JPH07260560A - 車外騒音測定システム及び車外騒音測定方法 - Google Patents
車外騒音測定システム及び車外騒音測定方法Info
- Publication number
- JPH07260560A JPH07260560A JP6049016A JP4901694A JPH07260560A JP H07260560 A JPH07260560 A JP H07260560A JP 6049016 A JP6049016 A JP 6049016A JP 4901694 A JP4901694 A JP 4901694A JP H07260560 A JPH07260560 A JP H07260560A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vehicle
- virtual
- noise
- noise signal
- signal receiving
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- Pending
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- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両を実際に走行させることもなく、またマ
イクを逆方向に移動させることもなく、車両の騒音を測
定することができるようにする。 【構成】 車両V1が位置固定かつ車輪回転可能状態で
支持されることによって車両V1が仮想走行路上を仮想
的に走行している状態で設置されるシャシダイナモ12
と、車両V1の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風
を車両V1に対して送る風洞装置18と、仮想走行路に
沿って位置固定状態で設置され、仮想走行状態の車両V
1からの騒音信号を受信する3個のマイクMa,Mb,
Mcと、マイクMa,Mb,Mcからの信号に基づい
て、車両V1が実際に走行した際に所定の基準測定位置
で測定したのと同様の測定結果を演算する演算装置30
とを有する。
イクを逆方向に移動させることもなく、車両の騒音を測
定することができるようにする。 【構成】 車両V1が位置固定かつ車輪回転可能状態で
支持されることによって車両V1が仮想走行路上を仮想
的に走行している状態で設置されるシャシダイナモ12
と、車両V1の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風
を車両V1に対して送る風洞装置18と、仮想走行路に
沿って位置固定状態で設置され、仮想走行状態の車両V
1からの騒音信号を受信する3個のマイクMa,Mb,
Mcと、マイクMa,Mb,Mcからの信号に基づい
て、車両V1が実際に走行した際に所定の基準測定位置
で測定したのと同様の測定結果を演算する演算装置30
とを有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両から外部に発せ
られる騒音を測定する車外騒音測定システム及び測定方
法に関するものである。
られる騒音を測定する車外騒音測定システム及び測定方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の騒音測定システム及び方法として
は次のようなものがある。図9に示すように、直線状の
走行路から距離Lyの位置にマイクNが設置されており、
走行路上を実際に車両V2を走行させる。そして、進入
地点から中間地点を経て脱出地点までのゾーンを定速度
で走行している際にマイクNがキャッチする騒音を計測
するのである。なお、進入地点と中間地点の間及び中間
地点と脱出地点の間の距離はともにLxである。
は次のようなものがある。図9に示すように、直線状の
走行路から距離Lyの位置にマイクNが設置されており、
走行路上を実際に車両V2を走行させる。そして、進入
地点から中間地点を経て脱出地点までのゾーンを定速度
で走行している際にマイクNがキャッチする騒音を計測
するのである。なお、進入地点と中間地点の間及び中間
地点と脱出地点の間の距離はともにLxである。
【0003】しかしながら、このシステム及び方法で
は、実際に車両を走行させることから、広いスペースを
必要とするため、通常は屋外で行われる。しかしなが
ら、屋外では、車両の騒音以外の騒音(暗騒音といわれ
ている)も存在するため、正確に車両の騒音測定をする
ことは困難である。また、飛行機の騒音等突発的な大き
な騒音が発生した場合には、騒音測定をやり直さなけれ
ばならない。また、雨や風等の気象条件にも左右される
こととなる。
は、実際に車両を走行させることから、広いスペースを
必要とするため、通常は屋外で行われる。しかしなが
ら、屋外では、車両の騒音以外の騒音(暗騒音といわれ
ている)も存在するため、正確に車両の騒音測定をする
ことは困難である。また、飛行機の騒音等突発的な大き
な騒音が発生した場合には、騒音測定をやり直さなけれ
ばならない。また、雨や風等の気象条件にも左右される
こととなる。
【0004】このため、この欠点を回避したシステム及
び方法がすでに開発されている(特公平3−316
9)。このシステム及び方法では、無響室内において車
輪回転可能状態で車両を位置固定的に設置して、車両を
実際に走行させる代わりにマイクを逆方向に移動させ
て、その際にマイクがキャッチする騒音を測定するので
ある。
び方法がすでに開発されている(特公平3−316
9)。このシステム及び方法では、無響室内において車
輪回転可能状態で車両を位置固定的に設置して、車両を
実際に走行させる代わりにマイクを逆方向に移動させ
て、その際にマイクがキャッチする騒音を測定するので
ある。
【0005】しかしながら、このシステム及び方法で
は、マイクを車両の走行速度で移動させることから、そ
の際に生じる風切り音もキャッチしてしまうこととな
り、正確な騒音測定をすることができない。
は、マイクを車両の走行速度で移動させることから、そ
の際に生じる風切り音もキャッチしてしまうこととな
り、正確な騒音測定をすることができない。
【0006】そこで、本発明は、車両を実際に走行させ
ることもなく、またマイクを逆方向に移動させることも
なく、車両の騒音を測定することができるシステム及び
方法を提供することを課題とする。
ることもなく、またマイクを逆方向に移動させることも
なく、車両の騒音を測定することができるシステム及び
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に係る発明は、車両が位置固定かつ車輪
回転可能状態で支持されることによってその車両が仮想
走行路上を仮想的に走行している状態で設置される車両
