JPH0731517B2 - マルチパルス型符号化装置 - Google Patents

マルチパルス型符号化装置

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JPH0731517B2
JPH0731517B2 JP62058404A JP5840487A JPH0731517B2 JP H0731517 B2 JPH0731517 B2 JP H0731517B2 JP 62058404 A JP62058404 A JP 62058404A JP 5840487 A JP5840487 A JP 5840487A JP H0731517 B2 JPH0731517 B2 JP H0731517B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマルチパルス型符号化装置に関し、特にパルス
検索が容易にできると共に装置の簡単なマルチパルス型
符号化装置に関する。
〔従来の技術〕
音声波形は、いわゆる近接予測性とピッチ予測性との2
つの線形予測性を有することが知られている。初期のマ
ルチパルス符号化装置は、これらのうち近接予測性のみ
を利用して、音声の符号化を実施する構成となってい
た。
従来の近接予測性のみを利用した非ピッチ予測型マルチ
パルス型符号化装置では、マルチパルスは近接予測フイ
ルタのインパルス応答と、被分析音声波形との相互相関
係数を介して決定されている。また、近年マルチパルス
符号化装置の符号化効率を上昇させるために、この装置
にピッチ予測を利用することが試みられている。
従来、この種のピッチ予測を行うマルチパルス型符号化
装置においては、線形予測分析(以上LPC分析という)
による近接予測フイルタとピッチ予測フイルタとの縦続
接続を利用して音声を合成している。従ってこの2つの
縦続接続されたフイルタ総合のインパルス応答を算出
し、従来の装置における近接予測フイルタのインパルス
応答に代えて相互相関係数の算出を行い、マルチパルス
の検索を行っていた。そのため演算回数が膨大な量とな
っていた。
また、従来のピッチ予測型マルチパルス符号化の方法で
は、インパルス応答の実質的接続時間が長く、例えば20
msのフレーム長に対して数倍から十倍に達することもあ
るので、マルチパルス符号化と整合しない点があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明が解決しようとする問題点は上述のように、マル
チパルスを検索するにあたってLPC分析による近接フイ
ルタとピッチ予測フイルタとが縦続して使用されている
ので、演算回数が著しく増大する点にある。
従って本発明の目的は、上記欠点を解決したマルチパル
ス型符号化装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のマルチパルス型符号化装置は、 入力された音声信号を符号化した符号化信号を伝送し復
号化して出力するマルチパルス型符号化装置において、
入力された前記音声信号の音声スペクトルのうち振幅の
大きい周波数成分を強調した音声信号を出力するスペク
トル強調手段と、前記音声信号からピッチ情報を抽出し
ピッチ周期信号とピッチ利得係数信号とを出力するピッ
チ抽出手段と、前記振幅の大きい周波数成分を強調した
音声信号とこの信号に対応するインパルス応答との相互
相関係数を算出し相互相関信号を出力する相互相関手段
と、前記インパルス応答の自己相関係数を算出し自己相
関信号を出力する自己相関手段と、前記相互相関信号と
これを出力するピッチ周期信号に基づくピッチ周期だけ
遅らせた信号との差を出力する線形減算手段とを備えて
構成される。
〔実施例〕
次に本発明について実施例を示す図面を参照して詳細に
説明する。
第1図は本発明の一実施例の構成をブロック図、第2図
は本発明を構成するスペクトル強調フイルタの一例を示
す説明図、第3図は本発明のピッチ減算の作動を示す説
明図である。
まず、本発明の概要について説明する。
本発明は、パルス検索が容易にでき装置が簡単な、伝送
帯域幅の狭い、少いマルチパルスで符号化することとし
たものである。
そこで入力音声信号の概周期がほぼ一定であることに着
目し、本発明はピッチ周期を利用することとし、入力音
声スペクトルのうちエネルギの大きな部分を強調したス
ペクトル変形を行うようにしたものである。
しかし、ピッチ予測と近接予測との2箇の線形予測を行
うので、演算回数を減少させてマルチパルス信号を得る
