文に記したように、この文章の中で定義したような細胞集団は、そこにおいて 、細胞機能制限酵素をコードしている遺伝子の発現を、前記細胞がヒトまたは動 物の体あるいは外部環境に放出された時、非活性の形に変わる程度に崩壊または 減少するリプレッサー物質によって調節することができ、前記リプレッサー物質 が集団内の細胞に異なる量で存在するため、前記の崩壊の結果として、細胞集団 の機能は次第に制限される細胞集団である。
従って本発明は一つの有用な態様において、細胞がヒトまたは動物の体あるいは 外部環境に放出された時、非活性の機能のない形に変えられる程度に崩壊または 減少するリプレッサー物質をコードしている調節ヌクレオチド配列に、操作によ って連結されている、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を細胞に 与え、前記リプレッサー物質が集団内の細胞に異なる量で存在するため、前記の 崩壊の結果として、細胞集団の機能を次第に制限することにより、細胞集団の生 存を制限する方法を供する。
染色体外組換えレプリコンを含ませる方法前文に定義したように、本発明はある 面において、レプリコンを二番目の種類の細胞へ天然に伝達することのできる最 初の種類の細胞へ、染色体外の組換えレプリコンを含ませる方法に関しており、 この方法において、レプリコンは好ましくはこの文章の中で定義したような組換 えレプリコンである。一つの好ましい態様においては、このレプリコンは調節ヌ クレオチド配列を含んでおらず、さらに都合の良いことには、かかるレプリコン は、含まれるべきレプリコンを含んでいる最初の種類の細胞において、核酸の中 のホスホジエステル結合を加水分解することのできるエンドヌクレアーゼである 、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を含む。
細胞集団において細胞機能を推計学的に制限する方法特に興味深い面において、 本発明は前文に記してきたように、前文に定義したような細胞集団である細胞集 団の生存を推計学的に制限する方法に関し、前記の方法は、この文章の中で定義 したような組換えレプリコンによる細胞の形質転換を含んでいる。一つの有用な 態様においては、その方法は、細胞機能を制限する加水分解活性のある酵素の発 現が、その組換えレプリコンまたは細胞に存在する他の組換えレプリコンに含ま れている、負に機能している調節ヌクレオチド配列であって、細胞に存在する場 合には前記遺伝子の発現を阻害する、切り出し可能な負に機能している調節ヌク レオチド配列の、部位特異的な組換えによる切り出しの結果として誘導される。
本方法のもう一つの有用な態様においては、今定義した組換えレプリコンで形質 転換した細胞の生存は、負に機能している調節配列の逆位可能なプロモーター配 列の前述の組換え逆位の結果として制限されている。本発明によれば、負に機能 している調節配列は組換えレプリコンに含まれているものであるか、またはその 細胞に存在している別のレプリコンに存在するものでもよい。一つの適切な例に ついては、プロモーター配列はfimAプロモーターを運んでいる配列、または それと機能上相同であるものでよい。
免疫活性のある組成物 前文に定義したような免疫活性のある組成物は、生存可能な、機能を制限された 細胞集団に加えて、薬理学的に受け入れられる担体および付加物を含む。受は入 れられるかかる担体は、たとえば塩類溶液のような、ワクチン産生において慣例 的に用いられているいかなる賦形剤をも含む。このような情況においては、適切 な付加物は例として不完全および完全フロインドアジュバント、および他の非特 異的な免疫刺激物質を含めた免疫応答増進物質を含む。
この組成物は、任意に塩類溶液のような適当な水溶性の賦形剤と組合せて、凍結 乾燥した組成物の形で供されることが好ましい。今定義したような免疫活性のあ る組成物は、各々が特異的なエピトープをコードしている異なるタイプの細胞を 含むことができる。そのかわりとして、免疫活性のある組成物は、本発明によれ ば、各々の遺伝子が異なる遺伝子産物をコードしている、免疫活性のある遺伝子 産物をコードしている多数の遺伝子を含んでいる細胞集団を含むこともできる。
この文章の中で供された免疫活性のある組成物は、ヒトおよび動物の両方の免疫 化に有用なワクチンである。
好ましい態様においては、免疫活性のある組成物は、免疫活性のある遺伝子産物 をコードしている配列を含んでいる細胞を含み、その配列は前記遺伝子産物と、 その存在の結果融合タンパク質が細胞の外表面へ輸送されるタンパク質とを含ん でいる融合タンパク質をコードしている。適切な例として、組成物は、そこにお いてポリペプチドが、フィンブリリンタンパク質、細菌ピリ繊毛、細菌べん毛、 および細菌のOM表面タンパク質から選択したポリペプチドから選択したもので ある。
かかるポリペプチドをコードしているヌクレオチド配列は、腸内細菌科、ビブリ オ科、およびシュードモナス科から選択した細菌から都合よく単離することがで きる。
農薬活性のある組成物 本発明によれば、この文章に定義したような農薬活性のある組成物は、特別な有 用な態様において、昆虫またはその子孫にとって毒性である遺伝子産物をコード している更なるDNA配列を含む。一つの興味深い態様においては、更なるDN A配列は殺虫タンパク質をコードしているバシルス・スリンジエンシス株に由来 するものである。
前文に記してきたように、この文章において定義したような細胞は、前文に記し た殺虫タンパク質を含めた農薬活性のある遺伝子産物の一種をコードすることが できる。従って、この組成物は広い範囲の害虫および有害小動物の制御に有用で あろう。農薬として活性のある組成物である細胞は、農薬活性を産生ずるまたは 有する天然に発生した生物体から単離された、活性のある遺伝子産物をコードし ている遺伝子を適当に含むことができる。
組成物である細胞によってコードされている農薬活性のある遺伝子産物は、害虫 または有害小動物に対して毒性効果を有する遺伝子産物であるか、または組成物 としての細胞において発現されている害虫の病原性ウィルスでもよい。本発明に より、この組成物において使用することのできる細胞は、望ましい農薬活性のあ る遺伝子産物をコードしている遺伝子を発現することのできる細胞を含む。かか る細胞は、細菌と藻類の細胞、および細胞の培養物として任意に成長させた動植 物の細胞を含む。
農薬活性のある組成物は、適当な担体を更に含むことができる。
このような情況においては、「適当な担体」という用語は、担体が、組成物にお ける細胞の生存を制限しないバルク薬剤のような、害虫がまん延している環境に おける組成物の広がりを増す化合物を含み、さらに組成物の産生および保存の間 の、さらに任意に環境への適用の後の細胞の生存度の維持を確実にすることので きる化合物を含んでいることを示すために用いる。−例として、担体は、多くの 生物に対して有害である紫外線に対して防御する化合物を含むことができる。
環境汚染物質を分解する組成物 この文章において定義したような環境汚染物質を分解する組成物は、好ましくは 、そこにおいて細胞機能を制限する加水分解活性のある酵素をコードしている遺 伝子が、汚染物質を分解する遺伝子産物によって分解され得る汚染物質が実質的 に分解されて初めて発現される細胞を含む。例として、かかる組成物は、その中 で加水分解活性のある酵素の発現が、分解可能な汚染物質の存在によって抑制さ れる細胞を含む。
図の説明 本発明は図を参照にして下文に更に説明される。
図1はpUHE24−2のBamHI部位と5alI部位との間に挿入されたE ag 1部位を含んでいるオリゴヌクレオチドリンカーを示しているプラスミド pM51088のセグメントを示す。
図2はプラスミドpM31088のマツプを示す。
図3はプラスミドpMs1093のマツプを示す。
図4はpMS1093−1を含んでいる大腸菌S17.1における突然変異した ヌクレアーゼ(+++ut 1 )の活性を示している。培養物1.5+nlを 採り、全DNAを調製した。レーン1.IPTG添加前に採取した試料;レーン 2〜4、IPTG添加後30分、 120分、および270分の試料;レーン5 〜6、IPTG添加後30分および60分の試料に、DNAの調製に先立ちpU c18DNA o、sμgを加えたちの;レーン7、)lindn[で消化した ラムダDNA。
図5はpCK28の図式的な説明を示しており、pCK28は、相同的組換えの 結果としてIaclQリプレッサーが削除されたpCK24と共に細胞に存在す ると、死滅機能(gef遺伝子産物)を発現する。
図6Aは、アンピシリン100μg/mlを含んでいるLBプレート上で37℃ で成長させた、定常期の大腸菌C3H36にいずれも含まれる、pCK24およ びpCK25の組換え速度を示す。表示した時間に細胞を採り、C3H3Bのr ecA欠損突然変異体である大腸II CKI!95に再形質転換させた。再形 質転換体からのプラスミドをPstIで消化した。結果として得られたフラグメ ントをゲルにて分析し、結果として得られたバンドの相対的な濃度を、組換え欠 失のあるプラスミドの百分率の尺度として計算した。
図6は増殖している大腸菌C3H36における、プラスミドの組換えの速やかな 進行を示す。プラスミドを持っている株を1日1回、アンピシリン100μg/ nlを含んでいるLB培地に、1:100の接種材料比で再接種し、数日ごとに DNA調製のための試料を回収した。DNAをPstIで制限し、ゲルにて分析 し、相対濃度を組換え欠失のあるプラスミドの尺度として計算した。
図7はプラスミドpCK79の構築の図式的な説明を示す。
図8はプラスミドpcK80の構築の図式的な説明を示す。
図9はプラスミドpCに80. pcK81. pCK82、およびpCK95 の図式的な説明を示す。
図1OはプラスミドpCK72. pCK83、およびpcK30と、pcK3 0に由来する組換えプラスミドpCK32. pcK70、およびpcK71の 図式的な説明を示す。
図11はIPTGで誘導した(右のプレート)および誘導していない(左のプレ ート)pSNUC−1を含んでいる大腸菌JM109における、シグナル配列を 欠く、pUHE24−2由来のスタフィロコッカスのヌクレアーゼ遺伝子の増殖 および表現型の発現を示す。
図12はI PTGで誘導した(右のプレート)および誘導していない(左のプ レート)pSNUC−3を含んでいる大腸菌JM109における、シグナル配列 を欠< pUHE24−2スタフイロコツカスヌクレアーゼ遺伝子の増殖および 表現型の発現を示す。
図13はpUHE24−2プラスミドベクターにクローン化した、シグナル配列 を欠< pUHE24−2ヌクレアーゼ遺伝子のポリアクリルアミドゲル電気泳 動分析を示す。レーン11大きさの標準としての、123塩基対のDNAラダー :レーン2、大きさの標準としての、)lindI[r制限酵素で消化したラム ダDNA 、レーン3および5、Hlndn[で消化したpUHE24−2 、 レーン4、HindlIIで消化したプラスミドpSNUC−1;レーン6、L  −5NUCおよびR−5NUCプライマーを用いてPCRにより増殖した9F OG408由来のヌクレアーゼ遺伝子フラグメントを示す。
図14Aは、l PTGを用いた、および用いない、液体培養における大腸菌J M109 (93NUC−1)の誘導の一動力学(OD、。)を示す。
図14Bは、IPTGを用いた、および用いない、大腸菌JM109 (psN Uc −1)の生育可能なプレートの対数を示す。
図15Aは、IPTGを用いた、および用いない、液体培養における大腸菌JM 109 (pSNUC−3)の誘導の動力学(ODo。)を示す。
図15Bは、IPTGを用いた、および用いない、大腸菌JM109(pSNC −3)の生育可能なプレートの対数を示す。
図16はIPTGを用いた、および用いない大腸菌JM109(pSNC−1) および大腸菌JM109 (pSNUC−3’)の培養物からの、全タンパク質 抽出物の5DS−PAGE分析を示す。ゲルはクーマシーブリリアントブルーで 染色した。大腸菌AR120(pFOF40B)からの全細胞タンパク質をポジ ティブコントロールとして用い、大腸菌(pUHE24−2 )をネガティブコ ントロールとして用いた。ヌクレアーゼのバンドを矢印で示した。
レーンl、タンパク質の大きさの標準;レーン2、IPTGなしのpsNUc− 1,レーン3、IPTGのあるI)SNUC−1;レーン4、夏PTGのあるp SNUC−3、レーン4、IPTGなしのpsNuc−3;レーン5、タンパク 質の大きさの標準;レーン6、IPTGのあるpSNUC−3、レーン7、ポジ ティブコントロールとしてのpFOG408 、レーン8、ネガティブコントロ ールとしてのpUH[!24−2゜図17はIPTG(7)ある、またはIPT G17)ない大腸菌JM109 (+)SNUC−1)および大腸菌JM109  (psNUc −3)の培養物からの細胞タンパク質のウェスタンプロット分 析を示す。大腸!IAR120(pFOF408)をポジティブコントロールと して用い、大腸菌JM109(pU)IE24−2 )をネガティブコントロー ルとして用いた。17.8kDのヌクレアーゼタンパク質のバンドを矢印で示し た。レーンl、タンパク質の大きさの標準;レーン2、IPTGなしのpSNU C−1、レーン3、IPTGのあるpSNUC−1;レーン4、IPTGなしの pSNUC−3;レーン5、IPTGのあるpsNUc −3;レーン6、ポジ ティブコントロールとしてのpFOG408 :レーン7、ネガティブコントロ ールとしてのpUHE24−2゜図18はプラスミドpMG323の構築の図式 的な説明を示す。
図19はphlA誘導条件下(41Tl:)および非誘導条件下(37℃)にお ける、アンジピリジン100μg/mlを加えたLB培地における、pMG31 7で形質転換した大腸菌C3H50の生育可能な数(V、C,)を示す。
図20はプラスミドpMG317.9MG323、およびpMG323/ 33 の構築を示す。
酵素の略号二BlはBam)目、B2はBgl II、ElはEcaRI、H3 はHindll[、KpはKpn I、5IIIはSmaI、ScはSea I 、spは5phISSsは5stlを表す。遺伝子: blaおよびnl11は 各々アンピシリンおよびカナマイシンに対する耐性をコードしており、0「1は 複製開始、repは複製機能、mobは接合性伝達、Cl857は温度感受性の あるラムダリプレッサー、pRはラムダプロモーター領域、 1acIgはラク トースリプレッサー、ptacはtacプロモーターを表す。太線はセラチア属 のDNAである。
図21はりゾルベースを介する組換え反応の図式的な説明を示している。プラス ミドpcK155を2つの別の種、pcK155デルタおよびpcK15オメガ に変えた。制限酵素Nde Iで切断した結果として生じるフラグメントを、各 々のプラスミド構成について示した。
図22はプラスミドpcK151. pcK155、およびpcK168の概観 を示す。単独の制限部位を示した。括弧に示した制限部位はふさがれる(機能の ない)部位を表す。略号TはrpocL’ターミネータ−を表す。プラスミドp cK151およびpcK155はpuctaに由来するレプリコンであり、一方 pcK168はpAcYc184に由来する。
図23はpcK155の詳細なマツプを示す。
図24はin vivoにおけるparAリシルベースを介する組換えの結果で あるpcK155デルタにおけるハイブリッド変形部位を示す。その配列部分を rseq Jで表し、RP4に起源する塩基にrRP4Jと印をつけた。
図25はpcK155およびpcKI53 (、コントロール)を用いた増殖実 験を示す。生育可能な数は、クロランフェニコル50μg/+nlおよびアンピ シリン100μg/+nl、またはクロランフェニコール50μg/+nlおよ びカナマイシン50μg/+nlを含んでいるLBプレートのいずれかにおいて 、表示された時点での、適切な希釈物からのプレート数として測定する。プレー トはIPTGを含まない。
図26はりゾルベース反応のin VitrOにおける滴定分析を示す(0,7 %アガロースゲル)。レーンlはpcK155デルタを110ng含んでいる( 0)。レーン2〜11は表示した量のりゾルベース(5〜1200ng)で37 ℃で30分間処理したpcK155を含む。反応物はすべて制限酵素Nde I で1時間処理した後、試料ゲルに入れた。4459塩基のバンドは変形していな いプラスミドpcK155を表し、2939塩基および1919塩基のバンドは 各々プラスミドpcK155デルタおよびpcK15オメガを表す。
図27は図26に図示したバンドに対応するスキャニング曲線を示す。
吸収単位は任意である。
図28はりゾルベース反応の、tn VitrOにおける滴定を示す。反応した プラスミドの百分率を、pcK155のNde I主要フラグメント(4459 塩基)の長さで割った、pcK155からの主要ピークの面積に比較して、それ ぞれのフラグメントの長さく2939塩基および1919塩基)で割ったpcK 155デルタおよびpcK15オメガのスキャンからの、図27に示したピーク の面積として定義した。
図29はin viけ0における変形反応の動力学を示したものである、pcK 155 10ngを2つの表示した量のりゾルベースで処理し、表示した時間に 熱失活により反応停止させた。
実施例1 細胞質ヌクレアーゼ遺伝子の構築 セラチア・マルセセンスからの細胞外ヌクレアーゼをコードしている遺伝子をク ローン化し配列決定した。このヌクレアーゼも大腸菌において発現される時、一 部は細胞外に、一部は周辺質に存在することが示されてきた。この遺伝子の配列 は、タンパク質の輸送が、タンパク質のN末端に認められるシグナルペプチドを 介することを示し、排出された成熟したヌクレオチドのN末端アミノ酸配列の決 定は、シグナルペプチドが輸送の間にタンパク質から除去されることを立証した 。従って、S、マルセセンスまたは大腸菌において発現および排出の後に通常見 られる活性酵素はプロセスされた形のタンパク質である。
