JPH07299607A - 心押台 - Google Patents

心押台

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JPH07299607A
JPH07299607A JP11435694A JP11435694A JPH07299607A JP H07299607 A JPH07299607 A JP H07299607A JP 11435694 A JP11435694 A JP 11435694A JP 11435694 A JP11435694 A JP 11435694A JP H07299607 A JPH07299607 A JP H07299607A
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JP
Japan
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spring seat
spring
center
tailstock
center carrier
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Pending
Application number
JP11435694A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Fujieda
善行 藤枝
Yukio Okaji
行男 小梶
Fumio Ibuki
文夫 伊吹
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Nippei Toyama Corp
Original Assignee
Nippei Toyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力流体の圧力減少に際してセンタの推力を
維持でき且つ圧力流体の圧力消失状態においても使用可
能であり、加工物の形状、強度によらず、ばねの交換が
不要になり、コストを低減させることができる心押台を
提供する。 【構成】 加工物を支持するセンタ3を担持するクイル
軸2を進退させるセンタ担持体駆動装置71に、流体圧
シリンダ13を用いてこの流体圧シリンダ13のピスト
ンロッド14の一端部にクイル軸2を連結すると共に、
ピストンロッド14の他端部に前部ばね座部材28を連
結し、ばね座保持部材29にスリーブ71をクイル軸2
側に進退可能に設け、前部ばね座部材28とスリーブ7
3との間に圧縮コイルばね31a、31bを介装し、ば
ね座保持部材29に、スリーブ73をクイル軸2側に進
退する力調整機構80を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械、例えば円筒
研削盤、往復動形式の平面研削盤等に用いられる心押台
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒研削盤では加工物心押台の主
軸および心押台のセンタを備え、両センタで加工物の両
端を支え、この加工物心押台に設けた加工物回転装置で
加工物に固定した回し金を回転することにより、加工物
を回転している。心押台は心押台側センタを進退できる
ように、この心押台側センタを、例えば円筒研削盤では
円筒形スリーブで支持し、平面研削盤で例えばスプライ
ン軸を研削する場合はスライドで支持している。
【0003】このような円筒形スリーブまたはスライド
のようなセンタ担持体の進退は、ねじ送り装置、流体圧
シリンダにより行われるのが通常である。加工物心押台
の主軸は固定のものと進退できるものとがあるが、この
進退は位置調整のためであり、この加工物心押台の主軸
の進退を行う自動または手動の駆動装置は主軸側から不
動なようにねじ対遇あるいはウォーム歯車装置が用いら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】センタ担持体をねじ送
り装置で押し進めて加工物心押台の主軸に取り付けた主
軸側センタと心押台のセンタ担持体に取り付けた心押台
側センタで加工物を支持する際に研削力で支持できる程
度に適度の押圧力でもって推進しておく必要がある。
【0005】ところが、研削を行うと研削熱で加工物が
伸長し熱応力が生じてセンタへ大きな押圧力が加わるが
ねじ送り装置でセンタ担持体を進退するようにしてある
ので、センタ間距離は不動のため、センタに大きな負荷
が加わる。このため加工物の曲りによる加工不良、セン
タ穴の偏摩耗による加工精度の定価、センタの焼き付き
