JPH072675A - ビタミンd化合物による免疫不全の治療方法 - Google Patents

ビタミンd化合物による免疫不全の治療方法

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JPH072675A
JPH072675A JP30737993A JP30737993A JPH072675A JP H072675 A JPH072675 A JP H072675A JP 30737993 A JP30737993 A JP 30737993A JP 30737993 A JP30737993 A JP 30737993A JP H072675 A JPH072675 A JP H072675A
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Hector F Deluca
エフ. デルーカ ヘクター
Yang Shouri
ヤン シヨウリ
M Puraaru Gene
エム. プラール ジーン
Connie M Smith
エム. スミス コニー
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 哺乳動物に該哺乳動物の免疫、特に細胞性免
疫を向上させるのに十分な量のビタミンD化合物を投与
することを含んでなる哺乳動物の免疫不全を治療する、
または損傷した細胞性免疫を向上させる方法。 【効果】 十分な量のビタミンD化合物を十分な期間投
与することで、哺乳動物の免疫不全又はき損した細胞性
免疫を有効に治療ないし回復させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、哺乳動物の細胞免疫機
能に関し、さらに詳細には、ビタミンD化合物たとえば
ビタミンD3 その活性形態の1α,25−ジヒドロキシ
ビタミンD3またはビタミンD様の活性を示す他の化合
物の哺乳動物への投与を哺乳動物の免疫を向上させるま
たは回復させるのに十分な期間おこない哺乳動物のき損
された細胞性免疫を向上させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ビタミ
ンDは、歴史的に、ミネラル代謝の調節と関連づけられ
てきたが、その機能は、このシステムだけに限らないこ
とが現在はっきりしているようである(マノラガス、ハ
スツミエル及びユー(Manolagas,Hustm
yerand Yu)(1989)Proc.Soc.
Exp.Biol.Med.191,238−24
5)。ビタミンDの活性形態すなわち1,25−ジヒド
ロキシビタミンD3 (1,25−(OH)23 )に対
するレセプターが、ラットおよびヒト由来の末梢血液リ
ンパ球および胸腺リンパ球(マロガガス、プロベディニ
及びツオカス(Malogagas,Provvedi
ni and Tsuokas)(1985)Mol.
Cell.Endocrinol.43,113−12
2)に見いだされている。試験管中で1,25−(O
H)23 は、一方のたんぱく質を減少させるのに対
し、活性化されたヒトリンパ球中でもう1つのたんぱく
質を増加させる(ユー、ハスツミエル、ガーベイ及びマ
ノラガス(Yu,Hustmyer,Garvey a
nd Manolagas,C.)(1991)Pro
c.Natl.Acad.Sci.88,8347−8
351)。さらに、試験管中の1,25−(OH)2
3 は、末梢血液単核細胞に抗増殖作用を発揮し(マノラ
ガス、プロベディニ、ミュレイ、ツオカス及びデフトス
(Manolagas,Provvedini,Mur
ray,Tsoukasand Deftos)(19
86)J.Clin.Endocrinol.Meta
b.63,394−400)、植物血球凝集素により活
性化されたヒト末梢単核細胞によるインターロイキン−
2(IL−2)の産生を減少させ、単球中のIL−1活
性を減ずる(マノラガス(1988)、”ビタミンD:
分子、細胞及び臨床内分泌学”、ノーマン、シャエファ
ー、グリゴライト及びヘラス編、第282−290頁、
ウオルター・デ・グルイター、ベルリン、ニューヨーク
(Manolagas,”Vitamin D:Mol
ecular,Cellular and Clini
cal Endocrinology”,Norma
n,Schaefer,Grigoleit and
Herrath,Eds.,Walter de Gr
uyter,Berlin,New York))。B
−リンパ球中の1,25−(OH)23 による免疫グ
ロブリン合成の抑制も報告されている(プロベディニ、
ツオカス、デフトス及びマノラガス(Provvedi
ni,Tsoukas,Deftos and Man
olagas)(1986)J.Immunol.13
6,2734−2740)。本発明の目的は、ビタミン
D化合物の投与によって、哺乳動物の免疫不全又は損失
した細胞性免疫を治療ないし回復させる方法を提供する
ことにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】ビタミンD化合物に対す
るさまざまな生物学的機能が発見されているが、上記し
たように、哺乳動物の免疫システムへのビタミンDおよ
びビタミンD様の活性を有する他の化合物の役割ははっ
きりしない。生体内での免疫システムへのビタミンDお
よびビタミンD様の活性を有する他の化合物の影響を評
価することを始めるため、本開示は、マウスでのビタミ
ンD不足モデルを提供し、次に、細胞性免疫へのこの不
足の影響を調べる。ビタミンD化合物の再投与の効果を
次ぎに調べ、何らかの免疫不全が改善され得たかまたは
回復し得たかどうかを決定した。血液中の25−ヒドロ
キシビタミンD3 の不在と極度の低カルシウム血症とに
より証明されるように、著しいビタミンD不足がマウス
に生じた。これらおよびビタミンD十分なマウスをジニ
トロフルオロベンゼン(DNFB)により増感(sensiti
zed)させた。DNFBへの感度を、DNFBによる1つ
の耳の処理により測定した。処理した耳の厚みと未処理
の耳の厚みとの比を、細胞性免疫反応の指標として用い
た。耳のDNAへの 3H−チミジンの取り込みも、コン
カナバリンAに対する胸腺リンパ球の応答のように、細
胞性免疫の指標として用いた。ビタミンD不足は、耳厚
み比と 3H−チミジン取り込み比とを顕著に減少させ
た。同様に、コンカナバリンA処理した胸腺リンパ球の
DNAへの 3H−チミジンの取り込みは、ビタミンD不
足で著しく減少した。これらの結果は、生体内のビタミ
ンD不足は、細胞性免疫を損なうことを示している。8
週間に及ぶビタミンD十分な食餌の提供は、免疫システ
ムのき損した応答機能を直すが、3週間に及ぶビタミン
D投与は、そのようにならなかった。本開示に従えば、
生体内のビタミンDの不足は、哺乳動物の免疫不全をも
たらす細胞性免疫をき損することが分かった。さらに、
哺乳動物のこの免疫不全は、ビタミンDたとえばビタミ
ンD3 および1α,25−ジヒドロキシビタミンD3
投与によりおよびビタミンD様の活性を有する他の化合
物により劇的に改善されて、哺乳動物の免疫不全の完全
な修復でないまでも回復をもたらし得る。
【0004】本発明は、哺乳動物の免疫を向上させるの
に十分な量のビタミンD化合物を哺乳動物に投与するこ
とを含んでなる哺乳動物の免疫不全を治療する方法を含
む。好ましくは、ビタミンD化合物は、投与ビタミンD
化合物に依存して1日当たり約0.1μgから約2mg
の量で投与される。また、ビタミンD化合物は、好まし
くは、約3週間から約8か月にわたり哺乳動物に毎日投
与される。ここで用いられる用語「ビタミンD化合物」
は、哺乳動物のさまざまなビタミンD応答プロセス、す
なわち腸内カルシウム吸収、骨の流動、骨のミネラル化
および細胞分化の1つまたはそれ以上を制御する化合物
を包含する。したがって、本発明により包含されるビタ
ミンD化合物は、コレカルシフェロールおよびエルゴカ
ルシフェロールおよびそれらの代謝生成物さらにはカル
セミック(calcemic)または細胞分化活性を発
現する合成のコレカルシフェロールおよびエルゴカルシ
フェロールの類似体を含む。本発明により包含されるビ
タミンD化合物を限定することなく、これらの合成のコ
レカルシフェロールおよびエルゴカルシフェロール類似
