JPH07307193A - 誘導炉電源の相平衡調整方法 - Google Patents

誘導炉電源の相平衡調整方法

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JPH07307193A
JPH07307193A JP9827694A JP9827694A JPH07307193A JP H07307193 A JPH07307193 A JP H07307193A JP 9827694 A JP9827694 A JP 9827694A JP 9827694 A JP9827694 A JP 9827694A JP H07307193 A JPH07307193 A JP H07307193A
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induction furnace
power
coil
coil block
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JP9827694A
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Shigeo Fukuda
重雄 福田
Hisashi Uneda
久 畝田
Tadashi Adachi
忠志 安達
Hiroshi Otsuka
弘 大塚
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Fuji Electric Co Ltd
Kawatetsu Galvanizing Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Kawatetsu Galvanizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】各々独自にその電力調整が可能な複数のコイル
を有する誘導炉に関しその起動時に入力過電流を来すこ
となく短時間での安定起動を可能とする。 【構成】その電源電圧の印加による誘導炉起動の前段階
において、図示一点鎖線内の誘導炉コイルと力率改善コ
ンデンサCP との並列接続に関し、その合成インピーダ
ンスのリアクタンスを零となすコンデンサCP の容量
と、その場合の抵抗値とをそれぞれ各コイル間相互誘導
を考慮して演算し、前記抵抗に消費される電力P0 を以
て前記誘導炉の入力電力とし、相平衡用のリアクトルL
B とコンデンサCB の無効電力容量を共にP0 /31/2
として演算し、各容量の演算値をそれぞれの初期設定値
として、前記の力率改善用コンデンサCP の容量調整
と、相平衡用のリアクトルLB とコンデンサCB それぞ
れの容量調整とを行い、これら各容量調整の完了後にそ
の電源電圧印加による前記誘導炉の起動を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、その給電コイルが複
数のブロックに分割され且つ各ブロック毎の供給電力が
独自に調整可能となされて三相交流電源から給電される
低周波誘導炉の運転方法であって、前記交流電源から三
相平衡電力を得るために、単相負荷を形成する前記誘導
炉の各コイルブロックをそれぞれその構成要素としてこ
れらの各コイルブロック毎に構成したグレボー回路に対
して行う相平衡調整方法、特に前記誘導炉起動時の相平
衡調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に誘導炉特に低周波誘導炉において
は、単相負荷をなすその給電コイルに対して商用等の三
相交流電源からの給電が行われ、この場合、前記交流電
源による単相負荷給電時の受電電力における三相平衡を
図るために、前記給電コイルをその構成要素とするグレ
ボー回路が構成される。
【0003】従って前記誘導炉の運転は、前記のグレボ
ー回路に関する力率調整、即ち力率改善用コンデンサの
加減による前記誘導炉給電コイルの総合入力力率を1或
いはその近似値となす調整と、この力率調整の結果に対
応した相平衡用のコンデンサとリアクトル各々の容量調
整とをその基本とし、前記誘導炉に対して電源電圧が印
