JPH0741027B2 - 血圧測定装置 - Google Patents

血圧測定装置

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JPH0741027B2
JPH0741027B2 JP61038156A JP3815686A JPH0741027B2 JP H0741027 B2 JPH0741027 B2 JP H0741027B2 JP 61038156 A JP61038156 A JP 61038156A JP 3815686 A JP3815686 A JP 3815686A JP H0741027 B2 JPH0741027 B2 JP H0741027B2
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マーク・エドワード・マツクザイゲンバ
ロバート・ルイス・ネザリン
ブレンダ・アン・サージエント
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コーリン電子株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、カフを用いて血圧値を自動的に測定する血圧
測定装置に関するものであり、特に、被測定者の負荷テ
ストあるいはその他の身体的活動期間中においても、好
適に血圧を測定できるようにする技術に関するものであ
る。
従来技術 今日における主な医学上の一般的な問題のひとつは、異
常血圧に対する管理が困難であることである。実際、高
血圧は合衆国における疾病または死亡の主な原因であ
り、また、断続的経口治療あるいは緊急静脈内薬物治療
が行われている現在でも、合衆国人口の50%以上が高血
圧であるとみられている。
異常血圧の管理においては、問題の有無を決定したりそ
の問題の緩和または調整のために血圧値をモニタしたり
する場合に、正確で信頼できる血圧測定器が望まれる。
特に、医者による診断に際しては、静止状態のみなら
ず、負荷テスト中などの運動中の患者の血圧を測定する
ことが必要とされる。しかし、このような場合には、激
しくかつ頻繁な腕の運動によって、モーションアーチフ
ァクトとして知られるノイズ信号を多数生じることが避
け難い。
これに対し、上記のような運動テスト中での最高血圧と
最低血圧を測定する装置を供給しようとする試みが多数
為されてきた。上記モーションアーチファクトはコロト
コフ音と類似する場合があるため、周波数的に弁別する
ことが困難であり、モーションアーチファクトが検知さ
れた場合には入力信号が削除されるのが一般的である。
このような装置の一例としては、チャールズ・S・ウィ
ーバー等へ発行された合衆国特許第4,408,614号があげ
られる。ウィーバー等は、運動負荷テスト中に使用でき
るようにされた血圧測定装置に含まれるコロトコフ音検
出器からの出力信号からの誤った信号を検知したり削除
したりする自動血圧測定用コンピューター制御技術を提
供している。
発明が解決すべき問題点 しかしながら、上記のような既知のシステムは一般的
に、モーションアーチファクトの部分的削除を行うこと
によりある程度高められた精度をもたらすものである
が、未だ充分な測定精度が得られなかった。すなわち、
医師の診断時に行われる血圧測定では、静止状態でも被
測定者が急に腕などを動かしたりする場合がある他、比
較的激しい運動テスト中における場合もあるが、このよ
うなモーションアーチファクトの発生が激しい場合にそ
のモーションアーチファクトが検出される毎に入力信号
が削除されると、血圧値を決定するための入力信号が充
分に得られない場合があるため、血圧測定が正確に或い
は円滑に実行され得ないことがある。したがって、この
ような場合でも実用可能で高精度な血圧測定方法或いは
装置が強く求められているのである。
問題点を解決するための第1の手段 本発明者は以上の事情を背景として種々研究を重ねた結
果、カフの末梢側に発生する脈音とカフの基幹側に発生
する脈音との時間差、すなわち遅れ時間と、上記カフの
末梢側に発生する脈音の大きさとの積のカフ圧に対する
変化を見ると、最高血圧値および最低血圧値に対応した
部分において極めて急峻に変化する事実を見出した。本
発明は以上の知見に基づいて為されたものである。
すなわち、本発明の要旨とするところは、被測定者の身
体の一部をカフにて圧迫することにより該被測定者の血
圧値を測定する血圧測定装置であって、(1)前記カフ
の末梢側および基幹側に発生する脈音をそれぞれ検出す
る一対の末梢側音トランスジューサおよび基幹側音トラ
ンスジューサと、(2)前記基幹側音トランスジューサ
によって検出された脈音と末梢側音トランスジューサに
よって検出された脈音との遅れ時間を測定する遅れ時間
測定手段と、(3)前記末梢側音トランスジューサによ
って検出された脈音の大きさと前記遅れ時間との積を求
め、該積と前記カフの圧力変化との関係を表す血圧評価
曲線を求める演算手段と、(4)この演算手段によって
求められた血圧評価曲線の急激な立ち上がり部分に対応
するカフの圧力を、前記被測定者の最高血圧値および最
低血圧値として決定する血圧決定手段とを、含むことに
ある。
作用および第1発明の効果 このようにすれば、カフの末梢側に発生する脈音の大き
さだけでなく、この脈音の大きさとカフの末梢側および
基幹側に発生する脈音間の遅れ時間との積が求められる
とともに、この積とカフ圧との関係、すなわちこの関係
を示す血圧評価曲線が求められ、この関係に基づいて血
圧値が決定される。上記関係は最高血圧値および最低血
圧値に対応した位置において極めて急峻な変化を示すも
のであるので、少々のノイズが混入しても正確に最高血
圧値および/または最低血圧値が求められ得るのであ
る。
問題点を解決するための第2の手段 また、本発明の他の態様の要旨とするところは、被測定
者の身体の一部をカフにて圧迫することにより被測定者
の血圧値を測定する血圧測定装置であって、(1)前記
カフの末梢側および基幹側に発生する脈音をそれぞれ検
出する一対の末梢側音トランスジューサおよび基幹側音
トランスジューサと、(2)前記被測定者の心電誘導信
号を採取する心電誘導装置と、(3)この心電誘導信号
を基準として前記脈音の発生が予想される期間内だけ脈
音を通過させる脈音ゲート手段と、(4)前記基幹側音
トランスジューサによって検出された脈音と末梢側音ト
ランスジューサによって検出された脈音との遅れ時間を
測定する遅れ時間測定手段と、(5)前記末梢側音トラ
ンスジューサによって検出された脈音の大きさと前記遅
れ時間との積を求め、この積と前記カフの圧力変化との
関係を表す血圧評価曲線を求める演算手段と、(6)こ
の演算手段によって求められた血圧評価曲線の急激な立
ち上がり部分に対応するカフの圧力を、前記被測定者の
最高血圧値および最低血圧値として決定する血圧決定手
段とを、含むことにある。
作用および第2発明の効果 このようにすれば、カフの末梢側に発生する脈音の大き
さとカフの末梢側および基幹側に発生する脈音間の遅れ
時間との積のカフ圧に対する変化、すなわち血圧評価曲
線が求められるとともに、この血圧評価曲線は最高血圧
値および最低血圧値に対応した位置において極めて急峻
な変化を示すものであるので、前述の発明と同様の効果
が得られる。また、各脈音が、心電誘導信号を基準とし
て脈音の発生が予想される期間内だけ脈音ゲート手段を
通過させられるので、一層耐ノイズ性が高められる利点
がある。
ここで、前記心電誘導装置は、好適には、複数種類の心
電信号を検出するために該被測定者に取りつけられる複
数の電極を備え、該複数種類の心電信号の内から最適の
心電信号を選択する切り換え手段を含んで構成される。
