JPH07255695A - 核磁気共鳴イメージング用の局部コイル - Google Patents

核磁気共鳴イメージング用の局部コイル

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JPH07255695A
JPH07255695A JP6042936A JP4293694A JPH07255695A JP H07255695 A JPH07255695 A JP H07255695A JP 6042936 A JP6042936 A JP 6042936A JP 4293694 A JP4293694 A JP 4293694A JP H07255695 A JPH07255695 A JP H07255695A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気共鳴イメージングのための局部コイルを
提供する。 【構成】 円筒形の枠12を用いることにより、円筒形
の枠のまわりに円周方向に配置された一つ以上のコイル
群16,18からなるコイルアレーを支持する。複数の
コイル群を重ねる(オーバーラップさせる)ことによ
り、コイル群相互間の電気的隔離を行って、このような
1つのコイル群から得られる視野よりも大きな視野を得
るとともに、局部コイルに固有の信号対雑音比を維持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の分野は磁気共鳴イメージ
ング(MRI‥‥magnetic resonanc
e imaging)であり、更に詳しくは、MRI信
号を受ける際に使用するための局部コイルである。
【0002】
【従来の技術】
A.磁気共鳴イメージング MRI(磁気共鳴イメージング)では、原点がイメージ
ング対象の中のほぼ中心にあるようなデカルト座標系の
z軸に沿って、一様な磁界B0 がイメージング対象に印
加される。磁界B0 の効果は、イメージング対象の核ス
ピンをz軸に沿ってそろえることである。x−y平面内
に向いた、適当な周波数の無線周波(RF:radio
frequency)励起信号に応動して、核は次式
によるラーモア周波数でz軸を中心として歳差運動をす
る。
【0003】 ω=γB0 (1) ここで、ωはラーモア周波数であり、γは定数で、特定
の核の特性を表す磁気回転比である。水は、生物組織の
中に比較的豊富にあることとその核の特性により、この
ようなイメージングでは主な関心事である。水に対する
磁気回転比γの値は4.26kHz/ガウスである。し
たがって、1.5テスラの分極磁界B0 では、水の共鳴
周波数すなわちラーモア周波数は約63.9MHzであ
る。
【0004】軸方向のスライスに対する通常のイメージ
ングシーケンスでは、RF励起信号は中心がラーモア周
波数ωにあり、磁界勾配Gzが印加されるのと同時にイ
メージング対象に印加される。勾配磁界Gzにより、x
−y平面に沿ってイメージング対象を通るスライスの中
の核だけが共鳴周波数ωを持ち、励起されて共鳴状態と
なる。
【0005】このスライス内での核の励起後、x軸およ
びy軸に沿って磁界勾配が印加される。x軸に沿った勾
配Gxにより、核はx軸に沿ったその位置によって決ま
る異なる周波数で歳差運動を行う。すなわち、Gxは歳
差運動を行う核を周波数によって空間符号化する。y軸
の勾配Gyは一連の値を通って増加していき、y位置を
勾配振幅の関数として歳差運動を行う核の位相の変化速
度に符号化する。この処理は通常、位相符号化と呼ばれ
る。
【0006】歳差運動を行う核が発生する弱い核磁気共
鳴は、RFコイルで検知して、NMR信号として記録す
ることができる。このNMR信号から、周知の再構成手
法によりスライスの画像を得ることができる。NMR画
像再構成の概説は、ディー・エヌ・キーン(D.N.K
ean)およびエム・エー・スミス(M.A.Smit
h)著、「磁気共鳴イメージング、原理と応用」(Ma
gnetic Resonance Imaging,
Principles and Applicati
ons)に含まれている。
【0007】B.局部コイル MRI技術によって作成される画像の品質は、ある程
度、歳差運動を行う核から受けるNMR信号の強さによ
って決まる。この理由で、この受ける信号の強さを改善
するためにイメージング対象の関心のある領域に近接し
て配置された独立のRF受信コイルを使用することが知