が生ずるおそれがある。
【0006】流体圧シリンダを心押台側のセンタ担持体
の進退に用いると、流体圧シリンダは一定の推力で加工
物を押しており、加工物が研削熱で伸長しても心押台の
センタ担持体は後退し、一定の推力を加工物に加えるか
ら何等問題はない。しかしながら、流体圧シリンダを駆
動するための圧力媒体の圧油、圧縮空気を必要とし、圧
力流体発生源、圧力流体輸送用配管、制御用の定圧回
路、方向制御回路等を必要として各種の制御弁が使用さ
れる。
【0007】このような圧力流体装置側における何等か
の原因で圧力流体の圧力が低下すると、研削力が加工物
に加わっているため、心押台側センタは押されて圧力低
下または無圧力となった流体圧シリンダを後退させ、極
端な場合は加工物は両センタ間から落下する。そして脱
落しないまでも、加工物を研削力に抗して両センタで十
分支持できないため、加工物が正確に回転せず、加工精
度を悪化させるおそれがある。このようなことが生じる
と、例えば各種ロールおよび車軸等のように高価格材料
の加工物を加工不良にしてしまい、著しい損失を生じ
る。
【0008】したがって、流体圧シリンダをセンタ担持
体の進退に用いた心押台において、圧力流体の圧力減少
に際してセンタの推力を維持できると共に、圧力流体の
圧力消失状態においても使用可能な心押台の出現が切望
されている。
【0009】本発明は、上記の問題点を解消するもので
あり、その目的とするところは、流体圧シリンダの圧力
流体の圧力減少に際してセンタの推力を維持できると共
に、圧力流体の圧力消失状態においても使用可能であ
り、しかも加工物の形状、強度によらず、ばねの交換が
不要になり、コストを低減させることができる心押台を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、心押台本体に軸方向に移動可能に支持さ
れて加工物を支持するセンタを担持するセンタ担持体
と、このセンタ担持体を進退させるセンタ担持体駆動装
置と、前記センタ担持体側に進退するばね座保持部材
と、このばね座保持部材を加工物側に進退させる駆動装
置とを備え、前記センタ担持体駆動装置に流体圧シリン
ダを用いてこの流体圧シリンダのピストンロッドの一方
の端部に前記センタ担持体を連結すると共に、ピストン
ロッドの他方の端部に一方のばね座部材を連結し、前記
ばね座保持部材に他方のばね座部材を前記センタ担持体
側に進退可能に設け、一方のばね座部材と他方のばね座
部材との間にばねを介装し、前記ばね座保持部材に、他
方のばね座部材を前記センタ担持体側に進退する力調整
機構を設けたことを特徴とする。
【0011】また、好ましくは、前記力調整機構を、前
記ばね座保持部材にばね長さ調整ボルトを回転自在に支
持させ、他方のばね座部材にねじ孔を形成し、このねじ
孔に前記ばね長さ調整ボルトを螺合させ、このばね長さ
調整ボルトの螺進により他方のばね座部材を前記センタ
担持体側に進退させるように構成してもよい。さらに、
ケーシングの端面部に、前記ばね長さ調整ボルトを回転
するための治具を外部より挿入する治具挿入孔を設けて
もよい。
【0012】
【作用】請求項1に係わる発明にあっては、流体圧シリ
ンダを付勢する流体圧が低下しても、センタはばね力で
押されているために、加工物が落下したり、押圧力が弱
くて研削不良が生じたりすることがないし、また、前記
力調整機構を作動して、他方のばね座部材を前記センタ
担持体側に移動させることにより前記ばねを圧縮し加圧
力を増大させ、また、前記力調整機構を上記とは逆に作
動して、他方のばね座部材を前記センタ担持体側とは反
対側に移動させることにより前記ばねを伸長して加圧力
を減少させる。
【0013】また、請求項2に係わる発明にあっては、
前記ばね長さ調整ボルトを回転して、ねじ送りにより、
他方のばね座部材を前記センタ担持体側に移動させるこ
とにより前記ばねを圧縮し加圧力を増大させ、また、前
記ばね長さ調整ボルトを上記とは逆回転して、他方のば
ね座部材を前記センタ担持体側とは反対側に移動させる
ことにより前記ばねを伸長し加圧力を減少させる。
【0014】また、請求項3に係わる発明にあっては、
ケーシングの端面部の治具挿入孔に、外部より治具を挿
入して、この治具でばね長さ調整ボルトを回転し、他方
のばね座部材を移動させて前記ばねの加圧力を調整す
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1は本発明に係わる心押台の一実施例の全体の概
略を示す縦断面図、図2は同心押台の要部の縦断面図、
図3の(1)は図2とは位相を変えた部位での要部の縦