体は、5,6−トランス−コレカルシフェロール類およ
び5,6−トランス−エルゴカルシフェロール類、フッ
素化コレカルシフェロール類、側鎖同族化コレカスシフ
ェロール類および側鎖同族化Δ22−コレカルシフェロー
ル類、側鎖が切断されたコレカルシフェロール類、19
−ノルコレカルシフェロール類および19ーノルエルゴ
カルシフェロール類および10,19−ジヒドロビタミ
ンD化合物のような化合物の種類を含む。構造的には、
包含されるビタミンD化合物は、次式により表すことが
できる:
【0005】
【化7】
【0006】ここで、R6 およびR7 は、それぞれ、水
素を示すか、またはR6 およびR7 が一緒になって、メ
チレン基を示し、R8 は、水素、ヒドロキシまたは保護
されたヒドロキシを示し、そして上記構造の側鎖基R
は、いずれのステロイド側鎖の種類を示してもよい。よ
り具体的には、Rは、直鎖、分岐または環状であっても
よく、1つまたはそれ以上の追加の置換基、たとえばヒ
ドロキシ基、保護されたヒドロキシ基、フルオロ基、カ
ルボニル基、エステル基、エポキシ基、アミノ基または
他の複素原子基を含んでいてもよい1−35個の炭素の
飽和または不飽和炭化水素基を示し得る。この種の好ま
しい側鎖は、次ぎの構造により示される:
【0007】
【化8】
【0008】ここで立体化学中心(ステロイド番号付け
でC−20に相当)は、配置または配置(すなわ
ち、天然配置約炭素20または20−エピ配置)を有し
ていてもよく、Zは、Y、−OY、−CH2 OY、−C
≡CYおよび−CH=CHYからなる群から選択され、
この際、二重結合はシス配置またはトランス配置を有し
ていてもよく、Yは水素、メチル、−CR5 Oおよび次
の構造
【0009】
【化9】
【0010】(ここで、mおよびnは、互いに独立し
て、0から5の整数を示し、R1 は、水素、ヒドロキ
シ、保護されたヒドロキシ、フルオロ、トリフルオロメ
チルおよび直鎖であっても分岐していてもよく、任意に
はヒドロキシ置換基または保護されたヒドロキシ置換基
を有していてもよいC1-5 アルキルからなる群から選択
され、そしてR2 、R3 およびR4 のそれぞれは、互い
に独立して、水素、フルオロ、トリフルオロメチルおよ
び直鎖であっても分岐していてもよく、任意にはヒドロ
キシ置換基または保護されたヒドロキシ置換基を有して
いてもよいC1-5 アルキルからなる群から選択され、R
1 とR2 とは一緒になった場合オキソ基、アルキリデン
基、=CR23 または基−(CH2p −を示し、こ
の際、pは2から5の整数であり、R3 とR4 とは一緒
になた場合オキソ基または基−(CH2q −を示し、
この際qは2から5の整数であり、R5 は水素、ヒドロ
キシ、保護されたヒドロキシまたはC1-5 アルキルを示
す)の基からなる群から選択される。「保護されたヒド
ロキシ」基は、ヒドロキシ基の一時的または永久的な保
護に通常用いられる基により、たとえば、シリル基、ア
ルコキシアルキル基、またはアルキル基により、保護さ
れたヒドロキシ基である。好ましいヒドロキシ保護基
は、塩基安定性であるが所望の時に容易に除去できるヒ
ドロキシ保護基である。適当な基は、たとえば、アルキ
ルシリル基またはアルキルアリールシリル基(ここで
は、単に「シリル」基と述べる、たとえばトリメチルシ
リル、トリエチルシリル、ジブチルメチルシリル、ジフ
ェニルメチルシリル、フェニルジメチルシリル、ジフェ
ニル−t−ブチルシリルなど)またはアルコキシアルキ
ル基(たとえばメトキシメチル基、エトキシメチル基、
メトキシエトキシメチル基など、あるいはテトラヒドロ
ピラニル基、テトラヒドロフラニル基)および1−6炭
素のアルキル基(たとえばメチル、エチル、プロピル、
イソプロピルなど)である。
【0011】そのような化合物のいくつかの具体例に
は、次ぎのものがある:ビタミンD代謝産物または類似
体たとえばビタミンD3 、ビタミンD2 、1α−ヒドロ
キシビタミンD3 、1α−ヒドロキシビタミンD2 、1
α,25−ジヒドロキシビタミンD3 、1α,25−ジ
ヒドロキシビタミンD2 、25−ヒドロキシビタミンD
3 、25−ヒドロキシビタミンD2 、24,24−ジフ
ルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3 、24,24−
ジフルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3
24−フルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3 、24
−フルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3
2β−フルオロ−25−ヒドロキシビタミンD3 、2β
−フルオロ−1α−ヒドロキシビタミンD3 、2β−フ
ルオロ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3 、2
6,26,26,27,27,27−ヘキサフルオロ−
25−ヒドロキシビタミンD3 、26,26,26,2
7,27,27−ヘキサフルオロ−1α,25−ジヒド
ロキシビタミンD3 、24,25−ジヒドロキシビタミ
ンD3 、1α,24,25−トリヒドロキシビタミンD
3 、25,26−ジヒドロキシビタミンD3 、1α,2
5,26−トリヒドロキシビタミンD3 、23,25−
ジヒドロキシビタミンD3 、23,25,26−トリヒ
ドロキシビタミンD3 および対応する1α−ヒドロキシ
ル化物、25−ヒドロキシビタミンD3 −26,23−
ラクトンおよびその1α−ヒドロキシル化誘導体、25
−ヒドロキシビタミンD3 および1α,25−ジヒドロ
キシビタミンD3 の側鎖ノル、ジノル、トリノルおよび
テトラノル類似体、1α−ヒドロキシプレグナカルシフ
ェロールおよびそのホモおよびジホモ誘導体、1α,2
5−ヒドロキシ−24−エピ−ビタミンD2 、24−ホ
モ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3 24−ジホモ
−1,25−ジヒドロキシビタミンD3 、24−トリホ
モ−1,25−ジヒドロキシビタミンD3 および1α,
25−ジヒドロキシビタミンD3 の対応する26−また
は26,27−ホモ、ジホモまたはトリホモ類似体、さ
らに上記に上げたものの対応する19−ノル化合物。
【0012】
【実施例】本発明を、さらに以下の例の手段により説明
する。例の中で、次ぎの省略を用いる:1,25−(O
2 )D3 、1,25−ジヒドロキシビタミンD3 ;2
5−OH−D、25−ヒドロキシビタミンD3 ;IL−
2、インターロイキン−2;DTH、遅延型過敏性;D
NFB、ジニトロフルオロベンゼン;A/O、アセトン
/オリーブ油;HBSS、ハンクス平衡塩溶液(Han
ks’balanced salt solutio
n);con A、コンカナバリンA;PHA、フィト
ヘマグルチニン;SI、刺激指標;B1、チアミン;B
2、リボフラビン;B6、ピリドキシン;B12、シア
ノコバラミン;IUdR、5−ヨードデオキシウリジ
ン。
【0013】物質と方法ビタミンD不足マウス 。 第1の実験では、妊娠14日
のBALB/CANNHSD雌マウス(ウイルスなし、
Harlan Sprague Dawley,Ind
ianapolis,IN)を3つのグループに分け
た。第1のグループと第2のグループ(−Dグループお
よび+Dグループ)とに、精製ビタミンD不足食餌(−
D食餌、表1)とビタミンD十分食餌(+D食餌)とを
それぞれ与えた。+D食餌は、ビタミンD2 (エルゴカ
ルシフェロール)5070 IU/kg(126.75
μg/kg)(National Research
Council(1978)Committee on
Animal Nutrition, Agricu
lture Board, ”Nutrient Re
quirements of Laboratory
Animals”,3rd Rev.Ed.,No.1
0.Natl.Acad.Sci.,Washingt
on,D.C.)を加えたことを別として、−D食餌と
同じである。精製食餌(表1)は、0.47%のカルシ
ウムおよび0.3%の燐を含んでいて、次ぎのようにし
てゲルの形態とした:1リットルの脱イオン水に含むよ
うにした25gの寒天(Difco Laborato
