JPH07293696A - 緩衝器用樹脂被覆ピストンの製造方法および装置 - Google Patents

緩衝器用樹脂被覆ピストンの製造方法および装置

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JPH07293696A
JPH07293696A JP8156894A JP8156894A JPH07293696A JP H07293696 A JPH07293696 A JP H07293696A JP 8156894 A JP8156894 A JP 8156894A JP 8156894 A JP8156894 A JP 8156894A JP H07293696 A JPH07293696 A JP H07293696A
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政幸 山本
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 緩衝器用ピストンのピストン素材への樹脂シ
ートの被着に際し、煩雑な工程をなくし、樹脂シートの
好ましくない変形および破損を防止し、被着不良の発生
を防止する。 【構成】 複数の環状溝4を有するピストン素材1の外
周に被着すべき樹脂シート2を、中心孔3の内径がピス
トン素材の樹脂シート係止端部6における樹脂シート係
止用環状溝7の谷径以下の寸法を有する座金形状に形成
してセット型内にセットし、樹脂シート上にセットした
ピストン素材を押圧して係止端部を樹脂シート中心孔に
押入して樹脂シートを係止し、入口テーパー付加熱シリ
ンダ内にピストン素材を押入して所定のプレスピッチで
加熱シリンダ内に移送し、所定時間保持して樹脂シート
をピストン素材の外周溝に圧着させ、樹脂シートを外周
に圧着したピストン素材を加熱シリンダ内径以下の内径
を有する冷却シリンダ内に加熱シリンダから連続的に移
送し、ピストン素材の外周に樹脂シートを被着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用緩衝器などに
用いられているピストンの密封性、耐摩耗性および摺動
性を高めるために、四フッ化エチレン樹脂等の樹脂シー
トをピストン外周に被着した樹脂被覆ピストンの製造方
法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、緩衝器用ピストンの密封性、耐摩
耗性および摺動性を高めるために、四フッ化エチレン樹
脂シートをピストン外周に被着する場合、外周に複数の
環状溝を形成したピストン素材に四フッ化エチレン樹脂
シートを嵌合させて環状溝に圧着させることが行なわれ
ている。しかし、樹脂シートをピストンの環状溝付外周
面に嵌合圧着させただけでは、ピストンが緩衝器のシリ
ンダ内で摺動する際に、被着樹脂シートがずれたり、ピ
ストンから抜け落ちる等の不具合が発生する問題があ
り、したがって、被着性を高めるための改良が行われて
きている。
【0003】かかる緩衝用樹脂被覆ピストンの製造技術
の改良例として、特開昭61−82072号公報には、
ピストン素材の外周に被着すべき座金形状の樹脂シート
を加熱軟化してその成形性を良くし、この軟化処理した
樹脂シートの中心孔の内径をテーパー治具を用いてピス
トン素材の外径にほぼ等しい内径にまで拡大して樹脂シ
ートをピストン素材の外周に被着した後に、加熱−冷却
シリンダ内に連続的に通して樹脂シートをピストン素材
の外周溝に圧着させて被着することが開示されている。
【0004】しかし、上記公報に開示された方法では、
樹脂シートの中心孔をテーパー治具によって拡径する前
に樹脂シートを予熱軟化して成形加工性を向上させるた
めの予熱軟化処理工程およびピストン素材の外周溝に樹
脂シートを係止した後にこの樹脂シートの係止端部をロ
ーラ等により溝部に圧着する工程等が必要である。
【0005】特に、樹脂シートが薄い場合には、テーパ
ー治具による係止に際して、樹脂シートが、変形され、
または破損され、ピストン素材への樹脂シートの係止が
