JPH0729696A - イオン加速装置における冷却システム - Google Patents

イオン加速装置における冷却システム

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Publication number
JPH0729696A
JPH0729696A JP19396093A JP19396093A JPH0729696A JP H0729696 A JPH0729696 A JP H0729696A JP 19396093 A JP19396093 A JP 19396093A JP 19396093 A JP19396093 A JP 19396093A JP H0729696 A JPH0729696 A JP H0729696A
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JP
Japan
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cooling water
tube
high voltage
cooling
voltage terminal
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JP19396093A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
Masaki Koike
正城 小池
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 高電圧ターミナル内のイオン源を所定温度以
下に冷却するために、高電圧ターミナルとグランド床の
間に螺旋状に巻回されて配設される冷却水循環用チュー
ブの表面でコロナ放電を生じないようにすること。 [構成] 絶縁材で成る中空碍子21内に、螺旋状に巻
回された冷却用チューブ11を内蔵し、絶縁性のガス、
SF6 を封入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオン加速装置における
冷却システムに関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図3は400KV超級の
イオン加速装置の全体を示すが、その全体は100で示
され、直方形状のシールドケーシング1は、その底壁部
としてこれと一体的に形成されたグランド底2を備えて
おり、このようなシールドケーシング1内に、やはり直
方形状であるが、その八隅はアール加工を施されてお
り、これが上記シールドケーシング1に内蔵されてい
て、グランド底2から所定の高さで4本の絶縁材で成る
支柱7により支持されている。
【0003】高電圧ターミナル3には、高電圧(例え
ば、400KV)の高電圧電源5から、その高電圧がブ
ッシング5b内に配設された保護抵抗を介して高電圧タ
ーミナル3に印加され、また、その匡体部5a内には高
電圧発生部、例えば、コックロフト・ウォルトン型のス
タックが内蔵されており、これは公知のようにダイオー
ドとコンデンサから成る倍電圧回路をカスケード的に接
続し、その端部で400KVの高圧が得られ、これが上
述したように高電圧ターミナル3に供給されている。ブ
ッシング5bは絶縁材で成るが、この外周部には等角度
間隔で金属フープ6が取り付けられており、この間に抵
抗Rが接続されて高電圧ターミナル3と高電圧電源5の
グランド側とを等電位で分割し、一様な電界を形成する
ことによりコロナを発生しないようにし、放電の頻度を
低減するようにしている。上述の絶縁支柱7の高さは、
このようにして高電圧ターミナル3には高電圧、例えば
400KVが印加されているのであるが、この電圧とグ
ランド電位との間で絶縁破壊が生じないような高さであ
る。
【0004】高電圧ターミナル3は、勿論、金属で成る
が、この内部にイオン源8、ガスボックス9などが配設
されており、更に、これらを駆動するための電源を制御
するための電源制御器10も配設されている。
【0005】イオン源8やガスボックス9は、このイオ
ン加速装置の駆動中に加熱されるのであるが、これら、
特にイオン源8を冷却するために、冷却水用チューブ1
1が高電圧ターミナル3とグランド底2との間に、図示
するように螺旋状に巻回されて配設されており、その上
端部は高電圧ターミナル3の底壁部に固定されたブラッ
ケト17に取り付けられた一対の継手13aに固定され
ている。また、グランド底2には、冷却水用チューブ1
