JPH0727524U - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨ておむつにおいて陰茎を所要位置に保
持して尿の横もれを防止する。 【構成】 使い捨ておむつ１の前身頃２から股下域４に
かけて、おむつ１の長手方向へ延在し、左右方向の中心
線に関して対称な一対のフラップ８を設ける。フラップ
８は、不織布製短冊片を折曲縁２１においておむつ外側
縁へ向けて二つ折りにすることにより構成し、左右のフ
ラップ８の折曲縁２１間に着用者の陰茎を受容する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、使い捨ておむつ、特に成人男子が使用するのに好適な使い捨てお むつに関する。

【０００２】

【従来の技術】

使い捨ておむつの使用において、成人男子ではおむつに対する陰茎の位置が定 まらず、成人女子に比べて横もれを生じることが多い。

【０００３】 ところで、横もれを防ぐ従来技術には、例えば米国特許第４，７０４，１１６ 号公報がある。該公報が開示するおむつでは、おむつを左右に二分する中心線に 関して対称な一対のフラップを表面シート上に設け、それらフラップの外側縁と 端縁とを前記表面シートに接合する一方、内側縁は弾性部材を伸長下に貼着して なる伸縮性の自由縁とすることにより、おむつを着用するとそれらフラップが表 面シート上に起立して、おむつの横方向へ流れる体液を塞き止めることができる ようにしてある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記公知技術において、左右一対のフラップの自由縁どうしの離間距離を適宜 狭くすれば、陰茎を左右から軽く挟持してその動きを拘束することができ、陰茎 をおむつの幅方向中央に保持することが可能になると考えられる。ところが、そ のようにすると、肛門の近傍においてフラップの離間距離が小さすぎ、大便をう まく受容することができなくなるという問題を生じる。

【０００５】 また、フラップを肌触りのよい不織布でつくっても、自由縁は弾性部材の貼着 によって剛性が高くなり、しかもギャザーを生じることによってギザギザとなる から、そのような自由縁によって陰茎を挟持することは、着用感の妨げになると いう問題がある。

【０００６】 そこで、この考案は、前身頃から股下域にかけて延在する不織布製短冊片をお むつ内側から外側へ向けて折曲し、その折曲した部位によって陰茎を挟持するこ とで前記従来技術の問題を解決することを課題にしている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するためにこの考案が手段とするところは、以下のとおりであ る。

【０００８】 この考案においては、透液性表面シートと不透液性裏面シートとの間に吸液性 コアが介在し、前身頃と後身頃の長手方向中間に股下域を備えた使い捨ておむつ が前提である。

【０００９】 かかる前提において、不織布製短冊片によって構成してあって、前身頃から股 下域にかけて前記長手方向へ延在し、おむつの左右方向中心線に関して対称な一 対のフラップを設け、その一側部をおむつの外側縁側において表面シートに接合 し、その残りの他側部を前記外側縁へ向けて折り返し、それら一側部と他側部の 端縁を重ね合せて表面シートに接合し、その他側部にその長手方向へ弾性部材を 伸長下に貼着するとともに、前記一対のフラップの折曲縁間隔を所要寸法にして あることがこの考案の特徴である。

【００１０】

【作用】

かかる構成のおむつにおいては、左右一対のフラップの折曲縁間隔を所要の寸 法とすることによって、それら折曲縁の部分で陰茎を左右から挟持し、その動き を拘束して、排尿をおむつの幅方向中央部に集中させることができる。おむつを 着用状態にすると、弾性部材は収縮してフラップを表面シートから起立させ、そ のフラップが表面シート上を横方向へ流れる尿を塞き止める。弾性部材は、外側 へ向けて折り返したフラップの側縁部分にあるから、陰茎に触れたり、これを圧 迫したりすることがない。

【００１１】

【実施例】

この考案に係る使い捨ておむつの詳細を添付の図面を参照して説明すると、以 下のとおりである。

【００１２】 図１は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視図であって、前身頃２と、後身頃３ と、これら身頃２，３間に介在する股下域４とからなるおむつ１が、その長手方 向内側へやや湾曲した状態にある。おむつ１は、透液性表面シート５、不透液性 裏面シート６、および表裏面シート５，６間に介在する吸液性コア７を有し、前 身頃２から股下域４にかけての表面シート５上には、おむつ１の左右方向の中心 線Ｃ−Ｃに関して対称な一対のフラップ８があり、後身頃３の左右側縁には、テ ープファスナー９の一端が剥離不能に接合してある。前後身頃２，３それぞれの 端部には、胴周り弾性部材１１，１２が伸長下に貼着してあり、また、股下域４ に設けた凹欠部には、脚周り弾性部材１３が伸長下に貼着してある。フラップ８ は、不織布製短冊片をおむつ１の外側へ向けて中心線Ｃ−Ｃと平行な折曲線（縁 ）２１に沿って二つに折り重ねたものであって、折り重ねることにより下側とな った一方の側縁１５が接合線１５Ａにおいて表面シート５に接合し、上側となっ た他方の側縁１６が自由縁となり、その長手方向には、複数本の弾性部材２０が 伸長下に貼着してある。短冊片の端縁１７，１８は、折り重ねられた部分が互い に接合するとともに、それぞれ接合線１７Ａ，１８Ａにおいて表面シート５に接 合している。