たとえば、上記心電誘導装置は、前記複数種類の心電誘
導信号にそれぞれに存在するノイズ量を周期的に測定す
るとともに、ノイズ量が最も少ない心電誘導信号を選択
するように構成される。或いは、上記心電誘導装置は、
前記複数種類の心電誘導信号の有無をそれぞれ検出し、
ある心電誘導信号において信号が無い場合には他の心電
誘導信号を採用するように構成される。
実施例 第1図には、本発明が適用された血圧モニタ装置10が用
いられる被測定者12の負荷テストを図式化してある。図
に示すように、血圧モニタ装置10には、被測定者12に貼
り着けられる複数の心電用電極32、33、34、36(第2図
に示す)と、被測定者12の腕に巻回されるカフ22を有す
る電子ユニット20とが含まれている。カフ22は可撓性の
エアチューブ24を介して電子ユニット20内の電動空気ポ
ンプ71(第3図)と接続され、これにより、コロトコフ
音が生じる圧力を含む範囲内でカフ22が膨張させられた
り収縮させられたりする。負荷テストにおいて特徴的な
ことであるが、トレッドミル26上を歩いている被測定者
12が腕を動かすことによって生じる、所謂「アーチファ
クトノイズ」は、コロトコフ音と同様の周波数特性を備
えているので、これが正確な血圧測定の障害となるので
ある。また、カフ22に内蔵されている2つの音トランス
ジューサ38と40(第2図)は、脈音を電気信号に変換す
るのに利用されている。その電気信号はここで図示され
ている電線28と30を通して電子ユニット20に供給されて
いる。
第2図では、被測定者12と血圧モニタ装置10との連結状
態を表すために血圧モニタ装置10の拡大図が描かれてい
る。心電用電極32,33,34,36は導線14,15,16,18によって
電子ユニット20に連結されており、それら電極より3種
類の心電誘導信号がもたらされる。
後でより詳細に説明するように、電子ユニット20は複数
種類の心電誘導信号の中から最適の誘導を取り出して、
トリガ信号として利用するのである。図中のカフ22内に
は、音トランスジューサ40と38とが示されている。負荷
トランスジューサ40は、基幹側音トランスジューサと呼
ばれ、カフ22の基幹側端部において患者の胴体近くに位
置するものである。音トランスジューサ38は末梢側音ト
ランスジューサと呼ばれ、カフ22の末梢側音部において
患者の胴体から離れ、かつ前記音トランスジューサ40よ
りも離れて位置するものである。電子ユニット20にはフ
ロントパネル42が含まれており、このパネル42上には経
過時間や脈拍数、血圧測定間隔などが表示される。さら
に、電子ユニット20には、複数のスイッチがついてお
り、これによって様々な操作方式を選び出すことができ
る。
第3図は、血圧モニタ装置10に備えられた回路の構成を
示すブロック線図である。図中の各要素の内、第1図及
び第2図で示されているものは同じ符号が付されてい
る。図から明らかなように、血圧モニタ装置10では装置
の操作を制御するために、CPU44が使用されている。こ
のCPU44は良く知られたMC68000CPUであり、出力8メガ
ヘルツのクロック46と共に使用される。インタラプトデ
コーダ48とメモリデコーダ50は、CPU44と協働してい
る。インタラプトデコーダ48は、インタラプトデコーダ
・ロジックとシステム・リセット・ロジックを含んでい
る。メモリデコーダ50は、CPU44によるアクセスに際し
て、メモリ中に記憶された所望のデータをアドレス付け
したり、あるいは所望のデータの一時記憶場所を指定し
たりするために用いられる。
CPU44はリード・オンリー・メモリ(ROM)52と、ランダ
ム・アクセス・メモリ(RAM)の両方を使用することが
できる。
本実施例では、リード・オンリー・メモリ52とランダム
・アクセス・メモリ54の両方に128Kバイトの容量が用意
されている。リアル・タイム・クロック58はバス56によ
ってCPU44に接続されている。そのリアル・タイム・ク
ロック58は、負荷テスト等の特殊なテストが行われた実
際時間や日付けをその特殊なテストの結果得られたデー
タとともにメモリ中に蓄積するために利用される。バッ
テリ60は、血圧モニタ装置10に対する電源供給が中断さ
れた場合にリアル・タイム・クロック58を繰り返しリセ
ットする必要がないようにするために設けられたもので
ある。
第2図に示されているように、電子ユニット20のフロン
トパネル42には、表示器62とLED表示器、そして様々な
操作方式を選択し得るスイッイ群66が設けられている。
さらに、トーンジェネレータ68は、アラーム状態下では
警告音を発するようになっている。
電動空気ポンプ71とブリードバルブ(収縮制御弁または
低速排気弁)72及ダンプバルブ(急速排気弁)74を制御
するポンプ・弁駆動回路70は、カフ22を膨張させたり収
縮させたりするのに利用される。ポンプ・弁駆動回路70
は、たとえばキャノン精器(株)製のモデルNo.FN30−S
4668のように、2個の電動空気ポンプ71とバルブ72、74
を制御する。ブリードバルブ72とダンプバルブ74によっ
て、測定処理を素早く繰り返さなければならない時、あ
るいは測定が完了した時に、カフ22から空気をゆっくり
とまたは急速に逃がすことができるようになっている。
圧力トランスジューサ76と音トランスジューサ38,40か
らの出力信号は、カフ22内の血圧値を表示したり音トラ
ンスジューサ38,40が検知した脈音の存在を表したりす
るが、これら圧力トランスジューサ76と音トランスジュ
ーサ38,40からの出力はアナログ信号調整回路やチャン
ネル変換ロジック、そしてアナログ制御ロジックを含む
多チャンネル・マルチプレクサ78へ供給される。マルチ
プレクサ78の出力は、まずA/D変換器80中のサンプルの
ホールド回路へ供給し、それからA/D変換器80中の12ビ
ットのA/D変換回路に供給される。
電極32,33,34,36からの心電誘導信号82、あるいは外部
からの心電誘導信号82は、心電トリガ回路84に供給され
ている。心電トリガ回路84は、本実施例の心電誘導装置
として機能するものであって、心電誘導信号を増幅し且
つ整形して心電トリガ信号を出力する心電計回路と、心
電誘導信号に重畳する浮動誘導ノイズを検知する浮動誘
導検知回路と、最適な心電誘導信号を選択して心電計回
路に供給する選択切換回路とから成っている。浮動誘導
検知回路は、電極が日測定者12から外れた時に増える商
用周波数、たとえば60ヘルツのノイズに関連する浮動誘
導ノイズを周期的に採り込むものである。選択切換回路
では、複数種類の心電誘導の中からトリガ信号を生じさ
せるのに最適の信号、すなわち心電誘導信号を重畳する
浮動誘導ノイズが充分に少なく且つ心電誘導信号が充分
に大きい一つの心電誘導を選び出すように後述のCPU44
により切り換え状態が制御され、一つの最適な心電誘導
信号を心電計回路に供給してそれから心電トリガ信号を
出力させる。これにより、心電用電極32,33,34,36の内
の一つが外れてもあるいは異常な量のノイズが特定の心
電誘導上に存在することになっても、血圧モニタ装置10
は動作を誤ることはない。なお、上記CPU44は心電誘導
信号の有無を検知する機能を備えている。したがって、
一つの心電誘導信号が消失しても、ただちに他の心電誘
導信号に基づく心電トリガ信号が出力されるように選択
切換回路を作動させて血圧測定が支障なく続行させられ
るのである。
リアル・タイム・クロック58は、たとえば良く知られた
ICであるMC146818により構成されたものであって、血圧
モニタ装置10が連続的な血圧測定間の時間間隔を正確に
決定するために設けられている。また、血圧モニタ装置