ries,Difco,MI)を30分間高圧加熱滅菌
し、1Kgの精製食餌と5mlの脂肪可溶性ビタミン
(−D食餌に対してA、EおよびKおよび+D食餌に対
してA、D、EおよびK)の混合物(表2)を寒天溶液
に加え、混合し、ガラスのパンにあけ、室温で固化さ
せ、次ぎに、給餌まで−20℃に保存した。妊娠マウス
の第3のグループ(正常なグループ)には、23.5%
のたんぱく質、6.5%の脂肪、3,8%の繊維および
15,000 IU/kgのビタミンA、3,800
IU/kgのビタミンD、55,000 IU/kgの
ビタミンE(α−トコフェロール)、1%のカルシウム
および0.65%の燐を含むFormulab#500
8ペレット食餌(Purina Mills,St.L
ouis,MO)を与えた。マウスの子は、3週齢で離
乳させ、その親と同じ食餌を与えた。第1のグループの
親により生まれたマウスは、10週齢で2つのグループ
に分けた:1つのグループ(−Dグループ)は、精製−
D食餌を継続させ、もう一方のグループ(−D+Dグル
ープ)は、残りの3週間、精製+D食餌を与えた。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】第2の実験では、BALB/CANNHS
D雌マウスを2つのグループに分けた:−D食餌と+D
食餌をそれぞれ与えた−Dグループおよび+Dグルー
プ。同時に、これらのマウスを雄マウスと交尾させた。
マウスの子は、3週齢で離乳させ、その親と同じ食餌を
13週間与えた。次ぎに、すべてのマウスにFormu
lab#5008ペレット食餌を8週間与えた。2つの
グループのマウスは、それぞれ、−D+Pグループおよ
び+D+Pグループと名づけた。すべてのマウスは、木
片を敷きつめたプラスチックのかごに収容し、黄色光の
下に12時間そして暗所に12時間置くようにした。実
験を通じ、食餌と水道水が任意に得られるようにした。
【0017】血清カルシウムおよび25−ヒドロキシビ
タミンDについての検定:血清全カルシウムレベルは、
原子吸光分光分析(モデル403、Perkin−El
mer,Norwalk,CT)により5%のLaCl
3 2.95mlと血清50μlを一緒にすることにより
またはモデル4008 Calcette(Preci
sion Systems,Natick,MA)中の
血清25μlにより測定した。血清25−ヒドロキシビ
タミンD[25−OH−D]は、0.2mlのサンプル
を用いて測定した(ベルセイ、デルーカ及びポッツ(B
elsey,DeLuca and Potts)(1
974)J.Clin.Endrocrinol.Me
tab.38,1046−1051)。検定に用いた結
合たんぱく質は、6週間を越えてビタミンD不足食餌を
与えたHoltzmanラットからえた。10μlの血
清のアリコートを−80℃で保存凍結させ、燐酸塩緩衝
液(50mM、pH7.2)を用いて1/8,500に
希釈して検定に用いた。マウス血清のサンプルを10μ
lの 3H−25−OH−D3 (比活性:160 Ci/
mM、1 Ci=37 GBq;New Englan
d Nuclear,Boston,MA)に加え、回
収率をモニターした。サンプルは、渦運動させ(vor
texed)てから、室温で15分間温置させ、メタノ
ール0.6mlで抽出し、次ぎに、15分間1,500
rpmで遠心分離させた。上澄み液を、0.4mlのH
2 Oと混合してから、ガラスウールピペットフィルター
を通じてC18 Sep−Pak カラム(Water
s,Millipore Corp.Milford,
MA)(ホリス及びフランク(Hollis and
Frank)(1985)J.Steroid 34
3,43−49)に移した。カラムは、次ぎに、それぞ
れH2 O中の55%メタノール4ml、70%メタノー
ル10mlおよび80%メタノール20mlにより順次
ゆすいだ。最後の部分を、窒素の下に蒸発させてから、
無水エタノール100μlに再溶解させた。20μl
は、競争結合検定用のトリプリケート(triplic
ate)に用いた;30μlのアリコートを、回収率を
算出するために液体シンチレーションカウンター(Tr
i−Carb 460CD Liquid scint
illation System,Packard I
nstrument Co.,Inc.)で算出した。
この検定の検出限界は、3.0ng/ml血清である。
【0018】遅延型過敏性(DTH)応答。13週齢の
マウスを、第1の実験での4つのグループ(−D、−D
+D、正常および+Dのグループ)のそれぞれのためと
第2の実験での18週齢の2つのグループ(−D+Pお
よび+D+P)のための2つのサブグループに分けた。
1つのサブグループは、DNFBで増感し(DNFBサ
ブグループ)、1つのサブグループ(A/Oサブグルー
プ)は、対照とした。アセトン/オリーブ油=1/1
(w/w)の賦形剤中に含むようにしたジニトロフルオ
ロベンゼン(DNFB)10mg/ml溶液を、皮膚接
触抗原とした。0日目に50μl、7日目に20μlの
DNFB溶液を、DNFB増感済のサブグループのマウ
スに対しそった腹部皮膚に適用した。対照マウス(A/
Oサブグループ)も同時に賦形剤を適用した(スミス、
レビー及びヘイス(Smith,Levy and H
ayes)(1987)J.Nutr.117,857
−865)。最初の増感の後7.5日に、すべてのマウ
スに、5μCiの 3H−チミジン(比活性20 Ci/
mmol、NEN,DuPont Co.,Wilmi
gton,DE)(エイパート及びミラー(Eiper
t and Miller)(1975)Immuno
l.Commun.4,361−372)を含むサリン
(saline)0.2mlを腹腔内(i.p.)注入
した。9日目に、すべてのマウスは、左耳の背側に10
μlのDNFB抗原溶液で挑戦され(challenged)、同
じ量の賦形剤溶液で右耳を刺激した。1日後、エーテル
でマウスを屠殺した。胸腺および脾臓を切除し、脾臓の
重さを測った。胸腺は、直ちに、氷冷のハンクス平衡塩
溶液(HBSS)(ハドソン及びヘイ、1976年、”
プラクティカル・イムノロジー”、第269−276
頁、バルクウエル・サイエンティフィック・パブリケイ
ションズ、オックスフォード、ロンドン(Hudson
and Hay、”Practical Immun
ology”,Balckwell Scientif
ic Publications,Oxford,Lo
ndon))に入れ、用いるまで入れておいた。耳の厚
さは、直ちに、Yuano 1−Jマイクロメータ(N
SK Japan Micrometer)により測定
し、左耳の右耳に対する厚さの比として表した。対照の
耳は、DNFB増感サブグループでアセトン/オリーブ
油賦形剤溶液を受けたことが強調される。対照マウス
(増感されてないサブグループ)もまた、DNFB挑戦
された耳を有した。DNFB増感位置は、腹部である
が、DNFB挑戦位置は、耳である。
【0019】耳と脾臓は、45℃で5時間大きなガラス
の標準シンチレーションバイアル中で1mlの可溶化剤
(Soluene 350, Packard Ins
trument Co.,Inc.Downers G
rove,IL;またはTS−1組織可溶化剤、Int
ernational Reserach Produ
cts Inc.,Elk Grove Villag
e,IL)に溶解させた。可溶化剤が、水酸化第四アン
モンニウムであるので、可溶化されたサンプルは、50
μlの濃塩酸(HCl)により酸性として強い化学ルミ
ネッセンスを排除した。組織サンプルの放射能は、10
mlのBiosafe IIシンチレーション流体(I
nternational Research Pro
ductsInc.,Mt.Prospect.IL)
により液体シンチレーションカウンター(Tri−Ca
rb 460CD Liquid Scintilla
tion System,Packard Instr
uments,Downers Grove,IL)中
で計数した。サンプルの1分当たりの崩壊(disin
tegration)(DPM)は、内部標準として 3
H−トルエン(ICN #77245,SA: 2,3
60,000DPM/ml)およびクエンチャー(qu
encher)として可溶化した耳または脾臓組織を用