つぎのような方法が採用されている。
従って、ここでは演算回数を減少させてマルチパルス信
号を得るため、スペクトル強調された音声信号と、スペ
クトル強調フイルタを通過したインパルス応答信号との
相互相関演算を行い、スペクトル強調された音声信号の
相互相関信号が得られる。この相互相関信号の1フレー
ム分が、入力音声信号から抽出されたピッチ周期で区切
られ、フレームの端部からピッチ周期で区切られた時間
域の相互相関信号から、これより1ピッチ周期だけ遅れ
た相互相関信号が差引かれた(いわゆるピッチ減算され
た)線形減算音声信号に基づきマルチパルス信号が生成
されている。
かようにして入力音声信号からマルチパルス信号が生成
されている。すなわちスペクトル強調された音声信号の
相互相関信号Eaが、第3図(a)に示すようにフレーム
周期Tfごとにピッチ周期Pで区切られた信号となる(フ
レーム周期Tfはピッチ周期の整数倍には必らずしもなら
ないので、この場合はフレームの先端部からピッチ周期
の時間長で区切ることとする)。ピッチ減算部28では、
第3図(b)に示すような相互相関信号Epに対しさらに
1ピット分遅らせた相互相関信号Epが生成される。次に
上述の相互相関信号Eaから、これを1ピッチ分遅らせた
相互相関信号Epが差引かれた(ピッチ減算された)線形
減算音声信号Edが求まる。
従って線形減算音声信号Edに基づきマルチパルス信号が
生成される。
次に、スペクトルの強調を行うスペクトル強調フイルタ
について説明する。
スペクトル強調フイルタでは、標本化された入力音声信
号に対してLPC分析を通してLPC係数αi(i=1・2…
…P)が求められる。次にあらかじめ設定された減衰係
数γ(0〜1の間で経験的に定められる)と、LPC係数
αiとから、伝達関数が で表わされるフイルタで、入力音声信号のスペクトルの
うちの大きな振幅のスペクトルの強調が行われ、スペク
トル強調されて線スペクトルに近い音声信号が得られ
る。
具体的には第2図に示すように、入力した音声信号が加
算器A1を通してP個縦続接続された伝達関数Z-1のフイ
ルタ素子C1〜Cpに供給され、それぞれの素子の出力が乗
算器M1〜Mpに印加され、ここでそれぞれLPC係数αiと
あらかじめ設定された減衰係数γiとが乗算され、この
出力が加算器A2で加算され、さらに加算器A1で入力され
た音声信号に加算される。かような接続において、加算
器A1の出力すなわち、伝達関数Z-1のフイルタ素子C1
入力が、スペクトル強調された音声信号の出力となる。
次に、本発明の一実施例についてその構成と作動を中心
に第1図を参照して説明する。
第1図を見るに本発明の一実施例は、LPC分析手段1
と、スペクトル強調手段2と、波形符号化手段3と、波
形復号化手段4と、LPC合成部5とを備えて構成され
る。以下各構成素子についてその内部構成の一例を示
し、それぞれの詳細を説明する。
標本化された入力音声信号100は、LPC分析手段1の波形
切出部11と、スペクトル強調手段2の波形切出部17と、
波形符号化手段3のピッチ抽出部31とにそれぞれ入力さ
れる。
LPC分析手段1は、波形切出部11とLPC分析部12とを備
え、波形切出部11では入力音声信号100は例えば20msご
とに30ms分の信号が切出され、その切出しが滑らかにな
るようにハミング窓を通されたフレーム信号がLPC分析
部12に出力される。LPC分析部12では、入力されたフレ
ーム信号が分析され、その結果として最大次数P次まで
のLPC係数信号101が、スペクトル強調手段2のK量子化
符号部13に入力される。
スペクトル強調手段2は、K量子化復号化部113と、K
・α変換部14と、減衰係数印加部15と、スペクトル強調
フイルタ16と、波形切出部17とを備えている。
LPC係数信号101が入力されたK量子化復号化部13では、
量子化されたLPC係数信号104が波形符号化手段3の多重
化合成部35に出力されると共に、量子化され復号化され
たLPC係数信号がK・α変換部14に出力される。K・α
変換部14では、復号化されたLPC係数信号が入力され、L
PC係数αiを表わすLPC係数信号が、減衰係数印加部15
に出力される。
LPC係数αiを表わすLPC係数信号が入力された減衰係数
印加部15では、あらかじめ経験的に選ばれた減衰係数γ
iとLPC係数αiとの積が算出され、αi・γiを表わ
す信号すなわちα・γ信号103が、スペクトル強調フイ
ルタ16へ出力されると同時に、波形符号化手段3のイン
パルス応答部20とスペクトル強調フイルタ21へも出力さ
れる。
