JPH0731269Y2 - 動的ディスプレイ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、展示商品を回転させながら黒色凹面鏡にて反
射させて動く立体映像として展示商品が宙に浮いている
かのように見せるようにした動的ディスプレイ装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

従来、テレビジョン受像機等による映像を黒色凹面鏡に
て反射させることにより、あたかも宙に浮いているかの
ような立体映像として見せるようにしたディスプレイ技
術としては、（１）特開昭55-70881号公報に開示されて
いる「表示方法」や、本件出願人が先に出願した（２）
実願昭60-19598号（実開昭61-135338号公報）の「空間
に映像を映し出す装置」がある。

また、回転テーブル上に物体を乗せ、回転テーブルを回
転させながらテーブル上の物体を投影レンズによって拡
大してスクリーンに映し出すディスプレイ技術として、
（３）実公昭25-2933号公報に開示されている「商品拡
大展示装置」がある。

これら従来技術のうち（１）（２）は、テレビジョン受
像機等による映像あるいは物品を、黒色凹面鏡に映して
宙に浮いているかのような錯覚を与える立体映像として
みせるものである。また、上記従来技術（３）は、回転
する展示台の上に乗せた見本商品を回転させ、この見本
商品を、展示台の上方に配置した投影レンズにより大小
２枚の平面状の反射鏡を介して垂直映写幕の裏面に拡大
して映し出すものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記（１）（２）の従来技術においては、展示商品自体
を黒色凹面鏡の前に配置した場合、この展示商品が黒色
凹面鏡を介して反転状の立体的な静止像として映し出さ
れるだけで、特別な展示効果の得られるものではなかっ
た。

また、上記（３）の従来技術においては、大小２枚の反
射鏡により反射された展示商品は拡大されて垂直映写幕
の裏面に映し出されるものであるが、展示商品の像は平
面的なものであり、立体感の全くないものである。さら
に、拡大された展示商品は映写幕の裏面に映され、これ
を表面から見るようにしたものであるため、像がボケて
見にくく鮮明度に欠けるという問題がある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、商品のディスプレイに際し、前記の黒色凹面
鏡による反射によって物品を宙に浮いたかのように見せ
る技術と、複数の商品を回転テーブルの上に乗せ商品に
照明を当てつつテーブルを回転させてテーブル上の個々
の商品を順次映し出すという技術とを組み合せることに
より、従来にはないユニークなディスプレイ装置を提供
するものである。

すなわち本考案は、前面に開口を有する暗箱の奥部
正面に立てかけた黒色凹面鏡の前方下部に黒色の回転
テーブルを設け、該回転テーブルの上方と左右側部
および前方を覆うカバーを前記暗箱に対し開閉可能
に設け、前記凹面鏡の外周部空間に遮蔽板を張りめ
ぐらせると共に該凹面鏡の下方外周の遮蔽板に照射孔
を設け、その背部には前記回転テーブルの上部に向
けて照明灯を設け、該回転テーブル上に載置した展
示商品に照明を当てつつ回転させ、この展示商品の
動く映像を前記凹面鏡にて反射させて、展示商品が宙
に浮いているかのように見せるようにしたことを特徴と
する動的ディスプレイ装置である。

〔実施例〕

本考案装置の構成は、図面に示すように、前面に開口
を有する暗箱の奥部正面に立てかけた黒色凹面鏡の
前方下部に黒色の回転テーブルを設け、該回転テーブ
ルの上方と左右側部および前方を覆うカバーを、その
後方上部の軸支部を支点として暗箱に対し開閉可能に
設け、前記凹面鏡の外周部空間には遮蔽板を張りめ
ぐらせると共に該凹面鏡の下方外周の遮蔽板に適宜数
の照射孔を設け、その背部には前記回転テーブルの
上部に向けて照明灯を設けたものであり、は回転テ
ーブルと照明灯のスイッチである。上記の実施例におけ
る黒色凹面鏡の内面は、均一な曲率半径で黒色の鏡面
を呈しており、また暗箱の内面、回転テーブル、カ
バーの内面および遮蔽板の前面等は、反射しない黒
色の塗料を塗布するか、黒色の布帛を貼付して乱反射を
防いでいる。