いて得た標準クエンチングシリーズサンプルを使って自
動訂正プログラムにより得た。左耳の右耳に対する放射
能の比を算出した。
【0020】リンパ球増殖。 HBSSでゆすいだ後、
胸腺組織をHBSS中でステンレス鋼メッシュで圧搾し
た。細胞懸濁物は、15分間遠心分離(400xg)さ
せた。リンパ球は、2mMのL−グルタミン、抗生物質
(100μg/mlのストレプトマイシン、100U/
mlのペニシリン)および5%の加熱不活性化させた胎
児ウシ血清(FBS)を補足したRPMI−1640培
地(Gibco,Grant Island,NY)に
懸濁させた。細胞を計数し、細胞生存率をトリパンブル
ー排除(95%より大)により評価した。リンパ球の懸
濁物を直接利用した。
【0021】培養は、5x105 細胞/ウエル(wel
l)の接種(seeding )で、96個の十分に平らな底の
マイクロタイタープレート(#25860,Corni
ngGlass Works,Cornin,NY)中
で3回行った。マイトジェンコンカナバリンA(con
A、0.5μg/ウエル、Sigma)を加えた。用
いたマイトジェン投与量は、あらかじめ最適であると確
定された。細胞は、5%のCO2 と95%の空気を含む
加湿した雰囲気中で37℃で48時間温置した。収集す
る18時間前に、0.5μCi/ウエルの 3H−チミジ
ンを加えた。細胞は、ガラスマイクロファイバーフィル
ターストリップ(model 240−1,Cambr
idge Technology,Inc.,Wate
rtown,MA)に収集し、連続的に収集機(Har
vester)(ModelPHD 252A.Cam
bridge Technology,Inc.)中で
2度蒸留済みの水により3回洗浄し、無水メタノールに
より1回洗浄した。放射能は、packard Mod
el 460 CD液体シンチレーションシステムによ
り計数した。刺激指数(SI)は、次の式により計算し
た:SI=(マイトジェンを有する培養物のcpm−バ
ックグランドの培養物のcpm)/(マイトジェンなし
の培養物のcpm−バックグランドの培養物のcpm)
(ここで、バックグランドの培養物は、 3H−チミジン
およびマイトジェンを含まなかった。)リンパ球を、温
置した時、マイトジェン以外の他の因子は加えなかっ
た。
【0022】統計。 学生のt−テストを用いて有意性
を測定した。等しくない母分散(分散の不均質性)を有
する平均値(means)の差の場合、t’−テストま
たはノンパラメトリックWilcoxon’sテストを
用いて有意性を推定した(テイラー、1991年、”デ
ータ分析のための統計技術”、ルイス・パブリッシャー
ズ社、チェルシー、ミシガン(Taylor,”Sta
tistical Techniques for D
ata Analysis”,Lewis Publi
shers,Inc.,Chelsea,MI.)、及
びテイト及びクレランド、1957年、”非母数の簡単
な統計学”、インターステイト・プリンターズ・アンド
・パブリッシャーズ、ダンビル、イリノイ(Tate
andClelland、”Nonparametri
c and ShortcutStatistic
s”,Interstate Printers an
dPublishers,Danville,IL)。
【0023】図1aは、第1の実験での13週齢の第4
のグループ(−D、−D+D、正常および+D)につい
てのマウスの血清カルシウム濃度を示し、図1bは、−
Dまたは+D精製食餌を13週間与えた後、8週間Fo
rmulab #5008ペレット食餌を8週間与えた
2つのグループ(−D+Dおよび+D+P)についてで
ある。図1aでは、グラフの第1の列のPの値は、−D
グループの血清カルシウム濃度とP値の下のグループと
の間の差の有意性である。第2の列(または第3列)の
値は、−D+D(または正常)グループとP値の下のグ
ループとの間の差の有意性である。図1bでは、第1の
列のP値は、P値の下の補足期間での−D(または−D
+P)グループと+D(または+D+P)グループとの
間の差の有意性を示す。第2の列のP値は、0週間での
−Dグループとペレット食餌2.5週間での−D+Pグ
ループとの間の差の有意性を示す。図2aは、第1の実
験での13週での第4のグループについてのマウスの血
清25−OH−D濃度を示し、図2aは、第2の実験で
13週間−Dまたは+D精製食餌を与えた後0週間およ
び8週間Formulab #5008ペレット食餌を
与えた2つのグループ(−D+Pおよび+D+P)につ
いてである。図2bのP値は、図1bについて説明した
のと同様である。
【0024】図3aは、第1の実験でのマウスの脾臓重
量のビタミンD補給と不足の影響を示し、図3bは、第
2の実験についての同じ影響を示す。図3aでは、グラ
フの第1の列のP値は、DNFB増感サブグループとP
値の下の対照サブグループとの間の脾臓重量の差の有意
性である。第2の列のP値は、P値の下のDNFB増感
サブグループの間の差の有意性である。図3bでは、第
1の列のP値は、図3aの第1の列についての説明と同
様である。第2の列の値は、P値の下の+D+Pグルー
プのサブグループと−D+Pグループの対応するサブグ
ループとの間の差の有意性を示す。図4aは,第1の実
験でのマウスDNFB挑戦した耳の対照耳に対する厚さ
の比を示し、図4bは、第2の実験での同じ比を示す。
P値は、図3aと3bについての説明と同様である。
【0025】図5aは、第1の実験でのマウスについて
のDNFB挑戦した耳の対照耳に対する放射能比を示
し、図4bは、第2の実験の同じ比を示す。P値は、図
3aおよび3bで示したのと同様である。図6aは、第
1の実験での−D、−D+D、正常および+Dグループ
の胸腺のリンパ球数の比較を示し、図4bは、DNFB
により増感されたマウスまたは増感されないマウスでの
胸腺リンパ球の刺激指標へのビタミンD不足の影響を示
す。ウエルは、5x105細胞/ウエルにより接種され
た。ConAを、0.5μg/ウエルで加えた、温置を
48時間継続させた。細胞は、 3Hチミジン(0.5μ
Ci/ウエル)を加えた後、18時間で収穫した。P値
は、図3aで説明したのと同様である。
【0026】結果マウスのビタミンD不足 。 13週齢の4つのグループ
(−D、−D+D、正常および+D)と、13週間にわ
たり−Dまたは+D精製食餌を与えた後8週間ペレット
食餌を与えた2つのグループ(−D+Pおよび+D+
P)とについてのマウスの血清カルシウム濃度を、図1
aおよび図1bにそれぞれ示す。13週間−D食餌を与
えたマウスは、血清カルシウム6.64±0.41mg
/dl(平均±SD、n=12;図1a)を有した。+
D食餌を与えたマウスは、血清カルシウム濃度9.50
±0.84mg/dl(n=4)を有し、これは、−D
グループ(p<0.001)のものよりも有意的に高
い。Formulab #5008ペレットを与えられ
た正常なマウスは、−Dグループ(p<0.001)の
ものよりも顕著に高い血清カルシウム濃度8.89±
0.27mg/dl(n=10)を示したが、+Dグル
ープ(p>0.05)の血清カルシウム濃度に有意的な
差はなかった。10週間−D食餌を与えられ3週間+D
食餌を与えられたマウスは、血清カルシウム濃度8.8
1±0.45mg/dl(n=12)を示した。これ
は、−Dグループ(P<0.001)のものよりも著し
く高く、正常なマウス(p>0.6)の血清カルシウム
濃度と有意的に異ならない。この事実は、10週間−D
食餌を与えた後3週間ビタミンD2 を食餌に補足するこ
とが、血清カルシウム濃度を著しく増加させるが、その
レベルは+Dグループ(p<0.05)のものよりわず
かに低いことを示した。
【0027】第2の実験では、13週間精製−Dまたは
+D食餌を与えたマウス(13週齢)、−Dマウスの血
清カルシウム(6.76±0.97mg/dl、n=1
2;図1b)は、+Dマウス(8.71±0.41mg
/dl、n−10;P<0.001)よりも著しく低か
った。これらの−DマウスにFormulab #50
08ペレット食餌を2.5週間与えることにより、血清
カルシウムは、有意的に増加した(8.88±0.19
mg/dl、n=18、P<0.001)。しかしなが
ら、これは、また、同じ補足期間で+D+Pグループ
(9.00±0.25mg/dl、n=16;P<0.
