JPH0743352A - 学習型異常診断アルゴリズム自動構築方法およびその装置 - Google Patents

学習型異常診断アルゴリズム自動構築方法およびその装置

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JPH0743352A
JPH0743352A JP4238988A JP23898892A JPH0743352A JP H0743352 A JPH0743352 A JP H0743352A JP 4238988 A JP4238988 A JP 4238988A JP 23898892 A JP23898892 A JP 23898892A JP H0743352 A JPH0743352 A JP H0743352A
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弌也 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種の診断対象に対して、極めて精度が高い
学習型診断アルゴリズムを自動構築することにある。 【構成】 性状が正常なものと異常なものとに分けられ
た診断対象群に対して複数の診断用パラメータに関する
値を測定し、この測定値に統計的処理を施し、この処理
結果から有効なパラメータと予測される診断用パラメー
タを抽出し、抽出した有効な診断用パラメータについて
の測定値に基づいて判定レベルを決定し、さらに、有効
パラメータの組み合わせ並びに判定レベルを目標正解率
が得られるまで逐次更新する。さらに、得られたデータ
を知識ベースをもとに再編集し、最高正解率を示す新た
な診断アルゴリズムを再構築する。すなわち、システム
自体のデータベースが増加するのに伴い、システム自体
が学習する結果となる。最終的には、正常、異常の判定
正解率が極めて高い診断アルゴリズムが構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、診断アルゴリズム構築
方法およびその装置に係り、自動車、家電品、発電装置
などに用いられている各種機器の異常を診断するための
診断アルゴリズムを構築するに好適な学習型異常診断ア
ルゴリズム自動構築方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機器の異常を診断する方法として
アコーティック・エミッション(AE)法が知られてい
る。このAE法を用いた診断装置としては、例えば、特
開昭62−282251号公報および特開昭62−19
755号公報に記載されている。前者の装置において
は、診断対象に対して固有の診断アルゴリズムを用いて
診断を行うようになっており、後者の装置においては、
特定のAE特性パラメータを用いて診断アルゴリズムを
構築するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において
は、各種の診断対象に対して精度の高い診断を行なう汎
用性に関しては、配慮されておらず、これらの方法を採
用しても機器が変わる毎に診断アルゴリズムを開発する
必要があり、開発効率が悪いという不具合がある。すな
わち、前者の装置の場合には、AE信号のうち特定波長
の帯域を通過した信号を取り出し、この信号と基準値を
比較し、この比較結果から軸受けの破壊の予知をするよ
うになっているが、基準値は、診断対象によって異なる
ので、診断対象以外の機器に用いることは不可能であ
る。また、後者の装置の場合には、異常の性状分類を主
体としており、診断対象の異常判定レベルを精度高く決
定することは困難であり、診断対象に最適なAE特性値
を用いた診断を行うことは不可能である。従って、両者
の装置に適用された方法は、精度の高い診断を行う場
合、各診断対象毎に開発された診断装置を用いることを
余儀なくされている。本発明の目的は、各種の診断対象
に対して、精度の高い診断を行うことができる学習型ア
ルゴリズム自動構築方法およびその装置を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的は、性状が正常
なものと異常なものとに分けられた診断対象群に対して
複数の診断用パラメータに関する値を測定し、各診断用
パラメータの測定値に統計処理を施し、この処理結果に
基づいて診断用パラメータ群の中から有効なパラメータ
と予測される診断用パラメータを複数個抽出し、抽出し
た有効な診断用パラメータの測定値に基づいて診断対象
の性状の良否を判定するための判定レベルを決定し、判
