JPH0745898B2 - 変速切換装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、車両の走行用変速機構に適した変速切換装置
に関する。

従来の技術 従来、駆動軸と従動軸との間に回転比の異なる複数組の
変速ギヤ列を設け、これらの変速ギヤ列のいずれか一組
を選択的に従動軸に結合することにより所望の変速比に
よる回転伝動を得る変速装置においては、その選択的結
合手段として、ドツククラツチ、スライデイングギヤ、
シンクロメツシユ機構、油圧式多板クラツチ等が用いら
れている。

そして、これらの選択的結合手段のうち、駆動軸側に固
定された変速ギヤと噛み合う従動軸側の変速ギヤと従動
軸とをドツククラツチを使用して係脱自在に連結するも
のは、構造が簡単であるとともに低コストであり、さら
に、回転の伝達を確実に行えるという点から広く採用さ
れている。

発明が解決しようとする問題点 しかし、ドツククラツチの駆動側の爪と従動側の爪とを
駆動力の回転伝達状態から離脱させることが容易ではな
く、一旦回転を停止させてから爪を離脱させなければな
らない。このため、ドツククラツチを車両用の変速装置
とし用いた場合には、車両の走行を一旦停止させた後で
なければ変速操作を行うことができない。

一方、油圧式多板クラツチを用いた場合には、動力伝達
の断続はスムーズに行えるが、変速装置が大型化し、コ
ストが高くなるという欠点がある。

問題点を解決するための手段 駆動軸上にこの駆動軸と一体的に回転する低速側伝動ギ
ヤと前記駆動軸に選択的に連結されて回転する高速側伝
動ギヤとを設け、前記高速側伝動ギヤに噛み合う高速側
受動ギヤと前記低速側伝動ギヤに噛み合う低速側受動ギ
ヤとを従動軸上に遊嵌し、前記低速側受動ギヤの側面の
円周上に頂部と溝部とにより形成された受動ギヤクラツ
チ爪に軸方向の分力を発生させる傾斜面を備えて軸方向
の動きで係脱自在に噛み合う頂部と溝部とよりなるカム
爪が形成されるとともに前記高速側受動ギヤと一体的に
回転するカム爪体をこれらの受動ギヤクラツチ爪とカム
爪とが係脱する方向にスライド自在に設け、前記受動ギ
ヤクラツチ爪と軸方向の動きで係脱自在に噛み合うクラ
ツチ爪を有してこれらの受動ギヤクラツチ爪とクラツチ
爪とが噛み合う方向に付勢されるとともに前記カム爪が
前記受動ギヤクラツチ爪に噛み合う方向に前記カム爪体
を付勢し、且つ、このカム爪体と円周方向に相対的に所
定角度回動するクラツチ爪体を前記従動軸上にスライド
自在にスプライン嵌合し、前記カム爪体の前記カム爪が
設けられた面と逆の面に位置規制爪を形成するとともに
この位置規制爪が係合する回転規制爪を前記クラツチ爪
体の前記クラツチ爪が形成された面と逆の面に形成し、
前記位置規制爪と前記回転規制爪とが回転方向に当接し
た状態における前記カム爪の頂部と前記クラツチ爪の頂
部とが連続してなす角度が前記受動ギヤクラツチ爪の溝
部の角度より大きくなるように前記位置規制爪と前記回
転規制爪との間に隙間を設けた。

