JPH0738611U - パティキュレートトラップフィルタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ディーゼルエンジンの自動車等
に、排気ガスを浄化するために搭載されるパティキュレ
ートトラップフィルタ装置に関し、フィルタに捕獲され
るパティキュレートの量をフィルタの全体にわたって均
一にすることを目的とする。 【構成】 複数の穴部３３が形成され一端を閉塞される
筒状のヒーター部材３１の外周に、耐熱性のフィルタ部
４３を形成してなるパティキュレートトラップフィルタ
装置において、前記フィルタ部４３の目の粗さをヒータ
ー部材３１の閉塞端側に向かうに従って密にして構成す
る。また、ヒーター部材の穴部の開口率を、ヒーター部
材の閉塞端側に向かうに従って小さくして構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ディーゼルエンジンの自動車，産業用車両等に、排気ガスを浄化す るために搭載されるパティキュレートトラップフィルタ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ディーゼルエンジンの自動車の排気系には、排気ガス中に含有される パティキュレート（微粒子状物質）を捕獲して排気ガスを浄化するため、例えば 、実開昭６１−１６０２１４号公報，実開平２−２０７１３号公報，特開平２− ２５６８１２号公報，特開平３−６４６１１号公報，特公平３−８０９６２号公 報等に開示されるようなパティキュレートトラップフィルタ装置が配置されてい る。

【０００３】 図６は、この種のパティキュレートトラップフィルタ装置を示すもので、この パティキュレートトラップフィルタ装置では、筒状のヒーター部材１１の外周に 、セラミックファイバー１３が巻装され、フィルタ部１５が形成されている。

【０００４】 ヒーター部材１１には、多数のスリット穴１７が形成され、一端開口が蓋部１ ９により閉塞されている。 ヒーター部材１１の一端開口には、一方の電極であるフランジ部２１が形成さ れ、また、蓋部１９には、他方の電極である棒状突起２３が形成されている。

【０００５】 このようなパティキュレートトラップフィルタ装置は、図示しない筒状容器内 に配置されて使用され、ヒーター部材１１の一端開口２５からヒーター部材１１ 内に流入した排気ガスは、スリット穴１７およびフィルタ部１５を通過した後、 筒状容器の排気ガス流出口から流出される。

【０００６】 そして、排気ガス中に含有されるパティキュレートが、フィルタ部１５により 捕獲され、フィルタ部１５に所定量のパティキュレートが捕獲された時に、フラ ンジ部２１と棒状突起２３とに電圧が印加され、ヒーター部材１１の発熱により パティキュレートが燃焼され、フィルタ部１５の再生が行われる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このようなパティキュレートトラップフィルタ装置では、ヒー ター部材１１の一端開口２５からヒーター部材１１内に流入した排気ガスが、ヒ ーター部材１１の蓋部１９に衝突して流通を妨げられるため、蓋部１９側に向か うに従って圧力が増大し、この結果、蓋部１９側に向かうに従ってヒーター部材 １１のスリット穴１７およびフィルタ部１５を通過する排気ガスの流量が増大し 、これに比例して、蓋部１９側に向かうに従ってフィルタ部１５に捕獲されるパ ティキュレートの量が増大し、特に、蓋部１９の近傍のフィルタ部１５の目詰ま りおよび劣化が激しくなるという問題があった。

【０００８】 本考案は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、フィルタに捕 獲されるパティキュレートの量をフィルタの全体にわたって均一にすることがで きるパティキュレートトラップフィルタ装置を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

請求項１のパティキュレートトラップフィルタ装置は、複数の穴部が形成され 一端を閉塞される筒状のヒーター部材の外周に、耐熱性のフィルタ部を形成して なるパティキュレートトラップフィルタ装置において、前記フィルタ部の目の粗 さを前記ヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って密にしてなるものである。

【００１０】 請求項２のパティキュレートトラップフィルタ装置は、複数の穴部が形成され 一端を閉塞される筒状のヒーター部材の外周に、耐熱性のフィルタ部を形成して なるパティキュレートトラップフィルタ装置において、前記ヒーター部材の穴部 の開口率を、前記ヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って小さくしてなるもの である。