S、マルセセンスのヌクレアーゼの細胞内における活性を調べるため、このタン パク質の成熟したプロセスされた部分に相当する、ヌクレアーゼをコードしてい る遺伝子に融合させた、誘導可能なプロモーターを運んでいるプラスミドを構築 した。この構築は、シグナル配列と成熟ヌクレアーゼをコードしている配列との 間の境界にあるBag 1部位の存在により容易となる。さらに′、Rag I 部位はヌクレアーゼをコードしている配列のC末端側のすぐ下流に存在する。
従って、ヌクレアーゼの全成熟部分をコードしているBag Iフラグメントは 、WO36106743によって開示された全ヌクレアーゼ前駆タンパク質をコ ードしているpNU121−nuc+のようなプラスミドを制限した後に単離す ることができる。
以下の構築物のために選択した誘導可能なプロモーターシステムは、誘導物質が ない時は非常に抑制されており、かつIPTGによる誘導の後の転写が極めて効 率的である合成!acオペレーター・プロモーターを運んでいるプラスミドpU HE!24−2である。このプラスミドはまたマルチプルクローニングサイトに 含まれている翻訳開始コドンに結合している、効率的なリポソーム結合部位も運 んでいる。
pU)lE24−2にはBag I部位は存在しない。
シグナル配列のないヌクレアーゼ遺伝子を運んでいるBag Iフラグメントを 挿入するため、Bag 1部位を含んでいるオリゴヌクレオチドリンカーを、p UIIE24−2のBam01部位と5all部位との間に挿入した(図1参照 )。次いで、成熟型ヌクレアーゼタンパク質をコードしている精製したEagI フラグメントを、Rag Iで制限した新たなpUHE24−2に連結し、 1 ace’遺伝子を含んでいるJu105株の形質転換体の、l PTGを含んで いるプレート上での生存度を調べた。
ヌクレアーゼ遺伝子のない対照コロニーに比較して、いくつかのクローンを、I TPOプレート上で弱い増殖を示すものとして同定した。
かかるクローンから単離したプラスミドのマツピングは、ヌクレアーゼ遺伝子が 実際に正しい方向に挿入されていたことを示し、図2に示したようにがかる挿入 は、発現ベクターの開始コドンとRag Iフラグメントのヌクレアーゼ遺伝子 との間のフレーム内融合を導く。
以下の文章では、表示した修飾を受けたヌクレアーゼ遺伝子をnuc”遺伝子と 呼び、結果として得られるここに記したプラスミドをpsM1088と呼ぶ。
大腸菌に12株、JM105に含まれるプラスミドpsM1088は、1991 年8月21日に、ジャーマン・コレクション・オブ・マイクロオーガニズムス・ アンド・セルカルチャーズ(Deutsche Sammlung wonMi krooganismen und Zellkulturen Gmbl(、 ドイツ、ブラウンシュライク3300.マツシエローダーベーグIB)に寄託し た。
実施例2 nuc”遺伝子のTn5への挿入 構築したnuc”遺伝子を他の細菌の染色体に転移する容易な方法を得るために 、発現プロモーター(pUHE24−2 )をつけた遺伝子を、lacリプレッ サーをコードしている遺伝子と共に、移動し得るブラースミド上のTn5に挿入 した。
使用した最初のベクターはpBR325の派生物、9SUP202であり(Si monら、1983. Biotechology、 1.784−790)  、これはlet遺伝子の上流にプラスミドRP4からのmob部位の挿入を有す る。染色体にRP4の組込みのあるS17.1株のような大腸菌株からは、ps UP202を広範囲の細菌に移動することができる。プラスミドpsUP202 の修飾を以下のように行なった。
i)プラスミドをEcoRIで制限し、一本鎖の末端をDNAポリメラーゼのフ レノウ断片でふさぎ、DNAを連結し、最後にMTiO3へ形質転換する。選択 はアンピシリン耐性に関して行ない、さらにクロラムフェニコール耐性の喪失に ついてコロニーをスクリーニングした(EcoRI部位はcut遺伝子内にある )。結果として得られたプラスミドを95M865と名づけた。
i)プラスミドpSM865をBamHIおよびSal I酵素で制限し、一本 鎖化した末端をフレノウ酵素でふさぎ、DNAを連結し、最後に大腸菌に12株 のIJclooO(Simonら、上記)を形質転換した。選択はアンピシリン 耐性に関して行ない、さらにテトラサイクリン耐性の喪失についてコロニーをス クリーニングした(選択した制限部位はtet遺伝遺伝子局在する)。結果とし て得られたプラスミドを95M878と名づけた。
1ii)トランスポゾンTn5を、Tn5を運んでいるラムダファージによるM C100O(98M878)の感染を通して、98M878に挿入した。カナマ イシン耐性コロニーを選択した後、それらをプールし、プラスミドDNAを調製 し、続いてプラスミドのないMC100O株に形質転換し、再びカナマイシン耐 性について選択した。形質転換体をアンピシリン耐性の喪失についてスクリーニ ングし、このようにしてbla遺伝子内のトランスポゾンの挿入を同定した。こ のことの確認は、結果として得られた95M890と名づけだプラスミドの標準 的なマツピングによって行なった。
iv) Iacl″遺伝子を95M890のTn5に挿入した。プラスミドpT TQ19をEcoO109で制限し、Sat I断片をリンカ−挿入した。結果 として得られたプラスミドから1acl遺伝子をSal I −Sca Iフラ グメントとして単離し、5allおよび5I11a I酵素で制限した95M8 90に連結した。結果として得られたプラスミドはTnS内に1acI@遺伝子 をもっており、95M1014と名づけた。
■)プラスミドps)J1088をXho Iおよび5alT酵素で制限し、プ ラスミドpsM104をSal Iで制限した。これらの二つのプラスミドDN Aを混合し、連結してMC100Oに形質転換し、カナマイシン耐性について選 択した。IPTGを含んでいるプレート上での減少した増殖に関してコロニーを スクリーニングし、結果として得られたプラスミドを分析しマツピングした。か かるプラスミドは、Tn5内にpUHR24−2およびIacI@遺伝子からの 合成1acプロモーターと結合しているnuC”遺伝子が挿入されており、93 M1093と名づけた。このプラスミドのマツプを図3に示す。
実施例3 細胞内ヌクレアーゼの免疫学的分析 LB培地中で対数増殖をしているMC1000MC1000(1)Sの培養物に 、1m IPTGを00.、、が0.2となるように加えた。30分間培養物の 増殖を続けた後、クロランフェニコールを加えて濃度を100μg/mlとし、 更に60分間インキュベーションを続けた。試料5i+1を、IPTGの添加前 (誘導しないコントロール) 、IPTG添加3添加30幻後びクロラムフェニ コール添加後の異なる時点で採取した。クロラムフェニコールの添加は、細胞の 細胞質におけるヌクレアーゼの安定性の評価を可能にする。5+nlの試料を遠 心して細胞を集め、TE緩衝液0.5II11に再浮遊させた。これらの、lO 倍濃度の細胞試料を透明になるまで音波処理し、破片を遠心によって除去した。
細胞抽出物中に存在しているヌクレアーゼの量は、基本的には以下の実施例14 に記したようなELISA法により、精製した細胞外ヌクレアーゼに対してウサ ギで調製し、あらかじめ吸着させたポリクローナル抗体を用いて測定した。
表1のデータは、ODt。、のELISA測定値と標準的なヌクレアーゼ用の0 Dts。の測定データとの間の比が、このような実験に典型的であることを示し 、93M1093のnuc”遺伝子にコードされているヌクレアーゼタンパク質 が、誘導の結果として有意な量で発現されていることを示している。しかしなが ら、このタンパク質はかなり不安定であり、タンパク質合成の停止(クロランフ ェニコールの添加により成される)後およそ60分では、検出し得るヌクレアー ゼは細胞内に残っていない。
分 MC100O5M825 5M10670 1、5 1.3 1.1 30 4、 l 3.6 2.5 60 0、88 3.9 1.2 90 0、85 2.2 1.2 MC100O:大腸菌、5M825 :エンテロバクター・クロアサエ(Ent erobactor cloacae) 、5M1067 :シュードモナス・ フルオレセンス(Pseudomonas fluorescens) 。
実施例4 細胞内ヌクレアーゼの活性分析 実施例3に記したような免疫学的に反応性のあるヌクレアーゼの証明は、このタ ンパク質が発現していることを示すにすぎない、すなわちこのタンパク質が細胞 内で酵素活性を維持していたかどうかは証明されないままである。
MC1000MC1000(1)Sの細胞の培養物におけるヌクレアーゼ合成の 誘導は、前文に記したようにl+nMのITPGの添加により成就され、30分 間のインキュベーションの後に実験を停止した。[PTG添加の前後に試料を採 取し、細胞の溶解後に起こるヌクレアーゼによるDNAの加水分解を防ぐかまた は非常に減少させるため高濃度のEDTAを用いる方法を使って、集めた細胞か ら全DNAを調製した。かかる溶解後の核酸分解によるDNAの分解の対照とし て、あらかじめ精製しておいたプラスミドDNAを、溶解の工程を始める前にD NA標品の一つに加えた。全DNAの調製の後、環状のプラスミドDNAが存在 したことは、細胞の採取後に何らのDNA分解も起きていないことを強く示唆し ていると解釈した。
た試料には、DNAは均一な消化されていないバンドとして見られる。
それに対し、IPTGで誘導した後に採取した試料から調製したDNAは、分解 の度合いが高いことを示す非常にヘテロな様相(スメア)を示しており、さらに 、かかる誘導した試料に加えたプラスミドDNAがその均一性を保っていた(分 解されなかった)ことから、nuc”遺伝子の誘導後のDNAの消化が細胞の内 側において、すなわち細胞内で起こったはずである。従って、発現されたタンパ ク質は酵素活性を有していた。
実施例5 nuc’システムの他の細菌種への伝達プラスミドpsM1093においては、 IPTGで誘導することができるnuc”遺伝子は、移動可能なpBR322か ら派生したプラスミド上のTn5トランスポゾン内に位置している。従って、n uc”遺伝子を含んでいるトランスポゾンを、大腸菌を供与株として用いる接合 交配によって、他の細菌へ誘導することができる。pBR322プラスミドの複 製を許す細菌(腸内細菌)においては、大腸菌における場合と全く同様に、トラ ンス接合体が供与体プラスミド上のトランスポゾンを運ぶと考えられており、他 の細菌(たとえばシュードモナス)においては、pBR322プラスミドは複製 せず、これらの種におけるトランスポゾンを介する抗生物質耐性の獲得は、受容 生物における染色体または内在性プラスミドへの転位によって可能である。
接合交配は、抗生物質を含まないLBプレートの上で、浮遊させた供与細胞と受 容細胞とを混合し、30℃で一晩インキユベートすることによって行なわれる。
混合細胞のコロニーからアリコートをとり、選択プレート(トランスポゾンのカ ナマイシン耐性の選択、および受容生物の抗生物質、通常はりファンピシンに対 する耐性マーカーの選択)の上で画線培養した。1〜3日のインキュベーション の後に現われるコロニーで選択プレート上に再び画線培養し、転移が実際に起き たことを確認するために、受容体の特異的な特徴について調べた。
結果として得られたトランス接合体株について、最後に、IPTGを含んでいる プレート上での生存度について調べた。これらの種々の細菌におけるnuc”遺 伝子の誘導は、これらのうちのいくつかの増殖を阻害する結果となったが、少数 の細菌は明らかに誘導に対して耐性があった。一つの種、すなわちエンテロバク タ−・クロアサエは大腸菌よりも高い感受性を示した。
異なる細菌において、誘導に対して観察された異なる感受性の原因を研究するた めに、ヌクレアーゼタンパク質の誘導レベルの測定を、実施例3に記したような ELISA分析によって行なった。前文の表1に要約した結果は、誘導されたヌ クレアーゼタンパク質のレベルと各々の細菌種の増殖阻害の程度との間に卓越し た相関関係があることを示した。はとんどの細菌においてヌクレアーゼは大腸菌 におけると同様に不安定であるが、しかしエンテロバクタ−・クロアサエにおい てはヌクレアーゼは更に安定であり、従ってこの生物に見られる増加した増殖阻 害に一致して、より高いレベルの酵素を細胞内に得ることができることもまた注 目すべきである。これらの結果は、nuc”遺伝子の誘導後の増殖阻害力士、細 胞内のヌクレアーゼの濃度によって変ることを示した。この濃度が一定のレベル を越えると、すべての細菌種はこの酵素の存在に対して等しく感受性になり、そ のことは、閾値以下の速度で起きているDNAの損傷が調べた細胞すべてにおい て等しく効率的に修復されていることを再び示すものである。
実施例6 nuc”活性の最適化 プラスミドpsM1093について記述したような、nLlc’の発現システム の特徴から、プラスミドの突然変異によって更に効率のよい致死システムを引き 出すことができることが明らかである。一般原則として、細胞におけるより高い ヌクレアーゼ活性は、誘導後のタンパク質濃度の増加または、酵素の比活性の増 加のいずれかによって得ることができる。タンパク質濃度の増加は、遺伝子量の 増加が、遺伝子の発現レベルの増加か、またはタンパク質の安定性の増加の結果 であると考えられ、比活性の増加はヌクレアーゼ遺伝子の構造における突然変異 (複数の突然変異)を必要とする。
突然変異体をスクリーニングするプログラムは、nuc”遺伝子の誘導の後に増 殖阻害の増加を引き起こすどの型の突然変異を単離するのかという目的によって 設計する。スクリーニングの基盤は、93M1093をもっている大腸菌細胞が 、IPTGを含んでいるプレート上で、誘導後の残余増殖により、小さなコロニ ーを形成することができるという観察であった。そのため、増加した細胞内酵素 活性を有する突然変異体は、そのプレート上で更に厳しい増殖阻害を示すことが 期待される。
他の細胞へのnuc”システムの伝達の可能性の重大さのため、最適化に導く突 然変異が大腸菌染色体の遺伝子(たとえば修復遺伝子またはヌクレアーゼの不安 定さの原因となるプロテアーゼをコードしている遺伝子)にではなく、プラスミ ドに局在することを確かめることが重要であった。そのため、Humphrey sら、1976、 Mo1.Gen。
Genet、、 145.101に従って、ヒドロキシルアミン法を用いて、精 製したプラスミドpsM1093DNAに直接に突然変異誘発処理を行なった。
この方法は、20μmの単離精製したDNA(3μg)、lnMのII!DTA を含んでいる100μmのリン酸ナトリウム緩衝液(0,1M、 pu e、o )、およびl mM EDTAを含んでいる80μlのNH*OH/ HCI( I MSpHをNaOHで6.0に調整)を含んでいる反応溶液の最初の調製を 含む。この混合物を70℃で45時間インキュベートし、続いてDNA透析緩衝 液に対して2℃で一晩透析した。
このようにして処理したDNAを続いて突然変異を誘発していない大腸菌株(M C100O)に形質転換した。選択プレート(LB十カナマイシン)上にコロニ ーが現れた後、nuc”遺伝子の誘導のためにl PTGも含んでいるプレート 上にレプリカ培養した。37℃で5〜6時間インキュベートした後、レプリカの 増殖を調べ、IPTGを含んでいるプレート上では増殖しないかまたは非常に少 ない増殖を示しているコロニーを、マスタープレート(IPTGなし)から選択 プレートおよびIPTGを含んでいる選択プレート上に画線培養し、野生型93 M1093株の同様な画線と比較した。突然変異誘発の1サイクルから、IPT Gを含んでいるプレート上ですべてが大腸菌の増加した増殖阻害を示す7つのク ローンを単離した。
突然変異したプラスミドの性質を調べるため、さらに突然変異(または複数の突 然変異)の性質をできる限り示すために、一連の実験を行なった。先の実施例に おいてすでに記述した方法と分析法とを用いて、単離した突然変異体についてヌ クレアーゼタンパク質の発現レベル(ELISA) 、酵素の安定性(ELIS Aおよびヌクレアーゼ活性、スポット試験)、および細胞内ヌクレアーゼ活性の レベル(スポット試験)を調べた。さらに、単離した突然変異体クローンからの プラスミドDNAを精製し、細胞内におけるこれらの相対量および制限酵素概観 図をアガロースゲルの調査により決定した。すべての突然変異体はタンパク質量 およびヌクレアーゼ活性の増加を示し、これらの2つのパラメーターの間の相関 関係はすべての場合に酵素の発現の増加が起きたことを示した。いかなる突然変 異体も、用いた方法で検出し得るタンパク質の安定性の増加を引き起こさなかっ た。また、いかなる突然変異体も、プラスミドのコピー数の増加を示さなかった 。
従って、突然変異体の予備分析は、増殖阻害の増加の最もありそうな原因として の、誘導後のより高い発現レベルにねらいをつけた。
誘導後退も高い増殖阻害レベルおよび最も高い細胞内ヌクレアーゼレベルを示す 一つの突然変異体、95M1093−1は、93M1093に比較して余分のE coRV制限部位を有することが判明した。この部位の位置はIac I”遺伝 子の場所と一致しており、突然変異したリプレッサーがIPTG誘導に対して更 に適切に反応し、誘導後のより速いnuc”転写速度に導いたことを示唆してい る。更に特徴を明らかにするためいずれも最も高いヌクレアーゼ活性レベルを有 するクローンを代表する2つの突然変異体を選択した。
実施例7 93M1093と2つの突然変異体プラスミドとの特性の比較基本的には以下の 実施例14において記述したように、I!LISAによって測定した誘導された ヌクレアーゼタンパク質のレベル(誘導後30分)を表3に示す。示した数値は 、ODs*tのI!LISA測定値と標準的なヌクレアーゼのOD□。の測定デ ータとの間の比を表す。誘導物質であるIPTGは0分の時点で与え、クロラム フェニコールは30分後に与えた。その結果は93M1093 (野生型)が9 5M1093−1よりも少ない酵素を産生ずることを明らかに示している。95 M1093−1からのヌクレアーゼの分解の初速度は非常に高く見えるが、これ らの異なる株からの酵素は、クロラムフェニコールの細胞への添加の後は、同じ 動力学で分解した。