られている。このようなコイルは局部コイルまたは表面
コイルと呼ばれている。局部コイルの面積をより小さく
すれば、関心のある領域からのNMR信号に正確に集中
させることができる。更に、局部コイルの受けるRFエ
ネルギーが一層小さい体積から得られて、取得されるN
MR信号の信号対雑音比が改善される。
【0008】この局部コイルの改善された信号対雑音比
は、視野の減少、すなわちコイルが充分なNMR信号検
出感度を持つ患者の体積の減少を犠牲にして得られる。
この視野の減少は、局部コイルがより小さい大きさに作
られている結果である。視野を大きくするために多数の
局部コイルを使用することは知られている。このような
多数の局部コイルの構成で高い信号対雑音比を維持する
ために、局部コイル相互の間の電気的相互作用を最小に
することが重要である。そうでなければ、多数の局部コ
イルは個々の局部コイルの信号対雑音比の利点が無くな
り、単一のより大きなコイルと同じように働く。
【0009】1989年4月25日発行の米国特許第
4,825,162号には局部コイルのアレー(配列)
が説明されている。この局部コイルアレーでは、表面
(必ずしも平面ではない)上に複数の単巻コイルを配列
することにより、大きな視野、および個々の局部コイル
の信号対雑音比の利点が得られるようにしている。コイ
ルのループが電磁的に減結合されるようにループ相互間
の重なりの程度を調整することにより、そして各ループ
を極めて低いインピーダンスの前置増幅器に接続するこ
とにより、コイルアレーのループ相互間の隔離(アイソ
レーション)が維持される。
【0010】上記の米国特許に述べられているように、
各コイルと一緒に使用される低インピーダンスの前置増
幅器により、個々のコイルの相互作用は事実上Q/Nに
減少する。ここで、Qは各コイルの品質係数(qual
ity factor)であり、Nは各コイルの出力静
電容量とそれの正味の直列静電容量との間の比である。
【0011】上記の米国特許では、膝や他の四肢の部分
のような、直径の小さな対象の場合、その対象のまわり
にアレーの「ラッピング」(wrapping)を行う
ことによりコイルアレーが三次元の対象に追従するよう
に考えられているが、このアプローチは完全には成功し
ていない。ラッピングの曲率半径が充分に小さければ、
個々のコイルの間の隔離が破壊される。重要なことであ
るが、アレーの表面に沿った互いに隣接しないコイル
は、四肢を横切って対向したときに相互に作用すること
がある。対向したコイルのこの相互作用は、上記の米国
特許に説明されている前置増幅器の減結合機構によって
無効化することができる相互作用より強い。
【0012】
【発明の概要】本発明は、そのまわりにアレーを曲げる
ときアレーの曲率が鋭いためにアレー内の互いに隣接し
ないコイル相互の間に強い相互作用が生じるような膝お
よび足等の四肢に対して使用するための局部コイルアレ
ーを提供する。詳しく述べると、本発明はアレーの要素
部分として円筒形のコイル群を用いる。円筒形のコイル
群は円筒形の枠の外周に合致する。各コイル群は枠の軸
に沿った小さな体積に感応する。互いに重なる数個の円
筒形のコイル群から円筒形のアレーが作られる。これに
対して、上記の米国特許に記載の平面状アレーは互いに
重なる平面状ループから形成されている。円筒形コイル
群相互の間の相互作用を無くすように、互いに隣接する
円筒形コイル群相互の間の重なり(オーバーラップ)が
調整される。
【0013】したがって本発明の第一の目的は、たとえ
ば膝用コイルに使用するための円筒形構成で用いること
ができ、また要素の円筒形コイル群を追加して任意に拡
張することにより任意に大きな視野を得ることができ
る、信号対雑音比の大きな円筒形アレーを提供すること
である。要素の円筒形コイル群は二つの交差するヘルム
ホルツ対で形成することができる。各ヘルムホルツ対
は、円筒を直径方向に通る時間的に変化する一様な磁界
に感応するように電気的に接続された対向するループで
ある。ヘルムホルツ対のコイルループは一つの要素とし
て結合されるので、各対のコイル相互の間の隔離の問題
は意味が無くなる。各ヘルムホルツ対からの信号は独立
に測定される。
【0014】本発明のもう一つの目的は、要素の円筒形
コイル群を作る副要素のコイルを提供し、信号対雑音比
を改善するために副要素コイルは相互に隔離される。副
要素コイルは1つのヘルムホルツ対である。円筒の外周
