JPH0725647B2 - 植物の鮮度保持並びに発芽抑制剤 - Google Patents

植物の鮮度保持並びに発芽抑制剤

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JPH0725647B2
JPH0725647B2 JP12317390A JP12317390A JPH0725647B2 JP H0725647 B2 JPH0725647 B2 JP H0725647B2 JP 12317390 A JP12317390 A JP 12317390A JP 12317390 A JP12317390 A JP 12317390A JP H0725647 B2 JPH0725647 B2 JP H0725647B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は野菜や果物等摘み取った植物の鮮度を保持する
と共に、馬鈴薯等芋類の発芽を抑制する植物の鮮度保持
並びに発芽抑制剤に関するものである。
〔発明の目的〕
収穫した野菜や果物等の植物は常温下に放置すると、種
類にもよるが1〜2週間程度で変敗して食用に適さなく
なる。
そのため、家庭的には冷蔵庫に保存すると共に、客船等
の業務用では大型低温庫内に保存して鮮度を保持するよ
うにしている。
しかしながら、冷蔵庫や大型低温庫に保存したとして
も、食用に適する鮮度を保持し得るのは、野菜や果物等
の種類にもよるがせいぜい2〜3週間が限度であって、
この期間を過ぎると黄変乃至褐変が始まり、場合によっ
ては表面に黴が生成して食用には適さなくなる。
また、馬鈴薯等の芋類では長期間常温下あるいは低温下
に放置すると発芽して商品価値を減ずることになる。
従って、これまでの低温貯蔵法は、野菜や果物等農作物
の長期保存法としては完全なものとは云えなかった。
そこで、本発明者は経済的に有利な方法で野菜や果物等
の鮮度を従来よりも長期に亘って保持させ得る方法を開
発すべく鋭意研究を行った結果、吸着物質とガス交換を
行うゼオライト(沸石)の特性に着目し、このゼオライ
トを吸着体に設定して、植物、特に、松、杉のような針
葉樹の主に葉の部分から分離抽出した芳香物質(ガス
体)を吸着させ、この芳香物質を吸着した吸着体を、鮮
度を保持しようとする野菜や果物等と一緒に密閉容器乃
至密閉型貯蔵庫、好ましくは低温発生装置を付設してな
る密閉型容器乃至密閉型貯蔵庫内に収納すると、従来の
単純な低温貯蔵法より格別に長期に亘ってこれら野菜や
果物等の鮮度が保持されることを見い出し本発明を完成
するに到ったものである。なお、本発明による副次的効
果として、馬鈴薯等芋類の発芽を抑える発芽抑制効果が
あることが判明した。
従って、本発明の目的は、野菜や果物等の鮮度を従来よ
り長期に亘って保持することができると共に、馬鈴薯等
の発芽を抑制することができる植物の鮮度保持並びに発
芽抑制剤を提供することにある。
〔発明の構成及び作用〕
上記目的を達成するための本発明の構成を詳述すれば、
本発明は松,杉のような針葉樹の葉の部分から分離抽出
したガス状の芳香物質を、ゼオライトからなる吸着体に
吸着させてなることを特徴とする植物の鮮度保持並びに
発芽抑制剤である。
本発明による芳香物質を吸着した吸着体は、鮮度を保持
しようとする野菜や果物等と一緒に密閉状態に置くもの
であるが、これを常温下において保存してもある程度の
効果が認められるものの、本発明の効果をさらに引き出
すためには低温下において保存するのが好ましい。
結晶性アルミノケイ酸塩から成るゼオライトは、その有
する細孔中に気体分子を吸着する特性をもっており、本
発明はこのゼオライトが有する吸着能を利用して、植物
の、特に、松、杉のような針葉樹主に葉の部分から分離
抽出した芳香物質(ガス体)を吸着させるようにしたも
のである。
図面はゼオライトに芳香物質を吸着させるためのプロセ
スの一例を示すものであり、図中1は水蒸気を発生させ
るボイラー、2は芳香物質を抽出しようとする針葉樹の