分 93M1093 95M1093−130 54.7 119.2 60 31、6 35.8 pSM1093−1からの、誘導したヌクレアーゼの増殖阻害および細胞致死の 効率を増殖実験で調べた。結果を表4に示す。
2+nM IPTG添加 LB上での+nlあたりのコロニー形成単位後の時間  カナマイシン カナマイシン+IPTG0 1.2XlO’ 1.3X10” 1.5 2.7xlO’ − 3,03,0XIO” 2.1X10’−晩 1.0X10’ 8.7xlO’ 0時間の試料はIPTG添加の前に採取した。親のnuc”遺伝子および突然変 異体派生物は、いずれもTn5トランスポゾン内に位置しており、従って下文の 実施例11に記述したような、他の細菌種にそれらを伝達することができる。下 文の実施例1Oに示したような、3つのプラスミドのそれぞれを、大腸菌SI7 .1(供与体)からシュードモナス・プチダ(Pseudomonas put ida)およびシュードモナス・フルオレセンスに各々接合した。
トランス接合体の単離およびコロニーの精製の後、各々の接合体からの多数の独 立したクローンのIPTGで誘導される増殖阻害について調べた。トランス接合 体と受容体との各々の特異的な組合わせには変化はなく、受容体に対する転位に 無関係に、誘導の効果が同じであることが示された。一般的な状況は大腸菌で見 られたものとよく似ており、シュードモナスにおいても野生型より突然変異体の 方が増殖阻害剤としては、より効果的である。
実施例8 モデルとなる組換えシステムの構築および実験相同組換えに基づく、推計学的誘 導システムの可能性を評価するための、モデルプラスミドを構築した。このプラ スミドは性質のよくわかっているプラスミドpBR325(Bolivar、  1978. Gene、 4.121−136)に基づいており、そこにはクロ ラムフェニコール耐性遺伝子の繰り返しがある。この二つの相同なりNAのスト レッチの間に、商品として得られるプラスミド、pTTQ19 (Stark、 19B?、 Gene、 51.255−267)からの1acIQ遺伝子を挿 入する。もしIac Iによって抑制されているプロモーターにより支配されて いるもう一つの遺伝子が、同じ細胞内に、前文に記したようなモデルプラスミド のように存在しているとすれば、(さらにこの株のパックグラウンドがlac  Iだとすると)その遺伝子の誘導は、lac Iリプレッサーがこの工程におい て消失するため、モデルプラスミドの最後のコピーが再結合した時点で起こる。
ベクターpBR325は、典型的には細胞あたり50コピpBR325をEco RIで直鎖化し、付着末端をDNAポリメラーゼ■の大きいフラグメント(フレ ノウ断片)によってふさいだ。プラスミドを再び連結し、その結果、宿主細胞に アンピシリン耐性およびテトラサイタリン耐性を与えるがクロラムフェニコール 耐性は与えないpCK20を得た。同じ方法をプラスミドpsUP202 (S lmonら、1983゜Biotechnology、 1.784−790) に導入し、結果として93M865を得た。
クロラムフェニコール遺伝子は、平滑末端を生じるTn9の中央のBbv Iフ ラグメントからクローン化した。このフラグメントをpUc18(Yanisc h−Perronら、1985. Gene、 33.103−109)の平滑 末端化したXba 1部位に挿入し、pLKP46を得た。フラグメントの方向 性は、pUc18のRam)l I部位に最も近い、内部のEcoRI部位によ って決定した。Baw+HIおよびSat Iで切断したベクターpcK20お よび93M865に、pLKP46のBamHI / Sat Iフラグメント を挿入し、それぞれクロラムフェニコール耐性であるが、テトラサイクリン感受 性であるプラスミド、 pCK22およびpCK23を得た。
プラスミドpH8103は、プラスミドp’r’rq 19からの1acIQ遺 伝子を含む。切り出された1acIQフラグメントは、以下の修飾を施したSs p I / EcoO109Iフラグメントと等しい。すなわちEcoO109 I部位は平滑末端化され、5alIリンカ−にューイングランド・バイオラプス 社 # 1027)に連結し、続いてpKK223−3 (Broslusら、 1984、 Proc、Natl、Acad、Sci、 U、S、A、、 81 .6929−6933)の小さな5all−BamHIフラグメントに連結した 。従って、結果として得られる1aclQフラグメントは、約1100塩基対の Ssp I / BamHIフラグメント上にある。この断片を、EcoRVお よびBamHIで切断したpCK22およびpCK23に挿入して、各々pCK 24およびpCK25を得た。これらのプラスミドはモデルプラスミドであり、 pCK25が2つの直接的な反復の間に、IacTQ遺伝子と共に挿入した1l IOb遺伝子(約2000塩基対)を付加的に含んでいる点で異なっている。こ れらの二つのプラスミドにおいて相同なストレッチの長さは約900塩基対であ り、反復ストレッチの間は約1100塩基対(pCK24)および約3100塩 基対(pCK25)である。
抑制可能なlac Iプロモーターである、 trp−1acハイブリツドta cプロモーター(Amann、 E、ら、1983. Gene、 25.16 7−178)の支配下にあるgef遺伝子を含んでいる付加的なプラスミドを構 築した。gef遺伝子を含んでいるプラスミドpLKP118 (Poulse nら、1989. Mo1ec。
Microbiol、、 3.1463−1472)を、旧ndnlおよびEc oRIで消化し、HindI[Iおよびf!coRIで開いたpKK233−3 に連結し、pHB101を得た。
pHB101の約500塩基対のBamHIフラグメントをpAcYc177( Changら、1978、 J、Bacteriol、、 134.1141− 1156)のBam)l I部位に挿入し、pCK28(図5)を得た。
モデルプラスミドpCK24およびpCK25を、染色体上にデルタ(lac− pro)欠失を有し、さらに機能をもつlac I遺伝子を除く完全なlacオ ペロンを含んでいるF因子を有する大腸菌C3H36株(コールド・スプリング ・ハーバ−・コレクション、米国)に形質転換した。この株の表現型は、5−ブ ロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシド(X−gal )を含んでいるプレート上では、細胞内にIac遺伝子が存在していないという 条件では青色である。
pCK24またはpCK25で形質転換した細胞をX−galプレート上に播種 した時の表現型は、白色、青色、および青色の扇形コロニーであり、コロニーの 青色部分の細胞が、実際にモデルプラスミドにおいてIacIQのすべてのコピ ーを欠いていることを示した。均一に白色であるコロニーをX−galプレート 上に再び画線培養すると、それらもまた−晩で扇形になった。均一に青色をした コロニーは、しかしながら青色のままであった。
前文に記述したプレートからいくつかのコロニーを摘み取す、NaClの等偏波 2mlに再浮遊した。この溶液から0.2mlずつのアリコートを、一つの大き な水滴としてLBプレート上に分配し、37℃でインキュベートした。
一つのアリコートは直ちに凍結した。次いで接種1日後、およびその後2日また は3日ごとにプレートを採取した。プレートの採取は、NaCIの等偏波2+1 をプレートに加え、その中に細胞を再浮遊させることにより行なった。浮遊物を 集め、遠心し、得られたペレットをNaCl 0.2mlに再浮遊した。集めた 細胞は、実験が終わるまで一20℃に凍結保存した。およそ15日後に細胞を融 解し、DNAの微量標品用に使用した(a、 +n、 Birnboim、 H ,C,およびJ、Doly、 1979. NucleicAcids Res 、、 7.1513−1523)。
プラスミド全集団の遺伝子型を分析するために、C3H36のrecA欠損変異 体を構築した。すなわち、C3H36は、デルタ−recA: :TnlO株J C10284(Czonkaら、1979. Genetics、 93.32 1−343)から調製したファージストックでPI形質導入し、CKE95を得 た。
前文に記述したプレートからのDNA試料をCK[!95に形質導入し、X−g al上に播種し、コロニーの色を検討した。青色のコロニーの百分率は、対応す るDNA試料における組換えプラスミドの分画に直接に相関していた。図に表し てみると(図6)、組換えの明らかな進行が認められ、定常期のC3H36細胞 において組換えシステムが作動していることを示した。14日後では、この集団 の80%より多いプラスミドが組換えていた。pC24とpC25の反応の間に は何ら有意な差がなかった。
組換え率を、シミュレートした連続的な対数増殖実験、すなわち、C3H36+  pCK24およびC3)136 + pCK25細胞を、アンピシリ:/ 1 100u/mlを加えたLB培地中で、37℃で一晩振とうして増殖させ、毎朝 新しいLB培地に1:lOOの播種材料を用いて再播種する実験において検討し た。再播種時に、−晩培養した培養物の一部分を直ちにDNAの微量標品用に使 用した。実験の終わりにDNA試料をPstIで消化したが、その部位は両プラ スミドモデルにおいて単独であり、組換えの工程で欠失される領域の外側に局在 する。一つのDNA試料から得られる二つのバンドの相対的な濃度は、そのまま のプラスミドに組換えられた割合の直接的な測定値となる。かかる実験の一つは 、組換えたpCに24プラスミドの百分率が、6日間にほとんど0から90%に なったことを示した。ゲルスキャニングによる分析では、9日後には培養物中の プラスミドは本質的にすべてが再配置を受けていた。pCK25も同様に反応し た。このことは組換えシステムが対数増殖期の細胞において作動していることを 示唆する(図6B)。
この実験はまた共同研究室の、大腸菌株C6000(Bactv+ann、 1 987、[大腸菌およびサルモネラ・ティフィムリウム(Escherichi a coliand Salmonella typhimurium) J  Ne1dhard F、C,ら編、ASM、ppH9O−1219)およびMC 1000(Silhavyら、1984 r遺伝子融合実験(1!xperli entswith Gene Fusions)J % コールドスプリングハ ーバ−研究所、ニューヨーク ppxi−xii)にも行なった。前述のように DNAを消化したゲルの視覚的な検査により、これらの株においても同様に組換 えの進行が見られた。
pCに24および9CK25を含んでいるC3H36株を、和合性プラスミド上 のtacプロモーターの支配下にあるgef遺伝子を含んでいるpCK28で形 質転換した。組換えによってIaclQの最後のコピーが切除されると、プロモ ーターの抑制が解け、毒性のgefタンパク質の発現が始まり、宿主細胞の死を 引き起こす。CKE95/ pCK24/ pCK28およびCKE95/ p CK25/ pCK28を、適当な対照(CにE95/ pCK24/ pAc Yc177およびCKE95/ pCK25/pAcYc17?)と共に、0. 2%グルコースか、0.5%グリセロールか、または0.5%酢酸塩のいずれか を唯一の炭素源として含んでおり、クロラムフェニコール(50μg/ml)お よびカナマイシン(50μg/ml)を添加した最少プレート上での画線培養に より、gefプラスミドを含んでいる株の有意な増殖阻害が見られた。炭素源の 質が低いほど、すなわち全体の増殖速度が遅いほど、阻害効果は激しい。この実 験は、gefプラスミドを含んでいる細胞に対して有意な不利益を与える前述の ような機構として、推計学的な誘導システムが、研究室の基準に基づく封じ込め の情況に使用できることを示唆している。
組合せた株を更に調べるため、CKI!95/ pC24/ pCK2Bの倍加 時間をCKE95/ pCK25/ pAcYc177ノ倍加時間と比較した。
実験は、0.2%グルコースを含み、クロラムフェニコール(50μg/w+1 )およびカナマイシン(50μg/+1)を添加した最少培地に、カザミノ酸を 加えて、または加えずに行なった。カザミノ酸が存在する最少培地では、対照株 の倍加時間が43分であるのに対し、gefプラスミドを含んでいる株の倍加時 間は45分であった。カザミノ酸のない最少培地では、倍加時間は各々85分( 対照)および95分であった。この実験は、前文の最少プレート分析で見られた 傾向を確証した。
実施例9 システムの構成要素の簡単な概観ニ ジステムは二つの別々に構築されたプラスミドの集合に基づく:A)前半は、い ろいろな長さの、典型的には600−1500塩基対のDNA配列を制御するプ ロモーターを有するカセットから成る。この配列は実際の反復DNAとなるべき ものである。このDNAのストレッチの後に、任意で耐性因子、たとえばクロラ ムフェニコール遺伝子が存在する。最後に、転写ターミネータ−が5′の二つの 制限部位Xho l−5phIに、この順序で挿入されている。
B)後半は、少なくとも一部は前記の反復配列に等しく、任意に致死遺伝子また は指示遺伝子が続く(または何もない)配列から成る。
このカセットは単一のXho Iおよびsph 1部位に側面を接しており、そ れによってこのカセットを前文に記した前半部分に挿入することができる。完成 した「組換えプラスミド」は二つのNo口部位に側面を接しており、それにより その切り出しと、Tn5転位機構による宿主細胞染色体へのカセットの組込みの ための自殺配達プラスミドへの挿入とが可能になる。
二つの基本的なりローニングベクター、pUc18Not(Herreroら、 1990、 J、Bacteriol、 172.6557−6567)および pUc19(Yanisch−Perronら、1985. Gene、 13 .103−109)を、ポリリンカー配列の交換により修飾した。Sac I  / Pst Iで切断したpUc18Notに、合成ポリリンカー5’−CTG ・・・・・・GCA(上の方の鎖)を、もとのPstI部位を破壊し、Sac  I部位を残して挿入し、pCK29を得た。
同様に、Sac I / Sph Iで切断したpU19を、sph Iと同様 にSac Iを残して、合成ポリリンカー5’−CTC・・団・ATG(上の方 の鎖)に連結し、 pCに30を得た。
pCK29をN5ilで切断し、rpoCt’転写ターミネータ−(Squir esら、1981. Nucleic Ac1d Res、、 9.6827− 6839)を含んでいるプラスミドpHBA102rpocLからの250塩基 対のPStIフラグメントを、内部ノBg11部位がpCK29(7) Bgl II部位に近くなるように挿入し、pCK45を得た。
クロラムフェニコール耐性遺伝子は、DNAポリメラーゼIの大きいフラグメン ト(フレノウ断片)によって平滑化した、Tn9の中央のBbv nフラグメン トからクローン化した。このフラグメントをpUcI8(Yanisch−Pe rronら、前文参照)の平滑化したXba I部位に挿入してpLKP46を 得た。フラグメントの方向性は、pUc18のBamHI部位に最も近い、内部 のRcoRI部位によって決定した。
pLKP46をSma Iおよび5allで切断し、クロラムフェニコール耐性 遺伝子を含んでいるフラグメントを、Sala IおよびSal Iで直鎖化し たpCK45に挿入し、pCK49を得た。
16SのrrnB遺伝子の一部を含んでいるプラスミドpKK3535(Bro siusら、 1981. Plasmid、6.112−118)からの、6 90塩基対のBcl I −BgI nフラグメントを、pCK45のBgl  II部位に、前文に記したpCK45のrpoct’配列に対しBgl 11部 位が近くに再現されるよう挿入し、pCK68を得た。
pcK68をSal Iで直鎖化し、PAI10110Sプロモーターを含んで いる、pUHE24−2 (Lanzerら、1988. Proc、Natl 、Acad、Sci、USA、 85゜8973−8977)からの127塩基 対のXho I / Sal nフラグメントを挿入した。5all部位をpc KO8の挿入されたリポソーム配列の最も近くに作り直し、pCK75を得た。
pCK75をPstIおよびBGII[で切断し、小さい方のフラグメントをP stlおよびBamHIで切断したpCK49に挿入し、pCK79を得た(図 7参照)。
二つのプラスミド、pCK75およびpCK79(図xx参照)は、組換えカセ ット(前半、598塩基対の反復)を構築するための基本的なプラスミドである 。
pcK30をBamHIおよびSma Iで切断し、pKK3535からの59 8塩基対のBcl I −Sma nフラグメントを挿入し、pCK37(図8 )を得た。
組換えに際して発現される遺伝子を含んでいる種々のプラスミドを修飾し、この システムに用いた。IacZ遺伝子を含んでいるブラスミ ドpcB267(S chneiderら、1987. Meth、Enzyi+o1.、 153.  452−461)をEcoO109Iで直鎖化し、前文に述べたような方法で 末端を平滑化し、BamHIリンカ−にューイングランド・バイオラプス社、#  1021)に連結し、pCK52を得た。
ヌクレアーゼ遺伝子(口uc” 、前文の実施例に記述したような、リーダー配 列を欠いたヌクレアーゼ遺伝子)を含んでいるプラスミドpsM1088を同様 に処理した。すなわち、旧ndI[[およびEcoR1部位を続いて平滑末端化 し、前述のBal1l)l Iリンカ−に連結し、各々pCK53およびpCK 59を得た。
以下のものをpcに37のBg111部位へ挿入した。
B)lacZ遺伝子を含んでいる、pCK52の約3000塩基対のBglI[ −Ba+nHnフラグメントを、BglII部位がpCK37のsph部位に対 して最も遠くなるように挿入し、pcK56を得た。
