JPH075044A - 温度測定装置 - Google Patents

温度測定装置

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JPH075044A
JPH075044A JP5147725A JP14772593A JPH075044A JP H075044 A JPH075044 A JP H075044A JP 5147725 A JP5147725 A JP 5147725A JP 14772593 A JP14772593 A JP 14772593A JP H075044 A JPH075044 A JP H075044A
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temperature
measured
optical fiber
measuring device
tip
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JP5147725A
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English (en)
Inventor
Tomotaka Marui
智敬 丸井
Michiro Komatsubara
道郎 小松原
Akira Torao
彰 虎尾
Naoki Nakada
直樹 中田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、液体内、典型的には水中に浸漬さ
れた被測定体の温度を測定する温度測定装置に関し、少
なくとも先端が小型であってかつ距離計を不要とする。 【構成】 光ファイバ内を伝搬してきた互いに波長の異
なる放射光それぞれを受光し、それらの信号に基づいて
被測定体の温度を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体内、典型的には水
中に浸漬された被測定体の温度を測定する温度測定装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定体の温度計測は、通常は大気中で
行なわれるが、水中に浸漬された被測定体の温度を計測
する必要を生じる場合がある。図1は、そのような場合
の一例を説明するための、連続式浸漬冷却装置を表わし
た模式図である。矢印Y方向に高温の鋼板1がローラ2
により搬送され、その途中で連続式浸漬冷却装置10の
内部を通過し、その間に急冷される。
【0003】この連続式浸漬冷却装置10は、鋼板1の
上下左右の面を覆う密閉カバー11で、鋼板1の入口1
2及び出口13以外が密閉されており、給水管14から
冷却水を供給し、排水管15からその供給された水が排
出される。また吸引管15により装置10内の水を吸い
上げ、これにより入口12および出口13からの冷却水
の漏れを防止している。
【0004】この連続式浸漬装置10における問題点の
1つとして、装置10の内部における鋼板1の温度を計
測する手段がないことが挙げられる。このため、給水管
14から供給される冷却水の流量コントロールは、鋼板
1の、出口13から出た部分の温度を計測し、それをフ
ィードバックして行なうしか方法がなく、この連続式浸
漬装置10による鋼板1の冷却の精度があがらないとい
う問題があった。
【0005】また、例えば電磁鋼板の製造プロセスで
は、その電磁鋼板を例えば1100℃程度から500〜
600℃程度にまで一気に強急冷し、その後は弱急冷す
るという温度制御をすることが望ましいが、これも、連
続式浸漬装置10内の温度計測ができないことから十分
な精度の温度制御を行なうことはできていない。このよ
うなことから、水中における、非接触の温度計測を行な
う技術が要望されており、これを解決する提案の1つと
して、特公平3−69974号公報に記載された提案が
ある。
【0006】これは放射温度計をガラス窓を備えた容器
に密閉して、例えば図1に示す連続式浸漬装置10内
の、鋼板1から数mmだけ離れた位置に配置し、さらに
鋼板1との間の距離を正確に測定ないし制御するため超
音波距離測定装置を備えた構成のものである。放射温度
計と鋼板1との間の距離を正確に測定ないし制御する必
