JPH07263198A - 加速器及び真空排気装置 - Google Patents

加速器及び真空排気装置

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JPH07263198A
JPH07263198A JP4824194A JP4824194A JPH07263198A JP H07263198 A JPH07263198 A JP H07263198A JP 4824194 A JP4824194 A JP 4824194A JP 4824194 A JP4824194 A JP 4824194A JP H07263198 A JPH07263198 A JP H07263198A
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JP
Japan
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pump
anode
chamber
vacuum
accelerator
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Application number
JP4824194A
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English (en)
Inventor
Koji Tsumaki
孝治 妻木
Yoshihiko Yanagi
義彦 柳
Megumi Yamamoto
恵 山本
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Yozo Suzuki
洋三 鈴木
Toshiaki Kobari
利明 小針
Manabu Matsumoto
学 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の第1の目的は、放射光の利用効率が高
く、小型で安価な加速器を提供することにある。本発明
の第2の目的は、超高真空まで排気できる小型の真空排
気装置を提供することにある。 【構成】真空チェンバ103は、電子ビームの周回軌道
106を覆うビーム室1と、ビームからの放射光を通過
させるスロット2と、真空排気ポンプを設置するポンプ
室3と、ポンプ室3とビーム室1を連通するポンピング
スロット4とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加速器に係り、特に放射
光を出射して利用するのに好適な加速器及びこれに用い
る真空排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超高真空を必要とする加速器とし
ては、例えば、SPring−8 PROJECT,PART I, FACILITY D
ESIGN 1990 [DRAFT], February 1991, P2−103, JAERI
−RIKEN SPring−8 Project Teamに記載の放射光用電子
蓄積リングがある。本従来例では、真空チェンバが、ビ
ームの通るビーム室と、分布型イオンポンプ(Distribu
ted Ion Pump、以下、DIPポンプと呼ぶ)を設置する
DIP室と、非蒸発型ゲッターポンプ(Non Evaporable
Getter Pump、以下、NEGポンプと呼ぶ)を設置する
NEG室とから構成され、DIPポンプとNEGポンプ
は別々の室に設置されている。ビーム室の真空排気は、
NEGポンプのゲッター作用による気体分子の吸着、及
びDIPポンプによる不活性ガスの吸着で行われる。
【0003】電子ビームはビーム室のほぼ中心軌道を通
過し、放射光を軌道の接線方向に放出する。接線方向に
放出された放射光は、ポンピングスロットを通って、一
部はNEG室を通って、リング外に導かれる構造となっ
ている。
【0004】他に、電子蓄積リングや電子シンクロトロ
ンの偏向部の電子軌道の内側に、イオンポンプ等の組込
みポンプを配置した従来技術として、特開昭62−133700
号,特開昭63−269500号,特開平1−120800号、及び特
開平4−363900号公報に記載のものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記第1の従来技術で
は、放射光がNEGポンプや他の構成部品に当ってこれ
を溶かしたり、ガスを放出して真空度を低下させたり、
放射光の出射効率(利用効率)が低下するなどの問題が
ある。これらを避けるためには、NEG室をNEGポンプ
の数倍の大きさにしたり、NEGポンプ自身をNEG室
より十分小さくする必要がある。
【0006】しかし、NEG室をNEGポンプの数倍の
大きさにすると、NEG室が大きくなり、加速器の蓄積
リングそのものが大型化してしまう。また、NEGポン
プをNEG室より十分小さくすると、真空排気能力が低