葉を容れた貯溜タンクであり、ボイラー1より供給され
る水蒸気によって貯溜タンク2内の植物は蒸留され、配
管を通って次段の気液分離装置3に送られる。
この気液分離装置3によって水分と分離された芳香物質
を含有してなるガス体は後段のゼオライトタンク4内に
供給され、ここでゼオライトが有する細孔中に芳香物質
が吸着される。
この吸着に際しては、ゼオライトタンク4内のゼオライ
トを加熱しておくと、ゼオライトの細孔の入口径が拡開
してガス体の包蔵がより促進され、好ましい結果をもた
らすことができるものである。なお、ここで使用するゼ
オライトは、合成のもの、あるいは天然産のものいずれ
でもよく、また形状的には、結晶微粉末状のものであっ
てもよいし、あるいはゼオライト結晶には自己結合性が
ないため、いわゆるバインダーを用いて塊状体となした
ものであってもよい。バインダーを添加した場合には、
その単位重量あたりの吸着性能は粉末そのものの場合よ
り多少低下することになるが、塊状体として使用するこ
との利点の方が大きいものである。
芳香物質を抽出する植物の種類は、本発明の実施にとっ
て特に重要でなく、どのような種類の植物でも適用が可
能であるが、本発明者による実験の結果では、松の葉お
よび杉の葉から分離抽出した芳香物質が、特に鮮度保持
に大きな効果を与えることが分かった。また、植物の葉
の部分のみでなく、枝や幹、茎の部分、さらには花卉類
の場合には花の部分から抽出した芳香物質でもよいが、
これらは葉の部分から較べると抽出コストが割高となり
経済的に不利となる。
本発明芳香物質を吸着したゼオライトからなる吸着体
を、野菜や果物等と一緒に密閉状態に置くと後述するよ
うに、長期に亘って鮮度を保持することができると共
に、馬鈴薯等芋類の発芽を抑えることができるものであ
る。
なお、本発明による効果を得ることができる吸着体の使
用量は、鮮度を保持しようとする野菜や果物の100重量
%あたり、1〜10重量%が適当である。本発明者による
結果では、吸着体の使用量を1重量%以下にした場合に
は満足し得る鮮度保持の効果が得られなかった。
また、使用量を10重量%以上としても鮮度保持の効果は
当然得られるが、増加に応じた効果の向上はなく、経済
的に考えた場合、前記したように試料100重量%あた
り、1〜10重量%の範囲内が最も適当である。
〔実施例〕
以下に、実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳述す
る。
実施例(1) 出光タンカー所属『高宮丸』の2℃〜6℃に温度設定さ
れた大型低温貯蔵庫を使用して、下記の13種類の試料に
つき、3種類に亘る経時変化を調べるため次の実験を行
った。
A: 本発明吸着体と各試料をビニール袋内に封入し、低
温貯蔵庫内に置いた。
B: 各試料を収容した低温貯蔵庫内に本発明吸着体を置
いた。
C: 従来と同様の低温貯蔵のみ。
〔実験試料 1:中国菜 2:レタス 3:ピーマン 4:生椎
茸 5:しし唐 6:えのき茸 7:白菜 8:胡瓜 9:パセリ
10:ホウレンソウ 11:トマト 12:キャベツ 13:茄
子〕 上記実験結果のうち第1週目を表−1に、第3週目を表
−2にそれぞれ示す。
実施例(2) 10℃〜25℃の常温下における経時的変化を調べるため、
次の10種の試料につき実験を行った。
実験方法は、(a)本発明吸着体を使用せず、自然放置
したもの、(b)ガーゼで作成した袋の中に本発明吸着
体を容れたものと一緒に各試料を容器内に封入したも
の、を比較することにより行った。
試料1:巨 峰(実験開始7月24日) (a)7月30日、くずれて実が割れてきた。
8月5日、全部腐敗して水状になった。
(b)9月20日、まだ充分食べられる状態。
10月1日、僅かに水滴が容器の底に溜まる 試料2:パセリ(実験期間1月23日〜2月3日) (a)干し草のごとく萎れてしまった。
(b)葉が青々としていて、充分食用になる。
試料3:ピーマン(実験期間1月23日〜2月8日) (a)先端が茶色に変色して黴の発生が認められた。