に沿ったコイルの重なりにかかわらず、各ヘルムホルツ
対のコイルの対称性により、各ヘルムホルツ対はその群
の他のヘルムホルツ対から隔離される。
【0015】本発明の更にもう一つの目的は、要素の円
筒形コイル群に対して適応できるコイル設計を提供する
ことである。単一のヘルムホルツコイルとして対向する
コイルを接続することにより、各円筒形コイル群の多数
のコイルが任意に重なり合うことができる。コイルがほ
ぼ長方形であるとき、各コイルの軸方向セグメントは円
筒形の外周に等間隔に配置することにより、取り囲まれ
た体積(volume)をより一様にカバーすることが
できる。
【0016】上記以外の目的および利点は、以下の本発
明の実施例についての説明から熟練した当業者には明ら
かとなろう。説明では付図を参照するが、これは説明の
一部を構成するものであり、本発明の一例を示すもので
ある。しかし、このような例は本発明の種々の代替形を
網羅するものではない。したがって、本発明の全範囲を
判定するためには、特許請求の範囲を参照するべきであ
る。
【0017】
【実施例の記載】図1に示すように本発明の局部コイル
10は、患者の膝または肘(図示しない)を入れて取り
囲むような直径と長さの円筒形の枠12を含む。患者の
脚または腕が円筒形の枠12の縦軸15に沿って伸び
る。縦軸15は、横軸のx軸および垂直軸のy軸もそな
えたデカルト座標系のz軸を形成する。円筒形の枠12
は、エポキシ含浸ガラス繊維のような、比誘電率の小さ
い堅固な非導電性の材料で作られる。
【0018】円筒形の枠12の外表面から半径方向外側
に4個の環状リブ14が伸びている。4個の環状リブ1
4は第一のコイル群16および第二のコイル群18の縦
軸15に沿った端縁を形成する。各コイル群16、18
のコイルは、後で説明するように円筒形の枠12の外表
面に固着された銅箔の導電性パターン20で形成され
る。
【0019】図2に示すように、各コイル群16、18
の導電性パターン20を一緒に接続することにより、4
個のループ22(a)乃至22(d)が形成される。ル
ープ22(a)と22(c)は(図1に示される)円筒
形の枠12の中の体積24を中心としてほぼ対向して配
置され、デカルト座標系のy軸に平行な共通の横軸を有
する。同様に、ループ22(b)と22(d)は体積2
4を中心として対向して配置され、デカルト座標のx軸
に平行な共通軸を有する。
【0020】ループ22(a)と22(c)、ならびに
ループ22(b)と22(d)の各対はヘルムホルツ対
を形成し、またそれぞれの軸に沿った磁界の変化に応動
するように直列に接続される。詳しく述べると、x軸に
沿った変化する磁界に対して、ループ22(b)および
22(d)が電圧を発生する。前置増幅器26でこれら
の電圧が互いに増強するように、ループ22(b)と2
2(d)が接続される。他方、y軸に沿った時間ととも
に変化する磁界はループ22(a)と22(c)に電圧
を発生する。前置増幅器27でこれらの電圧が相加され
るように、ループ22(a)とループ22(c)が接続
される。
【0021】図1、2および3に示すように、ループ2
2(a)乃至22(d)の各ループは複数の直列接続さ
れたコンデンサ30を含み、コンデンサとループ22
(a)乃至22(d)の導電性パターン20の固有のイ
ンダクタンスとによりMRIシステムのラーモア周波数
で共鳴するように同調する。各ループ対22(a)と2
2(c)ならびに22(b)と22(d)の発生する信
号は、その対の対応する一つのコンデンサ30(a)ま
たは30(b)の両端間に得ることができる。
【0022】各ループ対に設けられる同軸ケーブル28
(a)または(b)は、対応するコンデンサ30(a)
または30(b)の両端間に発生したそれぞれの信号を
それぞれの前置増幅器27または26に接続する。各ヘ
ルムホルツコイル対の対向する各ループ22に対する各
コンデンサ30の一方の端子が、対応する同軸ケーブル
28のシールド32に接続される。シールド32はピン
ダイオード34のカソード、ならびに前置増幅器26ま
たは27の一方の入力にも接続される。同軸ケーブル2
8の中心導体は、ヘルムホルツ対のループ22に対する
各コンデンサ30の他方の端子、ピンダイオード34の
アノード、および前置増幅器26または27の他方の入
力に接続される。
【0023】二つの等しいインダクタンス36および3
8が関連するヘルムホルツ対に1つずつ設けられる。N