10は、それからのデータが他の装置に伝送され得るよう
設けられた数個の出力信号ポートをも含んでいる。これ
ら出力信号ポートの中にRS−232ポート88があるが、こ
のポート88は、MC6850非同期型通信用インタフェース・
アダプタやボーレート・ジェネレータ、そして種々のラ
インドライバやレシーバを備えている。この装置内のボ
ーレートは50ボード乃至19200ボーまでのスイッチ選択
が可能であり、またこのボーレートによって血圧モニタ
装置10からのデータが同様のポートを通して別の装置内
へシリアル伝送されるようになっている。また、IEEE−
488標準コネクタを備えている汎用インタフェース回
路、すなわち488ポート90が、血圧モニタ装置10が他の
付加装置と通信するために設けられている。そして、プ
リンタを接続するためのプリンタポート92が、血圧モニ
タ装置10から得られた血圧測定のデータのハードコピー
を得るためプリンタに連結されるように設けられてい
る。
第4図Aには、カフ圧に対する脈音の大きさを示すグラ
フが描かれている。末梢側の音トランスジューサ38にお
いて検知された脈音の大きさ(振幅)は、カフ22から空
気が逃がされるのに伴って増大する。末梢側音トランス
ジューサ38において感知された脈音が聞き取れるように
なるポイントは一般的に最高血圧と呼ばれている。カフ
圧が第4図Aのグラフの右から左へ徐々に減少するに従
ってカフ22の末梢側端部の脈音の大きさは最低血圧とし
て知られるポイントで急激に減少する。多くの従来の血
圧モニタ装置は、上記の現象に着目して最高血圧と最低
血圧を発見するのに末梢側端部の脈音を利用している。
その方法とは、末梢側端部の脈音の大きさがまず予め設
定された判断基準値を超えるポイントと、その後末梢側
端部の脈音の大きさが予め設定された判断基準値を下回
るポイントとの、2つのポイントを決定するものであ
る。しかし、第4図Aに示す数値は被測定者が安静な状
態にある理想的なものなのであるが、実際の血圧測定時
にアーチファクトノイズ(体動ノイズ)が存在すると、
前記2つのポイントを位置づけることが困難となり、誤
測定を招くことになる。
第4図Bには、基幹側音トランスジューサ40において検
知された脈音と、その同じ脈が末梢側音トランスジュー
サ38に達した時に生じた音との間の遅れ時間をカフ圧に
対して表したグラフが描かれている。このグラフに見ら
れるように、高いカフ圧のもとでは脈音が基幹側音トラ
ンスジューサ40によって感知されたのと実質的には同じ
時間に発生する、小さな振幅の末梢側端部脈音が存在す
る。概して最高血圧と決定されたポイントにおける、基
幹側音トランスジューサ40で感知された脈と末梢側音ト
ランスジューサ38で感知された同じ脈との間の脈通過時
間(音の発生時間差)すなわち遅れ時間は、急に長くな
る。その後、カフ圧が減少し続けるのにつれて、基幹側
音トランスジューサ40で脈が感知される瞬間と末梢側音
トランスジューサ38で脈が感知される瞬間との間の遅れ
時間は、通常、遅れ時間の減少率が少し変化する点に向
かって直線的に減少する。その点は略最低血圧に一致す
る。したがって、上記現象に着目して血圧を測定するこ
ともできるが、第4図Bで描かれているグラフは被測定
者の安静時におけるものであるので、アーチファクトノ
イズが多く存在する場合には、最高血圧と最低血圧を正
確に決定するためにこの方法を利用することが大変困難
になる。
第4図Cには、本実施例の血圧モニタ装置10によって利
用される新規な血圧値評価曲線のグラフが描かれてい
る。第4図Cのグラフは、第4図A中の脈音の大きさに
第4図B中の脈の通過遅れ時間の値を乗じることによっ
て得られる。これら2つの測定を結合した結果、最高血
圧および最低血圧を示すポイントにおいて非常に判別し
易い急峻な変化を含む血圧評価曲線となる。この評価曲
線を利用することによって、血圧モニタ装置10の測定精
度が増し、最高血圧と最低血圧が上記評価曲線に従って
基本的に正確に決定され得るのである。
しかし、特に運動中の血圧値を測定しようとする場合に
は上記評価曲線にノイズが混入するので、一層信頼性を
高めるために種々の対策が付け加えられる。たとえば、
第4図Dは第4図Cで描かれたものと同じ血圧値評価曲
線であるが、第1図に示すような運動中のものであるの
で、そのグラフ中には大きな人工的なエラーが存在す
る。図から明らかなように、最高血圧と最低血圧とをそ
れぞれ示す変化点を評価することが幾分困難であるの
で、第4図Dのグラフのものと同じ曲線を利用して激し
い運動中における最高血圧と最低血圧とをそれぞれ示す
変化点を好適に決定する場合には、前述の心電誘導信号
を用いて時間的なゲートを設けることによりノイズを除
去するゲート手段や、アーチファクトノイズに因るであ
ろうエラーを除去するためのフィルタ処理或いは分析処
理が好適に用いられる。
第4図Dのグラフの分析は、CPU44(第3図参照)によ
ってグラフ中の数値を計算して行われるものである。本
実施例では、第4図Dに示すグラフ上の各カフ圧毎にメ
ディアンフィルタと称されるフィルタ処理が施されてい
る。メディアンフィルタ処理は、いくつかの連続する点
(本実施例ではカフ22の末梢側に発生する脈音の大きさ
と、カフ22の基幹側脈音および末梢側脈音の遅れ時間と
の積)において、ある点を中心とする3点あるいは5点
のデータのうち中間の大きさのデータ、すなわち中間値
をその点のデータとして置換するものである。本実施例
では5つのデータポイントが使用されている。このメデ
ィアンフィルタ処理によれば、基本的な変化に先立って
起こる、一時的な変化は大きさに拘わらず削除されて血
圧評価曲線が滑らかとなる。
また、重みづけ平均フィルタ処理が、メディアンフィル
タの使用の結果生じる曲線を一層滑らかにするのに用い
られる。この重みづけ平均フィルタ処理は、メディアン
フィルタ処理の結果平滑化された評価曲線を構成するデ
ータセットにおいて段階状となる部分があるが、この段
差を緩和するために前の値に段差の1/2の値を加えるも
のである。
このように本実施例で利用されている上記2つのフィル
タ処理は第4図Dに示す血圧値評価曲線を平滑化するた
めだけでなく、オシロメトリック法による血圧測定など
に際して血圧値を決定するために用いられる、脈波の大
きさの分布データ(脈波のピーク値の包絡線或いはピー
ク値の分布)などを平滑化するためにも有効である。な
お、上記フィルタ処理に替わる他の平滑処理も有益であ
り、当業者であればそのような技術を利用するであろ
う。
また、統計的な処理方法が血圧値評価曲線において最高
血圧と最低血圧を表す変化のポイントを決定するために
利用される。従来の血圧モニタ装置では、予め定められ
た絶対的判断基準レベルを利用して、そのレベル以上の
ところで現れる脈音(コロトコフ音)の発生時のカフ圧
を最高血圧のポイントとして、その後上記レベル以下の
ところで現れる脈音の発生時のカフ圧を最低血圧のポイ
ントとして表示する。しかし、本血圧モニタ装置10は、
それとは対照的に、血圧評価曲線中のある変化線が最高
血圧を表しているかどうかを統計的分析を用いて決定す
る。例えば、前記血圧値評価曲線を構成するポイント群
において、たとえば3つの連続するポイントから予測さ
れる範囲内を4番目のポイントが超えたことをもって3
つの連続するポイントの一つのポイントが最高または最
低血圧点と決定される。上記予測される範囲とは、信頼
区間として決定されるものであり、通常、3つの連続す
るポイントに基づいて決定される回帰直線上からのばら
つきを表す標準偏差が用いられる。4番目のポイントが
標準偏差を超えている場合には、CPU44がたとえば連続
する3つのポイント中の第2のポイントを取り出して最
