JPH0742029A - ダブルツイスター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】異なる物性の糸同志を合わせた糸を仕掛ける場
合にも撚を均一に付与し得るようにする。 【構成】静止部２、４、５に固定されたヤーンガイド21
を備え、ヤーンガイド21を経て解じょされる糸Ｙに引か
れて給糸パッケージＰが回転する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、給糸パッケージから
解じょされる糸をテンサーを経て回転する糸貯溜盤から
バルーンガイドに導く間に撚掛けするダブルツイスタ
ー、特に、物性の異なる糸同志を合わせた糸に撚掛けす
るのに適したダブルツイスターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】紡績用ダブルツイスターとして、従来、
図２に示すものが知られている。そのダブルツイスター
は、非回転の給糸パッケージＰから引き出される糸Ｙ
を、糸引出しと共にゆっくり回転するフライヤーＦの先
端のガイド孔を経てテンサー４内に導き、給糸パッケー
ジＰ下方で回転する糸貯溜盤１の半径方向に形成されて
いる導糸孔を経て上方のバルーンガイド２３へ案内し、
その糸Ｙに撚を付与するものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の紡績用ダブルツ
イスターは、給糸パッケージＰより解じょされる糸Ｙが
給糸パッケージＰの表面でころがることにより、解じょ
変動が発生している。また、フライヤーＦが回転むらを
起こすことにより、バルーンフォームも不安定である。
従って、付与される撚は不均一である。特に、伸縮性の
高い弾性糸と紡績糸のように物性の異なる糸同志を合わ
せた糸を対象とする場合は、相互に分離しやすく、テン
サーに揃って入ることが困難であり、弾性糸に対する紡
績糸の撚の偏りが大きくなるので、撚上がり糸の弾性が
不均一になる。

【０００４】この発明は、異なる物性の糸同志を合わせ
た糸を仕掛ける場合にも撚を均一に付与し得るダブルツ
イスターを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のダブルツイスターは、静止部に固定され
たヤーンガイドを備え、ヤーンガイドを経て解じょされ
る糸に引かれて給糸パッケージが回転するものである。

【０００６】

【作用】上記のように構成されたダブルツイスターにお
いては、給糸パッケージから解じょされる糸は、静止す
るヤーンガイドロッドのガイド孔を通り、テンサー及び
糸貯溜盤の導糸孔を経て引出される間に撚が付与され
る。その際、給糸パッケージは、静止するヤーンガイド
のガイド孔より引出される糸に引かれて回転する。

【０００７】

【実施例】図１を参照し、この発明のダブルツイスター
の実施例について説明する。

【０００８】このダブルツイスターは、概ね、回転する
糸貯溜盤１と、その上方に設けられた静止ディスク２
と、静止ディスク２に回転可能に支持された給糸ボビン
ホルダー３と、静止ディスク２の上部に設けられたテン
サー４と、テンサー４の上部に設けられたヤーンガイド
ホルダー５とより構成されている。

【０００９】糸貯溜盤１は、駆動ベルトによって回転す
るワーブ７の上部に固定されており、半径方向に図示省
略した導糸孔が形成されている。

【００１０】静止ディスク２は、中心に孔を有する円板
部２ａと、その上方に一体に突出する中空の円筒部２ｂ
とよりなり、ワーブ７から上方に突出するスピンドル８
にボールベアリング９により支持されている。また、円
板部２ａの外縁部には給糸カバー１０とマグネット１１
が設けられており、このマグネット１１に対する外側の
アウターリング１２にも、反対極のマグネット１３が内
蔵されている。従って、静止ディスク２は、それを支持
するスピンドル８が回転するにも係わらず、非回転状態
を維持することができる。

【００１１】給糸ボビンホルダー３は、静止ディスク２
の円筒部２ｂの上方及び下部にそれぞれ設けられたボー
ルベアリング１４、ニードルベアリング１５を介して軽
く回転し得るよう静止ディスク２に支持されている。こ
の給糸ボビンホルダー３には、給糸パッケージＰが挿着
される。