下して超高真空の達成が困難となる。更に、このような
真空チェンバはほとんど押出によって作るため、複雑な
形状の寸法精度を出すことが極めて困難で、押出の歩止
まりが非常に悪い。
【0007】また、第2乃至第5の従来技術では、組込
みポンプを小型にして電子蓄積リング又は電子シンクロ
トロン自体を小型にすると、組込みポンプの排気能力が
不足して、十分な超高真空を得ることができない場合が
ある。この場合は、周回する電子ビームが残留ガスとの
衝突で失われてしまうので、取り出せる放射光の量が減
り、ひいては放射光の利用効率の低下をまねく。
【0008】本発明の第1の目的は、放射光の利用効率
が高く、小型で安価な加速器を提供することにある。
【0009】本発明の第2の目的は、超高真空まで排気
できる小型の真空排気装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための第1の手段は、荷電粒子ビームを周回させて放
射光を取り出す加速器において、ビーム周回軌道の内側
の偏向磁場が存在する領域にイオンポンプ及びゲッター
ポンプを一体化して構成した真空排気装置を設け、ビー
ム周回軌道の外側に放射光取出口を設けた加速器とした
ものである。
【0011】また、第1の目的を達成するための第2の
手段は、真空チェンバ内で荷電粒子ビームを周回させて
放射光を取り出す加速器において、前記真空チェンバ
は、ビーム周回軌道を覆うビーム室と、ビーム周回軌道
の外側に位置し該ビーム室から前記放射光を取り出す放
射光取出室と、ビーム周回軌道の内側に位置し前記ビー
ム室の真空排気を行う真空排気装置を内蔵する真空排気
室とで構成され、前記真空排気装置はイオンポンプ及び
ゲッターポンプを一体化して構成され、偏向磁場の存在
する領域に設置される加速器としたものである。
【0012】また、第2の目的を達成するための第3の
手段は、アノードと、該アノードの上側及び下側に設け
た上部カソード及び下部カソードとを有するイオンポン
プを備え、前記上部カソードの上側又は前記下部カソー
ドの下側のうち少なくとも一方に、ジュール加熱で表面
を活性化してガスを吸着するストリップを設けて、ゲッ
ターポンプを構成した真空排気装置としたものである。
【0013】また、第2の目的を達成するための第4の
手段は、アノードと、該アノードの上側及び下側に設け
た上部カソード及び下部カソードとを有するイオンポン
プを備え、前記上部カソード又は前記下部カソードのう
ち少なくとも一方を、ジュール加熱で表面を活性化して
ガスを吸着するストリップとして用いて、ゲッターポン
プを構成した真空排気装置としたものである。
【0014】また、第2の目的を達成するための第5の
手段は、アノードと、該アノードの上側及び下側に設け
た上部カソード及び下部カソードとを有するイオンポン
プを備え、前記アノードの側面に、ジュール加熱で表面
を活性化してガスを吸着するストリップを設けて、ゲッ
ターポンプを構成した真空排気装置としたものである。
【0015】
【作用】第1及び第2の手段によれば、真空排気装置を
ビーム周回軌道の内側に配置することにより、加速器本
体を構成する真空チェンバの外形を小型にできると共
に、真空チェンバの構造が簡単になるので、製作コスト
も低減できる。また、真空排気装置が放射光の取り出し
の邪魔になることがないため、ビーム周回軌道の外側の
位置に必要な数の放射光取出口を設置できるので、放射
光の利用効率を高めることができる。更に、偏向磁場の
影響により、イオンポンプで残留ガスをイオン化する電
子の飛行距離を十分長く取ることができるため、イオン
ポンプとゲッターポンプを一体で小型に構成しても、両
方のポンプの吸着能力を効果的に利用できる。従って、
真空排気装置を小型にして真空チェンバを小型化しても
十分な超高真空を得ることができるので、残留ガスによ
るビーム損失を低減し、放射光の利用効率を向上するこ
とができる。
【0016】また、第3乃至第5の手段によれば、超高
真空用に用いることができるイオンポンプとゲッターポ
ンプとを一体型でコンパクトに構成でき、ゲッターポン
プで吸着しない不活性ガスもイオンポンプで確実に吸着
できるので、小型の真空排気装置でも超高真空まで排気
することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1〜図4を
用いて説明する。図1は放射光を取り出して工業用又は
物理実験用に利用する加速器に本発明を適用した第1の
実施例を示す図、図2は図1のA−A矢視図、図3は図
2のB−B矢視図、図4は図3のC−C矢視図である。
本加速器は、電子を中程度のエネルギーまで加速して出
射するライナック200と、ライナック200から出射
された電子ビームを最終エネルギーまで加速するシンク
ロトロン201と、シンクロトロン201から出射され
たビームを蓄積する蓄積リング202とで構成される。
