JPH0743440B2 - テーパ式着脱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、保持体と被保持体とを連結係合させると同時
に必要に応じて該連結係合を簡単に解除出来るようにし
たテーパ式着脱装置に関し、さらに詳しくは、原子力プ
ラントの燃料集合体と該燃料集合体の下部に接続される
下部遮蔽プラグに好適なテーパ式着脱装置に関する。

（従来技術） 保持体と被保持体とを連結係合させる同時に、必要に応
じて該連結係合を解除できるようにした着脱装置は、種
々の分野で使用されている。

以下に示す原子力プラントの燃料集合体にも上記着脱装
置が設けられているので、公知の着脱装置の一例とし
て、該原子力プラントの燃料集合体の着脱装置について
説明する。

圧力管型原子力プラントの燃料集合体の下部は、下部遮
蔽プラグにより遮蔽されている。この下部遮蔽プラグの
接続された燃料集合体を燃料交換機により炉心から引抜
いた後、該燃料交換機をトランスファポートに接続し、
燃料集合体を保持した後、燃料集合体と下部遮蔽プラグ
の切離しが行なわれる。

従来の燃料集合体と下部遮蔽プラグの接続部の着脱構造
は第７図に示されているとおりである。

第７図に示す着脱装置の切離し動作は、下部遮蔽プラグ
１のコレット部２を図示しない絞り機構により絞ること
により、下部遮蔽プラグ１の係合部３と燃料集合体４の
係合部５との係合を解除して行なっていた。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、上記従来の絞り機構は、シリンダおよび該シリ
ンダの力を絞り方向の力に交換するリンク、回転リング
およびアームなどから成り、構造が複雑であるため、据
付けスペース、コストおよび保守点検等の面で難点があ
った。

そこで、本発明の目的は、上記従来公知の着脱構造の欠
点を改善し、構造が簡素であり、低コスト、保守点検の
容易な保持体と被保持体のテーパ式着脱装置を提供する
ことにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本発明は、下部に第一の係合
部が設けられた保持体と、保持体の第一の係合部に係合
する第二の係合部を上部に設け且つ第二の係合部と一体
的に絞り可能に設けられたコレット部とを有する被保持
体との着脱装置において、被保持体のコレット部の下部
の外側に形成されたテーパ部と、テーパ部に接して摺動
可能に配置された楔部材と、楔部材を摺動させる楔押し
とを備えてなる。

（実施例） 以下、図によって本発明の実施例について説明する。

第１図は本発明の一実施例になるテーパ式着脱装置の断
面図であり、第２図は本発明の他の実施例になるテーパ
式着脱装置の断面図である。

第１図および第２図を参照して、被保持体としての下部
遮蔽プラグ１の上部には、円筒部を短冊状に切欠いて成
り、小さな力で絞り込み可能なコレット部２が設けられ
ている。該コレット部２の上部に形成された凸状の第二
の係合部３が保持体としての燃料集合体４の下部に形成
された凹状の第一の係合部５に係合して、燃料集合体４
と下部遮蔽プラグ１が接続される。

一方、燃料集合体４と下部遮蔽プラグ１とを切り離すた
め、下部遮蔽プラグ１のコレット部２の下部の外側にテ
ーパ部６が形成され、該テーパ部６に接してリング状の
楔部材７が摺動可能に配置され、該楔部材７を押してコ
レット部２を絞る（径が縮小する方向に変形する）楔押
し８が設けられている。楔押し８はコレット部２と同様
に円筒部を短冊状に切欠いて形成され、かつ上端に凸状
の引っ掛かり部8Aを形成されているが、この形状に限定
されるものではなく、複数本の立ち上り突片の先端に凸
状の引っ掛かり部8Aを設ける構造、筒状体、半割れ筒状
体等種々の構造が採用可能である。又、楔部材７の構造
もリング状に限定されるものではなく、個々に別体とな
った楔部材を楔押しに設置する構造とすることも可能で
ある。

そして、第１図に示すものではテーパ部６が上方に行く
に従い縮径しており、楔押し８が楔部材７を押下げてコ
レット部２を絞るものとなっている。

又、第２図に示すものではテーパ部６が下方に行くに従
い縮径しており、楔押し８が楔部材７を押上げてコレッ
ト部２を絞るものとなっている。

ここで、楔押し８は、トランスファポートまたは燃料交
換機に設置される。次に、楔押し８の取付位置により楔
押し８が最初から楔部材７と取合う位置に設けられてい
る場合と、楔押し８を楔部材７とは別の位置にセットし
ておき、必要時に楔部材７の位置に楔押し８を移動する
場合とがある。この２つの場合を第１図のようにテーパ
部６が上方に行くに従い縮径しており、楔押し８が楔部
材７を押し下げるものを前提に述べることにする。