定レベルに基づいて正常、異常品を判定するアルゴリズ
ム構築手法またはその装置において、判定された正常、
異常品の判定正解率を算出し、目標正解率に達しない場
合、さらに、診断用パラメータの組み合わせと判定レベ
ルを目標とする正解率を得るまで逐次更新し、正解率が
目標値を達成する複数個のパラメータと判定レベルから
決定されることによって、達成される。また、構築され
たアルゴリズムによって正常、異常の性状が不明な診断
対象群の診断を実行し、正常、異常品に分類し、さらに
診断結果が妥当であるかを再評価し、誤診断対象サンプ
ルについてのみ診断結果を修正し、正解サンプルととも
に知識ベースに診断の都度データを蓄え、更新されたデ
ータベースに基づいてアルゴリズムを再構築することに
よって、達成される。
【0005】
【作用】統計処理方法と確信度評価によるファジィ的手
法によるアルゴリズム構築手段にて抽出された有効パラ
メータと判定レベルによる正常、異常の判定正解率が所
定の目標とする正解率に至らない場合、有効パラメータ
の組み合せと判定レベルを逐次更新し、アルゴリズムを
再構築することにより、さらに、判定精度の高い異常診
断アルゴリズムを構築することが可能となる。また、得
られたデータを知識ベースを基に再編集し、最高正解率
を示すさらに有効パラメータの選出と最適判定レベルに
よる新たな診断アルゴリズムを再構築する。すなわち、
システム自体のデータベースが増加するのに伴い、シス
テム自体が学習する結果となり、最終的には、正常、異
常の判定正解率が極めて高い診断アルゴリズムが構築で
きる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1は、本発明の第一の実施例であり、診断アルゴ
リズム構築方法の処理方法を示すフローチャートを示
す。図2に本発明に係る装置の全体構造を示す。図2に
おいて、診断対象は、例えば蒸気タービン、発電機、水
車、圧延機やモータなどの回転体であり、各診断対象1
0は性状が正常なものと異常なものとに分類されてい
る。そして、各診断対象10は検出器12によって各種
診断用パラメータに関する値が検出されるようになって
いる。検出器12の出力信号は増幅器14、A/D変換
器16を介してコンピュータ18に送出されるようにな
っている。コンピュータ18は、波形解析部20、周波
数解析部22、演算処理部24から構成されており、演
算処理部24が表示部26、入出力部28に接続されて
いる。また、コンピュータ18は、平均値算出手段、第
1分散算出手段、第2分散算出手段、分散率算出手段、
パラメータ抽出手段、偏差量算出手段、演算手段、個別
確信度算出手段、最終総合確信度算出手段および判定レ
ベル決定手段、正解率算出手段、目標正解率判定手段並
びに最高正解率算定手段から構成される。そして、コン
ピュータ18は、検出器12からの検出信号を基に複数
の診断用パラメータに関する値を統計処理し、この処理
結果を基に診断レベルを決定するようになっている。診
断用パラメータとしては、波形特性に関する診断用パラ
メータと周波数特性に関する診断用パラメータが用いら
れている。波形特性に関するAEパラメータとしては、
表1に示されるように、平均値、平均ピーク値、エネル
ギー値などがあり、周波数特性に関するAEパラメータ
としては、表2に示されるように、第1ピーク周波数と
その電圧、回転一次周波数とその電圧、回転二次周波数
とその電圧などがある。
【0007】
【表1】
【0008】
【表2】 たとえば、AE信号の検波波形を評価するのであれば、
図3に示す検波波形をもとに波形特性に関するAEパラ
メータを表3に示す方法によって測定する。また、周波
数特性に関するAEパラメータは、図3に示したAE検
波波形の周波数分析(たとえば、FFT処理)結果(図
4に1例を示す)をもとに表4に示す方法によって測定
する。
【0009】
【表3】
【0010】
【表4】
【0011】本発明を具体的に説明するに当たり、図2
に示す装置構成により、従来実施されている統計処理手
法とファジイ的処理手法によるアルゴリズム構築手法に
ついて説明する。図5に診断のフローチャートを示す。
まず、複数の診断対象10を正常品と異常品とに分け、
正常品をn個、異常品をm個とし(ステップ100)、
各診断対象10に対して各種AEパラメータについての
測定を実行する(ステップ102)。すなわち、各診断
対象10に検出器12を設置し、各診断対象10からの
検出信号をコンピュータ18に転送し、コンピュータ1
8において検出信号の波形解析および周波数解析を実行
し、これらの解析結果を演算処理部24において処理す