1の下端部を固定するための継手13bがグランド底2
の下方に位置するように該グランド底2に固定されてい
る(取付部材は図示せず)。なお、継手13bはグラン
ド底2に電気的に接続されているものとする。以上のよ
うにして、螺旋状に巻回した冷却水用チューブ11の上
下端部は、継手13aと13bとにおいてそれぞれ高電
圧ターミナル3及びグランド底2に固定されている。ま
た、上方の継手13aにはイオン源8などに冷却水を循
環するための配管18が繋れていて、図3ではイオン源
8のみに配管されているが、ガスボックス9やその他の
装置、例えば質量分離磁石にも配管されているものとす
る。
【0006】高電圧ターミナル3とグランド底2との間
には、更に、圧縮空気を高電圧ターミナル3内に送給す
るために螺旋状に巻回された圧縮空気送給用チューブ1
2が配設されており、その上端部は圧縮空気配管用継手
15aを介して、高電圧ターミナル3の底壁部に固定さ
れており、また、下端部は圧縮空気配管用継手15bを
介してグランド底2に固定されている。なお、この圧縮
空気送給用チューブ12は複数本でなるが、いづれも絶
縁材で成り、これらは、図示しないが、各装置及び各装
置間に接続される配管などに設けられている各バルブを
圧縮空気の供給・遮断により、これらバルブを開閉する
ために用いられるものである。
【0007】上述のガスボックス9内には、イオンの材
料となる材料ガスタンクが配設されており、このガスタ
ンクの送給口からイオン源8に材料ガスが供給されるの
であるが、これらは毒性のものが多く、これらが高電圧
ターミナル3内、すなわち大気中に拡散しないように絶
縁性で成る排風ダクト14が接続されて下方に延びてお
り、グランド底2の下方に配設される配管14a、14
bを通って、シールドケーシング1の外方に配設された
排気ガス除外設備に接続されていて、排風ダクト14内
は負圧に保たれている。すなわち、ガスボックス9内に
毒性のガスが漏洩した場合には、高電圧ターミナル3内
及び大気中に拡散しないようにしている。
【0008】また、上述した高電圧ターミナル3内に配
設される電源制御器10は各種装置の電源を制御するも
のであるが、この制御信号はこれに接続された光ファイ
バー16により供給され、他方、この光ファイバー16
は高電圧ターミナル3の底壁部から下方に垂下して、グ
ランド底2の下方を通って、図示しないがシールドケー
シング1の外側に配設されている電源制御器に接続され
ている。
【0009】更に、高電圧ターミナル3とシールドケー
シング1の一側壁部との間には、公知の加速管4が接続
されており、この外周部には金属性のフープ6が等間隔
で取り付けられており、これらは抵抗Rで接続されてい
て、上述のブッシング5bと同様に、高電圧ターミナル
3の側壁部とシールドケーシング1の内壁との間の空間
を形成させている。更に、図示しないが、高電圧ターミ
ナル3内に設けられるイオン源8、ガスボックス9など
を駆動するための電力を供給するための電力供給装置
が、高電圧ターミナル3の他側壁部とシールドケーシン
グ1のこれと対向する内壁面との間にブッシングを介し
て接続されている。
【0010】従来例のイオン加速装置100は以上のよ
うに構成されるのであるが、次に、この作用について説
明する。高電圧電源5によりブッシング5bを介して、
400KVの直流電圧が高電圧ターミナル3に印加され
るが、絶縁支柱7により高電圧ターミナル3とグランド
底2との間の耐電圧は保証されている。図示しない電力
供給装置(例えば、これは絶縁トランスなどで成る)
が、これから高電圧ターミナル3内の各装置に電力が供
給され、イオン源8の電源からは高周波電圧rf、もし
くは直流電圧DCがパワーとしてこれに供給されると同
時に、ガスボックス9内に収納されているガスタンクよ
り材料ガスがイオン源8内に導入される。よって、この
イオン源8内にプラズマが発生する。このプラズマは、
図示しない引出電極に加えられた電圧により加速管4に
入射するが、高電圧ターミナル3には高電圧電源5によ
り、例えば、400KVが印加されているので、この電
圧とイオン源8からのイオンの価数の積のエネルギをも
って、この加速管4の出口からそのエネルギに対応する
速度で出射する。
【0011】この時、プラズマの生成の電源により、イ
オン源8に供給される電力の大部分は熱に変換されるた
め、このイオン源8の温度が上昇する。この上昇の範囲
を一定内に押えるために冷却水で冷却する必要があるの
であるが、このためにグランド側から冷媒、すなわち、