加されている状態においては前記グレボー回路の平衡条
件を常時保持する如く行われるものとなる。
【0004】因みに、もし前記グレボー回路における平
衡条件が崩れれば、その不平衡状態に応じた特定相の入
力過電流状態を招くことになる。ここに上記事項は、前
記誘導炉コイルが単一のブロックから成る場合も、或い
は複数のブロックに分割され各ブロック毎に前記グレボ
ー回路が構成されている場合も全く同様に適用されるも
のである。
【0005】しかしながら、前記の如き複数のブロック
に分割されたコイルを有する誘導炉に関しては、ブロッ
ク化された各コイル間の相互誘導作用或いはこれら各コ
イルに対する2次抵抗回路を形成する炉内溶湯の状態に
関連し、特に電源電圧印加によるその起動時には、前記
各コイルブロック毎に構成された各グレボー回路に関す
る相平衡条件が成立しているか否かは一般的には不確定
且つ測定不能であり、従って前記各コイルブロックにそ
れぞれその定格電圧を直ちに印加すれば、即ち前記誘導
炉の全電圧起動を行えば、前記グレボー回路の不平衡状
態に応じた特定相の入力過電流状態を招く危険性があ
る。
【0006】従って、従来のこの種複数のブロックに分
割された給電コイルを有する誘導炉の起動時の運転に関
しては、先ず前記各コイルブロックに対し適当に選定さ
れた低電圧印加を行い、この状態においてその三相入力
がもし相平衡状態になければ自動或いは手動による前記
の力率調整と相平衡調整とを行い、以後、印加電圧の段
階的増大とその度毎の前記両調整を繰り返しながら徐々
に前記印加電圧をその定格電圧迄引き上げる段階的電圧
印加を行い、三相入力不平衡に起因する入力過電流状態
の発生を回避していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の如
き従来の誘導炉の運転方法によれば、特にその起動時に
おいて、各コイルブロックに対する印加電圧の段階的増
大と、その度毎のコイル力率調整を伴う相平衡調整とに
より、誘導炉起動時間の伸長と起動時運転操作の煩雑さ
とを招いていた。
【0008】上記に鑑みこの発明は、その給電コイルが
複数のブロックに分割されており且つ各コイルブロック
毎の印加電圧の変更によってその供給電力が独自に調整
可能となされた誘導炉の起動時に、その入力過電流状態
を招くことなく前記各コイルブロックへの全電圧印加或
いは印加電圧のより少ない段数での段階的増大を可能と
なし、前記誘導炉の起動操作の簡易化と起動時間の短縮
とを可能とする誘導炉電源の相平衡調整方法の提供を目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の誘導炉電源の相平衡調整方法は、 1)請求項1に従い、誘導炉の給電コイルを複数のブロ
ックに分割し各コイルブロック毎にそのコイルブロック
を給電制御対象の単相負荷とする三相受電電力平衡手段
としてのグレボー回路を構成すると共に、このグレボー
回路に三相電力を給電するタップ切換器付三相変圧器を
設けて成り、前記各コイルブロック毎の供給電力を独自
に調整可能となした誘導炉電源系に関し、前記グレボー
回路の相平衡調整方法であって、その各コイルブロック
に対する電圧印加による前記誘導炉の運転開始に先立
ち、前記三相変圧器のタップ調整により独自に設定可能
となされた前記各コイルブロックへの印加電圧をパラメ
ータとして、前記各グレボー回路毎に、そのコイルブロ
ックに対する力率改善用コンデンサの所要容量と、相平
衡用のコンデンサとリアクトル各々の所要容量を演算
し、これら各演算容量を各初期設定値として前記力率改
善用コンデンサ及び相平衡用のコンデンサとリアクトル
各々の容量調整を行うものとする。
【0010】2)請求項2に従い、請求項1記載の誘導
炉電源の相平衡調整方法において、前記各コイルブロッ
クの力率改善用コンデンサ容量の演算に関連し、その電
源側から見た前記各コイルブロックの等価インピーダン
ス算定に用いる各コイル間の相互インダクタンスは、前
記の各コイルブロックに同一の電圧が印加されている場
合の値をその基準値とし、演算対象とするコイルブロッ
クへの印加電圧とこれに電磁結合された他のコイルブロ
ックへの印加電圧との比をその補正係数として前記基準
値に乗じて得られたものとする。
