JPH0748520Y2 - 容器の蓋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は各種の物品を収納するための容器の開口部を覆
うための蓋に係り、とくに蓋の外周側に上方へ延びる段
部を連設するとともに、該段部の外周にフランジを形成
し、該フランジを容器本体の開口部に接合してシール
し、しかもフランジの外周側に突出して設けられている
タブによって開封を行なうようにした容器の蓋に関す
る。

〔考案の概要〕

本考案は、蓋の外周側の段部に円周方向に沿ってブロッ
キング防止用の凹凸を形成するとともに、段部の円周方
向の所定の位置に中心側に突出する係合部を形成し、こ
の係合部によって開封用のタブの位置決めを行なうよう
にしたものであって、これによって容器の自動キャッピ
ングを可能にしたものである。

〔従来の技術〕

食品等の各種の物品を供給するために、真空成形等の方
法によって成形された合成樹脂製の簡易容器が用いられ
ている。このような容器は円形の形状をなし、その上部
開口が蓋によって閉じられるようになっている。蓋には
その外周側に上方に延びる段部が形成されるとともに、
この段部の外周側にフランジを形成するようにし、この
フランジによって容器本体の開口部に接合して熱溶着、
あるいは接着剤によってシールされるようになってい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のこの種の容器の蓋は、スタック性が悪いという欠
点がある。形状が指定された場合や、成形の状態によっ
てその傾向はさらに大きくなる。また開封のためのタブ
を有する成形蓋が多く用いられるようになっているが、
このような蓋をシールする際に、タブの位置決めが困難
になる。とくに円形の蓋の場合にはこの傾向が著しく、
さらには蓋の輸送の際にタブの位置がずれてしまうこと
がある。

蓋を容器の上部に被せる際にこれを自動的に行なう自動
キャッピングが進んでおり、スタック性、ブロッキング
防止、およびシールの位置決めは絶対に必要になってい
る。またコストの低減のために、あるいはイージーピー
ル性のために、蓋の材料であるシートはあまり厚くする
ことができず、その高さ方向の寸法もあまり大きくでき
ない。これによってスタック性やブロッキング防止、あ
るいはタブの位置決めがさらに難しくなっている。

本考案はこのような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、スタック性に優れるとともに、ブロッキングが確実
に防止され、しかもタブが正確に位置決めされるように
した容器の蓋を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、容器の開口部を覆う蓋において、 外周側に上方へ延びるように連設されている段部と、 前記段部の外周に形成され、容器本体の開口部に接合し
てシールされるフランジと、 前記フランジの外周側に突出して設けられ、開封を行な
うためのタブと、 前記段部に円周方向に沿って形成されており、上側の蓋
の凹部の下面が下側の蓋の凸部の上面に重合うことによ
って上下の蓋が互いに係合されないようになっている凹
部と凸部とから成るブロッキング防止用の凹凸と、 前記タブと円周方向に所定の角度を隔てて前記段部の円
周方向の所定の位置に中心側に突出するように形成さ
れ、蓋が重合わされたときに互いに係合されて前記タブ
の円周方向の位置決めを行なう係合部と、 をそれぞれ具備する容器の蓋に関するものである。

〔作用〕 蓋の外周側に上方へ延びるように連設されている段部の
外周側に形成されているフランジを容器本体の開口部に
接合することによって、容器本体の開口部が閉じられて
シールされる。この蓋はフランジの外周側に突出して設
けられているタブを引張ることによって開封される。

蓋の外周側に上方へ延びるように形成されている段部に
円周方向に沿って形成されているブロッキング防止用凹
凸の上側の蓋の凹部の下面が下側の蓋の凸部の上面に重
合うことによって上下の蓋が互いに係合されないように
なり、これらの蓋を互いに積重ねた場合に上記凹凸によ
ってブロッキングが防止され、１つずつ分離して取出さ
れる。またタブに対して円周方向に所定の角度を隔てて
段部の円周方向の所定の位置に中心側に突出するように
形成されかつ蓋が重合わされたときに互いに係合される
係合部によってタブの円周方向の位置決めが行なわれる
ことになり、キャップシール機による自動シールが容易
に行なわれることになる。

〔実施例〕

第２図は本考案の一実施例に係る容器の蓋を示すもので
あって、この蓋10は例えば真空成形の方法によって合成
樹脂で成形されている。すなわち第３図に示すような金
型11を用い、その円形の凹部12上に合成樹脂製のシート
を配するとともに、このシートを加熱し、同時に凹部12
内の空気を吸引する。

これによって真空成形の方法で、第２図、第４図、およ
び第５図に示すような容器の蓋が成形される。この蓋は
円形の形状をなすとともに、その外周側に上方に延びる
段部13を備えており、段部13の上端部にはフランジ14が
形成されている。そしてフランジ14の外周部にはタブ15
が一体に連設されている。

つぎにこの蓋10のブロッキング防止の構造およびタブ15
の位置決めの構造について説明すると、第４図〜第７図
に示すように、蓋の外周部に形成されている段部13に
は、円周方向に沿って凹部18と凸部19とが交互に形成さ
れており、これによってブロッキングの防止を行なうよ
うにしている。なお凹部18と凸部19の構造は、第３図に
示す金型11の各凹部12で成形される蓋10毎にそれぞれ異
なっている。従って金型11の違う凹部12で成形された蓋
10はそれらを上下に重合わせても、凹部18と凸部19とが
互いに整合することがなく、これによってブロッキング
防止が行なわれる。