設置部と、前記車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向
きの風を前記車両に対して送る風洞装置と、前記仮想走
行路に沿って位置固定状態で設置され、前記仮想走行状
態の車両からの騒音信号を受信する複数個の騒音信号受
信装置と、その複数個の騒音信号受信装置からの信号に
基づいて、前記車両が実際に走行した際に所定の基準測
定位置で測定したのと同様の測定結果を演算する演算装
置とを有することを特徴とする。
めに、請求項1に係る発明は、車両が位置固定かつ車輪
回転可能状態で支持されることによってその車両が仮想
走行路上を仮想的に走行している状態で設置される車両
設置部と、前記車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向
きの風を前記車両に対して送る風洞装置と、前記仮想走
行路に沿って位置固定状態で設置され、前記仮想走行状
態の車両からの騒音信号を受信する複数個の騒音信号受
信装置と、その複数個の騒音信号受信装置からの信号に
基づいて、前記車両が実際に走行した際に所定の基準測
定位置で測定したのと同様の測定結果を演算する演算装
置とを有することを特徴とする。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、前記騒音信号受信装置が各々前記仮想走行
路の仮想原点、仮想中間点及び仮想終点に対応して3個
設けられ、前記車両が前記仮想中間点上に設置されてい
ることを特徴とする。
明であって、前記騒音信号受信装置が各々前記仮想走行
路の仮想原点、仮想中間点及び仮想終点に対応して3個
設けられ、前記車両が前記仮想中間点上に設置されてい
ることを特徴とする。
【0009】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に係る発明であって、前記騒音信号受信装置が受信
する騒音信号を周波数ごとに分析する周波数分析装置を
有し、前記演算装置が前記周波数ごとに分析された騒音
信号について演算するものであることを特徴とする。
項2に係る発明であって、前記騒音信号受信装置が受信
する騒音信号を周波数ごとに分析する周波数分析装置を
有し、前記演算装置が前記周波数ごとに分析された騒音
信号について演算するものであることを特徴とする。
【0010】請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項
3のいずれかに係る発明であって、前記車両の仮想走行
位置と前記基準測定位置との間の角度に対応して、前記
車両に対する前記各騒音信号受信装置の角度を回動させ
る回動機構が設けられていることを特徴とする。
3のいずれかに係る発明であって、前記車両の仮想走行
位置と前記基準測定位置との間の角度に対応して、前記
車両に対する前記各騒音信号受信装置の角度を回動させ
る回動機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】請求項5に係る発明は、車両が位置固定か
つ車輪回転可能状態で支持されることによってその車両
が仮想走行路上を仮想的に走行している状態で設置され
る車両設置部と、前記車両の仮想走行速度と同速度でか
つ逆向きの風を前記車両に対して送る風洞装置と、前記
仮想走行路に沿って位置固定状態で設置され、前記仮想
走行状態の車両からの騒音信号を受信する複数個の騒音
信号受信装置と、その複数個の騒音信号受信装置を前記
車両の仮想的な走行の速度と同速度かつ逆方向の速度で
スキャンして前記車両が実際に走行した際と同様の測定
結果を演算する演算装置とを有することを特徴とする。
つ車輪回転可能状態で支持されることによってその車両
が仮想走行路上を仮想的に走行している状態で設置され
る車両設置部と、前記車両の仮想走行速度と同速度でか
つ逆向きの風を前記車両に対して送る風洞装置と、前記
仮想走行路に沿って位置固定状態で設置され、前記仮想
走行状態の車両からの騒音信号を受信する複数個の騒音
信号受信装置と、その複数個の騒音信号受信装置を前記
車両の仮想的な走行の速度と同速度かつ逆方向の速度で
スキャンして前記車両が実際に走行した際と同様の測定
結果を演算する演算装置とを有することを特徴とする。
【0012】請求項6に係る発明は、車両が位置固定か
つ車輪回転可能状態で支持されることによってその車両
が仮想走行路上を仮想的に走行している状態とされ、か
つその車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風が
その車両に対して送られた状態において、前記仮想走行
路に沿って位置固定状態で設置された複数個の騒音信号
受信装置によって、前記仮想走行状態の車両からの騒音
信号を受信する騒音信号受信工程と、その複数個の騒音
信号受信装置からの信号に基づいて、前記車両が実際に
走行した際に所定の基準測定位置で測定したのと同様の
測定結果を演算する演算工程とを有することを特徴とす
る。
つ車輪回転可能状態で支持されることによってその車両
が仮想走行路上を仮想的に走行している状態とされ、か
つその車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風が
その車両に対して送られた状態において、前記仮想走行
路に沿って位置固定状態で設置された複数個の騒音信号
受信装置によって、前記仮想走行状態の車両からの騒音
信号を受信する騒音信号受信工程と、その複数個の騒音
信号受信装置からの信号に基づいて、前記車両が実際に
走行した際に所定の基準測定位置で測定したのと同様の
測定結果を演算する演算工程とを有することを特徴とす
る。
【0013】
【作用】請求項1に係る発明においては、仮想走行状態
の車両から発せられる騒音信号が位置固定状態の複数個
の騒音信号受信装置によって受信され、その騒音信号受
信装置からの信号に基づいて、演算装置によって車両が
実際に走行したと同様の測定結果が演算される。このた
め、車両を実際に走行させなくても車両が実際に走行し
たと同様の騒音をシミュレーションによって求めること
ができる。
の車両から発せられる騒音信号が位置固定状態の複数個
の騒音信号受信装置によって受信され、その騒音信号受
信装置からの信号に基づいて、演算装置によって車両が
実際に走行したと同様の測定結果が演算される。このた
め、車両を実際に走行させなくても車両が実際に走行し
たと同様の騒音をシミュレーションによって求めること
ができる。
【0014】請求項2に係る発明においては、3個の騒
音信号受信装置によって請求項1の発明の作用が得られ
る。このため、騒音信号受信装置をそれ以上設置するよ
りも設備コストを低く抑えることができる。
音信号受信装置によって請求項1の発明の作用が得られ
る。このため、騒音信号受信装置をそれ以上設置するよ
りも設備コストを低く抑えることができる。
【0015】請求項3に係る発明においては、騒音信号