高血圧として決定するのである。
さらに、前記統計的分析処理が、結果として第4図Dの
ポイント92に示すような大きなアーチファクトに起因す
る誤った読み取りに結びついたりしないように、第2の
処理方法が利用される。この方法は、脈音の振幅データ
曲線(第4A図:脈音のピーク値分布)、及び振幅と遅れ
時間との積であるプロダクトデータ(第4C図:血圧値評
価曲線)の滑らかな曲線を分析することによって、推定
される最高血圧と最低血圧を決定するものである。その
分析方法は以下の通りである。曲線に沿った最大ポイン
トが検知された上で、その最大ポイントの、あるパーセ
ンテージ値よりも低い最初の3つの連続ポイントより前
に存在するデータポイントが、仮の最高血圧或いは最低
血圧として推定される。振幅のデータについては50%
が、またプロダクトデータについては40%が、前記パー
センテージ値として使われている。前記血圧値評価曲線
に基づいて決定された最高血圧及び最低血圧が、上記の
ように推定された仮の最高血圧値及び最低血圧値に基づ
いて決定された所定の範囲内にあるときにのみ、血圧モ
ニタ装置10が血圧値評価曲線に基づいて実際に決定され
た最高血圧値及び最低血圧値を正しい測定値として受け
入れて表示するようになっている。
第5図A,第5図B,第5図Cには、本血圧モニタ装置10の
作動を示すロジックフローチャートが描かれている。
血圧情報の処理は、血圧モニタ装置10が行い、血圧モニ
タ装置10の電子ユニット20に対して電が供給されること
によって開始される。図示しない電源キーの操作に応答
して電子ユニット20へ電源が供給されると、ブロック10
0のスタート・ルーチンの実行が自動的に開始される。
このルーチンに対するアドレスは、リセット処理により
CPU44によって引き出され、そして初期プログラムを指
定する数値としてプログラムカウンタ内にロードされ
る。その後スタート・ルーチンは、ブロック102に示す
ように、アドレスレジスタを初期化して、プログラムの
主要な部分が実行される状態に戻す。上記プログラムの
一部分によって、全てのハードウェア装置がブロック10
4に表されるように初期化され、また、ステイタス(状
態)レジスタがブロック106に表されるようにクリアさ
れる。その後、ブロック108で示されるようにセルフテ
ストが行われる。このセルフテストは後述のブロック11
6乃至ブロック138から成るセルフテストと同様に構成さ
れている。
以下、上記ブロック116乃至ブロック138を用いてブロッ
ク108の診断ルーチンを概略説明する。このルーチンの
診断モード中に行われるテストの内の一つに、ブロック
118にあげられるチェックROMテストがある。チェックRO
Mテストは、ブロック120に示されるような、サイクリッ
ク・リダンダンシー・チェック(周期的冗長検査:CRC)
であり、ROM52内の選択されたバイト・アドレスに位置
づけられたプログラマブルROMにおいて行われる。さら
に、ブロック122に示されているチェックRAMルーチンが
行われ、また、ブロック124で示される様々なRAMテスト
は、RAM54内の特定のバイト・アドレスにおいて行われ
る。また、この診断モードでは、血圧モニタ装置10内の
電源供給の有無が確かめられ、またマルチプレクサ78の
個々のチャンネルが選び出されて、ブロック126におい
て最適のレンジに保持される。上記マルチプレクサ78の
個々のチャンネル内のデータは、所望のアナログ信号を
選んでそれをアナログ信号からデジタル信号に変換する
ことによってブロック128で示されるように読み込まれ
る。オペレータは、ブロック130に示されるディスプレ
ーチェックの間に、血圧モニタ装置10のディスプレイ
や、アラームLEDS、スイッチLEDS、そして警告音が機能
するか否かを調べる。リアル・タイム・クロック58のプ
ログラム可能なパラメータの有効化はブロック132およ
び134で示されるように行われ、カフ圧トランスジュー
サ回路はブロック136で示されるようにテストされる。
ダンプバルブ74とブリードバルブ72はテストが始まる前
に開かれることにより、圧力トランスジューサ76が安定
させられてからセルフテストが開始されるようになって
おり、マルチプレクサ78のカフ圧チャンネルが選定され
てA/D変換器80からの出力信号が読み取られる。この読
み取りの結果、カフ圧はほとんどゼロであって出力信号
は大気圧に対応した値であるが、僅かにドリフト電圧を
含む場合にはそれが大気圧とされて、そのデータが読み
込まれる。
以上のようにしてセルフテストが完了すると、血圧モニ
タ装置10はブロック110に示されるようにスタンバイ状
態とされる。
血圧モニタ装置10の作動は、ブロック112において、フ
ロントパネル42の制御キーとスイッチ群66の中からオペ
レータが選んだものを読み込みルーチンによって開始さ
れる。スイッチバッファに一時的に記憶された内容は前
記ルーチンが呼び出される毎に読み込まれて、既に1サ
イクル前に記憶された他のスイッチバッファの内容と比
較されることにより、オペレータによる入力が検知され
る。
続くステップにおいて血圧モニタ装置10が上記セルフテ
ストを怠った場合と判断されると、エラーが表示され
る。また、セルフテストは完了するまでにはほぼ10秒を
要し、セルフテスト中にエラーが生じた場合は、特定の
エラーメッセージが表示される。上記診断モード中のエ
ラーメッセージが表示されていることを示すため1秒間
警告音が鳴ることになっている。また、セルフテストお
よび診断テストが未完であり且つスイッチ群66中のポジ
ションキー96が操作されていないときはブロック112が
繰り返し実行される。さらに、ポジションキー96が操作
されていると判断された場合にはブロック114のプログ
ラミングルーチンが実行される。このプログラミングル
ーチンは後述のブロック139乃至146に記載されたものと
同様であり、ポジションキー96の操作位置に対応したパ
ラメータを読み込む。
次に、スイッチ群66中のセルフテスト・キー93を押すと
ブロック116以下にて示されるセルフテストが再度行わ
れる。また、12ポジションのポジションキー96が操作さ
れるとブロック139以下に示されるプログラミング・ル
ーチンによってパラメータがプログラムされ、或いはポ
ジションキー96の操作にしたがって新たなパラメータに
更新される。すなわち、ポジションキー96のスイッチ位
置に関する変更操作を行うと、ブロック144に示される
ようにスイッチパラメータが更新され、また、その後で
新しいスイッチパラメータがブロック146において記憶
される。
マニアルキー92を押すと、第5図Bに示すブロック148
以下のステップが実行される。ブロック148に示されて
いるマニアル・モード・ルーチンは、血圧モニタ装置10
のマニアル作動を可能とする。このマニアル・モードで
は、ブロック150で示されるようにカフ圧の目盛のずれ
を補正し、ブロック152にあるように装置の電源供給状
態などをチェックした後、血圧モニタ装置10はブロック
154にあるようにオペレータによって選定された目標圧
力に向かってカフ22の中へ空気を注入し、そしてブロッ
ク156に示されるように毎秒3mmHg程度の割合でカフ22か
ら空気をブリードバルブ72を介して流出させ始める。こ
の方法は、カフ22が圧力値40mmHg以下に収縮した時、ま
たは図示しないセットキーおよび手動ストップキーが同
時に押された時、終了させられる。
また、休息モードは、被測定者12が運動しておらず休息
している間に血圧測定値の基線を得るのに利用される。
休息モードからの基線情報は運動モードを作動させる以
前に要求される。休息モードにおいて作動を開始するに