MRシステムの送信パルスの間、ループ22(a)乃至
22(d)の感度抑圧を行うことが望ましい。この感度
抑圧は、ピンダイオード34が導電状態にあるときイン
ダクタンス36および38が対応するコンデンサ30と
並列共振回路を構成するようにインダクタンス36およ
び38の値を調整することによって達成される。この並
列共振はループ22を通る電流の導通を阻止することに
より、送信パルスからループ22を減結合する。
【0024】ピンダイオード34のコンダクタンスは、
当業者には一般に理解されるように、ピンダイオード3
4の両端間の補助リード線40を介して注入される直流
電流によって制御される。MRIサイクルの受信部分の
間は、リード線40を通る直流電流が不作動にされて、
コンデンサ30とインダクタンス36または38の並列
共振が終わるので、NMR信号の受信が可能となる。
【0025】前置増幅器26または27は低インピーダ
ンス前置増幅器であり、同軸ケーブル28(a)または
28(b)に接続することができる。ピンダイオード3
4の端子に於ける前置増幅器26または27の低インピ
ーダンスを維持するために、同軸ケーブル28(a)ま
たは28(b)はラーモア周波数でMRI信号の半波長
の倍数となっている。
【0026】図2および4に示すように、本発明のルー
プ22(a)乃至22(d)はその形状が円筒形の枠1
2に一致するように形成される。対向するループ22
(a)と22(c)、もしくは22(b)と22(d)
をヘルムホルツ対として接続することにより、各対の二
つのコイルが電気的に結合される。他方、このヘルムホ
ルツ対接続の結果として、各対は他の対から隔離され
る。たとえば、ループ22(a)の発生する磁界50
は、ループ22(d)と22(b)の重なる部分と鎖交
する。それにもかかわらず、この磁界はループ22
(d)と22(b)に相殺する電流を発生する。図2に
ついて説明したように、ループ22(d)と22(b)
からの信号が加え合わされるとき、相殺される。したが
って一般に、コイル群16または18の各ループはその
コイル群16または18の中の隣接するコイル(対向す
るコイルではない)から電気的に隔離される。これは、
コイル群16または18のループ22相互の間の重なり
にかかわらず成り立つ。
【0027】図5に示すようにループ22(a)乃至2
2(d)は、縦方向セグメント46および円周方向セグ
メント48を有するほぼ長方形の形に形成される。上記
のように各コイル群16または18がその個々のループ
22の円周方向の重なりに無関係であることにより、ル
ープ22を任意に重ねて円筒形のコイル群16または1
8の受信磁界の一様性を向上することができる。詳しく
述べると、縦方向セグメント46相互の間の間隔で表す
ことのできる重なりは、縦方向セグメント46が円筒形
の枠12の外周の回りに等間隔になるように、調整され
る。4ループのコイル群16または18では、各縦方向
セグメント46は円筒形の枠12の外周に45°の間隔
で配置される。
【0028】図7(a)および(b)に示すように、局
部コイルにより得ることができる大きな信号対雑音比が
維持されるように、各円筒形コイル群16、18の縦方
向の広がり(一般的に縦方向セグメント46の長さで表
される)が短いことが理想的である。もちろん、これに
より縦方向の視野が小さくなる。したがって、縦軸15
に沿った視野を大きくするために、少なくとも二つの重
なるコイル群16と18が用いられる。後で説明するよ
うに、縦軸に沿ったコイル群16と18の重なりを制御
することにより、それらの誘導結合を小さくする。
【0029】図1および6に示すように、コイル群16
と18の重なるループ相互の間の容量性結合を小さくす
るために、縦方向セグメント46の導電パターン20が
重ならないようにずらされる。これと同じ理由のため、
縦方向セグメント46間を接続してループ22(a)乃
至22(d)を形成する円周方向セグメント48は、環
状のリブ14の両対向面上に保持され、かつそれらの交
差する領域を最小にするためにリブの縦方向の面上に配
置される。
【0030】環状のリブ14の縦方向の面に円周方向セ
グメント48を配置することにより、各コイル群16、
18の縦方向の広がりも小さくなる。そうしないと円周
方向セグメント48の横断面を最小限にすることが必要
とされる。再び図7(a)および(b)を参照して説明
する。コイル群16および18は、それらの対応するル
