JPH0750179B2 - ホログラフイ−の技術を利用して物質にエネルギ−を与える方法、及び、その装置 - Google Patents

ホログラフイ−の技術を利用して物質にエネルギ−を与える方法、及び、その装置

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JPH0750179B2
JPH0750179B2 JP59123630A JP12363084A JPH0750179B2 JP H0750179 B2 JPH0750179 B2 JP H0750179B2 JP 59123630 A JP59123630 A JP 59123630A JP 12363084 A JP12363084 A JP 12363084A JP H0750179 B2 JPH0750179 B2 JP H0750179B2
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    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、情報を三次元空間に展開することのできるホ
ログラフィーの技術を利用して、その波動エネルギーの
幾何学的展開を介して、物質粒子群(例として、気体、
プラズマ等)にエネルギーを与えることによって、物質
を閉じ込めたり移動したりする方法、及び、その装置に
関するものである。
又、その方法、及び、装置を発展させて、超高温物質を
閉じ込めたり、超高温物質に速度を与えたりする方法、
及び、その装置に関するものである。
B.従来の技術 従来一般に提案されている物質にエネルギーを与える方
法、例えば、力を加える方法としては、それぞれの具体
例によって特殊な方法が多数存在するが、それらを技術
的な意味で大別してみると次のようになる。第一は、物
質を媒体として物質に力を加える方法がある。それは具
体的には、固体物質を媒体として目的の物体に力を加え
る方法、流体物質を媒体として目的の物体に力を加える
方法などがある。固体物質を媒体として目的の物体に力
を加える方法は、通常の機械的方法はほとんどがそうで
あると言ってよい。又、液体や気体の流体を媒体として
目的の物体に力を加える方法には、流体クラッチや蒸気
タービンなど様々な方法が存在する。第二は、磁力を媒
介として目的の物体に力を加える方法がある。それは具
体的には、電動機やプラズマ閉じ込め方法など多数存在
する。第三は、電気力を媒介して物体に力を加える方法
がある。それは具体的には、静電気を利用して微小物体
を吸着したりする方法など多数存在する。第四は、地球
などの重力を利用して物体に力を加えるように意図した
方法がある。それは具体的には、流体などを重力を利用
してパイプ中を流す方法などがある。そして、第五は、
波動エネルギーを利用して物質に力を加える方法があ
る。それは具体的には、レーザー核融合などで利用され
るプラズマの慣性閉じ込めなどの方法がある。又、たと
えば、ホログラフィー工作機械(日本特許出願番号56−
062396号参照)や音波ホログラフィーによる工作機械
(日本特許出願番号59−067776号参照)など物質に力を
加えて加工することを目的としたものがある。
本発明は、前記、第五の波動エネルギーを利用した新規
な方法、及び、その装置に関するものである。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明が解決しようとするものは、従来の技術がいくつ
かの障害の為に容易に成しえなかった問題点を解決する
ものである。その障害とは、第一に、力を加えようとす
る目的の物質が高温であるためにおこる障害である。
又、第二に、力を加えようとする目的の物質に加える力
のエネルギー密度が大きいためにおこる障害である。ま
た、第三に、力を加えようとする目的の物質に加える力
の時間的変化が高精度を要するためにおこる障害であ
る。又、第四に、力を加えようとする目的の物質に加え
る力の加え方が空間的な高精度を要するためにおこる障
害である。
本発明は、前記、第一から第四までに示すような諸問題
のために、従来の技術が容易になしえなかった技術上の
限界を乗りこえると、及び、それによって産業上の生産
性を高めることを目的とするものである。
D.問題点を解決するための手段 上記の第一から第四までに示すような諸問題はホログラ
フィーの技術を利用することによって解決することがで
きる。
ホログラフィーには電磁波以外の波動を用いたものとし
て、音波ホログラフィーや電子線ホログラフィーなどが
存在する。ここで、問題を単純化するために電磁波ホロ
グラフィーについて述べることとするが、他のものも原
理的には同様である。
光波を用いたホログラフィーは立体象を再生することが
できる。このうち、本発明において有用なものは立体実
像である。この立体実像を一定の範囲内で任意に実現す
ることは計算機ホログラフィーを用いることによって可
能である。計算機によってホログラムを作成して、それ
にコヒーレントな再生光を照射することによって所望の
立体実像を得ることができる。写真技術としてのホログ
ラフィーでは物体からの物体光を参照光と干渉させて、
それによってフィルムを感光させてホログラムを作成す
る。しかし、ここで利用するホログラムは、設計情報
や、機械的運動の情報などを計算機によって計算し、次
に、それを図化してホログラムを作成する。従って、精
度の高いホログラムが可能である。ここで、ホログラム
の倍率に関して、再生後の倍率はλ′/λ(ホログラム
を作成するときの波長をλとし、再生照明光の波長を
λ′とする)で拡大される。即ち、波長λで等倍の実像
を得るように作成されたホログラムに波長λ′の再生光
を用いればλ′/λの倍率の実像を得られる。又、逆
に、波長λの再生光を用いて、同じくλ′/λの倍率の
実像を得るには、ホログラムを波長λ2/λ′で作成され
たようにすればよい。このように計算機ホログラフィー
にあっては、再生光とホログラムとを操作することによ
り自由な倍率を得ることができる。
又、このことは、大きなホログラムをつくり、縮小して
再生像をつくれば高分解能の実像ができることを示して
いる。ここで、ホログラフィー実像の実現される空間部
分は光束の焦点となっており、高エネルギー空間(高温
空間)である。
又、この高温空間は高温点(点は実際には微小領域)の
三次元的集合と考えることができる。
したがって、ホログラフィーを利用することにより、一
定の空間中の任意の位置に高温点を実像として得ること
ができる。又、その高温点の集合としての高温空間を一
定の範囲内で任意に実現することができる。即ち、電磁
波を使った計算機ホログラフィーは、一定の空間領域に
おいて、三次元的に任意に高エネルギー領域を実現する
ことができる。又、その高エネルギー空間を時間的にも
制御することができる。本発明は、ホログラフィーのこ
れらの基本的性質を利用して、従来の技術では困難、又
は、不可能であったような問題点を解決したものであ
る。
E.実施例 以下、個々の発明について詳述する。
実施例1:ホログラフィーの技術を利用した単一光殻によ
る物質閉じ込めの方法 部分ホログラムHiの集合からなる球状ホログラムHの内
部空間に、任意の形状の厚さΔdの閉じた単一光殻1K′
(光は可視光線以外の電磁波も含む、以下において同
じ)を実現することができる。これは、第1図に示すよ
うに、部分ホログラムHiのそれぞれに、外部から再生光
L(光は可視光線以外の電磁波も含む、以下において同
じ)を照射して単一光殻1K′の各部分をホログラフィー
実像として実現し、その集合としての閉じた単一光殻1
K′をえる。次に、この任意の形状をもつ単一光殻1K′
を利用して、物質粒子群(例として、気体、又は、プラ
ズマ)を単一光殻1K′の内部に閉じ込める方法について
述べる。
簡単のために光殻の形状を球状として、単一光球殻1Kを
例にとって述べる。第2図は、気体(簡単のため気体を
例にして述べる)で満された真空容器7,8の内部の空間
領域に、上記、第1図に示すような方法によって厚さΔ
dの単一光球殻1Kを実現したものの断面図である。この
とき、気体は単一光球殻1Kによって加熱されるので、第
2図に示すように、外部と内部とに向って爆発1と爆縮
2とを生じる。この場合に単一光球殻1Kによって加熱さ
れた気体のうち、ほぼ2分の1は外部に向って爆発1
し、残り2分の1は内部に向って爆縮2する。したがっ
て、気体はこの単一光球殻1Kの内部の空間に慣性的に閉
じ込められることになる。ここで、気体は強く加熱され
た場合にはプラズマになる。この方法は、従来からレー
ザー核融合などにおいて提案されている、燃料小球の表
面をレーザーで加熱することによって実現する爆縮によ
る燃料の慣性閉じ込めと同様の現象をホログラフィーの
技術を利用して実現したものである。したがって、この
単一光球殻1Kによる物質閉じ込めの方法は核融合にも応
用することが可能であるが、それについては後述する。
前記は一例としての気体やプラズマに関して述べたが、
この事情は液体や固体粒子群、及び、固体等においても
原理的にはほぼ同等である。
次に、上記の方法によって達成されるプラズマの慣性閉
じ込めの方法に関して、閉じ込めるプラズマ密度をより
大きくすると同等に、閉じ込め時間をコントロールしえ
る方法について述べる。
単一光球殻1Kによってその内部空間に爆縮2させたプラ
ズマに対して、単一光球殻1Kの半径rを連続的、もしく
は、断続的に小さくしていく方法をとれば、プラズマは
次第に小さな体積の中に取り込まれるので、その密度は
増大する。この方法は、又、単一光球殻1Kの半径rを増
大することによってプラズマ密度を減少させることも可
能である。又、その半径rの増減の速度を調整すること
によって、プラズマの閉じ込め時間をコントロールする
ことができる。
以下、それを実現する具体的方法について述べる。
ホログラムには多くの物体光を重ねて記録することが可
能である。ホログラムに記録される干渉縞の空間周波数
と方位角とは物体の参照光に対する位置関係をあらわし
ている。そこで、1枚のホログラムに空間的に分離した
いくつかの物体のホログラムを重ねて記録すれば、これ
らの物体の像を分離して再生することができる。今、い
くつかの物体の情報を1枚のホログラムとして多重記録
する場合、参照光の物体光に対する角距離と方位角を順
次変えながら物体を一定と位置において順次記録する場
合は各干渉縞はホログラム上にインコヒーレントに多重
記録される。これに、ある角距離と方位角から再生照明
光を与えれば、それに相当した物体の像をもとの位置に
再生しえる。この原理を応用して、ホログラムを計算機
によって作れば、インコヒーレントに多重記録されたホ
ログラムを得ることができる。第3図に示めすように、
そのようにして得た部分ホログラムHiにある方位から再
生光Laを与えると、単一光球殻1Kの部分である部分・単
一光球殻faの実像を得ることができる。又、方位角をθ
だけ変えた方位から再生光Lbを与えるときは、縮小され
た単一光球殻1Kの部分である部分・単一光球殻fbを得る
ことができる。そして、連続的、又は、断続的にインコ
ヒーレントに多重記録されたホログラムHiに再生光をLa
からLbまで連続的、又は、断続的に変化させれば、単一
光球殻1Kの部分である部分・単一光球殻はfaからfbまで
連続的、又は、断続的に変化させることができる。又、
別の方法として、機械的、又は、電子的に可変な部分ホ
ログラムHiを利用する場合は、同一の再生光Lを用いて
も、部分・単一光球殻はfaからfbまで連続的、又は、断
続的に変化させることができる。
上記のいくつかの方法によって実現する部分・単一光球
殻fの集合としての単一光球殻1Kは、その半径rを自由
に増減することが可能である。
実施例2:ホログラフィーの技術を利用した多重光殻によ
る物質閉じ込めの方法。
実施例1において示した単一光殻1K′を、さらに多重の
光殻NK′にすることによって、より高性能な物質閉じ込
めが可能である。多重光殻NK′を実現するには、第1図
において示したと同様に、部分ホログラムHiのそれぞれ
に外部から再生光Lを照射して、部分・多重光殻Nk′を
ホログラムフィー実像として実現する。そして、その集
合としての閉じた多重光殻NK′を得ることができる。こ
こで、問題となるのは、単一光殻1K′の場合は、部分ホ
ログラムHiに対応する部分光殻は1重の実像であればよ
いが、多重光殻NK′の場合は部分ホログラムHに対応し
て多重(n重)の実像が得られなければならないことで
ある。この多重実像を実現する方法として、ホログラム
の多重記録とその多重結像を利用する方法がある。以
下、簡単のために、多重光殻NK′のかわりに同心の多重
光球等NKを例にとって述べる。
実施例1において述べたようにホログラムは多重記録と
多重結像が可能である。ここで、第4図のように、1つ
の再生光Lによって同時にf1,f2,f3,………fnと多重の
実像を得るには、部分ホログラムHiに情報をコヒーレン
トに多重記録すればよい。即ち、いくつかの物体を同時
に証明し、これらの物体光と1っの参照光とによって形
成されるいくつかの干渉縞を1枚のホログラムに同時に
記録すれば、これらの物体の情報をコヒーレントに多重
記録したことになり、1つの再生光によりこれらの物体
が同時に再生される。
この原理に基いて、多重光球殻NKの部分・多重光球殻Nk
を構成するf1からfnまでのn個の多重実像をコヒーレン