る。波形特性に関するAEパラメータについての測定値
および周波数特性に関するAEパラメータに関する測定
値が演算処理部24において処理される。この演算処理
を行うに際しては、次の(1)式から(12)式が用い
られ、まず、正常品の各AEパラメータの平均値が
(1)式に従って算出される(ステップ104)。
【0012】
【数1】 次に、正常品の測定値と正常品の平均値から(2)式に
従って正常品の分散を算出する(ステップ106)。さ
らに異常品の測定値と正常品の平均値から(3)式に従
って異常品の分散を算出する(ステップ108)。そし
て正常品の分散と異常品の分散の比又は差として分散率
を(4)式に従って算出する(ステップ110)。これ
らの処理は各AEパラメータについて行われ、各AEパ
ラメータの分散率から有効なパラメータを複数個抽出す
る(ステップ112)。例えば、分散率の大きい順にA
Eパラメータを4項目選択する。図6は有効パラメータ
の抽出例と各AEパラメータの分散率の表示例である。
有効なAEパラメータとして4項目のAEパラメータが
抽出された後は、各有効パラメータについて正常品の平
均値に対する正常品および異常品の偏差量を(5)、
(6)式に従って各診断対象10ごとに算出する(ステ
ップ114)。そして正常品の平均値に対する偏差量を
基に、(7)式と(8)式に従って正常品の偏差量平均
値と標準偏差を算出する。そしてこれらの算出値を基に
各有効AEパラメータの個別確信度を決定する(ステッ
プ116)。この個別確信度を決定するに際して、本実
施例では、個別確信度Rに基準を以下のように設定す
る。
【0013】
【数2】 図7は正常、異常各サンプルの偏差量を個別確信度を示
したものである。数1に示した式により求まった値以内
を0.1とし、その倍を0.2とする。同様に0.3,
0.4とし、個別確信度を決定する。最終総合確信度M
Sを算出するに際しては、ファジー推論的手法として、
コンバイン関数法に従って最終確信度MSを算出する。
最終総合確信度MSを算出するに際しては、(9)式か
ら(12)式が用いられ、まず、第1有効パラメータの
個別確信度R1を用いて第1総合確信度M1を(9)式に
従って求める。次に、第2有効パラメータの個別確信度
2を用いて第2総合確信度M2を(10)式に従って求
める。以下、同様に、第3総合確信度M3を(11)式
により、最終総合確信度MSを(12)式に従って求め
る。最終総合確信度MSを算出した後は、図8に示され
るように、最終総合確信度MSを横軸にとり、その度数
を縦軸にとった分布図を作成し、正常品と異常品が分離
している分離型の場合は、正常品MSの最大値と異常品
Sの最小値の中心を判定レベルとする。また、正常品
と異常品が重なりあう混在型の場合には、正常品を異常
品の交点を判定レベルとし、この判定レベルに従って正
常品と異常品の判定を行う(ステップ120)。これに
より診断アルゴリズムを構築することが出来る。以上が
従来実施されているアルゴリズム構築手法の概要であ
る。
【0014】次に、本発明の具体的実施例について、図
1に示すフローチャートを用いて説明する。図5におい
て示したアルゴリズム構築方法50を用いてアルゴリズ
ムが構築されたとしても、選定された4個の有効パラメ
ータ並びに診断レベルによって、正常、異常の判定正解
率が最高値を示すとは限らない。例えば、次のような場
合がその一例に当てはまる。正常品に対し、異常品
(A)の分散が図9に示す位置になり、また、異常品に
突出したデータとして異常品(B)があった場合、計算
上異常品の分散は異常品(A)と異常品(B)を重ねた
仮想的な異常品(A)+(B)に示す位置となり、同図
破線で示した分散率KSをとることになる。従って、分
散率KSは、他の有効パラメータに比べ、数値的には大
きな値をとり、最も有効なパラメータとして選出され
る。結果的には正常、異常品を判別するための判定値が
同図に示す位置となり、異常品(A)の一部(図9の斜
線部分)を正常品と判定するため、正解率が低下するこ
とになる。このようなパラメータを用いることのないよ
う、本発明では、図1に示すように正解率を算出(ステ
ップ200)し、次に目標とする正解率に至っているか
否かを判定(ステップ201)する。目標とする正解率
に至っている場合には、アルゴリズムが確定される(ス
テップ202)。しかし、正解率が目標に達していない
場合、前記アルゴリズム構築手法50に図5のステップ
112において選択された有効パラメータとは異なる別
の有効パラメータの組み合せを選択する指示を行う。同
様に正解率が高くなるよう図5のステップ120の判定
