JPH0728052Y2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JPH0728052Y2
JPH0728052Y2 JP1985176935U JP17693585U JPH0728052Y2 JP H0728052 Y2 JPH0728052 Y2 JP H0728052Y2 JP 1985176935 U JP1985176935 U JP 1985176935U JP 17693585 U JP17693585 U JP 17693585U JP H0728052 Y2 JPH0728052 Y2 JP H0728052Y2
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oil passage
pressure
control
control valve
oil
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元 小塚
昌彦 野口
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Koyo Seiko Co Ltd
Mitsubishi Motors Corp
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Koyo Seiko Co Ltd
Mitsubishi Motors Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は自動車のパワーステアリング装置に関するもの
である。
(従来の技術) 従来,ステアリングホイールに連結された入力軸と,同
入力軸の回転を出力軸に伝えるトーシヨンバーと,同出
力軸に連結されたパワーシリンダと,上記入力軸と上記
出力軸との回転角度差に応じて上記パワーシリンダへの
油路を切換える油路切換弁と,オイルポンプから吐出さ
れる作動油を上記油路切換弁を介して上記パワーシリン
ダへ供給する高圧油路と,同高圧油路の途中に設けられ
た主オリフイスと,上記パワーシリンダから上記油路切
換弁を介してオイルタンクへ作動油を戻す低圧油路と,
上記入力軸と上記出力軸との間で規制力を付与して同各
軸の回転角度差を制限する反力ピストンと,上記高圧油
路の途中から上記反力ピストンへ延びた制御油路と,上
記反力ピストンへ延びた上記制御油路の油圧を所定の最
高圧以下に制御する圧力制御バルブと,同圧力制御バル
ブと上記反力ピストンとの間の上記制御油路の途中から
分かれた一対の並列油路と,同各並列油路の一方に設け
られた第2のオリフイスと,同各並列油路の何れかを選
択してそこを流れる作動油の流量を車速に応じた流量に
制御する流量制御バルブと,同流量制御バルブの下流側
油路に作動油の流量に対応したパイロット圧を発生させ
る第1のオリフイスと,同パイロット圧を上記圧力制御
バルブに供給するパイロット油路と,上記主オリフイス
の上流側高圧油路と下流側高圧油路とをバイパスするバ
イパス通路と,上記圧力制御バルブ下流側の油圧が所定
の最低圧以下になったときだけに同バイパス通路を閉じ
て制御油路全体の油圧を増大させるチエンジ・オーバー
・バルブとを具えている自動車のパワーステアリング装
置は、公知である(必要ならば特願昭58-86598号明細書
(特開昭59-213564号公報)を参照されたい)。
(考案が解決しようとする問題点) 前記自動車のパワーステアリング装置は,反力ピストン
へ延びた制御油路の油圧を所定の最高圧以下に制御する
圧力制御バルブ,並列油路の何れかを選択してそこを流
れる作動油の流量を車速に応じた流量に制御する流量制
御バルブ,圧力制御バルブ下流側の油圧が所定の最低圧
以下になったときだけに同バイパス通路を閉じて制御油
路全体の油圧を増大させるチエンジ・オーバー・バルブ
等の高精度の部品を多く必要として,製作コストを高め
ていた。それに対して本考案は,高精度の部品が圧力制
御バルブとソレノイドだけになるので,製作コストを低
減できるが,圧力制御バルブへ制御ランド前後の圧力差
が大きいと,同圧力制御バルブが軸方向に振動して,所
期の制御を不安定にするという問題がある。
(問題点を解決するための手段) 本考案は前記の問題点に対処するもので、ステアリング
ホイールに連結された入力軸と、同入力軸の回転を出力
軸に伝えるトーシヨンバーと、同出力軸に連結されたパ
ワーシリンダと、上記入力軸と上記出力軸との回転角度
差に応じて上記パワーシリンダへの油路を切換える油路
切換弁と、オイルポンプから吐出される作動油を上記油
路切換弁を介して上記パワーシリンダへ供給する高圧油
路と、上記パワーシリンダから上記油路切換弁を介して
オイルタンクへ作動油を戻す低圧油路と、上記入力軸と
上記出力軸との間で規制力を付与して同各軸の回転角度
差を制限する反力ピストンと、上記高圧油路の途中から
上記反力ピストンへ延びた制御油路と、上記反力ピスト
ンへ延びた上記制御油路に介装され上記反力ピストンに
作用する油圧の上昇とともに圧力制御用ばねの付勢力に
抗して変位して上記油圧を所定の最高圧以下に制御する
圧力制御バルブと、同圧力制御バルブと上記反力ピスト
ンとの間の上記制御油路を上記低圧油路に連通させるリ
ターン側オリフイスと、車速に応じて変わり且つ車速毎
に略一定の軸力を発生するプランジヤを介して上記ばね
に対抗して上記圧力制御バルブを変位させるソレノイド
とを具えているパワーステアリング装置において、上記
圧力制御バルブと上記反力ピストンとの間の制御油路に
第2のオリフイスを設けたことを特徴とするパワーステ
アリング装置に係わり、その目的とする処は,圧力制御
バルブの振動を防止できて,所期の制御を円滑に行うこ
とができる改良された自動車のパワーステアリング装置
を供する点にある。
(作用) 本考案は前記のように圧力制御バルブと前記リターン側
オリフイスとの間の制御油路にオリフイスを設けてお
り,差圧部及び圧力制御バルブ下流側制御油路での油圧
の立ち上がりの遅れが防止され,制御バルブが軸方向に
振動することがなくて,所期の制御が円滑に行われる。
即ち,圧力制御バルブは下降時,同圧力制御バルブの外
周面に設けた差圧部(受圧面積が上部受圧面>下部受圧