【００１１】

【作用】

請求項１のパティキュレートトラップフィルタ装置では、フィルタ部の目の粗 さをヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って密にしたので、閉塞端側に向かう に従ってフィルタ部を通過するための流通抵抗が増大し、この結果、ヒーター部 材の閉塞端側に向かうに従って排気ガスの圧力が増大するにもかかわらず、フィ ルタ部を通過する排気ガスの量がフィルタ部の全体にわたって均一になる。

【００１２】 請求項２のパティキュレートトラップフィルタ装置では、ヒーター部材の穴部 の開口率を、ヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って小さくしたので、排気ガ スの圧力が同一の場合には、閉塞端側に向かうに従ってヒーター部材の穴部を通 過する排気ガスの流量が減少し、この結果、ヒーター部材の閉塞端側に向かうに 従って排気ガスの圧力が増大するにもかかわらず、フィルタ部を通過する排気ガ スの量がフィルタ部の全体にわたって均一になる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図面に示す実施例について説明する。 図１ないし図３は、本考案のパティキュレートトラップフィルタ装置の第１の 実施例を示しており、図において、符号３１は、抵抗発熱体からなる筒状のヒー ター部材を示している。

【００１４】 このヒーター部材３１には、所定間隔を置いてスリット穴からなる多数の穴部 ３３が形成されている。 ヒーター部材３１の一端は、蓋部３５により閉塞されている。

【００１５】 ヒーター部材３１の一端開口には、一方の電極であるフランジ部３７が形成さ れ、このフランジ部３７には、取付穴３９が形成されている。 蓋部３５には、他方の電極である棒状突起４１が形成されている。

【００１６】 ヒーター部材３１の外周には、セラミックファイバーが巻装され、フィルタ部 ４３が形成されている。 しかして、この実施例では、セラミックファイバーのヒーター部材３１への巻 回密度が、ヒーター部材３１の閉塞端側、すなわち、蓋部３５側に向かうに従っ て大きくされており、これにより、フィルタ部４３の目の粗さが、ヒーター部材 ３１の閉塞端側に向かうに従って密にされている。

【００１７】 上述したパティキュレートトラップフィルタ装置は、図示しない筒状容器内に 配置されて使用され、ヒーター部材３１の一端開口４５からヒーター部材３１内 に流入した排気ガスは、穴部３３およびフィルタ部４３を通過した後、筒状容器 の排気ガス流出口から流出される。

【００１８】 そして、排気ガス中に含有されるパティキュレートが、フィルタ部４３により 捕獲され、フィルタ部４３に所定量のパティキュレートが捕獲された時に、フラ ンジ部３７と棒状突起４１とに電圧が印加され、ヒーター部材３１の発熱により パティキュレートが燃焼され、フィルタ部４３の再生が行われる。

【００１９】 しかして、上述したパティキュレートトラップフィルタ装置では、フィルタ部 ４３の目の粗さをヒーター部材３１の閉塞端側、すなわち蓋部３５側に向かうに 従って密にしたので、閉塞端側に向かうに従ってフィルタ部４３を通過するため の流通抵抗が増大する。

【００２０】 従って、ヒーター部材３１の閉塞端側に向かうに従って排気ガスの圧力が増大 するにもかかわらず、フィルタ部４３を通過する排気ガスの量がフィルタ部４３ の全体にわたって均一になり、フィルタに捕獲されるパティキュレートの量をフ ィルタの全体にわたって均一にすることができる。

【００２１】 この結果、従来生じていた蓋部３５の近傍のフィルタ部４３の目詰まりおよび 劣化を確実に解消することができる。 図４は、本考案のパティキュレートトラップフィルタ装置の第２の実施例を示 しており、この実施例では、フィルタ部４３Ａの目の粗さは、全体に均一とされ ており、図５に示すように、ヒーター部材３１Ａの穴部３３Ａの開口面積が、ヒ ーター部材３１Ａの閉塞端側、すなわち蓋部３５側に向かうに従って小さくされ 、これにより、ヒーター部材３１Ａの穴部３３Ａの開口率が、ヒーター部材３１ Ａの閉塞端側に向かうに従って小さくされている。