受信装置が受信する騒音信号が周波数分析装置によって
周波数ごとに分析され、それについて演算装置によって
演算される。周波数によって、騒音源(車両)からの距
離による音の減衰や、騒音源(車両)と騒音信号受信装
置との間の角度に基づく指向性減衰の度合いが異なるた
め、周波数ごとにそれらの処理が行われるのである。こ
のため、騒音測定の精度がその分向上する。
受信装置が受信する騒音信号が周波数分析装置によって
周波数ごとに分析され、それについて演算装置によって
演算される。周波数によって、騒音源(車両)からの距
離による音の減衰や、騒音源(車両)と騒音信号受信装
置との間の角度に基づく指向性減衰の度合いが異なるた
め、周波数ごとにそれらの処理が行われるのである。こ
のため、騒音測定の精度がその分向上する。
【0016】請求項4に係る発明においては、回動機構
によって、車両の仮想仮想走行位置と基準測定位置との
間の角度に対応する角度だけ騒音信号受信装置の角度が
回動される。騒音信号受信装置には、一般的に、騒音源
(車両)と騒音信号受信装置との間の角度によって騒音
をキャッチする度合いが異なるという指向性があるので
あるが、この構成とされることによって、その指向性減
衰度合いを考慮した演算を演算装置において行う必要が
回避される。
によって、車両の仮想仮想走行位置と基準測定位置との
間の角度に対応する角度だけ騒音信号受信装置の角度が
回動される。騒音信号受信装置には、一般的に、騒音源
(車両)と騒音信号受信装置との間の角度によって騒音
をキャッチする度合いが異なるという指向性があるので
あるが、この構成とされることによって、その指向性減
衰度合いを考慮した演算を演算装置において行う必要が
回避される。
【0017】請求項5に係る発明においては、複数個の
騒音信号受信装置が車両の仮想走行速度と同速度かつ逆
方向の速度でスキャンされることによって、容易に車両
の仮想走行状態が得られる。このため、容易に騒音測定
をすることができる。
騒音信号受信装置が車両の仮想走行速度と同速度かつ逆
方向の速度でスキャンされることによって、容易に車両
の仮想走行状態が得られる。このため、容易に騒音測定
をすることができる。
【0018】請求項6に係る発明においては、仮想走行
状態の車両から発せられる騒音信号が、騒音信号受信工
程において位置固定状態の複数個の騒音信号受信装置に
よって受信され、その騒音信号受信装置からの信号に基
づいて、測定結果演算工程において車両が実際に走行し
たと同様の測定結果が演算される。このため、請求項1
に係る発明と同様の作用が得られる。
状態の車両から発せられる騒音信号が、騒音信号受信工
程において位置固定状態の複数個の騒音信号受信装置に
よって受信され、その騒音信号受信装置からの信号に基
づいて、測定結果演算工程において車両が実際に走行し
たと同様の測定結果が演算される。このため、請求項1
に係る発明と同様の作用が得られる。
【0019】
<第1実施例>次に、請求項1,請求項2及び請求項6
に係る発明の実施例である車外騒音測定システム及び方
法を図1〜図5に基づいて説明する。
に係る発明の実施例である車外騒音測定システム及び方
法を図1〜図5に基づいて説明する。
【0020】このシステムでは、図1及び図2に示すよ
うに、無響室10内において、車両V1がシャシダイナ
モ(車両設置部)12上に位置固定状態で設置されてい
る。車両V1の前後には送風機14と受風機16が設置
されており、これらが風洞18を形成する。
うに、無響室10内において、車両V1がシャシダイナ
モ(車両設置部)12上に位置固定状態で設置されてい
る。車両V1の前後には送風機14と受風機16が設置
されており、これらが風洞18を形成する。
【0021】車両V1に対して、3つのマイクMa,M
b,Mcが設置されている。各マイクMa〜Mcは、音
圧を出力信号として出力する。マイクMbは、車両V1
の中央部から側方向へLyの距離だけ離れた位置にある。
マイクMa,Mcは、マイクMbの位置から車両V1の
前後方向へ伸ばした線上に設置されており、マイクMa
はマイクMbから車両V1の前方向へLxの距離だけ離れ
た位置にあり、マイクMcはマイクMbから車両V1の
後方向へLxの距離だけ離れた位置にある。
b,Mcが設置されている。各マイクMa〜Mcは、音
圧を出力信号として出力する。マイクMbは、車両V1
の中央部から側方向へLyの距離だけ離れた位置にある。
マイクMa,Mcは、マイクMbの位置から車両V1の
前後方向へ伸ばした線上に設置されており、マイクMa
はマイクMbから車両V1の前方向へLxの距離だけ離れ
た位置にあり、マイクMcはマイクMbから車両V1の
後方向へLxの距離だけ離れた位置にある。
【0022】風洞18には風洞制御装置24が接続され
ている。シャシダイナモ12は仮想走行速度演算装置2
2に接続されており、その信号は車両V1や風洞制御装
置24に入力される。マイクMa〜Mc,仮想走行速度
演算装置22からの信号は、演算装置30に入力され
る。
ている。シャシダイナモ12は仮想走行速度演算装置2
2に接続されており、その信号は車両V1や風洞制御装
置24に入力される。マイクMa〜Mc,仮想走行速度
演算装置22からの信号は、演算装置30に入力され
る。
【0023】図2に示すように、演算装置30において
は、仮想走行速度演算部22からの信号が仮想走行距離
演算部33に入力され、仮想走行距離演算部33からの
信号が仮想距離・角度演算部34に入力される。マイク
Ma〜Mcからの各信号は、指向性除去部32a,32
b,32c,遅れ時間除去部36a,36b,36cに
入力され、それらの信号はデータ合成部38に入力さ
れ、指向性加味部40,遅れ時間加味部42を経て出力
部44から出力される。また、仮想距離・角度演算部3
8からの信号は、データ合成部38,指向性加味部4
0,遅れ時間加味部42に入力される。
は、仮想走行速度演算部22からの信号が仮想走行距離
演算部33に入力され、仮想走行距離演算部33からの
信号が仮想距離・角度演算部34に入力される。マイク
Ma〜Mcからの各信号は、指向性除去部32a,32
b,32c,遅れ時間除去部36a,36b,36cに
入力され、それらの信号はデータ合成部38に入力さ
れ、指向性加味部40,遅れ時間加味部42を経て出力
部44から出力される。また、仮想距離・角度演算部3
8からの信号は、データ合成部38,指向性加味部4
0,遅れ時間加味部42に入力される。
【0024】このシステムは、前述した図9のシステム
をシミュレートするものであり、進入時から走行路(そ
の長さは2Lxである)に進入し、脱出時に走行路から脱
出していく間にマイクNの位置でキャッチする騒音をシ
ミュレーションによって求めるものである。マイクMb
はマイクNと同一の位置に設置されている。
をシミュレートするものであり、進入時から走行路(そ