面の環状溝)の油圧により下降が抑制されて,バランス
が保たれるはずなのに,リターン側オリフイスの取付位
置によっては、圧力制御バルブの差圧部及び圧力制御バ
ルブ下流側制御油路での油圧の立ち上がりが遅れて,圧
力制御バルブの外周面に設けた制御溝(環状溝)の入口
側制御油路に対する開口量が大きくなり過ぎ,差圧部の
圧力が急激に高くなって,圧力制御バルブが今度は逆に
上昇を始める。このように圧力制御バルブの動きと差圧
部の油圧の立ち上がり方とに位相遅れが生じると,それ
に基づいて圧力制御バルブが軸方向に振動する。この振
動を防止するためには,リターン側オリフイスを圧力制
御バルブのなるべく下流側に設けるのがよいが,本考案
では,圧力制御バルブとリターン側オリフイスとの間の
制御油路にオリフイスを設けており,差圧部及び圧力制
御バルブ下流側制御油路での油圧の立ち上がりの遅れが
防止され、圧力制御バルブが軸方向に振動することがな
くて,所期の制御が円滑に行われる。
(実施例) 次に本考案のパワーステアリング装置を第1図乃至第15
図に示す実施例により説明する。まず第1図によりその
概略を説明すると、(1)がエンジン(図示せず)によ
り駆動されるオイルポンプで,同オイルポンプ(1)
は,流量が一定(7l/min程度)の,また吐出圧が可変
(0kg/cm2〜80kg/cm2)のオイルポンプである。また
(2)が四方向油路切換弁(ロータリバルブ),(2a)
が同油路切換弁(2)を操作するステアリングホイー
ル,(3)が操舵用パワーシリンダ,(4)がオイルタ
ンク,(5)が複数個の反力ピストン,(6)が同各反
力ピストン(5)の背後に形成したチヤンバー,(7a)
が上記オイルポンプ(1)から上記油路切換弁(2)へ
延びた高圧油路,(8a)が同油路切換弁(2)から上記
オイルタンク(4)へ延びた低圧油路,(9a)(10a)
が上記油路切換弁(2)から上記パワーシリンダ(3)
へ延びた油路,(7b)(7c)(7d)(7e)が上記高圧油
路(7a)から分岐した制御油路で,同制御油路(7b)
(7c)(7d)(7e)が上記各反力ピストン(5)背後の
チヤンバー(6)へ延びている。また(11)が上記制御
油路(7b)(7c)の間に介装した圧力制御バルブで,同
圧力制御バルブ(11)が上記反力ピストン(5)背後の
チヤンバー(6)へ延びた上記制御油路(7c)(7d)
(7e)の油圧を所定の最高圧以下に制御するようになっ
ている。また(12)がソレノイド,(14)が車速セン
サ,(15)が制御装置(コントローラ),(16)がイグ
ニシヨンスイツチ,(17)がイグニシヨンコイル,(1
8)が上記制御装置(15)から上記ソレノイド(12)へ
延びた配線で、上記車速センサ(14)が車速を検出し、
そのとき得られるパルス信号(車速に応じたパルス信
号)が制御装置(15)へ送られ,同制御装置(15)が同
パルス信号に対応した電流(電流値が零になる所定の高
速時から電流値が最大になる停車時までの車速に対応し
た電流)が配線(18)に介してソレノイド(12)の電磁
コイル(図示せず)へ送られる。このとき、同ソレノイ
ド(12)のプランジヤには、車速に応じて変わり且つ車
速毎に略一定の軸力が発生し,この軸力が上記圧力制御
バルブ(11)に伝えられて、同圧力制御バルブ(11)が
ばね(19)に抗して作動するようになっている。また
(13)が上記圧力制御バルブ(11)と上記反力ピストン
(5)との間の上記制御油路(7c)(7d)(7e)を低圧
油路(8b)に連通させて同低圧油路(8b)上流側の同制
御油路(7c)(7d)(7e)に制御油圧を発生させるリタ
ーン側オリフイス,(7c1)が圧力制御バルブ(11)に
設けた後記受圧部(43)に発生するパイロット圧であ
る。
次に前記油路切換弁(2)を第2図乃至第5図により具
体的に説明すると,ハウジングが鋳鉄等の硬金属製バル
ブハウジング(20a)と同質材製ピニオンハウジング(2
0b)とに分割され,同ピニオンハウジング(20b)がス
テアリングギヤ&リンケージ(図示せず)に一体的に取
付けられ,上記バルブハウジング(20a)が同ピニオン
ハウジング(20b)に後述するように着脱自在に取付け
られている。また(21)がステアリングホイール(第1
図の(2a)参照)により操作される入力軸,(23)がニ
ードルベアリング(36)により上記バルブハウジング
(20a)内に回転可能に支持されたシリンダブロツク,
(22)が上記入力軸(21)内に挿入されたトーシヨンバ
ーで,同トーシヨンバー(22)の上部が上記入力軸(2
1)の上部に圧入ピン(22a)を介して固定され,同トー
シヨンバー(22)の下部が上記シリンダブロツク(23)
の内孔にスプライン係合されている。また(21a)が上
記入力軸(21)の下部外周面等間隔位置に設けた複数個
(本実施例では4個)の縦溝で、上記シリンダブロツク
(23)には,同各縦溝(21a)に対向して複数個(本実
施例では4個)のシリンダが横向きに設けられ,同各シ
リンダに反力ピストン(5)が嵌挿され,同各反力ピス
トン(5)の背後に相当するシリンダブロツク(23)と
バルブハウジング(20a)との間には,環状のチヤンバ
ー(6)が形成されている。また(23a)が上記シリン
ダブロツク(23)に一体のピニオンで,同ピニオン(23
a)が上記ピニオンハウジング(20b)内に垂下状態に突
出している。また(24a)が同ピニオン(23a)に噛合し
たラツク(出力軸),(24)が同ラツク(24a)の背後
に位置するラツクサポート,(26)が上記ピニオンハウ
ジング(20b)に固定したキヤツプ,(25)が同キヤツ
プ(26)と上記ラツクサポート(24)との間に介装した
ばね,(27)が上記バルブハウジング(20a)と上記入
力軸(21)との間に介装した油路切換弁(2)のバルブ
ボデイで,同バルブボデイ(27)もバルブハウジング
(20a)と同様に鋳鉄等の硬金属により作られており,
同バルブボデイ(27)がバルブハウジング(20a)の孔
に直接摺動可能に嵌挿されている。また(23b)が同バ
ルブボデイ(27)の下端部と上記シリンダブロツク(2
3)の上端部とを回転方向に係合するピン,(27a)(27