トに多重記録した部分ホログラムHiを計算機によって作
製すれば、この部分ホログラムHiは1っの再生光Lによ
って目的の多重実像を結像することができる。第4図
は、1っの再生光Lを部分ホログラムHiに照射すること
によって、多重光球殻NKの部分・多重光球殻Nk(f1,f2,
………fn)を同時に実像化した状態の断面を示したもの
である。このようにして実像化した多重実像である部分
・多重光球殻Nkの集合として多重光球殻NKを目的の空間
に実現することができる。
第5図は、上記の方法によって実現した多重光球殻NKの
断面図である。第1光球殻K1は単一光球殻1Kと考えられ
るので、内部空間0V1の第1光球殻K1の近傍のプラズマ
(物質粒子群の一例)は爆発・爆縮現象によって、2分
の1(ほぼ2分の1であるが、簡単のため2分の1とす
る)が内部に向って加速され、残り2分の1が外部に向
って加速される。したがって、n重の光球殻NKにおいて
は、始めに内部空間0V1のみにプラズマがあった場合
(場合1)には、プラズマの外側の空間への流出量は、
各光球殻K1〜Knの爆縮2によって塞止められて、一つの
光球殻Kiをへるごとに2分の1に減少する。したがっ
て、n重の光球殻NKを通過して外部空間nVn+1へ流出す
るプラズマの量は(1/2)倍となる。例えば、nを20
とすると、多重光球殻20Kの外部空間20V21へ流出するプ
ラズマ密度の割合ρ20は、内部空間0V1を1とすると、
ρ20=(1/2)20≒1/(1.05×106)、即ち、約105万分
の1となる。nを30とすると、同様にして、約10億7300
万分の1となる。次に、始めに内部空間0V1のみでな
く、プラズマが全体に均等に拡散している場合(場合
2)について述べる。各光球殻Kiによって加熱されたプ
ラズマはその両側に加速されるので、たとえば、第6図
の第1光球殻K1と第2光球殻K2の間の空間1V2におい
て、プラズマは空間1V2の中間の位置に向って爆縮す
る。この事情は、空間0V1からn-1Vnまで同様に作用す
る。
即ち、プラズマは2つの光殻によってはさまれた空間の
中間部分に集中して、多重光球殻NKの内部にその光殻Ki
と平行した高温のプラズマの層を形成する。したがっ
て、これだけではプラズマの密度は平均的に見た場合は
全体として均一であって、内部空間0V1と外部空間nVn+1
とで同様の密度である。そこで、この“場合2"の場合
に、外部空間nVn+1と内部空間0V1のプラズマ密度に変化
をもたせる方法について述べる。
実施例1において単一光球殻1Kの半径rを変化させたと
同様に、多重光球殻NKにおいてもその半径rを連続的、
もしくは、断続的に小さくしていく方法をとれば、プラ
ズマは次第に小さな体積の中に取り込まれるので、その
内部空間0V1におけるプラズマ密度は、始めの平均して
拡散していた密度より大きくなる。これを実現する具体
的な方法としては、第3図と第4図に示した多重記録の
それぞれの方法を組合せた方法によって達成することが
できる。第7図はその方法を示したものである。即ち、
部分・多重光球等Nkaの構成部分である第i部分光球殻a
fiの集合として実現する半径r1の大きい多重光球殻NKa
を実現し、これによって内部空間0V1にプラズマを取り
込む。次に、その取り込んだプラズマが爆縮2によって
わずかに体積を縮小するとき、同時に半径r1を平行にし
小さくするとプラズマ密度はわづかに増す。この操作を
連続的、もしくは、断続的に行うことによって、次第に
内部空間0V1のプラズマ密度を高めることができる。
従って、このようにして内部空間0V1のプラズマ密度を
高くした後は、以後のプラズマ閉じ込めのメカニズムは
“場合1"の場合と同様になる。
ここで、当実施例(実施例2)においては、先に示した
ように、多重光球殻NKの光球殻Kiの数nを30にした場合
でプラズマの約10億7300万分の1が外部空間nVn+1に流
出するが、nを無限大にしなければ流出をゼロにするこ
とはできない。又は、各光球殻Kiにおける爆縮によって
内側へ向うプラズマの量が2分の1以下の場合には閉じ
込め効果はより少くなる。又、時間の経過とともにプラ
ズマは少しづつ外部空間nVn+1へ流出していく。しか
し、それでもなお、実施例1の単一光球殻1Kの場合に比
してはるかに高い物質閉じ込め効果をもつことは明らか
である。
実施例3:ホログラフィーの技術を利用した進行多重光殻
による物質閉じ込めの方法。
実施例2において示した多重光殻NK′をさらに進行する
光殻にすることによって、より高性能な物質の閉じ込め
が可能である。進行する多重光殻SNK′を実現するのは
第7図に示したのとほぼ同様の方法による。
以下、簡単のために、進行多重光殻SNK′のかわりに同
心の進行多重光球殻SNKを例にとって述べる。
実施例2において第7図に示したホログラムHへの多重
記録によって行ったのは、半径rを縮小して、多重光球
殻NKを全体として中心に向って移動(進行)させること
であった。しかし、実施例3での“進行”の意味は別も
のである。第8図に示すように、部分ホログラムHiはf1
からfn+1までの情報をコヒーレントに多重記録してお
り、1っの再生光Laによってf1からfn+1までの実像(SN
ka)を同時に得る。又、同様にして、1っの再生光Lb
よって、f0からfnまでの実像(SNkb)を同時に得る。第
9図は、第8図の部分を拡大したものである。ここで、
再生光がLaからLbまで方位角を変えて連続的、もしく
は、断続的に変化するとき、部分・多重光球殻の各時刻
における位置の情報をインコヒーレントに多重記録して
おけば、部分・多重光球殻の集合としてなる多重光球殻
を連続的、もしくは、断続的に進行させることができ
る。ここで、1っの実像fn+1のみについて考えてみる。
再生光La(θ=0)によって始めに空間中に生じた実像
fn+1は、再生光Lの方位角θの変化によって、実像fn
位置まで連続的、もしくは、断続的に進行し、そこで、
再び、次の瞬間にfn+1の位置にかえって新たに結像し、
この行程を繰り返すようにする。この場合に、結像の位
置変化の幅は部分光球殻fiからfi-1まで間である。しか
し、これを全体について繰り返し行うことによって、f
n+1はfnまで移動(進行)すると、そこで1っ内側のサ
イクイルであるfnからfn-1のサイクルに受けつがれる。
以下、同様に次々と受けつがれて、fn-2,fn-3,………
f2,f1,f0と連続的に移動(進行)したのと同等の現象が
生じる。
そして、f0の位置において消滅する。
即ち、上記のように構成された多重結像とその連続移動
の方法においては、fn+1の位置に発生した実像は連続的
に内側に向って進行しf0の位置で消滅する。そして、f
n+1がfnの位置まできたときには、fn+1の位置に新たな
実像を生じて次々に内側に向って進行していくことにな
る。又、同時刻には、常に“n+1"重の光球殻の部分を
結像していることになる。この様にしてなる部分・進行
多重光球殻SNkの集合として進行多重光球殻SNKが実現さ
れる。
ここで、光球殻の進行が上記のように“サイクル”と
“連続前進”とをもつ方式はホログラムの多重記録の量
を節約する方法である。したがって、容量の大きいコン
ピューターを利用した電子式可変ホログラムなどを利用
する場合には必ずしも必要のないことである。しかし、
コンピューターの場合でも、計算において、同様の方式
を用いれば、より小容量のものでよいことになる。
以上のようにして実現される進行多重光球殻SNKは、実
施例2において示した外部空間nVn+1に流出していくプ
ラズマに対して、新たに発生させたn+1番目の第n+
1光球殻Kn+1の内側への進行によってプラズマを内側に
取り込むことができる。即ち、進行の速度と光球殻のエ
ネルギー量などを適切に選択することによって、効率よ
くプラズマを内側に移動させることができる。従って、
この進行多重光球殻SNKはプラズマの外部空間への流出
率をゼロにすることが可能である。
又、進行の速度などの取り方によっては光球殻Kの数n
を少なくすることができる。
実施例4:ホログラフィーの技術を利用した分割進行多重
光殻による物質閉じ込めの方法。
実施例3において示した進行多重光殻SNK′をさらに分
割した光殻にすることによって、より完全な物質の閉じ
込めが可能である。以下、簡単のために、光殻のかわり
に光球殻で示す。
1又は2以上の部分ホログラムHiの部分集合(以下、こ
れを簡単のため部分ホログラムHiでおきかえる)によっ
て結像された部分・進行多重光球殻SNkの集合としてな
る進行多重光球殻SNKにおいて、1っの部分ホログラムH
iによって結像される部分・進行多重光球殻SNkに次のよ
うな機能を加えることによって、部分・分割進行多重光
球殻BSNkとなり、その集合としての分割進行多重光球殻
BSNKが実現する。
ここで、1っの部分ホログラムHiによって結像される部
分・分割進行多重光球殻BSNkを、1又は2以上の部分に
分けて、それぞれを部分・分割進行多重光球殻BSNkの単
位にすることができる。その場合は分割単位の数が多く
なるが、ここでは簡単のために1っの部分ホログラムHi
によって結像される部分を1っの分割単位(電子式可変
ホログラムの場合は2以上に分割することができる)と
して説明する。
第10図は、第8図において示した部分・進行多重光球殻
SNkと類似した状態を示した断面図である。ここで、実
施例3の第8図の場合においては、部分・進行多重光球
殻SNkは他の単位と同時進行をしており、その集合とし
ての進行多重光球殻SNKは同時進行している。ここで、
第10図のように、内部からのプラズマによる圧力Q1とQ2
との差がある場合には、その差に対応して、光球殻によ
る反対向きの圧力にも差を生ぜしめてバランスをとり光
球殻全体の整形を保たなければならない。この光球殻の
圧力に差を生ぜしめる方法としては、光球殻のエネルギ
ー量を増減する方法と光球殻の進行速度を増減する方法
とが基本的なものである。実施例3の場合では、部分に
おける進行速度に差をつけることはできないので、光球
殻のエネルギー量を増減する方法が適当である。しか
し、実施例3の場合は、隣り合っている部分・進行多重
光球殻SNkどうしが連続しているので、その空間も連続
している。従って、プラズマが互に出入して光球殻の部
分における圧力の差を完全にコントロールすることが困
難である。それに対して、実施例4においては、進行多
重光球殻SNKを完全に分割して、分割した部分が空間と
進行速度とに関して、他の部分とのあいだに独立性を与
える方法をとる。第11図は、第10図の部分を拡大して示
したものである。
第11図において、内部空間0V1のプラズマ圧力Q1とQ2
の差に対応するときは、分割した部分の進行速度を変え
ることによって対応できる。又、この分割した部分・分
割進行多重光球殻BSNkcは隣り合った部分・分割進行多
重光球殻BSNkdと、プラズマの運動に関して、空間的に
も分離するために同図に示すように隣り合った部分の境
に光壁による界壁Uを設ける。この界壁Uは、1重、又
は、2重以上の多重光壁にすることもできる。第11図で
は、両側からの界光壁U1とU2とが密着して1重光壁とな
っている。
このように構成された分割進行多重光球殻BSNKにあって
は、内部空間0V1の整形を保ちながらプラズマを完全に
その内部に閉じ込めることができる。なお、実施例4は
分割進行多重光殻BSNK′であるから、球形以外にも任意
の形状が可能である。
実施例5:ホログラフィーの技術を利用した単一光殻1K′
の移動によって物質に速度を与える方法。
部分ホログラムHiの集合からなる球状ホログラムHの内
部の空間に任意の形状の厚さΔdの閉じた単一光殻1K′
を実現することができることは実施例1に示したとうり
である。又、この単一光殻1K′がその内部の空間に物質
(以下、簡単のためプラズマを例にとる)を慣性的に閉
じ込めることができることも実施例1に示したとうりで
ある。当実施例(実施例5)においては、この単一光殻
1K′を用いて、その内部に閉じ込めたプラズマの位置を
変化させること、即ち、速度を与えることができること
を示す。
第12図に示すように、爆縮によって単一光殻1K′に閉じ
込められたプラズマは単一光殻1Kによって連続的に加熱
されるので、プラズマは連続的に爆縮の作用をうける。
しかし、内部空間のプラズマ密度が外部空間のプラズマ
密度より大きい場合には、プラズマは時間とともに外部
へ流出する。したがって、その時間内において、光殻内
部のプラズマは爆縮による閉じ込め作用をうける。ここ
で、第13図に示すように、単一光殻1K′のエネルギー量
を一方のみ多くした場合には、爆縮2による作用は一方
の側へ作用して、内部プラズマ群の重心P(x,y,z)を
移動3させる。次に、重心Pの移動3した内部プラズマ
群に対して単一光殻1K′を追随させていけば、連続的に
作用を及ぼすことができるのでプラズマ群を移動3させ
ることができる。ここで、単一光殻1K′の移動とエネル
ギー量の調整に関しては次の通りである。まず、エネル
ギー量の調整に関しては、再生光によるエネルギー量を
調整する方法と、ホログラムの調整によりエネルギーの
空間分布を調整する方法が可能である。次に、再一光殻
1K′の移動に関してはホログラムの移動記録とその再生
の方法を利用することができる。
第14図はその状態を図示したものである。
部分ホログラムHiの集合によってなる球状ホログラムH
の内部の空間に形成される単一光殻1K′の中心P1(x1,y