の長さは2Lxである)に進入し、脱出時に走行路から脱
出していく間にマイクNの位置でキャッチする騒音をシ
ミュレーションによって求めるものである。マイクMb
はマイクNと同一の位置に設置されている。
【0025】いま、時間tの経過とともに車両V1のエ
ンジン出力を徐々に増大させ、エンジン音が図3(a) の
ように変化する場合について説明する。その際の車両V
1の走行速度vは、シャシダイナモ12からの出力に基
づいて仮想走行速度演算装置22によって演算され、そ
の速度vが図3(b) のように求められる。そして、風洞
制御装置24の制御の下、その速度vと同じ速度でかつ
逆向きの風が送風機14から送風され、受風機16によ
って受風され、車両V1が速度vで走行しているのと同
様の環境とされる。
ンジン出力を徐々に増大させ、エンジン音が図3(a) の
ように変化する場合について説明する。その際の車両V
1の走行速度vは、シャシダイナモ12からの出力に基
づいて仮想走行速度演算装置22によって演算され、そ
の速度vが図3(b) のように求められる。そして、風洞
制御装置24の制御の下、その速度vと同じ速度でかつ
逆向きの風が送風機14から送風され、受風機16によ
って受風され、車両V1が速度vで走行しているのと同
様の環境とされる。
【0026】そして、仮想走行距離演算部33において
は、その仮想走行速度vが時間tで積分されることによ
って、図3(c) のように仮想走行距離L(t)が求められ
る。なお、車両V1の仮想的な位置は、進入時(t=
0)に仮想原点(L(t)=0)にあり、脱出時(t=tz
)に仮想終点(L(t)=2Lx)にある。
は、その仮想走行速度vが時間tで積分されることによ
って、図3(c) のように仮想走行距離L(t)が求められ
る。なお、車両V1の仮想的な位置は、進入時(t=
0)に仮想原点(L(t)=0)にあり、脱出時(t=tz
)に仮想終点(L(t)=2Lx)にある。
【0027】一方、マイクMa〜Mcからの出力が、図
4(a) のMa1〜Mc1のようになったとする。ところ
で、マイクには指向性があり、音の大きさが同じであっ
てもマイクと音源との角度に応じてその音を100%キ
ャッチする場合とその一部のみをキャッチする場合とが
ある。そこで、ここでは、まず、指向性が常に100%
であると仮定して、その各値Ma2〜Mc2を図4(b)
のように示すこととする。すなわち、車両V1の位置と
各マイクMa,Mcとの間の角度による指向性の逆数が
乗じられる。なお、マイクMbと車両V1との間の角度
はゼロであり指向性は100%であるため、Mb2=M
b1である。
4(a) のMa1〜Mc1のようになったとする。ところ
で、マイクには指向性があり、音の大きさが同じであっ
てもマイクと音源との角度に応じてその音を100%キ
ャッチする場合とその一部のみをキャッチする場合とが
ある。そこで、ここでは、まず、指向性が常に100%
であると仮定して、その各値Ma2〜Mc2を図4(b)
のように示すこととする。すなわち、車両V1の位置と
各マイクMa,Mcとの間の角度による指向性の逆数が
乗じられる。なお、マイクMbと車両V1との間の角度
はゼロであり指向性は100%であるため、Mb2=M
b1である。
【0028】また、時間tは車両V1から音が発せられ
る時点を基準としており、車両V1の発する音の伝搬速
度(音速)が無限大ではなく瞬時には伝わらないので、
その分の遅れ時間da,db,dcが生じている。しかし、こ
こでは、まず簡単のために、音速が無限大であって音が
瞬時に伝わるものであると仮定する。すると、図4(b)
の各値Ma2,Mb2,Mc2を各遅れ時間da,db,dc
だけ平行移動させることによって、図4(c) 中のMa
3,Mb3,Mc3のようになる。すなわち、車両V1
の位置と各マイクMa〜Mcとの距離の分の遅れ時間が
遅れ時間除去部36a,36b,36cにおいて除去さ
れるのである。なお、マイクMbと車両V1との間の距
離はLyであり、マイクMa,Mcと車両V1との間の距
離は(Lx2 +Ly2 )1/2 であり、それらを音速で除した
値の分だけずらされる。
る時点を基準としており、車両V1の発する音の伝搬速
度(音速)が無限大ではなく瞬時には伝わらないので、
その分の遅れ時間da,db,dcが生じている。しかし、こ
こでは、まず簡単のために、音速が無限大であって音が
瞬時に伝わるものであると仮定する。すると、図4(b)
の各値Ma2,Mb2,Mc2を各遅れ時間da,db,dc
だけ平行移動させることによって、図4(c) 中のMa
3,Mb3,Mc3のようになる。すなわち、車両V1
の位置と各マイクMa〜Mcとの距離の分の遅れ時間が
遅れ時間除去部36a,36b,36cにおいて除去さ
れるのである。なお、マイクMbと車両V1との間の距
離はLyであり、マイクMa,Mcと車両V1との間の距
離は(Lx2 +Ly2 )1/2 であり、それらを音速で除した
値の分だけずらされる。
【0029】一方、マイクMa,Mb,Mcと車両V1
との位置関係は、各々、図9における車両V2の進入地
点,中間地点,脱出地点とマイクNとの位置関係に対応
している。そのため、車両V1が仮想原点に位置してい
るとき(L(t)=0)にはマイクMaの測定する出力のみ
を100%採用すればよく、車両V1が仮想終点に位置
しているとき(L(t)=2Lx)にはマイクMbからの出力
を100%採用し、車両V1が仮想中間点に位置してい
るとき(L(t)=Lx)にはマイクMcからの出力のみを1
00%採用すればよい。なぜなら、そのときにおいて
は、各マイクからの出力が、図9でマイクNが実際に検
出するものと同等になるからである。そして、車両V1
が仮想原点と仮想中間点との間に位置しているときに
は、マイクMaからの出力とマイクMbからの出力とを
適宜重み付けした平均をとることとする。すなわち、車
両V1の仮想的な位置(距離L(t))が仮想原点と仮想中
間点との間をα:βに内分する点にある際には、マイク
Maからの出力とマイクMbからの出力とをβ:αに重
み付けした平均をとることとする。このため、車両V1
の仮想位置(距離L(t))に応じて、各マイクMa,M
b,Mcからの出力に対する際の重み付け関数F(a),F
(b),F(c)は、図5のように表されることとなる。
との位置関係は、各々、図9における車両V2の進入地
点,中間地点,脱出地点とマイクNとの位置関係に対応
している。そのため、車両V1が仮想原点に位置してい
るとき(L(t)=0)にはマイクMaの測定する出力のみ
を100%採用すればよく、車両V1が仮想終点に位置
しているとき(L(t)=2Lx)にはマイクMbからの出力
を100%採用し、車両V1が仮想中間点に位置してい
るとき(L(t)=Lx)にはマイクMcからの出力のみを1
00%採用すればよい。なぜなら、そのときにおいて
は、各マイクからの出力が、図9でマイクNが実際に検