要があるのは、鋼板1から放射された放射光の水による
減衰が厳しく、また水中を通る距離によりその分光分布
も変化するため、その距離が正確に測定ないし制御され
ていないと正確な温度計測を行なうことができないため
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
温度測定装置は、 (1)上述した理由から超音波等による距離計が必要と
なり、高価な装置となり、かつ全体が複雑化、大型化す
る。 (2)放射温度計の容器がかなり大きく、上述した連続
式浸漬装置内にうまく配置することができないか、もし
くは配置できたとしても冷却水のスムーズな流れを阻外
する要因となる。という問題がある。
【0008】本発明は、これらの問題を解決し、少なく
とも先端が小型であってかつ距離計の不要な液体内に浸
漬された被測定体の温度を測定する温度測定装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の温度測定装置は、液体内に浸漬された被測定
体の温度を測定する温度測定装置において、 (1_1)先端部が液体内に浸漬され被測定体から放射
された放射光を先端から入射して伝搬する光ファイバ (1_2)光ファイバ内を伝搬してきた互いに波長の異
なる放射光それぞれを受光する受光器 (1_3)上記受光器で得られた信号に基づいて被測定
体の温度を求める温度演算器を備えたことを特徴とする
ものである。
【0010】ここで、上記本発明の第1の温度測定装置
において、上記(1_1)〜(1_3)に加えて (1_4)上記信号に基づいて被測定体の放射エネルギ
ーの波長累乗比を求めその波長累乗比の変化を監視する
モニタを備え、上記温度演算器により、上記モニタによ
り監視された波長累乗比が所定の安定状態にあるときの
被測定体の温度を求めるように構成することが好まし
い。
【0011】また上記目的を達成する本発明の第2の温
度測定装置は、液体内に浸漬された被測定体の温度を測
定する温度測定装置において、 (2_1)先端部が液体内に浸漬されて先端が被測定体
から所定の第1の距離だけ離れた位置に配置され、被測
定体から放射された放射光を先端から入射して伝搬する
第1の光ファイバ (2_2)先端部が液体内に浸漬されて先端が被測定体
から第1の距離とは異なる所定の第2の距離だけ離れた
位置に配置され、被測定体から放射された放射光を先端
から入射して伝搬する第2の光ファイバ (2_3)第1の光ファイバ内を伝搬してきた互いに波
長の異なる前記放射光それぞれを受光する第1の受光器 (2_4)第2の光ファイバ内を伝搬してきた互いに波
長の異なる放射光それぞれを受光する第2の受光器 (2_5)第1の受光器で得られる第1の信号と第2の
受光器で得られる第2の信号に基づいて、液体の放射光
の透過率を求める透過率演算器 (2_6)上記第1の信号および上記第2の信号のうち
の少なくとも一方の信号と上記透過率とに基づいて被測
定体の温度を求める温度演算器を備えたことを特徴とす
るものである。
【0012】ここで、上記本発明の第2の温度粗工程装
置において、上述した本発明の第1の温度測定装置のと
きと同様に、上記(2_1)〜(2_6)に加えて (2_7)第1の受光器で得られる第1の信号に基づい
て求められる被測定体の第1の波長累乗比と、第2の受
光器で得られる第2の信号に基づいて求められる被測定
体の第2の波長累乗比との比率を求めてその比率の変化
を監視するモニタを備え、上記温度演算器により、上記
モニタにより監視された上記比率が所定の安定状態にあ
るときの被測定体の温度を求めるように構成することが
好ましい。
【0013】
【作用】以下、先ず本発明の測定原理について、水中に
浸漬された被測定体を例にして説明する。図2は、水中
に浸漬された被測定体からの放射光を1本の光ファイバ
で受けるように構成した場合の温度測定装置の模式図で
ある。
【0014】水20の中に浸漬された被測定体21から
距離dだけ離れた位置に先端31が配置されるように、
光ファイバ30の先端部が水20に浸漬されている。そ
の光ファイバ30の後端部には、受光器32が取り付け
られており、この受光器32では、被測定体21から放
射され、光ファイバ30にその先端31から入射し、光