困難になる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来方法での問題を解消し、緩衝器用ピストンのピ
ストン素材への樹脂シートの被着に際し、煩雑な工程を
なくし、樹脂シートの好ましくない変形および破損を防
止して、被着不良の発生をなくそうとするものである。
【0007】これがため、本発明によれば、ピストン素
材に被着すべき樹脂シートの中心孔の大きさをピストン
素材の寸法、特に、樹脂シート係止端部および樹脂シー
ト係止用溝の外径に対して適切に選定し、ピストン素材
への樹脂シートの係止工程を極めて簡略化し、加熱およ
び冷却シリンダでの連続的加熱および冷却作用と適切に
組合せることによって薄肉で柔らかい素材の樹脂シート
でも損傷なく確実にピストン素材に被着させて品質の良
い緩衝器用樹脂被覆ピストンを製造し得る方法および装
置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
環状溝を外周に有するピストン素材の外周に樹脂シート
を被着して緩衝器用樹脂被覆ピストンを製造するに際
し、前記樹脂シートを中心孔の内径が前記ピストン素材
の樹脂シート係止端部における樹脂シート係止用環状溝
の谷径以下の寸法を有する座金形状に形成し、この樹脂
シートをセット型内にセットし、セット型内にセットし
た樹脂シート上に前記ピストン素材を前記係止端部を下
にして心出ししてセットし、前記ピストン素材を前記樹
脂シートに対して押圧して前記係止端部を前記樹脂シー
ト中心孔に押入して係止用環状溝によって前記樹脂シー
トを係止し、前記ピストン素材の外径に前記樹脂シート
の厚さの2倍を加えた寸法より小さい小口端内径Dを有
する加熱シリンダ内に前記ピストン素材を樹脂シート係
止端部から押入して所定のプレスピッチで加熱シリンダ
内に移送して所定時間保持して樹脂シートをピストン素
材の外周溝に圧着させ、前記樹脂シートを外周に圧着し
たピストン素材を前記加熱シリンダ内径E以下の内径を
有する冷却シリンダ内に加熱シリンダから連続的に移送
し、これにより、ピストン素材の外周に樹脂シートを被
着することを特徴とする。
【0009】本発明を実施するに当っては樹脂シートの
中心孔の内径Aとピストン素材の樹脂シート係止端部に
おける樹脂シート係止用環状溝の谷径Bとの比A/Bを
0.8〜1.0、好ましくは0.86〜0.96とする
のがよい。
【0010】また、本発明を実施するに当っては、ピス
トン素材の外径C、樹脂シートの厚さtおよび、加熱シ
リンダの入口端内径Dとの寸法が下記の関係式 D=C+(0.7〜1.5)t を満足するよう選定するのがよい。
【0011】また、本発明によれば、複数の環状溝を外
周に有する円筒形ピストン素材の外周に座金形状の樹脂
シートを被着する緩衝器用樹脂被覆ピストン製造装置
は、樹脂シートセット孔を上端部に開口されたセット型
と、このセット型の樹脂シートセット孔内に樹脂シート
をセットする手段と、セット型にセットした樹脂シート
上に円筒形ピストン素材を心出してセットする手段と、
前記円筒形ピストン素材の樹脂シート係止端部における
樹脂シート係止用環状溝に樹脂シートが係止されるまで
樹脂シートに対して円筒形ピストン素材を押圧する手段
と、前記樹脂シートが係止されたピストン素材を押入す
る往復動ラムを有する連続的に配置された加熱および冷
却用シリンダとを具えることを特徴とする。
【0012】また、本発明を実施するに当っては、セッ
ト型の上端部に開口する樹脂シートセット孔が被着すべ
き座金形状の樹脂シートの外径よりわずかに大きな内径
を有し、この樹脂シートセット孔の下側にピストン素材
の外径より大きさ内径を有する凹部を段部を介して形成
し、この段部が曲率半径Rの曲面を有し、下側凹部の中
央からピストン素材中心孔が嵌合し得る心出しガイドを
セット型の中心軸線上に延長して設けるのがよい。
【0013】また、本発明を実施するに当っては、中心
孔を有する座金形状の樹脂シートの積重体をその前記中
心孔に挿入された垂直保持棒に沿って昇降可能に保持
し、前記積重体の最上端部近傍接線方向に気体を噴出し
て前記最上端の樹脂シートをその下側の樹脂シートから