出するものと同等になるからである。そして、車両V1
が仮想原点と仮想中間点との間に位置しているときに
は、マイクMaからの出力とマイクMbからの出力とを
適宜重み付けした平均をとることとする。すなわち、車
両V1の仮想的な位置(距離L(t))が仮想原点と仮想中
間点との間をα:βに内分する点にある際には、マイク
Maからの出力とマイクMbからの出力とをβ:αに重
み付けした平均をとることとする。このため、車両V1
の仮想位置(距離L(t))に応じて、各マイクMa,M
b,Mcからの出力に対する際の重み付け関数F(a),F
(b),F(c)は、図5のように表されることとなる。
【0030】そして、任意のタイミングt(騒音発生
時)における音圧は次のように求められる。代表的なタ
イミングTを中心に説明する。まず、図4(c) におい
て、そのタイミングTにおける各マイクMa,Mb,M
cに関する値Ma3,Mb3,Mc3を把握する。一
方、図3(c) において、そのタイミングTにおける仮想
走行距離L(T)を把握する。そして、図5において、その
L(T)における各マイクMa,Mb,Mcの重み付け関数
F(a),F(b),F(c)を把握する。なお、重み付け関数は、
F(a),F(b),F(c)のうち、仮想走行距離L(t)に応じて、
F(a)及びF(b)のみ(0≦L(t)≦Lxのとき)、又はF(b)及
びF(c)のみ(Lx≦L(t)≦2Lxのとき)が採用される。今
回は、仮想走行距離L(t)が0≦L(T)≦Lxであり、F(a)=
α,F(b)=βが採用される。そして、図4(c) に戻り、
マイクMa,Mbからの出力を、各々β,αで重み付け
た状態で合計する。すなわち、マイクMa,Mbからの
出力の点をβ:αで内分する点を求め、それを理想出力
点Pとする。このようにして各タイミングにおいて合成
出力点を求めると理想曲線pのようになる。この理想曲
線pは、前述したように、マイクの指向性が常に100
%であり、音が瞬時に伝わると仮定した理想状態のもの
である。そこで、次のように、指向性や音速を考慮した
処理がなされる。
時)における音圧は次のように求められる。代表的なタ
イミングTを中心に説明する。まず、図4(c) におい
て、そのタイミングTにおける各マイクMa,Mb,M
cに関する値Ma3,Mb3,Mc3を把握する。一
方、図3(c) において、そのタイミングTにおける仮想
走行距離L(T)を把握する。そして、図5において、その
L(T)における各マイクMa,Mb,Mcの重み付け関数
F(a),F(b),F(c)を把握する。なお、重み付け関数は、
F(a),F(b),F(c)のうち、仮想走行距離L(t)に応じて、
F(a)及びF(b)のみ(0≦L(t)≦Lxのとき)、又はF(b)及
びF(c)のみ(Lx≦L(t)≦2Lxのとき)が採用される。今
回は、仮想走行距離L(t)が0≦L(T)≦Lxであり、F(a)=
α,F(b)=βが採用される。そして、図4(c) に戻り、
マイクMa,Mbからの出力を、各々β,αで重み付け
た状態で合計する。すなわち、マイクMa,Mbからの
出力の点をβ:αで内分する点を求め、それを理想出力
点Pとする。このようにして各タイミングにおいて合成
出力点を求めると理想曲線pのようになる。この理想曲
線pは、前述したように、マイクの指向性が常に100
%であり、音が瞬時に伝わると仮定した理想状態のもの
である。そこで、次のように、指向性や音速を考慮した
処理がなされる。
【0031】まず、車両V1の仮想位置(仮想原点から
仮想走行距離L(t)の点)とマイクNとの角度が仮想距離
・角度演算部34において求められ、その角度における
指向性が指向性加味部40において加味される。すなわ
ち、タイミングTにおける騒音に関する値Pに対してそ
のタイミングTにおける指向性を乗じて、指向性加味点
Qが求められる。このような点を各タイミングにおいて
求めると指向性加味曲線qのようになる。
仮想走行距離L(t)の点)とマイクNとの角度が仮想距離
・角度演算部34において求められ、その角度における
指向性が指向性加味部40において加味される。すなわ
ち、タイミングTにおける騒音に関する値Pに対してそ
のタイミングTにおける指向性を乗じて、指向性加味点
Qが求められる。このような点を各タイミングにおいて
求めると指向性加味曲線qのようになる。
【0032】次に、車両V1の仮想位置とマイクNとの
間の仮想距離が仮想距離・角度演算部34において求め
られ、その距離の分の遅れ時間が、遅れ時間加味部42
において、加味される。その仮想距離は、仮想原点から
の仮想走行距離L(t)に基づいて((L(t)−Lx)2 +L
y2 )1/2 で求められる。そして、それを音速で除する
ことによって、その分の遅れ時間が求められる。すなわ
ち、タイミングTにおける指向性加味点Qに対してその
タイミングTにおける遅れ時間の分だけずらして、実出
力点Rが求められる。このような点を各タイミングにお
いて求めると実出力曲線rのようになる。なお、タイミ
ングt=0(進入時)やt=tz (脱出時)において
は、前述の各マイクの遅れ時間da,dcだけずらされて、
Ro ,Rz のように、本来のタイミングに戻されるよう
にされる。
間の仮想距離が仮想距離・角度演算部34において求め
られ、その距離の分の遅れ時間が、遅れ時間加味部42
において、加味される。その仮想距離は、仮想原点から
の仮想走行距離L(t)に基づいて((L(t)−Lx)2 +L
y2 )1/2 で求められる。そして、それを音速で除する
ことによって、その分の遅れ時間が求められる。すなわ
ち、タイミングTにおける指向性加味点Qに対してその
タイミングTにおける遅れ時間の分だけずらして、実出
力点Rが求められる。このような点を各タイミングにお
いて求めると実出力曲線rのようになる。なお、タイミ
ングt=0(進入時)やt=tz (脱出時)において
は、前述の各マイクの遅れ時間da,dcだけずらされて、
Ro ,Rz のように、本来のタイミングに戻されるよう
にされる。
【0033】このようにして求められた曲線rが、指向
性と音速を加味した実際の各タイミングt(騒音発生
時)における音圧曲線となる。そして、その音圧(単位
はPa)から音圧レベル(単位はdB)を求めれば、図
9のようにして車両V1を走行させた際にマイクNが測
定する騒音(音圧レベル)をシミュレーションによって
求めることができるのである。なお、この実施例では、
車両V1を点音源として処理したが、線音源や面音源と
して取り扱うことも可能である。その際は、適宜等価式
に置換して上述の演算を行う。
性と音速を加味した実際の各タイミングt(騒音発生
時)における音圧曲線となる。そして、その音圧(単位
はPa)から音圧レベル(単位はdB)を求めれば、図
9のようにして車両V1を走行させた際にマイクNが測
定する騒音(音圧レベル)をシミュレーションによって