05)よりも有意的に低い。ペレット食餌の5週間およ
び8週間後、−D+Pグループの血清カルシウム(それ
ぞれ9.18±0.23mg/dl、n=11および
8.56±0.20mg/dl、n=8)は、+D+P
グループ(それぞれ、9.07±0.35mg/dl、
n=11および8.66±0.19mg/dl、n=
8、両方ともP>0.3)と有意的な差はなかった。
【0028】第1の実験の+Dグループのマウスは、血
清25−OH−D濃度30.9±2.6ng/ml(n
=2)を与え、−Dグループのマウスのすべての3つの
サンプルは、検出不可能な血清25−OH−D濃度(<
3.0ng/ml、図2a)を与えた。−D+Dおよび
正常なグループについての濃度は、それぞれ、25.4
±4.5ng/ml(n=3)および22.5±2.4
ng/ml(n−2)であった。血清カルシウムおよび
25−OH−Dレベルの結果は、−Dグループのマウス
が、実際ビタミンD不足であることを示し、3週間の+
D食餌の補足が血清カルシウムおよび25−OH−D濃
度を著しく増加させたことを示した。第2の実験に対
し、13週で、−Dグループの4つのサンプルの血清2
5−OH−Dは、最小検知可能なレベルよりも少なく
(図2b)、+D+Pグループは、血清25−OH−D
濃度16.3±4.8ng/ml、n=4)を有してい
た。マウスに、13週間精製食餌を与えた後、8週間F
ormulab #5008ペレット食餌を与えたとこ
ろ、−D+Pグループ(12.2±2.1ng/ml、
n=3)の血清25−OH−Dは、+D+Pグループ
(14.6±4.1ng/ml; P>0.4)のもの
と有意的に差はなかった。これらの結果は、8週間のビ
タミンDの補足が、血清中の血清カルシウムおよび25
−OH−Dレベルを完全に正常に戻したことを示た。
【0029】第1の実験の正常なグループ、+Dグルー
プおよび−D+Dグループ(図3a;それぞれ、p<
0.001,=0.001と<0.05)についておよ
び第2の実験の−D+Pと+D+Pグループ(図3b;
それぞれP<0.001と<0.01)についてのDN
FB増感サブグループと対照グループとの間の脾臓の重
量に有意的な差があったが、第1の実験の−Dグループ
は、別であった(p>0.05、図3a)。正常なマウ
スについては、DNFB増感が、脾臓の重量を著しく増
加させ、正常な免疫学的な応答を示し、この応答は、−
Dマウスで著しく減ぜられた。−DマウスのDNFB増
感サブグループの脾臓の重量は、正常なマウスのDNF
B増感サブグループ(P<0.01、図3a)の脾臓の
重量より明らかに少なく、+DマウスのDNFB増感サ
ブグループ(P≒0.05;図3a)の脾臓の重量より
もほぼ有意的に少なかった。−Dと−D+Dグループの
DNFB増感サブグループの間の差は有意的でなかった
(p=0.5)。このことは、10週間−D食餌を与え
た後の3週間にわたるビタミンD2 の補足が、脾臓免疫
応答を回復させなかったことを示唆する。第2の実験の
結果は、13週間−D食餌を与えた後の8週間におよぶ
ビタミンD(Formulab #5008ペレット食
餌)の補足が、脾臓免疫学的応答を回復させ得ることを
示した;−D+PグループのDNFB増感サブグループ
(112.6±10.5mg、n=10;図3b)の脾
臓の重量は、+D+PグループのDNFB増感サブグル
ープ(113.8±14.9mg、n=10;P>0.
8、図3b)の脾臓の重量と有意的な差がなかった。−
D+Pグループと+D+Pグループとの間のA/O対照
サブグループの脾臓の重量の差も有意的でなかった(P
>0.2)。
【0030】遅延型過敏性。 図4aは、第1の実験で
13週間精製された食餌(−Dまたは+D)または正常
なペレット食餌を与えたマウスのDNFB挑戦耳の対照
耳に対する厚さの比を示し、図4bは、13週間−/+
D精製食餌を与えた後8週間ビタミンD(Formul
ab #5008ペレット食餌)を与えたマウスのDN
FB挑戦耳の対照耳に対する厚さの比を示す。まず、6
つの対照サブグループは、実質的に同じ耳の厚さ比
(1.21±0.15ないし1.32±0.10)を有
する。しかし、DNFB増感サブグループの耳の厚さの
比は、6つのグループのすべてについて対照サブグルー
プ(p<0.001)の比よりも有意的に高かった。こ
のことは、DNFB増感が、遅延型過敏性を評価する優
れた方法であることを示す。第2に、第1の実験の−D
グループのDNFB増感サブグループの耳の厚さの比
は、正常なマウス(1.55±0.07、n=11〜
1.80±0.19、n=12;p<0.001;図4
a)および+Dマウス(1.73±0.08、n=1
2;p<0.001)のDNFB増感サブグループの耳
の厚さの比よりも著しく低い。これらのデータは、ビタ
ミンD−不足がマウスのDTHを有意的に減少させるこ
とを示している。第3に、−D+Dマウス(1.5±
0.14、n=12)のDNFB増感サブグループの耳
の厚さの比が−Dマウス(p>0.8)のDNFB増感
サブグループの耳の厚さの比と実質的に同じであるが、
正常マウス(p=0.001)および+Dマウス(P<
0.001;図4a)のDNFB増感サブグループの耳
の厚さの比よりも有意的に低い。これらの結果は、3週
間のビタミンDの補足が血清カルシウムと25−OH−
D濃度をほぼ正常レベルに増加させた(図1および2)
が、DTH応答が応答しなかったことを証明した。第4
に、−D+Pグループ(1.62±0.12、n=1
0;図4b)および+D+Pグループ(1.64±0.
17、n=10)のDNFB増感サブグループの間の耳
の厚さの比の差は、有意的でなかった(P>0.8)。
このように、ビタミンD不足(13週)に見られる損な
われたDTH応答は、8週間ビタミンDを供給すること
により矯正され得る。
【0031】マウスの耳への 3H−チミジンの取り込み
の場合、6つの対照サブグループのすべてが、DNFB
挑戦耳の対照耳に対するほぼ同じ放射能比を有した
(1.43±0.40ないし1.91±0.32)(図
5aおよび5b)。DNFB増感サブグループと対照グ
ループとの間の放射能の比の差は、すべての6つのグル
ープについてかなり有意的であった[第1の実験で4つ
のグループについてP<0.001(図5a)および第
2の実験で−D+Pおよび+D+PグループについてP
<0.01(図5b)]。このことは、DNFB増感サ
ブグループのDNFB挑戦耳への 3H−チミジンの取り
込みが、対照サブグループへの取り込みよりも高いこと
を証明し、また、 3H−チミジン取り込みが、DTH応
答を評価する意味ある方法であることを示唆する。−D
マウスのDNFB増感サブグループについての耳の放射
能比は、正常なマウス(p<0.05;図5a)よりも
有意的に低く、+Dマウス(p=0.05)のDNFB
増感サブグループの耳の放射能比よりもほぼ有意的に低
い。−Dと−D+Dグループの間および−D+Pと+D
+Pグループの間のDNFB増感サブグループの耳の放
射能比の差は、有意的ではない(それぞれ、p>0.
