JPH07258149A - 2−メチルコハク酸の製造方法 - Google Patents

2−メチルコハク酸の製造方法

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JPH07258149A
JPH07258149A JP7658994A JP7658994A JPH07258149A JP H07258149 A JPH07258149 A JP H07258149A JP 7658994 A JP7658994 A JP 7658994A JP 7658994 A JP7658994 A JP 7658994A JP H07258149 A JPH07258149 A JP H07258149A
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acid
methylpropionate
methyl
catalyst
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JP7658994A
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Hidekazu Saitou
秀和 齏藤
Yasuo Tokito
康雄 時任
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステルポリオール、ナイロン、繊維、
潤滑油、可塑剤などの主原料なたは添加剤として有用な
2−メチルコハク酸の工業的に有利な製造方法を提供す
る。 【構成】 メタクリル酸アルキルエステルを有機溶媒中
でロジウム触媒の存在下に水素および一酸化炭素と接触
させてヒドロホルミル化し、得られる3−ホルミル−2
−メチルプロピオン酸アルキルエステルを酸素酸化し、
次いで得られる3−カルボキシ−2−メチルプロピオン
酸アルキルエステルを加水分解することからなる2−メ
チルコハク酸の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2−メチルコハク酸の
製造方法に関するものであり、さらに詳しくはメタクリ
ル酸アルキルエステルを出発原料とし、ヒドロホルミル
化、酸素酸化、加水分解により2−メチルコハク酸を製
造する方法に関する。本発明により提供される2−メチ
ルコハク酸は、例えば、ポリエステルポリオール、ナイ
ロン、繊維、潤滑油、可塑剤などの主原料または添加剤
として工業的に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカ二酸などのα,ω−ジカルボン酸は工業的に
入手可能であり、とくにアジピン酸はポリエステルポリ
オール、ナイロン、繊維、潤滑油、可塑剤などの原料と
して多量に使用されている。これらのα,ω−ジカルボ
ン酸はいずれも直鎖状である。
【0003】2−メチルコハク酸は分岐状のα,ω−ジ
カルボン酸であり、ポリエステル、ポリウレタンなどの
出発原料として有用な化合物であるが、これまでその工
業的な製造法は確立されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分岐状のα,ω−ジカ
ルボン酸を工業的に有利に提供できれば、従来のポリエ
ステルポリオール、ナイロン、繊維、潤滑油、可塑剤な
どの性質を改良することができる。本発明の目的は、分
岐状のα,ω−ジカルボン酸である2−メチルコハク酸
を工業的に有利に製造できるようにすることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】2−メチルコハク酸を工
業的に有利に製造できる方法はこれまで知られていな
い。
【0006】本発明者らは、大量生産され入手容易なメ
タクリル酸アルキルエステルを出発原料に用いてこれを
ヒドロホルミル化し、得られたヒドロホルミル化生成物
を酸素酸化した後、反応生成物を加水分解することで2
−メチルコハク酸を安価に製造できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明によれば、メタクリル酸
アルキルエステルを有機溶媒中でロジウム触媒の存在下
に水素および一酸化炭素と接触させてヒドロホルミル化
し、得られる3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸ア
ルキルエステルを酸素酸化し、次いで得られる3−カル
ボキシ−2−メチルプロピオン酸アルキルエステルを加
水分解することを特徴とする2−メチルコハク酸の製造
方法が提供される。