【００１３】 図２は、図１のＸ−Ｘ線端面図である。左右のフラップ８の折曲線２１どうし の間隔Ｄは、着用者の陰茎を受容可能な寸法にしてある。フラップ８の側縁１５ は、溶着線１５Ａを介して表面シート５に接合し、側縁１６は、縁部を折曲する ことにより弾性部材２０を被覆している。吸液性コア７は、左右の溶着線１５Ａ の間が特に厚くしてあり、ここに集中的に排泄される尿の吸収速度と保持量とが その外側の部分よりも高くなるようにしてある。もっとも、ここには高吸水性ポ リマーを多く配して、吸液性コア７を局部的に厚くすることなく、尿の吸収保持 量を高めるようにすることもできる。

【００１４】 図３は、図１と異なる態様のおむつ１の斜視図である。おむつ１は、第１のフ ラップ８のそれぞれの外側に前身頃２と後身頃３との間に延在する比較的長い第 ２のフラップ２５を有する。第２のフラップ２５もまた不織布製短冊片であって 、その外側縁２６と端縁２７，２８とがそれぞれ接合線２６Ａ，２７Ａ，２８Ａ において表面シート５に接合し、自由縁である内側縁２９には、その長手方向へ 弾性部材３０が伸長下に貼着してある。

【００１５】 このように構成したおむつ１は、これを内側へ湾曲させて着用すると、フラッ プ８にあっては弾性部材２０が、また、フラップ２５にあっては弾性部材３０が 収縮し、それぞれのフラップ８，２５が表面シート５から起立し、表面シート５ 上を横方向へ流れる尿その他の体液を塞き止め、横もれを防止することができる 。なお、一対のフラップ８は、その折曲線２１や側縁１５，１６を中心線Ｃ−Ｃ に平行とする他に、適宜の角度をつけ、例えば股下域４から前身頃２方向へ向か って拡開するＶ字を描くようにすることもできる。

【００１６】 この考案において、フラップ８，２５には、透液性、または不透液性、より好 ましくは通気不透液性であって、肌触りのよい不織布を使用する。また、表面シ ート５には不織布や開孔プラスチックフィルム、裏面シート６にはプラスチック フィルム、吸液性コア７には粉砕パルプや粉砕パルプと高吸水性ポリマーの混合 物を使用することができる。また、フラップ８，２５を表面シート５に接合する には、ホットメルト接着剤を含む接着剤や粘着剤の他に、シート素材が熱溶融性 のものであれば、溶着の技術を利用することができる。

【００１７】

【考案の効果】

この考案に係るおむつにおいては、左右のフラップの間に着用者の陰茎を受容 し、該フラップの折曲縁によってその陰茎を軽く保持するようにしたから、その 位置がおむつ中央に定まり、横もれを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。

【図２】図１のＸ−Ｘ線端面図。

【図３】図１と異なる態様の使い捨ておむつの斜視図。

【符号の説明】

１ おむつ ２ 前身頃 ３ 後身頃 ４ 股下域 ５ 表面シート ６ 裏面シート ７ 吸液性コア ８ フラップ １５，１６ 側縁 １７，１８ 端縁 ２０ 弾性部材 ２１ 折曲縁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと不透液性裏面シートと
   の間に吸液性コアが介在し、前身頃と後身頃の長手方向
   中間に股下域を備えた使い捨ておむつにおいて、 不織布製短冊片によって構成してあって、前記前身頃か
   ら股下域にかけて前記長手方向へ延在し、おむつの左右
   方向中心線に関して対称な一対のフラップを設け、その
   一側部を前記おむつの外側縁側において表面シートに接
   合し、その残りの他側部を前記外側縁へ向けて折り返
   し、前記一側部と他側部の端縁を重ね合せて前記表面シ
   ートに接合し、前記他側部にその長手方向へ弾性部材を
   伸長下に貼着するとともに、前記一対のフラップの折曲
   縁間隔を所要寸法にしてあることを特徴とする前記おむ
   つ。