なお、は暗箱の下面に設けられたカセットデッキで
スピーカを備えており、スイッチの作動によりテー
プの音楽が流れるようになっているものであるが、この
カセットデッキは必ずしも必要とするものではない。

〔作用〕

本考案においては、カバーを第１図鎖線のように開
き、黒色の回転テーブル上に展示商品を載置し、カ
バーを閉じてスイッチを入れると、該回転テーブル
は展示商品を乗せた状態で回転する。これと同時に照
明灯からの光線は遮蔽板に設けた照射孔を介し、
スポットライトとして暗箱内の展示商品のみの前面
に照射されるので、展示商品のみがコントラスト鮮や
かに照らし出された状態で黒色凹面鏡の内面に反射さ
れる。この際、照明灯は遮蔽板後部に配置され、照射
孔を介して展示商品のみにスポットライトとして照射
されるので、照射光は拡散することがなく、また、凹面
鏡に映り込むこともない。

黒色凹面鏡により反射されて映し出された展示商品
は、背景が黒色のため打ち消され、照明により明るく照
らされた部分が黒色凹面鏡に反射するので、前方から
照明を当てた状態の展示商品が立体的で鮮やかな倒立像
として、あたかも、宙に浮いたかのような状態で見える
ことになる。従って、展示商品をテーブル上に倒立状態
にして乗せれば黒色凹面鏡の反射によって見える像は正
立像となる。

その上、黒色の回転テーブルの回転により展示商品
が連続的に移動しているので、映像は、黒色凹面鏡に対
し遠くから近づいたり、近くから遠ざかったりすること
による大小連続変化する立体映像として、黒色凹面鏡
の左から右または回転が逆の場合には右から左へと走馬
灯のように移動して見られ、さらに、展示商品が移動
していることに加えて照明が定位置から照射されている
ので、展示商品の動きによりその照明部分は時々刻々
変化し、黒色凹面鏡を介して見られる反射映像は幻想的
で魅力的なものとなる。

〔考案の効果〕

本考案に係る動的ディスプレイ装置は、回転テーブル上
に展示商品を載置し、この商品に一定位置から照明を当
てながら回転させるようにし、これを黒色凹面鏡にて反
射させた映像として見るようにしたため、展示商品の看
者に与える感じは、動的にして、コントラスト鮮やかで
宙に浮いたかのような状態のものとなり、幻想的、かつ
魅力的なものとなって看者の注目するものとなるため、
店頭や待合室等におけるディスプレイ装置として利用価
値が大きいという効果がある。

さらに、構造的にも簡単で、装置の大きさは展示商品の
サイズに合せて適宜製作できるため、コスト的にも安価
なものであり、産業利用性の高いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一例の縦断側面図、第２図はカバーを
除いた状態の正面図、第３図は斜視図である。 １……開口、２……暗箱、３……黒色凹面鏡 ４……回転テーブル、５……カバー ７……遮蔽板、８……照射孔、９……照明灯

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面に開口を有する暗箱の奥部正面に
   立てかけた黒色凹面鏡の前方下部に黒色の回転テーブ
   ルを設け、該回転テーブルの上方と左右側部および
   前方を覆うカバーを前記暗箱に対し開閉可能に設
   け、前記凹面鏡の外周部空間に遮蔽板を張りめぐら
   せると共に該凹面鏡の下方外周の遮蔽板に照射孔を
   設け、その背部には前記回転テーブルの上部に向けて
   照明灯を設け、該回転テーブル上に載置した展示商
   品に照明を当てつつ回転させ、この展示商品の動く
   映像を前記凹面鏡にて反射させて、展示商品が宙に浮
   いているかのように見せるようにしたことを特徴とする
   動的ディスプレイ装置。