一方、入力音声信号100が入力された波形切出部17で
は、フレームごとの切出しが波形切出部11のフレーム信
号と同期して例えば20msごとに行われる。切出された入
力音声信号は、スペクトル強調フイルタ16で、各フレー
ムごとの入力音声信号のうち大きな振幅のスペクトルの
強調が行われ、スペクトル強調された音声信号102は波
形符号化手段3の相互相関部23へ出力される。
次に、波形符号化手段3について説明する。波形符号化
手段3は、インパルス応答部20と、スペクトル強調フイ
ルタ21と、自己相関部22と、相互相関部23と、一時メモ
リ24と、最大値検索補正部25と、パルス量子化部26と、
ピッチ減算部28と、ピッチ抽出部29と、ピッチ利得量子
復号化部30と、多重化合成部35とを備えている。
LPC係数信号115がインパルス応答部20へ出力されると共
に、LPC係数αiと減衰係数γiとの積で表わされるα
・γ信号103が、スペクトル強調フイルタ21に出力され
る。インパルス応答部20は、LPC係数信号103で決定され
るLPC合成フイルタにインパルス信号が入力され、その
応答信号がスペクトル強調フイルタ21へ入力される。ス
ペクトル強調フイルタ21は、入力されたα・γ信号103
により決定される伝達特性を有するフイルタが形成され
ており、別にインパルス応答部20から入力されLPC合成
フイルタのインパルス応答信号が、スペクトル強調フイ
ルタ21によりスペクトル強調されて、その結果として出
力されるスペクトル強調されたLPC合成フイルタのイン
パルス応答信号110が自己相関部22に入力される。自己
相関部22からは、スペクトル強調されたインパルス応答
信号の自己相関信号が、最大値検索補正部25に出力され
る。
一方、標本化された入力音声信号100が入力されたピッ
チ抽出部29では、例えば自己相関処理などにより、入力
音声信号のピッチが抽出され、これを示すピッチ同期信
号112がピッチ減算部28と多重化合成部35へ出力される
と共に、ピッチ利得係数(ピッチ予測係数)を表わすピ
ッチ利得信号がピッチ利得量子復号化部30へ出力され
る。ピッチ利得量子化復号化部30に入力されたピッチ利
得信号は量子化され、その結果として得られるピッチ利
得信号113が多重化合成部35に出力される。これと同時
に、ピッチ利得量子化復号化部30に入力されたピッチ利
得信号は量子化・復号化され、その結果として得られる
ピッチ利得信号がピチ減算部28に出力される。
スペクトル強調された音声信号102とスペクトル強調フ
イルタ21を通ったインパルス応答信号110とが相互相関
部23に入力され、これら2つの信号の相互相関が演算さ
れたその結果の信号は、ピッチ減算部28に入力される。
さらにビッチ減算部28では、ピッチ利得量子化復号化部
30から供給される量子化され復号化されたピッチ利得信
号とピッチ同期信号112とが入力される。また、相互相
関部23から入力される第3図(a)に示すような相互相
関信号から、第3図(b)に示すような1フレームごと
に1ピッチ周期だけ遅延した相互相関信号が減算され
る。このときに発生するピッチ減算信号が一時メモリ24
に出力される。
次に、一時メモリ24に記憶されているピッチ減算信号は
最大値検索補正部25に出力され、ここでフレーム中の振
幅の最大値が検索され、その信号のフレーム上の位置と
振幅とがマルチパルス信号の一部としてパルス量子化部
26へ出力される。またその位置と振幅とに合わせて変形
された自己相関信号(この自己相関信号はインパルス応
答信号110が自己相関部22を通されて、生成される)が
得られる。さらに最大値検索補正部25では、上述の変形
された自己相関信号を一時メモリ24に記憶された線形加
算信号から差引いた信号が、一時メモリ24に戻される。
ここで一時メモリ24に戻された信号の最大値がふたたび
検索され、その信号のフレーム上の位置と振幅とが2番
目のマルチパルスとして出力される。
以上の繰返しが各フレームの信号について、マルチパル
スの数または振幅があらかじめ定められた値になるまで
続けられ、各フレームごとのマルチパルス信号が順次パ
ルス量子化部26へ出力される。パルス量子化部26では、
入力されたマルチパルス信号は量子化されて量子化され
たマルチパルス信号111となり、LPC係数信号104ピッチ
周期信号112ピッチ利得信号113と共に多重化合成部35に
出力される。
LPC係数信号104とマルチパルス信号111とピッチ周期信
号112とピッチ利得信号113とが多重化合成部35に入力さ