レベルも自動的に変更する指示も加えられる。上記動作
は目標とする正解率が達成できるまで繰り返し実施す
る。なお、分散率KSの高いパラメータから逐次選択
し、パラメータの変更を実施することが重要である。な
ぜならば、分散率KSの極めて低いパラメータは有効と
はなり得ず、ましてや22個パラメータの中からたとえ
ば無作為に4個のパラメータを抽出し、正解率を求める
とすると全組み合せ数は175,560通りとなり、演
算処理時間が膨大となるからに他ならない。さらに、上
述した処理においても目標正解率が達成できない場合も
ある。本発明では、図1に示す最高正解率算定手段(ス
テップ203)により、常に各パラメータの組み合せと
判定レベルによる正解率を記録しておき、目標正解率が
得られなかった場合には、最高正解率を示した各パラメ
ータの組み合せと判定レベルをもって異常診断アルゴリ
ズムとする。
【0015】図10は、本発明の第二の実施例を示す。
前記実施例においては、診断対象として正常品と異常品
とが分類されているものについて述べたが、正常品及び
異常品が不明な診断対象10の実際のラインでの診断を
行なう場合、コンピュータ18には図10に示すように
波形解析部20、周波数解析部22の代わりに、有効パ
ラメータ解析部30を用い、有効パラメータ解析部30
において特定の有効パラメータについて波形解析および
周波数解析を行い、この解析結果を演算処理部24へ出
力するようにする。このようにすれば、図11に示され
るように、有効な複数個のAEパラメータP1、P2、P
3、P4についてのみ各診断対象10の測定を実行(ステ
ップ300)し、正常品平均値に対する各サンプルの偏
差量を求め(ステップ302)、さらに各有効パラメー
タの個別確信度を求め(ステップ304)、最後に最終
総合確信度MSを求める(ステップ306)。正常、異
常品の判定(ステップ308)処理は、図1に示した処
理フローにおいて、すでに求められている図8に示す判
定レベルを用いて各診断対象10の判定が実行される。
【0016】図12は、本発明の第三の実施例を示し、
図1に示した実施例の機能をさらに向上した例である。
最初にアルゴリズム構築の際に選別される正常品と異常
品の数量には限りがあるため、診断を実行する際、選別
されたサンプルのデータ値以内であれば正解率が約10
0%近くになるが、異なったデータを持つサンプルが入
力された場合、正解率は低下することになる。すなわ
ち、数多くのサンプルのデータをシステムに記憶させる
ことにより、診断の正解率は向上することになる。本実
施例では、図1に示したアルゴリズム構築手法によりオ
ンラインあるいはオフラインで診断(ステップ400)
された判定結果(ステップ402)が妥当なものか否か
を、製品の分解点検などにより再評価(ステップ40
4)し、再評価結果と各サンプルのパラメータ解析結果
500を知識ベース600に入力する。知識ベース60
0では再評価結果に基づいて更新した正常、異常品のデ
ータベース700を持って、再び診断アルゴリズムを再
築構する。上記した処理フローを繰り返し、診断アルゴ
リズムを更新する。すなわち、サンプル数が増えれば、
増える程、学習制御し、再構築された診断アルゴリズム
の正解率は向上することになる。なお、知識ベース60
0では次の知識を持つ。 1.有効パラメータの抽出方法 表1、表2に示したW系、F系パラメータにおいて、同
系のパラメータが複数個選定された場合、パラメータに
片寄りが出来、正解率が低下するため、同系で分散率の
高い順にパラメータを複数個選定し、他の1個もしくは
複数個を別系のパラメータと入れ換える。さらに選定し
たパラメータの中に同族の項目が含まれるときには、別
族で最大分散率を示したパラメータと入れ換える。上述
した知識を有効パラメータ抽出(図5のステップ11
2)の際の選定条件に加える処理を実行する。 2.突出データの削除 知識ベースに蓄えられたデータ群に突出したデータがあ
り、正解率が向上しない場合、以下の式によってデータ
の標準偏差σを求め、例えば、3σを超えたデータは突
出した異常データとしてデータ群から削除する。
【0017】
【数3】 3.多階段アルゴリズム手法の導入 図13に示すように、例えば、性状の異なるサンプルの
データ群が混在し、最終総合確信度MSのマップにおい
て正常、異常品を区分けできる判定値が得られない場
合、知識ベース600から判定レベル決定(図5のステ
ップ120)の際、次に示す指令を出す。全サンプルの
データを基に算出された有効パラメータによる最終総合
確信度MSマップ上で図13の第1処理過程に示す正常