【0011】3)請求項3に従い、請求項1記載の誘導
炉電源の相平衡調整方法において、前記各コイルブロッ
クの力率改善用コンデンサ容量の演算に関連し、その電
源側から見た前記各コイルブロックの等価インピーダン
スの算定に用いる各コイルの等価抵抗は、その誘導炉内
溶湯の抵抗分に関し、各コイルブロックの内面と重複す
る溶湯の高さと比例するものとして補正されたものとす
る。
【0012】
【作用】一般に、その受電電力が制御対象となされた単
相負荷に対し三相交流電源から給電する場合、この交流
電源からの三相受電電力を各相平衡させるために、前記
単相負荷とその補償要素から成るグレボー回路が適用さ
れる。以下先ず前記グレボー回路に関し図4に従い説明
する。図4は単一ブロックをなす誘導炉コイルを前記単
相負荷の例として構成したグレボー回路の回路図であ
る。図示の如く前記グレボー回路はその入力kVAをP
とする誘導炉コイルと、このコイルに対する相平衡用の
補償要素をなしその入力kVAをそれぞれxPとyPと
する相平衡用のリアクトルとコンデンサとの三者をΔ接
続して成る。
【0013】なお前記誘導炉コイルは抵抗と誘導性リア
クタンスの両成分から成りその入力力率を遅れのcos
φとなす単相負荷であり、このコイルに対しそのkVA
容量をP・sinφとする力率改善用のコンデンサが並
列接続されている。ここに、図示のグレボー回路に流入
する各相電流IU ,IV ,IW の絶対値は下記の式
(1)の如くなる。
【0014】
【数1】
【0015】今、前記の電力係数xとyとを下記の式
(2)の如くなすならば、式(1)は下記の式(3)の
如くなり、前記各相電流IU ,IV ,IW の絶対値は互
いに等しくなり、三相電源から給電される電力も各相平
衡する。
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】更に、前記誘導炉コイルのリアクタンス成
分を前記の力率改善用コンンデンサにより完全に補償す
れば、即ちcosφ=1となせば前記の各相電流IU
V,IW の絶対値は下記の式(4)の如くなる。
【0019】
【数4】
【0020】一般にグレボー回路を構成して行われる誘
導炉の運転は、この誘導炉が単一のコイルブロックを有
し一組のグレボー回路を構成している場合も、複数のコ
イルブロックを有しこれら各コイルブロック毎にグレボ
ー回路を構成している場合も、各グレボー回路に対し上
記の式(4)に従う制御をなすことを基本とする。即ち
上記何れの場合も、各コイルブロック毎にその入力力率
cosφを1又はその近似値となす如く力率改善用コン
デンサを加減する力率調整を行い、この時のコイル入力
電力P(kW)に対応して相平衡用のリアクトルとコン
デンサの各容量を共にP/31/2 (kVA)となす如く
相平衡調整を行うものである。
【0021】従って、誘導炉の運転状態により変化する
前記各コイルブロック毎の入力力率を常時1又はその許
容範囲内の近似値に維持することが、前記各コイルブロ
ックの属するグレボー回路における三相受電電力平衡の
ための基本条件であり、これに伴って前記各コイルブロ
ック毎にそのインピーダンスとしての特性定数を常時把
握しておくことが極めて重要となる。
【0022】特に、その給電コイルが複数のブロックに
分割され且つ各コイルブロック毎の印加電圧の変更によ
りその供給電力が独自に調整可能となされた誘導炉にあ
っては、ブロック化された前記各コイル間の相互誘導作
用或いは前記各コイルに対する2次抵抗回路を形成する
炉内溶湯の状態に応じて、その電源側から見た前記各コ
イルブロックの総合インピーダンスは、前記各コイルブ
ロックへの印加電圧の差或いは炉内溶湯面と各コイルブ
ロックの重複高さの差等の運転条件に応じ随時変化する
ものとなり、そのリアクタンス分と抵抗分、或いはその
入力力率の常時把握が重要となる。
【0023】もし何れかのグレボー回路において式
(4)に従う平衡条件が成り立たずその許容範囲を超過
することになれば、その三相受電電力に逆相成分が含ま
れることになり、不平衡状態に応じた特定相に過電流状
態が発生して前記誘導炉の運転は不能となる。しかしな
がら、前記誘導炉の起動準備段階においては、前記各コ
イルブロックの入力電流或いは入力力率の実測は無論不