1、図5aとp>0.2、図5b)。このように、3週
間にわたるビタミンDは、ビタミンD不足により誘発さ
れるき損した細胞性免疫を矯正しなかったが、8週間に
わたるビタミンDは矯正できた。
【0032】リンパ球増殖。 第1の実験の4つの対照
サブグループの胸腺リンパ球の数は、ほぼ同じであった
(図6a)。DNFB増感サブグループの胸腺リンパ球
の数は、第1の実験のすべての4つのグループについて
対照サブグループのそれよりも明らかに少なかった:そ
れぞれ、−Dグループについて58±33(n=6)対
126±35(n=6)(p<0.1)、−D+Dグル
ープについて33±23(n−6)対139±32(n
=6)(p<0.001)、+Dグループについて28
±10(n=6)対125±29(n=6)(p<0.
001)。−Dと−D+Dグループの増感グループの間
のリンパ球の数の差は、有意的でなかった(p>0.
1)。
【0033】conA(0.5μg/ウエル)による胸
腺リンパ球の刺激指標は、第1の実験のすべての4つの
対照グループについてほぼ同じであった(図6b)。D
NFB増感サブグループの刺激指標は、正常なグループ
の対照サブグループより著しく高く[78.0±43.
3(n=6)対15.9±7.7(n=6);p<0.
1]、+Dグループの対照サブグループよりも著しく高
い[66.6±7.3(n=6)対16.3±9.4
(n=6);p<0.001]、しかし−Dと−D+D
グループについては、DNFB増感サブグループと対照
サブグループのSIの間の差は、有意的でなかった:−
Dグループについて28.1±11.1(n=6)対1
7.1±12.7(n=6);p>0.1、−D+Dグ
ループについて38.7±24.8(n=6)対20.
0±12.0(n=6);P>0.1。このことは、−
Dと−D+D胸腺リンパ球は、+Dおよび正常なマウス
からのものよりもマイトジェン刺激に対して明らかに低
い応答を有していることを示している。−DマウスのD
NFB増感サブグループのSIは、正常なマウス(p=
0.02)よりも著しく低くまた+Dマウス(p<0.
001)よりも著しく低い。これらの結果は、ビタミン
D不足が、マウスの細胞性免疫を損なうという追加の証
拠を提供する。−Dと−D+DマウスのDNFB増感サ
ブグループの間のSIの差は、有意的でなかった(P>
0.3)。第2の実験から得られた結果は、対照グルー
プの間および−D+Pおよび+D+PグループのDNF
B増感サブグループの間の胸腺リンパ球の数の差が有意
的でないことを示した(それぞれP>0.3と>0.0
5;示してない)。−D+Pと+D+PグループのDN
FB増感サブグループの間および対照サブグループの間
の刺激指標の有意的な差もなかった(それぞれ、P>
0.9と>0.6;示してない)。
【0034】検討 真にビタミン不足のマウスモデルの開発は、免疫でのビ
タミンDの役割の研究のための道具をもたらした。商業
的に入手できるマウスにビタミンD不足の食餌を与えて
マウスの真のビタミンD不足を起こさせることは不可能
でないまでも難しいことである。通常、ビタミンD不足
は、25−OH−D3 およびカルシウムの血清濃度を測
定することにより確かめられる。もちろん、血清1,2
5−(OH)23 濃度も、動物がビタミンD不足かど
うかを評価する重要な指標であるが、マウスから得られ
る血液の量が、現在利用できる方法による1,25−
(OH)23 レベルの検定をはばむ。したがって、ビ
タミンD不足を確かめるのに血清カルシウムレベルと共
に血清25−OH−D濃度に依存せざるを得ない。0.
47%のカルシウムを含んだ精製−D食餌を与えた商業
的に入手可能なマウスにより、低くした25−OH−D
レベルが、達成され得た;しかしながら、血清カルシウ
ムレベルは、+Dマウスのそれとは異ならない(未公表
の観察)。したがって、血清カルシウム濃度は、マウス
のビタミンD不足のより敏感な指標であることは明らか
である。アレン(Allen(1984)J.Nut
r.,114,42−49)は、3%のカルシウムを有
する−D食餌を与えられたビタミンD不足授乳マウスの
血漿全カルシウムレベルが、+D食餌を与えられた対照
マウスのレベルと有意的に異ならないが、両グループの
間の血清25−OH−Dレベルの差は有意的であると報
告した。マウスの真のビタミンD不足を達成するため
に、妊娠母親は、妊娠後、直ちに、−D食餌を与えられ
ねばならなく、その子が不十分な食餌で維持されねばな
らない。精製ビタミンDなし食餌と紫外線なしを含め、
継続した不足が必要である。
【0035】皮膚接触反応の遅延型過敏性は、細胞性免
疫の標準的テストである。ロビンソンとネイスミス(R
obinson and Naysmith(197
5)Scand.J.Immunol.5,299−3
04)は、マウスのたんぱく質抗原に対するDTH反応
を測定する4つの異なる方法の長所を評価した:肉趾ま
たは耳の厚さの増加;耳の刺激部位への51Cr−標識
付けした同系リンパ節細胞の到達および耳の刺激部位で
125 I−標識付けした5−ヨードデオキシウリジン
(IUdR)の蓄積。刺激に続く耳の厚さの増加の直接
測定は、最も鋭敏で首尾一貫した結果を与えたので、信
頼のおける方法を提供する。耳の厚さの測定中、位置の
選択の影響を避けるためおよび耳の厚さの測定の過程で
圧力の影響を避けるため、我々は、また、耳の中への 3
H−チミジンの取り込みを用いた。この方法は、抗原に
応答して増殖する細胞が永久的な標識として 3H−チミ
ジンを取り込むという仮定に基づく。
【0036】器官から得たリンパ球または単核の細胞の
増殖も、細胞性免疫を評価するために用いられた。タバ
タ、スズキ、キクナミ、マツシタ、イノウエ、オカモ
ト、ミキ、ニシザワ及びモリイ(Tabata、Suz
uki、Kikunami、Matsushita、I
noue、Okamoto、Miki、Nishiza
wa and Morii(1986),J.Cli
n.Endocrinol.Metab.,63,12
18−1221)は、 3H−チミジン摂取により測定さ
れるとしてマイトジェンPHAおよびPWM(アメリカ
ヤマゴボウマイトジェン)に対する細胞増殖応答を直接
観察し、抹消血液単核細胞の刺激指標を用いて血液透析
を受けた患者の細胞性免疫への1α−ヒドロキシビタミ
ンD3 [1α−OH−D]の効果を評価した。本実験で
は、胸腺リンパ球の刺激指標を測定し、細胞性免疫への
ビタミンD不足の影響を評価した。胸腺リンパ球の数の
有意的な差または増感されてない−Dグループと+Dグ
ループ(または正常なグループの)の間の胸腺リンパ球
のSIの有意的な差は見いだせなかった。しかしなが
ら、増感マウスでは、−Dマウスからの胸腺リンパ球
が、+D(または正常な)マウスからのものより低い刺
激指標を与えた。プロベディニ、ルロット、ソボル、ツ
オウカス及びマノラガス(Provvedini、Ru
lot、Sobol、TsoukasおよびManol
agas(1987)J.Bone.Min.Re
s.,2,239−247)は、活性化の初期の段階の
胸腺リンパ球が生体内で1,25−(OH)23 レセ
プターたんぱく質の出現を有することを見いだし、1,
25−(OH)23 が生体内でこれらの細胞に働き得
ることを提案した。1,25−(OH)23 バインデ
ィングと胸腺リンパ球の活性化相との間の明確な相関
が、検出された(プロベディニ、ルロット、ソボル、ツ
オウカス及びマノラガス(1987)J.Bone M
in.Res.,2,239−247)。ウシおよびマ
ウスの未熟な胸腺リンパ球の1,25−(OH)23
レセプターも、見つけ出された(ラインハート、ホルス
ト、リトルダイク及びバイツ(Reinhardt,H
orst,Littledike and Beit
z)(1982)Biochem.Biophys.R
es.Commun.,106,1012−1018、
及びデイビッド、コーレン、ノボルグロツキイ及びリー
ベルマン(David,Koren,Novorgro
dsky and Liberman)(1984)B
iochem.Biophys.Res.Commu
n.123,163−169)。経口投与した1α−O
H−D3 は、腎性骨異栄養症をもったラットの胸腺退縮
を防ぐ(オオスギ、ナカノ、コモリ、ウエノ、スガワ
ラ、フクシマ、ヤマモト、ニシ、マスダ及びマツノ、1
985年、”最新のビタミンDの化学、生化学及び臨床