品の最大MS値位置を判定レベルとし、図13斜線で示
すデータ群を異常品と判定し、全データから削除する。
次に、残されたデータ群が更新されたデータベース70
0として、再度判定処理フローに入り、再び、図13に
示す第2処理過程において最終総合確信度MSのマップ
が作られる。同様の処理を第3処理過程においても実行
する。第1処理過程では、当り音発生品が、第2処理過
程では、ベアリング音発生品が異常と診断され、データ
群から削除される。第3過程に至ると正常品とブラシ音
発生品が完全に分離できるので、正常品の最大MS値と
ブラシ音品の最小MS値の、例えば中間点を判定レベル
とする。以上のような多段階アルゴリズム手法を用いれ
ば、性状の異なるサンプルや異常程度の異なるサンプル
の正常、異常判定が可能となる。生産ラインにおいて正
常、異常の不明なる製品を診断する場合は、図14に示
すように第1〜第3の診断アルゴリズムを用いて判定処
理を実施すれば、正解率100%の正常、異常品の判定
が可能となる。なお、図12のステップ404の処理を
オンラインなどにてその都度実行することは、量産品な
どにとっては、生産性が低下する原因ともなる。従っ
て、診断の立ち上げ時には実施するが、ある程度知識も
増え、どのようなサンプルに対しても誤診断を起こさな
くなった場合には、診断アルゴリズムが確立されたこと
になるため、ステップ404の処理は除くことができ
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
性状が正常なものと異常なものとに分けられた診断対象
群に対して複数の診断用パラメータに関する値を測定
し、この測定値に統計的処理を施し、この処理結果から
有効なパラメータと予測される診断用パラメータを抽出
し、抽出した有効な診断用パラメータについての測定値
に基づいて判定レベルを決定し、さらに、有効パラメー
タの組み合わせ並びに判定レベルを目標正解率が得られ
るまで逐次更新する。さらに、得られたデータを知識ベ
ースをもとに再編集し、最高正解率を示す新たな診断ア
ルゴリズムを再構築する。すなわち、システム自体のデ
ータベースが増加するのに伴い、システム自体が学習す
る結果となる。従って、最終的には、正常、異常の判定
正解率が極めて高い診断アルゴリズムを構築することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の作用を説明するフロー
チャートである。
【図2】本発明が適用された装置の全体構成図である。
【図3】AE検波波形図である。
【図4】AE検波波形の周波数特性図である。
【図5】本発明を説明するための補足図である。
【図6】算出した分散率の表示例である。
【図7】正常品、異常品各サンプルの偏差量と個別確信
度のデータ例である。
【図8】判定レベルの決定方法を説明するための図であ
る。
【図9】本発明を説明するための補足図である。
【図10】本発明の第二の実施例を示す構成図である。
【図11】図10に示す装置の作用を説明するフローチ
ャートである。
【図12】本発明の第三の実施例を説明するフローチャ
ートである。
【図13】図12の機能を説明するための診断フロー図
である。
【図14】図12に示した第三の実施例を用いて、サン
プルを診断する際の診断フローの一例である。
【符号の説明】
10 診断対象 12 検出器 14 増幅器 16 A/D変換器 18 コンピュータ 20 波形解析部 22 周波数解析部 24 演算処理部 26 表示部 28 入出力部 30 有効パラメータ解析部 600 知識ベース 700 更新されたデータベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 勇二 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 性状が正常なものと異常なものとに分け
    られた診断対象群に対して複数の診断用パラメータに関
    する値を測定し、各診断用パラメータの測定値に統計処
    理を施し、この処理結果に基づいて診断用パラメータ群
    の中から有効なパラメータと予測される診断用パラメー
    タを複数個抽出し、抽出した有効な診断用パラメータの
    測定値に基づいて診断対象の性状の良否を判定するため
    の判定レベルを決定し、判定レベルに基づいて正常、異
    常品を判定するアルゴリズム構築手法において、判定さ
    れた正常、異常品の判定正解率を算出し、目標正解率に
    達しない場合、さらに、診断用パラメータの組み合わせ