1,z1)を移動させるには、ホログラムの多重記録とその
再生の方法を利用することができる。第14図において、
多重記録された部分ホログラムHiに再生光L1を照射した
とき部分・単一光殻k1を得るとする。次に、この再生光
L1を方位角θだけ変化させて再生光L2としたときに部分
・単一光殻k2を得るとする。これらのことは、インコヒ
ーレントに多重記録された部分ホログラムHiを用いるこ
とによって実現するから、部分・単一光殻k1とk2とはそ
れぞれ再生光L1とL2とに対応して実現され、その中間の
部分・単一光殻kの結像はその中間の方位角からの再生
光Lに対応して実現される。したがって、部分・単一光
殻kの集合としてなる単一光殻1K′も同様にして実現さ
れ、その内部の中心はP1(x1,y1,z1)からP2(x2,y2,
z2)まで連続的に移動3する。又、別の方法としては可
変ホログラムを用いることができる。
機械式、又は、電子式の可変ホログラムを利用する場合
には再生光の方位は一定で可能である。
第15図は、上記の方法によって可能になる単一光球殻1K
の移動3によって、プラズマを移動3させる方法を図示
したものである。始めに、半径rの大きい単一光球殻1K
1でプラズマを取り込んで、次第に半径を小さくしなが
ら距離d1だけ移動3する。この移動時間内に次第に外部
へ流出したプラズマ(外部のプラズマは一様に分布して
いるとする)を再び取り込むために単一光球殻1K2を消
滅させると同時に、半径r3の大きい単一光球殻1K3を発
生させる。この操作を繰り返すことによって、プラズマ
の閉じ込めの持続時間を延長することができる。したが
って、又、プラズマに速度を与えて移動3させる距離も
延長することができる。
以上のように構成された単一光球殻1Kは、一定時間のあ
いだ物質を閉じ込めると同時に、その物質に速度を与え
ることができる。この方法は、又、単一光球殻1Kの半径
rの増減による作用を併用することによって、物質の閉
じ込めと移動に関する持続時間を延長することができる
ことを示している。又、単一光殻1K′の場合も単一光球
殻1Kの場合に準じて行うことができる。
実施例6:ホログラフィーの技術を利用した多重光殻NK′
の移動によって物質に速度を与える方法。
実施例5に示した単一光殻1K′の移動によって物質に速
度を与える方法は、実施例2に示した多重光殻NK′を利
用することによってより高性能なものになる。以下、簡
単のため、多重光殻NKのかわりに多重光球殻NKを、又、
物質のかわりにプラズマを用いて述べるが基本的にはほ
とんど同様である。
第16図は、多重光球殻NKによって閉じ込められたプラズ
マの移動3を示す図である。多重光球殻NKは、実施例2
において示したように、単一光球殻1Kに比してプラズマ
をより効率よくその内部に閉じ込めることができる。し
たがって、多重光球殻NKに第13図に示したような光殻の
エネルギー量を偏在させる方法を適用すれば、内部プラ
ズマの重心P1(第16図参照)に速度を与えることができ
る。なお、多重光球殻NKの移動とエネルギー量の調整に
関しては次のとうりである。まず、エネルギー量の調整
に関しては実施例5に準ずる。次に、多重光球殻NKの移
動に関しては第15図に示した方法とほぼ同様であるが、
第15図の単一光球殻1Kを構成する部分・単一光球殻kの
かわりにコヒーレントに多重記録された部分ホログラム
Hiを用いて部分・多重光球殻Nkを得て、その集合として
の多重光球殻NKを得る方法をとる。第17図は、その状態
を示したものである。実施例2の第4図で示したよう
に、コヒーレントに多重記録された部分ホログラムHi
1っの再生光Lを照射することによって、部分・多重光
球殻Nkを得ることができる。
そして、その部分・多重光球殻Nkの集合として多重光球
殻NKを得ることができる。この方法によって、第17図に
示すように、再生光L1に対応して部分・多重光球殻Nk1
を得、それらの集合として多重光球殻NK1を得ることが
できる。次に、再生光L2に対応して部分・多重光球殻Nk
2を得、それらの集合として多重光球殻NK2を得ることが
できる。
このようにして実現される多重光球殻NK1とNK2とにおい
て、再生光の方位角θを連続的に変化させることによっ
て、その中心P1(x1,y1,z1)を連続的にP2(x2,y2,z2
まで移動させることができる。
実施例7:ホログラフィーの技術を利用した進行多重光殻
SNK′の移動によって物質に速度を与える方法。
実施例6の多重光殻NK′の移動によって物質に速度を与
える方法は、実施例3に示した進行多重光殻SNK′を利
用することによって、より高性能なものになる。
以下、簡単のために、進行多重光殻SNK′のかわりに進
行多重光球殻SNKを、又、物質のかわりにプラズマを用
いて述べるが基本的にはほとんど同等である。
実施例3において示したように、進行多重光球殻SNK
は、多重光球殻NKに比して、プラズマをより効率よくそ
の内部に閉じ込めることができる。
従って、第18図に示す進行多重光球殻SNK′に、第13図
で示したようなエネルギー偏在の方法を適用すれば、実
施例6と同様にして内部プラズマの重心P1(x1,y1,z1
に速度を与えて、図示のように、P2(x2,y2,z2)まで移
動3させることができる。なお、進行多重光球殻SNKの
移動とエネルギー量の調整に関しては次のとうりであ
る。
まず、エネルギー量の調整に関しては発明5と実施例6
に示した方法に準ずる。次に、進行多重光球殻SNKの移
動に関しては、実施例3の第8図に示した方法と実施例
6の第17図に示した方法とを組合せてなる方法になる。
即ち、第8図に示した方法は、部分ホログラムHiにイン
コヒーレントに多重記録された部分・多重光球殻Nkの時
間とともに変化する(変化がはいると部分・進行多重光
球殻SNkになるが)位置(殻の同心の中心へ向う位置)
の情報を、再生光Lの方位角θを変化させて、時間的に
ずらして変化した位置に結像させる方法である。また、
第17図に示した方法は、部分ホログラムHiにインコヒー
レントに多重記録された部分・多重光球殻Nkの時間とと
もに変化する(時間変化によってSNkになる)位置(中
心Pの位置)の情報を、再生光Lの方位角θを変化させ
て時間的にずらして、変化した位置に結像させる方法で
ある。即ち、第8図の方法と第17図の方法とは原理的に
は同等である。
そこで、同等の方法を2っの目的に同時に利用するに
は、方位角θの取り方を互いに直交するX軸上とY軸上
とに取り、かつ、それら2っの目的の情報を部分ホログ
ラムHiにインコヒーレントに多重記録しておけばよい。
第19図は、再生光Lと部分ホログラムHiとの関係を示し
たものである。同図(イ)は、一方の目的に対応して、
再生光Laとその方位角をX軸上ねαだけ変化させた再生
光Lbとを示している。又、同図(ロ)は、他方の目的に
対応して、再生光Laとその方位角をY軸上でβだけ変化
させた再生光Lcとを示している。即ち、一方の目的にの
み対応するときは、同図(イ)のαを変化させ、同図
(ロ)のβはゼロとすればよい。又、他方の目的にのみ
対応するときは、同図(イ)のαはゼロとして、同図
(ロ)のβを変化させればよい。また、別の方法とし
て、再生光の方位角を変えるかわりに可変ホログラムを
利用する方法がある。機械式、又は、電子式の可変ホロ
グラムを利用する場合は、原理的には1っの再生光で自
由な実像を得ることができる。又、再生光の方位角を変
化させる方法と可変ホログラムによる方法とを組合せた
方法も可能である。
上記のようにして得た移動する部分・進行多重光球殻SN
kの集合として、目的の移動する進行多重光球殻SNKを得
ることができる。又、準じた方法で移動する進行多重光
殻SNK′を得ることができる。
実施例8:ホログラフィーの技術を利用した分割進行多重
光殻BSNK′の移動によって物質に速度を与える方法。
実施例7の進行多重光殻SNK′の移動によって物質に速
度を与える方法は、実施例4に示した分割進行多重光殻
BSNK′を利用することによって、より完全な性能をもた
せることができる。以下、簡単のために、光殻のかわり
に光球殻を、又、物質のかわりにプラズマを用いて述べ
るが基本的にはほとんど同等である。
分割進行多重光球殻BSNKは、実施例4において示したよ
うに、進行多重光球殻SNKに比してプラズマをより完全
にその内部に閉じ込めることができる。ここで、分割進
行多重光球殻BSNKは実施例4において示したように、内
部空間0V1の部分における圧力差に対応することができ
る機能を有する。従って、その機能を作用させながら分
割進行多重光球殻BSNKを移動させることによって、その
内部の空間に閉じ込めたプラズマに速度を与えることが
できる。又、分割進行多重光球殻BSNKを移動させる方法
は、実施例7の進行多重光球殻SNKの場合とほぼ同様で
あるが、相違点は次のようなことである。実施例7の具
体例が隣り合った部分・進行多重光球殻SNkどうしにお
いて、多重殻の中心方向に向う進行が同位相で進行する
という制約があるのに対して、分割進行多重光球殻BSNK
ではその制約がなく、隣り合った部分・分割進行多重光
球殻BSNkが互いに独立性をもった位相進行速度を持って
いるという点である。この独立性によって、内部(又
は、外部:進行を逆にすると圧力が逆になる)圧力の差
に自由に対応することが可能になる。ここで、分割の数
は固定ホログラムを利用する場合は部分ホログラムの数
を上限とするが、その理由は各分割ごとの作動の独立性
が再生光の独立性を必要とする(この場合、1再生光1
部分ホログラムを仮定している)からである。ただし、
電子式の可変ホログラムを用いた場合は、一定の再生光
で自由な結像が得られるので分割の数は自由になる。こ
こで、可変ホログラムのうち、特に自由度の大きいコン
ピューター制御の電子式可変ホログラムを用いた場合
は、実施例1から実施例8までの全ての機能を、完全な
性能を持たせながら、同一の装置に持たせることができ
る。
実施例9:ホログラフィーの技術を利用して制御された原
子核反応をおこさせる方法、及び、その装置。
原子核反応には核分裂と核融合とがある。いずれも超高
温で燃料物質を閉じ込めることによって可能である。こ
こでは、一具体例として核融合について説述する。
制御された核融合反応、即ち、核融合炉の実現は産業上
のエネルギー問題を解決する上での最重要課題である。
そのため、従来から、核融合のために必要な条件が研究
されており、それらのほとんどはすでに公知のことなの
で、ここでは詳しく述べない。ただ、一つの重要な基礎
的基準として“ローソンの基準”がある。即ち、重水素
−トリチウム混合燃料についてローソンは、点火温度よ
り高い温度で、密度と閉じ込め時間の積は、限界条件
(プラズマがエネルギー平衡する限界点)を達成するた
めに立方センチメートル当り1014秒に等しくなければな
らないことを見いだしている。その後の研究で多くの他
の条件が付加されているが、結果的にローソンの基準に
非常に近い値をえている。点火温度については、重水素
−トリチウム混合燃料については摂氏約4,000万度であ
る。しかし、他の燃料については、点火温度は摂氏約1
億度を要するものもある。
上記のように、核融合炉を実現するための主要条件は、
燃料プラズマを超高温に加熱すること、及び、その超高
温プラズマの閉じ込めを制御することである。
従来の技術としては、超高温プラズマを閉じ込めるの
に、磁力線を利用した磁気閉じ込め方式やレーザー核融
合、イオンビューム核融合などの慣性閉じ込め方式が主
なものである。磁気閉じ込め方式の長所はプラズマ閉じ
込め時間が比較的長いことである。又、慣性閉じ込め方
式の長所はプラズマ密度が高いことである。しかし、両
者ともその長所が“閉じ込め時間”と“密度”のうちの
何れか一方にしか当っていないことが、その実現のため
の効率をあまり高いものにしていない。
当実施例(実施例9)は、ホログラフィーの技術を利用
して、燃料プラズマを超高温に加熱し、かつ、その超高
温プラズマの閉じ込めを制御するものである。
実施例1を利用することによって、慣性閉じ込め方式の
核融合炉をつくることができる。実施例1を利用した方
式は、従来提案されているレーザーやイオンビュームを
燃料ペレットに照射(イオンの場合は投射)する慣性閉
じ込め方式に類似したことをホログラフィーによって行
うものである。
慣性核融合におけるペレット照射においては、ペレット
の外殻を加熱することによって、爆縮により内部燃料に
加熱と圧縮を行う。そして、その加熱、及び、圧縮と慣
性閉じ込めとによりローソンの基準を満し、核融合の点
火を行いエネルギーの取り出しを行うものである。当実
施例(実施例9)の1っの方式は、上記の爆縮に要する
球殻状の加熱を、実施例1の単一光球殻1Kによって実現
するものである。ホログラフィーの技術を利用した単一
光球殻1Kにあっては、球殻状の加熱を、一定の空間領域
において、任意の位置に幾何学的に実現することができ
る。第20図はその一例の断面を示したものである。同図
において、実施例1の方法によって実現する中心部に大
きな半径で実像化された単一光球殻1Kaは、真空容器6,
7,8の内部に注入された低密度の燃料気体(又は、燃料
プラズマ)をその内部空間に取り込むことができる。次
に、プラズマの加熱、及び、圧縮と閉じ込めを行いなが
ら、その半径を縮小しつつ単一光球殻1Kbにいたる。こ
の過程で核融合の点火を行いエネルギーを取り出すこと