b)(27c)が上記バルブボデイ(27)の外周面に設けた
環状油路で,ステアリングホイール(2a)が中立位置に
あるときには,第1図の高圧油路(7a)がバルブボデイ
(27)の環状油路(27a)→入力軸(21)とバルブボデ
イ(27)に形成された油路(図示せず)→チヤンバー
(29)→低圧油路(8a)に連通して,オイルポンプ
(1)からの作動油が高圧油路(7a)→環状油路(27
a)→入力軸(21)とバルブボデイ(27)に形成された
油路→チヤンバー(29)→低圧油路(8a)→オイルタン
ク(4)→オイルポンプ(1)に循環するようになって
いる。またステアリングホイール(2a)を右に切って,
入力軸(21)をバルブボデイ(27)に対して右方向に相
対回転すると,高圧油路(7a)がバルブボデイ(27)の
環状油路(27a)(27b)を介してパワーシリンダ(3)
の油路(9a)に,パワーシリンダ(3)の油路(10a)
がバルブボデイ(27)の環状油路(27c)とチヤンバー
(29)とを介して低圧油路(8a)に,それぞれ連通し
て,オイルポンプ(1)からの作動油が高圧油路(7a)
→環状油路(27a)→油路(9a)→パワーシリンダ
(3)の左室へ送られる一方,パワーシリンダ(3)の
右室の作動油が油路(10a)→環状油路(27c)→チヤン
バー(29)→入力軸(21)を横方向に貫通した油路(4
7)→低圧油路(8a)→オイルタンク(4)へ戻され,
パワーシリンダ(3)のピストンロツドが右へ移動し
て,右方向への操舵が行われるようになっている。また
ステアリングホイール(2a)を左に切って,入力軸(2
1)をバルブボデイ(27)に対して左方向に相対回転す
ると,高圧油路(7a)がバルブボデイ(27)の環状油路
(27a)(27c)を介してパワーシリンダ(3)の油路
(10a)に,パワーシリンダ(3)の油路(9a)がバル
ブボデイ(27)の環状油路(27b)とチヤンバー(29)
とを介して低圧油路(8a)に,それぞれ連通して,オイ
ルポンプ(1)からの作動油が高圧油路(7a)→環状油
路(27c)→油路(10a)→パワーシリンダ(3)の右室
へ送られる一方,パワーシリンダ(3)の左室の作動油
が油路(9a)→環状油路(27b)→チヤンバー(29)→
入力軸(21)を横方向に貫通した油路(47)→低圧油路
(8a)→オイルタンク(4)へ戻され,パワーシリンダ
(3)のピストンロツドが左へ移動して,左方向への操
舵が行われるようになっている。また(30)が0リン
グ,(31)(35)がオイルシール,(32)(38)がボー
ルベアリング,(33)(34)がシール,(37)がブツシ
ユ,(39)がナツト,(40)がキヤツプ,第5図の(20
c)(20c)が上記ハルブハウジング(20a)と上記ピニ
オンハウジング(20b)とを着脱自在に固定するボルト
で,ハルブハウジング(20a)がピニオンハウジング(2
0b)から分離した状態ときに,圧力制御バルブ(11)等
に対する入出力特性のチエツクが行われ,またハルブハ
ウジング(20a)側の圧力制御バルブ(11)等に対する
入出力特性のチエツクが終わったときに,バルブハウジ
ング(20a)をピニオンハウジング(20b)上にセツト
し,同バルブハウジング(20a)側のピニオン(23a)を
ピニオンハウジング(20b)内の突出して,ピニオンハ
ウジング(20b)側のラツク(24a)に噛み合わせ,ナツ
ト(39)を螺合し,キヤツプ(40)を締め付け,さらに
ボルト(20c)を締め付けて,本装置の全体を組み付け
る。また上記組み付け後の点検時等に,バルブハウジン
グ(20a)をピニオンハウジング(20b)から取り外して
も,入力軸(21)とバルブハウジング(20a)との間に
オイルシール(31)があり,シリンダブロツク(23)と
バルブハウジング(20a)との間にオイルシール(35)
があり,キヤツプ(49)とバルブハウジング(20a)と
の間及びキヤツプ(49)とばね支持部材(50)との間に
シール用0リング(53)があり,さらにソレノイド(1
2)とバルブハウジング(20a)との間にシール用0リン
グ(58)があるので,作動油の漏洩がない。
次に前記圧力制御バルブ(11)を第2図乃至第5図によ
り具体的に説明すると,同圧力制御バルブ(11)は,前
記ハウジング(20a)(20b)と同様に耐摩耗性の金属材
例えば鋳鉄等の硬金属で作られており,同圧力制御バル
ブ(11)がバルブハウジング(20a)の孔に直接摺動可
能に嵌挿されている。なお前記従来のパワーシリンダ装
置では,ハウジングと各バルブのバルブボデイとを軟金
属材で作っているので、ハウジングと各バルブボデイと
の間に硬金属製スリーブを介装する必要があったが,本
パワーステアリング装置では,圧力制御バルブ(11)と
バルブハウジング(20a)とを耐摩耗性材例えば硬金属
材で作っているので,硬金属製スリーブを介装する必要
がなくて,圧力制御バルブ(11)をバルブハウジング
(20a)の孔に直接摺動可能に嵌挿している。この点
は、前記油路切換弁(2)のバルブボデイ(27)も同様
である。また(41)が同圧力制御バルブ(11)の上部外
周面に設けた制御ランドの環状制御溝,(41′)が同制
御溝(41)よりも下方の同圧力制御バルブ(11)の外周
面に設けた環状バランス溝で,同バランス溝(41′)が
圧力制御バルブ(11)の右側及び左側に設けた同一軸線
上の制御油路(7b)(7b)に連通し,これら左右の制御
油路(7b)(7b)のうち,左側(外側)の制御油路(7
b)の端部がメクラボール(59)によりシールされてい
る。なお制御油路(7b)が右側だけの場合,同制御油路
(7b)の作動油が圧力制御バルブ(11)を左方へ押し,
圧力制御バルブ(11)のバルブハウジング(20a)に対
する摩擦抵抗が増大して,圧力制御バルブ(11)が円滑
に作動しなくなるが,本パワーステアリング装置では,
圧力制御バルブ(11)の左右両側に制御油路(7b)(7
b)があり,これらの制御油路(7b)(7b)が圧力制御
バルブ(11)の外周面に設けた環状のバランス溝(4
1′)で連通されており,上記の不都合を生じない。ま
た(43)が同圧力制御バルブ(11)の下部外周面に設け
た差圧部(環状溝)で,同差圧部(43)の上部受圧面と