分離する噴出ジェットと、前記最上端のシートを吸着保
持して前記積重体からセット型の樹脂シートセット孔内
にセットする減圧吸引具とを設けるのがよい。
【0014】また、本発明によれば、前記加熱シリンダ
が前記ピストン素材の外径に前記樹脂シートの厚さの2
倍を加えた寸法より小さい入口端内径Dと、この入口端
よりテーパー部を経て入口端内径Dより小径の加熱シリ
ンダ内径Eとを有し、前記冷却シリンダが前記加熱シリ
ンダ内径以下の内径を有し、前記加熱シリンダの上端入
口に前記ピストン素材を樹脂シート係止端部から押入し
て所定のプレスピッチで押し進める往復動プッシャーを
設けるのがよい。
【0015】さらに、本発明によれば複数個の前記セッ
ト型を円周方向に離間した位置でターンテーブル上に設
け、このターンテーブルの周りに前記樹脂シートセット
装置、ピストン素材セット装置、樹脂シート係止装置お
よび加熱−冷却シリンダ装置とを配置し、これらのター
ンテーブル、樹脂シートセット装置、ピストン素材セッ
ト装置、樹脂シート係止装置および加熱−冷却シリンダ
装置を同期作動するよう制御する装置を設けるのがよ
い。
【0016】また、本発明によれば、前記同期作動制御
装置が、工程での不具合発生時に、同期作動を自動的に
停止させるとともに、前記加熱シリンダに挿入されてい
る樹脂シート被着ピストンを予め設定された所定時間経
過後には加熱シリンダを通過させるよう構成するのがよ
い。
【0017】
【作用】本発明によれば、上述したように、座金形状の
樹脂シートの中心孔の内径をピストン素材の樹脂シート
係止端部における係止用環状溝の谷径より小さく選定す
ることによって、テーパー治具を用いることなく、樹脂
シートをセット型内の平坦な支持面上にセットしてこの
上に心出ししてセットしたピストン素材を押し下げるだ
けでピストン素材の外周の係止用環状溝に樹脂シートを
係止させることができ、これによって樹脂シートをピス
トン素材に係止させる工程において、破損やずれが生じ
るのを防止でき、また、コスト的にも極めて安価に確実
に係止させることができる。
【0018】特に、樹脂シートの中心孔の内径Aとピス
トン素材の樹脂シート係止端部における樹脂シート係止
用環状溝の谷径Bとの比A/Bが0.8〜1.0、好ま
しくは0.86〜0.96の範囲内にあるようにする理
由は、比A/Bが0.8より小さいと、ピストン素材を
樹脂シートの中心孔に押入する際に樹脂シートが裂け易
く、0.1より大きいと、加熱シリンダの入口端部にお
いて、樹脂シートがずれて斜めに被着されるという欠点
が生じるからである。
【0019】また、本発明によれば、加熱シリンダの入
口端内径をピストン素材の外径および樹脂シートの厚さ
に対して適切に選択することによって、上述した簡単な
方法でピストン素材外周の係止用環状溝に係止されただ
けの樹脂シートに加熱シリンダ入口端において巻き込み
作用を加えて環状溝への喰い込み量を増大して樹脂シー
トをピストン素材の外周に圧着させて確実に被着するこ
とができる。
【0020】特に、ピストン素材の外径Cと、樹脂シー
トの厚さtと、加熱シリンダの入口端内径Dとの寸法が
下記の関係式 D=C+(0.7〜1.5)t を満足するよう選定する理由は、上記係数より大きい
と、環状溝内への樹脂シートの喰い込みが小さくなり、
また上記係数より小さいとピストン素材と加熱シリンダ
の入口端におけるR部に樹脂シートが噛みついて、ピス
トン素材とともに巻き込まれるというバンディング作用
が生じなくなるからである。
【0021】さらに、本発明によれば、樹脂シートを積
重ねた状態で加熱軟化処理することがなく、また、樹脂
シート積重体の最上端部にその切線方向に指向させた噴
出ノズルにより圧縮空気を吹きつけることによって、最
上端の樹脂シートを浮遊回転させ、浮遊した樹脂シート
を減圧吸引手段によって吸着保持して積重体からセット
型に移送する構成としたことによって、セット型への樹
脂シートの減圧吸引移送に際して複数のシートが移送さ
れてセット不良が生じるということがない。
【0022】さらに、本発明による装置では、万一一部
の処理装置において不具合が生じ、装置が一時的に停止