    と判定レベルを目標とする正解率を得るまで逐次更新
    し、正解率が目標値を達成する複数個のパラメータと判
    定レベルから決定されることを特徴とする学習型異常診
    断アルゴリズム自動構築方法。
  2. 【請求項2】 複数の診断対象を正常グループと異常グ
    ループとに分け、各グループの各診断対象に対して複数
    の診断用パラメータに関する値を測定し、各診断用パラ
    メータの測定値のうち正常グループの平均値を算出し、
    この平均値と前記測定値から正常グループの分散を各診
    断用パラメータ毎に算出し、次に異常グループの分散を
    各診断用パラメータ毎に算出し、正常グループについて
    算出された分散と異常グループについて算出された分散
    との比または差から各診断用パラメータの分散率を算出
    し、算出した分散率をもとに診断用パラメータ群の中か
    ら有効な診断用パラメータを複数個抽出し、各診断対象
    について測定値と前記正常グループの平均値との偏差量
    を、抽出した診断用パラメータについて算出し、算出し
    た偏差量から正常グループの偏差量平均値と標準偏差量
    を算出し、これらの算出値から各有効な診断用パラメー
    タの個別確信度を算出し、各個別確信度に基づいて最終
    総合確信度を算出し、この算出値にしたがって決定され
    る判定レベルにより診断対象の性状の良否を判定するア
    ルゴリズム構築手法において、判定された正常、異常品
    の判定正解率を算出し、目標正解率に達しない場合、さ
    らに、診断用パラメータの組み合わせと判定レベルを目
    標とする正解率を得るまで逐次更新し、正解率が目標値
    を達成する複数の診断用パラメータと総合確信度の判定
    レベルから決定されることを特徴とする学習型異常診断
    アルゴリズム自動構築方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、目標
    とする正解率が達成できない場合には、最高正解率を示
    した診断用パラメータの組み合わせと判定レベルを持っ
    て診断アルゴリズムとすることを特徴とする学習型異常
    診断アルゴリズム自動構築方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、最初
    に選出される診断用パラメータは分散の高い順とし、次
    に逐次更新され、残っている診断用パラメータも同様に
    分散の高い順とすることを特徴とする学習型異常診断ア
    ルゴリズム自動構築方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかにおい
    て、構築されたアルゴリズムによって正常、異常の性状
    が不明な診断対象群の診断を実行し、正常、異常品に分
    類し、さらに診断結果が妥当であるかを再評価し、誤診
    断対象サンプルについてのみ診断結果を修正し、正解サ
    ンプルとともに知識ベースに診断の都度データを蓄え、
    更新されたデータベースに基づいてアルゴリズムを再構
    築することを特徴とする学習型異常診断アルゴリズム自
    動構築方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、知識ベースにデータ
    として他のデータに比べ突出したデータが加わった場
    合、所定の判定基準をもとに、データベースから削除す
    ることを特徴とする学習型異常診断アルゴリズム自動構
    築方法。
  7. 【請求項7】 性状が正常なものと異常なものとに分け
    られた診断対象群に対して複数の診断用パラメータに関
    する値を測定し、各診断用パラメータの測定値に統計処
    理を施し、この処理結果に基づいて診断用パラメータ群
    の中から有効なパラメータと予測される診断用パラメー
    タを複数個抽出し、抽出した有効な診断用パラメータの
    測定値に基づいて診断対象の性状の良否を判定するため
    の判定レベルを決定し、判定レベルに基づいて正常、異
    常品を判定するアルゴリズム構築装置において、判定さ
    れた正常、異常品の判定正解率を算出する手段と、目標
    正解率に達しない場合、さらに、診断用パラメータの組
    み合わせと判定レベルを目標とする正解率を得るまで逐
    次更新する手段を有し、正解率が目標値を達成する複数
    個のパラメータと判定レベルから決定されることを特徴