また、駆動軸上にこの駆動軸と一体的に回転する高速側
伝動ギヤと前記駆動軸に選択的に連結されて回転する低
速側伝動ギヤとを設け、前記低速側伝動ギヤに噛み合う
低速側受動ギヤと前記高速側伝動ギヤに噛み合う高速側
受動ギヤとを従動軸上に遊嵌し、前記高速側受動ギヤの
側面の円周上に頂部と溝部とにより形成された受動ギヤ
クラツチ爪に軸方向の分力を発生させる傾斜面を備えて
軸方向の動きで係脱自在に噛み合う頂部と溝部とよりな
るカム爪が形成されるとともに前記低速側受動ギヤと一
体的に回転するカム爪体をこれらの受動ギヤクラツチ爪
とカム爪とが係脱する方向にスライド自在に設け、前記
受動ギヤクラツチ爪と軸方向の動きで係脱自在に噛み合
うクラツチ爪を有してこれらの受動ギヤクラツチ爪とク
ラツチ爪とが噛み合う方向に付勢されるとともに前記カ
ム爪が前記受動ギヤクラツチ爪に噛み合う方向に前記カ
ム爪体を付勢し、且つ、このカム爪体と円周方向に相対
的に所定角度回動するクラツチ爪体を前記従動軸上にス
ライド自在にスプライン嵌合し、前記カム爪体の前記カ
ム爪が設けられた面と逆の面に位置規制爪を形成すると
ともにこの位置規制爪が係合する回転規制爪を前記クラ
ツチ爪体の前記クラツチ爪が形成された面と逆の面に形
成し、前記位置規制爪と前記回転規制爪とが回転方向に
当接した状態における前記カム爪の頂部と前記クラツチ
爪の頂部とが連続してなす角度が前記受動ギヤクラツチ
爪の溝部の角度より大きくなるように前記位置規制爪と
前記回転規制爪との間に隙間を設けた。

作用 通常時は、駆動軸と一体的に回転する低速側伝動ギヤ又
は高速側伝動ギヤによりこれらの伝動ギヤと噛み合う受
動ギヤが回転駆動され、この受動ギヤに形成された受動
ギヤクラツチ爪とクラツチ爪との噛み合いによりクラツ
チ体が回転駆動され、クラッチ体がスプライン嵌合され
ている従動軸が回転駆動される。

変速操作に伴い高速側伝動ギヤ又は低速側伝動ギヤが駆
動軸に連結されると、これらの伝動ギヤが駆動軸に連結
されると、これらの伝動ギヤと噛み合つている受動ギヤ
が回転駆動されるとともに、駆動軸と一体的に回転する
低速側伝動ギヤ又は高速側伝動ギヤと噛み合う受動ギヤ
がひき続き回転駆動される。すると、一方の受動ギヤと
一体的に回転するカム爪体の回転数と他方の受動ギヤの
回転数とが異なるため、カム爪が他方の受動ギヤに形成
された受動ギヤクラツチ爪に乗り上げて噛み合いが解除
される方向にカム爪体がスライドし、さらに、カム爪体
に押されて受動ギヤクラツチ爪とクラツチ爪との噛み合
いを解除する方向にクラツチ爪体がスライドする。カム
爪及びクラツチ爪が受動ギヤクラツチ爪との噛み合いを
解除された後においては、カム爪体が一方の受動ギヤと
一体的に回転するために位置規制爪が回転規制爪に当接
し、クラツチ爪体がカム爪体と一体的に回転する。これ
により、変速操作に伴い回転駆動されるようになつた一
方の受動ギヤの回転がカム爪体とクラツチ爪体とを介し
て従動軸に伝達され、変速が完了する。

位置規制爪が回転規制爪に当接した状態においては、カ
ム爪の頂部とクラツチ爪の頂部とが連続してなす角度が
受動ギヤクラツチ爪の溝部の角度より大きくなるため、
少なくともカム爪の頂部か又はクラツチ爪の頂部が受動
ギヤクラツチ爪の頂部に当接した状態に維持され、カム
爪やクラツチ爪が受動ギヤクラツチ爪と係脱を繰返すこ
とが阻止される。