は、オペレータは図示しない休息/作動ボタンを押すこ
とにより、LEDで表示される作動状態を選択する。その
時、ブロック158に示される予備工程処理が実行されま
たその処理に伴って起こる複雑な作用が生じる。圧力ト
ランスジューサ76はマニュアルモードのブロック150と
同様のステップにより目盛のずれを補正され、血圧モニ
タ装置10の電源供給状態がマニアルモードのブロック15
2と同様にテストされる。そして全ての表示がゼロに戻
される。それから、アボート(Abort)「3」のルーチ
ンが適用され、たとえばS/Nに基づいて心電誘導信号の
有無が決定される。仮にアボート「3」のフラグが心電
誘導信号の欠如を示したとすると、ブロック160に示さ
れるアボート「3」のルーチンが作動し、代りの心電誘
導信号がブロック162にて示されるように選出される。
そこで選出された心電誘導信号はブロック164にあるよ
うに評価され、そしてその心電誘導信号の選択が完了し
た場合には、CPU44がブロック166に示されるようにステ
イタス・レジウタSRをクリアして、割り込み状態を制御
したり演算結果の正負を保持するためのステイタス・レ
ジスタSRの作動を開始させる。
それから、ブロック168は、現在の時間とオペレータに
よってセットされた休息時間を加えることによって、測
定サイクルの間の間隔を計算するのに利用される。上記
のように、カフ22内の圧力が適切なカフ圧に到達するま
で、マニアルモードのブロック154と同様のブロックに
よりカフ22に空気が注入される。
ブロック170の「プロセス」では、脈音データを取得す
るためのデータ取得モードとされ、第6図Aおよび第6
図Bに示すように、カフ22の減圧中に実行されるいくつ
かのステップから構成される。これらのステップには、 心電トリガ信号が発生するのを待機するステップ
と、 基幹側音トランスジューサ40の出力信号によって示
される脈音を感知するステップと、 末梢側音トランスジューサ38のデータによって示さ
れる脈音を感知するステップと、 脈音に対応する平均カフ圧を決定するステップと、 不整脈や、誤ったトリガとなる条件をチェックする
ステップと、 カフ圧のデータを配列替えによって平滑化するステ
ップと、 ダンプ・バルブを開きかつデータ取得ループから抜
け出すのに必要な数値に対して、カフ圧をチェックする
ステップと、 必要な場合には心電誘導信号の一時的な損失を回復
させるステップと、 末梢側脈音の振幅をチェックし、測定の初期の段階
で大きな振幅が発生する場合には、カフを再度膨潤させ
るステップと、 基幹側脈音の振幅をチェックし、その振幅が低すぎ
るような場合には、測定を中止するステップと、 が含まれている。
ここで、血圧モニタ装置10が用いている処理は、カフ22
の基幹側端部または末梢側端部の音トランスジューサ4
0,38のデータ取得過程の説明の中で「ウィンドウイン
グ」の概念を用いている。「ウィンドウイング」とは、
各脈音の発生期間と予想される一定の期間だけ脈音を採
取して他の時間帯に存在するであろうノイズをカット
し、処理すべきデータ量を少なくするのに利用される処
理であって、この処理を実行するステップが脈音ゲート
手段に相当する。「ウインドウ」の大きさ、すなわちゲ
ートの開放時間は前回のデータによって決定され、また
その時期は心電トリガ信号によって決定される。結局、
上記の脈音ゲート手段では、心電誘導信号を基準として
脈音の発生が予想される期間内だけ脈音が通過させられ
る。
基幹側音トランスジューサ40によって感知された脈音
は、未処理の基幹側音トランスジューサ40のデータ上に
重ねられた第1ウィンドウ内において検知される。この
第1ウィンドウは、心電トリガ信号が発生した25ms後に
開かれ、最初の測定中250ms間継続する。それに続く第
2ウィンドウは以下のように調整される。まず図示しな
いサブルーチンが利用され、基幹側脈音の発生位置と、
大きさあるいは振幅値(P−P)とが検出される。そし
て、基幹側脈音の位置データおよび振幅データがメモリ
内に記憶されるとともに、心電トリガ信号から基幹側脈
音までの遅れ時間が、記憶メモリの基幹側脈音の位置
(発生時刻)から心電トリガ信号の位置(発生時刻)を
差し引くことによって算出される。
末梢側脈音は、末梢側音トランスジューサ38の未処理の
データに重ねられる第2ウィンドウの中で検知される。
この第2ウィンドウは、前回に検知されたばかりの基幹
側端部脈音の位置よりも50ms前に開かれる。この第2ウ
ィンドウは225ms間開いている。前記のサブルーチンが
利用されて末梢側脈音の位置と振幅(P−P)とが検知
される。基幹側脈音と末梢側脈音との時間遅れは、末梢
側脈音が記憶された時の位置(発生時刻)からその時の
基幹側脈音の位置(発生時刻)を引くことによって算出
される。そして、これら2つの脈音間の遅れ時間と大き
さあるいは振幅とが記憶される。
データ取得ループ中の次のステップは、検出された脈音
に対応するカフ圧を見つけることである。第2ウィンド
ウを通過した末梢側脈音の発生時に、カフ圧を示す50個
のデータポイントを採取、すなわち脈音に対応する50個
のカフ圧のポイントを決定してその平均値を算出し、こ
の値をカフ圧として記憶する。そして、計算されたカフ
圧が、前回の脈音の発生時のカフ圧よりも小さな値であ
る場合に、上記今回の算出値(平均値)が表示される。
このチェックは、カフ圧の一時的な変化の表示を防止す
るために行われる。この状況は運動測定中に共通してい
るものであるが、それは腕の動きがオフ圧における大き
な一時的変動の原因になるからである。
データ取得ループでは次に、第7図に示す心電の割り込
み処理によってセットされた不整脈フラグをチェックす
ることによって、不整脈の状態をチェックする。不整脈
フラグがセットされ、脈音振幅がノイズレベルに接近
し、またカフ圧が、前回の最高血圧から最低血圧までの
範囲内にある時、不整脈は誤った心電トリガ信号の可能
性が大きいとしてそれに対応して検出された脈音データ
などが排除される。
データ取得ループの次のステップはカフ圧値を実時間の
通りに配列し且つその値が順次小さくなるように並べ変
えることにより検出されたカフ圧値を平滑化することで
ある。この処理は腕の運動によるカフ圧の一時的増大の
可能性を考えて取り入れられている。カフ圧値を並べか
えることによって、最大量のデータが、血圧の検知に利
用できるようになる。この処理は、現時点の脈音に対応
したカフ圧とその直前の平均カフ圧の配列値とを比較す
ることによって開始される。現時点のカフ圧の方がその
前に配列された値よりも小さい場合には入れ換えは必要
ないが、現時点のカフ圧がその前に配列された値と同様
の場合、現時点のカフ圧値は無視される。また、現時点
のカフ圧がその前に配列された値より大きい場合は、2
つのカフ圧は対応する脈音と遅れ時間データに基づい
て、配列中で位置を交換する。その後、その新しい位置
での現時点のカフ圧値は、新しい位置の前に配列された
値と比較され、必要な場合には交換される。
次に、現在のカフ圧がダンプバルブ74を開くのに必要な
予め定められた条件を満足するか否かが判断される。こ
の条件とは、たとえばカフ圧が一般的な最低血圧よりも
低い値40mmHgを下回ることである。ダンプバルブ74の開
放条件が満たされた時には、外部フラグがセットされ
る。内部フラグも同じくセットされ、データ取得ループ
は終結する。
データ取得処理ループの次のステップは、心電トリガ信
号の一時的損失を回復しようとするものである。現在脈
音時のカフ圧と前回の脈音時のカフ圧との間に20mmHg以
上の差違がある時は、前回のカフ圧値よりも10mmHg大き
い値となるまでカフを再膨張させる。20mmHgの差違の間