ファイバ30内を伝達してきた放射光のうち、波長Rを
中心とした所定の波長帯域の光が受光され、その受光に
より放射エネルギーLの波長Rにおける測定値LR が得
られる。
【0015】このとき、水20の、波長Rの放射光につ
いての減量率をaとしたとき、 LR =εR ・(C1 /R5 )・exp(C2 /RT)・exp(−aR d) …(1) ただし、 LR :被測定体の放射エネルギーL〔W・cm-2〕の波
長Rにおける測定値〔W・cm-2・μm-1〕 εR :波長Rについての放射率 C1 :プランクの第1定数(3.7418×104 〔W
・cm-2・μm4 〕) R :測定波長〔μ〕 C2 :プランクの第2定数(1.4388×104 〔μ
m・K〕) T :被測定体の表面温度〔K〕 aR :水の放射エネルギー吸収率aの、波長Rにおける
値〔μm-1〕 d :光ファイバの先端と被測定体との間の距離〔μ
m〕である。
【0016】この(1)式は、図2では光ファイバが用
いられていることを除き、前述した特公平3−6997
4号公報に記載された、距離計を用いる温度測定装置の
測定原理である。(1)式には距離dが変数として含ま
れており、したがって距離計を用いて距離dを正確に測
定するかあるいは距離dが一定となるように正確に制御
する必要がある。
【0017】ただし、図2に示す温度測定では、光ファ
イバ30が用いられており、光ファイバ30は細くて済
むため被測定体21の周囲の水20の流れを乱すことが
少なく、この点、特公平3−69974号公報に記載さ
れた温度測定装置における問題点の1つとして挙げた水
流のスムーズな流れを阻外するという点は解決されてい
る。
【0018】図3は水中に浸漬された被測定体からの放
射光を2本の光ファイバで受けるように構成した場合の
温度測定装置の模式図である。この2本の光ファイバ3
0_1,30_2の後端に取り付けられた各受光器32
_1,32_2では互いに異なる各中心波長R1 ,R2
の放射光を受光して各放射エネルギー測定値LR1,LR2
が得られる。
【0019】このとき、(1)式と等価な2本の式 LR1=εR1・(C1 /R1 5)・exp(C2 /R1 T)・exp(−aR1・d) …(2) LR2=εR2・(C2 /R2 5)・exp(C2 /R2 T)・exp(−aR2・d) …(3) が得られる。これら(2),(3)式から距離dを消去
すると、 ln(LR1 aR2 /LR2 aR1 =ln[(εR1・C1 /R1 5aR2 / (εR2・C1 /R1 5aR1 ] +(C2 /T)(aR2/R1 −/aR1/R2 ) …(4) (4)式を温度Tについて整理すると、 T=C2 ・(aR2/R1 −aR1/R2 )・[ln{LR1 aR2 ・ (εR1・C1 /R2 5aR1 }/{LR2 aR1 ・ (εR1・C1 /R1 5aR2 }]-1 …(5) が得られる。
【0020】ここでaR1=aR2=a、即ち、水の、波長
1 の光の透過率と波長R2 の光の透過率が近似的に等
しいとすることができるように波長R1 ,R2 を選択す
ると、(5)式は、 T=C2 ・R1 2 /(R2 −R1 )・[ln(LR1/LR2) +ln(εR2/εR1)+5ln(R1 /R2 )]-1 …(6) のように簡略化される。即ち、aR1=aR2=aの仮定が
成立する場合は、(6)式、即ち、通常の、大気中で用
いる二色温度計の測定原理と同一の式となる。
【0021】本発明は、この(5)式もしくは(6)式
に基づいて被検査体の温度測定が行なわれる。すなわ
ち、この(5)式、(6)式には距離dは含まれておら
ず、距離dが多少変動しても測定温度Tには影響はな
く、したがって距離計を備える必要はない。尚(6)式
は結果的に通常の二色温度計の測定原理を表わす式と同
一の式になったが、これはaR1=aR2=aを仮定したた
めであり、従来、水中で温度測定を行なう場合に、二色
温度計の測定原理により距離dの影響を取り除くことが
できること、また、2波長R1 ,R2 に対する水の透過
率が等しい場合に(6)式の二色温度計の測定原理が当
てはまることは、従来知られていなかったものである。
【0022】また、上記(2)(3)式より温度Tを消
去し、放射エネルギーの波長累乗比(LR1 R1/LR2 R2