b)ヌクレアーゼ遺伝子を含んでいる、pCK59の約1100塩基対のBam Hnフラグメントを、その内部のEcoRV部位がpCに37のSph1部位に 対して遠くなるように挿入し、pK63を得た。
c) gef遺伝子を含んでいる、プラスミドpH884からの約400塩基対 のBamHnフラグメントを、フラグメントのEcoRI部位がpCK37のS ph r部位に対して遠くなるよう挿入し、pCに36を得た(図8)。
p)IB84は、BamHIリンカ−にューイングランド・バイオラプス社#  1021)をプラスミドpLKP118 (Poulsenら、1989. M o1ec、Microbiof、。
3、1463−1472)のEcoR1部位の平滑末端に挿入して作製した。
d)なしくすなわちpCK37そのもの)これらの4つのプラスミドを基本的な プラスミドとして、組換えカセットの構築(致死機能かまたは指標遺伝子を含ん でいるか、またはマーカーのない、後半部分の598塩基対)に用いる。
B1組換えカセットの集合と組込みプラスミドの作成前文に記した4つの基本的 なプラスミドのXho I / Sph I断片を、Xho Iおよびsph  Iで切断したpcに79に導入し、結果としてそれぞれプラスミドpCK82.  pCK95. pcK80およびpcK81を得た(図9参照)。
これらのプラスミドから組換えカセットを含んでいるNoロフラグメントを、自 殺ベクターpUT−mini−Tn5−TcおよびpUT−mini−Tn5− Km(de Lorenzoら、1990. J、Bacteriol、、 1 72.6568−6572)の単一のNotI部位に連結し、以下のベクターを 得た。
ベクター pUc18NoL pUTTc pTUTKmP−> DR−CII R−DR−gef pCに80 pcに84 pCK87P−> DR−C+n R−DR−pcK81 pCに85 pCK88P−> DR−CmR−DR− LacZ pCK82 pCK86 pCK89P−> DR−C+nR−DR −nuc” pCK95 pCK96 pCK97大腸菌K 12. MC10 00recAに含まれるプラスミドpCK81は、1991年7月5日にジャー マン・コレクション・オブ・マイクロオーガニズムス・アンド・セル・カルチャ ース(ドイツ、ブラウンシュワイク 3300.マツシェローダー ベーク1B )に寄託した。
実施例1O 反復DNAの長いストレッチのある組換えプラスミドの構築未来の構築物のため の、さらに用途の広い道具箱を供する目的で、主なシステムパラメーターである 反復の長さの、容易で迅速な修飾を促進するための派生物を作った。長い−続き のrrnB−DNAをpCK29およびpCK75ベクターに挿入した。rrn Bの望ましい部位で切断し、必要なら開いたベクターを平滑末端化し、さらに単 一のPs口部位での切断の後に、Pst I / Sma Iで開環したpCK 45またはpCK49に、得られた断片を挿入することができる。同様に、ge f、 nuc” 、および1acZを含んでいるが、rrnB配列のない一連の プラスミドを作り出した。これらのプラスミドにおいては、希望する長さの反復 をpKに3535から直接に、Bcl Iフラグメントを平滑末端化したものと して切り出し、続いてプラスミドに挿入した。
このシステムの前半(直接反復■)のためのプラスミドを得るために、pCK2 9およびpCK75をBgl I[および5phIテ開いた。pCK29へは、 pKK3535からの3196塩基対のBcl I / Sph fフラグメン トを挿入し、pCK72を得た。pKK3535(7) 2506塩基対+7)  Bgl If / Sph I 7ラグメントをpCK75(rrnB配列の 一部をすでに含んでいる)に挿入し、pCK83を得た。
以下のフラグメントを、Bgl 11部位で直鎖化したpcK30に挿入した( 図1O参照)。
a)lacZを含んでいるpCK52のBgl II /BamHIフラグメン トを、pcK30の5IIla 1部位に対してBgl II部が近くなるよう に挿入し、pcに71を得た。
b) nuc”遺伝子を含んでいるpCK59のBamHIフラグメントを、p cK30のSna I部位に対して内部のEcoRV部位が近くなるように挿入 し、 pcK70を得た。
c) gef遺伝子を含んでいるpal(84のBamHIフラグメントを、9 CK30のSma 1部位に対して内部のEcoRI部位が近くなるように挿入 し、pCK32を得た。
d)なしくすなわちpcK30自身)。
実施例11 pUT−派生物の挿入による異なる種類の株の構築pUTに基づくベクターの使 用により、構築物は事実上いがなるグラム陰性細菌の染色体にも挿入することが でき、従って、それは宿主染色体DNAと共に複製されるため、カセットの安定 な維持が達成される。この組込みの特徴は、このシステムを、ベクター/宿主関 係の適合性とは無関係にすることである。pCK84からpCK89までのプラ スミドは、シュードモナス・プチダ、およびシュードモナス・フルオレセンスの 染色体にうまく組込まれる。pUTプラスミドは、複製にpi「タンパク質を必 要とする。pUTプラスミドの複製起点はやはりpirタンパク質をコードして いる広い宿主範囲のPR4プラスミドに由来する。pUTプラスミドはpirタ ンパク質をコードしておらず、従ってこのタンパク質は、もしプラスミドが染色 体外に存在しているとすれば、トランスに存在する必要がある。pi「遺伝子を 含んでいるラムダファージ遺伝子が組込まれている大腸菌517.1株の派生物 を、プラスミドの他の種への接合による伝達のために用いた。適当なプラスミド を含んでいる317.1株をLB寒天プレート上で受容株と混合し、混合物を1 〜2日間、ラムダファージが溶菌相に入るのを妨げるため30℃を越えない温度 で静置した。
次いで接合完了体を、感受性株(たとえばリファンピシン)および挿入プラスミ ドのトランスポゾン部分(テトラサイクリンまたはカナマイシン)の選択のため のプレート上で選択した。導入は、接合完了体からのプラスミドDNA11本に よって確認した。
実施例12 pCK組換えプラスミドを用いた予備実験pCK82をMC100O(組換えが 堪能な、デルタIacX74を含む)に形質転換し、形質転換混合物を、アンピ シリン100μg/+nlおよびX−gal 50μg、’+Iを含んでいるL B寒天プレート上で画線培養した。数日後、いくつかの青色のコロニーを検出し 、さらに予想通りに、組換えシステムが機能していたことを示す青色の扇形コロ ニーを検出した。
プラスミドpcK80からpCK82までと、pCK79(対照として)をMC 100Oに形質転換し、各々のタイプの一つのコロニーを、ロイシン2omg/ Lおよびアンピシリン100μg/Illを加えたABTGプレートまたはAB T+0.5%グリセロールプレート上で画線培養した。ABT+グリセロールプ レートでは、pcK80 (gef)を含んでいる細胞は他の三つの林よりもゆ っくり増殖した。ABTG上では何ら差が認められなかった。
pcK86およびpCK89をシュードモナス・プチダの染色体に組込み、X− galを50μg/111含んでいるLBプレート上で画線培養すると、宿主細 胞は始めは白色のコロニーを形成したが、数日間の培養の後には明らかに青色の コロニーを形成した。600塩基対が反復しており、宿主細胞染色体へのカセッ トの組込みの影響は、染色体外に局在するカセットを有する場合と比較して、青 色のコロニーと白色の間のより低い比率で示されるように、組換え頻度を有意に 低下させる。
実施例13 大腸菌JM109はインビトロジエン社(カリフォルニア州、サンジエゴ)から 購入した。黄色ブドウ球菌Foggi株のヌクレアーゼ遺伝子を含んでいるプラ スミドpFOG408はA、 Meekerから贈与された。クローニングベク ターであるプラスミドpUHI!24−2は、S、 Mol inから入手した 。PCR増幅用オリゴヌクレオチドは、ジェノシス社(米国)に注文して合成さ せた。
B、ヌクレアーゼ遺伝子のPCR増幅 プラスミドpFOG408からのシグナル配列のないヌクレアーゼ遺伝子を、二 つのオリゴヌクレオチドブライマー、L −5NUCおよびR−3NUCを用い てPCR増幅した。プライマーL−3NUCは37ヌクレオチドの長さであり( 5’ −GAT ・TAA−3”) 5 ’末にBamHI 、Acc If、 およびHpaII制限エンドヌクレアーゼ部位から成る11ヌクレオチドの突出 部分がある。プライマーR−5NUCは33ヌクレオチドの長さであり(5’  −GGT ・−GAC−3’ ) 、EcoRl、HpaI、およびKpn I 制限エンドヌクレアーゼ部位がある。PC^増幅は、AmpHTaq DNAポ リメラーゼ(2,5単位)(パーキン・エルマー・シータス)、各々200μM のdNTP (ファルマシア)、PCR反応緩衝液(反応緩衝液の10倍濃度で あり、500mM Tris−HCI cpH8,9)、500a+M KCI 、および25mMMgCI tを含む)、および各プライマー0.5μMを用い て、DNAサーマルサイクラ−480(パーキン・エルマー・シータス)の中で 行なった。PCR増幅は全部で25サイクルにわたって行ない、各サイクルは9 4℃での1分間の変性、55℃での1分間のプライマーのアニーリング、および 72℃での1分間のプライマーの伸張から成る。PCR増殖に成功した0、 5 07kbのDNAフラグメントを、1%シーケム・アガロースゲル(FMC・バ イオプロダクツ)で流し、EtBrで染色し、Uvトランスイルミネーターで可 視化して測定した。
L −5NUCおよびR−5NUCプライマーを用いたPCR増殖は0.507 kbの大きさの単一のDNAバンドを産生じ、非特異的なプライミングが起きて いないことを示した。上流へ向かうプライマー、L −5NUCは正確に設計し 、そのプライマーが遺伝子のシグナル配列の後の、最初のアミノ酸の最初のヌク レオチドをプライムするようにした(前文に定義した配列を参照)。さらに、プ ライマーの5′末端の1lbpの突出部分は、希望するヌクレオチドからの遺伝 子の合成を確実にする。すなわちPCR増殖の間のフレームシフト突然変異の可 能性が排除される。下流に向かうプライマー、R−5NUCは、停止コドンより 更に下流で、この遺伝子をコードしている配列の外側のヘアピン構造の可能性の あるところに局在しており、この遺伝子の停止コドンを含むすべてのアミノ酸が 完全かつ機能を保ったまま残ることを保証している。
C1増幅したヌクレアーゼ遺伝子のクローニングスタフィロコッカスのシグナル 配列のないヌクレアーゼ遺伝子の増幅したDNAを、Au5ubelら(198 7)によって記述されているようにしてDNAポリメラーゼIクレノウフラグメ ントで末端を修復し、平滑末端化した。末端を修復した増幅されたヌクレアーゼ 遺伝子を、セントリコン100マイクロコンセントレータ−(アミコン、マサチ ューセッツ州)を用いて精製した。 pU11824−2をBamHIで直鎖化 し、Au5ubelら(19B?)によって記述されている方法に従って末端修 復により平滑末端化し、精製した。クローン化およびクローン化されたDNAの 大腸菌JM109への形質転換は、Au5ubelら(1987)によって記述 されたようにして行なった。形質転換したクローンを、指示色素としてメチルグ リーンを含み、11あたり40μgのアンピシリン、1*Mイソプロピルーβ− D−チオガラクトピラノシド(IPTG)、10mM CaC1t、および1  mM MgC1*を含んでいるDNアーゼテストアガー(ディフコ)プレート上 へのレプリカ培養によって、適切なコロニーをスクリーニングした。
指示色を示したコロニーを、制限分析、PCR増幅、およびDNA配列分析によ りクローンについて更に調べた。推定されるクローンからのプラスミドDNAを pSNUC−1およびpSNUC−3と名づけ、Au5ubelら(1987) によって記述されているようなアルカリ溶菌法により単離精製した。単離したプ ラスミドDNAを旧ndl[[制限酵素(USバイオケミカルス)を用いて製造 業者に従って消化した。制限酵素で消化したプラスミドDNAを10%ポリアク リルアミドゲル電気泳動により分析し、EtBrで染色し、Uvトランスイルミ ネーターで可視化した。pSNUC−1およびpSNUC−3の両プラスミドに クローン化されたフラグメントのヌクレオチド配列分析を、Sangetのジデ オキシ法(Sangerら、1977)により、シーフェンス・シーフェンシン グキット(USバイオケミカルス)およびL −5NUCプライマーを用いて行 なった。これらの二つのクローンの特徴を、ヌクレアーゼの誘導および発現につ いて更に明らかにした。またそれらの、アンピシリンC40u g / II)  、10mM CaCIt、1 mM MgCIt、および1nV IPTGを 含むかまたは含まないLB寒天プレート上での増殖能について調べた。
形質転換した細胞はまず、アンピシリン40μg/nlを含んでいるLB寒天プ レートで選択した。DNアーゼテスト寒天プレート上で指示色の変化を示す二つ の推定上のクローンを、アンピシリン、CaCIt。
MgCl t、およびIPTGを含んでいるLH寒天上で更に調べた。psNU c −1を含んでいる大腸菌JM109は、IPTGを含んでいる寒天プレート 上では72時間の培養の後でも何らの増殖を示さなかった(図11)。これに対 し、pSNUC−3を運んでいる大腸菌JM109はl PTGを含んでいる同 じタイプの寒天プレート上で、阻害された増殖を示した(図12)。
どちらの場合にも、対照となるLB寒天プレートはCaCI *およびMgCI  sを含んでいるがIPTGを含まず、18〜24時間の間に完全な増殖を示し た。この実験においては、両タイプのプレート共に可能な限り植え込み数を等し く保っており、合計7回にわたって繰り返すたびに一致した結果を示した。
プラスミド1)SNUC−1およびpSNUC−3の旧ndI[[を用いた制限 分析は、約0.219kbおよび4.0kbの予期されたバンドを作り出した( 図13)。ヌクレアーゼをコードしている遺伝子には旧ndln制限部位が一つ あり、ベクター上に一つであるため、ベクター上のヌクレアーゼ遺伝子の正しい 方向性を決定することができる。
psNUc−1およびpSNUC−3両プラスミドの5′末端にクローン化され ているフラグメントの最初の40塩基対のヌクレオチド分析は、ヌクレアーゼ遺 伝子が正しい方向性を以って存在していることを確証した。
D、psNUc−1およびpSNUC−3(7)誘導大腸菌JM109 (ps NUc −1)および大腸菌JM109 (psNUc −3)を、10mM  CaCIzおよびl mMMgCIzを含んでいるLBジブロス中、37℃で1 時間、loorpmで振とう培養し、光学密度(OD* s e)が0.5−0 .7に達して滅菌した1 mV IPTG溶液を誘導のため添加する時点まで増 殖させた。IPTGの添加の前後にわたり、1時間ごとに0Dloを記録し、培 養物の一部をリン酸緩衝液(pH7,2)で連続的に希釈して、10mMCaC l1およびl w+M MgCItを含むLB寒天プレート上に播種し、生存可 能なプレート数を測定した。各プラスミド構築物の対照培養物を、ヌクレアーゼ 遺伝子の発現および致死効果の比較のために保持した。
E、誘導に続くクローン化したヌクレアーゼ遺伝子の発現大腸菌JM109 ( pSNUC−1)および大腸菌JM109 (psNUc −3)を、先に記述 したようにLBジブロス中対数期の中ごろ(OD4ssで0.4〜0.5)まで 増殖させ、誘導のためl PTGを加えた。誘導は20分間行ない、細胞を遠心 し、Au5ubelら(1987)に記述されているような、ミニプロティン■ ゲルシステム(バイオラッド)を用いた5O5−PAGEによる全タンパク質の 分析用に調製した。PAGEで分離したタンパク質をクーマシーブルーで染色し た。誘導していない大腸菌JM108 (psNUc−1)および(psNUc  −3)の培養物、大腸菌AR120(pFOG408) 、および大腸菌JM 109(pUHE24−2 )の培養物を対照として使用した。
pSNUC−]およびpSNUC−3においてクローン化したヌクレアーゼ遺伝 子の性質を更に明らかにするため、ウサギ抗体(^、Meekerからの寄贈) を用いたウェスタンプロットを行なった。PAGE!からのタンパク質を、ミニ ・トランスプロットシステム(バイオラッド)を用いてニトロセルロース膜(ミ リボア)に移した。1 : 15,000に希釈したウサギ抗体を用い、ビオチ ニル化したヤギの抗ウサギ免疫グロブリンおよびストレブタビジン・ペルオキシ ダーゼ(フィッシャ−・バイオチク)で検出した。発色は、ペルオキシダーゼの 基質中でのインキュベートにより、4−クロロ−1−ナフトールにより行なった 。適当な対照をこの実験において調べた。
大腸菌JM109 (psNuc−1)のIPTGによる誘導は、ODl、。の 表示度数および生存可能なプレート数によって測定されたように、2〜7時間の 間に細胞数の有意な減少を示した(図14aおよび14b)。大腸菌JM109  (psNUc −1)の1mlあたりの細胞数は、生存可能なプレート数によ って測定すると、0〜7時間の間に2X10’から1.5X10’へ減少した。
これに対し、大腸菌1109(psU −3)をIPTGで誘導した場合には、 OD4.。の測定および生存可能な細胞数によって測定すると、誘導していない 対照に比較して、ゆっくりした細胞数の増加を明らかに示した(図15aおよび 15b)。全細胞数は、0〜7時間の間に1!11あたり、誘導していない対照 が3X10@から2X10111であるのに対し、同じ時間に3X10’から7 X10’へ増加した。これらの結果から、pSNuc−1に比較した場合の、誘 導に対するプラスミドpSNUC−3の低い致死効果が、PCRによる[lNA 増幅の過程におけるヌクレオチド(または複数のヌクレオチド)の誤った取込み によって生じる突然変異によるものと予想することができる。しかしながら、こ れらの二つのクローンのどちらが、(もし両方ともでなければ)変化したヌクレ オチド配列を有するのかは明らかでない。