した場合でも、加熱シリンダ内に挿入されているピスト
ン素材を予め設定された所定時間の経過後に、自動的に
冷却シリンダに移送して排出させることによって、圧着
不良や寸法不良が生じるのを防止できる。そして、これ
らの工程が連続的に、かつ各工程を同期させて制御する
ことにより、作業時間の短縮、品質の向上、製造コスト
の低減を図ることができる。
【0023】
【実施例】本発明の1実施例を図面につき説明する。図
1は本発明によって製造される緩衝器用樹脂被覆ピスト
ンを構成するピストン素材1と樹脂シート2との1例を
示している。図示のように、円筒形のピストン素材1は
その軸芯方向に貫通する中心孔3を有し、外周に複数の
環状溝4が形成されている。他方、樹脂シート2は四フ
ッ化エチレン等の樹脂で円錐座金形状に形成され、その
中心に中心孔5が貫通されている。
【0024】この樹脂シート2はその中心孔5の内径A
がピストン素材1の樹脂シート係止端部6における樹脂
シート係止用環状溝7の谷径Bより小さいか、または同
径とし、好ましくは内径Aと谷径Bとの比A/Bが0.
8〜1.0、好ましくは0.86〜0.96の範囲内に
あるように形成するのがよい。
【0025】また、ピストン素材1の外径Cに樹脂シー
ト2の厚さtの2倍を加えた寸法が樹脂シート2をピス
トン素材1の外周に圧着するために用いられる入口テー
パー付加熱シリンダ8の入口端内径Dより大きくなるよ
う、好ましくは(1)式 D=C+(0.7〜1.5)t …(1) が満足されるようピストン素材1の外径C、樹脂シート
2の厚さtおよび加熱シリンダ8の入口端内径Dを適切
に選定するのがよく、これによって、ピストン素材1の
外周に樹脂シート2を確実に圧着して高品質の樹脂被覆
ピストンを得ることができる。
【0026】上述したように形成した樹脂シート2をセ
ット型10内にセットする。セット型10には樹脂シー
ト2の外径より僅かに大きな内径を有する上端開口の樹
脂シートセット孔または上段部11と、ピストン素材1
の外径より大きな内径を有する下側凹部12とが同一中
心軸線上に上下に形成され、セット孔11および凹部1
2の中心にピストン素材1の中心孔3に嵌入し得る心出
しガイド13が延長して設けられている。
【0027】上述したようにして、セット型10のセッ
ト孔11内に樹脂シート2をセットした後、ピストン素
材1をその中心孔3に心出しガイド13を嵌入して樹脂
シート2上に下すことによってピストン素材1をセット
型10内の樹脂シート2上に心出ししてセットする。
【0028】次に、後述する押込みピストン等によっ
て、ピストン素材1を樹脂シート2に対して押し下げる
ことによって、樹脂シート2を樹脂シート係止用環状溝
7に係止させる。このようにして、樹脂シート2を予熱
することなく、確実にピストン素材の外周に係止するこ
とができる。
【0029】次に、図1に示すように、外周下端部に樹
脂シート2を係止したピストン素材1を樹脂シート係止
端部から加熱シリンダ8内に押し込んで所定のプレスピ
ッチで加熱シリンダ8内に移送しながら所定時間保持し
て樹脂シートを加熱成形処理し、ピストン素材1の外周
溝に圧着させる。
【0030】上述の加熱シリンダ8の下側に断熱壁を介
して連続して設けられた冷却シリンダ15内に樹脂シー
トを外周に圧着したピストン素材1を、加熱シリンダ8
から連続して移送し、このピストン素材1を上述したと
同様に所定のプレスピッチで移送し、かくして、加熱シ
リンダ内径以下の内径を有する冷却シリンダから樹脂被
覆ピストンが製品として押し出される。
【0031】図2は複数個のセット型10が円周方向に
離間した位置に固定して設けられたターンテーブル20
と、このターンテーブル20の周りに配置された樹脂シ
ートセット装置21、ピストン素材セット装置22、樹
脂シート係止装置23および加熱−冷却シリンダ装置2
4を示す。
【0032】図示の実施例の樹脂シートセット装置21
は、図2および図3に示すように、樹脂シート2の中心
孔5に挿入されて多数の樹脂シート2を積重ねた積重体
25の状態で保持する垂直保持棒26が2本左右に離間
した位置で固定して支持台27上に設けられ、この支持