下部受圧面とを比較すると,上部受圧面の方が下部受圧
面よりも受圧面積が大きい。そのため,ここに圧油が供
給されると,圧力制御バルブ(11)が上方へ押し上げら
れることになる。なお第1図の(7c1)は上記受圧面積
の差により生ずる上向きのパイロツト圧を示している。
また(42)が同圧力制御バルブ(11)内を斜めに貫通し
た油路(インポート側オリフイス)で,同油路(42)が
上記制御溝(41)と上記差圧部(43)とを連通し,同差
圧部(43)が第1,3,4,5図に示す制御油路(7a)(7b)
(7c)を介して反力ピストン(5)背後のチヤンバー
(6)に連通している。またシリンダブロツク(23)の
内周面と入力軸(21)の下部外周面との間には,油路
(45)が形成され、同油路(45)が入力軸(21)を横方
向に貫通した油路(46)を介して前記低圧油路(8b)側
のチヤンバー(29)に連通している。また第1図に示す
リターン側オリフイス(13)がシリンダブロツク(23)
内に設けられ、同リターン側オリフイス(13)と上記油
路(45)との間に油路(44)が設けられ,上記制御油路
(7a)(7b)(7c)が同リターン側オリフイス(13)→
上記油路(44)(45)(46)→チヤンバー(29)を介し
て低圧油路(8b)に連通している。また(49)がキヤツ
プで,同キヤツプ(49)が上記圧力制御バルブ(11)の
上方のバルブハウジング(20a)上部に設けたねじ部に
螺合している。また(50)が同ねじ部内に上下方向への
移動を可能に嵌挿したばね支持部材、(51)が上記開口
部に螺合したアジヤストスクリユウ,(19)(第1,3,4,
5図参照)が上記ばね支持部材(50)と圧力制御バルブ
(11)との間に介装した圧力制御バルブ用ばねで,同ば
ね(19)が圧力制御バルブ(11)を下方に付勢してい
る。また(53)が0リング,(54)が上記ばね支持部材
(50)の周りに形成されたチヤンバー,(48)が上記バ
ルブハウジング(20a)に設けた油路で,上記チヤンバ
ー(54)が上記油路(48)を介して前記低圧油路(8b)
に連通している。また(55)が圧力制御バルブ(11)を
上下方向に貫通したドレン油路,(56)がソレノイド
(12)内のプランジヤ(57)部に連通したチヤンバー
で,上記ドレン油路(55)が圧力制御バルブ(11)の下
方に形成した上記チヤンバー(56)と圧力制御バルブ
(11)の上方に形成した上記上記チヤンバー(54)とを
連通している。前記リターン側オリフイス(13)は第13
図に示すように制御溝(41)とドレン油路(55)との間
(または差圧部(43)とドレン油路(55)との間)に設
けてもよい。また上記各チヤンバー(56)(54)を連通
するドレン油路(55)を圧力制御バルブ(11)に設けず
に,バルブハウジング(20a)に設けた場合には,圧力
制御バルブ(11)と油路切換弁(2)との間のバルブハ
ウジング(20a)部分の上端面から同バルブハウジング
(20a)内に向かい縦方向のドレン油路を穿設し,同縦
方向のドレン油路の上部とチヤンバー(54)とを横方向
のドレン油路により,同縦方向のドレン油路の下部とチ
ヤンバー(56)とを横方向のドレン油路により,それぞ
れ連通し,さらに同縦方向のドレン油路の上端部をメク
ラボールによりシールする必要があり,(I)多くの孔
をバルブハウジング(20a)内に穿設しなければなら
ず,バリ取りも必要で,工数が増加する。(II)または
作動油に混入している空気が上記メクラボール直下の縦
方向ドレン油路内上部に溜まって、制御上に不都合を生
じるが,本パワーステアリング装置では,上記2つのチ
ヤンバー(56)(54)を圧力制御バルブ(11)内を上下
方向に貫通するドレン油路(55)により連通しており,
上記の不都合を生じない。また第4図の左上方に示すよ
うに,キヤツプ(49)の上端縁部の一部がアジヤストス
クリユウ(51)のねじ溝内に折り曲げられて,ばね(1
9)のばね力を調整した後の同アジヤストスクリユウ(5
1)が上記キヤツプ(49)に固定されるようになってい
る。
次にソレノイド(12)を第3,4図により具体的に説明す
ると,同ソレノイド(12)の上部が上記圧力制御バルブ
(11)の直下の前記バルブハウジング(20a)にねじ込
まれている。なお(58)はシール用0リングである。ま
た同ソレノイド(12)内には,電磁コイル(図示せず)
とプランジヤ(57)とがあり,既に述べたように、車速
センサ(14)により得られるパルス信号(車速に応じた
パルス信号)が制御装置(15)へ送され,同制御装置
(15)が同パルス信号に対応した電流(電流値が零にな
る所定の高速時から電流値が最大になる停車時までの車
速に対応した電流)が配線(18)を介しソレノイド(1
2)の電磁コイルへ送られる。このとき,同ソレノイド
(12)のプランジヤ(57)には,車速に応じて変わり且
つ車速毎に略一定の軸力が発生し,この軸力が上記圧力
制御バルブ(11)に伝えられて,同圧力制御バルブ(1
1)がばね(19)に抗して作動するようなっている。第1
9図は,同プランジヤ(57)の軸力(g)とストローク
l(mm)との関係を示している。同第19図から明らかな
ように,ソレノイド(12)のプランジヤ(57)には,車
速(電流値)に応じて変わり且つ車速(電流値)毎に略
一定の軸力が発生する。同第19図の(a)から左側が通
常の使用範囲である。なお制御油路(7b)から制御溝
(41)→油路(インポート側オリフイス)(42)を経て
差圧部(43)に加わる油圧を(A),同差圧部(43)の
上部受圧面と下部受圧面との受圧面積差を(B),プラ
ンジヤ(57)の車速に応じて変わり且つ車速毎に略一定
の軸力を(C),ばね(19)の反力を(D)とすると,A
×B+C=Dの関係にあり,圧力制御バルブ(11)は,
上記関係式の成立する位置にバランスを保って保持され
ている。
次にインポートフイルタ(60)を第2,5〜8図により具
体的に説明する。オイルポンプ(1)から高圧油路(7
a)が延び,また同高圧油路(7a)から制御油路(7b)
〜(7e)が分かれている。同高圧油路(7a)は,通路の
径が太く,流量も多いため,仮に油路切換弁(2)の部
分にごみ等が侵入しても,同油路切換弁(2)が動かな