さらにこの蓋10には第１図、第２図、および第４図に示
すように、その円周方向に沿って段部13に４つの係合部
20が形成されており、これらの係合部20によって何段に
も積重ねたときのタブ15の位置決めを行なうようにして
いる。すなわち上下の係合部20は第１図に示すように互
いに係合されることになり、これによってタブ15が円周
方向に位置規制されることになる。

このように本実施例に係る容器の蓋10によれば、円周方
向に90度間隔で設けられている４つの係合部20によっ
て、複数段にスタックされた蓋10が互いに回転されるこ
とが防止される。このようにしてタブ15が位置決めされ
る。また第６図に示す凹部18の下面と第７図に示す凸部
19の上面とが第１図に示すように重合ってブロッキング
が防止されることになり、このときに係合部20で互いに
蓋10が回転できないようにしているために、完全にブロ
ッキングを防止することが可能になる。またこのような
蓋10は、フランジ14の内周側の段部13でブロッキングを
防止するようにしており、フランジ14の外周側の形状は
自由になっている。従ってヒートシールに代えて接着剤
でシールする場合においても、フランジ14の外周側に逆
テーパのリング状部を形成する必要がなくなる。

このような容器の蓋は、各種の食品を充填して供給する
ための容器に用いて好適なものである。またこのような
蓋は、自動キャップシール機によってスムーズに容器に
被せてシールすることが可能になる。これはタブ15の円
周方向の位置決めを係合部20によって確実に行なうよう
にしたからである。また係合部20によって容器の蓋10が
円周方向に正しく位置決めされるために、シールの際に
印刷の方向が常に一定になる。またシール機上における
製品の取扱いが非常に容易になる。なお本実施例に係る
蓋は、食品用容器以外の各種の容器にも利用可能であ
る。

一般に従来の氷菓子用容器の蓋においては、フランジの
内側と外側とにそれぞれアンダカットのリング状部を形
成し、これらによってブロッキングの防止を行なうよう
にしていた。このような構造によると、上から一定の力
が加わった場合に、フランジの内側の部分が変形し、そ
の中に下側の蓋の外周側の部分を受入れてブロッキング
を発生する。内側のアンダカットの溝を多くしたり、形
状を複雑にしたりすることによって、ブロッキング防止
の効果は上るが、離型が難しくなり、接着剤をこの部分
に付けた場合には離型できなくなるという問題がある。
本実施例に係る容器の蓋はこのような問題を解消するこ
とが可能である。また本実施例に係る構造によれば、と
くに係合部20によって横方向の動きをも防止できるため
に、上から一定の力が加わって蓋が潰れ、ブロッキング
を起すことがなくなる。

〔考案の効果〕

以上のように本考案は、蓋の外周側に上方へ延びるよう
に形成されている段部に円周方向に沿ってブロッキング
防止用凹凸を形成するようにしている。従ってこのよう
なブロッキング防止用凹凸によって、この蓋を何段にも
積重ねた場合に、上側の蓋の凹部の下面が下側の蓋の凸
部の上面に重合うことによって上下の蓋が互いに係合さ
れることが防止され、蓋が積重ねられても互いに係合さ
れてブロッキングを生ずることが防止される。従ってと
くにキャップシール機による自動シールを行なう際に、
この蓋を１枚ずつ分離して確実に供給することが可能と
なり、キャップシール機による自動シールが円滑に行な
われる。

また本願考案によれば、蓋の外周側に上方へ延びるよう
に連設されている段部にはタブと所定の角度を隔てて円
周方向の所定の位置に中心側に突出するように係合部が
形成され、蓋が重合わされたときに互いに係合されてこ
の係合部によってタブの円周方向の位置決めを行なうよ
うにしている。従ってキャップシール機等を用いてこの
蓋のキャップシールを行なう場合に、係合部を利用して
タブの位置を正しく円周方向に位置決めすることが可能
になり、キャップシール機による自動シールがより確実
に行なわれるようになる。またシールの際に印刷を行な
うときに、タブの位置に対して印刷の方向が常に一定に
なる。またシール機上におけるタブの位置を一定にする
ことにより、シール機上における製品の取扱いが非常に
容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る容器の蓋の係合部の構
造を示す拡大縦断面図、第２図は容器の蓋の斜視図、第
３図は金型の平面図、第４図は蓋の平面図、第５図は一
部を破断した蓋の正面図、第６図は凹部の構造を示す要
部拡大断面図、第７図は凸部の構造を示す要部拡大断面
図である。 なお図面に用いた符号において、 10……容器の蓋 13……段部 14……フランジ 15……タブ 18……凹部 19……凸部 20……係合部 である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器の開口部を覆う蓋において、 外周側に上方へ延びるように連設されている段部と、 前記段部の外周に形成され、容器本体の開口部に接合し
   てシールされるフランジと、 前記フランジの外周側に突出して設けられ、開封を行な
   うためのタブと、 前記段部に円周方向に沿って形成されており、上側の蓋
   の凹部の下面が下側の蓋の凸部の上面に重合うことによ
   って上下の蓋が互いに係合されないようになっている凹
   部と凸部とから成るブロッキング防止用の凹凸と、 前記タブと円周方向に所定の角度を隔てて前記段部の円
   周方向の所定の位置に中心側に突出するように形成さ
   れ、蓋が重合わされたときに互いに係合されて前記タブ
   の円周方向の位置決めを行なう係合部と、 をそれぞれ具備する容器の蓋。