【0008】本発明のメタクリル酸アルキルエステルの
ヒドロホルミル化反応は、ロジウム触媒の存在下に水素
および一酸化炭素と接触させて行われる。
【0009】このヒドロホルミル化反応では通常のオレ
フィンのヒドロホルミル化反応における条件を採用する
ことができるが、副生物の生成を抑制し目的物を高収率
で得るために、リン配位子と反応条件を適宜選択するこ
とにより、目的が達成される。 本発明で用いられるロ
ジウム触媒としては、ヒドロホルミル化触媒能を有する
か、もしくはヒドロホルミル化反応系内で触媒能を有す
るロジウム化合物に変化する任意の公知のロジウム化合
物を用いることができる。具体的には酸化ロジウム、塩
化ロジウム、酢酸ロジウムやプロピオン酸ロジウムなど
の有機カルボン酸ロジウム、Rh4 (CO)12、Rh
6 (CO)16などのロジウムカルボニル化合物、二量
化シクロペンタジエニルロジウムクロライド、二量化シ
クロオクタジエニルロジウムクロライド、ロジウムアセ
チルアセトナート、ロジウムジカルボニルアセチルアセ
トナートなどが挙げられる。活性炭などに担持された金
属ロジウムも使用することができる。これらのロジウム
化合物の中でも高酸価状態にあるロジウム化合物は反応
系内または反応系外で適当な還元剤、例えば一酸化炭
素、水素、水素化ホウ素ナトリウム、ホルムアルデヒド
などで還元処理して使用することができる。
【0010】反応混合液中におけるロジウム化合物の濃
度はロジウム原子換算で0.005〜1ミリグラム原子
/リットル、さらに好ましくは0.01〜0.5ミリグ
ラム原子/リットルである。
【0011】本発明に使用されるリン配位子としては、
トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有
機第三級ホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリ
ス(2−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,
6−ジメチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−イ
ソプロピルフェニル)ホスファイト、トリス(2−フェ
ニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブ
チルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル
−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−シ
クロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリス(2−メ
チル−4−クロロフェニル)ホスファイト、ジ(2−メ
チルフェニル)(2−t−ブチルフェニル)ホスファイ
ト等の有機第三級ホスファイトを挙げることができる。
【0012】さらにこれらのリン配位子は単独で使用し
ても、二種類以上組合せて使用してもさしつかえない。
【0013】反応混合液中でリン配位子化合物の使用量
は、ロジウム化合物に対してロジウム1グラム原子当た
り10〜500モル倍で使用するのが好ましく、とくに
熱安定性および選択性の面から100モル倍以上で使用
するのが好ましい。
【0014】原料ガスである水素ガスと一酸化炭素ガス
の比率は、反応器への入りガスの水素/一酸化炭素のモ
ル比として約3/1〜1/3の範囲にするのが好まし
い。
【0015】なお、反応に際して、反応系に、反応に不
活性なガス、例えばメタン、エタン、プロパン、窒素、
ヘリウム、炭酸ガス、ジメチルエーテルなどが混入して
いてもさしつかえない。
【0016】反応圧力は、10〜90絶対気圧の範囲が
好ましい。
【0017】本発明におけるヒドロホルミル化温度は8
0〜150℃の範囲である。
【0018】反応温度が80℃未満では反応速度及び選
択率が低下し、150℃を越えると触媒の熱安定性が低
下する傾向にある。
【0019】本発明のヒドロホルミル化反応は溶剤の不
存在下に実施するのが生産性を高める上で望ましいが、
反応系中で不活性な溶媒の存在下に実施することもでき
る。
【0020】かかる溶媒としてペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の炭化水素類、エタノール、ブタノール、オクタノール
などのアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサン
などのエーテル類、アセトニトリル、スルホランなどを