能であり、その電源電圧印加時に前記グレボー回路にお
いて式(4)に従う平衡条件が成り立っているか否かを
特定することは出来ない。従って従来は、誘導炉起動時
そのコイルへの印加電圧をその定格電圧より可成り低い
ものとせざるを得なかった。
【0024】この発明は、そのコイルを複数のブロック
に分割し、且つ各ブロックック毎にそのコイルブロック
を受電電力制御対象の単相負荷とする三相受電電力平衡
手段としてのグレボー回路を構成した誘導炉を対象と
し、その起動準備段階における上記の如き問題点の対策
としてなされたものであり、前記各コイルブロック毎の
インピーダンス定数の推定演算と、この演算結果に従う
力率調整と相平衡調整とをその基本となすものである。
即ち、 1)請求項1による如く、その各コイルブロックに対す
る電圧印加による前記誘導炉の運転開始に先立って、前
記各グレボー回路の電源をなすタップ切換器付三相変圧
器のタップ調整により独自に設定可能となされた前記各
コイルブロックへの印加電圧をパラメータとして、前記
各グレボー回路毎にそのコイルブロックに対する力率改
善用コンデンサの所要容量と相平衡用のコンデンサとリ
アクトル各々の所要容量を演算し、これら各演算容量を
各初期設定値として前記力率改善用コンデンサ及び相平
衡用のコンデンサとリアクトル各々の容量調整を行うも
のである。
【0025】2)請求項2による如く、請求項1記載の
誘導炉電源の相平衡調整方法において、前記の力率改善
用コンデンサ容量の演算に関連し、その電源側から見た
前記各コイルブロックの等価インピーダンス算定に用い
る各コイル間の相互インダクタンスを、前記各コイルブ
ロックに同一の電圧が印加されている場合の値をその基
準値とし、演算対象とするコイルブロックへの印加電圧
とこれに電磁結合された他のコイルブロックへの印加電
圧との比をその補正係数として前記の基準値に乗じて得
るものである。
【0026】3)請求項3による如く、請求項1記載の
誘導炉電源の相平衡調整方法において、前記の力率改善
用コンデンサ容量の演算に関連し、その電源側から見た
前記各コイルブロックの等価インピーダンスの算定に用
いる各コイルの等価抵抗は、その誘導炉内溶湯の抵抗分
に関して、各コイルブロックの内面と重複する溶湯の高
さと比例するものとして補正されるものである。
【0027】
【実施例】以下この発明の実施例を、図1の誘導炉給電
系の等価回路図と、図1に対応する図2の誘導炉給電系
の主回路図と、図3の誘導炉コイルの配置図とにより説
明する。先ず図2の主回路図は、図3に示す3組のコイ
ルブロック6a,6b,6c中のブロック6cをその給
電制御対象として構成した給電系の例示であって、図中
その記載を省略しているが、他のブロック6a,6bに
対してもブロック6cの場合と全く同様の回路構成がな
されているものとする。
【0028】図2において、1は三相各相のパワーヒュ
ーズPFU,PFV,PFW と三相電磁接触器MC1 とから
成る電源開閉部、2はその2次出力側にタップ切換器を
有する三相変圧器、3は相平衡用のコンデンサCB とリ
アクトルLB とこれら両者に共用の容量調整用コンデン
サCBAと切換開閉器COSとから成る相平衡調整部、4
は力率改善用コンデンサCP とこれに対する容量調整用
コンデンサCPAと電磁接触器MC2 とから成る力率調整
部である。また5は誘導炉、6は6a,6b,6cの3
組のブロックに分割された誘導炉コイルである。
【0029】ここに、相平衡調整部3における切換開閉
器COSは、図示していない相平衡調整装置により駆動
され、コンデンサCB 側に閉路してこれにコンデンサC
BAを並列接続しその容量増加を図り、また逆に、リアク
トルLB 側に閉路してこれにコンデンサCBAを並列接続
しその容量低減を図る如く機能するものである。また力
率調整部4における電磁接触器MC2 は、図示していな
い力率調整装置により駆動され、コンデンサCPAをコン
デンサCP へ並列接続しその容量調整を図るものであ
る。
【0030】なお、三相変圧器2のタップ調整と、切換
開閉器COSによる相平衡調整と、電磁接触器MC2
よる力率調整とは、前記3組のコイルブロックに関して