【0018】蓄積リング202は、ビーム軌道を補正す
る4極電磁石101,ビームを偏向する偏向電磁石10
2,ビームの周回軌道106を覆い、内部が真空排気さ
れる真空チェンバ103,真空チェンバ103内を超高
真空に排気する真空排気ポンプ104などで構成され
る。
【0019】図2に図1のA−A矢視図を示す。真空チ
ェンバ103は、電子ビームの周回軌道106(ビーム
は図2の紙面を上面から下面に周回する)を覆うビーム
室1と,ビームからの放射光を通過させるスロット2
と,真空排気ポンプを設置するポンプ室3と,ポンプ室
3とビーム室1を連通するポンピングスロット4とを備
える。ビーム室1の周囲には温水ベーキングのための温
水チャンネル5が設けてある。
【0020】偏向電磁石102は、真空チェンバ103
を上下から挟むように配置される断面がコの字型のコア
102aと、コア102aの対向した磁極に巻かれたコ
イル102bとで構成され、磁極間に発生する偏向磁場
がビーム室1及びポンプ室3を上下方向(垂直方向)に
貫くようにしている。
【0021】ポンプ室3はビーム室1の内側、即ちビー
ムの周回軌道106の内側に位置し、スロット2から取
り出す放射光の通路を妨害しないようにしている。この
ように、真空チェンバ103の内側にポンプ室3を配置
することにより、蓄積リング202の外形を小型にでき
る。また、真空排気ポンプが放射光の取り出しの邪魔に
なることがないため、ビーム周回軌道の外側の位置に必
要な数の放射光取出口を設置できるので、放射光の利用
効率を向上することができる。
【0022】また、偏向電磁石102の発生する偏向磁
場がビーム室1及びポンプ室3を上下方向に貫くように
配置しているので、ビームの偏向を確実に行うと共に、
ポンプ室3に設置するDIPポンプ部(分布型イオンポ
ンプ部)6での真空排気能力を効果的に高めている。即
ち、偏向磁場の影響により、イオンポンプで残留ガスを
イオン化する電子の飛行距離を十分長く取ることができ
るので、真空排気ポンプを小型にしても真空チェンバ内
を十分な超高真空まで排気することができる。ポンプ室
3に設置する真空ポンプは、DIPポンプ部6とNEG
ポンプ部(非蒸発型ゲッターポンプ部)7で構成され
る。DIPポンプ部6は、高電圧を印加する5枚の板状
のアノード8と、アノード8を上下から挟むように配置
した2枚のカソード9と、DIPポンプ間を周回方向に
連結する連結部10とからなる。カソード9から放出さ
れた電子は、カソード9とアノード8の間の電界(DI
P電界)で加速され、ポンプ室3内に存在するガスをイ
オン化する。こうしてイオン化されたガスは、DIP電
界でカソード9の方に加速され、カソード9の表面に直
接吸着したり、カソード9の表面をスパッタして新たに
現れた面に吸着したりする。このようにして、DIPポ
ンプによる真空排気が行われる。カソード9としては、
チタン材などを用いることができる。
【0023】アノード8には直径15mm程度の穴22が
開いており、5〜10kVの高電圧を印加できるように
なっている。中央のアノード板11が上下にある他のア
ノード板12より厚くなっており、このアノード板11
でアノード全体を支える構造となっている。アノード板
の支持は、セラミックス製ブッシュ13やブッシュ13
に汚れが付着するのを防ぐ保護キャップ14で行われ
る。
【0024】DIPポンプの各ユニット間を連結する連
結部10は、真空チェンバ103が曲がっているため、
真空チェンバ103に沿って挿入できるようにバネ構造
となっているカソード接続板14aと、アノード接続板
15及び連結ピン16からなる。これにより4個のユニ
ットを連結して一式分のDIPポンプ部が構成される。
【0025】NEGポンプ部7は、DIPポンプのカソ
ード9上に設置したベースプレート17と、ガスを吸着
するNEGストリップ18と、NEGストリップ18を
支持するサポート19等で構成される。サポート19と
ベースプレート17は、アルミナセラミックス製の絶縁
板20により絶縁されている。NEGストリップ18の
両端はフィードスルー21に接続され、NEGストリッ
プ18に通電可能な構造となっている。
【0026】フィードスルー21を介してNEGストリ
ップ18に通電することによってジュール加熱で表面を
活性化し、ガスをNEGストリップ18の表面に吸着し
て、ポンプ室3内の真空排気を行う。尚、NEGストリ
ップ18はポンプ室3の曲率によっては、DIPポンプ
のようにユニット単位に分割して構成してもよい。
【0027】このように、DIPポンプとNEGポンプ
を一体化した真空排気ポンプを構成することにより、N
EGポンプで吸着しない不活性ガスもDIPポンプで確
実に吸着できるので、小型でも超高真空まで排気するこ
とができる。従って、残留ガスによるビーム損失を低減
し、放射光の利用効率を向上することができる。
【0028】実際に用いる真空排気装置は、図11に示
すようにDIPポンプとNEGポンプを一体化した真空