【００２２】 このパティキュレートトラップフィルタ装置では、ヒーター部材３１Ａの穴部 ３３Ａの開口率を、ヒーター部材３１Ａの閉塞端側に向かうに従って小さくした ので、排気ガスの圧力が同一の場合には、閉塞端側に向かうに従ってヒーター部 材３１Ａの穴部３３Ａを通過する排気ガスの流量が減少する。

【００２３】 従って、ヒーター部材３１Ａの閉塞端側に向かうに従って排気ガスの圧力が増 大するにもかかわらず、フィルタ部４３Ａを通過する排気ガスの量がフィルタ部 ４３Ａの全体にわたって均一になり、フィルタに捕獲されるパティキュレートの 量をフィルタの全体にわたって均一にすることができる。

【００２４】 なお、以上述べた実施例では、ヒーター部材３１，３１Ａにセラミックファイ バーを巻回してフィルタ部４３，４３Ａを形成した例について説明したが、本考 案はかかる実施例に限定されるものではなく、例えば、フィルタ部を海綿ニッケ ル等の発泡金属により形成しても良いことは勿論である。

【００２５】 また、以上述べた実施例では、ヒーター部材３１，３１Ａの一端開口から排気 ガスを流入させた例について説明したが、本考案はかかる実施例に限定されるも のではなく、排気ガスをフィルタ部４３，４３Ａを介してヒーター部材３１，３ １Ａ内に流入させ、ヒーター部材３１，３１Ａから排気ガスを流出させるように しても良いことは勿論である。

【００２６】

【考案の効果】 以上述べたように、請求項１のパティキュレートトラップフィルタ装置では、 フィルタ部の目の粗さをヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って密にしたので 、閉塞端側に向かうに従ってフィルタ部を通過するための流通抵抗が増大し、こ の結果、ヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って排気ガスの圧力が増大するに もかかわらず、フィルタ部を通過する排気ガスの量がフィルタ部の全体にわたっ て均一になり、フィルタに捕獲されるパティキュレートの量をフィルタの全体に わたって均一にすることができる。

【００２７】 請求項２のパティキュレートトラップフィルタ装置では、ヒーター部材の穴部 の開口率を、ヒーター部材の閉塞端側に向かうに従って小さくしたので、排気ガ スの圧力が同一の場合には、閉塞端側に向かうに従ってヒーター部材の穴部を通 過する排気ガスの流量が減少し、この結果、ヒーター部材の閉塞端側に向かうに 従って排気ガスの圧力が増大するにもかかわらず、フィルタ部を通過する排気ガ スの量がフィルタ部の全体にわたって均一になり、フィルタに捕獲されるパティ キュレートの量をフィルタの全体にわたって均一にすることができるという利点 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のパティキュレートトラップフィルタ装
置の第１の実施例を示す断面図である。

【図２】図１の左側面図である。

【図３】図１の右側面図である。

【図４】本考案のパティキュレートトラップフィルタ装
置の第２の実施例を示す断面図である。

【図５】図４のヒーター部材を示す斜視図である。

【図６】従来のパティキュレートトラップフィルタ装置
を示す断面図である。

【符号の説明】

３１，３１Ａ ヒーター部材 ３３，３３Ａ 穴部 ３５ 蓋部 ４３，４３Ａ フィルタ部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の穴部（３３）が形成され一端を閉
   塞される筒状のヒーター部材（３１）の外周に、耐熱性
   のフィルタ部（４３）を形成してなるパティキュレート
   トラップフィルタ装置において、 前記フィルタ部（４３）の目の粗さを、前記ヒーター部
   材（３１）の閉塞端側に向かうに従って密にしてなるこ
   とを特徴とするパティキュレートトラップフィルタ装
   置。
2. 【請求項２】 複数の穴部（３３Ａ）が形成され一端を
   閉塞される筒状のヒーター部材（３１Ａ）の外周に、耐
   熱性のフィルタ部（４３Ａ）を形成してなるパティキュ
   レートトラップフィルタ装置において、 前記ヒーター部材（３１Ａ）の穴部（３３Ａ）の開口率
   を、前記ヒーター部材（３１Ａ）の閉塞端側に向かうに
   従って小さくしてなることを特徴とするパティキュレー
   トトラップフィルタ装置。