についてまとめると、 LR1 R1/LR2 R2={(C1 /R1 5R1/(C1 /R2 5R2}・ exp{(aR22 −aR11 )d〕・(εR1 R1/εR2 R2) …(7) となる。
【0023】この(7)式に、上記と同様にaR1=aR2
=aの仮定を導入すると、 LR1 R1/LR2 R2={(C1 /R1 5R1/(C1 /R2 5R2}・ exp{ad(R2 −R1 )}・(εR1 R1/εR2 R2) …(8) となる。
【0024】この(7)式もしくは(8)式に示される
ように、放射エネルギーの波長累乗比LR1 R1/LR2 R2
演算することにより、水が濁ることによる透過率aの変
動や被測定体と水との界面の光学特性の変動、即ち放射
率比εR1/εR2の変動等をモニタすることができ、この
波長累乗比LR1 R1/LR2 R2があらかじめ定められた範囲
内に安定しているときの温度Tを(5)式もしくは
(6)式に基づいて測定することにより、信頼性の高い
温度測定が可能となる。
【0025】ここで、上記(6)式には透過率aは含ま
れておらず、したがって上記(6)式を用いると透過率
aが変動しても測定に影響されないようにみえるが、こ
れは、前述したようにaR1=aR2=aが成立する場合の
ことであり、したがって放射累乗比LR1 R1/LR2 R2が変
動するとその仮定が崩れていることも考えられる。ま
た、(7)式、(8)式には距離dも含まれており、距
離dが変動しても波長累乗比LR1 R1/LR2 R2が変化す
る。十分な光量の放射光が受光される限り、前述したよ
うに距離dが変動しても温度測定には影響はないが、波
長累乗比LR1 R1/LR2 R2が変化した際に、距離dが変動
したのかそれとも例えば透過率aが変化したのか区別す
ることはできない。
【0026】このように、波長累乗比LR1 R1/LR2 R2
変動をモニタすることは、一部は過剰なモニタとなる
が、少なくとも、この波長累乗比LR1 R1/LR2 R2が安定
していればその温度測定系が、信頼性の高い温度測定を
行なうことのできる安定状態にあると判定できる。この
過剰なモニタを緩和するためには、距離dの変動は直接
的には温度測定には影響しないものの、距離dの変動を
できる限り防止する方策を施すことが好ましい。
【0027】図4は、2本の光ファイバを、互いに距離
の異なる位置に配置した場合の温度測定装置の模式図で
ある。ここでは、2本の光ファイバ30_1,30_2
は、それらの各先端31_1,31_2と被測定体21
との間の距離が互いに異なる各距離d1 ,d2 となるよ
うに配置されている。また、各光ファイバ30_1,3
0_2の後端の各受光器32_1,32_2では互いに
同一の波長Rの放射エネルギーが測定される。
【0028】このとき、(1)式と等価な2本の式 LRd1 =εR ・(C1 /R5 )・exp(C2 /RT)・exp(−aR ・d1) …(9) LRd2 =εR ・(C1 /R5 )・exp(C2 /RT)・exp(−aR ・d2) …(10) が得られる。ここでd0 =d2 −d1 は、この温度測定
装置であらかじめ定めることのできる一定値であるた
め、上記(9),(10)式よりd2 ,d1 を消去して
0 で表わすと、 LRd1 /LRd2 =exp{aR (d2 −d1 )}=exp(aR ・d0 ) …(11) したがって aR =(1/d0 )ln(LRd1 /LRd2 ) …(12) となる。即ち、水20の波長Rの放射光に対する透過率
R が求められる。
【0029】次に図3の温度測定と図4の温度測定とを
組み合せる。図5は、4本の光ファイバを、2本ずつ異
なる距離d1 ,d2 に配置した温度測定器の模式図であ
る。距離d1 に配置された2本の光ファイバ30_1,
30_2の各後端には各波長R1 ,R2 の放射エネルギ
ー測定値LR1d1,LR2d2を得るための各受光器32_
1,32_2が備えられており、さらに距離d2 に配置
された2本の光ファイバ30_3,30_4の各後端に
も各波長R1 ,R2 の放射エネルギー測定値L R1d2,L
R2d2を得るための各受光器32_3,32_4が備えら
れている。