排気ポンプと、偏向電磁石のコア29(30はコイル)
で上下を挟まれ、真空排気ポンプを収納する真空容器3
6と、フィードスルー21を介してDIPポンプのアノ
ード8に高電圧を供給するDIPポンプ電源34と、フ
ィードスルー21を介してNEGポンプのストリップに
電流を供給するNEGポンプ電源33とから構成され
る。
【0029】次に、真空排気ポンプによる真空排気手順
について説明する。まず、蓄積リング202の偏向電磁
石102が配置されていない位置に接続したロータリー
ポンプおよびターボ分子ポンプ(図示せず)を用いて真
空チェンバ103内を10-7Torr 台まで粗引きする。
次に、NEGストリップ18に通電して約450℃にス
トリップを加熱する。この状態を1時間程度保持するこ
とによってストリップが活性化され、超高真空の排気を
行う。但し、不活性ガスはNEGストリップに吸着され
ないので、DIPポンプに約5kVの高電圧を印加して
不活性ガスを電離させ、カソードにガスを吸着させる。
このようにして10-10Torr台の超高真空が得られる。
【0030】次に、本実施例における真空チェンバ10
3の構造について、図9及び図10を用いて説明する。
図9は真空チェンバ103のビーム周回方向に垂直な断
面図、図10は図9のD−D矢視図である。蓄積リング
202を構成する真空チェンバ103のポンプ室3とビ
ーム室1は、周回方向に連続したスリット26で連通さ
れており、その両端部28は中心部材27を固定するた
め真空チェンバ103に溶接止めされている。
【0031】このように周回方向に連続したスリット2
6を設けることにより、ビーム室1内をポンプ室3に設
置した真空ポンプで超高真空まで排気することができ
る。また、このようなスリット形状にしても、真空チェ
ンバ103の幅(図9の横方向の長さ)が短いために、
大気との圧力差によるチェンバ中心のへこみも問題ない
程度に小さくできるので、強度的にも十分な真空チェン
バとすることができる。更に、スリット状の連通口を採
用できるため、ビーム室1,スロット2及びポンプ室3
が一体で、押出しにより真空チェンバ103を製作可能
となるので、製作が非常に簡単になり、ひいては真空チ
ェンバのコスト低減につながる。
【0032】また、真空チェンバの構造が単純になるた
め、押出によって作る真空チェンバの寸法精度が得易
い。例えば、従来では15m押し出しても中心の3mの
部分しか精度内に入らなかったものが、ほぼ全長に渡っ
て精度内に入り、歩止りが飛躍的に向上する。この結
果、真空チェンバの製作コストを低減でき、真空チェン
バを安価にすることができる。
【0033】また、押出時にポンピングスロットを形成
することができるので、従来のように、後でパンチング
や切削による穴加工をする必要がなくなる。更に、真空
チェンバの断面形状が単純になった分だけ端面加工が楽
になり、工数を低減できる。NEGポンプについても、
放射光との干渉を考える必要がないので、構造を単純化
することができる。
【0034】尚、上記実施例では蓄積リングにDIPポ
ンプ及びNEGポンプの一体型真空ポンプを設けた例に
ついて説明したが、この一体型真空ポンプをシンクロト
ロンにも用いて加速器を更に小型にすることも可能であ
る。
【0035】次に、図5を用いて本発明を真空排気装置
に適用した第2の実施例を説明する。真空チェンバ及び
DIPポンプ部の構造は第1の実施例と同一であるの
で、ここでは説明を省略する。本実施例の真空ポンプ
は、DIPポンプ部6の上側及び下側の両方にNEGポ
ンプ部を設置して構成される。即ち、DIPポンプ部6
の上部カソード9の上側と、下部カソード9の下側に絶
縁板20を介してNEGストリップ18が接続されてい
る。ここで、NEGストリップ18もDIPポンプ部6
と同じようにユニット単位で構成され、各ユニットのN
EGストリップ18は、導線により電気的に接続され
る。
【0036】本実施例はこのような構成を備えることに
より、上部と下部の両方に設けたNEGストリップ18
で残留ガスを吸着できるので、第1の実施例の真空ポン
プによりも真空排気能力を向上することができる。
【0037】次に、図6を用いて本発明を真空排気装置
に適用した第3の実施例を説明する。真空チェンバ及び
DIPポンプ部6のアノードの構造は第1の実施例と同
一である。本実施例では、DIPポンプ部6の下部カソ
ードをNEGポンプ部のNEGストリップで構成する。即
ち、図6の23はカソード兼ストリップである。カソー
ド兼ストリップ23は、絶縁板20を下側に設置して真
空チェンバと電気的に絶縁している。
【0038】本実施例はこのような構成を備えることに
より、第1の実施例の真空ポンプにおけるNEGストリ
ップを省くことができるので、第1の実施例よりも構造
が簡単で小型の真空ポンプを構成することができる。
【0039】次に、図7を用いて本発明を真空排気装置
に適用した第4の実施例を説明する。真空チェンバの構