に得られるはずであったデータは、このようにして得ら
れる。これによりデータの欠落が防止され、血圧測定値
の信頼性が高められる。
次に、第6図Bに示すステップにおいて、末梢側音トラ
ンスジューサ38の出力の振幅が、予め定められた末梢側
脈音の測定される最初の5つの脈音の閾値と比較され
る。血圧測定開始当初から末梢側脈音の振幅がこの閾値
以上である場合には、カフ圧が最高血圧値以上に高めら
れていないため、最高血圧のレベル以上の末梢側データ
を得られないが、2つの連続した末梢側脈音が前記閾値
を超えている場合には、カフはその当初の膨張値より30
mHg大きい点まで再度膨張する。しかし、3度目の膨張
が必要な場合は、ダンプバルブ74が開かれてオペレータ
に対し末梢側音トランスジューサ38などの異常を示すメ
ッセージが表示される。CPU44はその間10秒待って上述
の測定手順を再度開始する。
基幹側脈音の振幅もまた、測定される最初の8つの脈音
に対するノイズの閾値と比較される。基幹側脈音の振幅
は測定の初期では重要となる。低い基幹側脈音振幅は音
トランスジューサ40の不良であるか、またはカフ22の取
り着けなどが不適当であることを示す。3つの連続する
脈音が閾値を下回る場合、測定は取り消され、オペレー
タに対して音トランスジューサ40の異常などを示すメッ
セージが表示される。
以上のようにして脈音のデータが集められた後、血圧値
の実際の計算に伴っていくつかのステップが実行され
る。そのステップの中には、 次のサイクルのための基幹側脈音のウィンドウの長
さの調整ステップと、 基幹側脈音−末梢側脈音間の遅れ時間とそれに対応
する末梢側脈音の振幅とを乗じてプロダクトデータのセ
ットを得るステップと、 末梢側脈音振幅のデータセットとプロダクトデータ
セットをメディアンフィルタにかけるステップと、 末梢側脈音振幅のデータセットとプロダクトデータ
セットを重み付け平均フィルタにかけるステップと、 前記両データセットから血圧値を決定し、最適の結
果を表示するステップと、 次のサイクルに向けて、カフ22に注入する空気の量
とダンプバルブ74を開放する値を決めるステップと、 平均心拍数の計算及び表示ステップと、 PRP(最高血圧値×心拍数:運動負荷を示す値)の
計算および表示ステップと、 必要な場合は最高血圧値と最低血圧値の最大の警報
値をセットするステップと、 次のサイクルへ向けてのプログラム可能な減衰器を
調整するステップと、 が含まれている。
ブロック172に示すように、基幹側脈音用の第1ウィン
ドウの長さは、次期サイクルのための処理中に再調整さ
れる。心電トリガ信号と基幹側脈音との間の時間は、ひ
とつのサイクルから次のサイクルまでに大きく変化し得
るため、この再調整は有効なのである。このように基幹
側の第1ウィンドウの長さが動的な性質を備えているた
め、柔軟性を損なうことなく未処理データの処理量を最
小限におさえることができる。基幹側脈音用の第1ウィ
ンドウの長さは、まず最新の10個の心電トリガ信号と基
幹側脈音との間の遅れ時間の平均値を算出し、そしてそ
の平均値に100msを加えることによって、その終端時期
が求められる。
次に、ブロック173に示すように、カフ22の基幹側に発
生した脈音と末梢側に発生した脈音との時間差、すなわ
ち遅れ時間が算出される。基幹側脈音→末梢側脈音間の
遅れ時間は、たとえば心電トリガ信号から末梢側脈音発
生までの平均遅れ時間から心電トリガ信号から基幹側脈
音発生までの平均遅れ時間を減じることによって得られ
る。前記遅れ時間をこのような方法で求めるのは、基幹
側脈音が末梢側脈音よりも先に減少してしまい、実際の
遅れ時間が信頼できるものでなくなるからである。本実
施例では、このブロック173が遅れ時間測定手段に対応
する。
そして、ブロック174に示すように、プロダクトデータ
セットが血圧値評価曲線を決定するために求められる。
ここでいうプロダクトとは、末梢側脈音振幅とその脈音
に対応する基幹側脈音→末梢側脈音間の遅れ時間との積
のことであり、前記プロダクトデータセットとは、カフ
圧の変化とともに得られたプロダクトの集合である。こ
のようにして得られたプロダクトデータセットは上記積
とカフ圧との関係を示すものであり、たとえば第4図C
に示す血圧値評価曲線に対応する。この血圧値評価曲線
は前述のように最高血圧値および最低血圧値の検知のた
めに用いられる。本実施例では、上記ブロック174がプ
ロダクトデータセットを算出するための演算手段に対応
する。
そして、メディアンフィルタ処理と重み付け平均フィル
タ処理が、ブロック176にあるように、前記第4図Aに
対応する振幅データセットと第4図Cに対応するプロダ
クトデータセットとの両方に適用される。メディアンフ
ィルタの主な役割は、前述のように、データセットから
幾つかのアーチファクトポイントを除去することであ
る。メディアンフィルタは、この役割を十分果たすもの
ではあるが、連続したデータポイント群を平均化してし
まう。これがデータセットを段階状とする要因にもな
る。そこで重み付け平均フィルタがそのデータの段階状
の形態を除去し、より滑らかなものにする。このフィル
タでは、今回のデータポイントにより段階状となる場合
にある値をその前に配列する入力デートポイントに加え
ることにより滑らかとするものである。この値は、操作
前の入力データポイントの差の1/2である。
次いで、本実施例の血圧測定手段に対応するブロック17
8において血圧値が決定され且つ表示される。すなわ
ち、血圧モニタ装置10内で用いられている。前記2つの
各データセットから最高血圧値と最低血圧値を決定する
処理は、先ず、上記振幅データセットとプロダクトデー
タセットとにおいてその最大値をそれぞれ見つけること
から開始される。そして、プロダクトデータセット内で
は、その最大値を示す位置からプロダクトデータの調査
を順次開始し、仮の最高カフ圧値に対応するデータを探
すことにより、仮の最高血圧値が決定されるのである。
プロダクトデータポイントの3連続数値がプロダクトデ
ータの上記最大値に対して40%以下となるとき、その40
%以下のポイントの内の最初のものの直前のデータポイ
ントが仮の最高血圧値となる。また、仮の最低血圧値
は、上記仮の最高血圧値の場合と同様に、最大値から脈
音データセットの調査を開始して仮の最低カフ圧値を探
知することにより求められる。この場合も、データセッ
トの個々のポイントは、3つの連続したポイントが最大
プロダクトデータの40%以下になる時点まで調査され
る。同様の方法で、50%の数値を使って振幅データセッ
トにおける仮の最高血圧値と最低血圧値がそれぞれ求め
られる。
上記のようにして仮の最高血圧値と最低血圧値が振幅デ
ータセットとプロダクトデータセットとにおいてそれぞ
れ決定されると、反復処理が適用されて暫定的な最高血
圧のセットが決定されるのである。この反復処理は、最
高カフ圧値から仮の最高血圧値に至る間のプロダクトデ
ータとそれに対応するカフ圧データとに逐次適用され
る。また、暫定的な最低血圧のセットは、最低カフ圧値
から仮の最低血圧値に至る間に反復処理を適用して決定
するものである。この反復処理には統計的な方法が採用
されている。以下の説明において、“X"はカフ圧値を表
し、“Y"は擬似末梢側脈音振幅(プロダクトデータ)を
表す。先ず、血圧値評価曲線の一部分である傾線(たと
えば連続する3点に基づく回帰直線)の傾きaおよびY
の切片bを次式(1)および(2)にしたがって算出
し、傾線(Y=aX+b)を表す。次いで、この傾線にお
ける標準偏差σを次式(3)にしたがって求めるととも
に、上記3点に隣接して続くデータポイント(時期値、
Y値)の予想区間(PIT)を次式(4)に従って求め