ができる。ここで、従来の慣性閉じ込め方式では、閉じ
込め時間は約10-8秒ほどであり、非常に短かい為に、燃
料の密度を固体密度の103〜104倍にしなければならな
い。この為に様々な困難が生じている。しかし、当実施
例(実施例9)の半径を変化しえる単一光球殻1Kを利用
した方法では、単一光球殻1Kによる加熱はその位置が幾
何学的に安定しており、かつ、連続的に自由な加熱が行
えるので、閉じ込め時間も10-8秒のオーダーよりはずっ
と長くすることが可能である。従って、燃料の圧縮も固
体密度の103〜104倍という大きなものを要しないので、
限界条件をつくりだす困難は少なくなる。又、単一光球
殻1Kのエネルギーは、使用する電磁波の振幅と振動数を
大きくすることで、その量を増大することができる。
従って、当実施例(実施例9)による方法は原理的に大
きな効果をもつものである。
以上の様にして起すことの出来る核融合反応をパルス状
に発生させることにより、制御された核融合反応を行う
ことができる。
次に、核融合反応により発生したエネルギーの取り出し
方について述べる。第20図に示す単一光球殻1Kbの内部
における核融合反応により発生したエネルギーは電磁波
となって球状に放射する。又、一部は燃焼したプラズマ
とともに真空容器6,7,8の外部へ取り出される。電磁放
射するエネルギーについて詳述すると以下の通りであ
る。第20図は、核融合により発生した電磁波エネルギー
を真空容器6,7,8の外壁7と内壁8との間を流れる媒体
によって吸収し外部へ取り出す方法を示している。この
場合、媒体としては気体、又は、液体を用いるがその両
者を併用することも可能である。第21図は、第20図に示
す真空容器6,7,8を拡大して示したものである。真空容
器の外壁7と内壁8の間に空間をつくり、そこに気体
(一例として、不活性ガスのヘリウム)を流す。フレー
ム6aの内部ダクトから流出した気流10は、真空容器の外
壁7と内壁8、及び、部分ホログラムHiを冷却して、フ
レーム6bの内部ダクトに流入する。従って、核融合反応
によって発生した電磁放射9のエネルギーは、真空容器
6,7,8と気流10とにエネルギーを吸収され、気流10を媒
体として外部へ取り出される。その後は、気流10に吸収
された熱エネルギーを従来公知の方法によって発電など
に利用することができる。ここで、熱媒体としての気体
の密度は、部分ホログラムHiを通過する再生光Lと回折
光L′の性能低下をもたらさない程に小さくしなければ
ならない。その場合は、気流速度を速くすることによっ
て熱媒体としての容量を大きくすることが可能である。
又、気体のかわりに液体を用いることも出来るが、その
場合は気泡が生じないようにし、部分ホログラムHiを通
過する再生光Lと回折光L′の性能低下の無い様にしな
ければならない。又、媒体を利用しないで、熱伝対など
を用いて直接的に発電することも可能である。第22図
は、熱媒体として気体と液体を併用した場合の一例を示
す。
フレーム6aの内壁側の一部を流体の通路11にして、真空
容器6,7,8を強く冷却すると同時に核融合によって生じ
た電磁放射9を吸収する。
この部分は、部分ホログラムHiを通過する再生光Lや回
折光L′の通路ではないので自由に液体を流すことがで
きる。又、この液体の代りに密度の高い気体を通すこと
も可能である。
第23図は、第20図に示した真空容器6,7,8と部分ホログ
ラムHiとを空間的に分離したものの一例の断面図であ
る。この場合は、第1の場合として、部分ホログラムHi
の集合としてなるホログラムHが燃料気体(又はプラズ
マ、ただし、超高温ではない)を通過させるように、ホ
ログラムHの干渉縞が空間的な隙間をもつ場合や部分ホ
ログラムHiの隣接するものとの間に隙間がある場合があ
る。又、第2の場合として、ホログラムHが気体を通さ
ず、それ自体が真空容器になっている場合がある。上
記、第1の場合には、真空容器のところで、再生光Lや
核融合による電磁放射9の冷却を行ったり、エネルギー
の取り出しを行ったりする。又、この場合は、水素など
の燃料気体がホログラムHやホログラム支持構造体12や
真空容器内壁8などを腐蝕する恐れがあるので、それら
の材料に腐蝕しないものを用いる様にすることを要す。
上記、第2の場合には、ホログラムHが真空容器になっ
ているので、それより外部の材料選択の自由度が増す。
又、この場合は、真空容器が外部と内部に2重になる
が、冷却やエネルギーの取り出しは外部の真空容器でも
第1の場合と同様に行う。第24図は、第20図に示した真
空容器とホログラムを空間的に分離したものの一例のう
ち、ホログラムを外側に配置したものである。この場
合、外側には第20図の場合と同様の真空容器6,7,8を用
いて、再生光Lや回折光L′がよく通過するようにす
る。
又、内側の真空容器13を有するので、燃料気体、又は、
プラズマ(ただし、超高温ではない)がその内部に閉じ
込められる。したがって、その外側は燃料の水素ガスな
どによる材料の腐蝕の心配がなくなる。即ち、使用材料
などに関する自由度が増大する利点がある。又、内部真
空容器13の位置で核融合反応による電磁放射9などの熱
を吸収するようにした場合、即ち、その部分に熱媒体装
置を組み込んだ場合には、外部真空容器6,7,8の位置で
の冷却能力はより低いものでよくなる。
第24図において、再生光Laによって生じる実像は単一光
球殻1Kaであり、それと方位角θだけ変化した再生光Lb
によって生じる実像は単一光球殻1Kbである。まず、再
生光Laによって単一光球殻1Kaを発生させて燃料気体
(又はプラズマ、ただし超高温ではない)を多く取り込
み、次に、再生光Laの方位角をθだけ連続的に変化させ
て再生光Lbの位置まで移動させると、単一光球殻1Ka
連続的に体積を縮小して、内部のプラズマ密度を上昇し
ながら単一光球殻1Kbとなってその内部にプラズマを閉
じ込めることができる。ただし、その後は時間とともに
次第にプラズマを外部に流出するので余り長時間の閉じ
込めは困難である。
次に、実施例2を利用することによってプラズマを閉じ
込め核融合炉をつくることができる。
実施例2を利用した方式は実施例1を利用した方式をよ
り改良したものである。実施例2による多重光球殻NK
は、実施例1による単一光球殻1Kに比して、プラズマを
より高性能に閉じ込めることができる。即ち、多重光球
殻NKを用いることによって、プラズマの加熱ができると
同時に、プラズマの密度や閉じ込め時間をより容易に向
上することができる。その他の条件や装置などについて
は実施例1を利用した場合に準じて行うことができる。
次に、実施例3を利用することによってプラズマを閉じ
込め核融合炉をつくることができる。実施例3を利用し
た方式は、実施例2を利用した方式をより改良したもの
である。実施例3による進行多重光球殻SNKは、実施例
2による多重光球殻NKに比してプラズマをより高性能に
閉じ込めることができる。即ち、進行多重光球殻SNKを
用いることによって、プラズマの加熱ができると同時
に、プラズマの密度や閉じ込め時間をより容易に向上す
ることができる。さらに、進行多重光球殻SNKは、その
進行速度などの調整によって、外部のプラズマをその内
部に取り込んだり、又、逆に内部のプラズマをその外部
に取り出したりすることができる。したがって、この機
能を利用すれば、内部のプラズマ密度を高くしたいとき
に、単一光球殻1Kや多重光球殻NKのようにその半径rを
大から小にするような操作を必ずしも必要としないし
(半径rを変化する方法も可能である)、又、内部プラ
ズマを自由に外部へ排出して内部のプラズマ密度を下げ
ることもできるので、より微妙な調整が可能である。そ
の他の条件や装置などについては、実施例1を利用した
場合に準じて行うことができる。
実施例4を利用することによってプラズマを閉じ込め核
融合炉をつくることができる。実施例4を利用した方式
は、実施例3を利用した方式をより改良したものであ
る。実施例4による分割進行多重光球殻BSNKは、実施例
3による進行多重光球殻SNKに比してプラズマをより完
全に閉じ込めることができる。即ち、分割進行多重光球
殻BSNKを用いることによって、プラズマを加熱できると
同時に、プラズマの密度や閉じ込め時間をほとんど自由
にコントロールすることができるので、様々な種類の燃
料による核融合反応を行うことができる。このためP−
B反応のように中性子を伴わない核融合反応も原理的に
十分可能である。
このことは産業上極めて重要なことである。なぜなら、
中性子を伴わない核融合反応の実用化は全くクリーンな
核融合発電を可能にし、地球上のエネルギー問題を完全
な形で解決するものだからである。その他の条件や装置
などは、実施例1を利用した場合に準じて行うことがで
きる。
実施例5、実施例6、実施例7、又は、実施例8を利用
することによって、プラズマを閉じ込め核融合炉をつく
ることができる。実施例5を利用する方式は実施例1を
利用する方式に準じて行う。実施例6を利用する方式は
実施例2を利用する方式に準じて行う。実施例7を利用
する方式は実施例3を利用する方式に準じて行う。そし
て、実施例8を利用する方式は実施例4を利用する方式
に準じて行うことができる。又、実施例1から実施例8
までの一部、又は、全部を利用して行う方式も可能であ
る。
実施例10:ホログラフィーの技術を利用して、ホログラ
フィー工作機械(日本特許出願番号56−062396号参照)
の真空工作室をつくる方法、及び、その装置。
ホログラフィー工作機械とは要約して説明すれば、電磁
波、又は、音波等の波動エネルギーの空間分布を一定の
三次元空間において任意に実現することのできる、ホロ
グラフィー(実用上は、計算機ホログラフィー)の技術
を応用して、製作物の設計情報を空間エネルギー分布と
して実現し、次に、その波動エネルギーの空間分布にお
ける高低差(通常は温度差)を利用して、気体化した材
料の昇華を通して、空間化した製作物の設計情報を実物
質化することによって、製作物をつくる工作機械であ
る。
第25図はその一例を示した断面図である。
真空工作室18の略中央部分に製作物19を載置する台16を
設けると共に、所定の周壁部分に1又は2以上の部分ホ
ログラムHiと、目的空間に向けて気化した材料を放射す
る1又は2以上の気化材料供給ノズル14と、目的空間に
おける残余の気体化している材料を回収する1又は2以
上の気化材料回収ノズル16を配置し、更に上記台16には
冷却制御を行うための冷却媒体の流体を通すスペース17
を設けて成るものである。同図中において、21は予定製
作物の外形、20は結晶化途中の断層体を示している。
当実施例(実施例10)は、上記のホログラフィー工作機
械において重要な要素の一つである真空工作室をホログ
ラフィーの技術を利用して実現するものである。真空工
作室18は気化材料が満されるので気化材料が内壁8を付
着することがある。
製作速度が遅い場合や小さなものを製作する場合には気
化材料の量も少ないので内壁8への付着速度も小さい。
しかし、製作速度を増す場合には、内壁8への材料の付
着の問題はこれを根本的に解決しなければならない。
実施例10は上記の問題点を根本的に解決するものであ
る。実施例4を利用することによって、外部真空工作室
18′の内部に分割進行多重光殻BSNK′による気化材料を
閉じ込める内部真空工作室22(第26図参照)を実現でき
る。第27図はホログラフィー工作機械へ適用した一例を
示したものである。内部真空工作室22を外部真空工作室
18′の内部に実現することによって、外部真空工作室1
8′の内壁8に気化材料36′が付着する問題は根本的に
解決される。分割進行多重光殻BSNK′による内部真空工
作室22は、それぞれの部分ホログラムHiを通過する回折
光L′の集合によって実現される。このとき、ホログラ
ムH(Hiの集合)に製作物の製作に関する情報も内部真
空工作室22の情報と同時に記録されていれば、同一のホ
ログラムHを利用して工作のための実像も同時に結像す
ることができる。又、この内部真空工作室22は、製作物
19の形状や製作段階に応じて、その形態や寸法を自由に
変えることができるので無駄のない工作をすることがで
きる。
実施例1、実施例2、又は、実施例3を利用することに
よって気化材料36′を閉じ込める上記の内部真空工作室
22を実現することができる。実施例1の単一光殻1K′を
用いる場合は長時間にわたって完全に閉じ込めることは
できないが、単一光殻1K′の内部における気化材料の密
度をその外部よりも高く保つことができる。実施例2の
多重光殻NK′を用いる場合は、実施例1を用いる場合に
比してより性能の高いものにすることができる。
実施例3の進行多重光殻SNK′を用いる場合は、完全に
気化材料36′をその内部に閉じ込めることができるが、
内部圧力の非一様な変動に対応する場合に、再生光Lの
エネルギー量を調整する方法によらなければならない。
これらに対して、始めに示した実施例4を利用する場合
は完全に自由な性能をえることができる。
さらに、実施例5、実施例6、実施例7、又は、実施例
8を利用することによって、気化材料36′を閉じ込める
上記の内部真空工作室22を実現することができる。実施
例5を利用する方式は実施例1を利用する方式に準じて
行う。実施例6を利用する方式は実施例2を利用する方
式に準じて行う。実施例7を利用する方式は実施例3を
利用する方式に準じて行う。そして、実施例8を利用す
る方式は実施例4を利用する方式に準じて行うことがで