それぞれ独自に行われる。次に図3の誘導炉コイルの配
置図は、誘導炉5のコイル6を3組のブロック,6a,
6b,6cに分割しそれぞれNO.1,NO.2,NO.3コイルと
して炉体下部から順次積み上げ配置した状態を示すもの
であり、また誘導炉5内部の溶湯5aとの炉壁を介した
重複状態を示すものである。なお前記NO.1〜NO.3の各コ
イルに印加される電圧EWU1,EWU2,EWU3 はこれら各コ
イル毎に設けられた前記の主回路における各三相変圧器
2のタップ調整後の2次電圧である。
【0031】また図1の等価回路図は、誘導炉給電系の
主回路図である前記図2に対応するものであり、図示諸
元の添字1,2,3によりそれが前記のNO.1,NO.2,N
O.3何れのコイルに属する主回路に関するものかを区別
しているが、以下、前記添字を省略し各主回路に共通な
ものとして説明を行う。先ず電圧EWU,EUV,EVWは前
記三相変圧器2のタップ調整後の2次電圧におけるW−
U,U−V,V−Wの各相間電圧であり、それぞれグレ
ボー回路を構成する誘導炉コイルブロックと、その静電
容量をCB とする相平衡用コンデンサと、その自己イン
ダクタンスをLB とする相平衡用リアクトルとに対する
印加電圧となる。また、RC とLC とは前記誘導炉コイ
ルブロックの抵抗と自己インダクタンス、CP は前記コ
イルブロックのリアクタンス分を補償する力率改善用コ
ンデンサの静電容量である。
【0032】なおM13とM21とM32とはそれぞれ前記の
NO.1−NO.3両コイル間,NO.2−NO.1両コイル間,NO.3−
NO.2両コイル間のの相互インダクタンスである。今、他
のコイルブロックとの相互誘導作用を考慮した制御対象
コイルブロックの等価インピーダンスをZCE、その抵抗
とリアクタンスをそれぞれRCEとXCEとし、また図示の
一点鎖線内に示す前記制御対象コイルブロックとその力
率改善用コンデンサとの並列接続の総合インピーダンス
をZP 、その抵抗とリアクタンスをそれぞれRP とXP
とすれば、下記の式(5)が成り立つ。
【0033】
【数5】ここに、その静電容量をCB とする相平衡用コ
ンデンサ(以後コンデンサCBと称す)と、その自己イ
ンダクタンスをLB とする相平衡用のリアクトル(以後
リアクトルLB と称す)と、その総合インピーダンスを
P とする前記一点鎖線内の並列接続回路とは、前記三
相変圧器2をその電源とするグレボー回路を構成する。
【0034】前記の如きグレボー回路に関する三相平衡
条件は前記の式(4)に従い以下の如くなる。先ず前記
一点鎖線内並列接続回路の総合インピーダンスZP の力
率cosφを1となすこと、即ち前記リアクタンスXP
を零となすことから、前記の抵抗RPと力率改善用コン
デンサの静電容量CP とに関し、電源周波数の角速度を
ωとして、下記の式(6)を得る。
【0035】
【数6】従って前記の抵抗RP における消費電力、即ち
前記誘導炉への入力電力P0 は、前記三相変圧器2のタ
ップ調整後の2次平衡電圧EWU,EUV,EVWの実効値を
Eとして、下記の式(7)の如くなる。
【0036】
【数7】また前記相平衡用のリアクトルLB とコンンデ
ンサCB とに関する電力係数xとyとは前記の(4)に
従い共に1/31/2 となり、両者のリアクタンスと無効
入力電力PBL,PBCとは下記の式(8)の如くなる。
【0037】
【数8】ここに請求項1に従うこの発明の誘導炉電源の
相平衡調整方法は、図2の如き誘導炉コイルをその構成
要素とするグレボー回路に関して、その電源電圧印加に
よる誘導炉起動の前段階において、式(6)に従う誘導
炉コイル力率改善用コンデンサ所要容量の演算と、式
(8)に従う相平衡用のリアクトルとコンデンサ両者の
所要容量の演算とを行い、対応する前記演算容量をその
設定値として、力率調整装置により前記電磁接触器MC
2 を駆動し誘導炉コイル入力の総合力率を1となす力率
調整と、相平衡調整装置により前記切換開閉器COSを
駆動し相平衡を図る相平衡調整とを行うものである。
【0038】また一般に、図3に示す如き複数のブロッ
クに分割されたコイルを有する誘導炉においては、或る
コイルに対する電圧印加はこれと電磁結合された他のコ
イルにおける誘導電流を発生させる。従ってその電源電