る。なお、(4)式の(PIT)は信頼区間を示してい
る。
b=−a ・・・(2) そして、前記3点に続く実際のY値が上記のようにして
求めた予想区間(PIT)内となるか否かによって4点目
のY値の傾線からのばらつきがチェックされる。傾きが
逆の傾線でも同様に傾斜及びYの切片と標準偏差とが計
算されるとともにばらつきがチェックされる。なお、上
記計算に必要とされるΔx(=x−)の値の合計、Δ
y(=y−)値の合計、Δx値の2乗の合計、Δy値
の2乗の合計、Δx値とΔy値の積の合計が予め算出さ
れている。
仮にYの実際の値が予想区間(PIT)よりも小さいか、
または同値であるとすると、現在のYに対応したΔx値
とΔy値が前記合計に加算され、新しい3点に基づいて
傾斜や、Y切片、そして標準偏差の値が計算される。そ
うすると、新しい期待値や予想期間、および予想範囲が
次のX値とY値の組み合わせを用いて計算されることに
なる。
また仮に、Yの実際の値が予想区間よりも大きいか、ま
たは信頼区間を逸脱しているとすると、現在のYに対応
したΔx値とΔy値は前記合計に加算されない。しか
し、そのかわりに、新しい期待値と予想区間の値が次の
X値とY値との組み合わせを用いて計算される。
このようにして、予想区間とYの実際の値と比較され
て、上記の操作のいずれか一方が適用されることによ
り、3つの連続した実際のY値が共に予想区間よりも大
きくなるまで続けられる。3つの連続した逸脱が起こっ
た場合、逸脱した3つのY値の内の2番目のものと対応
したX値が血圧値とされる。このようにして、血圧評価
曲線の急激な立ち上がり部分は検出されて最高血圧値お
よび最低血圧値が決定されるのである。
なお、血圧値評価曲線が滑らかであるために上記のよう
な血圧決定方法を用いても血圧値が決定されない場合が
ある。このような場合には、前記仮の最高血圧値または
最低血圧値を血圧値と決定する。この仮の最高血圧値ま
たは最低血圧値はプロダクトデータセットから求められ
たものが用いられる。しかし、たとえば最低血圧値が脈
音(プロダクト)データセットの立ち上がりを上記の血
圧決定方法を用いて検出することにより求められる場合
であって、その立ち上がりが緩やかで血圧値が決定され
得ない場合には、脈音データセットから求められた仮の
最低血圧値が用いられる。
上記の反復処理と暫定的数値の除去処理は、最高血圧値
と最低血圧値の検出に用いられる。既に述べられている
ように、最高血圧値は、最高カフ圧から仮の最高血圧値
までの間、またデータセットの始まりから中間点までの
間データセットを処理することによって求められる。ま
た、最低血圧値は、データセットの終わりから中間点に
至るまでデータを処理することによって、求められる。
両ケーシにおける処理は同じものであるが、本実施例で
は別々のプログラムコードが使用されている。その理由
は、使用されている比較の極性が逆であることである。
本実施例の血圧モニタ装置10にはさらに重要な特徴であ
る。すなわち、カフ膨張値とダンプバルブ74を解放させ
る値は、血圧が負荷テスト中には大きく変化することか
ら、あるサイクルから次のサイクルに向けて変化させら
れる。この変化は、所定の数値を最高血圧に加えて次の
サイクルに向けてのカフ膨張値を求め、また最低血圧値
から所定の数値を引いて次のサイクルに向けてのダンプ
バルブ開放値を求めることによって得られる。最高血圧
値の読み取りを低く誤った場合、結果として、カフ22の
不十分な圧迫による誤った測定につながる。したがっ
て、本実施例の血圧モニタ装置10では、ブロック179に
示すように、現在の最高血圧値と前回測定の最高血圧値
が比較され、大きい方の最高血圧値に所定のオーバーポ
ンプ値が加えられる。このことによって、1回の不十分
な測定が次のサイクルの最高カフ圧値(昇圧目標値)に
影響を与えることを防ぐことができる。血圧モニタ装置
10が休息モードにある場合、所定のオーナーポンプ値と
して、たとえば最高血圧値に30mHgが加えられ、最低血
圧値から20mmHgが減じられる。また、血圧モニタ装置10
が運動モードにある時は、たとえば最高血圧値に50mmHg
が加えられ、最低血圧値から30mmHgが減じられる。ま
た、本ブロック179では、心電トリガ信号に基づいて平
均心拍数が算出されるとともに、それが表示される。
続くブロック180では、上述のようにして算出された最
高血圧値および心拍数から、被測定者12の運動負荷を示
す指標であるPRP(=最高血圧値×心拍数)が求められ
るとともに、これが表示される。運動中の血圧測定に際
して被測定者12に荷せられている実際の運動負荷を監視
するためである。
また、血圧モニタ装置10の脈音検出性能を好適に維持す
るために、基幹側音トランスジューサ40と末梢側音トラ
ンスジューサ38にはプログラム可能なソフトウェア上の
減衰器が設けられている。末梢側の音トランスジューサ
38からの脈音信号の振幅が心拍数と共に増加して最高血
圧値も増加するが、また被測定者12が運動を終えて通常
の状態に戻るにつれて、その振幅が減少するので、この
減衰器により信号を平均化するためである。音トランス
ジューサ38,40によって検知された信号の最大振幅は、
サイクルの終端部に設けられているブロック182と184に
おいて減衰率(アッテネータ)の最適値が決定され且つ
設定されることにより調整される。
なお、血圧モニタ装置10内の様々な割り込み信号は前記
処理に割り込むために用意された割り込みルーチンによ
って得られるようになっている。ブロック170内におい
て利用される不整脈信号やブロック180において利用さ
れる心拍数は第7図に示す割り込むルーチン250によっ
て検出されるようになっている。この割り込みルーチン
は、血圧モニタ装置10の作動中の休息モードまたは運動
モードの時にだけ実行され、かつ心電トリガ信号の発生
等に実行される。このルーチンのブロック252では、6
つの最新心電トリガ信号の発生周期から平均心拍数が決
定されて表示されるとともに、この平均心拍数に基づく
平均周期に対して新たな心電トリガ信号の発生周期が25
%以上逸脱する時に不整脈と判断されて不整脈フラグが
セットされるようになっている。また、このルーチンに
は心電トリガ信号の発生毎にブリードバルブ72を作動さ
せてカフ22の降圧速度を調節するステップが含まれてい
る。
第8図の停止/起動割り込むルーチン254は、スタート
・ストップキー90の押圧操作に応答して優先的に実行さ
れるものであって、オペレータがスタート・ストップキ
ー90を押したり放したりする度に、操作モードを停止か
ら起動へ、あるいは起動から停止へ変更するために設け
られている。起動モードは、休息モード、運動モード、
マニアルモードを開始させる。また停止モードは、セル
フテストやプログラミングモードによる作動以外の現在
の作動を停止させる。
第9図のリアルタイムクロックの割り込みルーチン256
は、警報時に或いは定期的に実行される。警報割り込み
は、前回の血圧測定表示以後の経過時間を表示するため
に表示させる時間を更新するために実行される。すなわ
ち、エラー状態が検知された場合には経過時間表示に替
えてエラーメッセージを表示するように、経過時間の更
新は続行させつつ、表示にはオペレータに対してエラー
状態が訂正されるまで装置をチェックするようにという
メッセージが表示される。心電誘導信号(ECG)を取り
出すための電極が離脱していると検知された場合、ブロ
ック260に示されている「アポート2」サブルーチンが
用いられて適当な心電誘導信号が選択されるように作動
が遅らされる。
第5図Cに戻って、ブロック184の次に、血圧モニタ装
置10が最適の心電誘導信号を選択する過程が示されてい