きる。又、実施例1から実施例8までの一部、又は、全
部を利用して行う方式も可能である。
実施例11:ホログラフィーの技術を利用した粒子加速装
置。
高エネルギー物理学の実験や医療用、工業用などにおい
て重要な粒子加速装置はホログラフィーの技術を利用し
て実現することができる。
従来の粒子加速装置を大別すると、直線加速装置、サイ
クロトロン、ベータトロン、シンクロトロン、及び、そ
れらの機能を組合せたものなどがある。これらのうち、
直線加速装置やサイクロトロンは静電的クーロン斥力を
利用して荷電粒子を加速するものである。直線加速装置
は、一直線上に中空電極を並べて真空中に入り、その中
に荷電粒子を入れると、電極ごとに次第に加速されるよ
うにしたものである。サイクロトロンは、真空容器の中
に荷電粒子を渦巻形の軌道を描かせ、軌道半径を次第に
増大しながら加速するものである。又、ベータトロンや
シンクロトロンは電磁誘導を利用して荷電粒子を加速す
るものである。
ベータトロンは中空ドーナッ状の真空容器の軌道で荷電
粒子を次第に加速するものである。シンクロトロンは円
盤状の真空容器の軌道で荷電粒子を加速しながら磁場を
変化させることによって加速限界を増大させたものであ
る。
これら、従来の粒子加速装置の方法に対して、当実施例
(実施例11)の粒子加速装置は電磁波を利用した点が基
本的に異っている。又、電荷のない粒子でも加速でき
る。実施例8の分割進行多重高殻BSNK′の移動によって
物質に速度を与える方法を利用することによって粒子加
速装置をつくることができる。粒子加速装置に要求され
る基本的機能は、様々な種類の粒子を加速できること、
様々な速度に加速できること、及び、様々な量を加速で
きることである。これら全ての機能が十分に満されるも
のであれば非常に高性能な粒子加速装置になる。
分割進行多重光球殻BSNK′がプラズマを完全にその内部
に閉じ込めることができることは実施例4に示したとう
りである。又、閉じ込めたプラズマに自由な速度を与え
ることができることは実施例8に示したとうりである。
第27図は、分割進行多重光殻BSNK′の形をその軌道中心
の直径がDの中空ドーナッ状にして、中空部分に分割進
行多重光殻BSNK′によるピストン25を配置したものであ
る。ドーナッ状の中空部分に粒子群26を取り込んだのち
ピストン25を回転させれば、粒子群26はピストン25に押
されて軌道上で次第に加速することができる。
次に、所定の速度に達した時点で中空ドーナッ状リング
23の一部を放射管24のように変形させれば、粒子群26を
目的の方向に取り出すことができる。粒子群26の速度を
大きくするには、電磁波のエネルギー密度と光殻の進行
速度とを大きくして分割進行多重光殻BSNK′の粒子群26
を閉じ込める力を大きくすること、及び、光殻によるピ
ストン25の回転速度を大きくすることが必要である。第
1の電磁波のエネルギー密度は、振動数と振幅を大きく
することによって達成される。
ただし、この場合に振動数や振幅が粒子群26によく作用
することが必要である。第2のピストン25の回転速度に
関しては次のとうりである。
自然界での最大速度は光速である。しかし、人工的方法
では疑似的に光速以上に見えるものが存在する。第28図
(イ)のように、直線上に等間隔で並んだ電球Ii(iは
1〜n)を光束27が1秒間かかって進む距離3億メート
ルの間にn個だけ配置するとする。あらかじめ時間をセ
ットしたスイッチを作動させれば、電球をI1から順番に
点滅して等時間間隔でI2以下Inまで点滅することがあ
る。このとき、スイッチはあらかじめセットしておくの
で点滅時間の間隔は自由にとることができる。ここで、
nの数を非常に多くして点滅を側方の遠方から見れば、
1つの光点が光速以上の速さで移動するように見える様
にすることができる。第28図の(ロ)は、光束27が始点
Aから発して3億メートルに達しない状態を示してい
る。同時に始点Aを発して終点Bへ行く光束27と平行に
進む電球Iiの信号は光束27より早く終点Bに達するよう
にみえる。このことは、I1から発した情報がI2以下を介
してInに達することを意味しないのは勿論である。
しかし、以上のことからして、あらかじめ決定されてい
る情報に基いて作動する分割進行多重光殻BSNK′は、パ
ルス状に移動するときは、光速以上で移動するように見
えることは可能である。
ここで、パルスの移動距離の間隔を限りなく小さくして
いくと粒子の直径の数十分の一以下、あるいは、それ以
下にすることは原理的に可能である。このようにした場
合は、粒子群26に作用する光殻にピストン25は、ほぼ連
続的に移動するものと見なすことができるので、実質的
に光殻によるピストン25は超光速で回転すると見なすこ
とができる。ただし、移動距離の間隔をゼロにすること
はできない。又、粒子群26は光速以上にならないので、
粒子群26を光速以上で押すことができない。又、分割進
行多重光殻BSNK′を作動させる場合に、粒子群26の運動
を観測してフィードバックを必要とする部分の作動速度
は、フィードバックのための情報を伝達することを要す
るので、明らかに光速以下になる。ただし、粒子群26に
よる内部圧力の変動に比して光殻によって発生する圧力
が十分に大きい場合には、あらかじめ決定された作動が
可能なので、フィードバックの問題は省略することがで
きる。以上の様にして、分割進行多重光殻BSNK′による
ピストン25の回転によって粒子群26を光速に極めて近い
速度まで加速することが原理的に可能である。このこと
は、当実施例(実施例11)による粒子加速装置が、従来
の粒子加速装置と同等か、又は、より以上の性能を有す
るものであることを示している。
第29図の(イ)は、分割進行多重光球殻BSNKが、その内
部に粒子群26を閉じ込めて直径Dの円軌道4を速度vで
回転している状態を示している。ここで、瞬間的に光球
殻BSNKを消滅させると、粒子群26を接線方向に速度vで
取り出すことができる。この場合に、粒子群26が圧縮さ
れていた場合には飛翔しながら膨脹するが、始めの速度
が大きい場合には膨脹の割合は小さい。
又、光球殻BSNKを円軌道4を回転させないで、直線状に
移動させて加速することが可能である。所定の速度vに
達したとき光球殻BSNKを消滅させれば、同様にして、加
速された粒子群26を取り出すことができる。又、光球殻
BSNKのかわりに、先に示したドーナッ状の中空リングを
直線状に伸したものでも加速された粒子群26を取り出す
ことができる。
第30図は、直径Dの円軌道4で超高密度の粒子群26を超
高速度vで回転させる場合の方法を示している。粒子群
26に加えられる力は、粒子群26を圧縮して閉じ込める
力、及び、粒子群26を円軌道4上で回転させるための力
である。同図において、それらの力は、分割進行多重光
球殻BSNKと分割進行多重光殻BSNK′との組み合せによっ
て発生している。
粒子群26の回転に関して作用する力は遠心力とバランス
する為の力F2と接線方向に加速するための力F1とであ
る。そして、その合力として力Fが作用している。この
力Fと粒子群26を閉じ込める力とに対応しているもの
が、上記の分割進行多重光球殻BSNKと分割進行多重光殻
BSNK′とを組合せた第30図に示すような勾玉状の形をし
た光殻である。力F2に対応する圧力を発生するために遠
心力の方向に付加された形となる。又、力F1に対応する
ために後方に付加された形となる。ここで、力F1と力F2
との合力である力Fが作用しているので、静的に考えた
場合には付加される分割進行多重光殻(BSNK′)は同図
の点線で示したようになる。しかし、実際には実施例1
から実施例8において示したように、粒子群26はこれら
分割進行多重光球殻BSNKと分割進行多重光殻BSNK′とを
組合せた勾球状の光殻の全体の中にも分布しており、
又、光殻全体(26,BSNK,BSNK′)が円軌道4を超高速度
vで回転している。従って、光殻中での力の伝達速度と
粒子群の分布などから、点線で示した後方にまっすぐに
のびた形のようにはならず、後方に行くに従って連続的
に円軌道4の中心方向に曲った形になる。従って、全体
は所謂“勾玉”のような形になる。この勾玉形の分割進
行多重光殻(上記の、BSNKとBSNK′の全体)によって粒
子群26を円軌道4上に回転させ、次第に加速してから、
所定の速度に達したときに瞬間的に光殻を消滅させれ
ば、粒子群26を接線方向に取り出すことができる。この
場合に、粒子群26が圧縮されていた場合は膨脹しながら
飛翔するが、速度vが大きい場合には膨脹の割合は小さ
くなることは先に示したとうりである。
第31図は、直線型の粒子加速装置を示したものである。
粒子群Mを光殻(一例として分割進行多重光球殻BSNK)
によって閉じ込め、同時にその光殻を移動させることに
よって粒子群Mを一直線上に加速する状態を示してい
る。粒子群Mに作用するのは近辺の部分ホログラムHi
らの回折光L′である。粒子群Mの移動に平行して使用
される部分ホログラムHiを順次近辺のものに変えること
はコンピュターで制御された可変ホログラムを利用する
ことによって可能である。
加速をされた粒子群Mは光殻による真空ポンプ47(SN
K、BSNK等はポンプの作用をなす)をそのまま通過(又
は、通過部分の光殻をその部分のみ消滅させる)して真
空容器前室48をへて、さらに真空ポンプ47を通過して外
部空間に取り出される。
第32図aは、第31図のa−a断面を示している。それは
周囲の部分ホログラムHiからの回折光L′によって光殻
を形成しその内部に粒子群Mを閉じ込めて加速する状態
を示している。
同図bは第31図のb−b断面を示している。
それは光殻による真空ポンプ47によって界壁49の開口部
46を塞ぎ、かつ、空気を排出して内部を真空に保つ働き
をする。
又、この直線型粒子加速装置の後方に回転軌道をもつ粒
子加速装置を接続して、初期加速を回転軌道で行うもの
をつくることができる。
次に、この粒子加速装置を発展させることによって重力
波発生装置をつくることができる。
重力波の存在は現在までのところ実験的に確認されては
いない。しかし、アインシュタインの一般相対性理論に
よって、その実在が理論的に証明さており、その発生の
ために必要な条件も定量的に明らかにされている。そし
て、アインシュタインの一般相対性理論が真理であるこ
とは、天文学上の数々の予言の的中(実験、又は、観測
による確認)等によって、現在ではほぼ100%の物理学
者によって公認されている。それにもかかわらず、重力
波発生装置が実現されなかったのは、単にその理論によ
って定量的に明らかにされている条件を満す装置を実現
する方法が見つからなかったからにすぎない。ここで
は、重力波の効果的な発生条件を満すことのできる非常
に強力な粒子加速装置としての重力波発生装置をつくる
方法について述べる。
原理的には重力波の発生は極めて簡単である。
変化する質量四重極があればよい。たとえば、第33図に
示すような2つの等しい質量Mをバネ29で結びつけたも
ので十分である。又、第34図に示すような回転している
棒31も重力波発生装置となる。同図(ロ)に示すよう
に、回転面から見て、棒31の射影は、棒31の正面と側面
の間を、回転しながら、伸びたり縮んだりする。この運
転が振動する質量四重極となる。問題は、このような方
法による重力波発生装置では、非常に小さい出力しか得
られないことである。たとえば、10万トンの鉄の棒31を
1秒間に1回転させたときの出力は10-24J/秒(J/秒は
ワット)である。家庭用の電灯をともそうと思えば上記
パワーの1兆倍の1兆倍が必要である。従って、これら
の方法による重力波発生装置の技術的価値はほとんどな
いと言ってよい。
結論を言えば、大きな重力波効果は、光速に近い速さで
走り(vc)、極めて小さくて重力半径に近い(D
rg)ような系でのみ生じる。
第35図は、2つの等しい質量Mを直径Dの円軌道4上を
180度対向にへだてて、同一方向に、同一速度vで回転
させるものである。この運動は振動する質量四重極とな
る。これを用いて重力波を効果的に発生させるには、速
度vを光速cに近くし、円軌道4の直径Dを重力半径rg
(桁数の大きい略算であるので、簡単のため、直径D〜
半径rgとする)に近くすることである。
以下、略計算により計算を行う。
第35図における重力波のパワー出力は、近似的に次式
(公知の式)で与えられる。
(rg/D)・(v/c)・c5/G ……(1) 又、重力半径rgは次式(公知の式)で与えられる。
rg=2GM/c2 ……(2) ただし、Gは重力定数、cは光速である。
ここで、一例として、質量Mを500kg、その直径φを10
-5m、軌道の直径Dを10-4m、速度vを0.9c(cは光速)
として、これらを式(1)、式(2)に代入すると rg=2GM/c2≒2×6.67×10-11×500 ÷(3×108≒7.4×10-25m したがって (rg/D)・(v/c)・c5/G ≒(7.4×10-25/10-4 ×(0.9/1)×(3×108 ÷(6.67×10-11)≒1.06×1012 J/秒 即ち、重力波放出のパワー出力は約1兆ワットになる。
これは約13億馬力に相当する。
ここで、直径が10-5mで質量が500kgの場合、その密度は
中性子密度の約10分の1になる。このような超高密度の
物質Mを直径10-5m(100分の1ミリメートル)の球体と
し、さらに、直径10-4m(10分の1ミリメートル)の円