学”、第209−218頁、ノーマル、シャエファー、
グリゴライト及びヘラス編、デグルイタール、ベルリ
ン、ニューヨーク(Ohsugi,Nakano,Ko
mori,Ueno,Sugawara,Fukush
ima,Yamamoto,Nishi,Masuda
and Matsuno,”Vitamin D C
hemical,Biochemical and C
linical Update.”,Normal,S
chaefer,Grigoleit and Her
rath,Eds.,DeGruyter,Berli
n,New York)。1,25−(OH)23
不在は、T−リンパ球増殖を損なうことが明らかと思わ
れる。
【0037】何人かの著者(オオスギとその他上記の
者; ザラベイチア、リアンコ、フランシスコ及びゴン
ザレス−マチアス(Zarrabeitia,Rian
cho,Francisco and Gonzale
z−Macias)(1990)Nephron 5
5,110−113; ハーウイック、カルマンソン及
びグーゼ(Harwick,Kalmanson an
d Guze)(1978)Nephron 23,2
93−296; ツーライン、レビラード、ブロンチヘ
ルド及びトラエガー(Touraine,Revill
ard,Bronchiherd and Traeg
er)(1975)Nephron 14,195−2
08; カウフマン、マンツラー及びフェアー(Kau
ffman,Manzler and Phair)
(1975)Clin.Exp.Immunol.,2
2,54−61; ナクラ及びゴッジン(Nakhla
andGoggin)(1973 Immunolo
gy 24,229−235;セルース、パスターナッ
ク及びビロンライネン(Selroos,Paster
nack and Vironlainen)(197
3)Clin.Exp.Immunol.14,365
−370; 及びリッカーズ、クリスチャンセン、クリ
スチャンセン、クリスチャンセン及びロドブロ(Ric
kers,Christiansen,Chistia
nsen,Christiansenand Rodb
ro)(1985)Nephron 39,267−2
71)は、ヒトの慢性腎不全が、き損した細胞性免疫を
もたらすことを立証した。血清1,25−(OH)2
3 レベルが、血液透析した腎不全患者および血液透析し
てない腎不全患者で減少する(セルースとその他上記の
者)。1α−ヒドロキシビタミンD3 は、患者の管理で
治療学的価値を有し、細胞性免疫を回復し得る(タバタ
とその他上記の者;およびオオスギとその他上記の
者)。腎不全患者の遅延型過敏性応答の測定される指標
であるツベルクリンテスト(PPD)と1,25−(O
H)23 濃度との間の明確な相関が、報告されている
(リンド、ベングル、ゾレンセン及びリュンガル(Li
nd,Wengle,Sorensenand Lju
nghall)(1990)Exp.Clin.End
ocrinol.,95,271−274)。これらの
状況下の1,25−(OH)23 の不在は、これらの
発見の原因で十分ありうる。
【0038】試験管内と臨床の結果は、矛盾を示唆す
る:ビタミンD代謝産物は、生体内での刺激効果を除い
て、試験管内での免疫抑制効果を有する。試験管内での
実験のほとんどは、その生理学的濃度の過剰で1,25
−(OH)23 を用いて行われた。Zarrabei
tiaとその他の上記の者は、生理学的範囲(10-11
M)の濃度での1,25−(OH)23 の添加は、血
液透析患者からのリンパ球の増殖の小さいが限界的に有
意的な(11%)の増加を誘発したこと;過剰生理学的
濃度(10-9〜10-7M)は、患者および健康な被験者
の両方からの細胞に有糸分裂の顕著な抑制(対照値の6
0%まで)を誘発したことを証明した。全てのこれらの
結果が、ここでの生体内の発見により説明され得るわけ
ではないことは明白である。しかしながら、試験管内の
1,25−(OH)23 の高い濃度は生体内では達成
されないであろう。ビタミンDの不足は、生体内でき損
された細胞性免疫応答を起こすことが明白である。加え
て、3週間にわたるビタミンD投与が、ビタミンD不足
マウスの正常な細胞性免疫を回復しえないが、血清カル
シウムおよび25−OH−Dが、これらの動物で正常な
レベルに回復され得ることは興味あることである。ビタ
ミンDの長引く不足は、ビタミンDの後の投与により迅
速に直すことのできない免疫システムの進行性の欠点を
起こし得ることが可能である。ここに報告する結果は、
マウスの細胞性免疫を回復するためにはビタミンDに対
しさらに長く影響を受けること(exposure)が必要とさ
れることを示唆する。
【0039】最も重要な発見は、ビタミンD3 が、約3
週間以内でほ乳動物の免疫不全を改善させるまたは回復
させるということである。このように、ほ乳動物のビタ
ミンDの不足は、ビタミンAの不足とは異なり生体内の
免疫の不可逆的な抑制を生じない。これらの結果は、ま
た、ビタミンD3 が、直接関与して、生体内の細胞性免
疫で重要な役目を果たすという考えを支持する。
【0040】
【発明の効果】本発明方法によれば、十分な量のビタミ
ンD化合物を十分な期間投与することで、哺乳動物の免
疫不全又はき損した細胞性免疫を有効に治療ないし回復
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、第1の実験での13週齢の4つのグ
ループ(−D、−D+D、正常および+D)についての
マウス中の血清カルシウム濃度の棒グラフであり、図1
bは、第2の実験での13週間−Dまたは+D精製食餌
を与えた後8週間ペレット食餌を与えた2つのグループ
(−D+Pおよび+D+P)についてのマウス中の血清
カルシウム濃度の棒グラフである。
【図2】図2aは、第1の実験で13週間での同じ4つ
のグループについてのマウスの血清25−ヒドロキシビ
タミンD3 濃度の棒グラフであり、図2bは、第2の実
験で同じ2つのグループについてのマウスの血清25−
ヒドロキシビタミンD3濃度の棒グラフである。
【図3】図3aは、第1の実験でのマウスの脾臓の重量
へのビタミンDの補足と不足の影響の棒グラフであり、
図3bは、第2の実験について同じ影響を示す棒グラフ
である。
【図4】図4aは、第1の実験でのマウスについてのD
NFB挑戦をした耳の対照耳に対する耳の厚さ比の棒グ
ラフであり、図4bは、第2の実験のマウスについて同
じ耳の厚さ比の棒グラフである。
【図5】図5aは、第1の実験でのマウスについてのD
NFB挑戦をした耳の対照耳に対する耳放射能比の棒グ
ラフであり、図5bは、第2の実験のマウスについて同
じ耳放射能比を示す棒グラフである。
【図6】図6aは、第1の実験での4つのマウスグルー
プのリンパ球の数と胸腺の比較の棒グラフであり、図6
bは、第1の実験の同じ4つのマウスグループについて
DNFBにより増感しないマウスまたは増感したマウス
での胸腺リンパ球の刺激指標へのビタミンD不足の影響
の棒グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シヨウリ ヤン アメリカ合衆国 38111 テネシー メン フイス サザン アベニユー 3341 アパ ートメント 14 (72)発明者 ジーン エム. プラール アメリカ合衆国 53531 ウイスコンシン マデイソン ジヨージタウン シーテイ ー. 7 (72)発明者 コニー エム. スミス アメリカ合衆国 53713 ウイスコンシン マデイソン ポスト ロード 2918

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物に該哺乳動物の免疫を向上させ
    るのに十分な量のビタミンD化合物を投与することを含
    んでなる哺乳動物の免疫不全を治療する方法。
  2. 【請求項2】 該哺乳動物の該免疫不全が該哺乳動物の
    ビタミンD不足から生じたものである請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 該ビタミンD化合物が、次式 【化1】 {式中、R6 およびR7 はそれぞれ水素を示すか、また
    はR6 とR7 とが一緒になってメチレン基を示し、R8
    は水素、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシを示