れ、これの信号を多重化した多重化信号105が多重化合
成部35から出力される。多重化信号105は、伝送線を通
じて波形復号化手段4の多重化分離部36に入力される。
次に波形復号化手段4について説明する。波形復号化手
段4は、多重化分離部36と、パルス復号化部40と、ピッ
チ予測フイルタ41と、K復号化部42と、K・α変換部43
と、ピッチ利得復号化部44とを備えている。波形符号化
手段3の多重化合成部35から多重化信号105が多重化分
離部36に入力されると、多重化分離部36ではLPC係数信
号104に対応するLPC係数信号114と、マルチパルス信号1
11に対応するマルチパルス信号121と、ピッチ周期信号1
21に対応するピッチ周期信号122と、ピッチ利得信号113
に対応するピッチ利得信号123とがそれぞれ出力され
る。
多重化分離部36から出力されるLPC係数信号114は、K復
号化部42で復号化され、さらにK・α変換部43で変換さ
れたLPC係数信号107となり、LPC合成部5に入力され
る。同じく多重化分離部36から出力されるマルチパルス
の位置と振幅とを示すマルチパルス信号121は、パルス
復号化部40で復号化されてピッチ予測フイルタ41に入力
される。また多重化分離部36から出力されるピッチ周期
信号122は直接、ピッチ予測フイルタ41に入力され、こ
こで復号化されたマルチパルス信号106がLPC合成部5に
入力される。マルチパルス信号106は、LPC係数信号107
に従って制御されつつ復号化されて、出力音声信号108
がLPC合成部5から出力される。
以上のような方法により、本発明は音声信号の中でスペ
クトルの強い周波数成分を強調して、音声波形を線スペ
クトルに近付けた上、さらにピッチ周期に基づきピッチ
減算処理をしてマルチパルス符号化をしたものである。
また、このスペクトル強調をさらに強化するには、例え
ばスペクトル強調フイルタを縦続接続するなどにより対
処すればよい。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように本発明のマルチパルス符号化
装置は、入力された音声信号の音声スペクトルの強い周
波数成分を強調するスペクトル強調フイルタを設けると
共に、スペクトル強調された音声信号とそのインパルス
応答信号との相互相関信号とこれを1ピッチ分遅延させ
た信号との差を演算するピッチ減算部を設けたことによ
り、強いスペクトル成分が強調された音声信号に対応す
る少数のマルチパルス信号が得られて、伝送帯域幅が縮
小できかつ演算回数も減少しパルス検索が容易で構造も
簡単になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成を示すブロック図、第
2図は本発明を構成するスペクトル強調フイルタの一例
を示す説明図、第3図は本発明のピッチ減算の作動を示
す説明図。 1……LPC分析手段、2……スペクトル強調手段、3…
…波形符号化手段、4……波形復号化手段、5……LPC
合成部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力された音声信号を符号化した符号化信
    号を伝送し復号化して出力するマルチパルス型符号化装
    置において、入力された前記音声信号からピッチ情報を
    抽出しピッチ周期信号とピッチ利得係数信号とを出力す
    るピッチ抽出手段と、入力された前記音声信号の音声ス
    ペクトルのうち振幅の大きい周波数成分を強調した音声
    信号を出力するスペクトル強調手段と、前記振幅の大き
    い周波数成分を強調した音声信号と前記強調された音声
    信号のスペクトル包絡伝送特性に対応したインパルス応
    答との相互相関係数を算出し相互相関信号を出力する相
    互相関手段と、前記インパルス応答の自己相関係数を算
    出し自己相関信号を出力する自己相関手段と、前記相互
    相関信号とこれを出力するピッチ周期信号に基づくピッ
    チ周期だけ遅らせた信号との差を出力する線形減算手段
    とを備え、前記自己相関手段と線形減算手段からの相関
    係数列よりマルチパルス検索を行うことを特徴とするマ
    ルチパルス型符号化装置。
JP62058404A 1987-03-12 1987-03-12 マルチパルス型符号化装置 Expired - Lifetime JPH0731517B2 (ja)

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