る。ブロック262に示されている誘導選択ルーチンは、
3種類の心電誘導信号の内から最適の心電誘導信号を選
択するために設けられている。ブロック264に示すよう
に、各心電誘導信号のS/N比がそれぞれ周期的に検出さ
れ、心電トリガ回路84にそのS/N比の最も高い心電誘導
信号が決定される。或いは、各心電誘導信号に重畳する
商用周波数ノイズが周期的に検出され、商用周波数ノイ
ズが最も少ない心電誘導信号が選択される。これによ
り、微弱な心電誘導信号や電極の外れに起因して心電誘
導信号が存在しない誘導が除去されて、選択された好適
な心電誘導信号に基づいて心電トリガ信号が発生させら
れる。電極が被測定者12から外れた場合には、心電誘導
信号が零となりかつ商用周波数ノイズが大きく混入する
ので、上記いずれの方法においても他の正常な心電誘導
信号が自動的に選択される。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、
本発明はその精神を逸脱しない範囲で種々変更が加えら
れ得るものである。
たとえば、前述の実施例において、血圧値評価曲線は、
最高血圧値および最低血圧値を決定するのに用いられて
いるが、最低血圧値または最高血圧値の一方だけを決定
するためにも用いることができるのである。
また、前述の実施例では、運動中の被測定者12の血圧を
測定する場合について説明されているが、本発明は静止
状態の血圧測定においても適用される。このような場合
には、前記血圧値評価曲線に施されるフィルタ処理や統
計的処理、脈音を検出する際に用いられる第1および第
2ウインドウなどは必ずしも用いられなくてもよい。
また、前述の実施例では、血圧値評価曲線の急峻な立ち
上がり点を検出するために統計的手法が用いられている
が、予め定められた閾値を基準レベルを超えたことをも
って検出し、血圧値を判定しても差支えないのである。
なお、前述の第5図A,第5図B,第5図Cに描かれている
ロジックフローダイアグラムが本血圧モニタ装置10の作
動を表すものであるが、当業者であれば、実質的には本
発明の精神や範囲から逸脱するものではない代替アルゴ
リズムを使用できる。すなわち、当業者が本明細書を参
考にすれば、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変
形や或いは変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の血圧モニタ装置を負荷テストに用いた
場合を示す図である。第2図は被測定者と第1図の血圧
モニタ装置との接続状態を説明する拡大図である。第3
図は第1図の血圧モニタ装置の制御回路構成を示すブロ
ック線図である。第4図は第1図の血圧モニタ装置の主
要部の波形を共通のカフ圧を示す軸について示すもので
あって、Aはカフ圧と末梢側脈音振幅との関係を表した
グラフ、Bはカフの基幹側端部で感知された脈音とカフ
の末梢側端部で感知された脈音との間の遅れ時間とカフ
圧との関係を表したグラフ、CはAで示された脈振幅と
Bで示された時間遅れとの積とカフ圧との関係を求める
ことによって得られる血圧値評価曲線を示すグラフ、D
はCと同じ血圧値評価曲線を示すグラフであるが、被測
定者の運動に起因する多数のアーチファクトノイズを含
んた例である。第5図A,第5図B,および第5図Cは、第
1図の血圧モニタ装置の作動を説明するフローチャート
である。第6図Aおよび第6図Bは第5図Bのブロック
170におけるステップ群を示す図である。第7図、第8
図、および第9図は、第5図A,第5図B,および第5図C
において実行される割り込みルーチンをそれぞれ示す図
である。 22:カフ 32,33,34,36:電極 38:末梢側音トランスジューサ 40:基幹側音トランスジューサ 76:圧力トランスジューサ 84:心電トリガ回路(心電誘導装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・ルイス・ネザリン アメリカ合衆国 テキサス州 78250 サ ン・アントニオ ドラゴン 8326 (72)発明者 ブレンダ・アン・サージエント アメリカ合衆国 テキサス州 78230 サ ン・アントニオ ベル・グローブ 4019 (56)参考文献 特開 昭58−136330(JP,A) 実開 昭55−47823(JP,U) 特公 昭42−14385(JP,B1)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定者の身体の一部をカフにて圧迫する
    ことにより該被測定者の血圧値を測定する血圧測定装置
    であって、 前記カフの末梢側および基幹側に発生する脈音をそれぞ
    れ検出する一対の末梢側音トランスジューサおよび基幹
    側音トランスジューサと、 前記基幹側音トランスジューサによって検出された脈音
    と末梢側音トランスジューサによって検出された脈音と
    の遅れ時間を測定する遅れ時間測定手段と、 前記末梢側音トランスジューサによって検出された脈音
    の大きさと前記遅れ時間との積を求め、該積と前記カフ
    の圧力変化との関係を表す血圧評価曲線を求める演算手
    段と、 該演算手段によって求められた血圧評価曲線の急激な立
    ち上がり部分に対応するカフの圧力を、前記被測定者の
    最高血圧値および最低血圧値として決定する血圧決定手
    段と、 を含むことを特徴とする血圧測定装置。
  2. 【請求項2】被測定者の身体の一部をカフにて圧迫する
    ことにより該被測定者の血圧値を測定する血圧測定装置
    であって、 前記カフの末梢側および基幹側に発生する脈音をそれぞ
    れ検出する一対の末梢側音トランスジューサおよび基幹
    側音トランスジューサと、 前記被測定者の心電誘導信号を採取する心電誘導装置
    と、 該心電誘導信号を基準として前記脈音の発生が予想され
    る期間内だけ前記脈音を通過させる脈音ゲート手段と、 前記基幹側音トランスジューサによって検出された脈音
    と末梢側音トランスジューサによって検出された脈音と
    の遅れ時間を測定する遅れ時間測定手段と、 前記末梢側音トランスジューサによって検出された脈音
    の大きさと前記遅れ時間との積を求め、該積と前記カフ
    の圧力変化との関係を表す血圧評価曲線を求める演算手
    段と、 該演算手段によって求められた血圧評価曲線の急激な立
    ち上がり部分に対応するカフの圧力を、前記被測定者の
    最高血圧値および最低血圧値として決定する血圧決定手
    段と、 を含むことを特徴とする血圧測定装置。
  3. 【請求項3】前記心電誘導装置は、前記被測定者の複数
    種類の心電誘導信号を検出するために該被測定者に取り
    つけられる複数の電極を備え、該複数種類の心電誘導信
    号の内から最適の心電誘導信号を選択するものである特
    許請求の範囲第2項に記載の血圧測定装置。
  4. 【請求項4】前記心電誘導装置は、前記複数種類の心電
    誘導信号にそれぞれ存在するノイズ量を周期的に測定す
    るとともに、ノイズ量が最も少ない心電誘導信号を選択
    するものである特許請求の範囲第3項に記載の血圧測定
    装置。
  5. 【請求項5】前記心電誘導装置は、前記複数種類の心電
    誘導信号の有無をそれぞれ検出し、ある心電誘導信号に
    おいて信号が無い場合には他の心電誘導信号が用いられ
    るようにするものである特許請求の範囲第3項に記載の
    血圧測定装置。
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