    し、そしてRは次の構造 【化2】 [ここで側鎖の炭素20の立体化学中心は、配置また
    配置を有していてもよく、Zは、Y、−OY、−C
    2 OY、−C≡CYおよび−CH=CHYからなる群
    から選択され、この際、二重結合はシス立体化学配置ま
    たはトランス立体化学配置を有していてもよく、Yは水
    素、メチル、−CR5 Oおよび次の構造 【化3】 (ここで、mおよびnは、互いに独立して、0から5の
    整数を示し、R1 は、水素、ヒドロキシ、保護されたヒ
    ドロキシ、フルオロ、トリフルオロメチルおよび直鎖で
    あっても分岐していてもよく、任意にはヒドロキシ置換
    基または保護されたヒドロキシ置換基を有していてもよ
    いC1-5 アルキルからなる群から選択され、そしてR
    2 、R3 およびR4 のそれぞれは、互いに独立して、水
    素、フルオロ、トリフルオロメチルおよび直鎖であって
    も分岐していてもよく、任意にはヒドロキシ置換基また
    は保護されたヒドロキシ置換基を有していてもよいC
    1-5 アルキルからなる群から選択され、R1 とR2 とは
    一緒になった場合オキソ基、アルキリデン基、=CR2
    3 または基−(CH2p −を示し、この際、pは2
    から5の整数であり、R3 とR4 とは一緒になった場合
    オキソ基または基−(CH2q −を示し、この際qは
    2から5の整数であり、R5 は水素、ヒドロキシ、保護
    されたヒドロキシまたはC1-5 アルキルを示す)の基か
    らなる群から選択される]により表される}を有する化
    合物から選択される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 該ビタミンD化合物が、投与されるビタ
    ミンD化合物に応じて1日当たり約0.1マイクログラ
    ムから約2ミリグラムの量で投与される請求項1記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 該ビタミンD化合物が、約3週間から約
    8か月にわたり該哺乳動物に毎日投与される請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 該ビタミンD化合物を、該哺乳動物によ
    り摂取可能でかつ該哺乳動物に無毒な液体賦形剤に含む
    ようにして経口投与される請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 該ビタミンD化合物が投与に先立ち、無
    毒な薬学的に受容される担体と組み合わせられる請求項
    1記載の方法。
  8. 【請求項8】 用いられる該ビタミンD化合物がビタミ
    ンD3 である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 用いられる該ビタミンD化合物が1,2
    5−ジヒドロキシビタミンD3 である請求項1記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 用いられる該ビタミンD化合物が1α
    −ヒドロキシビタミンD3 である請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 哺乳動物の細胞性免疫を向上させるの
    に十分な量のビタミンD化合物を該哺乳動物に投与する
    ことを含んでなる哺乳動物のき損した細胞性免疫を向上
    させる方法。
  12. 【請求項12】 該細胞性免疫が、T細胞性免疫、B細
    胞性免疫、Tキラー細胞性免疫およびマクロファージ性
    免疫からなる群から選択される請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 該き損した細胞性免疫が、該哺乳動物
    のビタミンD不足から生じたものである請求項11記載
    の方法。
  14. 【請求項14】 該ビタミンD化合物が次式 【化4】 {式中、R6 およびR7 はそれぞれ水素を示すか、また
    はR6 とR7 とが一緒になってメチレン基を示し、R8
    は水素、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシを示
    し、そしてRは次の構造 【化5】 [ここで側鎖の炭素20の立体化学中心は、配置また
    配置を有していてもよく、Zは、Y、−OY、−C
    2 OY、−C≡CYおよび−CH=CHYからなる群
    から選択され、この際、二重結合はシス立体化学配置ま
    たはトランス立体化学配置を有していてもよく、Yは水
    素、メチル、−CR5 Oおよび次の構造 【化6】 (ここで、mおよびnは、互いに独立して、0から5の
    整数を示し、R1 は、水素、ヒドロキシ、保護されたヒ
    ドロキシ、フルオロ、トリフルオロメチルおよび直鎖で
    あっても分岐していてもよく、任意にはヒドロキシ置換
    基または保護されたヒドロキシ置換基を有していてもよ
    いC1-5 アルキルからなる群から選択され、そしてR
    2 、R3 およびR4 のそれぞれは、互いに独立して、水
    素、フルオロ、トリフルオロメチルおよび直鎖であって
    も分岐していてもよく、任意にはヒドロキシ置換基また
    は保護されたヒドロキシ置換基を有していてもよいC
    1-5 アルキルからなる群から選択され、R1 とR2 とは
    一緒になった場合オキソ基、アルキリデン基、=CR2
    3 または基−(CH2p −を示し、この際、pは2
    から5の整数であり、R3 とR4 とは一緒になった場合
    オキソ基または基−(CH2q −を示し、この際qは
    2から5の整数であり、R5 は水素、ヒドロキシ、保護
    されたヒドロキシまたはC1-5 アルキルを示す)の基か
    らなる群から選択される]により表される}を有する化
    合物から選択される請求項11記載の方法。
  15. 【請求項15】 該ビタミンD化合物が、投与されるビ
    タミンD化合物に応じて1日当たり約0.1マイクログ
    ラムから約2ミリグラムの量で投与される請求項11記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 該ビタミンD化合物が、約3週間から
    約8か月にわたり該哺乳動物に毎日投与される請求項1
    1記載の方法。
  17. 【請求項17】 該ビタミンD化合物を、該哺乳動物に
    より摂取可能でかつ該哺乳動物に無毒な液体賦形剤に含
    むようにして経口投与される請求項11記載の方法。
  18. 【請求項18】 該ビタミンD化合物が投与に先立ち、
    無毒な薬学的に受容される担体と組み合わせられる請求
    項11記載の方法。
  19. 【請求項19】 用いられる該ビタミンD化合物がビタ
    ミンD3 である請求項11記載の方法。
  20. 【請求項20】 用いられる該ビタミンD化合物が1,
    25−ジヒドロキシビタミンD3 である請求項11記載
    の方法。
  21. 【請求項21】 用いられる該ビタミンD化合物が1α
    −ヒドロキシビタミンD3 である請求項11記載の方
    法。
JP30737993A 1993-06-16 1993-11-12 ビタミンd化合物による免疫不全の治療方法 Pending JPH072675A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008154488A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Masami Moriyama 自然免疫機能性飲食物
JP2009508813A (ja) * 2005-08-18 2009-03-05 ビオクセル エッセ ピ ア 1α−フルオロー25−ヒドロキシ−16−23E−ジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロールの合成

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