挙げることができる。
【0021】ヒドロホルミル化反応は、バッチ反応でも
あるいは連続反応でも実施可能であるが、工業的には連
続反応が望ましい。
【0022】ヒドロホルミル化反応に供されるメタクリ
ル酸アルキルエステルとしては、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピルなどが例示
され、用いたメタクリル酸アルキルエステルに対応する
ヒドロホルミル化生成物が得られる。
【0023】ヒドロホルミル化反応で生成した3−ホル
ミル−2−メチルプロピオン酸アルキルエステルは、触
媒と蒸発分離した後、反応混合液のまま酸素酸化に使用
することもできるし、蒸留精製した後に酸素酸化に使用
することもできる。触媒との蒸発分離を約130℃以下
で行うことによって、蒸発残渣中に含まれるロジウム触
媒は、その全部または一部を再びヒドロホルミル化反応
に循環して使用することができる。
【0024】3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸ア
ルキルエステルの酸素酸化は、酸化触媒の存在下に液相
で実施され、より具体的には、酸化触媒を含む溶液中で
3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸アルキルエステ
ルと酸素ガスまたは酸素含有ガスを接触させることによ
り行われる。
【0025】酸素含有ガスとしては、空気、任意の割合
からなる窒素と酸素の混合ガスまたはこれらとヘリウム
ガス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの混合ガスが用いら
れる。 反応温度としては、室温〜約120℃の範囲の
温度、好ましくは約30〜90℃の範囲内の温度が好ま
しい。
【0026】酸化触媒としては、一般に公知の触媒なら
ば特に制約なく使用することができる。触媒の一例を挙
げるとすれば、第一に金属を担体に担持させた触媒を挙
げることができる。具体的には、金属としては白金、パ
ラジウム、ルテニウムなどを例示することができ、単独
で担体に担持させたものでもよく、あるいは二種もしく
はそれ以上組合せて担体に担持させたものでもよい。ま
た、担体としては活性炭、アルミナ、炭酸カルシウム、
炭酸バリウムなどを例示することができる。さらに、こ
れらの金属を担体に担持させた触媒は、錫、鉛、ビスマ
ス、セレン、テルル、セリウムなどから選ばれる他の金
属成分で部分的に変性されているものも使用できる。
【0027】これらの触媒は商業生産されているので、
容易に入手することができる。
【0028】第二に、銅塩、鉄塩、ニッケル塩、コバル
ト塩、およびマンガン塩等の金属塩を挙げることができ
る。詳細には、ハロゲン化第一銅、ハロゲン化第二銅、
カルボン酸第一銅、カルボン酸第二銅、硫酸第一銅、硫
酸第二銅、ハロゲン化第一鉄、ハロゲン化第二鉄、カル
ボン酸第一鉄、カルボン酸第二鉄、硫酸第二鉄、ハロゲ
ン化ニッケル、カルボン酸ニッケル、硫酸ニッケル、カ
ルボン酸第一コバルト、硫酸第一コバルト、硝酸第一コ
バルト、カルボン酸第一マンガン、硫酸第一マンガン等
を挙げることができる。
【0029】反応混合液中へのこれらの金属塩の溶解
性、反応装置に対する腐食性および入手の容易さなどを
考慮すると、用いる金属塩は脂肪族カルボン酸塩である
ことがとくに望ましい。触媒としての金属塩はそれぞれ
単独で用いてもよく、あるいは二種以上組合せて用いて
もよい。さらに、助触媒として臭化水素、臭化カルシウ
ム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭
化アンモニウム等の臭化物を併用することもできる。
【0030】反応溶媒としては、例えば、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸等の脂肪族モノ
カルボン酸またはこれらのメチルエステルを使用するの
が好ましい。
【0031】酸素酸化により得られる反応混合物は、通
常、単蒸発による溶媒と触媒の分離操作後に加水分解に
供される。なお、該反応混合物より3−カルボキシ−2
−メチルプロピオン酸アルキルエステルを蒸留分離して
加水分解に供することもできる。
【0032】3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸
アルキルエステルの加水分解は、酸またはアルカリ触媒
の存在下に行われる。この加水分解反応では通常のカル
ボン酸エステルの加水分解反応における条件を採用する