造は第1の実施例と同一である。本実施例では、DIP
ポンプ部のアノード及びカソードをNEGポンプ部のN
EGストリップで構成する。即ち、図7の23はカソー
ド兼ストリップ、24はアノード兼ストリップである。
但し、中央のアノード板11はアノード全体を支えるた
めにSUS板とする。各ユニット間は、アノード及びカ
ソードそれぞれ独立に導線により電気的に接続される。
【0040】本実施例も第3の実施例と同様に、第1の
実施例の真空ポンプにおけるNEGストリップを省くこ
とができるので、第1の実施例よりも構造が簡単で小型
の真空ポンプを構成することができる。また、中央のア
ノード板11を除いて全てがストリップとして作用する
ので、真空排気能力を向上することもできる。
【0041】次に、図8を用いて本発明を真空排気装置
に適用した第5の実施例を説明する。真空チェンバ及び
DIPポンプ部の構造は第1の実施例と同一である。本
実施例では、DIPポンプ部の側面にNEGストリップ
25を配置している。NEGストリップ25は絶縁板2
0を介してカソード9に設置されており、各ユニット間
は導線により電気的に接続される。
【0042】本実施例はNEGストリップ25の電位を
適切に設定することにより、NEGストリップ25をD
IPポンプ部のカソードとしても機能させることができ
るので、第1の実施例の真空ポンプよりも真空排気能力
を向上することができる。尚、本実施例ではNEGスト
リップ25をアノード板11及び12と垂直に配置して
いるが、例えば、NEGストリップ25をアノード板1
1の側面に平行に配置してもよく、その向きには特に制
限はない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
真空排気装置をビーム周回軌道の内側に配置することに
よって真空チェンバの外形を小型にできるので、小型で
安価な加速器とすることができる。また、真空排気装置
が放射光の取り出しの邪魔にならないので、放射光の利
用効率を高めることができる。更に、偏向磁場の作用を
利用してイオンポンプとゲッターポンプの吸着能力を効
果的に発揮できるため、真空排気装置を小型にしても真
空チェンバ内を十分な超高真空に排気できるので、残留
ガスによるビーム損失を低減し放射光の利用効率を向上
することができる。
【0044】また、本発明によれば、イオンポンプとゲ
ッターポンプとを一体型でコンパクトに構成し、ゲッタ
ーポンプで吸着しない不活性ガスもイオンポンプで確実
に吸着できるので、小型の真空排気装置でも超高真空ま
で排気することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射光を取り出して工業用又は物理実験用に利
用する加速器に本発明を適用した第1の実施例を示す
図。
【図2】図1のA−A矢視図。
【図3】図2のB−B矢視図。
【図4】図3のC−C矢視図。
【図5】本発明を真空排気装置に適用した第2の実施例
を示す図。
【図6】本発明を真空排気装置に適用した第3の実施例
を示す図。
【図7】本発明を真空排気装置に適用した第4の実施例
を示す図。
【図8】本発明を真空排気装置に適用した第5の実施例
を示す図。
【図9】真空チェンバのビーム周回方向に垂直な断面
図。
【図10】図9のD−D矢視図。
【図11】第1の実施例の真空排気装置の説明図。
【符号の説明】
1…ビーム室、2…スロット、3…ポンプ室、4…ポン
ピングスロット、6…DIPポンプ部、7…NEGポン
プ部、8…アノード、9…カソード、10…連結部、1
1,12…アノード板、13…セラミックスブッシュ、
14…保護キャップ、14a…カソード接続板、16…
連結ピン、17…ベースプレート、18,25…NEG
ストリップ、18a…導線、19…サポート、20…絶
縁板、21…フィードスルー、22…アノード穴、23
…カソード兼ストリップ、24…アノード兼ストリッ
プ、26…スリット、101…4極電磁石、102…偏
向電磁石、103…真空チェンバ、104…真空排気ポ
ンプ、106…ビーム周回軌道、200…ライナック、
201…シンクロトロン、202…蓄積リング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 啓之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 鈴木 洋三 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小針 利明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 松本 学 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子ビームを周回させて放射光を取り
    出す加速器において、 ビーム周回軌道の内側の偏向磁場が存在する領域にイオ