    とする学習型異常診断アルゴリズム自動構築装置。
  8. 【請求項8】 性状が正常なものと異常なものとを含む
    診断対象群に対して複数の診断用パラメータに関する値
    を測定する測定手段と、測定手段の測定値のうち正常な
    診断対象群から得られた各診断用パラメータの平均値を
    算出する平均値算出手段と正常な診断対象の分散を各診
    断用パラメータ毎に算出する第1分散算出手段と、測定
    手段の測定値と平均値算出手段の算出値とから異常な診
    断対象の分散を各診断用パラメータ毎に算出する第2分
    散算出手段と、各分散算出手段の算出値の比あるいは差
    から各診断用パラメータの分散率を算出する分散率算出
    手段と、分散率算出手段の算出値を基に診断用パラメー
    タ群の中から有効な診断用パラメータを複数個抽出する
    パラメータ抽出手段と、測定値と平均値算出手段の算出
    値をもとに各診断対象の測定値と平均値の偏差量を、パ
    ラメータ抽出手段によって抽出された各有効な診断用パ
    ラメータについて算出する偏差量算出手段と、偏差量算
    出手段の算出値から正常な診断対象群の偏差量平均値と
    標準偏差を算出する演算手段と、演算手段の演算値から
    各有効な診断用パラメータの個別確信度を算出する個別
    確信度算出手段と、個別確信度算出手段の算出値に基づ
    いて最終総合確信度を算出する最終総合確信度算出手段
    と、最終確信度算出手段の算出値に従って診断対象の性
    状の良否を判断するための判定レベルを決定する判定レ
    ベル決定手段からなるアルゴリズム構築装置において、
    作成されたアルゴリズムによる正常、異常品の判定正解
    率を算出する正解率算出手段と、正解率が目標正解率に
    達しているかを判断し、目標正解率に至らない場合に
    は、目標正解率を得る診断用パラメータの組み合わせ並
    びに最終総合確信度の判定レベルを逐次更新する指令を
    出す目標正解率決定手段を有することを特徴とする学習
    型異常診断アルゴリズム自動構築装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8において、目標
    とする正解率が達成できなかった場合、最高正解率を示
    した診断用パラメータの組み合わせと判定レベルをもっ
    て診断アルゴリズムとする最高正解率算定手段を有する
    ことを特徴とする学習型異常診断アルゴリズム自動構築
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項7から請求項9のいずれかにお
    いて、構築されたアルゴリズムによって正常、異常の性
    状が不明な診断対象群の診断を実行する手段と、正常、
    異常品に分類し、さらに診断結果が妥当であるかを再評
    価する手段と、誤診断対象サンプルについてのみ診断結
    果を修正し、正解サンプルとともに知識ベースに診断の
    都度データを蓄える手段と、更新されたデータベースに
    基づいてアルゴリズムを再構築する手段を有することを
    特徴とする学習型異常診断アルゴリズム自動構築装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、知識ベースにデ
    ータとして他のデータに比べ突出したデータが加わった
    場合、所定の判定基準をもとに、データベースから削除
    する手段を有することを特徴とする学習型異常診断アル
    ゴリズム自動構築装置。
  12. 【請求項12】 請求項10において、知識ベースは、
    求められた最終総合確信度から、性状の良否を判定する
    ための判定レベルが決定できない場合、正常品の最終総
    合確信度の最大値を判定レベルとし、正常、異常品を判
    別する第1の診断アルゴリズムと、次に第1の診断アル
    ゴリズムによって異常と判定された診断対象群を削除
    し、残された診断対象群から再度診断アルゴリズムを構
    築し、同様に正常品の最終総合確信度の最大値を判定レ
    ベルとし、正常、異常品を判別する第2の診断アルゴリ
    ズムと、以下同様な処理を実行する多段階診断アルゴリ
    ズムを知識として保有することを特徴とする学習型異常
    診断アルゴリズム自動構築装置。
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