実施例 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。トラクタ
機体の一部を構成するミツシヨンケース１の下腹部には
ボルト２により変速機ケース３が取付けられており、こ
の変速機ケース３内には入力軸４が軸受５により支持さ
れるとともにこの入力軸４と同一軸心上に位置する従動
軸である出力軸６が軸受７により支持されている。そし
て、前記入力軸４の先端部には筒状の継手８を介して前
輪動力取出軸９が連結され、前記出力軸６の先端部には
筒状の継手10を介して前輪動力伝達軸11が連結されてい
る。さらに、前記変速機ケース３内には前記入力軸４及
び前記出力軸６の軸心と平行な軸心を有する駆動軸であ
るカウンタ軸12が軸受13,14により支持されている。

前記カウンタ軸12の外周部には前記入力軸４の端部に形
成された出力ギヤ15と噛み合う入力ギヤ16がスプライン
嵌合され、さらに、高速側伝動ギヤ17が回転自在に外嵌
されるとともに低速側伝動ギヤ18がスプライン嵌合され
ている。また、前記入力ギヤ16と前記高速側伝動ギヤ17
との間に位置してクラツチ体19がスライド自在にスプラ
イン嵌合されている。このクラツチ体19にはクラツチ爪
20が形成され、前記高速側伝動ギヤ17の側面には前記ク
ラツチ爪20と係脱自在に噛み合うクラツチ爪21が形成さ
れている。そして、これらのクラツチ爪20,21同士が噛
み合いを解除する方向に前記クラツチ体19を付勢するス
プリング22が前記カウンタ軸12の外周部に設けられ、さ
らに、前記クラツチ爪20,21同士が噛み合う方向に前記
クラツチ体19を強制的にスライドさせるシフタフオーク
23が設けられている。なお、このシフタフオーク23は前
記記変速機ケース３に軸支されたシフタ軸24に連結され
ており、このシフタ軸24の前記変速機ケース３の外部に
突出した端部にはレバー25が固着され、前記ミツシヨン
ケース１の下腹部に取り付けられたソレノイド26と前記
レバー25とが連結ロツド27を介して連結されている。

ついで、前記出力軸６の外周部には前記高速側伝動ギヤ
17と噛み合う高速側受動ギヤ28が回転自在に外嵌され、
この高速側受動ギヤ28のボス部29の外周部には前記低速
側伝動ギヤ18と噛み合う低速側受動ギヤ30が回転自在に
外嵌されている。また、前記出力軸６のスプライン部31
にはクラツチ爪体32がスライド自在にスプライン嵌合さ
れ、このクラツチ爪体32にはスプライン部33とスプリン
グピン34とにより連結されたクラツチ爪35が設けられて
いる。そして、前記低速側受動ギヤ30の一側には前記ク
ラツチ爪35と係脱自在に噛み合う受動ギヤクラツチ爪36
が放射状に形成されており、前記クラツチ爪35,36同士
が噛み合う方向に前記クラツチ爪体32を付勢するスプリ
ング37が前記出力軸６の外周部に設けられている。

前記ボス部29の先端部にはスプライン部38が形成され、
このスプライン部38にはカム爪体39がスライド自在にス
プライン嵌合されている。前記カム爪体39の一側には前
記受動ギヤクラツチ爪36と係脱自在に噛み合うカム爪40
が形成され、このカム爪40の前記受動ギヤクラツチ爪36
との噛み合い部分には傾斜面が形成されている。また、
前記カム爪体39の他側には位置規制爪41が形成されてお
り、前記クラツチ爪体32には前記位置規制爪41と噛み合
う回転規制爪42が形成されている。

ここで、第１図及び第６図（ａ）に示すように受動ギヤ
クラツチ爪36に対してクラツチ爪35とカム爪40とが噛み
合い、低速側受動ギヤ30とクラツチ爪体32とカム爪体39
とが一体的に回転している状態においては、第７図
（ａ）及び第８図（ａ）に示すように位置規制爪41と回
転規制爪42との間には角度Ａの隙間が設けられている。
また、第２図及び第６図（ｂ）に示すようにクラツチ爪
20,21同士が噛み合うとともに受動ギヤクラツチ爪36に
対するクラツチ爪35とカム爪40との噛み合いが解除され
た後においては、第７図（ｂ）及び第８図（ｃ），
（ｄ）に示すように位置規制爪41と回転規制爪42とが当
接する。このとき、クラツチ爪35の頂部とカム爪40の頂
部とが連続してなす角度Ｂが、受動ギヤクラツチ爪36の
溝部の角度Ｃより大きくなるように前記隙間角度Ａが設
定されている。