断面図、図3の(2)は力調整機構の拡大断面図、図4
は図1のA−A線に沿う断面図、図5は図1のB−B線
に沿う断面図、図6は図1のC−C線に沿う断面図であ
る。
【0016】本発明に係わる心押台は心押台本体1を備
えており、この心押台本体1の嵌挿孔1aには軸方向に
移動自在にセンタ担持体としてのクイル軸2が嵌合され
ている。このクイル軸2の先端には図示されないテーパ
穴が設けられ、このテーパ穴に心押台側センタ3が嵌合
している。また、前記クイル軸2の外周に軸方向のキー
溝2aが設けられ、このキー溝2aに心押台本体1に嵌
合固定したキー4の先端が滑合し、前記クイル軸2の回
り止めとなっている。
【0017】そして、前記心押台本体1には、図6に示
すようにセンタ担持体の固定手段が設けてある。この固
定手段は、心押台本体1に固定されて前記クイル軸2の
半径方向に配設されたクランプ用油圧シリンダ7を備え
ており、このクランプ用油圧シリンダ7のピストン7a
の先には当金8が固着してあって、この当金8でもって
前記クイル軸2の外周を押圧することにより、前記嵌挿
孔1aと前記クイル軸2の隙間の範囲においてこのクイ
ル軸2を片寄せて心押台側センタ3を一定位置に保つも
のであり、クイル軸2の押される方向は研削力の加わる
方向と一致させるのが望ましい。
【0018】前記クランプ用油圧シリンダ7によるクイ
ル軸2の固定はクイル軸2に加わる軸方向の推力が大き
い場合は当金8位置での摩擦力に抗してクイル軸2が移
動する程度である。即ち、クランプ用油圧シリンダ7を
駆動源とする固定手段はクイル軸2に加わる推力の一部
を担持し、残りはクイル軸2の駆動装置、すなわち、セ
ンタ担持体駆動装置71で担持する。前記クランプ用油
圧シリンダ7はクイル軸2を進退する際は、当金8を後
退し、クイル軸2の停止時は当金8を前進する。
【0019】前記心押台本体1の後部には前記センタ担
持体駆動装置71が配されている。このセンタ担持体駆
動装置71は、前記クイル軸2の中心孔(図示せず)に
固定された送りナット9と、この送りナット9に螺合す
る送りねじ11とを備えており、この送りねじ11の後
部はスプライン11aになっており、このスプライン1
1aに軸方向に相対移動自在に被駆動歯車51が係合し
ている。この被駆動歯車51は軸受52を介して歯車箱
20に軸方向移動しないように支持されている。
【0020】前記被駆動歯車51は、図1、図5に示す
ように動力伝達機構76を介して手動の送りハンドル6
4に連結されている。すなわち、この動力伝達機構76
は、前記被駆動歯車51に噛合う中間歯車53、この中
間歯車53に噛合う歯車55、この歯車55を一端に固
定し心押台本体1に軸受56を介して支持された電動軸
57、この電動軸57の他端に固定された被動傘歯車5
8、この被動傘歯車58に噛合う駆動傘歯車59、この
駆動傘歯車59を一端に固定し、心押台本体1に回転可
能に支持された駆動軸63を備えており、この駆動軸6
3の他端には送りハンドル64が取り付けてある。な
お、自動化する場合は送りハンドル64を例えば電動機
とする。
【0021】前記心押台本体1の後部には前記歯車箱2
0を介して前部ケーシング22が連結してあり、この前
部ケーシング22の後部に中継板23を介して後部ケー
シング32が連結してある。そして、前記中継板23に
は油圧シリンダ13の前部が貫通状態で固着してある。
この油圧シリンダ13内にはピストン27が摺動可能に
設けてあり、このピストン27はピストンロッド14に
固着してあり、このピストンロッド14の先側は油圧シ
リンダ13の前部エンドカバー25の軸封部25aを摺
動可能に貫通して前方に突出しており、ピストンロッド
14の後側は油圧シリンダ13の後部エンドカバー26
の軸封部26aを摺動可能に貫通して後方に突出してい
る。
【0022】そして、前記送りねじ11は軸連結具12
を介して油圧シリンダ13のピストンロッド14に連結
されている。この場合、前記送りねじ11は前記ピスト
ンロッド14に対して回転可能にしてある。
【0023】すなわち、この軸連結具12は継手15と
軸受機構部70とを備えており、この継手15には前記
送りねじ11が固定してある。軸受機構部70は、前記
ピストンロッド14の先部に固着された軸受マウント1
8と、この軸受マウント18に内輪側で嵌合した軸受1
6と、この軸受16の外輪側に嵌合した軸受ハウス17
とを有していて、この軸受ハウス17が前記継手15に
ボルト15aで連結してある。
【0024】前記軸受マウント18のピストンロッド1
4への固着は、この軸受マウント18をピストンロッド