求めることができるのである。なお、この実施例では、
車両V1を点音源として処理したが、線音源や面音源と
して取り扱うことも可能である。その際は、適宜等価式
に置換して上述の演算を行う。
【0034】<第2実施例>次に、請求項3に係る発明
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図6に基
づいて説明する。なお、図面においては、同一の装置等
には同一の符号を付することとする(以下同様)。第1
実施例では、車両V1からの騒音について周波数を考慮
することなく処理したが、実は、周波数によって、音源
からの距離に基づく音の減衰やマイクの角度による指向
性減衰の率が異なる。そこで、このシステムではその点
も考慮するのである。
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図6に基
づいて説明する。なお、図面においては、同一の装置等
には同一の符号を付することとする(以下同様)。第1
実施例では、車両V1からの騒音について周波数を考慮
することなく処理したが、実は、周波数によって、音源
からの距離に基づく音の減衰やマイクの角度による指向
性減衰の率が異なる。そこで、このシステムではその点
も考慮するのである。
【0035】この実施例のシステムでは、第1実施例の
ように、3つのマイクMa,Mb,Mcが設置されてい
る。各マイクMa〜McにはFFTアナライザ125a
〜125cが接続されている。各FFTアナライザ12
5a〜125cは高速フーリエ変換(Fast FourierTran
sform)を用いた周波数分析計であり、各マイクMa〜
Mcからの騒音に関する信号が周波数ごとに分析され
る。各FFTアナライザ125a〜125cからの出力
信号は、演算装置130に入力される。演算装置130
の内容は、第1実施例の演算装置30と同様であるが、
マイクMa〜Mcと車両V1との仮想距離に基づく遅れ
時間の除去・加味や、マイクMa〜Mcと車両V1との
仮想角度に基づく指向性減衰の除去・加味が、各周波数
ごとに行われる。このため、この実施例では、第1実施
例よりも、周波数を考慮した分だけさらに正確に騒音測
定をすることができるのである。
ように、3つのマイクMa,Mb,Mcが設置されてい
る。各マイクMa〜McにはFFTアナライザ125a
〜125cが接続されている。各FFTアナライザ12
5a〜125cは高速フーリエ変換(Fast FourierTran
sform)を用いた周波数分析計であり、各マイクMa〜
Mcからの騒音に関する信号が周波数ごとに分析され
る。各FFTアナライザ125a〜125cからの出力
信号は、演算装置130に入力される。演算装置130
の内容は、第1実施例の演算装置30と同様であるが、
マイクMa〜Mcと車両V1との仮想距離に基づく遅れ
時間の除去・加味や、マイクMa〜Mcと車両V1との
仮想角度に基づく指向性減衰の除去・加味が、各周波数
ごとに行われる。このため、この実施例では、第1実施
例よりも、周波数を考慮した分だけさらに正確に騒音測
定をすることができるのである。
【0036】<第3実施例>次に、請求項4に係る発明
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図7に基
づいて説明する。第1実施例では、マイクMa〜Mcと
仮想位置上の車両V1との間の仮想角度に基づく指向性
減衰を数学的に処理していたが、そのような処理を不要
とするものである。
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図7に基
づいて説明する。第1実施例では、マイクMa〜Mcと
仮想位置上の車両V1との間の仮想角度に基づく指向性
減衰を数学的に処理していたが、そのような処理を不要
とするものである。
【0037】この実施例では、各マイクMa〜Mcに対
して回動機構223a〜223cが設けられている。各
回動機構223a〜223cは、各マイクMa〜Mcを
所定の角度だけ回転させるものである。すなわち、仮想
距離・角度演算部34によって求められる車両V1の仮
想位置とマイクNとの間の角度に対応するように、各マ
イクMa〜Mcの角度が回動される。このため、この実
施例では、第1実施例のようなマイクMa〜Mcと車両
V1との角度やマイクNとの間の仮想角度に基づく指向
性減衰の除去や加味を行う必要がなくなる。
して回動機構223a〜223cが設けられている。各
回動機構223a〜223cは、各マイクMa〜Mcを
所定の角度だけ回転させるものである。すなわち、仮想
距離・角度演算部34によって求められる車両V1の仮
想位置とマイクNとの間の角度に対応するように、各マ
イクMa〜Mcの角度が回動される。このため、この実
施例では、第1実施例のようなマイクMa〜Mcと車両
V1との角度やマイクNとの間の仮想角度に基づく指向
性減衰の除去や加味を行う必要がなくなる。
【0038】<第4実施例>次に、請求項5に係る発明
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図7に基
づいて説明する。第1実施例では、車両V1の側部等に
3つのマイクMa〜Mcが設置されており、各マイクM
a〜Mcの測定結果が数学的に処理されて騒音が求めら
れていたが、この実施例ではそのような数学的処理を不
要とするものである。
の実施例を、第1実施例との相違点を中心に、図7に基
づいて説明する。第1実施例では、車両V1の側部等に
3つのマイクMa〜Mcが設置されており、各マイクM
a〜Mcの測定結果が数学的に処理されて騒音が求めら
れていたが、この実施例ではそのような数学的処理を不
要とするものである。
【0039】この実施例では、車両V1の仮想原点から
仮想終点までのラインに沿って多数のマイクMが設置さ
れている。そのラインから各マイクMまでの距離は、第
1実施例等と同じくLyである。各マイクMは、演算装置
330(スキャニング回路333)に接続されている。
また、仮想走行速度演算装置322からの信号も演算装
置330(スキャニング回路333)に入力される。演
算装置330においては、スキャニング回路333から
の信号がデータ出力部344に入力される。
仮想終点までのラインに沿って多数のマイクMが設置さ
れている。そのラインから各マイクMまでの距離は、第
1実施例等と同じくLyである。各マイクMは、演算装置
330(スキャニング回路333)に接続されている。
また、仮想走行速度演算装置322からの信号も演算装
置330(スキャニング回路333)に入力される。演
算装置330においては、スキャニング回路333から
の信号がデータ出力部344に入力される。
【0040】そして、このシステムでは、第1実施例と
同様に車両V1が速度vで仮想的に走行している状態と
され、スキャニング回路333によって各マイクMが図