圧が印加されたコイルの電源側から見たインピーダンス
は、このコイル自体のインピーダンスに対し、これと電
磁結合された他のコイルにおける抵抗分とリアクタンス
分、電磁結合度(相互インダクタンス)、各コイルの電
源電圧、等の関数をなすインピーダンス分による複雑な
増減変動の影響を受ける。
【0039】上記に対応して、請求項2に従うこの発明
の誘導炉電源の相平衡調整方法は、式(5)に従う等価
インピーダンスZCEのリアクタンスXCEに関し、これを
その実用的な近似値の例として下記の式(9)により決
定するものである。なお式(9)は、図3に示すNO.3コ
イル6cを対象とし、他のNO.1コイル6aとNO.2コイル
6bの影響を考慮したリアクタンスXCE3 を、図1に示
す諸元を用い規定するものであり、他のNO.1,NO.2両コ
イルについても同様にそのリアクタンスXCE1,CE2
規定するものである。
【0040】
【数9】同様に、請求項3に従うこの発明の誘導炉電源
の相平衡調整方法は、式(5)に従う等価インピーダン
スZCEの抵抗分RCEに関し、これをその実用的な近似値
の例として下記の式(10)により決定するものであ
る。
【0041】
【数10】なお式(10)において、その添字nをn=
1,2,3として、RCnT はその炉内溶湯の抵抗分を含
めた前記各コイルの総合抵抗、RCnは各コイル自体の巻
線抵抗、RRn0 は各コイルに誘導炉の炉壁を介して重複
した炉内溶湯の抵抗、hCnは前記各コイルと誘導炉の炉
壁を介して重複した炉内溶湯の高さ、hCn0 は前記hCn
の基準高さである。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、誘導炉コイルを複数
のブロックに分割し各コイルブロック毎にそのコイルブ
ロックを給電制御対象の単相負荷とする三相受電電力平
衡手段としてのグレボー回路を構成すると共に、このグ
レボー回路に三相電力を給電するタップ切換器付三相変
圧器を設けて成り、前記各コイルブロック毎の供給電力
を独自に調整可能となした誘導炉電源系に関し、その各
コイルブロックに対する電圧印加による前記誘導炉の運
転開始に先立って行う前記グレボー回路の相平衡調整方
法として、請求項1による如く、前記三相変圧器のタッ
プ調整により独自に設定可能となされた前記各コイルブ
ロックへの印加電圧をパラメータとして、前記各グレボ
ー回路毎に、そのコイルブロックに対する力率改善用コ
ンデンサの所要容量と、相平衡用のコンデンサとリアク
トル各々の所要容量を演算し、これら各演算容量を各初
期設定値として、前記力率改善用コンデンサ及び相平衡
用のコンデンサとリアクトル各々の容量調整を行うこと
により、また請求項2による如く、前記各コイルブロッ
クの力率改善用コンデンサ容量の演算に関連し、その電
源側から見た各コイルブロックの等価インピーダンス算
定に用いる各コイル間の相互インダクタンスを、前記各
コイルブロックに同一の電圧が印加されている場合の値
をその基準値として演算対象とするコイルブロックへの
印加電圧とこれに電磁結合された他のコイルブロックへ
の印加電圧との比をその補正係数として前記の基準値に
乗じて得ることにより、また請求項3による如く、その
電源側から見た各コイルブロックの等価インピーダンス
の算定に使用する各コイルの等価抵抗を、その誘導炉内
溶湯の抵抗分に関して各コイルブロックの内面と重複す
る溶湯の高さと比例するものとして補正することによ
り、その給電コイルが複数のブロックに分割されており
且つ各コイルブロック毎の印加電圧の変更によりその供
給電力が独自に調整可能となされた誘導炉の起動時に、
前記各コイルブロック毎の印加電圧の差の有無或いは炉
内溶湯の状態に影響されることなく、その入力過電流状
態を回避させながら、前記各コイルブロックへの全電圧
印加或いは印加電圧のより少ない段数での段階的増大を
可能となし、従来の方法による場合に比して、誘導炉起
動操作の簡易化とその起動時間の短縮、更にはその起動
時運転の信頼性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導炉給電系の等価回路図
【図2】図1に対応する誘導炉給電系の主回路図
【図3】誘導炉コイルの配置図