軌道4上を光速cの90%の超高速度vで回転させるこが
できれば、上記のような効果的な重力波発生装置が可能
ある。ただし、上記の具体的数値は一例であって、1兆
ワットというような高出力でない場合は条件はもっと容
易である。
しかし、又、さらに高出力のものも原理的に可能であ
る。
第36図は、部分ホログラムHiの集合によってなる球状ホ
ログラムHに再生光Lを照射して、真空容器7,8の内部
に分割進行多重光球殻BSNKをつくり、2つの等しい質量
Mを直径Dの円軌道4上に180度に対向させて速度vで
同一方向28′に回転させる状態を示している。その方法
は第29図に示したものに準じて行うことができる。この
とき、質量Mを超高密度にするためには、分割進行多重
光球殻BSNKの粒子群26を閉じ込める力を大きくしなけれ
ばならない。その方法は、先にも示したように、使用す
る電磁波の振幅と振動数とを大きくすることによって達
成される。第37図は、第30図で示した勾球形の分割進行
多重光殻BSNK′によって、2っの等しい質量Mを直径D
の円軌道4上に180度に対抗させて速度vで同一方向2
8′に回転させている状態を示している。第30図によっ
て示したように、勾球形の分割進行多重光殻BSNK′は粒
子群26を超高密度に圧縮し、さらに、超高速度vで円軌
道4上を回転させることが可能である。
粒子の超高密度圧縮に関して、1984年に中性子の密度ま
で圧縮した例がアメリカとドイツで発表されている。今
回の例では、その10分の1であり十分に可能なことであ
る。又、円軌道4上を超高速度vで回転させることに関
しては次のとうりである。従来の粒子加速装置を用いた
場合、電子は300万eVですでに光速の99%に達する。電
子をこれ以上に加速する場合には、相対性理論によっ
て、粒子の質量を増加させることになる。電子を300MeV
にまで加速すると質量は600倍にも増加する。しかし、
陽子などの質量の大きい粒子を加速する場合は、たとえ
ば、陽子を300MeVにまで加速しても質量の増加は30%程
度である。これは、陽子の質量が電子の1,800倍ほども
あるからである。このように、光速に近い速度(v
c)で回転させる場合には、質量の増加がありうること
を考慮に入れて装置を設計しなければならない。
又、円軌道4を回転する質量Mの個数をふやせば、放出
する重力波の振動数を増すことができる。
ただし、連続したドーナッ状になり軸対称になると重力
波は放出されなくなる。
第38図の(イ)は、直径Dの球状の透明(回折光L′に
対して透明)な内部真空容器13をもつ重力波発生装置の
略図である。一例として、Dを1.25mとすると、その内
容積は約1m3となる。これに比重1の流体を満すと、流
体の質量は約1,000kgになる。次に、これに再生光Lを
与えて、分割進行多重光殻BSNK′により流体を圧縮す
る。流体は加熱されると、始め液体であった場合は気
体、又は、プラズマになる。分割進行多重光殻BSNK′
は、外部の物質をもその内部に取り込むポンプの働きを
するので、外部に取り残された物質をその内部に完全に
取り込むことができる。このようにして全部を取り込
み、圧縮しながら、さらに小さく圧縮して、同図(ロ)
に示すように分割して、2っの勾球状の分割進行多重光
殻BSNK′の組をその内部につくることができる。
第38図(ロ)において、質量が2等分されている場合、
その1っの質量は500Kgとなる。
これを直径10-5mの球状に圧縮すると、その密度は中性
子密度の約10分の1になり、先に示した条件を満すこと
ができる。この重力波発生装置は、又、核融合(実施例
9参照)をも同期におこすことができるので、核融合炉
を兼ることができる。第38図の(イ)と(ロ)とにおい
て、内部真空容器13と外部真空容器内壁8との間にある
幅員dの空間33には核融合エネルギー取り出し用の媒体
を通すことによって、エネルギーを外部に取り出すこと
ができる。その方法については実施例9に準じて行うこ
とができる。
以上に示した全ての粒子加速装置は実施例8を利用する
ことによって実現したものである。しかし、実施例5、
実施例6、又は、実施例7を利用することによっても、
実施例8によるものほど高性能なものでなければ、準じ
た方法によってつくることができる。
実施例12:ホログラフィーの技術を利用して、ホログラ
フィー工作機械の工作時における材料運搬を行う方法、
及び、その装置。
ホログラフィー工作機械の内部真空工作室22については
実施例10に示したとうりである。この内部真空工作室22
に閉じ込めた材料気体をそれぞれの工作部分、即ち、結
晶化させる位置まで移動させることは実施例8を利用す
ることによって実現できる。実施例8による分割進行多
重光殻BSNK′は、粒子群26をその内部に閉じ込めたり、
取り込んだり、又、外部へ取り出したりすることができ
る。したがって、この機能を利用することによって材料
気体を自由に移動させて結晶化の位置まで運搬すること
ができる。
第39図はその状態を示した断面図である。
内部真空工作室22の内部に気化材料36′を運搬するセル
35を実施例8の方法を利用することによって実現するこ
とができる。このセル35は、その内部に気化材料36′を
取り込んで、その量と密度とを変化させながら運搬する
ことができる。同図に示すように、気化材料供給ノズル
14から供給された気化材料36′は、内部真空工作室22に
散在する気化材料36′をセル35の中に取り込んで、矢印
28で示すように、目的の位置に移動して供給することが
できる。又、不要なった気化材料36′を取り込んで気化
材料回収ノズル15の方へ運搬することができる。セル35
は自由に発生、消滅、一体化、又は、分離することがで
きる。このようにして、当実施例(実施例12)による方
法はホログラフィー工作機械の性能を向上させることが
できる。
上記に示した気化材料運搬用セル35は、実施例8を利用
することによって実現するものであるが、実施例5、実
施例6、又は、実施例7を利用することによっても、実
施例8によるほど高性能なものでなければ、準じた方法
によって実現することができる。
又、実施例5から実施例8までの2っ以上、又は、全部
を利用することによっても準じた方法によって実現する
ことができる。
実施例13:ホログラフィーの技術を利用して物質に断熱
膨脹冷却を行う方法、及び、その装置。
実施例4を利用することによって物質の断熱膨脹による
冷却を行うことができる。実施例4の分割進行多重光殻
BSNS′は物質を超高密度に圧縮することができる。超高
密度に圧縮するためには光殻による閉じ込め圧力を大き
くしなければならない。それは使用する再生光Lの振動
数を振幅を大きくすることによって可能である。
第40図は物質の断熱膨脹冷却を行う手順を示している。
同図aは低密度物質36を分割進行多重光球殻BSNKに取り
込んだ状態を示している。
同図bは、次にこれを同光球殻BSNKによって高密度に圧
縮した状態を示している。高密度に圧縮された物質37
は、温度上昇により、そのエネルギーを外部へ電磁波と
して放射9する。この電磁放射9が、ホログラフィーに
よる加熱やその他の新たなエネルギーの供給よりも上回
るように調整すれば、高密度物質37はエネルギーを失
う。
次に、同図cに示すように、同光球殻BSNKを膨脹させ
て、圧力を減少させながら高密度物質37を急速に膨脹さ
せると、断熱膨脹により冷却して固体化させることがで
きる。膨脹時には、同光球殻BSNKの圧力を減少すること
ができるので、ホログラフィーによる加熱は少くてす
む。
このとき、膨脹速度が速すぎると物質は爆発的に飛散し
てしまうので注意を要する。それには、最終段階で膨脹
速度を徐々に下げながら、最後に膨脹速度をゼロにする
ように調整すれば整形を保つことができる。以上のよう
にして、例えば、金属などの気化材料36を極めて短時間
で冷却して固体化することができる。この事情は金属以
外の物質に関しても基本的に同様である。又、化学反応
や核反応を伴う場合には、反応によって生じたエネルギ
ーが電磁放射9した後に膨脹を行うことによって断熱冷
却を行うことができる。又、反応が続いてエネルギーが
連続的に発生する場合には、第1段階の膨脹を行って冷
却し、反応が消失してから電磁放射9によってエネルギ
ーが放散したのち、再び、第2段階の断熱膨脹を行って
冷却することが可能である。第40図では球形を例にとっ
て示したが、その他の形状のものも勿論可能である。
以上は、実施例4を利用することによる、物質の重心P
に移動のない状態でその冷却について述べたが、実施例
8を利用する場合は、物質の重心Pに移動がある場合の
冷却も可能である。
第41図は、実施例8による重心Pi′の移動が自由な場合
の、物質に対して断熱膨脹冷却を行う手順を示してい
る。同図aは、低密度物質36を移動可能な分割進行多重
光球殻BSNKに取り込んだ状態を示している。同図bは、
次にこれを、同光球殻BSNKによって高密度に圧縮してエ
ネルギーを電磁放射9する状態を示している。同図c
は、次にこれを、移動可能な分割進行多重光殻BSNK′に
して物質38に変形を与えながら断熱膨脹する状態を示し
ている。又、同図dは、次にこれを、最終的に冷却させ
て固体化39することを示している。ここで、上記のa,b,
c,dにおいて、その重心P0′,P2′,P3′は、実施例8に
よる方法であるから、それぞれ一定の範囲内で自由にそ
の位置を変えることが可能である。
以上に示した断熱膨脹冷却の方法は、気体から液体、気
体から固体、又は、液体から固体の間で断熱膨脹冷却を
することができる。又、気体から気体、液体から液体、
又は、固体から固体の間でも断熱膨脹冷却をすることが
可能である。
実施例1、実施例2、又は、実施例3を利用して、より
性能は低くなるが、実施例4による上記の方法に準じた
ことを行うことができる。又、実施例5、実施例6、又
は、実施例7を利用して、より性能は低くなるが、実施
例8による上記の方法に準じたことを行うことができ
る。
次に、上記に示した方法はホログラフィー工作機械にお
ける材料の冷却に利用することができる。
ホログラフィー工作機械の基本原理は、ホログラフィー
実像によって三次元空間に高温空間と低温空間を実現
し、低温空間にある材料気体が昇華して固体化すること
を利用したものであった。
その時、冷却台16からの伝導によって冷却を行ってい
た。それに対して、当実施例(実施例13)による方法で
は、空間に関して言えば、加熱空間を冷却空間に変換す
る方法とも言うべきものである。第40図と第41図に示し
た方法が、すでに一種のホログラフィー工作機械である
とも言える。強力な電磁波による分割進行多重光殻BSN
K′を用いれば固体物質を変形させて目的の形状にする
ことができる。第40図aにおいて、内部に気体でなく固
体物質を取り込んだ場合に、これを再生光のエネルギー
で加熱して、かつ、同時に圧縮して、同図bの状態に移
すことができる。
その後の手順は、先の第40図の説明で示したとうりであ
る。第41図の場合も準じた方法で行うことができる。
以下、いくつかの具体的工作例について述べる。
第42図はコップ状の入れ物39をつくる手順を示したもの
である。同図aは、分割進行多重光殻BSNK′によって圧
縮された高密度物質37が電磁放射9を行っているところ
である。同図bは、次にこれを、同光殻BSNK′を膨脹さ
せながら材料38を矢印方向40に膨脹させる断熱膨脹によ
り冷却している状態を示している。同図cは、つぎにこ
れを、完全に膨脹させて固体物質39としたのち、同光殻
BSNK′を消滅させた状態を示している。このコップのよ
うな形状のように外側から光殻BSNK′を結像することが
可能な場合は一度に工作することができる。しかし、ト
ポロジカルな、もっと複雑な形状の場合は、ホログラフ
ィー工作機械において示された“断層体積層の方法”に
準じて行うことができる。
第43図は断層体積層の方法を示したものである。この方
法は、厚さΔzの結晶化途上の断層体20を連続的に形成
して積層しながら製作物19を製作するので、結晶化途上
の断層体20のところにホログラフィーの結像を行うこと
ができれば製作が可能である。したがって、第44図aに
断面で示すような中空で複雑な形状の物体をも製作する
ことができる。同図bは、完成したものの外観図であ
る。点線て示したものは内部空洞42である。
この断層体積層の方法を、当実施例(実施例13)の断熱
膨脹冷却の方法を用いて行うには次のような方法があ
る。
第45図はその一例を示したものである。同図aは、分割
進行多重光殻BSNK′によって材料物質37を高密度に圧縮
して電磁放射9を行ったのち、結晶化途上の断層体20の
位置へ移動させ、所定の位置で同光殻BSNK′を膨脹させ
ることにより、その内部の高密度材料37を膨脹させて断
熱膨脹による冷却を行って固体物質39にするものであ
る。同図bは、固体化して、すでに固体化している部分
19と一体化した状態を示している。
第46図は、第45図の断層体20の一部を拡大したものであ
る。高密度材料37からなる材料単位を光殻によって断層
体20の所定の位置に設置したのち、これを第46図aに示
す膨脹等時線43にそって膨脹させる。その理由は、高温
高圧の材料物質37によって、すでに固体化した部分19が
変形や融解したりしない様にする為である。
その為には、主として3っの事に注意を要する。
第1は、高密度材料37をすでに固体化している部分19に
接続させるときに、断熱膨脹による冷却で固体物質39に