ープ22が互いに隔離されるように重なる。重なりの程
度は経験的に選択することができるが、隣接の重なるル
ープ22から発生されるような磁束線50が1つのルー
プ22を両方向に同じ数だけ通って鎖交するようにする
ことが必要である。重なるループ22の中心に近いほど
磁束密度は高くなるので、一般に重なりは50%よりず
っと小さく、実際上、コイルの全長を20%だけ小さく
するようなものである。
【0031】図8を参照して説明する。縦方向の重なり
を制御することにより得ることができるコイル群16と
18との間の隔離は実際上制限されるので、他の隔離増
強手法を使用することにより増強しなければならない。
特に、各ヘルムホルツコイルに関連して低インピーダン
ス前置増幅器26および27を使用することにより、コ
イル群16と18との間の実効結合が更に小さくなる。
【0032】低入力インピーダンス前置増幅器を重なる
コイル群の隣り合うループに接続することの効果は、二
つのループを変圧器17の一次巻線20pと二次巻線2
0sとみなすことにより解析することができる。巻線2
0pと巻線20sとの間には結合係数kが存在する。一
次巻線と二次巻線は共に同じインダクタンスL1 を持つ
ものと考えられるので、相互結合はM=kL1 となる。
【0033】二つの巻線の残留抵抗RP またはRS はほ
ぼ等しい。したがって、RP =RS=R1 である。第一
のループ(インダクタンスL1 の巻線20p、直列静電
容量C1 、直列抵抗R1 )を信号源19によって駆動し
た場合、信号源を取り除いて、(a)信号源端子19a
と19bとの間で見たインピーダンスが大幅に変わる
か、そして(b)第二の表面コイル(巻線20s、抵抗
S 、および表面コイルコンデンサ対C2aおよびC2b
表される)の存在によって付加的な消散および雑音が導
入されるか、判定することができる。第二の表面コイル
が存在しなければ、一次ループのインピーダンスは共振
周波数では簡単にR1 =RP となる。
【0034】第二の表面コイルを付加したとき、端子1
9a−19bの間のインピーダンスZA は次式で与えら
れる。 ZA =R1 +(ω2 2 /ZS ) (2) ここで、ZS は二次表面コイルループの直列インピーダ
ンスである。多数のコンデンサで、二次ループを同調さ
せ、その前置増幅器に整合させる。多数のコンデンサは
コンデンサC2aおよびC2bにまとめることができる。
【0035】残留抵抗RS は前置増幅器が最適雑音指数
性能を生じる信号源抵抗Ropt に次式で変換される。 1/ωC2b=(RS opt 1/2 (3) L2 は巻線20sを前置増幅器26または27に接続す
る同軸ケーブルのインダクタンスであり、或いは個別の
離散コイルであってC2bと共振するように選択される。
1 がC2aおよびC2bの直列組み合わせと共振するよう
に、C2aは選定される。これらの条件から、 1/ωC2b=ωL2 および(1/ωC2b)+(1/ω2a)=ωL1 (4) が必要とされる。ZS は次式で与えられる。
【0036】 ZS =RS +JωL+(1/JωC2a)+(1/Z* ) (5) ここで、Z* =JωC2b+[1/(RA +JωL2 )] 共振状態では、これは次のように簡略化される。 ZS =RS [1+(Ropt /RA )] (6) ここで、RA は前置増幅器26、27の入力インピーダ
ンスであり、5オームのオーダとすることができる。
【0037】伝統的な前置増幅器がRA =Ropt となる
ように設計される。これからZS =2RS となる。低入
力インピーダンス前置増幅器の場合、RA はRopt の1
/10から1/20となる。したがって、ZS はRS
10倍以上となる。したがって、式(2)の右辺の第二
項で与えられるような二次回路から一次回路への雑音結
合は、低入力インピーダンス前置増幅器を使用すること
により1/5以下に低減される。
【0038】上記の説明は本発明の実施例についての説
明であった。本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく
多数の変形を行い得ることは、当業者には明らかであろ
う。たとえば、個別コイル群の構成はヘルムホルツコイ
ルを用いる必要はなく、円筒に沿ってアレーを形成する
ように重ねることができる任意の通常の円筒形コイル構
成、たとえばサドル形コイル、指紋形コイル、または鳥
かご形コイルとすることができる。更に長いコイル構造