くなる虞れはないが,上記制御油路(7b)〜(7e)は,
通路の径が細く,流量も少なくて,ごみ等が侵入する
と,ごみ等が同制御油路(7b)〜(7e)の途中の狭隘な
部分,例えば圧力制御バルブ(11)の部分に溜り,同圧
力制御バルブ(11)がソレノイド(12)の力では動かな
くなる虞れがある。このため,高圧油路(7a)から制御
油路(7b)〜(7e)への分岐部に,インポートフイルタ
(60)を設けて,制御油路(7b)〜(7e)へのごみ等の
侵入を防止するようにしている。同インポートフイルタ
(60)は,配管(高圧油路(7a))と略同じ径の環状体
(61)(61)と同各環状体(61)を連結する複数本の連
結片(62)と同各環状体(61)と同各連結片(62)との
内面に添設した円筒状網(63)とにより構成されてい
る。同インポートフイルタ(60)は,配管(高圧油路
(7a)と略同じ径で,組み付けるときには,バルブハウ
ジング(20a)に設けた作動油の入口に嵌挿され,次い
で配管(高圧油路(7a))の先端部が同入口に嵌挿され
て,ナツト(64)が同入口にねじ込まれ,同配管の先端
部が同入口に固定されて,抜け出さないように且つ交換
可能に保持されている。この状態では,同インポートフ
イルタ(60)の円筒状網(63)が高圧油路(7a)と制御
油路(7b)〜(7e)との間に介在して,ごみ等の制御油
路(7b)〜(7e)への侵入を防止する。一方,円筒状網
(63)の両端部は開口しており,円筒状網(63)の内部
は,高圧油路(7a)の一部を形成することになる。なお
配管(高圧油路(7a))とインポートフイルタ(60)と
は直接接触していても,接触していなくてもよい。また
インポートフイルタ(60)を交換する場合には,ナツト
(64)を取り外して,配管(高圧油路(7a))を抜き出
せばよい。
次に前記圧力制御バルブ(11)の振動防止対策について
説明する。
まず圧力制御バルブ(11)の振動を第9図に示すように
上記制御ランドの制御溝(41)とバランス溝(41′)と
の間に角度θをもつチヤンフア(41a)を設けて防止す
る場合を説明する。制御ランドに(41a′)の外径をも
つチヤンフア(41a)がないと,圧力制御バルブ(11)
が第3図の停車位置から第4図の走行位置に移動して,
制御油路(7b)と制御溝(41)とが連通したときに,作
動油が制御油路(7b)から制御溝(41)へ急激に流入し
て,圧力制御バルブ(11)が振動するが,本パワーステ
アリング装置では,制御溝(41)とバランス溝(41′)
との間に角度(θ)をもつチヤンフア(41a)が設けら
れており,作動油が制御油路(7b)から制御溝(41)へ
緩やかに流入して,圧力制御バルブ(11)の振動が抑制
される。第16図の(θ1)はチヤンフア(41a)の角度
(θ)が小さい場合の,(θ2)はチヤンフア(41a)の
角度(θ)が(θ1)よりも大きい場合の,(θ3)はチ
ヤンフア(41a)の角度(θ)が(θ2)よりも大きい場
合の,〔ステアリングホイール入力トルク〕−〔油路
(7a)の油圧〕の特性変化の様相を示しており,チヤン
フア(41a)の角度(θ)は,制御油路(7b)の孔径と
の関係で同第16図に示す曲線の変曲点のカーブが緩やか
になるように選定されている。
次に圧力制御バルブ(11)の上流側にインポート側オリ
フイスを設けて,圧力制御バルブ(11)の振動を防止す
る場合を説明する。ソレノイド(12)のプランジヤ(5
7)が昇降すると,前記関係式の成立する位置にバラン
スを保って保持されている圧力制御バルブ(11)が同プ
ランジヤ(57)の動きに追従して昇降する。このとき,
制御溝(41)の制御油路(7b)に対する開口量が変わっ
て,制御ランド(41)→油路(42)→差圧部(43)→制
御油路(7d)の系統の油圧が上記開口量に対応して変動
する。このとき,制御溝(41)前後の圧力差が大きい
と,圧力制御バルブ(11)が同圧力差に基づいて軸方向
に振動する場合がある。この対策としては,(I)第10
図に示すようにインポートフイルター(60)の部分にイ
ンポート側オリフイス(42′)を設けるか,(II)第11
図に示すようにインポートフイルター(60)と圧力制御
バルブ(11)との間の制御油路(7b)にインポート側オ
リフイス(42″)を設けるかして,高圧油路(7a)から
制御油路(7b)への作動油の流量を絞り,制御溝(41)
前後の圧力差を小さくして,圧力制御バルブ(11)の振
動を抑制する。第17図の(a)はインポート側オリフイ
スがない場合の油圧−入力特性〔油路(7b)のポンプ吐
出圧−ステアリングホイールの入力トルク〕特性を示
し,(b)は孔径の大きいインポート側オリフイスを使
用した場合の上記油圧−入力トルク特性を示し,(c)
は孔径の小さいインポート側オリフイスを使用した場合
の上記油圧−入力トルク特性を示しており,同油圧−入
力トルク特性がインポート側オリフイスの孔径により変
化する。特に第10図に示すインポート側オリフイス(4
2′)を使用する場合には,交換が可能で,自動車の仕
様に応じて上記油圧−入力トルク特性を任意に変えるこ
とができる。また第3,4図に示すように圧力制御バルブ
(11)の制御溝(41)と差圧部(43)との間の油路(4
2)の全体またはその一部をインポート側オリフイスに
してもよい。この場合には,制御溝(41)から差圧部
(43)への作動油の流量が絞られ,差圧部(43)に対す
る感度が鈍くなって,圧力制御バルブ(11)の振動が抑
制される。なお上記のようにインポート側オリフイスが
ある場合には,差圧部に作用する油圧が絞られるので,
反力ピストン(5)に作用する油圧も小さくなり,結果
的に小さなトルクで同一のポンプ吐出圧(油路(7a)の
圧力)を得ることができる。
次に制御油路(7d)での油圧の立ち上がり位相遅れを防
止することにより圧力制御バルブ(11)の振動を防止す
る場合を説明する。既に述べたように,ソレノイド(1
2)のプランジヤ(57)が昇降すると,前記関係式の成
立する位置にバランスを保って保持されている圧力制御
バルブ(11)が同プランジヤ(57)の動きに追従して昇
降する。このとき,制御溝(41)の制御油路(7b)に対