中右方から左方(仮想走行方向とは反対の方向)へ速度
vで1つずつ信号出力状態とされる。そして、各マイク
Mでキャッチされた騒音に関する信号に基づいて、デー
タ出力部344から騒音に関するデータが出力される。
同様に車両V1が速度vで仮想的に走行している状態と
され、スキャニング回路333によって各マイクMが図
中右方から左方(仮想走行方向とは反対の方向)へ速度
vで1つずつ信号出力状態とされる。そして、各マイク
Mでキャッチされた騒音に関する信号に基づいて、デー
タ出力部344から騒音に関するデータが出力される。
【0041】この実施例では、多数のマイクMから順に
騒音信号が出力されるため、第1実施例〜第3実施例の
ように各マイクMa〜Mc等からの信号を複雑に数学的
に処理する必要がなく、容易に騒音測定をすることがで
きる。
騒音信号が出力されるため、第1実施例〜第3実施例の
ように各マイクMa〜Mc等からの信号を複雑に数学的
に処理する必要がなく、容易に騒音測定をすることがで
きる。
【0042】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、車両を実
際に走行させなくても車両が実際に走行したと同様の騒
音測定をすることができる。このため、騒音測定のため
に広いスペースを必要とせず、騒音測定を屋内で行うこ
とが可能となる。このため、暗騒音や気象条件の影響等
も受けずに容易に騒音測定ができる。また、気温,湿度
等の種々の環境をその屋内に生じさせることによって、
種々の環境での騒音測定を容易に行うことができるよう
になる。また、騒音信号受信装置を移動させないため、
騒音信号受信装置の移動による風切り音が騒音信号に混
入することなく、その分正確に騒音測定をすることがで
きる。また、風洞装置のみ作動させて車両と空気との間
の風切り音のみを測定したり、車両のエンジンのオフ状
態おいて何らかの方法で車輪を回転させることによって
(シャシダイナモ等の車両設置部をそのように作動させ
る等によって車輪を回転させる)、タイヤによる騒音の
みを測定する等、車外騒音をいくつかの要因に分離させ
て測定することが可能となり、適切な騒音対策を容易に
行うことが可能となる。
際に走行させなくても車両が実際に走行したと同様の騒
音測定をすることができる。このため、騒音測定のため
に広いスペースを必要とせず、騒音測定を屋内で行うこ
とが可能となる。このため、暗騒音や気象条件の影響等
も受けずに容易に騒音測定ができる。また、気温,湿度
等の種々の環境をその屋内に生じさせることによって、
種々の環境での騒音測定を容易に行うことができるよう
になる。また、騒音信号受信装置を移動させないため、
騒音信号受信装置の移動による風切り音が騒音信号に混
入することなく、その分正確に騒音測定をすることがで
きる。また、風洞装置のみ作動させて車両と空気との間
の風切り音のみを測定したり、車両のエンジンのオフ状
態おいて何らかの方法で車輪を回転させることによって
(シャシダイナモ等の車両設置部をそのように作動させ
る等によって車輪を回転させる)、タイヤによる騒音の
みを測定する等、車外騒音をいくつかの要因に分離させ
て測定することが可能となり、適切な騒音対策を容易に
行うことが可能となる。
【0043】請求項2に係る発明によれば、請求項1に
係る発明の効果に加え、3つの騒音信号受信装置で済む
ため、装置がそれほど複雑とはならずに、容易に騒音測
定をすることができる。
係る発明の効果に加え、3つの騒音信号受信装置で済む
ため、装置がそれほど複雑とはならずに、容易に騒音測
定をすることができる。
【0044】請求項3に係る発明によれば、騒音信号が
周波数ごとに分析されるため、騒音測定の精度がその分
向上する。
周波数ごとに分析されるため、騒音測定の精度がその分
向上する。
【0045】請求項4に係る発明によれば、実際に騒音
信号受信装置の角度が回動されるため、指向性に関する
数学的な処理を行う必要が回避され、容易に騒音測定を
することができる。
信号受信装置の角度が回動されるため、指向性に関する
数学的な処理を行う必要が回避され、容易に騒音測定を
することができる。
【0046】請求項5に係る発明によれば、複数個の騒
音信号受信装置のスキャンによって車両の仮想走行状態
が得られるため、車両からの信号について複雑な数学的
な処理を行う必要がなく容易に騒音測定をすることがで
きる。
音信号受信装置のスキャンによって車両の仮想走行状態
が得られるため、車両からの信号について複雑な数学的
な処理を行う必要がなく容易に騒音測定をすることがで
きる。
【0047】請求項6に係る発明によれば、請求項1に
係る発明の効果と同様の効果が得られる。
係る発明の効果と同様の効果が得られる。
【図1】本発明の第1実施例の騒音測定システムを示す
図である。
図である。
【図2】図1の詳細を示すブロック図である。
【図3】図3(a) は、図1のシステムにおいて、時間t
の経過とともに変化するエンジン音を示す図であり、図
3(b) は同じく仮想走行速度を示す図であり、図3(c)
は同じく仮想走行距離を示す図である。
の経過とともに変化するエンジン音を示す図であり、図
3(b) は同じく仮想走行速度を示す図であり、図3(c)
は同じく仮想走行距離を示す図である。
【図4】図4(a) は、図3に示す場合における各マイク
Ma〜Mcからの出力Ma1〜Mc1を示す図であり、
図4(b) は、各Ma1〜Mc1から指向性減衰を除去し
たMa2〜Mc2を示す図である。図4(c) は、図4
(b) に基づいて実際の騒音を求める手順を示す図であ
る。
Ma〜Mcからの出力Ma1〜Mc1を示す図であり、
図4(b) は、各Ma1〜Mc1から指向性減衰を除去し
たMa2〜Mc2を示す図である。図4(c) は、図4
(b) に基づいて実際の騒音を求める手順を示す図であ
る。
【図5】各マイクMa〜Mcについての重み関数Fa(t)
〜Fc(t)を示す図である。
〜Fc(t)を示す図である。
【図6】本発明の第2実施例のシステムを示すブロック
図である。
図である。
【図7】本発明の第3実施例のシステムを示すブロック
図である。
図である。
【図8】本発明の第3実施例のシステムを示す図であ
る。
る。
【図9】従来の騒音測定システムを示す図である。ま
た、本発明の各実施例のシミュレーションの対象を示す
図である。
た、本発明の各実施例のシミュレーションの対象を示す
図である。
12 シャシダイナモ(車両設置部) Ma,Mb,Mc,M マイク 30,130,230,330 演算装置 125a,125b,125c FFTアナライザ(周
波数分析装置) 223a,223b,223c 回動機構 333 スキャニング回路 V1 車両
波数分析装置) 223a,223b,223c 回動機構 333 スキャニング回路 V1 車両
Claims (6)