14の段部に当接するようにこのピストンロッド14に
嵌合し、軸受16の内輪と共に、カラー19に当接して
ピストンロッド14にねじ込まれた軸ナット21によっ
て軸受マウント18、カラー19をピストンロッド14
に固定してなされている。
【0025】前記油圧シリンダ13の油路13bは中継
板23に設けた油出入口13b−1から中継板23、シ
リンダ本体13aを通じてエンドカバー26側の後部シ
リンダ室CRに通じ、油路13cはシリンダ本体13a
に設けた圧油出入口13c−1からシリンダ本体13a
を通して前部エンドカバー25側の前部シリンダ室CF
に通じている。
【0026】前記後部エンドカバー26から突出するピ
ストンロッド14の後端部には、一方のばね座部材であ
る前部ばね座部材28が固定され、この前部ばね座部材
28のばね座部28aは心押台側センタ3とは反対方向
に向いている。
【0027】前記後部ケーシング32の後端部には送り
ねじ担持部材33が固定してある。この送りねじ担持部
材33は前記前部ばね座部材28の外周を覆う筒状の雄
ねじ部材33aを担持しており、この雄ねじ部材33a
にばね座送りナット34が螺合してあり、このばね座送
りナット34に歯車35が固着してある。また、ばね座
送りナット34には軸受36を介してばね座保持部材2
9が設けてあり、この軸受36によりばね座送りナット
34の回転がばね座保持部材29に伝わらないようにな
っている。
【0028】前記ばね座保持部材29は、その前部に筒
状のガイド部29aを有しており、このガイド部29a
に、他方のばね座部材であるスリーブ73が前後方向に
摺動可能に嵌合しており、このスリーブ73には、前記
ばね座部28aに対向するばね座部74が形成してあ
り、両ばね座部28a、74間にはコイル中心径の異な
る2つの圧縮コイルばね31a、31bが油圧シリンダ
13と同心に介装してある。
【0029】前記ばね座保持部材29には力調整機構8
0が設けてある。この力調整機構80は、前記ばね座保
持部材29に前記油圧シリンダ13と同心の円上に位置
させて形成した複数のボルト保持孔75を備えており、
これらのボルト保持孔75は、大径孔部75aと中径孔
部75bと小径孔部75cとを有している。また、前記
スリーブ73には、前記ボルト保持孔75に対向して複
数のねじ孔81が形成してある。前記ボルト保持孔75
の小径孔部75cにはばね長さ調整ボルト76は挿入し
てあって、このばね長さ調整ボルト76は前記ねじ孔8
1に螺合している。そして、このばね長さ調整ボルト7
6の頭部76aは前記中径孔部75bに位置しており、
前記ボルト保持孔75の大径孔部75aには抜け止め部
材82が設けてあって、この抜け止め部材82はねじ8
3により前記ばね座保持部材29に固定してある。この
抜け止め部材82の中央には開口部82aが形成してあ
る。また、前記後部ケーシング32の端面部32aに
は、前記ばね長さ調整ボルト76の頭部76aに対向す
る位置に治具挿入孔77が設けてあり、この治具挿入孔
77は盲栓78により開閉可能に閉じてある。
【0030】前記ばね座保持部材29は駆動装置79に
より軸方向に移動される。駆動装置79は移動用スプラ
イン軸41を備えており、この移動用スプライン軸41
は、その前端部が前記中継板23に、後端部が前記後部
ケーシング32の端壁部にそれぞれ軸受42、23を介
して支承されている。この移動用スプライン軸41には
スプラインスリーブ44が滑合されており、このスプラ
インスリーブ44は前記ばね座保持部材29に設けた軸
受嵌合部29aを貫通しており、この軸受嵌合部29a
に、前記スプラインスリーブ44に内輪側を嵌合固着し
た軸受46の外輪側が嵌合されており、前記ばね座保持
部材29は前記スプラインスリーブ44に軸受46を介
して連結されている。また、前記スプラインスリーブ4
4には前記ばね座送りナット34に固定された歯車35
と噛合う歯車45が固定されている。
【0031】前記移動用スプライン軸41には被動歯車
47が固着してあり、この被動歯車47は図4に示すよ
うに中継板23に回転自在に取り付けた中間歯車48を
介して減速機付のサーボモータ49の出力軸に固定され
た軸動歯車50に噛合っている。前記移動用スプライン
軸41は中継板23に固定したエンコーダ52に連結さ
れている。このエンコーダ52により、この移動用スプ
ライン軸41の回転位置、従って、スプラインスリーブ
44、歯車45、35を介してばね座送りナット34の
位置が検出されるようになっている。
【0032】また、図1に示すようにばね座保持部材2