指示色素としてメチルグリーンを含んでいるDNアーゼテスト寒天上での、プラ スミド95NUC−1およびpSNUC−3においてクローン化したヌクレアー ゼ遺伝子の表現型の発現は、予期した色の変化を示した。pSNUC−1はpS NUC−3よりも速い色の変化を示した。対照プラスミドベクターである93M 1128は同じ寒天プレート上で何らの色の変化も示さなかったが、プラスミド pFOG408は有意な色変化を示した。
実施例14 全タンパク質分析のためのPAGEゲルは、IPTGで誘導したpsNuc − 1およびpSNUC−3プラスミドに関しておよそ17.8kD程度の大きさの かすかなバンドを示した。誘導していない対照およびpU)IE24−2はかか るバンドを示さなかった(図16)。ヌクレアーゼは細胞外へ分泌されるタンパ ク質であるため、pFOG48プラスミドを運んでいる大腸菌株は、ゲル内に非 常に弱いバンドを示した。プラスミドpsNUc−1およびpSNLIC−3に おけるクローン化したヌクレアーゼ遺伝子の発現を確認するため、ウェスタンプ ロットを行なった。ウェスタンプロットでは、プラスミドpSNUC−1および pSNUC−3を運んでいる誘導した大腸菌株、およびpFOG408プラスミ ドを運んでいる大腸菌AR120株から、17.8kDのはっきりしたタンパク 質のバンドが明らかになった(図17)。誘導していない培養物、および対照プ ラスミドpsM1128は、いかなるバンドも示さなかった。もう一つの約20 kDの大きさの非特異的なバンドがすべての試料に認められ、二次抗体に対する 非特異的な抗原反応であると考えられる。この実験は、誘導に際しpSNUC− 1およびpSNUC−3両プラスミドによってヌクレアーゼが産生されることを 示唆した。pSNUC−Sプラスミドに関する低い致死効果は、変化したヌクレ オチド配列によるもので、それによってタンパク質の構造および基質に対する機 能が変わったと考えることができる。その代わりとして、プラスミドpSNUC −1についてその致死効力が相対的に高いことがあり侵る。両クローンに関する 完全なヌクレオチド配列の分析は、この疑問を解くことができ、またこの酵素を 更に効果的にすることのできるヌクレオチド配を遠心によって沈殿し、上清(ラ イゼート)をELISA分析に用いた。
スタフィロコッカスのシグナル配列のないヌクレアーゼ遺伝子5nucをPCR で増幅し、大腸菌JM109において、実施例13で記述した各試料のアリコー トを分光光度計による測定にかけ、全タンパク質濃度を測定した。ELISAは 、各ライゼートからの等量の全細胞タンパク質を用いて行なった。典型的には、 種々の試料からのライゼートlOから55μm (各ライゼートの濃度による) をマイクロタイタ数期まで(OD4&。が0.12〜0.15)増殖させ、その 時点で1 mV IPTG(最終濃度)を培養物に加えた。l PTGを用いた 誘導を、37℃で5分間行ない、細胞を遠心し、リン酸緩衝液(pH7,2)で 2回洗浄した。細胞をブロスに再浮遊し、37℃で更に3時間インキュベートし た。誘導の前および5分後に、各培養物のアリコート1Illを集めた。同様に アリコートを遠心により集め、リン酸緩衝液(+)H7,2)で2回洗浄し、音 波処理をして全細胞タンパク質を放出させた。1)SNUC−1またはpSNU C−3のない大腸菌JM109の培養物をネガティブコントロールとして用いた 。
全細胞タンパク質は前文に記述したように、音波粉砕機を用いて細胞を破砕する ことにより放出した。細胞内で発現されたスタフィロコッカスのヌクレアーゼの f!LISA分析も前文に記述したように行なった。
前文に定義したような転写の阻害の数の、pSNUC−1およびpsNUc−3 によってコードされているスタフィロコッカスのヌクレアーゼタンパク質の量は 、IPTGを用いた誘導の後には有意な量であることがわかった。I)SNUC −1およびpSNUC−3についてのデータを各々表5および表6に要約した。
スタフィロコッカスヌクレアーゼの発現は、誘導後の最初の30分間は、誘導の 前に検出された量と比べて約2倍に増加した。ヌクレアーゼ酵素の活性は、リフ ァンピシン処理後の最初の2時間の間残っていた。リファンピシン処理後2時間 と3時間の間に(IPTGで誘導してから2.5時間および3.5時間)、ヌク レアーゼ活性は有意に低下した。この実験から、スタフィロコッカスのヌクレア ーゼは転写の阻害微少なくとも1.5時間は細胞内に安定していると結論するこ とができる。
処 理 時間(時) ELISA測定値1、 OO,666 1、50,685 2、OO,675 2、50,542 3、OO,48B 3、5 0.407 ネガテイブコントロール 1.0 0.276処 理 時間(時) ELISA 測定値1、0 0.557 1、5 0.593 2、 OO,555 2、50,443 3、00,427 3、50,378 ネガテイブコントロール 1.0 0.258IPTGで誘導した後短時間に( 5分間)、細胞を遠心し、リン酸緩衝液(pH7,2)で洗浄し、栄養培地中で 150分間増殖させて細胞における5NUCの安定性を測定した。
データの要約を表7および表8に示す。誘導後、5NUCの量は少なくとも3倍 に増加した。ELISA分析によって測定したところでは、5NUCタンパク質 はpSNUC−1においては誘導後1.5時間から2時間(5分と125分の間 )は安定であり、pSNUC−3においては誘導後1時間から1.5時間(5分 と95分の間)は安定であることがわかった。誘導物質(IPTG)の除去の後 、pSNUC−iでは125分後に1、 psNUc−3では95分後に、5N UC活性が有意に減少した。
処 理 時間(分) [!LISA測定値35 0、560 65 0、543 95 0、501 125 0、456 155 0、329 ネガテイブコントロール 35 0.204表8.誘導5分後にIPTGを除去 した後の、psNUc−3によって細胞処 理 時間(分) ELISA測定値 35 0、458 65 0、430 950゜375 125 0、269 155 0.210 ネガテイブコントロール 35 0.164実施例15 有害な加水分解活性のある酵素に基づく誘導可能な細胞機能を制限する機能を評 価するためのモデルプラスミドを、大腸菌において構築し実験した。このシステ ムの活性成分は、セラチア・リケファシエンス(Serratia l1que faciens)株から得た細胞外ホスホリパーゼであり、phlA遺伝子によ りコードされている。プラスミドはpCH624(Boros 1984. G ene、 30.257−260)の派生物であるベクターpMG300(Gi vskovおよびMo1in 198B、 J、Bacteriol 170. 5855−5862)に基づいている。9MG300 (図18)はラムダファ ージの温度誘導性リプレッサープロモーターc1857/l)Rを運ぶ。phl A遺伝子はこのプロモーターの下流に挿入されており、phlAの誘導は増殖培 地の温度を30℃から41℃に上昇させることにより成就される。誘導の結果、 細胞は死プラスミドはアンピシリンに対する耐性を与える。phlA遺伝子は、 宿主範囲の広いプラスミドpVLT33のリプレッサー/プロモーターシステム であるlac I″’/ptacの下流に挿入されている。このプラスミドは接 合によりグラム陰性細菌に伝達することができる。
A、モデルプラスミドpMG323および9MG317の構築プラスミドpMG 300の構築は、GivskovおよびMol in、 1988. J。
Bacteriol 170.5855−5862により記載されている。有毒 な加水分解活性のあるホスホリパーゼをコードしている遺伝子phlAは、ベク ターpNU121 (Nielssonら、1983. Nucl、Ac1d  Res、11. 8019−8030)の上に構築されており、セラチア・リケ ファシエンスのシーンバンクから入手した。ホスホリパーゼオペロンの遺伝子p hlAおよびphlBを運んでいる3200塩基対の[!coRi制限フラグメ ントを精製し、エキソヌクレアーゼBa131を用いてIn VitrOで消化 した。消化したDNAを9MG300のSma I制限部位に連結した。ホスホ リパーゼの発現が、温度で誘導することのできるプロモーターシステムによって 支配される大腸菌のクローンを単離した。二つのプラスミドpMG317および 9MG323はこの方法によって得たものである(図18)。これらの二つのプ ラスミドおよびホスホリパーゼオペロンのDNA配列は、Givskovおよび Mo1in 1988. J、Bacteriol 170.5855−586 2によって記載されている。
プラスミドpMG317を持っている大腸菌株C3H50を、アンピシリン10 0μg/+++1および0.2%グルコースを加えた50m1のLB培地中で、 300m1の振とうしているエレンマイヤーフラスコにて、30℃の温度におい て増殖させた。OD、toが0.2となった時点で培養物を0Dti。
が0.05となるよう希釈し、00.1゜が0.2になるまで増殖を続けた。
培養物を二分し、一方は30℃で培養を続け、それに対し他方は増殖温度を41 ℃にシフトした。温度シフトの後の異なる時間に培養物の試料を採り、0.9% NaCIで希釈して、アンピシリン100μg/yalを加えたLB寒天プレー トに播種した。30℃で一晩インキユベートした後、LBプレート上のコロニー の数(CFU/+++l)を数えることにより、培養物の生育可能な数を測定し た。培養物におけるPhl”細胞の割合は、ホスホリパーゼの指示プレート、す なわち1%卵黄およびアンピシリン100μg/+alを加えたLB寒天を用い たプレートにレプリカ培養し、30℃で一晩インキユベートし、更に41℃で2 時間インキュベートすることによって測定した(図19)。
実験結果を次の表に要約する。
41’Cにおける培養 時間(分) OD+s* CFU/ml %Phl+0 0.450 1.8X 10’ 10015 0、530 500 70 30 0、280 < 100 2 60 0、180 < 100 1 120 0.145 <100 0 180 0、160 800 0 240 0、160 4.3X 10” 015分後の致死効果: 4 XIO ’ 、30分後の致死効果:>2XlO’。
30℃における培養 時間(分)00.、。 CFU/w+I %Phl+0 0.450 1.8x lO’ 100!20 3.00 1.2x 10” 100上記の結果をまた 図19に図解した。
B、モデルプラスミドpMG323/33の構築プラスミドpMG323をBa mHIおよびSca Iで消化した。pVLT33を)1indlI[で消化し 、フレノウポリメラーゼで処理して平滑末端を作り、BamHIで消化し、9M G323から得た、精製したBam)l I −Sea I制限フラグメントに 連結し、IPTGの添加によってphlAの産生を誘導することのできるプラス ミドpMG323/33 (図20)を生じた。このプラスミドはカナマイシン に対する耐性を与え、接合によって他の細菌へ伝達される。
実施例16 部位特異的組換えを介する推計学的に調節された遺伝子誘導のためのプラスミド の構築 宿主範囲の広いプラスミドRP4の変形システムは、複製の間のプラスミドの多 量体変形にとって基本的なものである(Grinlerら、1989、 Pla smid、 22.203−214) 、関係する成分であるリシルベース遺伝 子(parA) 、およびこの部位特異的組換えのための部位(mrs)は先に クローン化されている(Gerlitzら、1990 J、Bacteriol 、 172゜6194−6203; Robertsら、1990. J、Ba cteriol、172. 6204−6216)。もし2つの+nrs部位が まっすぐな方向に位置していれば、介在している配列はparAをトランスに配 することによって高い頻度で欠失させることができる(Robertsら、前記 )。この反応を図21に概説する。
A、リシルベースを介する組換えを実験するためのモデルシステムまっすぐな方 向に位置している2つのtrs部位を、実施例9に記述したpCK46およびp Cに30に基づいて構築した。pMR319A (Eberlら、1992a、  Mo1ec、Microbiol、印刷中)をNde Iで直鎖化し、DNA ポリメラーゼ■の大きいサブユニット(フレノウ断片)で充填した。この末端を 平滑化したフラグメントを次いで5alIで切断し、mrs部位を含んでいる小 さい方のフラグメントを、Smalおよび5alIで切断したpCK46に連結 し、pcK145を得た。
9MR519AをBamHIおよびsph Iで切断した。小さなフラグメント を、Bgl IIおよびSph xで切断したpCに30に挿入し、pcK14 6を得た。
トランスポゾンTn5を含んでいるプラスミド、93M891を旧ndl[[お よびS+na Iで切断し、カナマイシン(npt)遺伝子を含んでいる約70 00塩基対のフラグメントを前記のようにして平滑末端化した。このフラグメン トを、Sma Iで開いたpcK146に挿入した。結果として得られたプラス ミドをpcK153およびpCに154と名づけた。pcK153はXho I 部位に対して近くなるように作り直した5IIla 1部位を有する。pcK1 54においてはTn5フラグメントは逆向きになっている。pcK155 (図 22参照)はpcK153の約1500塩基対のXhol−)1indlllフ ラグメントを、Xho Iおよび旧ndll[で直鎖化したpcK145に挿入 して作成した。
リシルベースは9GMA70からクローン化した(Eberlら、 1992b 、準備中)。pGMA70からのプロモーターのないparAを、約1100塩 基対のEcoRl−HlndlI[フラグメントとして切り出し、EcoRI  −HlndI[[で切断したpUHE24−1 (Lanzerら、1988.  Proc、Natl、Acad、Sci、 USA 85゜8973−897 7)に挿入し、pcK151を得た(図22)。このプラスミドは、合成したI acプロモーターpAI104103の支配下にあるparAを含む。
リシルベースの発現は、IacリプレッサーであるIac Iによって抑制する ことができ、このプラスミドを含んでいる培養物にIPTG (イソプロピル− β−D−チオガラクトシド)を加えることによって誘導することができる。この プラスミドは、精製を目的とするりゾルベースタンパク質の過剰発現に用いるこ とができる。
parA遺伝子は同様に、前文に記述したEcoRI−)1indll[フラグ メントとしてpLBJ65(Bogo Jensenら、1992、準備中)に 移すことができる。結果として得られたプラスミド9CK158 (図22)は 、 pA1104/03プロモーターとlac1glリプレッサー(Mulle r−41111,1975゜Prog。
Biophys、Mo1ec、Biol、 30.227−252)との支配下 にあるリシルベースをそれ自身のプロモーターと共に含んでいる。pCK158 からは、 Iacリプレッサーとプロモーターを伴うリシルベースとを含んでい る完全なカセットを、pAcYc184(Changら、197B、 J、Ba cterlol、134.1141−1156)のEcoRVへ充填されるN0 tlフラグメントとして移し、結果として挿入部分の方向性が異なるpCK15 1およびpCK168を得た(図22)。
pCK151においてリシルベース遺伝子は、プラスミドの起点に最も近づくよ うに局在している。
相同組み換え能のない(recA)株)IBIOI (Boyerら、1969 . J、Mol。
Biol、 41.459)を、pcK155で形質転換し、カナマイシン(k an) 50μg/111またはアンピシリン(amp)100μg101のい ずれかを加えたLB寒天プレート上に播種した。pCK 155は、アンピシリ ン耐性を与えるbla遺伝子を2つのmrs部位の外側に含み、さらにカナマイ シン耐性を与えるnpt遺伝子を2つのmrs部位の間に含んでいる(図23) 。2つのmrs部位の間のいかなる相同組換えも、アンピシリンプレートに比べ てカナマイシンプレートでのより低いコロニー形成率として同定されるだろう。
コロニー形成率には何ら有意な差は認められなかった。
pLE026 (RP4のpar領域全体を含んでいるプラスミド) (Ebe rlら、1992a、 Mo1ec、Microbiol、印刷中)を、続いて pCK155を含んでいる株に形質転換し、前文に定義したような2つのタイプ のプレートに更に、クロラムフェニコール耐性遺伝子を与えるcat遺伝子を含 んでいるpLEO26を選択するために、クロラムフェニコール(cam)を5 0μg加えて播種した。この形質転換は約2000のcamおよびamp耐性形 質転換体と4つのcai+およびkan耐性形質転換体を生じ、細胞内で組換え が起きたことが示唆される。
pcK153を、対照実験においてpcK155の代わりに用いた。この事に関 しては何ら差異が見られなかった。[)CK155/9LEO26のloコのク ローンからBirnboimら1979. (Nucleic Ac1d Re s、 7.1513−1523)によって記述されている方法に従ってプラスミ ドを単離した。プラスミドはHBIOIを通すことにより、再形質転換およびそ の後のプラスミドの調製によって分離した。制限酵素地図を作成してプラスミド を調べた。lOコのプラスミドすべてにおいて制限パターンは、2つのmrs部 位の間に部位特異的組換えを受けるプラスミドに予想されるものど似かよってい る。1つのクローンを3angerら、197フ(PrOC。
Natl、Acad、Sci、 USA、 74.5463−5467)、によ る配列決定法により、シーフェンシングキット(ユナイテッド・ステイッ・バイ オケミカル)の供給者によって記述されているようなプラスミド配列決定のため の変更とM13万能万能法定プライマーとを用いて更に調べた。