するように調整しなければならない。即ち、接続と同時
に固体化するようにし、すでに固体化している部分19が
変形したり融解したりせず固体のままで安定する様にす
ることである。第2は、ホログラフィーによる結像が十
分に可能なように膨脹等時線43が形成されることであ
る。第3は、膨脹等時線43は、光殻BSNKがすでに固体化
している部分19に圧力をかけないよう、同図aに示すよ
うに加圧方向44がすでに固体化している部分19となるべ
く平行に成る様にすることを要することである。それ
は、すでに固体化している部分19のほうから順に固体化
させつつ、膨脹等時線43を上昇させていく方法によって
可能になる。このようにして、同図bに示すような固体
物質39にすることによって、厚さΔzの断層体20をすで
に固体化している部分19に接続して一体化することがで
きる。
第47図は、Δzが非常に小さい場合、又は、加工精度が
余り高くなくてもよい場合に有効な方法を示したもので
ある。分割進行多重光殻BSNK′によって固体化予定空間
45の中央に設置された高密度材料37を、同じく同光殻BS
NK′によって速度を制御しながら急速に断熱膨脹させ
る。
ここで、膨脹の最終段階で隣り合った単位45どうし、及
び、すでに固体化している部分19とに圧接して一体化す
る。このとき、圧接時の熱と圧力とにより、単位45の形
状とすでに固体化している部分19の形状とが変形しない
ように、膨脹等時線43と矢印方向40への膨脹速度、及
び、高密度材料37の密度と温度などを調整して行う。
第48図は、分割進行多重光殻BSNK′によって閉じ込めた
高密度材料37を、一部づつ取り出して、断熱膨脹させな
がら結晶化を成長させていく方法を示したものである。
この方法によれば極めて精密な工作が可能である。この
場合、高密度材料37を矢印38′に示すように、第1の場
合として、低密度の気体として取り出す場合と、第2の
集合として、固体密度に近い状態で取り出す場合とがあ
る。第1の場合では、製作速度が遅くなる。又、製作方
法が実施例12の第39図で示した方法(この場合にセル35
に取り込んだのは気体である)をさらにミクロなスケー
ルで行うものとなる。第2の場合では、矢印方向38′に
取り出しながら、固体密度まで密度が下った時点で固体
化19′するように調整する。
次に、温度や圧力が余り高くない場合には次のような方
法が可能である。第49図は、断層体20(ここでは、39が
20になる)を一度に断熱膨脹させる場合である。これ
は、温度や圧力が余り高くない場合で、すでに固体化し
ている部分19も変形などをほとんど受けないので可能で
ある。同図aは、高密度材料37をΔzの所定の位置に設
置して、膨脹方向40へ断熱膨脹させることを示してい
る。同図bは、固体化した材料39がすでに固体化した部
分19と一体化した状態を示している。
上記のようにして、当実施例(実施例13)は、ホログラ
フィー工作機械をより高次元のものにすることができ
る。これを“断熱膨脹ホログラフィー工作機械”と名づ
ける。
上記に示した断熱膨脹冷却によるホログラフィー工作機
械の方法は、実施例4や実施例8を利用することによっ
て実現するものである。しかし、実施例1、実施例2、
又は、実施例3を利用することによって、より性能は低
くなるが、実施例4による上記の方法に準じたことを行
うことができる。又、実施例5、実施例6、又は、実施
例7を利用することによって、より性能は低くなるが、
実施例8による上記の方法に準じたことを行うことがで
きる。
F.発明の効果 以上に示した方法によれば、従来の方法によっては実現
することの困難な実用性ある核融合炉、又、核分裂炉、
又、いわゆるホログラフィー工作機械の内部真空工作室
22や真空工作室内での材料気体36′の加工部への運搬の
方法、又、高エネルギー物理学などにおいて重要な粒子
加速装置やその応用発展である重力波発生装置、又、断
熱膨脹冷却装置やその応用発展としての断熱膨脹ホログ
ラフィー工作機械などを例とする様々な産業分野に利用
することができる。
したがって、本発明を利用することにより、エネルギー
や資源の問題、又、製作物に対する設計の自由性や変化
性の問題などに関する長歩の進歩を期待することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、単一光殻1K′の結像を示す断面図。 第2図は、単一光球殻1Kによる物質粒子群の爆縮を示す
断面図。第3図は、部分・単一光球殻fの半径rの変化
を示す断面図。第4図は、部分・多重光殻Nkの結像を示
す断面図。第5図は多重光殻NKの断面図。第6図は、第
5図の一部を拡大した断面図。第7図は、部分・多重光
球殻Nkの半径rの変化を示す断面図。第8図は、部分・
進行多重光球殻SNkの結像を示す断面図。第9図は、第
8図の一部を拡大した断面図。第10図は、部分・分割進
行多重光球殻BSNkの隣り合った2っを示す断面図。第11
図は、第10図の一部を拡大した断面図。 第12図は、移動する単一光殻1K′の結像を示す断面図。
第13図は、エネルギー量が偏在する単一光殻1K′の断面
図。第14図は、部分・単一光殻kの中心の移動を示す断
面図。第15図は、単一光球殻1Kによる物質粒子群の移動
を示す断面図。第16図は、多重光球殻NKの中心の移動を
示す断面図。第17図は、部分・多重光球殻Nkの中心の移
動を示す断面図。 第18図は、進行多重光球殻SNKの中心の移動を示す断面
図。第19図は、再生光の方位角の2っの変化を示す断面
図。第20図は、半径を変化させて物質粒子群を圧縮する
単一光球殻1Kを結像する装置の一例を示す断面図。第21
図は、第20図の真空容器の一部を拡大した断面図。第22
図は、第21図の別案を示した断面図。第23図は、半径を
変化させて、物質粒子群を圧縮する単一光球殻1Kの結像
をする装置の内、ホログラムを内側にもつ一例を示す断
面図。第24図は、第23図に比して、ホログラムを外側に
もつ装置の一例を示す断面図。第25図は、ホログラフィ
ー工作機械の一例を示す断面図。第26図は、光殻による
内部真空工作室22をもつホログラフィー工作機械の一例
を示す断面図。第27図は、光殻による中空ドーナッ状の
リング軌道の平面図。 第28図は、点滅する電球の信号と光束27の速さを比較す
る概念図。第29図は、光殻によって円軌道4上で加速す
る粒子群26を示す平面図。 第30図は、光殻によって円軌道4上で超高圧・超高温の
粒子群を加速する方法を示す概念図。 第31図は、円筒形ホログラムをもつ粒子加速装置の断面
図。第32図は、第31図のa−a,b−b方向の断面図。第3
3図は、2っの等しい質量Mをバネ29で結んだ重力波発
生装置の図。 第34図は、回転する棒31による重力波発生装置の図。第
35図は、2っの等しい質量Mが円軌道4上を回転して重
力波を発生する図。 第36図は、光球殻によって、2っの等しい質量Mを円軌
道4上に回転させる装置の断面図。 第37図は、勾球状の光殻によって、2っの等しい質量M
を円軌道4上に回転させる装置の断面図。第38図は、光
殻によって、物質を超高密度に圧縮し、超高速度で円軌
道上を回転させる装置の断面図。第39図は、光殻によっ
てなる内部真空工作室22と材料運搬用セル35をもつホロ
グラフィー工作機械の一例を示す断面図。第40図は、光
球殻によって、物質を断熱膨脹冷却して固体化する手順
を示す断面図(重心の移動のない場合)。第41図は、光
殻によって、物質を断熱膨脹冷却して固体化する手順を
示す断面図(重心の移動のある場合)。第42図は、光殻
によって、材料に断熱膨脹冷却を行い、コップ状の物体
をつくる手順を示す断面図。第43図は、断層体積層の方
法を示す立面図。第44図は、断層体積層の方法によって
複雑な形状の製作物を製作する一例を示す図。第45図
は、光殻による断熱膨脹冷却で断層体積層の方法を行う
一例を示す立面図。第46図は、第45図の一部を拡大して
示した断面図。第47図は、第46図の他の一例を示す断面
図。第48図は、第46図の他の一例を示す断面図。第49図
は、第45図に示す方法の他の一例を示す断面図。 1……爆発の方向。1′……爆発の方向、ただし、両側
から作用するときは爆縮となる。2……爆縮の方向。3
……軌道。4……円軌道。 5……光殻の進行方向。6a,6b……それぞれ、フレー
ム。7……透明材料(再生光に対して透明)による真空
容器外壁。8……透明材料(再生光と回折光に対して透
明)による真空容器内壁。 8′……内部からの電磁放射に対して透明、又は半透明
な材料でできたフレームの内壁。9……電磁放射。10…
…気流。11……液体通路(一般的には、比熱の大きい流
体の通路)。 12……ホログラム支持構造体。12′……真空容器支持構
造体。13……透明材料(回折光に対して透明)による内
部真空容器。14……気化材料供給ノズル。15……気化材
料回収ノズル。 16……台(冷却台)。17……冷却媒体の流動スペース。
18……真空工作室。18′……外部真空工作室。19……製
作物の実物質化された部分(すでに固体化している部
分)。19′……固体化した部分。20……結晶化途上の断
層体。 21……予定製作物の外形。22……内部真空工作室。23…
…光殻による中空のドーナッ状リング。24……光殻によ
る円筒形の放射管。25……光殻(又は、光壁)によるピ
ストン。26……粒子群。27……光束。28……進行方向。 28′……回転方向。29……コイルバネ。30……振動方
向。31……円柱形の棒。32……回転軸。33……エネルギ
ーを取り出す媒体の通路。 34……円軌道を回転する勾球形の光殻の組。 35……光殻による気化材料運搬用セル。 36……低密度物質。36′……気化材料。 37……高密度物質。38……膨脹中の物質。 38′……膨脹して流出する方向。39……固体化した物
質。40……膨脹方向。41……変化の順を示す矢印。42…
…内部空洞。43……膨脹等時線。44……加圧方向。45…
…固体化予定空間。47……光殻による真空ポンプ。48…
…真空容器前室。49……界壁。 A……始点。B……終点。BSNK′,BSNK1′,BSNK2′……
それぞれ、分割進行多重光殻。BSNK……分割進行多重光
球殻。 BSNkc,BSNkd……それぞれ、部分・分割進行多重光球
殻。D……直径。d……幅員。d1,d2……それぞれ、距
離。1d2……1V2の幅員。Δd……微小な幅員。F,F1,F2
……それぞれ、力のベクトル。fi(iは1〜n)……部
分・多重光球殻Nkの第i部分・光球殻。fa,fb……それ
ぞれ、部分・単一光殻。afi,bfi,cfi,dfi(iは0〜n
+1)……それぞれ、部分・多重光球殻Nka,Nkb,Nkc,Nk
dの第i部分・光球殻。H……ホログラム。Hi……部分
ホログラム。h……高さ。ki,(iは1〜n)……多重
光球殻NKの第i光球殻。 k1,k2……それぞれ、部分・単一光殻。 1K′,1K1′1K2′……それぞれ、単一光殻。(1K′)…
…単一光殻の位置。1K,1K1,1K2,1K3,1K4,1Ka,1Kb……そ
れぞれ、単一光球殻。(1K1),(1K2)……それぞれ、
単一光球殻の位置。 Ii,(iは1〜n)……直線状に並んだ第i番目の電
球。L,La,Lb,Lc,Ld……それぞれ、再生光。L′,La′,L
b′……それぞれ、回折光。M……質量Mの物質。NK′
……多重光殻。NK,NK1,NK2,NK3,NK4,NKa,NKb……それぞ
れ、多重光球殻。Nk,Nk1,Nk2,Nka,Nkb……それぞれ、部
分・多重光球殻。Nk′……部分・多重光殻。(NK1),
(NK2)……それぞれ、多重光球殻の位置。P(x,y,z)
……光殻の中心で、X=x,Y=y,Z=zをとる三次元空間
での位置。P1(x1,y1,z1),P2(x2,y2,z2)……それぞ
れ、光殻の中心で、X=x1,Y=y1,Z=z1、又は、X=
x2,Y=y2,Z=z2をとる三次元空間での位置。P0′,P1′P
2′,P3′……それぞれ、Pi′(xi,yi,zi)で示される物
質の重心で、X=xi,Y=yi,Z=ziをとる三次元空間での
位置(iは0,1,2,3)。 Q1,Q2……それぞれ、内部プラズマの圧力。 r,r1,r2……それぞれ、半径。SKi,(iは0〜n+1)
……進行多重光球殻SNKの第i進行球殻。SNK1……進行
多重光球殻。 (SNK2)……進行多重光殻の位置。 SNka,SNkb……それぞれ、部分・進行多重光球殻。U1,U2
……それぞれ、分割進行多重光球殻の光壁による界壁。
v,v′……それぞれ、速度。iVi+1,(iは0〜n)……
多重光球殻における第i光球殻と第i+1光球殻の間の
空間、ただし、i=0は内部空間、i=nは外部空間。
Δz……断層体20の微小幅員。α,β,θ……それぞ
れ、再生光の方位角の差。φ……球体の直径。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホログラフィーの技術を利用した実像によ
    る光殻、すなわち、ホログラフィー実像によってなる中
    空殻状の高温焦点の集合によって、物質に爆縮をおこさ
    せることにより、物質の閉じ込めを行うことを特徴とす
    るホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを
    与える方法。
  2. 【請求項2】光殻を光球殻にすることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載のホログラフィーの技術を利用し