9にはドッグプレート66が設けられ、ドッグプレート
66に位置を調節可能に設けられた複数のドッグ67は
図示されないスイッチを押し、ばね座保持部材29の移
動範囲を制御するようになっている。
【0033】次に、上記の実施例の作動を説明する。図
2の状態ではピストン27は後退端に有り、ピストンロ
ッド14は軸連結具12を介して送りねじ11を後方へ
引いて送りナット9を介してクイル軸2を後退させた位
置になっている。また、ピストンロッド14に固定され
た前部ばね座部材28は後退端に有る。また、ばね座保
持部材29は後退端に有り、ピストン後退位置における
前部ばね座部材28の前部ばね座部28aと前記スリー
ブ73のばね座部74間が最も遠のいた位置にあり、圧
縮コイルばね31a、31bの圧縮量は小さい。
【0034】この状態で一方の圧油出入口13b−1か
ら圧油を油路13bを通じて後部シリンダ室CRへ送り
込み、他方の圧油出入口13c−1から前部シリンダ室
CFの油を排出できるようにすると、ピストン27は前
進し、ピストンロッド14は軸連結具12、送りねじ1
1、送りナット9を介してクイル軸2を前進し、これに
よって心押台側センタ3を前進して、図示されない加工
物主軸台側の主軸に固定された加工物主軸台側センタと
の間で加工物を挟持して保持する。上記のピストンロッ
ド14の前進により前部ばね座部材28は共に前進する
ので圧縮コイルばね31a、31bは伸長しばね力は弱
まる。
【0035】加工物に加える推力は後部シリンダ室CR
の実質の断面積に圧油の圧力を乗じた値P1に圧縮コイ
ルばね31a、31bの自由長からの圧縮量にばね乗数
を乗じた値P2を加えた推力である。ここで心押台側セ
ンタ3に加える推力の調整は (1)後部シリンダ室CRに加える圧油の圧力を変更す
る。 (2)サーボモータ49を駆動して駆動歯車50を回転
し、中間歯車48を介して被動歯車47を回転し、移動
用スプライン軸41を回転するとスプラインスリーブ4
4は回転し、スプラインスリーブ44に固定した歯車4
5を回転し、この歯車45に噛合っている歯車35を回
転し、歯車35を固定した送りナット34を回転して、
この送りナット34を軸方向に移動する。
【0036】これによって送りナット34から軸受36
を介して推進力を受けたばね座保持部材29を介してス
リーブ73は前進し、圧縮コイルばね31a、31bを
圧縮するので、圧縮力は前部ばね座部材28、ピストン
ロッド14、軸連結具12、送りねじ11、送りナット
9、クイル軸2を介して心押台側センタ3に伝わり、加
工物を押す推力を増加する。
【0037】この圧縮コイルばね31a、31bによる
推力を適当にしておくと、油圧装置の故障、油圧系を制
御する電気系統の部分的停電により、油圧力が低下しま
たは無圧となってピストン27の推力が消失し、研削力
により、心押台側センタ3が後退方向へ押されても、圧
縮コイルばね31a、31bのばね力で加工物は支持さ
れ、加工物を支持している主軸台側センタと心押台セン
タ3間が遠いので加工物が脱落しないし、また、研削不
良により加工不良となることが防止される。また、圧縮
コイルばね31a、31bはばね座保持部材29が広い
範囲を移動してばね力を可変とする範囲が広いため、軽
量の加工物、軽研削、重研削、細長い加工物等に対応し
て加工物に適切な支持推力を得ることができる。
【0038】上述の説明では、心押台側センタ3に加え
る推力は圧縮コイルばね31a、31bのばね力とピス
トン27を前進方向へ付勢する油圧力の合計であるが、
心押台側センタ3にばね力のみで推力を与えるようにす
ると、小推力の範囲における油圧力の調整の困難性は解
消し、推力を正確に調整可能となる。
【0039】この場合においては後部シリンダ室CRは
常に無圧状態としておき、前部シリンダ室CFのみ用
い、この前部シリンダ室CFを無圧とすることにより、
圧縮コイルばね31a、31bのばね力で前部ばね座部
材28、ピストンロッド14、軸連結具12、送りねじ
11、送りナット9、クイル軸2を前進させて、心押台
側センタ3を前進し、また、前記心押台側センタ3を後
退するには前部シリンダ室CFに圧油を挿入し、ピスト
ン27に圧縮コイルばね31a、31bに抗して後退す
るようにすればよい。このような場合、油圧シリンダ1
3の後部シリンダ室CRは常に不図示の油圧源のタンク
中に連通していてもよく、また、大気へ連通していても
よい。
【0040】上記動作において、前記移動用スプライン
軸41にはエンコーダ52が連結されているため、図示
されない数値制御装置へエンコーダ52の信号を入力
し、サーボモータ49により移動用スプライン軸41の