結果として得られた配列(図24)は、完全な部位特異組換えが起きたことを示 した(pcK155の制限地図参照、図23)。In vlvoで欠失を受けた pcK155の派生物をpcK155デルタと名づけた。
pcK155を含んでいる株をpcK168で形質転換し、4つの異なるプレー トに播種した。
プレートタイプ 形質転換体数 50μg cam+ +00μg amp、 IPTGなし 約100050μ g ca+n+ 100μg amp、 2EIM IPTG 約100050 μg ca+n+ 50μg kan、 IPTGなし 約50050μg c am+ 50μg kan12mM IPTG 3誘導していない細胞における 落ち込みは、リシルベース遺伝子を支配しているプロモーターの読み過ごしによ るもので、そによって細胞内でバックグラウンドレベルのりゾルベースタンパク 質が産生され、低量の組換えが可能になったとすることができる。
C,pCに155の増殖実験 pcK165を含んでいる株をpcK155またはpcK153で形質転換し、 カナマイシンおよびクロラムフェニコール耐性のコロニーを選んだ。
各々のタイプの株の再画線培養によるコロニーから、10m1のLBジブロス中 培養物を採り、kan 50 B g / mlおよびcat 50μg /m lの存在下で一晩増殖させた。これらの培養物を、ca+n 50μI/+ol およびamp 100μg/+nlを加えたLBグロスを入れた50m1のフラ スコに、OD4.。が0.05となるように播種した。OD4.。が0.5とな った時点で、培養物を同じタイプの新鮮な培地に希釈してOD4.。を0,05 とした。
ODを測定して培養物が平衡増殖をしていることを確認し、ODがおよそ0.5 となった時点で培養物を分割し、試料を採り、それぞれのプレート上での生存可 能なカウントを測定した=50μg/Inl kan+50Bg/mlcam、 および100μg/lnl amp+50μg/ml Ca1lla amp+ camを含んでいるプレート上のカウントはプラスミドを運んでいる生存可能な 細胞数を表し、それに対しkan + camプレート上のカウントは(少なく ともlコピーの)そのままの、すなわち組換えによる欠失のないnpt遺伝子の コピーを有する生存可能な細胞数を表す。
5分後に、各々の培養物の半分にI PTGを加え、最終濃度を2+nMとした 。更に5分後、もう1回の生存可能なカウント用試料を採った。
時間間隔をあけて試料を採り、−晩増殖した後にも試料を採った。
時間を関数とした生存可能なカウントを図25に示す。
この実験は、プラスミドpcK168およびpcK155を含んでいる細胞にお いて、リシルベース遺伝子の誘導に続いて、カナマイシン耐性細胞の生存可能な カウントに、誘導していない培養物に比較して500倍の落ち込みが生じている ことを示した。落ち込みは、誘導の5分後にすでに顕著である。更なる60分の 後では、誘導した培養物と誘導していない培養物との間の生存可能なカウントの 差は5000倍である。この時点を過ぎると、誘導された培養物中のカナマイシ ン耐性細胞は、誘導しいいない培養物中のカナマイシン耐性細胞と同じ速度で出 現してくる。これはりゾルベース遺伝子かプロモーターのいずれか、あるいはp cK155における変形(res)部位の突然変異体によるはずであり、どちら も細胞をカナマイシン遺伝子の欠失不能にする。どの時点でも、カナマイシン存 在下に生存可能なカウントは、アンピシリンプレート上での誘導していない培養 物の生存可能なカウントのわずかlパーセントにすぎない。このことの説明は、 リシルベースまたは2つのres部位の間の相同組換えを調節しているプロモー ターの漏出変異とすることができる。誘導した培養物におけるアンピシリンで生 存可能なカウントは、誘導していないそれを厳密にたどっており、IPTGおよ び変形反応それ自体がカナマイシンで生存可能なカウントの観察された落ち込み を負うものではないことを示唆している。このことは、対照培養物(pcK16 8+ pcK153)の生存可能なカウントが、カナマイシンおよびアンピシリ ンの両者の上で、実験を通じて基本的に等しいという観察により確認される。
この実験の結果は、このin vrvoの構成においてリシルベースの作用が効 果的であり、非常に速いということである。リシルベースを支配しているプロモ ーターは、誘導していない細胞におけるこのタンパク質のある程度の希望してい ない発現およびカナマイシン遺伝子の付随した欠失を負うものであろう。培養物 におけるごく一部の細胞は、カナマイシン遺伝子の欠失ができず、IPTGおよ びカナマイシン存在下で正常に増殖した。
D、DNA基質としてpcK155上の精製したりゾルベースを用いた1nvi troの実験 pcK151をもっているHBIOIの培養物がらりゾルベースを精製した。
細胞を250m1のLB中でODi書。が0゜8から1.0になるまで増殖させ 、続いてI mV IPTGにより誘導し、更に4時間振とうした。細胞を集め 、7.5m1(7)緩衝液C(25+nM Tris pH8,0,0,III M HDTA、 50MMベンズアミジン、 100μM PMSFSl 11 M 2−メルカプトエタノール、0.2%Br1J、 200+nM NaCI )に再浮遊した。細胞を音波処理により開いた。ライゼートを4℃で36000 rpw+で45分間超遠心した。上清を緩衝液B(緩衝液Aに最終濃度250m MのNaClを加えたもの)に対して透析した。結果として得られたベレットを 緩衝液Aで洗浄し、続いて0.5+olの緩衝液C(緩衝液Aに最終濃度I M のNaC1を加えたもの)に溶かした。この溶液をおよそ50μmに濃縮した。
pcK155を2回の塩化セシウム密度勾配遠心法(Manlatlsら、19 82「分子クローニング(Molecular Cloning)Jコールド・ スプリング・ハーバ−・ラボラトリ−出版、ニューヨーク〕により調製した。D NAの濃度は260r+mのUV吸光度で測定し、タンパク濃度はBradfo rd。
1976 (Anal、Biochem、 72.248−254)の方法で測 定した。
変形分析は反応容積lOμlにおけるlJOngのプラスζドDNAを用いて行 ナツタ。反応緩衝液ノ最終濃度ハ150d KCI、10mM Mg5O+、3 0mM Tris−HCI pH7,5、および11M1.4−ジチオスレイト ール(DTP)であった。反応は65℃lO分間の熱失活により停止した。試料 をNde Iを用い、最終容積30μlにて消化することにより分析した。
上記の反応混合液に、酵素緩衝液および酵素を加え、得られた混合液を37℃で 1時間インキュベートした。試料を0.7%アガロースゲル上で、2V/c+n で一晩流した。ゲルをEtBrで染色し、UV光線を用いてポラロイドネガフィ ルムに撮影した。高滓スキャナー、モデルC5−930V−05でネガを走査し た。フラグメントの大きさに修正する際には、各ピークの下の面積を、ゲル上の 相対するバンドにおけるDNA量とみなした(図26および図27参照)。
反応しなかったpcK155は4.5kbおよび0.4kbの2本のバンドを生 ずるのに対し、変形したプラスミドはpcK155デルタおよび四に155オメ ガの2種類に変化し、各々2.9kbおよび1.9kbの2本のバンドを生じる (図26)。
E、リシルベースの滴定 1100nのpcK155に異なる量のりゾルベース(1200,600,30 0,150゜75、38.19.9.5およびOng)を加えた。反応は37℃ で30分間行なった。結果を図28に記入した。そのままのプラスミドに比較し て欠失したプラスミドの分画として表した、プラスミドを変形する能力において の比較釣魚な落ち込みが、150ngと75ngとの間のタンパク質量において 見られ、これはres部位あたり約60分子のりゾルベース(150ng)に相 当する。このことは、より低いレベルのりゾルベース濃度を測定することができ 、これより低いレベルでは組換えが起こらないことを示唆する。リシルベース量 がこのレベルより上の場合には、基本的にすべての基質を変化させる。
前回はりゾルベースを加えなくてもごく一部の基質が変化することを示している 。これはプラスミドの増殖に使用した宿主大腸菌に固有のりゾルベースによるも のと考えられる。同様に、リシルベースの非常に高い濃度においてもごく一部は 変化しない。これはりゾルベースが超らせん化した基質を反応に必要とすること と、高度に精製したプラスミド標品のごく一部が弛緩している可能性があるこに 注目することによって説明することができる。
F、in vitroにおけるリシルベースの動力学前文の基質ONA 110 ngおよび、125ngかまたは250ngのいずれかのリシルベースを含む試 料を、37℃で異なる時間の間(1,5,10゜30、および60分)インキュ ベートした。図29に示したデータは、酵素の量が十分である時、反応は最初の 1分以内にほとんど完了しく65%以上が変化)、最初の5分以内に反応の最終 量に達したことを示している。酵素の量が最適量より少ない時、動力学はより緩 慢になり、このことはこの見かけの反応速度を、変形に必要な複合体形成の速度 として考慮することにより説明することができる。
い Fig、 4 0日1 1aclo DRII AmpRDRI AmpR pCK24Δ tac et CK28 Fig、 5 pCK81 pcK80 CK95 Fig、 9 acZ Fig、10 へ 光学冨度(00450) 時間(時) 牛1’i 1’l 31数の列数(cru/m1)01 234567’ 時間(時) 光学密度(00450) 時間(時) 化合性計数の列数(cfυ/m1) 01234567B 時間(時) Fig、 15B 7% Z S 44 5 & 7 KDの 〇 一一−−−−−−−−−−−−−−呻−−−一−−−−−−−−−−−−−−− −−呻−−一−−17−で10■ 〒1 cat IaclQl parA bla resl npt T res2E 74二〜 1919 bp 2939 bp 4459 bp0.8− bp 補正書の翻訳文提出書 (特許法第184条の8) 平成6年10月 ケ日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遺伝子の発現の結果、細胞の細胞質にあって加水分解活性を有する酵素が形 成される遺伝子を含んでいる細胞であり、細胞が更にその遺伝子の発現を調節す る調節ヌクレオチド配列を含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能 に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する結果となる速度で、細胞の機 能が制限される程度に細胞における酵素の形成を導く細胞。 2.酵素がヌクレアーゼ、ホスホリパーゼ、リパーゼ、リゾチーム、プロテアー ゼおよびカルボヒドラーゼより成る群から選択される請求の範囲第1項記載の細 胞。 3.酵素がホスホリパーゼである請求の範囲第2項記載の細胞。 4.遺伝子の発現の結果、細胞内の核酸におけるホスホジエステル結合を加水分 解することのできるヌクレアーゼが形成され、前記遺伝子の発現が、細胞核酸の 一方の鎖にニッタが存在する結果となる速度で、細胞の核酸修復機構によって修 復できない程度に細胞におけるヌクレアーゼの形成を導き、それによって前記細 胞の機能が制限される請求の範囲第1項記載の細胞。 5.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、祖換えレプ リコンまたは複数の組換えレプリコンに含まれている請求の範囲第1項記載の細 胞。 6.調節配列が、組換えレプリコンまたは複数の組換えレプリコンに含まれてい る請求の範囲第5項記載の細胞。 7.遺伝子および調節配列が、同一の組換えレプリコンに含まれている請求の範 囲第5項記載の細胞。 8.複数のレプリコンを含んでおり、各々のレプリコンが遺伝子および調節配列 を共に含んでいる請求の範囲第7項記載の細胞。 9.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、もしそれが 存在すれば細胞膜を通した酵素の輸送が可能となるペプチドシグナル配列をコー ドしている配列を欠く遺伝子である請求の範囲第1項記載の細胞。 10.調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝 子に操作によって連結されている調節可能なプロモーターを含んでいる請求の範 囲第1項記載の細胞。 11.調節可能なプロモーターが、細胞の環境条件、細胞の生理状態、および推 計学的事変から選択した因子によって調節される請求の範囲第10項記載の細胞 。 12.調節可能なプロモーターが、環境における物理条件、およびある種の化学 薬品の環境における存在の有無から選択した因子によって調節されている請求の 範囲第11項記載の細胞。 13.化学薬品が、炭素源、窒素源、代謝物質、アミノ酸、ヌクレオシド、ピリ ミジン塩基、プリン塩基、および金属イオンから選択される請求の範囲第12項 記載の細胞。 14.化学薬品がイソプロピルーβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG) である請求の範囲第13項記載の細胞。 15.プロモーターを調節している物理条件が、細胞の環境を支配している温度 である請求の範囲第12項記載の細胞。 16.その発現の結果、加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、それが 細胞に存在している間は発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子 の発現を抑えるヌクレオチド配列である、前記遺伝子に操作によって連結されて いる切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列の、組換え切り出し の結果として推計学的に誘導される請求の範囲第1項記載の細胞。 17.前記の切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、最初の ブランキング配列と、前記の最初のフランキング配列に実質的に相同な2番目の ブランキング配列とに隣接した配列であり、それによって前記の調節要素が細胞 において組換えにより切り出し可能となる請求の範囲第16項記載の細胞。 18.フランキング配列が、100塩基対乃至5000塩基対の範囲の長さを有 する請求の範囲第17項記載の細胞。 19.フランキング配列が、200塩基対乃至3000塩基対の範囲の長さであ る請求の範囲第18項記載の細胞。 20.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、伝令RN Aである第1のRNAをコードしており、前記遺伝子に操作によって連結されて いる切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、前記第1の伝令 RNAとRNA−RNA二重鎖を形成する第2のRNAであり、そのためそれが 発現されると加水分解活性のある酵素をコードしている前記遺伝子の転写を阻害 する第二のRNAをコードしている遺伝子である請求の範囲第17項記載の細胞 。 21.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結 果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッ サーをコードしている遺伝子である請求の範囲第17項記載の細胞。 22.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、lacリプレ ッサーをコードしている遺伝子であり、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子が、lacプロモーターに操作によって連結しており、前記 lacプロモーターが、lacリプレッサーのためのオペレーター部位を含んで いる請求の範囲第21項記載の細胞。 23.負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を妨げる終止配列である請求の範囲第1 7項記載の細胞。 24.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現が、前 記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負に機能している調節ヌ クレオチド配列の、部位特異的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され 、その調節ヌクレオチド配列が、細胞に存在している間は、その発現の結果加水 分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現を阻害する請求の範囲第1項記載 の細胞。 25.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、部位特異的切 り出しのための最初の部位と部位特異的切り出しのための2番目の部位とに隣接 された配列であり、2番目の部位は最初の部位と同じかまたは機能的に等しい多 量体変形酵素による変形が可能であり、それにより前記調節要素が細胞において 組換えにより切り出される請求の範囲第24項記載の細胞。 26.部位特異的切り出しのための最初と2番目の部位が、プラスミドRP4に 由来するmrs部位である請求の範囲第24項記載の細胞。 27.多形体変形酵素が、部位特異的変形のための部位に関してトランスに位置 する遺伝子によってコードされている請求の範囲第25項記載の細胞。 28.多量体変形酵素をコードしている遺伝子が、プラスミドRP4のparA 遺伝子である請求の範囲第27項記載の細胞。 29.