ことができるが、副生物の生成を抑制するために、酸触
媒の存在下、3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸
アルキルエステルと水とを一定の組成比で反応系に仕込
み、反応によって生成するアルコールを反応系外に留出
させる方式を採用するなどして、できるだけ反応時間を
短くすることが好ましい。かかる酸触媒としては、p−
トルエンスルホン酸、硫酸、プロトン型カチオン交換樹
脂などカルボン酸エステルの加水分解反応に通常使用さ
れる酸触媒を適宜用いることができるが、原料である3
−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸アルキルエステ
ルや生成物である2−メチルコハク酸を用いることもで
きる。
【0033】反応後における酸触媒の分離操作が不要で
ある点および生成する2−メチルコハク酸の着色が少な
い点を考慮すると3−カルボキシ−2−メチルプロピオ
ン酸アルキルエステルや2−メチルコハク酸を用いるこ
とが好ましい。2−メチルコハク酸を酸触媒として採用
する場合、反応系にあらかじめ触媒量の2−メチルコハ
ク酸を添加しておいてもよいが、3−カルボキシ−2−
メチルプロピオン酸アルキルエステルが水と共存する
と、加水分解されて少なくとも微量の2−メチルコハク
酸が容易に生成するため、触媒量の2−メチルコハク酸
を反応系に添加することは必ずしも必要ではない。
【0034】また、加水分解に用いる水の量が多いほど
縮合物の副生が抑制されるが、多すぎると反応後に得ら
れる2−メチルコハク酸の濃度が低くなり工業的に不利
である。使用する水の量は3−カルボキシ−2−メチル
プロピオン酸アルキルエステルに対して通常、約5〜2
5倍モル量が適当であり、約10〜20倍モル量が好ま
しい。
【0035】反応温度は、通常約40〜100℃の範囲
内であり、好ましくは約50〜80℃の範囲内である。
【0036】反応圧力は、生成するメタノールが速やか
に反応系外に留出するように、設定温度におけるメタノ
ールの沸点に合わせて適宜選択することが好ましい。反
応系の雰囲気は、副反応を防ぐために窒素、アルゴン、
ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気下であることが望まし
い。
【0037】得られる2−メチルコハク酸は酸性を示す
ために反応器などの材質によっては反応器からの金属イ
オンの溶出を招く。反応器から溶出した鉄イオンなどの
遷移金属イオンが2−メチルコハク酸と相互作用するこ
とにより着色を誘起する場合がある。このため、生成す
る2−メチルコハク酸と接触する反応器などの材質は、
耐蝕性の良好な材質、例えば小規模の反応装置であれば
ガラス、工業的規模の反応装置であればJIS規格とし
てSUS304、SUS316などで表されるステンレ
ス綱が好ましい。
【0038】加水分解反応は連続方式およびバッチ方式
のいずれによっても実施することができるが、工業的に
は連続方式が好ましい。
【0039】3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸
アルキルエステルの加水分解反応は、できる限り3−カ
ルボキシ−2−メチルプロピオン酸アルキルエステルの
転化率が100%近くになるように行うのが好ましい。
反応終了後、反応液中の水を蒸発させると2−メチルコ
ハク酸の白色結晶が得られる。
【0040】これらのようにして得られた粗2−メチル
コハク酸はそれ自体でも十分高い純度を有しているが、
さらに必要に応じて再結晶や蒸留により精製することが
できる。
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はその主旨を逸脱しない限り、これらの
実施例によって何ら制限されるものではない。 実施例1 (メタクリル酸メチルのヒドロホルミル化)温度計、圧
力計、電磁撹拌装置、ガス導入口およびサンプリング口
を備えた内容量300mlのステンレス製オートクレー
ブに、あらかじめ窒素ガス雰囲気下でロジウムジカルボ
ニルアセチルアセトナート19.4mg、トリス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト1938m
gをトルエン10mlに混合溶解し調整した触媒液1m
l、トルエン74mlおよびメタクリル酸メチル75m
lを水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガス雰
囲気下で仕込んだ。次いで、水素/一酸化炭素=1/1