台27は固定支持枠28上のガイド軸29に支持台下部
係合部(図示せず)において既知の方法で摺動可能に案
内され、固定支持枠28上に設けられた支持台位置切替
シリンダ装置30が支持台27に作動的に連結され、こ
れによって支持台27を矢Aで示す方向に移動していず
れか一方の垂直保持棒26を図示のようにセット型10
に対向するシートセット位置に切替え位置させ得るよう
に構成されている。
【0033】樹脂シート2の積重体25は、図3に示す
ように昇降シート台31上に支持され、この昇降シート
台31は支持台27に形成されたガイド孔32によって
案内されるガイドロッド33を介してシート台高さ調節
用シリンダ装置34によって矢Bの方向に昇降可能に連
結され、これによって積重体25は垂直保持棒26に沿
って昇降可能に保持されている。このように積重体を昇
降可能に構成することによって、積重体25の高さは樹
脂シート2の送出量の増加にともない変化するにもかか
わらず、積重体25の上端部の位置を常に一定に保持す
ることができ、したがって、この上端部位置に対応する
位置に噴射ノズル35を設けて最上端の樹脂シートに対
して、加圧空気を接線方向に噴射することによって、最
上端の樹脂シートを浮上回転させるよう構成している。
【0034】樹脂シートセット装置21には、さらに、
上述したように浮上旋回される最上端の樹脂シート2を
吸着保持してターンテーブル20上のセット型10のセ
ット孔11内にセットする減圧吸引具36が設けられ
る。
【0035】この減圧吸引具36は、図3に示すよう
に、昇降用シリンダ装置37および水平移動用シリンダ
装置(図示せず)等を含むシート移送機構によって矢
C,DおよびEで示すように制御されて作動し得るよう
構成されている。
【0036】ピストン素材セット装置22は、図2に示
すように、ピストン素材送りシュート40と、シュート
端からピストン素材を受け渡し位置に押し出すプッシャ
ー41と、枢軸42の回りに揺動して遊端把持具43に
よってピストン素材1を受け渡し位置からピストン素材
セット位置に位置するセット型10内の樹脂シート2上
に矢Fで示すように移送してセットする揺動レバー44
とで構成されている。
【0037】樹脂シート係止装置23は、図2および図
4に示すように、樹脂シート係止位置でターンテーブル
20上に固定して設けられたセット型10と同一軸線上
に矢Gで示すように固定フレーム45上の押込みシリン
ダ装置46によって上下動される押込みピストン47を
具える。押込みピストン47のピストンロッド48はシ
リンダ装置45の上端壁を貫通して上方に延長され、こ
の延長端にストッパー掛合アーム49が取付けられ、押
込みピストン47の下降下限位置を押込み深さ設定ねじ
50の上端ストッパー51によって制御するよう構成さ
れている。
【0038】加熱−冷却シリンダ装置24は、図2に示
す例では、左右に2個設けられ、枢軸55に枢支された
揺動アーム56の遊端に設けられた把持具57によって
ターンテーブル20上のセット型10から樹脂シート2
が外周下端に係止されたピストン素材1を矢Hで示すよ
うに左右の加熱−冷却シリンダ装置24の加熱シリンダ
8の上端入口58に交互に送入し得るよう構成されてい
る。
【0039】加熱−冷却シリンダ装置24は、図5に示
すように、上側の入口テーパー付加熱シリンダ8と、こ
の加熱シリンダ8の下側に断熱層60を介して設けられ
た冷却シリンダ61とで構成され、加熱シリンダ8の周
りには電熱コイル62が設けられ、冷却シリンダ61の
周りには冷却水通路63が設けられている。
【0040】図5に示すように、加熱シリンダ8の上端
入口58に送られた樹脂シート係止ピストン素材1を上
端入口58から押し込むため、加熱シリンダ8の中心孔
64と同一軸線上にプレスシリンダ装置65のプレスピ
ストン66を延長して設け、このピストン66のストロ
ーク長さを、加熱シリンダ8および冷却シリンダ61の
長さより長くして加熱および冷却シリンダ8,61内か
ら全ての樹脂被着ピストンを押し出し得るよう構成して
いる。
【0041】さらに、プレスピストン66にプレスピッ
チ設定板67を連結し、このプレスピッチ設定板67に