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が第1の伝令 RNAをコードし、前記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負 に機能している調節ヌクレオチド配列が、前記第1の伝令RNAとRNA−RN A二重鎖を形成する第2の伝令RNAであり、それにより、それが発現されると 、加水分解活性のある酵素をコードしている前記遺伝子の発現が阻害される請求 の範囲第24項記載の細胞。 30.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結 果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッ サーをコードしている遺伝子である請求の範囲第24項記載の細胞。 31.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、lacリプレ ッサーをコードしている遺伝子であり、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子が、操作によってlacプロモーターに連結されており、前 記lacプロモーターがlacリプレッサーのためのオペレーター部位を含んで いる請求の範囲第30項記載の細胞。 32.負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を阻害する終止配列である請求の範囲第 24項記載の細胞。 33.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、前記調節 ヌクレオチド配列の逆位可能なプロモーター配列の、組換え逆位の結果として推 計学的に発現され、前記プロモーターがその遺伝子に操作によって連結されてい る請求の範囲第1項記載の細胞。 34.プロモーターが、fimAプロモーターを運んでいる配列であるか、また はそれと機能的に相同な配列を運んでいる配列である請求の範囲第33項記載の 細胞。 35.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、細菌プラ スミド、細菌染色体、原核生物ウィルス、真核生物ウィルス、真核生物染色体、 真核生物ミトコンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る群から選択 したレプリコンに由来する請求の範囲第1項記載の細胞。 36.加水分解活性のある酵素が、少なくとも1つのシステイン残基を含んでい る酵素である請求の範囲第1項記載の細胞。 37.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、細菌レプ リコンから由来した遺伝子である請求の範囲第35項記載の細胞。 38.加水分解活性のある酵素が、グラム陰性細菌から単離されたレプリコンに 由来する遺伝子にコードされている請求の範囲第37項記載の細胞。 39.加水分解活性のある酵素が、セラチア属の一種に由来する遺伝子にコード されている請求の範囲第38項記載の細胞。 40.遺伝子が、セラチア・マルセセンス由来の遺伝子である請求の範囲第39 項記載の細胞。 41.酵素が、以下のDNA配列: 【配列があります】 を有する遺伝子によってコードされているホスホリパーゼである請求の範囲第4 0項記載の細胞。 43.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、グラム陽 性細菌種に由来する請求の範囲第37項記載の細胞。 44.遺伝子が黄色ブドウ球菌由来の遺伝子である請求の範囲第43項記載の細 胞。 45.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子か、または前 記遺伝子を調節している配列の少なくとも1つが、1つあるいはそれ以上の部位 において突然変異しており、それによって遺伝子にコードされている酵素の細胞 機能制限効果が、細胞において発現される場合、前記遺伝子および前記ヌクレオ チド配列を突然変異していない形で含んでいる細胞に比較して、同じかまたは増 加している請求の範囲第1項記載の細胞。 46.細胞がエンドヌクレアーゼをコードしている遺伝子を含んでいる請求の範 囲第46項記載の細胞。 47.遺伝子がセラチア属の一種に由来する遺伝子である請求の範囲第46項記 載の細胞。 48.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写を調 節しているヌクレオチド配列が、細菌プラスミド、細菌染色体、原核生物ウィル ス、真核生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生物染色体、真核生物ミトコ ンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る群から選択したレプリコン に由来する請求の範囲第1項記載の細胞。 49.細胞が、非酵素の細胞機能制限遺伝子の産物をコードしている更なる調節 発現可能な遺伝子を含んでいる請求の範囲第1項記載の細胞。 50.更なる調節発現可能な遺伝子が、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子を調節している配列と同じタイプの調節ヌクレオチド配列に よって調節されている請求の範囲第49項記載の細胞。 51.更なる調節発現可能な遺伝子が、その発現の結果加水分解活性のある酵素 が形成される遺伝子を調節している配列の他のタイプの調節ヌクレオチド配列に よって調節されており、前記の他のタイプが、その発現の結果加水分解活性のあ る酵素が形成される遺伝子を調節することもできる調節ヌクレオチド配列である 請求の範囲第49項記載の細胞。 52.更なる調節発現可能な遺伝子が、プラスミドR1のparB領域か、また はR1hok遺伝子と機能的に相同なDNA配列である請求の範囲第49項記載 の細胞。 53.更なる調節発現可能な遺伝子が、gef遺伝子である請求の範囲第49項 記載の細胞。 54.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子を運んでいる レプリコン、および(または)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと は天然には関係していないDNA配列を更に含んでいる請求の範囲第1項記載の 細胞。 55.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンとは天然には関係していな いDNA配列が、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の 範囲第54項記載の細胞。 56.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと天然には関係していない DNA配列が、農薬活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範 囲第54項記載の細胞。 57.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子、および(ま たは)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンと天然には関係していない DNA配列が、汚染物質を分解する遺伝子産物をコードしている配列である請求 の範囲第54項記載の細胞。 58.その発現の結果前記細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子を含んでいる組換えレプリコンまたは複数の組換えレプリコンで形 質転換した細胞であり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分 解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能が制限される程度に、細 胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子の発現が、その遺伝子を含んでいる組 換えレプリコンかまたは、形質転換された細胞に存在する他の組換えレプリコン に含まれている、調節ヌクレオチド配列によって調節されている請求の範囲第1 項記載の細胞。 59.細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードしている細胞にお いて、調節発現可能な遺伝子が発現される時、前記遺伝子の発現が、細胞の非制 限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能が 制限される程度に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺伝子の発現が、組換 えレプリコンかまたは、そのレプリコンを含んでいる他の組換えレプリコンに含 まれている調節ヌクレオチドによって調節されている、調節発現可能な遺伝子を 含んでいる組換えレプリコン。 60.調節ヌクレオチド配列を含んでいる請求の範囲第59項記載の組換えレプ リコン。 61.加水分解活性のある酵素が、そのレプリコンが細胞において発現される時 、細胞内に保持される酵素である請求の範囲第59項記載のレプリコン。 62.コードされている酵素が、ヌクレアーゼ、ホスホリパーゼ、リパーゼ、リ ゾチーム、プロテアーゼ、およびカルボヒドラーゼから成る群から選択される請 求の範囲第59項記載のレプリコン。 63.コードされている酵素がホスホリパーゼである請求の範囲第62項記載の レプリコン。 64.遺伝子の発現の結果、細胞の核酸におけるホスホジエステル結合を加水分 解することのできるヌクレアーゼが形成され、前記遺伝子の発現が、細胞核酸の 片方の鎖にニックが存在する結果となる速度で、細胞の核酸修復機構によって修 復できない程度に、細胞におけるヌクレアーゼの形成を導き、それにより前記細 胞の機能が制限される請求の範囲第59項記載のレプリコン。 65.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、もしそれが存在すれ ば細胞膜を通しての酵素の輸送が可能となるペプチドシグナル配列をコードして いる配列を欠いている遺伝子である請求の範囲第59項記載のレプリコン。 一66.調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコードしている遺 伝子に、操作によって連結されている調節可能なプロモーターを含んでいる請求 の範囲第59項記載のレプリコン。 67.調節可能なレプリコンが、レプリコンを含んでいる細胞の環境条件、細胞 の生理的状態、および推計学的事変から選択した因子によって調節されている請 求の範囲第66項記載のレプリコン。 68.調節可能なレプリコンが、環境における物理条件、およびある種の化学薬 品の環境における存在の有無から選択した因子である請求の範囲第67項記載の レプリコン。 69.化学薬品が、炭素源、窒素源、代謝物質、アミノ酸、ヌクレオシド、ピリ ミジン塩基、プリン塩基、および金属イオンから選択される請求の範囲第68項 記載のレプリコン。 70.化学薬品がイソプロピルーβ−D−チオガラクトピラノシド(IPTG) である請求の範囲第69項記載のレプリコン。 71.物理条件が、環境における一般的な温度を含んでいる請求の範囲第68項 記載のレプリコン。 72.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現が、それが細胞に 存在している間は加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害 する、切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列の、組換え切り出 しの結果として推計学的に誘導される請求の範囲第59項記載のレプリコン。 73.前記切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、最初のブ ランキング配列と、前記最初のフランキング配列に本質的に相同である2番目の ブランキング配列とに隣接された配列であり、それにより前記調節要素を細胞に おいて組換えにより切り出すことができる請求の範囲第72項記載のレプリコン 。 74.ブランキング配列が、100塩基対乃至5000塩基対の範囲の長さを有 する請求の範囲第73項記載のレプリコン。 75.ブランキング配列が、200塩基対乃至3000塩基対の範囲の長さを有 する請求の範囲第74項記載のレプリコン。 76.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、伝令RNAである第 1のRNAをコードしており、切り出し可能な負に機能しているヌクレオチド配 列が前記第1のRNAとRNA−RNA二鎖を形成する第2のRNAをコードし ている遺伝子であり、それにより、それらの転写が阻害される請求の範囲第75 項記載のレプリコン。 77.負に機能する調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコード している遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッサーをコードしている遺伝子で ある請求の範囲第61項記載のレプリコン。 78.負に機能している調節ヌクレオチド配列がlacリプレツサーをコードし ている遺伝子であり、加水分解可能な酵素をコードしている遺伝子が、lacプ ロモーターに操作によって連結されており、前記lacプロモーターが、前記l acリプレッサーのためのオペレーター部位を含んでいる請求の範囲第77項記 載のレプリコン。 79.負に機能している調節ヌクレオチド配列が、加水分解活性のある酵素をコ ードしている遺伝子の転写を妨げる終止配列である請求の範囲第72項記載のレ プリコン。 80.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現が、前 記遺伝子に操作によって連結されている切り出し可能な負に機能している調節ヌ クレオチド配列の、部位特異的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され 、その調節ヌクレオチド配列が細胞に存在している間は、その発現の結果加水分 解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現を阻害する請求の範囲第59項記載 のレプリコン。 81.前記切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、部位特異 的変形のための最初の部位と、最初の部位と同一かまたは機能的に等しい多量体 変形酵素によって変形可能である2番目の部位とに隣接された配列であり、それ により前記調節要素を細胞において組換えにより切り出すことのできる請求の範 囲第80項記載のレプリコン。 82.部位特異的変形のための最初の部位および2番目の部位が、プラスミドP R4由来のmrs部位である請求の範囲第80項記載のレプリコン。 83.多量体変形酵素が、部位特異的変形のための部位に関してトランスに位置 する遺伝子によってコードされている請求の範囲第81項記載のレプリコン。 84.多量体変形酵素をコードしている遺伝子が、プラスミドPR4のparA 遺伝子である請求の範囲第83項記載のレプリコン。 85.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子が、伝令RN Aである第1のRNAをコードしており、前記遺伝子に操作によって連結されて いる切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、前記第1の伝令 RNAとRNA−RNA二重鎖を形成する第2のRNAであり、そのためそれが 発現されると加水分解活性のある酵素をコードしている前記遺伝子の転写を阻害 する第二のRNAをコードしている遺伝子である請求の範囲第80項記載のレプ リコン。 86.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結 果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の、転写のポリペプチドリプレッ サーをコードしている遺伝子である請求の範囲第86項記載のレプリコン。 87.切り出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列が、lacリプレ ッサーをコードしている遺伝子であり、その遺伝子の発現の結果加水分解活性の ある酵素が形成される遺伝子が、lacプロモーターに操作によって連結されて おり、前記lacプロモーターが、lacリプレッサーのためのオペレーター部 位を含んでいる請求の範囲第86項記載のレプリコン。 88.負に機能している調節ヌクレオチド配列が、その発現の結果加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の、転写を妨げる終止配列である請求の範囲第8 0項記載のレプリコン。 89.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、前記調節ヌクレオチ ド配列の逆位可能なプロモーター配列の、組換え逆位の結果として推計学的に発 現され、前記プロモーターがその酵素をコードしている遺伝子に操作によって連 結されている請求の範囲第59項記載のレプリコン。 90.プロモーター配列が、fimAプロモーターを運んでいる配列であるか、 またはそれと機能的に相同な配列である請求の範囲第89項記載のレプリコン。 91.