する開口量が変わって,制御溝(41)→油路(42)→差
圧部(42)→制御油路(7d)の系統の油圧が上記開口量
に対応して変動する。この際,リターン側オリフイス
(13)の取付位置によっては、差圧部(43)及び制御油
路(7d)での油圧の立ち方が遅くなる。そのため,ソレ
ノイド(12)のプランジヤ(57)が下降するとき,本来
なら差圧部(43)の油圧により,その下降が抑制され
て,バランスが保たれるはずなのに,前述のように差圧
部(43)及び制御油路(7d)の油圧の立ち上がり方が遅
くなるので(制御溝(41)と差圧部(43)との圧力の立
ち上がりに位相遅れを生ずるので),圧力制御バルブ
(11)が必要以上に下降してしまう。そのため,制御溝
(41)の制御油路(7b)に対する開口量が大きくなり過
ぎ,油路(42)及び差圧部(43)の圧力が急激に高くな
って,今度は逆に圧力制御バルブ(11)が上昇を始め
る。このように圧力制御バルブ(11)の動きと差圧部
(43)の油圧とに位相遅れを生じて,圧力制御バルブ
(11)が軸方向に振動する。この振動を防止するため
に,第12図に示すように圧力制御バルブ(11)とシリン
ダブロツク(23)に設けたリターン側オリフイス(13)
との間の制御油路(7d)にオリフイス(13′)を設け
て,差圧部(43)及び制御油路(7d)での油圧の立ち上
がりの遅れを防止する。
次に圧力制御バルブ(11)の差圧部(43)を制御ランド
の位置に設けて,圧力制御バルブ(11)の振動を防止す
る場合を説明する。ソレノイド(12)のプランジヤ(5
7)が昇降すると,圧力制御バルブ(11)も同プランジ
ヤ(57)の昇降に追従して昇降する。このとき,制御油
路(7b)の油圧が制御溝(41)→油路(インポート側オ
リフイス)(42)を介して差圧部(43)に伝えられる
と,圧力制御バルブ(11)に前述のように応答遅れを生
じるが,第14図のように制御ランドの部分に差圧部(4
3)を設けると,同差圧部(43)がインポートに近くな
り,圧力フイードバツクのレスポンスが向上して,応答
遅れが防止され,それに伴い圧力制御バルブ(11)の振
動が抑制される。
次に前記制御装置(コントローラ)を第15図により具体
的に説明すると,(16)がイグニシヨンスイツチ,(8
0)が車速センサ(14)からの車速信号入力部,(81)
がソレノイド(12)の通電チエツク機能を有するソレノ
イド通電テストスイツチである。なお本パワーステアリ
ング装置は,アイドリング停車時にソレノイド(12)に
最大値の電流が流れており,同パワーステアリング装置
を最も軽い力で操舵できるが,この状態でダイアグノシ
ステスタを使用すると,ソレノイド(12)に流れる電流
を最大値の略半分以下にすることができ,停車状態で中
・高速走行時の操舵特性を確認できる。同ソレノイド通
電テストスイツチ(81)は,そのために設けられてい
る。また(82)が特性切換えスイツチ,(83)がエンジ
ンの点火信号(イクニシヨンコイル−端子)により感知
するエンジン回転信号信号,(64)が電源回路,(65)
が周波数→電圧回路,(66)が特性切換回路で,同特性
切換回路(66)は,上記特性切換えスイツチ(82)の切
換え操作により,第11図に示すように車速に応じたソレ
ノイド電流を選択できるようになっている。また(67)
が誤差増幅器,(68)が機械的なヒステリシスを減少さ
せるために低周波振動を加えるデイザ用発信器,(69)
が磁気的なヒステリシスを減少させるために比較的高い
高周波振動を加えるPWM用発信器,(70)が誤差デユー
テイ変換回路,(71)がソレノイド駆動回路,(72)が
フイルタ回路,(73)が増幅回路,(74)が過電圧検出
回路で,同過電圧検出回路(74)は,上記電源回路(6
4)の故障等により同電源回路(64)の各部に過電圧が
かかったときに,制御装置(15)のリレーをONにするよ
うになっている。また(75)が帰還異常検出回路で,同
帰還異常検出回路(75)は,ソレノイド(12)の電磁コ
イルや車体ハーネス等の故障によりソレノイド電流制御
特性に異常が発生したときに,制御装置(15)のリレー
をONにするようになっている。また(76)が過電流検出
回路で,同過電流検出回路(76)は,上記ソレノイド駆
動回路(71)の故障等によりソレノイド(12)への電流
が異常に増加したときに,制御装置(15)のリレーをON
にするようになっている。また(77)が周波数→電圧変
換回路,(78)がエンジン回転数検出回路,(79)がタ
イマー回路で,同タイマー回路(79)は,高速走行時に
車速信号が所定時間以上入力しないと,車速センサ(1
4)またはハーネスに異常が発生したと判断して,イグ
ニシヨンスイツチ(16)がOFFになるまでリレーをONに
するようになっている。以上の各機器により構成された
制御装置(15)は,(I)車速センサ(14)からのパル
ス信号により,ソレノイド(12)に流れる電流を車速に
反比例して減少させる車速感応機能と,(II)電気系統
に故障が発生しても,制御装置(15)内のリレーをONに
して,ソレノイド(12)への出力電流を遮断し,イグニ
シヨンスイツチ(16)をOFF(ACCまたはLOCK位置)にす
るまで,その状態を保持するというフエイルセーフ機能
と,(III)ソレノイド(12)の通電チエツク機能と,
(IV)車速に応じたソレノイド電流特性の選択機能とを
有している。なお上記(II)のフエイルセーフ機能が働
いたときの操舵特性は,中・高走行時の特性になってい
るため,正常なときと同じ安全な走行になる。
次に前記パワーステアリング装置の作用を具体的に説明
する。油路切換弁(2)の出力油圧(オイルポンプ
(1)の吐出圧)Ppは,ステアリングホイール(2a)を
中立位置から右または左に切って,入力軸(21)のバル
ブボデイ(27)に対する相対回転角度が大きくなれば,
第21図に示すように2次曲線を描いて上昇する。このオ
イルポンプ(I)の吐出圧Ppの影響は,高圧油路(7a)
や制御油路(7b)にそのまま表れて,同制御油路(7b)
の油圧が同様に上昇する。このとき,自動車が停止して
いれば,制御装置(15)は,車速センサ(14)からのパ
ルス信号がないので,所定の最大電流をソレノイド(1