本従来例では純水が高電圧ターミナル3内に電気的に絶
縁性が高い冷却用チューブ11を介して供給され、配管
18を通って、イオン源8に巻回されるこの配管18内
を冷媒としての純水が通る。この冷媒は往路用のチュー
ブ18aを通ってイオン源8の周囲を流れ、復路用チュ
ーブ18bを通り、螺旋状に巻回された冷却用チューブ
11を通って、グランド底2内に配設されている連絡パ
イプp(往路、復路用のパイプから成る)を通って、シ
ールドケーシング1の外方に配設される冷却システムに
導かれ、ここで熱交換され、更に、この純水がフィルタ
及びイオン交換樹脂を経由してその不純物を除去して抵
抗値を高めた後に、再び、やはり図示しない液圧ポンプ
により冷却チューブ11の往路用のチューブ部分に吐出
され、上述したようにイオン源8を冷却して還流する。
【0012】なお、ガスボックス9からイオン源8への
材料ガスの供給、停止などは、図示しないバルブにより
行なわれるが、これはエア圧式であって、圧縮空気送給
用チューブ12に外部から供給される圧縮空気により行
なわれる。他方、ガスボックス9内に配設されたガスタ
ンクから、ガスがイオン源8に供給される途中において
は、このボックス内にその毒性のあるガスが漏洩する恐
れがあるが、これは直ちに排風ダクト14を通ってシー
ルドケーシング1外に排出され、図示しない除害設備に
導入され、大気中に排出されるようになっている。ま
た、光ファイバ16を通って外部に配設された制御器か
ら高電圧ターミナル3内の電源制御箱10内に制御信号
が伝送されて、上述の作用を常に正常に行なうように制
御している。
【0013】以上のようにして、純水が高電圧ターミナ
ル3内の各装置、特にイオン源8を冷却するのに用いら
れるのであるが、純水自体には抵抗値があるために、高
電圧ターミナル3とグランド底2との間を螺旋状の抵抗
で接続したことになる。よって、高電圧電源5により高
電圧ターミナル3に印加された高電圧、例えば400K
Vは、この下方のグランド底2との間に冷却水用チュー
ブ11の長さに応じて、グランド底2からの電位がこの
冷却水用チューブ11の各点で定まり、このように螺旋
状に巻回された冷却水用チューブ11の巻き径、及び冷
却水用チューブ11の各点でのグランド底2からの高さ
により、この冷却水用チューブ11の周囲の電界が定ま
るのであるが、高電圧ターミナル3とグランド底2との
電位差は400KVと非常に高いので、特に、この螺旋
状に巻回した冷却水用チューブ11の曲がり部での電界
強度が高くなり、遂には、その局所的に高い電界が大気
中でコロナ放電を発生する電界強度の下限値に達し、コ
ロナ放電を発生するに至る。その結果、このコロナ放電
によって絶縁物である冷却水用チューブ11の表面を劣
化させたり、また、コロナ現象に起因する放電を生じ易
くなる。
【0014】そこで、このようなコロナ放電を発生させ
ないように、高電圧ターミナル3とグランド底2との間
で冷却水用チューブ11を、螺旋状ではなくて、直線状
に配置することも考えられるが、これではこの冷却水用
チューブ11の沿面距離が短くなり、この冷却水用チュ
ーブ11の表面に沿った放電を誘発し易くなる。
【0015】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、高電圧ターミナルとグランド底との間
に配置される冷却水用チューブのいずれの箇所において
もコロナ放電発生を防止することが出来るイオン加速装
置を提供することを目的とする。
【0016】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、少なく
ともイオン源を内蔵させたケーシングをグランド電位の
床より所定の高さに配設させ、高電圧電源装置により前
記ケーシングに所定の高電圧を印加し、電力供給装置に
より前記イオン源などに電力を供給するようにし、前記
イオン源などを冷却水で冷却させるようにしたイオン加
速装置における冷却システムにおいて、絶縁材でなり、
密閉構造にした筒体の上下端部を前記ケーシングと前記
グランド電位の床とに取り付け、螺旋状に巻回され、絶
縁材で成る冷却水循環用チューブを前記筒体内に配設
し、該冷却水循環用チューブの往路用チューブ部に冷却
水を外部から供給して、前記ケーシング内の前記イオン
源などを冷却し、熱交換した冷却水を前記冷却水循環用
チューブの復路用チューブ部を通って外部に戻すように
し、かつ、前記筒体内に絶縁性ガスを封入するようにし
たたことを特徴とするイオン加速装置における冷却シス
テム、によって達成される。
【0017】