(モル比)の混合ガスをオートクレーブに導入し、この
混合ガスによってオートクレーブ内の圧力が20絶対気
圧、出ガス流速が10リットル/hrとなるように調節
し、撹拌下に内温を120℃まで30分間で昇温した。
内温を120℃にて一定となったところで、5時間反応
を行った。反応終了後、サンプリング口から反応混合液
を取り出し、ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、メタクリル酸メチルの転化率は仕込み基準で89%
であり、3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチル
の選択率は85%であった。
【0042】薄膜蒸留装置を用いて120℃、10to
rrの条件下に触媒成分を分離した後、減圧蒸留精製に
より純度99%以上の3−ホルミル−2−メチルプロピ
オン酸メチル47mlを得た。
【0043】(3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸
メチルの酸化)温度計、電磁撹拌装置、還流冷却器、原
料フィード口および酸素導入口を備えた内容量300m
lの四つ口フラスコに酢酸60ml、酢酸銅42mgを
添加し、内容物を撹拌しながら加温して酢酸銅を完全に
溶解させた。原料フィード口に連結されたミクロフィー
ダーにはあらかじめ窒素置換した3−ホルミル−2−メ
チルプロピオン酸メチル45mlを酢酸55mlに溶解
させた溶液を装填した。反応器内の温度が65℃一定と
なったところで、内容物を800rpmの回転速度で撹
拌し、かつ酸素ガスを10リットル/hrの速度で導入
しながら、原料フィード口より20ml/hrのフィー
ド速度で3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチル
の酢酸溶液を5時間に亘って連続的に添加することによ
って酸化反応を行った。3−ホルミル−2−メチルプロ
ピオン酸メチル添加終了直後における3−ホルミル−2
−メチルプロピオン酸メチルの転化率をガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ92%であった。
【0044】3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メ
チル添加終了後、内温を90℃となるまで加温し、さら
に1時間撹拌を続けた。1時間後のガスクロマトグラフ
ィー分析から反応混合液中には未反応の3−ホルミル−
2−メチルプロピオン酸メチルは痕跡程度しか残存しな
いことが分かった。
【0045】かくして得られた反応混合物よりロータリ
ーエバポレーターを利用して酢酸を留去し後、単蒸発に
より3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸メチル3
8gを得た。単蒸発後の3−カルボキシ−2−メチルプ
ロピオン酸メチルの取得率は添加した3−ホルミル−2
−メチルプロピオン酸メチルのモル基準で80%であっ
た。
【0046】(3−カルボキシ−2−メチルプロピオン
酸メチルの加水分解)温度計、電磁撹拌装置、冷却器の
付帯した蒸留装置および水導入口を備えた内容量100
mlの四つ口フラスコの内部を窒素ガスで充分に置換し
た後、水50ml、3−カルボキシ−2−メチルプロピ
オン酸メチル20gおよびアンバーリスト15(オルガ
ノ(株)製、強酸性イオン交換樹脂)5mlを仕込ん
だ。内容物を撹拌しながら、蒸留塔の塔頂圧力220t
orrに設定し、内温を70℃に維持しながら減圧下に
3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸メチルの加水
分解を行った。この間、塔頂温度が35℃を越えないよ
うに還流比を調整しながら生成するメタノールを反応系
から速やかに留去した。反応開始から5時間経過した時
点で3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸メチルの
転化率をガスクロマトグラフィーで分析したところ99
%であった。
【0047】反応終了後、イオン交換樹脂を濾過により
除去した後、反応混合液よりロータリーエバポレーター
を利用して水を留去し、16gの白色の結晶を得た。各
種分析からこの白色結晶は、2−メチルコハク酸と結論
された。
【0048】実施例2 (メタクリル酸メチルのヒドロホルミル化)温度計、圧
力計、電磁撹拌装置、ガス導入口およびサンプリング口
を備えた内容量1リットルのステンレス製オートクレー
ブにロジウムジカルボニルアセチルアセトナート15.