所定のピッチで設けられたスリット68を検出するため
のプレスピッチ検出器69が固定枠70上に設けられて
いる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、従来方法および装置に
比較して遙かに簡単な工程および装置によって、高品質
の緩衝用樹脂被覆ピストンを高歩留りで製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される緩衝用樹脂被覆ピスト
ンのピストン素材、樹脂シートの1例を示す線図的断面
図である。
【図2】本発明による装置の1例の平面的配置を示す概
略線図である。
【図3】図2に示す樹脂シートセット装置を一部を断面
として示す線図的側面図である。
【図4】図2に示す樹脂シート係止装置を一部を断面と
して示す線図的側面図である。
【図5】図2に示す加熱−冷却シリンダ装置の線図的断
面図である。
【符号の説明】 1 ピストン素材 2 樹脂シート 3 中心孔 4 環状溝 5 中心孔 6 樹脂シート係止端部 7 樹脂シート係止用環状溝 8 加熱シリンダ 10 セット型 11 セット孔 12 凹部 13 心出しガイド 20 ターンテーブル 21 樹脂シートセット装置 22 ピストン素材セット装置 23 樹脂シート係止装置 24 加熱−冷却シリンダ装置 25 積重体 26 垂直保持棒 27 支持台 28 固定支持枠 29 ガイド軸 30 支持台位置切替シリンダ装置 31 昇降シート台 32 ガイド孔 33 ガイドロッド 34 シート台高さ調整用シリンダ装置 35 噴射ノズル 36 減圧吸引具 37 昇降用シリンダ装置 40 ピストン素材送りシュート 41 プッシャー 42 枢軸 43 把持具 44 揺動レバー 46 押込みシリンダ装置 47 押込みピストン 48 ピストンロッド 49 ストッパー掛合アーム 50 押込み深さ設定ねじ 51 上端ストッパー 55 枢軸 56 揺動アーム 57 把持具 58 加熱シリンダ上端入口 60 断熱層 61 冷却シリンダ 62 電熱コイル 63 冷却水通路 64 中心孔 65 プレスシリンダ装置 66 ピストン 67 プレスピッチ設定板 68 スリット 69 ピッチ検出器 70 固定枠

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の環状溝を外周に有する円筒形ピス
    トン素材の外周に樹脂シートを被着して緩衝器用樹脂被
    覆ピストンを製造するに際し、 前記樹脂シートをその中心孔の内径Aが前記ピストン素
    材の樹脂シート係止端部における樹脂シート係止用環状
    溝の谷径B以下の寸法を有する座金形状に形成し、 この樹脂シートをセット型内にセットし、 セット型内にセットした樹脂シート上に前記ピストン素
    材を前記係止端部を下にして心出してセットし、 前記ピストン素材を前記樹脂シートに対して押圧して前
    記係止端部を前記樹脂シート中心孔に押入して係止用環
    状溝によって前記樹脂シートをピストン素材の外周に係
    止し、 前記ピストン素材の外径に前記樹脂シートの厚さの2倍
    を加えた寸法より小さい入口端内径Dを有する加熱シリ
    ンダ内に前記ピストン素材を樹脂シート係止端部から押
    入して所定のプレスピッチで加熱シリンダ内に移送して
    所定時間保持して樹脂シートをピストン素材の外周溝に
    圧着させ、 前記樹脂シートを外周に圧着したピストン素材を前記加
    熱シリンダ内径E以下の内径を有する冷却シリンダ内に
    加熱シリンダから連続的に移送し、 これにより、ピストン素材の外周に樹脂シートを被着す
    ることを特徴とする緩衝器用樹脂被覆ピストンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂シートの中心孔の内径Aと前記
    ピストン素材の樹脂シート係止端部における樹脂シート
    係止用環状溝の谷径Bとの比A/Bを0.8〜1.0、