【作用】高電圧ターミナルとグランド電位の床との間に
螺旋状に巻回される冷却水循環用チューブは、密閉構造
の筒体内に配設され、かつ、絶縁性ガスをここに封入す
るようにしているので、螺旋状に巻回されているのでそ
の曲がり部で高い電界が生じていたとしても、コロナ放
電を生じることは未然に防止されることが出来る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例によるイオン加速装置
について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1
及び図2において図3の従来例に対応する部分について
は同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0019】また、図1及び図2においては、本発明に
係る冷却水用チューブ11と関連する部分を除く構成要
素は、図1に示す構成と同じであるので図示省略してい
る。すなわち、冷却水用チューブ11は後述するように
本発明に係る絶縁材でなる筒体に配設されているが、こ
の右方及び左方には、図3に示すような圧縮空気送給用
チューブ12や排風ダクト14などが設けられている。
【0020】本実施例によれば、冷却水用チューブ11
は絶縁材で成る中空円筒碍子21内に配設されており、
この上端部は取付金具22に当接面で接着・固定されて
おり、高電圧ターミナル3の底壁部に図示しない取付部
材を介して固定されている。また、下端部はグランド底
2に、図示しない取付部材を介して固定された取付金具
23にその当接面で接着剤により固定されている。
【0021】上部の取付金具22には、シール用のOー
リング26を介して上部フランジ24が当接し、これら
は縁部でボルト32とナット32aとにより締付け・一
体化されている。同様に下部取付金具23にも下部フラ
ンジ25がシール用のOーリング27を介して当接し
て、ボルト33とナット33aにより締付け・一体化さ
れている。
【0022】また、上部フランジ24の中央部には二つ
の開口が形成され、これに配管用のクイック・カップリ
ング13aが嵌着され、上部フランジ24の上面及び下
面において接着剤で固定されている。同様に下部フラン
ジ25の中央部にも二つの開口が形成されており、これ
に同様にクイック・カップリング13bが嵌着され、こ
の下部フランジ25の上面及び下面で接着剤により固定
されている。また、下部フランジ25には、更に放電抑
制用ガス導入用配管29がクイック・カップリング13
bより径外方向側にある開口に嵌着され、やはり接着剤
により下部フランジ25に固定されている。導入配管2
9は、送給管28とバルブ30を介して接続されてお
り、バルブ30は筒体21内に放電抑制用ガスの導入の
開始及び停止を制御する。また、上方のフランジ24に
は、筒体21内の空気又はガスの導出用のパイプ41が
接続されており、これはバルブ40を介して高電圧ター
ミナル3内に開口する。クイック・カップリング13
b、13bの一方の上端部には冷却水用チューブ11の
往路用のチューブ11aの下端部が止着されており、ま
た、他方のクイック・カップリング13bの上端部には
復路用のチューブ11bの下端部が止着されている。グ
ランド底2の下方には、往路用の冷却パイプ31a及び
復路用の冷却パイプ31bが配設されており、これの端
部がクイック・カップリング13bの下端部に止着され
ている。同様に、上部フランジ24に固定されているク
イック・カップリング13a、13aには、高電圧ター
ミナル3内に配設されている各装置に冷却水を循環させ
るためのチューブ18a、18bの端部が止着されてい
る。
【0023】本実施例のイオン加速装置は以上のように
構成されるが、次に、この作用について説明する。送給
管28の一端は、図示されていないが、放電抑制ガスボ
ンベのレギュレータの2次側に接続されており、この状
態でまず、上部フランジ24に取り付けられたバルブ4
0を開く。次に、外側に配設された放電抑制ガスボンベ
の元栓を開け、レギュレータの二次圧をゲージ圧で0k
g/cm2 より少し高めに調節する(絶対圧では1at
mより少し高い)。更に、バルブ30を開けることによ
って、導入配管29より中空碍子21内に放電抑制ガス
が導入される。この時、内部の空気は上方のバルブ41
(開)を通って外方に排出される。なお、本実施例で
は、放電抑制ガスとしてSF6 の絶縁ガスが用いられ、
これは比重が大きいので導入パイプ29から導入される
時に、中空碍子21の底部から順次、充填されていき、