【００１２】テンサー４は、ヤーンガイドパイプ１６、
上部受部材１７、下部受部材１８及び各受部材間に配さ
れたスプリング内蔵のカプセル１９とよりなり、静止デ
ィスク２の円筒部２ｂの上端に連接された筒状のポスト
２０内に挿着されている。

【００１３】ヤーンガイドホルダー５は、テンサー４を
構成するヤーンガイドパイプ１６に固定され、給糸パッ
ケージＰの上方の外周部に延び、先端部及びその近くに
ガイド孔２１ａを有するヤーンガイド２１と、ヤーンガ
イドパイプ１６の上方に位置するヤーンガイドローラー
２２とが付設されている。

【００１４】テンサー４の挿着されるポスト２０は、静
止する静止ディスク２の円筒部２ｂの上端に連接されて
いるので、テンサー４のヤーンガイドパイプ１６に固定
されたヤーンガイドホルダー５は、運転中にも静止状態
が維持される。

【００１５】このように構成されたダブルツイスターに
おいては、給糸パッケージＰから解じょされる糸Ｙは、
静止状態にあるヤーンガイド２１のガイド孔２１ａを通
ってヤーンガイドローラー２２に導かれ、テンサー４及
び糸貯溜盤１の導糸孔を経て上方のバルーンガイド２３
へ引出される。その際、糸Ｙが給糸パッケージＰより解
じょされることにより、更に糸貯溜盤１が回転している
ことにより、糸Ｙには二重に撚が付与される。また、給
糸パッケージＰは、静止するヤーンガイド２１のガイド
孔２１ａより引出される糸Ｙに引かれることにより回転
する。更に、ヤーンガイドローラー２２は、解じょされ
る糸Ｙが給糸パッケージＰを回転させることに起因する
糸Ｙの張力を緩和するのに役立っている。

【００１６】この発明のダブルツイスターは、フライヤ
ーを有する従来のダブルツイスターに比べ、給糸パッケ
ージＰより解じょされる糸Ｙが給糸パッケージＰの表面
でころがることがないので、解じょ変動がほとんどな
い。また、この発明のダブルツイスターは、回転むらを
起こすフライヤーを有していないので、バルーンフォー
ムも安定している。従って、給糸パッケージＰより解じ
ょされる糸Ｙは常に緊張した状態で安定してテンサー４
に入るので、付与される撚は均一である。特に、スパン
デックスのような伸びやすい弾性糸と紡績糸とを合糸し
た糸を給糸Ｙとして撚糸する場合、弾性糸に対する紡績
糸の撚の偏りがほとんどなく、撚上がり糸の弾性が均一
になる。また、上記糸に限らず、互いに物性の異なる糸
同士を合わせた糸を給糸Ｙとする場合に有効である。

【００１７】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００１８】即ち、給糸パッケージの表面をころがるこ
となく糸が解じょされるので、解じょ変動がほとんど生
じない。また、回転むらを起こすフライヤーを有してい
ないので、バルーンフォームも安定している。従って、
撚が均一に付与される。特に、弾性糸と紡績糸とを合糸
した糸を給糸として撚糸する場合には、撚上がり糸の弾
性が均一になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のダブルツイスターの縦断面図であ
る。

【図２】従来のダブルツイスターの一部を破断した斜視
図である。

【符号の説明】

１ 糸貯溜盤 ２ 静止ディスク ３ 給糸ボビンホルダー ４ テンサー ５ ヤーンガイドホルダー ２１ ヤーンガイド ２１ａ ガイド孔 Ｐ 給糸パッケージ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】静止部に固定されたヤーンガイドを備え、
   ヤーンガイドを経て解じょされる糸に引かれて給糸パッ
   ケージが回転するダブルツイスター。