【0030】このとき、(12)式と同等の2本の式 aR1=(1/d0 )ln(LR1d1/LR1d2R ) …(13) aR2=(1/d0 )ln(LR2d1/LR2d2R ) …(14) が得られる。また前述した(5)式と同等の2本の式 T=C2 ・(aR2/R1 −aR1/R2 )・[ln{LR1d1 aR2 ・ (εR2・C1 /R2 5aR1 }/ {LR2d1 aR1 ・(εR1・C1 /R1 5aR2 }]-1 …(15) T=C2 ・(aR2/R1 −aR1/R2 )・[ln{LR1d2 aR2 ・(εR2・C1 /R2 5aR1 } /{LR2d2 aR1 ・(εR1・C1 /R1 5aR2 }]-1 …(16) が得られる。図5に示す温度測定装置により各測定値L
R1d1,LR2d1,LR1d2,LR2d2を得、(13),(1
4)式に基づいて透過率aR1,aR2を求め、これらを
(15)式ないし(16)式に代入して温度Tを求める
ことができる。このような温度測定を行なうことにより
R1,aR2を測定することができ、aR1,aR2をあらか
じめ測定しそれが常に一定に保たれると仮定したり、a
R1=aR2=aが成立するような2波長R1 ,R2 を選定
したりする必要がなく、その都度測定したaR1,aR2
用いて温度Tを求めることができ、一層高精度、高信頼
度の温度測定を行なうことができる。
【0031】また、図5に示す系においては、(7)式
と同等の2本の式 LR1d1 R1/LR2d1 R2={(C1 /R1 5R1/(C1 /R2 5R2} ・exp{(aR22 −aR11)d1 } ・(εR1 R1/εR2 R2) …(17) LR1d2 R1/LR2d2 R2={(C1 /R1 5R1/(C1 /R2 5R2} ・exp{(aR22 −aR11)d2 } ・(εR1 R1/εR2 R2) …(18) が得られる。これら(17),(18)式の比率、即ち
放射エネルギーの波長累乗比の比率を求めると、 (LR1d1 R1/LR2d1 R2)/(LR1d2 R1/LR2d2 R2) =exp{(aR11 −aR2・R2 )d0 } …(19) となる。この(19)式の左辺は測定値LR1d1
R2d1,LR1d2,LR2d2から求められる値であり、右辺
も測定値から(13)式,(14)式を介して求められ
る値であり、それら左辺、右辺の値をモニタしておきそ
れらが一致しない場合は何らかの計測条件が成立してい
ないものとみなすことができる。
【0032】以上のように、本発明を採用することによ
り、距離dに存在しない非接触温度測定が行なわれ、し
たがって距離計が不要となる。また光ファイバを用いて
いることから先端を細く構成することができ、液体の流
れ等を阻外することが防止される。さらに本発明におい
て所定のモニタを行なうことにより、より信頼度の高い
温度測定が可能となる。
【0033】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。ここ
では、図1に示す連続式浸漬冷却装置10内を移動中の
鋼板1の温度を測定する温度測定装置について説明す
る。図6は、光ファイバの配置上の工夫を示した図であ
る。
【0034】ローラ2の中央部が図示のように細径化さ
れており、そこに光ファイバ30_1,30_2の先端
が配置されている。ローラ2により鋼板1の上下動が押
えられ、その近傍に光ファイバ30_1,30_2を配
置することから鋼板1と光ファイバ30_1,30_2
の先端との間の距離dの変動が押えられる。本発明の特
徴の1つは、被測定体と光ファイバとの間の距離dが変
動しても温度測定誤差とはならないという点ではある
が、モニタ用の関数((7),(8)式)には距離dが
含まれており、過剰なモニタを防止する観点、および、
できるだけ減衰の少ない放射光を測定するために光ファ
イバ30_1,30_2の先端を鋼板1にできるだけ近
づける必要があるが、鋼板1もしくは光ファイバ30_
1,30_2が上下動して鋼板1と光ファイバ30_
1,30_2の先端とが接触し光ファイバが破損してし
まうことを防止するために、このような距離dを一定に
保つ工夫を行なうことが好ましい。
【0035】図7は、光ファイバの配置の他の例を示し
た図である。ローラ2の細径化された部分の一方側に2