空気を押し上げた形でバルブ40を通って追放する。あ
る程度時間が経過すれば、放電抑制ガスのボンベのバル
ブを閉じ、レギュレータの二次圧を下げる。また、中空
碍子21内に充填された放電抑制ガスが逃げないように
バルブ30及び40を閉じる。
【0024】中空碍子21内には空気と放電抑制ガスの
混合ガスが充填されていることになるが、放電抑制ガス
の種類に応じて、例えば、本実施例のように絶縁性のガ
ス、SF6 ガスを導入した場合には、体積比で空気中に
SF6 ガスが50%程度混入しておれば、中空碍子21
の内部でコロナ放電を抑制するには充分である。
【0025】このような状態で、グランド底2の下方に
配設された冷却用配管31a、31bを循環するように
純水が供給されると、中空碍子21内に螺旋状に巻回さ
れた冷却水用チューブ11a、11bを冷却水が循環
し、高電圧ターミナル3内の各装置を冷却する。
【0026】今、高電圧ターミナル3には高電圧電源5
により所定の電圧、例えば400KVが印加されている
ので、冷却水用チューブ11には内部に純水が通ってい
るため、この純水の比抵抗と冷却水用チューブ11の長
さとの積によって定まる抵抗値に応じた電流が高電圧タ
ーミナル3からグランド底2まで流れる。これにより、
冷却水用チューブ11は高さに応じて各点の電位が定ま
るが、今、冷却水用チューブ11は中空碍子21内に充
填されている絶縁ガスSF6 にさらされているために、
コロナ放電を各部で発生することはなく、電圧は安定に
印加されることになる。
【0027】以上のようにして、本来のイオン加速作用
が行なわれるのであるが、所定期間操作して中空碍子2
1内の放電抑制ガスを交換する場合は、ガスボックス9
内のイオン化される材料ガスは毒性のものが多く、これ
が外部に洩れた時に、これを検知出来るようにセンサが
適所に設けられているが、これはSF6 に感応するセン
サもあるので、気中に拡散することを避けるために、図
示されていないがバルブ40に接続されている導出管に
ゴム風船が取り付けられ、バルブ40を開け、かつ、下
方のバルブ30を開けて新しい放電抑制ガスを中空碍子
21内に導入すると、筒体21の内部のガスは押し上げ
られて、バルブ40を通ってゴム風船内に収容すること
が出来、内部のガスを外側に飛散させることなく新しい
放電抑制ガスと置き換えることが出来る。その他の作用
は上記従来例と全く同様である。
【0028】以上述べたように、本実施例によれば冷却
水用チューブ11を用いて、冷却水を循環させ、高電圧
ターミナル3内の各装置、特にイオン源8を所定の温度
範囲内に冷却しながら、螺旋状に巻回された冷却水用チ
ューブ11のいずれの点においても高電圧ターミナル3
には400KVという高圧が印加されているにも拘ら
ず、コロナ放電を発生することがなく、安定に高電圧タ
ーミナル3には一定の高電圧を印加することが出来、冷
却水用チューブ11の寿命も長くすることが出来る。
【0029】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想を基いて種々の変形が可能である。
【0030】例えば、以上の実施例では、放電抑制ガス
を封入するための筒体として、外側表面に波型の凹凸を
形成させた中空の絶縁材で成る中空碍子体21を用いた
が、これに代えて、有機粉材料の絶縁材で成るパイプを
用いてもよい。
【0031】また、以上の実施例では、冷却水用チュー
ブ11のみを中空の絶縁碍子21内に挿入したが、従来
例の図3で示した、圧縮空気を供給するためのチューブ
12をも中空の絶縁碍子21内に設置するようにしても
よい。この場合には、上述の中空の絶縁碍子21の径を
更に大とし、これを共通に用いて圧縮空気供給チューブ
12を内蔵させるようにすればよい。また、別に絶縁碍
子筒体を設け、この中に圧縮空気供給チューブ12を配
設するようにしてもよい。これによりこのチューブ12
は一般にはウレタンで成るが、高電圧ターミナル3に4
00KVという高電圧が印加されるので、その外表面を
通って、すなわち、いわゆる沿面放電を生ずる可能性も
あるが、これを中空の絶縁碍子筒内に配設し、上述のよ
うにSF6 ガスを充填させれば沿面放電による放電ガス
を確実に防止することが出来る。
【0032】また、図3の従来例では、排風ダクト14
は絶縁材で成るものとしたが、この場合には真直に延び
ているので沿面距離は小さく、従って沿面放電が生じ易
いのであるが、これを防止するために上述と同様に、こ
れも中空絶縁碍子筒内に配設し、かつ、この内部に例え