    ンポンプ及びゲッターポンプを一体化して構成した真空
    排気装置を設け、 ビーム周回軌道の外側に放射光取出口を設けたことを特
    徴とする加速器。
  2. 【請求項2】荷電粒子ビームを周回させて放射光を取り
    出す加速器において、 前記ビームを偏向する2極磁場を発生する磁場発生手段
    と、 前記2極磁場が存在する領域のうち、ビーム周回軌道の
    内側の領域に設けたイオンポンプ及びゲッターポンプの
    一体化した真空排気装置と、 ビーム周回軌道の外側に設けた放射光取出口とを備えた
    ことを特徴とする加速器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記イオンポン
    プのアノードとカソード間の電場の方向が前記偏向磁場
    又は2極磁場の方向と概ね一致することを特徴とする加
    速器。
  4. 【請求項4】真空チェンバ内で荷電粒子ビームを周回さ
    せて放射光を取り出す加速器において、 前記真空チェンバは、ビーム周回軌道を覆うビーム室
    と、ビーム周回軌道の外側に位置し該ビーム室から前記
    放射光を取り出す放射光取出室と、ビーム周回軌道の内
    側に位置し前記ビーム室の真空排気を行う真空排気装置
    を内蔵する真空排気室とで構成され、 前記真空排気装置はイオンポンプ及びゲッターポンプを
    一体化して構成され、偏向磁場の存在する領域に設置さ
    れることを特徴とする加速器。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記真空排気室と前記
    ビーム室との連通部は、ビーム周回軌道方向に細長いス
    リット状の形状を有することを特徴とする加速器。
  6. 【請求項6】アノードと、該アノードの上側及び下側に
    設けた上部カソード及び下部カソードとを有するイオン
    ポンプを備え、 前記上部カソードの上側又は前記下部カソードの下側の
    うち少なくとも一方に、ジュール加熱で表面を活性化し
    てガスを吸着するストリップを設けて、ゲッターポンプ
    を構成したことを特徴とする真空排気装置。
  7. 【請求項7】アノードと、該アノードの上側及び下側に
    設けた上部カソード及び下部カソードとを有するイオン
    ポンプを備え、 前記上部カソード又は前記下部カソードのうち少なくと
    も一方を、ジュール加熱で表面を活性化してガスを吸着
    するストリップとして用いて、ゲッターポンプを構成し
    たことを特徴とする真空排気装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、更に前記アノードを前
    記ストリップで構成したことを特徴とする真空排気装
    置。
  9. 【請求項9】アノードと、該アノードの上側及び下側に
    設けた上部カソード及び下部カソードとを有するイオン
    ポンプを備え、 前記アノードの側面に、ジュール加熱で表面を活性化し
    てガスを吸着するストリップを設けて、ゲッターポンプ
    を構成したことを特徴とする真空排気装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記ストリップは前
    記アノードを囲むように設けられたことを特徴とする真
    空排気装置。
  11. 【請求項11】請求項6乃至10の何れかに記載の真空
    排気装置と、前記イオンポンプのアノードに高電圧を供
    給する第1の電源と、前記ゲッターポンプのストリップ
    に電流を供給する第2の電源とを備えることを特徴とす
    る真空排気装置。
  12. 【請求項12】荷電粒子ビームを周回させて放射光を取
    り出す加速器において、 ビーム周回軌道の内側の偏向磁場が存在する領域に、請
    求項6乃至10の何れかに記載の真空排気装置を設け、 ビーム周回軌道の外側に放射光取出口を設けたことを特
    徴とする加速器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8342813B2 (en) 2008-03-28 2013-01-01 Saes Getters S.P.A. Combined pumping system comprising a getter pump and an ion pump
CN103079333A (zh) * 2012-12-26 2013-05-01 江苏达胜加速器制造有限公司 一种用于电子辐照加速器的真空抽气装置
CN113301704A (zh) * 2021-05-17 2021-08-24 中国科学院近代物理研究所 一种抑制差分系统充气气流效应的装置及方法
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