2)へ送り,プランジヤ(57)を第3図の位置まで上昇
させる。このとき,圧力制御バルブ(11)も同プランジ
ヤ(57)の上昇に追従して同第3図の位置までばね(1
9)に抗し上昇して,制御油路(7b)(7c)の連通が同
圧力制御バルブ(11)により遮断される。そのため,同
圧力制御バルブ(11)よりも下流側の制御油路(7c)
(7d)(7e)の油圧は,最も低くて,反力ピストン
(5)の背後のチヤンバー(6)の油圧も最も低くな
る。この状態は,それからも同じで,ステアリングホイ
ール(2a)をさらに右または左に切って,高圧油路(7
a)や制御油路(7b)の油路Ppがさらに上昇しても,圧
力制御バルブ(11)は,制御油路(7b)を制御油路(7
c)(7d)(7e)の油圧を最も引い状態に保持する。こ
のときの制御油路(7b)と制御油路(7d)との圧力関係
は,第18図の停車時の通りになる。従って前記相対回転
角度を大きくして,大きな出力油圧Ppを得るときに,反
力ピストン(5)背後のチヤンバー(6)の油圧とトー
シヨンバー(22)の捩れ角度とで決まるステアリングホ
イール(2a)のトルクTが大きくならない。
また自動車が低速走行状態に入れば,制御装置(15)
は,車速センサ(14)からのパルス信号を受けて,その
ときの車速に対応した電流をソレノイド(12)へ送り、
プランジヤ(57)を同電流値に対応する量だけ下降させ
る。このとき,第4図に示すように圧力制御バルブ(1
1)は,ばね(19)によりプランジヤ(57)の下降量だ
け下降して,制御溝(41)の一部が制御油路(7b)に連
通し,同制御溝(41)と油路(42)と制御油路(7c)
(7d)(7e)と反力ピストン(5)背後のチヤンバー
(6)とに圧力が立って,同チヤンバー(6)の油圧が
上記停車時よりも高くなる。以上の低速時にステアリン
グホイール(2a)を右または左に切ると,高圧油路(7
a)や制御油路(7b)の油路Ppが上昇するが,上記制御
油路(7c)(7d)(7e)及び反力ピストン(5)背後の
チヤンバー(6)に作用する油圧は,プランジヤ(57)
の軸出力の低下量に応じて停車時よりも高い一定レベル
に制御される。このときの制御油路(7b)と制御油路
(7d)との圧力関係は,第18図の低速時の通りになる。
従って前記相対回転角度を大きくして,大きな出力Pp
得るときには,ステアリングホイール(2a)のトルクT
が前記停車時よりは大きくなるが,後記高速走行時のよ
うには大きくならない。このとき,上記チヤンバー
(6)内に供給された作動油は,リターン側オリフイス
(13)→油路(45)→油路(46)→チヤンバー(29)→
低圧油路(8b)→低圧油路(8a)を経てオイルタンク
(4)へ戻って,オイルポンプ(1)により再び吸引さ
れる。
また自動車が所定の高速走行状態に入れば,制御装置
(15)が車速センサ(14)からのパルス信号を受けて,
ソレノイド(12)への電流を略零にして,プランジヤ
(57)を下限位置まで下降させる。このとき,圧力制御
バルブ(11)は,ばね(19)によりプランジヤ(57)の
下降量だけ下降して,制御溝(41)の殆どが制御油路
(7b)に連通する。以上の高速走行時に,ステアリング
ホイール(2a)を右または左に切ると,高圧油路(7a)
や制御油路(7b)の油路Ppが上昇するが,上記制御油路
(7c)(7d)(7e)及び反力ピストン(5)背後のチヤ
ンバー(6)に作用する油圧は,プランジヤ(57)の軸
力が略零になるので,低速走行時よりも高い一定レベル
に制御される。このときの制御油路(7b)と制御油路
(7d)との圧力関係は,第18図の高速時の通りになる。
従って前記相対回転角度を大きくして,大きな出力Pp
得るときには,ステアリングホイール(2a)のトルクT
が前記低速走行時よりもさらに大きくなる。このときに
も,上記チヤンバー(6)内に供給された作動油は,オ
リフイス(13)→油路(45)→油路(46)→チヤンバー
(29)→低圧油路(8b)→低圧油路(8a)を経てオイル
タンク(4)へ戻って,オイルポンプ(1)に再び吸引
される。
第21図の各曲線は,停車時から高速走行時までの各車速
に対応したステアリングホイール(2a)の入力トルクと
オイルポンプ吐出圧との特性変化の様相を示している。
(考案の効果) 本考案のパワーステアリング装置は前記のように構成さ
れており、次の効果を達成できる。即ち、本考案では、
入力軸と出力軸との間で規制力を付与して各軸の回転角
度差を制限する反力ピストンの作動が、高圧油路の途中
から反力ピストンへ延びた制御油路を介して供給される
油圧に応じて制御されステアリングホイールの操舵力が
制御される。
そして、圧力制御バルブと反力ピストンとの間の制御油
路に、低圧油路に連通させるリターン側オリフイスを設
けているので、反力ピストンに供給される油圧が、圧力
制御バルブと反力ピストンとの間の制御油路に供給され
る作動油の流量により変化する。また反力ピストンへ延
びた制御油路には、反力ピストンに作用する油圧を圧力
制御用ばねの付勢力に抗して所定の最高圧以下に制御す
る圧力制御バルブが介装されているので、圧力制御バル
ブと反力ピストンとの間の制御油路に供給される作動油
の流量が増大して、反力ピストンに作用する油圧が上昇
すると、圧力制御バルブが圧力制御バルブ用ばねの付勢
力を抗して変位して、反力ピストンに作用する油圧が所
定の最高圧以下に制御されることとなり、ステアリング
ホイールの操舵力が必要以上に増大することがない。
さらに本考案では、車速に応じて変わり且つ車速毎に略
一定の軸力を発生するプランジヤを介してソレノイド
(圧力制御用ばねに対抗して圧力制御バルブを変位させ
るソレノイド)を設けているので、圧力制御バルブに付
与される付勢力が車速に応じて変化することになり、こ
のことから、上記の所定の最高圧が車速に応じて変化し
て、ステアリングホイールの操舵力が車速に応じて制御
される。
このように本考案では、油圧の上昇に伴い圧力制御用ば
ねの付勢力に抗して変位する圧力制御バルブと、圧力制
御用ばねに対抗して圧力制御バルブを変位させるソレノ
イドとを使用することにより、比較的簡素な構成で、確
実にステアリングホイールの操舵力を車速に応じて制御
できる。
そして、本考案のようにソレノイドにより車速に応じて