ばSF6 ガスを充填させるようにして、沿面放電を未然
に防止するようにしてもよい。この場合には、図2に示
すように、実施例の中空絶縁碍子21の径をそれほど大
とすることなく、排風ダクト14と冷却水用チューブ1
1を共に内蔵させることが出来る。すなわち、図2にお
いて図1に対応する分には同一の符号を付すが、中空絶
縁碍子121は若干、実施例より径大であるが、これに
排風ダクト14をその中心部に挿通させ、この周囲に冷
却水用チューブ111を巻回させることにより、高電圧
ターミナル3の下方空間はより簡素なものとすることが
出来る。勿論、中空絶縁碍子121内にはSF6 ガスが
充填されているので、排風ダクト14の沿面放電や、冷
却水用チューブ111の、特に曲がり部分でコロナ放電
を生ずることを未然に防止することが出来る。
【0033】また、上述の絶縁材で成る中空碍子21内
の耐電圧を更に向上させるために、図1において、ガス
配管28からポンプにより空気を排気して、絶縁中空碍
子21の内部を真空状態にしてから導入配管29から絶
縁ガスを導入することによって、中空碍子21内の絶縁
ガスの純度を高めて耐電圧を向上させるようにしてもよ
い。
【0034】上述の場合より、更に耐電圧を向上したい
場合には、放電抑制ガスを封入する容器として、絶縁碍
子ではなく、FRP(硝子繊維強化プラスチック)製で
筒体を形成し、この容器中に大気圧以上、例えば、6気
圧程度の放電抑制ガスを封入することにより耐電圧は更
に向上させることが出来る。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるイオン
加速装置によれば、高電圧を印加されるケーシング内の
各種の装置を有効に冷却しながら、この冷却のための冷
却水をグランド電位から高電圧ターミナル内へと導くた
めに螺旋状に巻回された冷却水循環用チューブの各位置
でコロナ放電を生ずることを未然に防止することが出
来、よって装置寿命を長くさせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるイオン加速装置における
冷却システムの断面図である。
【図2】同変形例を示す要部の断面図である。
【図3】従来例のイオン加速装置の部分破断側面図であ
る。
【符号の説明】
11 冷却水用循環用チューブ 21 中空碍子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともイオン源を内蔵させたケーシ
    ングをグランド電位の床より所定の高さに配設させ、高
    電圧電源装置により前記ケーシングに所定の高電圧を印
    加し、電力供給装置により前記イオン源などに電力を供
    給するようにし、前記イオン源などを冷却水で冷却させ
    るようにしたイオン加速装置における冷却システムにお
    いて、絶縁材でなり、密閉構造にした筒体の上下端部を
    前記ケーシングと前記グランド電位の床とに取り付け、
    螺旋状に巻回され、絶縁材で成る冷却水循環用チューブ
    を前記筒体内に配設し、該冷却水循環用チューブの往路
    用チューブ部に冷却水を外部から供給して、前記ケーシ
    ング内の前記イオン源などを冷却し、熱交換した冷却水
    を前記冷却水循環用チューブの復路用チューブ部を通っ
    て外部に戻すようにし、かつ、前記筒体内に絶縁性ガス
    を封入するようにしたたことを特徴とするイオン加速装
    置における冷却システム。
JP19396093A 1993-07-09 1993-07-09 イオン加速装置における冷却システム Pending JPH0729696A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002078408A1 (fr) * 2001-03-26 2002-10-03 Japan Science And Technology Corporation Procede et dispositif pour eliminer la chaleur provenant d'une unite d'alimentation haute tension d'accelerateur de particules
KR102065871B1 (ko) * 2019-01-24 2020-01-13 한전케이피에스 주식회사 배수형 자성 블라인드 플랜지
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