【図4】誘導炉コイルブをその構成要素とするグレボー
回路の回路図
【符号の説明】
1 電源開閉部 2 タップ切換器付三相変圧器 3 相平衡調整部 4 力率調整部 5 誘導炉 5a 炉内溶湯 6 誘導炉コイル 6a〜6c NO.1〜NO.3コイルブロック CB 相平衡用コンデンサ CP 力率改善用コンデンサ COS 切換開閉器(相平衡調整用) LB 相平衡用リアクトル MC1 電磁接触器(主電源開閉用) MC2 電磁接触器(力率調整用) PF パワーヒューズ(PFU,PFV,PFW
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 忠志 東京都江東区冬木11番17号 川鉄鋼板株式 会社内 (72)発明者 大塚 弘 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導炉のコイルを複数のブロックに分割
    し、各コイルブロック毎にそのコイルブロックを給電制
    御対象の単相負荷とする三相受電電力平衡手段としての
    グレボー回路を構成すると共に、このグレボー回路に三
    相電力を給電するタップ切換器付三相変圧器を設けて成
    り、前記各コイルブロック毎の供給電力を独自に調整可
    能となした誘導炉電源系に関し、前記グレボー回路の相
    平衡調整方法であって、その各コイルブロックに対する
    電圧印加による前記誘導炉の運転開始に先立って、前記
    三相変圧器のタップ調整により独自に設定可能となされ
    た前記各コイルブロックへの印加電圧をパラメータとし
    て、前記各グレボー回路毎に、そのコイルブロックに対
    する力率改善用コンデンサの所要容量と、相平衡用のコ
    ンデンサとリアクトル各々の所要容量を演算し、これら
    各演算容量を各初期設定値として前記力率改善用コンデ
    ンサ及び相平衡用のコンデンサとリアクトル各々の容量
    調整を行うことを特徴とする誘導炉電源の相平衡調整方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の誘導炉電源の相平衡調整方
    法において、前記各コイルブロックの力率改善用コンデ
    ンサ容量の演算に関連し、その電源側から見た前記各コ
    イルブロックの等価インピーダンス算定に用いる各コイ
    ル間相互インダクタンスは、前記各コイルブロックに同
    一の電圧が印加されている場合の値をその基準値とし、
    演算対象とするコイルブロックへの印加電圧とこれに電
    磁結合された他のコイルブロックへの印加電圧との比を
    その補正係数として前記基準値に乗じて得られたもので
    あることを特徴とする誘導炉電源の相平衡調整方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の誘導炉電源の相平衡調整方
    法において、前記各コイルブロックの力率改善用コンデ
    ンサ容量の演算に関連し、その電源側から見た前記各コ
    イルブロックの等価インピーダンス算定に用いる各コイ
    ルの等価抵抗は、その誘導炉内溶湯の抵抗分に関し、各
    コイルブロックの内面と重複する溶湯の高さと比例する
    ものとして補正されたものであることを特徴とする誘導
    炉電源の相平衡調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008522132A (ja) * 2005-10-26 2008-06-26 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 交流誘導炉用の制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008522132A (ja) * 2005-10-26 2008-06-26 エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト 交流誘導炉用の制御装置

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