本の光ファイバ30_1,30_2が配置されている。
4本の光ファイバ30_1,30_2,30_3,30
_4を配置する場合は、図示のように細径化された部分
の左右にそれぞれ2本ずつ配置される。
【0036】図8は光ファイバの通線方法を示した図で
ある。導管33中に図の上方側から冷却水を流し、その
中に光ファイバ30を通線する。こうすると、光ファイ
バ30は導管33中の略中央に浮いた状態に配置され
る。このような通線方法を採用すると、光ファイバ30
の点検時、もしくは異常時に光ファイバ30を容易に抜
き取ることができて便利である。
【0037】図9は、光ファイバの他の設置例を示した
図である。光ファイバ30は導管33の先端部のスペー
サ34に固定されている。このスペーサ34には貫通孔
35が形成されており、冷却水はこの孔35を通って導
管33内に自由に出入する。このように、光ファイバ3
0はその先端を固定したものであってもよい。
【0038】図10は、本発明の温度測定装置の一実施
例を表わした構成図および回路ブロック図である。2本
の導管33_1,33_2が連続式浸漬冷却装置10の
密閉カバー11の孔11aを通って鋼板1の近傍にまで
延びており、その中に各光ファイバ30_1,30_2
が通線されている。各光ファイバ30_1,30_2の
後端は温度測定器本体100内に延びており、その各後
端には、各波長R1 ,R2 の放射エネルギー測定値
R1,LR2を得るための各受光器32_1,32_2が
取り付けられている。
【0039】各受光器32_1,32_2で得られた測
定値LR1,LR2は、温度演算器102とモニタ104の
双方に入力される。またこの温度測定器本体100に
は、放射率比εR1/εR2を設定する設定器106が備え
られており、この設定器106からは、鋼板1の種類等
に応じてあらかじめ求めておいた放射率比εR1/εR2
設定される。この設定器106で設定された放射率比ε
R1/εR2は、温度演算器102に入力される。
【0040】温度演算器102では、前述した(6)式
に基づいて温度Tが求められ判定部108に入力され
る。またモニタ104では、放射エネルギーの波長累乗
比LR1 R1/LR2 R2が求められ、判定部108に入力され
る。図11は、図10にブロックで示すモニタ104で
求められた放射エネルギーの波長累乗比LR1 R1/LR2 R2
の時間tに対する変動例を示した図である。区間Aでは
その値が変動している。
【0041】図10に示す判定部108では、放射エネ
ルギーの波長累乗比LR1 R1/LR2 R2の、図11に示すよ
うな変動の有無が判定され、変動のないときの温度Tが
出力される。変動が生じたときにはランプ、ブザー等で
警告するように構成してもよい。図12は、本発明の温
度測定装置の他の実施例の測定ヘッド部の模式図であ
る。
【0042】ローラ2の細径部に4本の導管33_1,
33_2,33_3,33_4を配置し各導管33_
1,33_2,33_3,33_4の内部に各光ファイ
バ30_1,3_2,30_3,30_4が通線されて
いる。図13は、本発明の温度測定装置の他の実施例の
温度測定装置本体のブロック図である。
【0043】図12に示す測定ヘッド部から延びる各光
ファイバ30_1,30_2,30_3,30_4の各
後端は、図14に示す温度測定装置本体200にまで延
びており、それらの各後端には各受光器32_1,32
_2,32_3,32_4が取り付けられている。各受
光器32_1,32_2,32_3,32_4では、そ
れぞれ放射エネルギー測定値LR1d1,LR2d1,LR1d2
R2d2が得られ、分配器202により各部に分配され
る。
【0044】各透過率演算部204,206には、図示
の各測定値が入力されるとともに、この温度測定器本体
200に備えられた距離設定部208により設定された
距離d0 (図12参照)も入力され、各透過率演算部2
04,206では、前述した(13),(14)式に基
づいて各波長R1 ,R2 に対する水の透過率aR1,a R2
が求められ、温度演算部210、および後述する判定部
212に入力される。また温度演算部210には、放射
エネルギー測定値LR1d1,LR2d1も入力される。この温
度測定器本体200には、放射率εR1,εR2を設定する