5mg、トリフェニルホスフィン787mgをあらかじ
め窒素ガス雰囲気下で混合溶解したトルエン溶液600
mlおよびメタクリル酸メチル600mlを水素/一酸
化炭素=1/1(モル比)の混合ガス雰囲気下で仕込ん
だ。次いで、水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混
合ガスをオートクレーブに導入し、この混合ガスによっ
てオートクレーブ内の圧力が20絶対気圧、出ガス流速
が10リットル/hrとなるように調節し、撹拌下に内
温を120℃まで30分間で昇温した。内温を120℃
にて一定となったところで、5時間反応を行った。
【0049】反応終了後、サンプリング口から反応混合
液を取り出し、ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、メタクリル酸メチルの転化率は仕込み基準で80%
であり、3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチル
の選択率は79%であった。
【0050】薄膜蒸留装置を用いて120℃、10to
rrの条件下に触媒成分を分離した後、減圧蒸留精製に
より純度99%以上の3−ホルミル−2−メチルプロピ
オン酸メチル310mlを得た。
【0051】(3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸
メチルの酸化)温度計、圧力計、電磁撹拌装置、原料フ
ィード口、空気導入口、出ガス口およびサンプリング口
を備えた内容量300mlの四つ口フラスコに酢酸10
0ml、酢酸銅18mgを添加し、空気により10絶対
気圧に保って内容物を撹拌しながら加温した。原料フィ
ード口に連結されたミクロフィーダーにはあらかじめ窒
素置換した3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチ
ル100mlを装填した。反応器内の温度が70℃にて
一定となったところで、内容物を750rpmの回転速
度で撹拌し、かつ出ガスを10リットル/hrの速度で
出しながら、原料フィード口より20ml/hrのフィ
ード速度で3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メチ
ルを5時間に亘って連続的に添加することによって酸化
反応を行った。
【0052】3−ホルミル−2−メチルプロピオン酸メ
チル添加終了直後における3−ホルミル−2−メチルプ
ロピオン酸メチルの転化率をガスクロマトグラフィーで
分析したところ77%であった。3−ホルミル−2−メ
チルプロピオン酸メチル添加終了後から、内温を90℃
となるまで加温し、さらに5時間撹拌して完全に酸化反
応を行った。
【0053】かくして得られた反応混合物よりロータリ
ーエバポレーターを利用して酢酸を留去し後、単蒸発に
より3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸メチル9
0gを得た。単蒸発後の3−カルボキシ−2−メチルプ
ロピオン酸メチルの取得率は添加した3−ホルミル−2
−メチルプロピオン酸メチルのモル基準で84%であっ
た。
【0054】(3−カルボキシ−2−メチルプロピオン
酸メチルの加水分解)温度計、電磁撹拌装置、冷却器の
付帯した蒸留装置および水導入口を備えた内容量300
mlの四つ口フラスコの内部を窒素ガスで充分に置換し
た後、水110ml、3−カルボキシ−2−メチルプロ
ピオン酸メチル60gを仕込んだ。
【0055】内容物を撹拌しながら、蒸留塔の塔頂圧力
220torrに設定し、内温を72〜73℃、塔頂温
度を35℃に維持しながら生成するメタノールを反応系
から速やかに留去した。反応開始から10時間経過した
時点で3−カルボキシ−2−メチルプロピオン酸メチル
の転化率をガスクロマトグラフィーで分析したところ9
9%であった。反応終了後、反応混合液よりロータリー
エバポレーターを利用して水を留去し、48gの白色の
結晶を得た。各種分析からこの白色結晶は、2−メチル
コハク酸と結論された。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、大量生産され入手容易
なメタクリル酸アルキルエステルを出発原料に用いてこ
れをヒドロホルミル化し、得られたヒドロホルミル化生
成物を酸素酸化した後、反応生成物を加水分解すること
で2−メチルコハク酸を工業的に安価に製造することが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸アルキルエステルを有機溶
    媒中でロジウム触媒の存在下に水素および一酸化炭素と
    接触させてヒドロホルミル化し、得られる3−ホルミル
    −2−メチルプロピオン酸アルキルエステルを酸素酸化
    し、次いで得られる3−カルボキシ−2−メチルプロピ
    オン酸アルキルエステルを加水分解することを特徴とす
    る2−メチルコハク酸の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0727422A1 (en) * 1995-02-10 1996-08-21 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing 3-methyltetrahydrofuran

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0727422A1 (en) * 1995-02-10 1996-08-21 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing 3-methyltetrahydrofuran

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