このような構成において、前輪動力取出軸９の回転は継
手８、入力軸４、出力ギヤ15、入力ギヤ16を経てカウン
タ軸12に伝達される。

ここで、第１図に示すようにスプリング22の付勢力によ
つてクラツチ爪20,21同士の噛み合いが解除されている
状態においては、カウンタ軸12の回転は低速側伝動ギヤ
18、低速側受動ギヤ30、受動ギヤクラツチ爪36、クラツ
チ爪35、クラツチ爪体32を介して出力軸６に伝達され、
継手10を介して前輪動力伝達軸11が駆動される。そし
て、前輪動力伝達軸11の回転によりトラクタの前輪（図
示せず）が低速状態で回転駆動される。

つぎに、ソレノイド26を作動させると、連結ロツド27、
レバー25、シフタ軸24、シフタフオーク23を介してクラ
ツチ体19がスプリング22の付勢力に抗してスライドし、
第２図に示すようにクラツチ爪20,21同士が噛み合う。
すると、カウンタ軸12の回転は、クラツチ体19、クラツ
チ爪20,21、高速側伝動ギヤ17、高速側受動ギヤ28を介
してカム爪体39に伝達され、カム爪体39が高速側受動ギ
ヤ28と一体的に回転する。一方、カウンタ軸12の回転は
低速側伝動ギヤ18を介してひき続き低速側受動ギヤ30に
伝達されているが、カム爪体39の回転数が低速側受動ギ
ヤ30の回転数より高くなり、受動ギヤクラツチ爪36とカ
ム爪40との間に回転数の差が生じる。このため、この回
転数の差によつてカム爪体39は低速側受動ギヤ30から離
反する向きの力を受け、第８図（ｂ）に示すようにカム
爪体39はカム爪40と受動ギヤクラツチ爪36との噛み合い
を解除する方向にスプリング37の付勢力に抗してスライ
ドする。これに伴いカム爪体39に押されてクラツチ爪体
32も一体的にスライドし、クラツチ爪35と受動ギヤクラ
ツチ爪36との噛み合いも解除される。

受動ギヤクラツチ爪36に対するクラツチ爪35とカム爪40
との噛み合いが解除された後においては、高速側受動ギ
ヤ28と一体的に回転するカム爪体39が角度Ａだけ矢印Ｄ
方向に回転した後に、第７図（ｂ）及び第８図（ｃ），
（ｄ）に示すように位置規制爪41が回転規制爪42に当接
する。これにより、カム爪体39に駆動されてクラツチ爪
体32がカム爪体39と一体的に回転することとなり、高速
側受動ギヤ28の回転は、カム爪体39とクラツチ爪体32と
を介して出力軸６に伝達され、継手10を介して前輪動力
伝達軸11が駆動される。そして、前輪動力伝達軸11の回
転によりトラクタの前輪（図示せず）が高速状態で回転
駆動される。

さらに、位置規制爪41が回転規制爪42に当接した丈状態
においては、第６図（ｂ）及び第８図（ｃ），（ｄ）に
示すようにクラツチ爪35の頂部とカム爪40の頂部とが連
続してなす角度Ｂが受動ギヤクラツチ爪36における溝部
の角度Ｃより大きくなる。このため、受動ギヤクラツチ
爪36の頂部に対してクラツチ爪35の頂部又はカム爪40の
頂部の少なくともいずれか一方が常に当接する状態に維
持される。従つて、クラツチ爪体32やカム爪体39がスプ
リング37により低速側受動ギヤ30の方向に付勢されてい
ても、クラツチ爪35やカム爪40が受動ギヤクラツチ爪36
に繰返し係脱することが防止され、係脱の繰返しによる
騒音の発生や摩耗の発生が防止される。