- 【請求項1】 車両が位置固定かつ車輪回転可能状態で
支持されることによってその車両が仮想走行路上を仮想
的に走行している状態で設置される車両設置部と、 前記車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風を前
記車両に対して送る風洞装置と、 前記仮想走行路に沿って位置固定状態で設置され、前記
仮想走行状態の車両からの騒音信号を受信する複数個の
騒音信号受信装置と、 その複数個の騒音信号受信装置からの信号に基づいて、
前記車両が実際に走行した際に所定の基準測定位置で測
定したのと同様の測定結果を演算する演算装置とを有す
ることを特徴とする車外騒音測定システム。 - 【請求項2】 請求項1に記載の車外騒音測定システム
であって、 前記騒音信号受信装置が各々前記仮想走行路の仮想原
点、仮想中間点及び仮想終点に対応して3個設けられ、
前記車両が前記仮想中間点上に設置されていることを特
徴とする車外騒音測定システム。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の車外騒音
測定システムであって、 前記騒音信号受信装置が受信する騒音信号を周波数ごと
に分析する周波数分析装置を有し、 前記演算装置が前記周波数ごとに分析された騒音信号に
ついて演算するものであることを特徴とする車外騒音測
定システム。 - 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
車外騒音測定システムであって、 前記車両の仮想走行位置と前記基準測定位置との間の角
度に対応して、前記車両に対する前記各騒音信号受信装
置の角度を回動させる回動機構が設けられていることを
特徴とする車外騒音測定システム。 - 【請求項5】 車両が位置固定かつ車輪回転可能状態で
支持されることによってその車両が仮想走行路上を仮想
的に走行している状態で設置される車両設置部と、 前記車両の仮想走行速度と同速度でかつ逆向きの風を前
記車両に対して送る風洞装置と、 前記仮想走行路に沿って位置固定状態で設置され、前記
仮想走行状態の車両からの騒音信号を受信する複数個の
騒音信号受信装置と、 その複数個の騒音信号受信装置を前記車両の仮想的な走
行の速度と同速度かつ逆方向の速度でスキャンして前記
車両が実際に走行した際と同様の測定結果を演算する演
算装置とを有することを特徴とする車外騒音測定システ
ム。 - 【請求項6】 車両が位置固定かつ車輪回転可能状態で
支持されることによってその車両が仮想走行路上を仮想
的に走行している状態とされ、かつその車両の仮想走行
速度と同速度でかつ逆向きの風がその車両に対して送ら
れた状態において、 前記仮想走行路に沿って位置固定状態で設置された複数
個の騒音信号受信装置によって、前記仮想走行状態の車
両からの騒音信号を受信する騒音信号受信工程と、 その複数個の騒音信号受信装置からの信号に基づいて、
前記車両が実際に走行した際に所定の基準測定位置で測
定したのと同様の測定結果を演算する演算工程とを有す
ることを特徴とする車外騒音測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049016A JPH07260560A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 車外騒音測定システム及び車外騒音測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6049016A JPH07260560A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 車外騒音測定システム及び車外騒音測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07260560A true JPH07260560A (ja) | 1995-10-13 |
Family
ID=12819344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6049016A Pending JPH07260560A (ja) | 1994-03-18 | 1994-03-18 | 車外騒音測定システム及び車外騒音測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07260560A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435645B1 (ko) * | 2000-12-30 | 2004-06-12 | 현대자동차주식회사 | 차량 외부소음 측정장치 |
KR100435652B1 (ko) * | 2001-06-14 | 2004-06-12 | 현대자동차주식회사 | 차량의 법규 소음 개발방법 |
US7036361B2 (en) * | 2003-02-20 | 2006-05-02 | Dr. Ing H.C.F. Porsche Aktiengesellschaft | Method and device for checking the air noise of a motor vehicle |
CN108956158A (zh) * | 2018-07-23 | 2018-12-07 | 合肥工业大学 | 保障汽车室内外通过噪声测量工况一致性的试验方法 |
-
1994
- 1994-03-18 JP JP6049016A patent/JPH07260560A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435645B1 (ko) * | 2000-12-30 | 2004-06-12 | 현대자동차주식회사 | 차량 외부소음 측정장치 |
KR100435652B1 (ko) * | 2001-06-14 | 2004-06-12 | 현대자동차주식회사 | 차량의 법규 소음 개발방법 |
US7036361B2 (en) * | 2003-02-20 | 2006-05-02 | Dr. Ing H.C.F. Porsche Aktiengesellschaft | Method and device for checking the air noise of a motor vehicle |
CN108956158A (zh) * | 2018-07-23 | 2018-12-07 | 合肥工业大学 | 保障汽车室内外通过噪声测量工况一致性的试验方法 |
CN108956158B (zh) * | 2018-07-23 | 2020-04-21 | 合肥工业大学 | 保障汽车室内外通过噪声测量工况一致性的试验方法 |
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