圧力制御バルブを変位させて反力ピストンに油圧を作用
させる際に、圧力制御バルブと反力ピストンとの間の制
御油路で油圧の立ち上がりが遅れることがあり、この場
合、制御油路での油圧の立ち上がりと圧力制御バルブと
の動きに位相差が生じてしまい、その結果、圧力制御バ
ルブが軸方向に振動するという問題が発生するが、本考
案では、圧力制御バルブと反力ピストンとの間の制御油
路に第2のオリフイスを設けており、制御油路での油圧
の立ち上がり、つまり圧力フイードバツクのレスポンス
を向上させて油圧の立ち上がりが遅れるのを防止するこ
とができる。このため、圧力制御バルブが軸方向に振動
することを確実に制御することができる。
また例えばポンプからの吐出量が急激に変化したり、圧
力制御バルブが振動したりすることにより、反力ピスト
ンに作用される油圧が急激に変動し、ステアリングホイ
ールの操舵力にばらつきが発生する問題に対しても、第
2のオリフイスを設けたことにより、反力ピストンへの
急激な油圧変動を抑制することができ、安定した油圧を
反力ピストンに作用させることができて、フイーリング
の良い操舵力を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係わるパワーステアリング装置の一実
施例の油圧回路図,第2図は油路切換弁及び圧力制御バ
ルブ部分の縦断一側面図,第3図は同油路切換弁及び圧
力制御バルブ部分の停車時における縦断他側面図,第4
図は同油路切換弁及び圧力制御バルブ部分の走行時にお
ける縦断他側面図,第5図は同圧力制御バルブ及び反力
ピストン部分の横断平面図,第6図はインポートフイル
タの第6図矢視VI-VI線に沿う横断平面図,第7図はイ
ンポートフイルタの側面図,第8図は同インポートフイ
ルタの拡大斜視図,第9図は制御ランドに設けたチヤン
フアの縦断側面図,第10図はインポート側オリフイスの
一例を示す横断平面図,第11図は同インポート側オリフ
イスの他の例を示す横断平面図,第12図はリターン側オ
リフイスの各例を示す縦断側面図,第13図は同リターン
側オリフイスのさらに他の例を示す縦断側面図,第14図
は圧力制御バルブの差圧部の他の例を示す縦断側面図,
第15図は制御装置の系統図,第16図は制御ランドに設け
たチヤンフアの角度により変わる油圧−入力特性説明
図,第17図はインポートオリフイスの孔径により変わる
油圧−入力特性説明図,第18図は圧力制御バルブ上流側
制御油路の油圧と圧力制御バルブ下流側制御油路の油圧
との関係を示す説明図,第19図はソレノイドのプランジ
ヤのストロークと軸力との関係を示す説明図,第20図は
車速とソレノイド電流との関係を示す説明図,第21図は
入力トルク−オイルポンプ吐出圧特性を示す説明図であ
る。 (1)……オイルポンプ,(2)……油路切換弁,(2
a)……ステアリングホイール,(3)……パワーシリ
ンダ,(4)……オイルタンク,(5)……反力ピスト
ン,(7a)……高圧油路,(7b)(7c)(7d)(7e)…
…制御油路,(8a)(8b)……低圧油路,(11)……圧
力制御バルブ,(12)……ソレノイド,(13)……リタ
ーン側オリフイス,(13′)……オリフイス,(20a)
……ハルブハウジング,(21)……入力軸,(22)……
トーシヨンバー,(23a)……出力軸,(42′)または
(42″)……インポート側オリフイス。
フロントページの続き (72)考案者 野口 昌彦 奈良県橿原市十市町333番地2号 光洋自 動機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−106528(JP,A) 特開 昭53−109334(JP,A) 実開 昭59−83666(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールに連結された入力軸
    と、同入力軸の回転を出力軸に伝えるトーシヨンバー
    と、同出力軸に連結されたパワーシリンダと、上記入力
    軸と上記出力軸との回転角度差に応じて上記パワーシリ
    ンダへの油路を切換える油路切換弁と、オイルポンプか
    ら吐出される作動油を上記油路切換弁を介して上記パワ
    ーシリンダへ供給する高圧油路と、上記パワーシリンダ
    から上記油路切換弁を介してオイルタンクへ作動油を戻
    す低圧油路と、上記入力軸と上記出力軸との間で規制力
    を付与して同各軸の回転角度差を制限する反力ピストン
    と、上記高圧油路の途中から上記反力ピストンへ延びた
    制御油路と、上記反力ピストンへ延びた上記制御油路に
    介装され上記反力ピストンに作用する油圧の上昇ととも
    に圧力制御用ばねの付勢力に抗して変位して上記油圧を
    所定の最高圧以下に制御する圧力制御バルブと、同圧力
    制御バルブと上記反力ピストンとの間の上記制御油路を
    上記低圧油路に連通させるリターン側オリフイスと、車
    速に応じて変わり且つ車速毎に略一定の軸力を発生する
    プランジヤを介して上記ばねに対抗して上記圧力制御バ
    ルブを変位させるソレノイドとを具えているパワーステ
    アリング装置において、前記圧力制御バルブと上記反力
    ピストンとの間の制御油路に第2のオリフイスを設けた
    ことを特徴とするパワーステアリング装置。
JP1985176935U 1985-11-19 1985-11-19 パワーステアリング装置 Expired - Lifetime JPH0728052Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52106528A (en) * 1976-03-03 1977-09-07 Nissan Motor Co Ltd Steering power control apparatus for power steering system
JPS5983666U (ja) * 1982-11-30 1984-06-06 三菱自動車工業株式会社 パワ−ステアリング装置

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