回転角を所定数回転して停止できるので、圧縮コイルば
ね31a、31bの圧縮量の制御ができる。
【0041】また、前記送りハンドル64を回転すると
駆動軸63に固定してある駆動傘歯車59が回転し、こ
の傘歯車59と噛合っている被動傘歯車58を回転して
この回転は伝導軸57を伝わって歯車55を回転し、歯
車55と噛合っている中間歯車53、中間歯車53に噛
合っている被駆動歯車51へ回転は伝わり、被駆動歯車
51は回転する。
【0042】この被駆動歯車51は送りねじ11を回転
する。この送りねじ11の回転は軸連結具12の継手1
5、軸受ハウス17を回転し、軸受16の外輪を回転
し、この回転はピストンロッド14に伝わらない。ここ
で油圧シリンダ13へ圧油が供給され、前部シリンダ室
CFに圧油が充満してピストン27がエンドカバー26
に当った状態では、この状態を保ったままクイル軸2の
送りナット9を移動して心押台側センタ3を進退する。
これによって、心押台側センタ3の作動基準位置の調整
或はクイル軸2の心押台本体1からの突出量の調整を行
うことが出来る。
【0043】また、圧油の圧力が低下または無圧となっ
た際は圧縮コイルばね31a、31bが後部のばね座部
29aを基準にして前部のばね座部28aを押し、前部
ばね座部材28はピストンロッド14と共に前進してピ
ストン27または前部ばね座部材28の何れかが前進端
で他部材に当り停止した位置を基準にしてクイル軸2を
送りハンドル64で進退できる。この送りハンドル64
による心押台側センタ3の進退は、ピストン27即ち前
部ばね座部材28の位置が基準であるため心押台側セン
タ3に加える推力は油圧力及びばね力またはばね力で生
ずる。
【0044】また、前記盲栓78を治具挿入孔77から
外して、この治具挿入孔77を開口し、この治具挿入孔
77から治具(図示せず)を挿入して、この治具により
前記ばね長さ調整ボルト76を回転して、前記スリーブ
73を前進させることにより前記圧縮コイルばね31
a、31bを圧縮し加圧力を増大させ、また、治具によ
り前記ばね長さ調整ボルト76を上記とは逆回転して、
前記スリーブ73を後退させることにより前記圧縮コイ
ルばね31a、31bを伸長し加圧力を減少させること
ができる。したがって、前記圧縮コイルばね31a、3
1bの交換なしで広範囲の加圧力を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係わる
発明にあっては、心押台本体に軸方向に移動可能に支持
されて加工物を支持するセンタを担持するセンタ担持体
と、このセンタ担持体を進退させるセンタ担持体駆動装
置と、前記センタ担持体側に進退するばね座保持部材
と、このばね座保持部材を加工物側に進退させる駆動装
置とを備え、前記センタ担持体駆動装置に流体圧シリン
ダを用いてこの流体圧シリンダのピストンロッドの一方
の端部に前記センタ担持体を連結すると共に、ピストン
ロッドの他方の端部に一方のばね座部材を連結し、前記
ばね座保持部材に他方のばね座部材を前記センタ担持体
側に進退可能に設け、一方のばね座部材と他方のばね座
部材との間にばねを介装し、前記ばね座保持部材に、他
方のばね座部材を前記センタ担持体側に進退する力調整
機構を設けたから、流体圧シリンダを付勢する流体圧が
低下しても、センタは圧縮ばねのばね力で押されている
ために、加工物が落下したり、押圧力が弱くて研削不良
が生じたりすることがないし、また、前記力調整機構を
作動して、他方のばね座部材を前記センタ担持体側に移
動させることにより前記ばねを圧縮し加圧力を増大さ
せ、また、前記力調整機構を上記とは逆に作動して、他
方のばね座部材を前記センタ担持体側とは反対側に移動
させることにより前記ばねを圧縮し加圧力を減少させ
る。
【0046】このように、前記ばねを伸縮して広範囲の
加圧力を得ることができる。このために、加工物の形
状、強度によらず、ばねの交換が不要になり、この交換
のために要した部品が不要になり、コストを低減させる
ことができる。
【0047】また、ばねを伸縮して広範囲の加圧力を得
ることができるので、ばね座保持部材を移動させる前記
駆動装置がボールスクリュにナット部材を設けた構成の
場合、このばね座保持部材の移動距離を大きくする必要
がないために前記ボールスクリュの長さを短くすること
ができ、また、心押台本体を小さくすることができて、
コストを低減させることができる。
【0048】また、請求項2に係わる発明にあっては、
請求項1記載の心押台において、前記力調整機構を、前
記ばね座保持部材にばね長さ調整ボルトを回転自在に支