    て物質にエネルギーを与える方法。
  3. 【請求項3】光殻の一方にホログラフィー実像のエネル
    ギーを多く分布させることによって、その反対側方向
    に、閉じ込めた物質を移動させ速度を与えることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項、又は、第2項記載のホロ
    グラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与える
    方法。
  4. 【請求項4】核融合燃料物質に爆縮をおこさせることに
    より、光殻を核融合炉として利用することを特徴とする
    特許請求の範囲第1項、第2項、又は、第3項記載のホ
    ログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与え
    る方法。
  5. 【請求項5】物質に速度を与えることにより、光殻を加
    速器として利用することを特徴とする特許請求の範囲第
    3項記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネ
    ルギーを与える方法。
  6. 【請求項6】ホログラフィーの技術を利用した実像によ
    る多重光殻、すなわち、ホログラフィー実像によってな
    る中空多重殻状の高温焦点の集合によって、物質に爆縮
    をおこさせることにより、物質の閉じ込めを行うことを
    特徴とするホログラフィーの技術を利用して物質にエネ
    ルギーを与える方法。
  7. 【請求項7】多重光殻を多重光球殻にすることを特徴と
    する特許請求の範囲第6項記載のホログラフィーの技術
    を利用して物質にエネルギーを与える方法。
  8. 【請求項8】多重光殻の一方にホログラフィー実像のエ
    ネルギーを多く分布させることによって、その反対側方
    向に、閉じ込めた物質を移動させ速度を与えることを特
    徴とする特許請求の範囲第6項、又は、第7項記載のホ
    ログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与え
    る方法。
  9. 【請求項9】核融合燃料物質に爆縮をおこさせることに
    より、多重光殻を核融合炉として利用することを特徴と
    する特許請求の範囲第6項、第7項、又は、第8項記載
    のホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを
    与える方法。
  10. 【請求項10】物質に速度を与えることにより、多重光
    殻を加速器として利用することを特徴とする特許請求の
    範囲第8項記載のホログラフィーの技術を利用して物質
    にエネルギーを与える方法。
  11. 【請求項11】ホログラフィーの技術を利用した実像に
    よる進行多重光殻、すなわち、ホログラフィー実像によ
    ってなる中空多重殻状の高温焦点の集合によって物質に
    爆縮をおこさせながら、新たに最外部の外側に光殻(中
    空殻状の高温焦点の集合)を発生させると同時に最内部
    の光殻が一定距離内部に縮小進行した時点で消滅するよ
    うにして、中空多重殻状の高温焦点の集合全体を内部に
    向かって進行させることによって、物質に爆縮をおこさ
    せることにより、物質の閉じ込めを行うことを特徴とす
    るホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを
    与える方法。
  12. 【請求項12】進行多重光殻を進行多重光球殻にするこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第11項記載のホログラフ
    ィーの技術を利用して物質にエネルギーを与える方法。
  13. 【請求項13】進行多重光殻の一方にホログラフィー実
    像のエネルギーを多く分布させることによって、その反
    対側方向に、閉じ込めた物質を移動させ速度を与えるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第11項、又は、第12項記
    載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギー
    を与える方法。
  14. 【請求項14】核融合燃料物質に爆縮をおこさせること
    により、進行多重光殻を核融合炉として利用することを
    特徴とする特許請求の範囲第11項、第12項、又は、第13
    項記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネル
    ギーを与える方法。
  15. 【請求項15】物質に速度を与えることにより、進行多
    重光殻を加速器として利用することを特徴とする特許請
    求の範囲第14項記載のホログラフィーの技術を利用して
    物質にエネルギーを与える方法。
  16. 【請求項16】ホログラフィーの技術を利用した実像に
    よる分割進行多重光殻、すなわち、ホログラフィー実像
    によってなる中空多重殻状の高温焦点の集合を内部に向
    かって進行、すなわち、新たに最外部の外側に光殻(中
    空殻状の高温焦点の集合)を発生させると同時に最内部
    の光殻が一定距離内部に縮小進行した時点で消滅するよ
    うにして中空多重殻状の高温焦点の集合全体を内部に向
    かって進行させるものを、さらに、外面において多面に
    分割した各面を中心に向かった垂台状にした多数に分割
    して、中空多重殻状の高温焦点の集合の内部の物質粒子
    からの圧力の差異に対応した圧力を各分割部分に持たせ
    ることによって、全体に整形を保ちながら物質に爆縮を
    おこさせることにより、物質の閉じ込めを行うことを特
    徴とするホログラフィーの技術を利用して物質にエネル
    ギーを与える方法。
  17. 【請求項17】分割進行多重光殻を分割進行多重光球殻
    にすることを特徴とする特許請求の範囲第16項記載のホ
    ログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与え
    る方法。
  18. 【請求項18】分割進行多重光殻の一方にホログラフィ
    ー実像のエネルギーを多く分布させることによって、そ
    の反対側方向に、閉じ込めた物質を移動させ速度を与え
    ることを特徴とする特許請求の範囲第16項、又は、第17
    項記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネル
    ギーを与える方法。
  19. 【請求項19】核融合燃料物質に爆縮をおこさせること
    により、分割進行多重光殻を核融合原子炉として利用す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第16項、第17項、又
    は、第18項記載のホログラフィーの技術を利用して物質
    にエネルギーを与える方法。
  20. 【請求項20】核分裂燃料物質に爆縮をおこさせること
    により、分割進行多重光殻を核分裂原子炉として利用す
    ることを特徴とする特許請求の範囲第16項、第17項、又
    は、第18項記載のホログラフィーの技術を利用して物質
    にエネルギーを与える方法。
  21. 【請求項21】物質に速度を与えることにより、分割進
    行多重光殻を加速器として利用することを特徴とする特
    許請求の範囲第18項記載のホログラフィーの技術を利用
    して物質にエネルギーを与える方法。
  22. 【請求項22】物質を圧縮して移動し固体密度以上で断
    熱冷却を与えることにより、分割進行多重光殻を工作機
    械として利用することを特徴とする特許請求の範囲第18
    項記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネル
    ギーを与える方法。
  23. 【請求項23】ホログラフィーの技術を利用した実像に
    よる多重光壁、すなわち、ホログラフィー実像によって
    なる壁状の高温焦点の集合で物質に垂直反対二方向の爆
    発をおこさせる光壁を多重にしたものによって、物質に
    一方向に向かって圧力を作用させることを特徴とするホ
    ログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与え
    る方法。
  24. 【請求項24】ホログラフィーの技術を利用した実像に
    よる進行多重光壁、すなわち、ホログラフィー実像によ
    ってなる壁状の高温焦点の集合で物質に垂直反対二方向
    の爆発をおこさせる光壁を多重にしたものを、さらに、
    一方に向かって前進させることにより、物質を移動させ
    速度を与えることを特徴とするホログラフィーの技術を
    利用して物質にエネルギーを与える方法。
  25. 【請求項25】使用する電磁波にとって透明な材質の壁
    とその壁面にホログラムを設置して、その真空容器の内
    部にホログラフィーを結像する空間を持ち、その結像空
    間でホログラフィーの技術を利用した実像による光殻、
    すなわち、ホログラフィー実像によってなる中空殻状の
    高温焦点の集合によって、物質に爆縮をおこさせること
    により、物質の閉じ込めを行うことを特徴とするホログ
    ラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与える装
    置。
  26. 【請求項26】光殻に代える多重光殻、すなわち、ホロ
    グラフィー実像によってなる中空多重殻状の高温焦点の
    集合によって、物質に爆縮をおこさせることにより、物
    質の閉じ込めを行うことを特徴とする特許請求の範囲第
    25項記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネ
    ルギーを与える装置。
  27. 【請求項27】光殻に代える進行多重光殻、すなわち、
    ホログラフィー実像によってなる中空多重殻状の高温焦
    点の集合によって物質に爆縮をおこさせながら、新たに
    最外部の外側に光殻(中空殻状の高温焦点の集合)を発
    生させると同時に最内部の光殻が一定距離内部に縮小進
    行した時点で消滅するようにして、中空多重殻状の高温
    焦点の集合全体を内部に向かって進行させることによっ
    て、物質に爆縮をおこさせることにより、物質の閉じ込
    めを行うことを特徴とする特許請求の範囲第25項記載の
    ホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギーを与
    える装置。
  28. 【請求項28】光殻に代える分割進行多重光殻、すなわ
    ち、ホログラフィー実像によってなる中空多重殻状の高
    温焦点の集合を内部に向かって進行、すなわち、新たに
    最外部の外側に光殻(中空殻状の高温焦点の集合)を発
    生させると同時に最内部の光殻が一定距離内部に縮小進
    行した時点で消滅するようにして中空多重殻状の高温焦
    点の集合全体を内部に向かって進行させるものを、さら
    に、外面において多面に分割した各面を中心に向かった
    垂台状にした多数に分割して、中空多重殻状の高温焦点
    の集合の内部の物質粒子からの圧力の差異に対応した圧
    力を各分割部分に持たせることによって、全体に整形を
    保ちながら物質に爆縮をおこさせることにより、物質の
    閉じ込めを行うことを特徴とする特許請求の範囲第25項
    記載のホログラフィーの技術を利用して物質にエネルギ
    ーを与える装置。
  29. 【請求項29】ホログラムを壁面の外側に設置すること
    を特徴とする特許請求の範囲第25項、第26項、第27項、
    又は、第28項記載のホログラフィーの技術を利用して物
    質にエネルギーを与える装置。
  30. 【請求項30】ホログラムを壁面の内側に設置すること
    を特徴とする特許請求の範囲第25項、第26項、第27項、
    又は、第28項記載のホログラフィーの技術を利用して物
    質にエネルギーを与える装置。
  31. 【請求項31】真空容器が円筒状であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第25項、第26項、第27項、第28項、第
    29項、又は、第30項記載のホログラフィーの技術を利用
    して物質にエネルギーを与える装置。
  32. 【請求項32】真空容器がドーナツ状であることを特徴
    とする特許請求の範囲第25項、第26項、第27項、第28
    項、第29項、又は、第30項記載のホログラフィーの技術
    を利用して物質にエネルギーを与える装置。
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