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、細菌プラスミド、細 菌染色体、原核生物ウィルス、真核生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生 物染色体、真核生物ミトコンドリア、真核生物葉緑体、および合成配列から成る 群から選択したレプリコンに由来する請求の範囲第59項記載のレプリコン。 92.加水分解活性のある酵素が少なくとも1つのシステイン残基を含んでいる 請求の範囲第59項記載のレプリコン。 93.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、細菌レプリコンに由 来する請求の範囲第91項記載のレプリコン。 94.加水分解活性のある酵素が、グラム陰性細菌から単離したレプリコンに由 来する遺伝子にコードされている請求の範囲第93項記載のレプリコン。 95.加水分解活性のある酵素が、セラチア属の一種由来の遺伝子にコードされ ている請求の範囲第94項記載のレプリコン。 96.遺伝子がセラチア・マルセセンスに由来する請求の範囲第95項記載のレ プリコン。 97.加水分解活性のある酵素が、以下のDM配列:【配列があります】 を有する遺伝子によってコードされているエンドヌクレアーゼである請求の範囲 第96項記載のレプリコン。 98.加水分解活性のある酵素が、以下のDNA配列:【配列があります】 を有する遺伝子によってコードされているホスホリパーゼである請求の範囲第9 6項記載のレプリコン。 99.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、グラム陽性細菌種に 由来する請求の範囲第93項記載のレプリコン。 100.遺伝子が黄色ブドウ球菌に由来する遺伝子である請求の範囲第99項記 載のレプリコン。 101.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子か、または前記遺伝子 を調節しているヌクレオチド配列が、1つあるいはそれ以上の部位で突然変異し ており、それにより遺伝子にコードされている酵素の細胞機能制限効果が、細胞 において発現される場合、突然変異したDNAを含んでいない細胞において発現 される酵素の細胞機能制限効果に比較して、同じかまたは増加している請求の範 囲第59項記載のレプリコン。 102.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子が、エンドヌクレアー ゼをコードしている遺伝子である請求の範囲第101項記載のレプリコン。 103.エンドヌクレアーゼをコードしている遺伝子が、セラチア属の一種に由 来する遺伝子である請求の範囲第102項記載のレプリコン。 104.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子の、転写を調節してい るヌクレオチド配列が、細菌プラスミド、細菌染色体、原核生物ウィルス、真核 生物プラスミド、真核生物ウィルス、真核生物染色体、真核生物ミトコンドリア 、真核生物葉緑体、および合成配列から選択したレプリコンに由来する請求の範 囲第59項記載のレプリコン。 105.非酵素の細胞機能制限機能をコードしている、更なる調節発現可能な遺 伝子を含んでいる請求の範囲第59項記載のレプリコン。 106.更なる調節発現可能な遺伝子が、細胞機能を制限する加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子を調節している配列と、同じタイプの調節ヌクレ オチド配列によって調節されている請求の範囲第105項記載のレプリコン。 107.更なる調節発現可能な遺伝子が、細胞機能を制限する加水分解活性のあ る酵素をコードしている遺伝子を調節している配列より他のタイプの調節ヌクレ オチド配列によって調節されており、前記他のタイプは、細胞機能制限酵素をコ ードしている前記遺伝子を調節することができる請求の範囲第105項記載のレ プリコン。 108.更なる調節発現可能な遺伝子が、プラスミドR1のparB領域からの hok遺伝子か、またはR1hok遺伝子と機能上相同であるDNA配列である 請求の範囲第105項記載のレプリコン。 109.更なる調節発現可能な遺伝子がgef遺伝子である請求の範囲第105 項記載のレプリコン。 110.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を運んでいるレプリコ ン、および(または)調節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンに、天然に は関係していないDNA配列を更に含んでいる請求の範囲第59項記載のレプリ コン。 111.加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子、および(または)調 節ヌクレオチド配列を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA 配列が、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第1 10項記載のレプリコン。 112.酵素をコードしている遺伝子、および(または)調節ヌクレオチド配列 を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA配列が、農薬活性の ある遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第110項記載のレプリ コン。 113.酵素をコードしている遺伝子、および(または)調節ヌクレオチド配列 を運んでいるレプリコンに、天然には関係していないDNA配列が、汚染物質を 分解する遺伝子産物をコードしている配列である請求の範囲第110項記載のレ プリコン。 114.請求の範囲第1項記載の多数の細胞から成る細胞集団にして、前記細胞 が、その発現の結果、前記細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子を含んでおり、細胞は更に前記遺伝子の発現を調節する調節ヌクレ オチド配列を含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水 分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度に細胞 における酵素の形成を導く細胞の集団。 115.請求項59に定義したような組換えレプリコンで形質転換した、形質転 換可能な細胞を含んでおり、前記レプリコンが前記細胞において複製することの できる請求の範囲第114項記載の細胞集団。 116.細胞が細菌細胞である請求の範囲第114項記載の細胞集団。 117.細菌細胞が、その天然の生育場所が、土壌、表面水、および植物から選 択した生育場所である種から選択した請求の範囲第116項記載の細胞集団。 118.細菌細胞がグラム陰性細菌の細胞である請求の範囲第116項記載の細 胞集団。 119.機能制限酵素をコードしている遺伝子の発現が、前記細胞がヒトまたは 動物体、または外部環境に放出される際、リプレッサー物質が機能しない形に変 わるまで崩壊を受けることのできるリプレッサー物質によって調節することがで き、前記リプレッサー物質が集団の細胞内に異なる濃度で存在することにより、 その直線的な崩壊の結果として、集団の細胞の機能がしだいに制限される請求の 範囲第114項記載の細胞集団。 120.細胞集団の生存を第1または第2の環境において制限する方法にして、 前記細胞集団の、その集団の細胞内で複製することのできる組換えレプリコンを 用いた形質転換と、その発現の結果、前記細胞の細胞質にあって加水分解活性の ある酵素が形成される遺伝子を入れることとを含む方法であり、細胞は更に、環 境因子によって調節され、前記遺伝子の発現を調節する調節ヌクレオチド配列を 含んでおり、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分解能な細胞 質物質を分解する速度で、細胞の機能を制限して、細胞集団の生存を制限するに 至る程度に、細胞における酵素の形成を導く方法。 121.細胞集団が請求項111乃至請求項119に定義されているような細胞 集団である請求の範囲第120項記載の方法。 122.細胞集団の生存を、遺伝子が発現する、第1の環境において制限し、前 記細胞集団がそれによって第1の環境内に封じ込められる請求の範囲第120項 記載の方法。 123.第1の環境に存在する間は細胞集団の生存を制限せず、第1の環境は、 第1の環境とは物理的および(または)化学的に異なる第2の環境に変わること ができ、第1の環境においては、その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成 される遺伝子は発現しないが、しかし第2の環境へ移すかまたは物理的および( または)化学的に変化した第1の環境に存在する場合には、遺伝子が発現し、細 胞集団の生存を制限する請求の範囲第120項記載の方法。 124.リプレッサー物質をコードしている調節ヌクレオチド配列に、操作によ って連結した加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子を、細胞に与える ことにより、細胞集団の生存を制限し、前記細胞がヒトまたは動物の体、または 外部環境に放出される時、リプレッサー物質が機能しない形に変わるまで崩壊を 受けることができ、前記リプレツサー物質が集団の細胞内に異なる濃度で存在す ることにより、その集団の細胞の機能をしだいに制限する請求の範囲第120項 記載の方法。 125.染色体外の組換えレプリコンを、前記レプリコンが天然に第2の種類の 細胞に形質転換することのできる第1の種類の細胞に入れる方法にして、染色体 外の組換えレプリコンヘの、その発現の結果細胞の細胞質にあって加水分解活性 のある酵素が形成される遺伝子の供与を含んでおり、前記酵素の形成が、細胞の 非制限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機 能が制限される程度におこり、前記第1の種類の細胞は前記遺伝子の発現を阻害 する調節ヌクレオチド配列を含んでいる染色体レプリコンを有するかまたは有す べく修飾してあり、それにより第1の種類の細胞を防御し、前記調節遺伝子は第 2の種類の細胞にはないため、それによってもし第2の種類の細胞が染色体外の 組換えレプリコンを受けとると、前記遺伝子は発現し、機能制限効果を及ぼす方 法。 126.組換えレプリコンが、請求項59に定義したような、調節ヌクレオチド 配列を含まないレプリコンである請求の範囲第124項記載の方法。 127.その発現の結果加水分解活性のある酵素が形成される遺伝子の発現の結 果、細胞の核酸におけるホスホジエステル結合を加水分解するエンドヌクレアー ゼが形成され、前記遺伝子の発現が、細胞において核酸にニックが存在する結果 となる速度で、細胞の核酸修復機構によって修復され得ない程度に、細胞におけ るエンドヌクレアーゼの合成を導き、それにより前記細胞の機能を制限する請求 の範囲第125項記載の方法。 128.細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺伝 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードして いる細胞において発現されると、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要 な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度 に、細胞における酵素の形成に導き、前記遺伝子または複数の遺伝子の発現が、 それが細胞に存在する間は酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害する、切り 出し可能な負に機能している調節ヌクレオチド配列の、組換え切り出しの結果と して推計学的に誘導され、前記負に機能している調節ヌクレオチド配列が、組換 えレプリコンまたは、そのレプリコンを含んでいる集団の細胞に存在する他の組 換えレプリコンに含まれている方法。 129.組換えレプリコンが、請求項73に定義したレプリコンである請求の範 囲第128項記載の方法。 130.細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺転 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、細胞の細胞質にあって加水分解活性のある酵素をコードして いる細胞において発現されると、前記遺伝子の発現が、細胞の非制限機能に必要 な加水分解可能な細胞置物質を加水分解する速度で、細胞の機能を制限する程度 に、細胞における酵素の形成に導き、前記遺伝子の発現が、それが細胞に存在す る間は酵素をコードしている遺伝子の発現を阻害する、切り出し可能な部位特異 的組換え切り出しの結果として推計学的に誘導され、前記負に機能している調節 ヌクレオチド配列が、組換えレプリコンまたは、そのレプリコンを含んでいる集 団の細胞に存在する他の組換えレプリコンに含まれている方法。 131.組換えレプリコンが、請求項81において定義されているようなレプリ コンである請求の範囲第130項記載の方法。 132.細胞集団の生存を推計学的に制限する方法にして、調節発現可能な遺伝 子を含んでいる組換えレプリコンを用いた細胞の形質転換を含んでおり、調節発 現可能な遺伝子が、前記細胞の細胞膜の向こうへ輸送されず、細胞の細胞質で加 水分解活性のある酵素をコードしている細胞において発現されると、前記遺伝子 の発現が、細胞の非制限機能に必要な加水分解可能な細胞質物質を加水分解する 速度で、細面の機能を制限する程度に、細胞における酵素の形成を導き、前記遺 伝子の発現が、前記調節ヌクレオチド配列の逆位可能なプロモーター配列の組換 え逆位の結果として推計学的に発現され、前記プロモーターが酵素をコードして いる遺伝子に、操作によって連結されており、それが細胞に存在する間は酵素を コードしている遺伝子の発現が阻害され、前記調節ヌクレオチド配列が、組換え レプリコンか、またはそのレプリコンを含んでいる細胞に存在する他の組換えレ プリコンに含まれている方法。 133.プロモーター配列が、fimAプロモーターを運んでいる配列であるか 、またはそれと機能的上の相同物を運んでいる配列である請求の範囲第132項 記載の方法。 134.請求の範囲第114項記載の生存可能な機能制限細胞集団を含んでいる 免疫活性のある組成物において、細胞は、加水分解活性のある酵素をコードして いる遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは天然には関係していない、更なるD NA配列を含んでおり、更なる配列は免疫活性のある遺伝産物をコードしている 配列であり、この組成物がヒトまたは動物に投与されると、効果的な免疫反応を 前記ヒトまたは動物において得るために十分な期間および量で免疫活性のある遺 伝子産物を細胞に発現させるが、しかしヒトおよび動物の中では生き残ることが できない、という程度に細胞の機能が制限されている組成物。 135.細胞がその中に、免疫活性のある遺伝子産物をコードしている配列であ って、免疫活性のある遺伝子産物とポリペプチドとを含んでなる融合タンパク質 をコードしている配列を含んでおり、ポリペプチドの存在の結果、前記融合タン パク質が、細胞の外表面へ輸送される請求の範囲第134項記載の組成物。 136.融合タンパク質に存在しているポリペプチドが、フィンブリリンタンパ ク質、繊毛、べん毛、OM表面タンパク質に由来するポリペプチドから選択した 表面タンパク質である請求の範囲第135項記載の組成物。 137.細胞表面のポリペプチドが腸内細菌科、ビブリオ科、およびシュードモ ナス科から選択した細菌種に由来する請求の範囲第135項記載の組成物。 138.請求の範囲第111項記載の生存可能な細胞集団を含んでいる農薬活性 のある組成物において、細胞が加水分解活性のある酵素をコードしている遺伝子 または調節ヌクレオチド配列とは天然には関係していない更なるDNA配列を含 んでおり、更なる配列が農薬活性のある遺伝子産物をコードしている配列であり 、この組成物を害虫を含んでいる環境に施すと、前記環境において効果的な農薬 効果を得るために十分な期間および量での、農薬活性のある遺伝子産物を細胞に 発現させるが、しかし細胞は環境において生き残ることができないという程度に 、細胞の機能が制限されている組成物。 139.更なるDNA配列が、昆虫またはそれらの子孫に有害な遺伝子産物をコ ードしている請求の範囲第138項記載の組成物。 140.更なるDNA配列が、バシラス・スリジエンシス由来の、殺虫作用のあ るタンパク質をコードしている配列である請求の範囲第136項記載の組成物。 141.請求の範囲第114項記載の生存可能な細胞集団を含んでいる環境汚染 物質を分解する組成物において、細胞が加水分解活性のある酵素をコードしてい る遺伝子または調節ヌクレオチド配列とは、天然には関係していない更なるDN A配列を含んでおり、更なる配列は環境汚染物質を分解する遺伝子生物をコード しており、この組成物を、分解されるべき汚染物質を含んでいる環境に施すと、 前記環境において効果的な汚染物質分解効果を得るために十分な期間および量で の、汚染物資を分解する遺伝子産物を細胞に発現させるが、しかし細胞は生き残 ることができないという程度に細胞の機能が制限されている組成物。 142.その発現の結果、細胞機能を制限する酵素が形成される遺伝子、または 複数の遺伝子が、汚染物質を分解する遺伝子産物によって分解することのできる 汚染物質が、実質的に分解して初めて発現される請求の範囲第141項記載の組 成物。
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