持させ、他方のばね座部材にねじ孔を形成し、このねじ
孔に前記ばね長さ調整ボルトを螺合させ、このばね長さ
調整ボルトの螺進により他方のばね座部材を前記センタ
担持体側に進退させるように構成したから、前記ばね長
さ調整ボルトを回転して、他方のばね座部材を前記セン
タ担持体側に移動させることにより前記ばねを圧縮し加
圧力を増大させ、また、前記ばね長さ調整ボルトを上記
とは逆回転して、他方のばね座部材を前記センタ担持体
側とは反対側に移動させることにより前記ばねを伸長し
加圧力を減少させることができる。
【0049】このように、前記ばねを伸縮して広範囲の
加圧力を得ることができる。このために、加工物の形
状、強度によらず、ばねの交換が不要になり、この交換
のために要した部品が不要になり、コストを低減させる
ことができる。
【0050】また、請求項3に係わる発明にあっては、
請求項2記載の心押台において、ケーシングの端面部
に、前記ばね長さ調整ボルトを回転するための治具を外
部より挿入する治具挿入孔を設けたから、ケーシングの
端面部の治具挿入孔に、外部より治具を挿入して、この
治具でばね長さ調整ボルトを回転し、他方のばね座部材
を移動させて前記ばねの加圧力を調整することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる心押台の一実施例の全体の概略
を示す縦断面図である。
【図2】同心押台の要部の縦断面図である。
【図3】(1)は図2とは位相を変えた部位での要部の
縦断面図である。(2)は力調整機構の拡大断面図であ
る。
【図4】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図1のC−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 心押台本体 2 クイル軸(センタ担持体) 3 心押台側センタ(センタ) 13 流体圧シリンダ 14 ピストンロッド 28 前部ばね座部材(一方のばね座部材) 29 ばね座保持部材 71 センタ担持体駆動装置 73 スリーブ(他方のばね座部材) 79 駆動装置 80 力調整機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 心押台本体に軸方向に移動可能に支持さ
    れて加工物を支持するセンタを担持するセンタ担持体
    と、このセンタ担持体を進退させるセンタ担持体駆動装
    置と、前記センタ担持体側に進退するばね座保持部材
    と、このばね座保持部材を加工物側に進退させる駆動装
    置とを備え、前記センタ担持体駆動装置に流体圧シリン
    ダを用いてこの流体圧シリンダのピストンロッドの一方
    の端部に前記センタ担持体を連結すると共に、ピストン
    ロッドの他方の端部に一方のばね座部材を連結し、前記
    ばね座保持部材に他方のばね座部材を前記センタ担持体
    側に進退可能に設け、一方のばね座部材と他方のばね座
    部材との間にばねを介装し、前記ばね座保持部材に、他
    方のばね座部材を前記センタ担持体側に進退する力調整
    機構を設けたことを特徴とする心押台。
  2. 【請求項2】 前記力調整機構を、前記ばね座保持部材
    にばね長さ調整ボルトを回転自在に支持させ、他方のば
    ね座部材にねじ孔を形成し、このねじ孔に前記ばね長さ
    調整ボルトを螺合させ、このばね長さ調整ボルトの螺進
    により他方のばね座部材を前記センタ担持体側に進退さ
    せるように構成した請求項1記載の心押台。
  3. 【請求項3】 ケーシングの端面部に、前記ばね長さ調
    整ボルトを回転するための治具を外部より挿入する治具
    挿入孔を設けた請求項2記載の心押台。
JP11435694A 1994-04-29 1994-04-29 心押台 Pending JPH07299607A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108788198A (zh) * 2018-08-07 2018-11-13 浙江卓驰机电科技有限公司 一种用于凸轮轴径向孔加工的专用夹具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108788198A (zh) * 2018-08-07 2018-11-13 浙江卓驰机电科技有限公司 一种用于凸轮轴径向孔加工的专用夹具
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