放射率設定器210が備えられており、ここで設定され
た放射率εR1,εR2も温度演算部210に入力される。
温度演算部210では、前述した(15)式に基づく演
算により温度Tが求められ、判定部212に入力され
る。
【0045】また各測定器32_1,32_2,32_
3,32_4で得られた4つの測定値LR1d1,LR2d1
R1d2,LR2d2はモニタ214に入力され、(19)式
の左辺に示す、放射エネルギーの波長累乗比どうしの比
率(LR1d1 R1/LR2d1 R2)/(LR1d2 R1/LR2d2 R2)が
求められ判定部212に入力される。判定部212で
は、(19)式の右辺の値が求められ、モニタ214で
演算された比率(LR1d1 R1/LR2d1 R2)/(LR1d2 R1
R2d2 R2)との一致不一致が判定され、一致した時点に
おける温度Tが出力される。不一致の際には、その旨警
告を出力してもよい。
【0046】図14は、光ファイバの他の例を示した図
である。これまでの実施例では、1つの測定値を得るた
めに1本の光ファイバを通線していたが、図示のように
複数本の光ファイバを溶融して1本の光ファイバとな
し、不要の端部には光透過材もしくは光吸収材35を取
り付け、このような1本の光ファイバにより複数の測定
値を得るように構成してもよい。この場合、光ファイバ
を通線するための導管の本数と、光ファイバの本数を減
らすことができ、構造の簡単化、コストの低減化に寄与
することができる。
【0047】以上のように上記各実施例では、鋼板1と
光ファイバ30の先端との間の距離を厳密に測定ないし
調整することなく温度測定が行なわれる。また温度測定
系の変動をモニタし、安定しているときの温度を出力す
るようにしたため、信頼度の高い温度測定が可能とな
る。さらに連続式浸漬冷却装置10(図1参照)の内部
には光ファイバを通線するための細い導管が延びている
だけであり、冷却水の流れを阻外することも少ない。
【0048】これにより、連続浸漬冷却装置10の内部
における鋼板1の温度計測が行なわれ、鋼板1の高精度
の温度制御が可能となる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
距離dに存在しない非接触温度測定が行なわれ、したが
って距離計が不要となる。また光ファイバを用いている
ことから先端を細く構成することができ液体の流れ等を
阻外することが防止される。さらに本発明において所定
のモニタを行なうことにより、より信頼度の高い温度測
定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続式浸漬冷却装置を表わした模式図である。
【図2】水中に浸漬された被測定体からの放射光を1本
の光ファイバで受けるように構成した場合の温度測定装
置の模式図である。
【図3】水中に浸漬された被測定体からの放射光を2本
の光ファイバで受けるように構成した場合の温度測定装
置の模式図である。
【図4】2本の光ファイバを、互いに距離の異なる位置
に配置した場合の温度測定装置の模式図である。
【図5】4本の光ファイバを、2本ずつ異なる距離
1 ,d2 に配置した温度測定器の模式図である。
【図6】光ファイバの配置上の工夫を示した図である。
【図7】光ファイバの配置の他の例を示した図である。
【図8】光ファイバの通線方法を示した図である。
【図9】光ファイバの他の設置例を示した図である。
【図10】本発明の温度測定装置の一実施例の構成を表
わした構成図および回路ブロック図である。
【図11】図10にブロックで示すモニタで求められた
放射エネルギーの波長累乗比LR1 R1/LR2 R2の、時間t
に対する変動例を示した図である。
【図12】本発明の温度測定装置の他の実施例の測定ヘ
ッド部の模式図である。
【図13】本発明の温度測定装置の他の実施例の温度測
定装置本体のブロック図である。
【図14】光ファイバの他の例を示した図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 ローラ 10 連続式浸漬冷却装置 11 密閉カバー 20 水 21 被測定体 30,30_1,30_2,30_3,30_4 光フ