(b)青々としていて、しかも艶があり、充分食用にな
る。
試食4:キュウリ(実験期間3月23日〜4月3日) (a)先端が崩れてきて、黴の発生が認められた。
(b)青々として、しっかりしており、充分食用とな
る。
試料5:イチゴ(実験期間2月2日〜2月8日) (a)先端が白っぽくなり、形が崩れてきた。
(b)赤々と艶があり、充分食用となる。
試料6:バラの切り花(実験期間2月2日〜2月8日) (a)花が歪な形で開花しかけ萎れた。葉が萎れてき
た。
(b)蕾がしっかりしており、葉も生気を失わず。
試料7:朝鮮松茸(同一条件のカゴ入りの松茸1kgを2つ
求め、実験を行った。) (a)72時間経過の頃からカサの部分がベタベタしてき
て、85時間経過後カサの裏側に斑点が認められた。
(b)120時間経過するも、とれたてのまゝの状態を保
持。1kg中只一つのオチもない。
試料8:キャベツ (a)7日経過の時点から、表面の葉が黄色から茶色に
変色し始める。
(b)7日を経過するも、葉の色が変わらず瑞々しさを
保持している。
試料9:レタス (a)4日目頃から、所々茶色に変色。7日目、表面が
ズルズルにとけてきた。
(b)14日経過するも、とれたての鮮度を保持。25日経
過頃から、所々茶色に変色。
試料10:ミカン(10kg詰め段ボール箱の最上段の中心に
青黴の生えたミカンを1つづついれて実験を行った。) (a)2週間後、ぐしゃぐしゃに崩れ、腐敗が全体に及
ぶ。
(b)2週間経過するも、青黴ミカンはそのまゝで、他
に感染せず。全部食べられる状態。
実施例(3) 同一条件の馬鈴薯8個つづを大型ガラス容器内に容れ、
(a)一方の容器内には本発明吸着体を容れてから施蓋
すると共に、(b)他方のガラス容器はそのまゝ施蓋し
て、8月19日〜10月7日までの間発芽状況の観察を行っ
た。(なお、実験時の雰囲気は22℃〜27℃の室温) 8月22日(a)については何ら変化が認められなかった
が、(b)については発芽が認められた。
9月9日(a)については何ら変化が認められなかった
が、(b)については発芽の成長と共に、微小の白黴が
認められた。
9月18日(a)については何ら変化が認められなかっ
た。しかし、(b)については発芽の成長に伴い養分が
失われ表面がシワシワになってきた。
10月7日(a)については引き続き変化が認められなか
った。しかし、(b)の馬鈴薯は白黴が増大し、表面が
さらにシワシワとなる。
〔発明の効果〕 上記したように、本発明植物の鮮度保持並びに発芽抑制
剤によった場合は、従来の単純な低温貯蔵法によった場
合よりさらに長期に亘り野菜や果実等の鮮度を保持する
ことができるものである。また、実施例(2)によって
明らかなように、常温下においても可成りの効果が認め
られる。さらに、実施例(3)によって明らかなごと
く、本発明には馬鈴薯等芋類の発芽を抑制する効果があ
り、生鮮野菜等の物流に多大な効果を賦与することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
図面はゼオライトに芳香物質を吸着させるためのプロセ
スの一例を示す概略図である。 1:ボイラー、2:貯溜タンク 3:気液分離装置、4:ゼオライトタンク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】松,杉のような針葉樹の葉の部分を貯留タ
    ンク内に容れ、当該タンク内に蒸気を供給することによ
    って、前記針葉樹の葉の部分に含まれるガス状の芳香物
    質を分離抽出し、当該ガス状の芳香物質を、ゼオライト
    からなる吸着体に吸着させてなることを特徴とする植物
    の鮮度保持並びに発芽抑制剤。
JP12317390A 1990-05-15 1990-05-15 植物の鮮度保持並びに発芽抑制剤 Expired - Lifetime JPH0725647B2 (ja)

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