ソレノイド26の作動を停止させると、シフタフオーク23
によるクラツチ体19の押圧が解除され、クラツチ体19が
スプリング22の付勢力によりスライドしてクラツチ爪2
0,21同士の噛み合いが解除される。そして、位置規制爪
41の回転規制爪42への当接力が減少し、受動ギヤクラツ
チ爪36の頂部とカム爪40の頂部との摩擦力により第８図
（ｅ）に示すようにカム爪40の頂部とクラツチ爪35の頂
部とが連続してなす角度が次第に小さくなり、受動ギヤ
クラツチ爪36の溝部の角度Ｃより小さくなつたところで
第８図（ｆ）に示すようにスプリング37の付勢力によつ
てカム爪40とクラツチ爪35とが受動ギヤクラツチ爪36に
噛み合う。これにより、カウンタ軸12の回転が低速側受
動ギヤ30とクラツチ爪体32とを介して出力軸６に伝達さ
れるようになり、前輪動力伝達軸11が継手10を介して駆
動され、前輪が再び低速状態で回転駆動される。

なお、本実施例においては、通常時に低速伝動状態とす
るとともに高速伝動時のみ一時的に低速側の動力伝達を
遮断状態としているが、高速側伝動ギヤ17及び高速側受
動ギヤ28のギヤ列と、低速側伝動ギヤ18及び低速側受動
ギヤ30とを入れ替える構成とすることにより、通常時に
高速伝動状態とするとともに低速伝動時のみ一時的に高
速側の動力伝達を遮断状態としてもよい。

発明の効果 本発明は、上述のように高速側受動ギヤと低速側受動ギ
ヤとの回転数差によりスライドするカム爪体を用いてク
ラツチ爪同士の係脱を円滑、確実に行うことができ、こ
れにより、低速から高速、及び、高速から低速の変速切
換を迅速かつ確実に行うことができ、さらに、カム爪体
がスライドしてカム爪とクラツチ爪とが受動ギヤクラツ
チ爪との噛み合いを解除した後の状態においては、カム
爪の頂部とクラツチ爪の頂部とが連続してなす角度を受
動ギヤクラツチ爪の溝部の角度より大きくしたことによ
り、カム爪やクラツチ爪が受動ギヤクラツチ爪との係脱
を繰返すことを防止することができ、これにより、騒音
の発生及びカム爪やクラツチ爪等における摩耗の発生を
防止することができ、しかも、油圧式多板クラツチやシ
ンクロメツシユ機構を用いた変速切換装置に比べて小型
化及びコストダウワを図ることができる等の効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は低速伝
動状態時における断面図、第２図は高速伝動状態等にお
ける断面図、第３図は側面図、第４図は正面図、第５図
は縦断正面図、第６図はクラツチ爪とカム爪と受動ギヤ
クラツチ爪との噛み合い状態を示す断面図、第７図は位
置規制爪と回転規制爪との噛み合い状態を示す断面図、
第８図はクラツチ爪とカム爪と受動ギヤクラツチ爪との
噛み合い状態及び位置規制爪と回転規制爪との噛み合い
状態を示す展開図である。 ６……従動軸、12……駆動軸、17……高速側伝動ギヤ、
18……低速側伝動ギヤ、28……高速側受動ギヤ、30……
低速側受動ギヤ、32……クラツチ爪体、35……クラツチ
爪、36……受動ギヤクラツチ爪、39……カム爪体、40…
…カム爪、41……位置規制爪、42……回転規制爪