まず、楔押し８が最初から楔部材７と取合う位置のトラ
ンスファポートに設けられている場合を第１図および第
３図を参照して説明する。

第３図（イ）（ロ）において、燃料交換機のグラブ９は
燃料集合体４と下部遮蔽プラグ１を支持している。第３
図（イ）に示されているように、グラブ９を上昇する
と、燃料集合体４は楔押し８に接触しかつ必要に応じて
該楔押し８を外側へ変形させながら上昇し、第３図
（ロ）に示すような所定位置でグラブ９が停止する。こ
の第３図（ロ）に示された状態が、第１図に示された状
態に相当する。第１図を参照して、燃料集合体４を図示
しない保持機構により保持しつつ、楔押し８を引き下げ
ることにより楔部材７を介して下部遮蔽プラグ１のコレ
ット部２を絞り、燃料集合体４と下部遮蔽プラグ１を切
離す。次に、グラブ９を引下げて燃料集合体４と下部遮
蔽プラグ１を離していく。

次に、楔押し８を楔部材７とは別の位置にセットしてお
き、切り離し時に楔部材７の位置に楔押し８を移動させ
る場合を第４図、第５図および第６図を参照して説明す
る。

第５図に示されているように、楔部材７の外周の螺旋状
の溝10に設けられている。そして、第５図（イ）に示さ
れているように、上端に凸状の引っ掛かり部8Aを形成さ
れた楔押し８が楔部材７の溝10に向かって上昇し、第５
図（ロ）に示されているように楔押し８の引っ掛かり部
8Aが楔部材７の溝10に嵌合して該溝10沿ってねじれなが
ら上昇し、楔押し８の引っ掛かり部8Aが楔部材７の上端
に達する。この場合、楔部材７はコレット部２と摩擦接
触しているので上方への移動が阻止されている。尚、楔
部材７の上方への移動を防止するためコレット部２の外
面に突起を設けておいてもよい。楔押し８の引っ掛かり
部8Aが楔部材７の上端に達すると、弾性によりねじれが
元に戻り、第５図（ハ）に示されているように楔押し８
の引っ掛かり部8Aが楔部材７にセットされる。この第５
図（ハ）に示された状態で楔押し８を引下げることによ
り楔部材７を介してコレット部２を絞り、燃料集合体４
と下部遮蔽プラグ１を切離すものとなる。尚、本実施例
では、楔押し８の上昇・下降駆動を第４図および第６図
に示されているように、楔押し８にラックを形成し、こ
のラックにピニオン11噛合させて行なっているが、ボー
ルスクリュー方式など他の駆動方式としてもよい。

以上に説明した構造は本発明の幾つかの実施例である
が、本発明は上記実施例に限定されるものではない。

たとえば、楔部材と楔押しを別体とせず、一体とする構
造も本発明に含まれるものである。

また、本発明は原子炉プラントの燃料集合体だけでな
く、産業機械のクレーンによる機器の吊り上げ、吊り降
ろしの接続装置にも適用可能である。

（発明の効果） 本発明では、被保持体に絞り可能に設けられたコレット
部の下部の外側に形成されたテーパ部に接して楔部材を
配置し、楔押しにより楔部材を介してコレット部を絞
り、保持体と被保持体とを切り離すので、構造が簡素化
され、低コストであり、機器の信頼性が高く、保守点検
が容易となる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の縦断面図である。 第２図は、他の実施例の縦断面図である。 第３図（イ）（ロ）は、第１図の実施例の作用を示す状
態図である。 第４図は、更に他の実施例の縦断面図である。 第５図（イ）（ロ）（ハ）は、第４図の実施例の作用を
示す状態図である。 第６図は、第４図の一部拡大図である。 第７図は、従来技術の縦断面図である。 1:下部遮蔽プラグ（被保持体） 2:コレット部 3:第二の係合部 4:燃料集合体（保持体） 5:第一の係合部 6:テーパ部 7:楔部材 8:楔押し

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】下部に第一の係合部が設けられた保持体
   と、該保持体の第一の係合部に係合する第二の係合部を
   上部に設け且つ該第二の係合部と一体的に絞り可能に設
   けられたコレット部とを有する被保持体との着脱装置に
   おいて、前記被保持体のコレット部の下部の外側に形成
   されたテーパ部と、該テーパ部に接して摺動可能に配置
   された楔部材と、該楔部材を摺動させる楔押しとを備え
   てなることを特徴とするテーパ式着脱装置。