    好ましくは0.86〜0.96とすることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記ピストン素材の外径C、樹脂シート
    の厚さtおよび、前記加熱シリンダの入口端内径Dの寸
    法を下記の関係式 D=C+(0.7〜1.5)t を満足するよう選択することを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 複数の環状溝を外周に有する円筒形ピス
    トン素材の外周に座金形状の樹脂シートを被着した緩衝
    器用樹脂被覆ピストン製造装置において、 樹脂シートセット孔を上端部に開口されたセット型と、 このセット型の樹脂シートセット孔内に樹脂シートをセ
    ットする手段と、 セット型にセットした樹脂シート上に円筒形ピストン素
    材を心出してセットする手段と、 前記円筒形ピストン素材の樹脂シート係止端部における
    樹脂シート係止用環状溝に樹脂シートが係止されるまで
    樹脂シートに対して円筒形ピストン素材を押圧する手段
    と、 前記樹脂シートが係止されたピストン素材を押入する往
    復動ラムを有する連続的に配置された加熱および冷却用
    シリンダとを具えることを特徴とする緩衝器用樹脂被覆
    ピストン製造装置。
  5. 【請求項5】 前記セット型の上端部に開口する樹脂シ
    ートセット孔が被着すべき座金形状の樹脂シートの外径
    よりわずかに大きな内径を有し、この樹脂シートセット
    孔の下側にピストン素材の外径より大きな内径を有する
    凹部が段部を介して形成され、この段部が曲率半径Rの
    曲面を有し、下側凹部の中央からピストン素材の内径が
    嵌合し得る心出しガイドがセット型の中心軸線上に延長
    して設けられていることを特徴とする請求項4記載の装
    置。
  6. 【請求項6】 中心孔を有する座金形状の樹脂シートの
    積重体を前記中心孔に挿入された垂直保持棒に沿って昇
    降可能に保持し、前記積重体の最上端部近傍接線方向に
    気体を噴出して前記最上端の樹脂シートをその下側の樹
    脂シートから分離する噴出ジェットと、前記最上端のシ
    ートを吸着保持して前記積重体からセット型の樹脂シー
    トセット孔内にセットする減圧吸引具とを具えることを
    特徴とする請求項4または5記載の装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱シリンダが前記ピストン素材の
    外径に前記樹脂シートの厚さの2倍を加えた寸法より小
    さい入口端内径Dと、この入口端よりテーパー部を経て
    入口端内径Dより小径の加熱シリンダ内径Eとを有し、
    前記冷却シリンダが前記加熱シリンダ内径以下の内径を
    有し、前記加熱シリンダの上端入口に前記ピストン素材
    を樹脂シート係止端部から押入して所定のプレスピッチ
    で押し進める往復動プッシャーを具えることを特徴とす
    る請求項4,5および6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 【請求項8】 複数個の前記セット型が円周方向に離間
    した位置でターンテーブル上に設けられ、このターンテ
    ーブルの周りに前記樹脂シートセット装置、ピストン素
    材セット装置、樹脂シート係止装置および加熱−冷却シ
    リンダ装置とが配置され、前記ターンテーブル、樹脂シ
    ートセット装置、ピストン素材セット装置、樹脂シート
    係止装置および加熱−冷却シリンダ装置を同期作動する
    よう制御する装置を具えることを特徴とする請求項4〜
    8のいずれか1項に記載の装置。
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KR100832497B1 (ko) * 2004-04-28 2008-05-26 주식회사 만도 쇽업소버 제조 공정용 피스톤 로드의 인장시스템
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