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動軸上にこの駆動軸と一体的に回転する
   低速側伝動ギヤと前記駆動軸に選択的に連結されて回転
   する高速側伝動ギヤとを設け、前記高速側伝動ギヤに噛
   み合う高速側受動ギヤと前記低速側伝動ギヤに噛み合う
   低速側受動ギヤとを従動軸上に遊嵌し、前記低速側受動
   ギヤの側面の円周上に頂部と溝部とにより形成された受
   動ギヤクラツチ爪に軸方向の分力を発生させる傾斜面を
   備えて軸方向の動きで係脱自在に噛み合う頂部と溝部と
   よりなるカム爪が形成されるとともに前記高速側受動ギ
   ヤと一体的に回転するカム爪体をこれらの受動ギヤクラ
   ツチ爪とカム爪とが係脱する方向にスライド自在に設
   け、前記受動ギヤクラツチ爪と軸方向の動きで係脱自在
   に噛み合うクラツチ爪を有してこれらの受動ギヤクラツ
   チ爪とクラツチ爪とが噛み合う方向に付勢されるととも
   に前記カム爪が前記受動ギヤクラツチ爪に噛み合う方向
   に前記カム爪体を付勢し、且つ、このカム爪体と円周方
   向に相対的に所定角度回動するクラツチ爪体を前記従動
   軸上にスライド自在にスプライン嵌合し、前記カム爪体
   の前記カム爪が設けられた面と逆の面に位置規制爪を形
   成するとともにこの位置規制爪が係合する回転規制爪を
   前記クラツチ爪体の前記クラツチ爪が形成された面と逆
   の面に形成し、前記位置規制爪と前記回転規制爪とが回
   転方向に当接した状態における前記カム爪の頂部と前記
   クラツチ爪の頂部とが連続してなす角度が前記受動ギヤ
   クラツチ爪の溝部の角度より大きくなるように前記位置
   規制爪と前記回転規制爪との間に隙間を設けたことを特
   徴とする変速切換装置。
2. 【請求項２】駆動軸上にこの駆動軸と一体的に回転する
   高速側伝動ギヤと前記駆動軸に選択的に連結されて回転
   する低速側伝動ギヤとを設け、前記低速側伝動ギヤに噛
   み合う低速側受動ギヤと前記高速側伝動ギヤに噛み合う
   高速側受動ギヤとを従動軸上に遊嵌し、前記高速側受動
   ギヤの側面の円周上に頂部と溝部とにより形成された受
   動ギヤクラツチ爪に軸方向の分力を発生させる傾斜面を
   備えて軸方向の動きで係脱自在に噛み合う頂部と溝部と
   よりなるカム爪が形成されるとともに前記低速側受動ギ
   ヤと一体的に回転するカム爪体をこれらの受動ギヤクラ
   ツチ爪とカム爪とが係脱する方向にスライド自在に設
   け、前記受動ギヤクラツチ爪と軸方向の動きで係脱自在
   に噛み合うクラツチ爪を有してこれらの受動ギヤクラツ
   チ爪とクラツチ爪とが噛み合う方向に付勢されるととも
   に前記カム爪が前記受動ギヤクラツチ爪に噛み合う方向
   に前記カム爪体を付勢し、且つ、このカム爪体と円周方
   向に相対的に所定角度回動するクラツチ爪体を前記従動
   軸上にスライド自在にスプライン嵌合し、前記カム爪体
   の前記カム爪が設けられた面と逆の面に位置規制爪を形
   成するとともにこの位置規制爪が係合する回転規制爪を
   前記クラツチ爪体の前記クラツチ爪が形成された面と逆
   の面に形成し、前記位置規制爪と前記回転規制爪とが回
   転方向に当接した状態における前記カム爪の頂部と前記
   クラツチ爪の頂部とが連続してなす角度が前記受動ギヤ
   クラツチ爪の溝部の角度より大きくなるように前記位置
   規制爪と前記回転規制爪との間に隙間を設けたことを特
   徴とする変速切換装置。