ァイバ 32,32_1,32_2,32_3,32_4 受光
器 33,33_1,33_2,33_3,33_4 導管 100 温度測定器本体 102 温度演算部 104 モニタ 108 判定部 200 温度測定器本体 204,206 透過率演算部 210 温度演算部 214 モニタ 212 判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 虎尾 彰 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 中田 直樹 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体内に浸漬された被測定体の温度を測
    定する温度測定装置において、 先端部が前記液体内に浸漬され前記被測定体から放射さ
    れた放射光を先端から入射して伝搬する光ファイバと、 前記光ファイバ内を伝搬してきた互いに波長の異なる前
    記放射光それぞれを受光する受光器と、 前記受光器で得られた信号に基づいて前記被測定体の温
    度を求める温度演算器とを備えたことを特徴とする温度
    測定装置。
  2. 【請求項2】 前記信号に基づいて前記被測定体の放射
    エネルギーの波長累乗比を求めて該波長累乗比の変動を
    監視するモニタを備え、 前記温度演算器が、前記モニタにより監視された前記波
    長累乗比が所定の安定状態にあるときの前記被測定体の
    温度を求めるものであることを特徴とする請求項1記載
    の温度測定装置。
  3. 【請求項3】 液体内に浸漬された被測定体の温度を測
    定する温度測定装置において、 先端部が前記液体内に浸漬されて先端が前記被測定体か
    ら所定の第1の距離だけ離れた位置に配置され、前記被
    測定体から放射された放射光を前記先端から入射して伝
    搬する第1の光ファイバと、 先端部が前記液体内に浸漬されて先端が前記被測定体か
    ら前記第1の距離とは異なる所定の第2の距離だけ離れ
    た位置に配置され、前記被測定体から放射された放射光
    を前記先端から入射して伝搬する第2の光ファイバと、 前記第1の光ファイバ内を伝搬してきた互いに波長の異
    なる前記放射光それぞれを受光する第1の受光器と、 前記第2の光ファイバ内を伝搬してきた互いに波長の異
    なる前記放射光それぞれを受光する第2の受光器と、 前記第1の受光器で得られる第1の信号と前記第2の受
    光器で得られる第2の信号に基づいて、前記液体の放射
    光の透過率を求める透過率演算器と、 前記第1の信号および前記第2の信号のうちの少なくと
    も一方の信号と前記透過率とに基づいて前記被測定体の
    温度を求める温度演算器を備えたことを特徴とする温度
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の信号に基づいて求められる前
    記被測定体の第1の波長累乗比と、前記第2の信号に基
    づいて求められる前記被写体の第2の波長累乗比との比
    率を求めて該比率の変動を監視するモニタを備え、 前記温度演算器が、前記モニタにより監視された前記比
    率が所定の安定状態にあるときの前記被測定体の温度を
    求めるものであることを特徴とする請求項3記載の温度
    測定装置。
JP5147725A 1993-06-18 1993-06-18 温度測定装置 Withdrawn JPH075044A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008164626A (ja) * 2008-02-05 2008-07-17 Sumitomo Metal Ind Ltd 鋼材の表面温度測定方法およびその装置
JP2017513010A (ja) * 2014-04-11 2017-05-25 テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ 包装材料の温度を検出するための温度センサーを備えたローラーデバイス

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