を得るために、多数のコイル群を重ねてもよい。本発明
の範囲に種々の実施例が含まれるように、特許請求の範
囲は記載してある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された、二つの重なる円筒
形のコイル群を含む局部コイルの斜視図である。
【図2】本発明の実施例の一つの円筒形のコイル群を形
成する直角(quadrature)対向するヘルムホ
ルツコイルの簡略斜視図である。
【図3】ヘルムホルツコイルの対向するコイル対と低イ
ンピーダンス前置増幅器との接続を示す概略電気回路図
である。
【図4】コイルを円筒の外周に合わせて配置したときの
図2の円筒形コイル群を直角軸の平面内で見た概略横断
面図であり、ヘルムホルツ対相互の間の固有の隔離を示
す概略横断面図である。
【図5】図1のコイルの円筒表面を広げたときの円筒表
面上の導体の平面図であり、二つの重なる円筒形のコイ
ル群を作成するためのそれらの導体の相互結合を示す平
面図である。
【図6】図5の縦方向導体を接続するための円周方向導
体を互いに重なる円筒形のコイル群に通す図1の円周方
向リブの端面図である。
【図7】各コイル群を他のコイル群から隔離する際の重
なりの効果を示す、互いに重なるコイル群の簡略構成図
である。
【図8】各ヘルムホルツ対に低入力インピーダンスの前
置増幅器を使用することにより得られる隔離を示す二つ
の互いに隣接したコイル群の概略回路図である。
【符号の説明】 10 局部コイル 12 円筒形の枠 14 環状リブ 15 円筒形の枠の縦軸 16 第一のコイル群 18 第二のコイル群 22 ループ 26、27 前置増幅器 28 同軸ケーブル 30 コンデンサ 36、38 インダクタンス 46 縦方向セグメント 48 円周方向セグメント

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦軸のまわりに回転する横成分を有する
    NMR信号をイメージング領域から受けるための局部体
    積コイルに於いて、 縦軸に平行にイメージング領域を通過する第一の軸を有
    するほぼ円筒形の枠、 イメージング領域の第一の部分からのNMR信号の回転
    する横成分に感応するように、上記枠の第一の部分に配
    置された第一の直角コイル、および上記枠の第二の部分
    に配置され、上記第一の直角コイルから電磁的に隔離さ
    れるように上記第一の直角コイルと重なる第二の直角コ
    イルであって、上記イメージング領域の第一の部分から
    縦方向にずれたイメージング領域の第二の部分からのN
    MR信号の回転する横成分に感応する第二の直角コイル
    を含むことを特徴とする局部体積コイル。
  2. 【請求項2】 第一および第二の直角コイルは直角ヘル
    ムホルツコイルであり、各直角ヘルムホルツコイルは、
    一対の直角軸の中の対応する軸に沿って変動する磁界に
    応答して対向する各ループからの信号が加算されるよう
    に接続された二対の対向するループを有する請求項1記
    載の局部体積コイル。
  3. 【請求項3】 上記直角ヘルムホルツコイルの二対の対
    向するループの各ループはほぼ長方形で、上記縦軸に平
    行な縦方向セグメントおよび上記枠の外周に沿った円周
    方向セグメントを有し、縦方向セグメントが上記枠の縦
    軸のまわりに45度の間隔で配置されている請求項2記
    載の局部体積コイル。
  4. 【請求項4】 上記枠は上記縦軸から半径方向外側に伸
    びていて、上記縦方向セグメントの端に配置された4個
    の環状のリブを含み、上記各円周方向セグメントは他の
    円周方向セグメントに対する容量性結合を最小にするた
    めに上記縦軸から異なった距離のところに環状のリブに
    よって保持されている請求項3記載の局部体積コイル。
  5. 【請求項5】 コイル相互間の電気的相互作用を最小に
    するためにNMR信号の周波数で5オームのオーダの入
    力インピーダンスを有する前置増幅器が各ヘルムホルツ
    対に接続されている請求項2記載の局部体積コイル。
  6. 【請求項6】 上記各ヘルムホルツコイルの対向するル
    ープの対がインダクタンスを有するケーブルによって共
    振用コンデンサの両端間で上記前置増幅器に接続されて
    おり、該インダクタンスは共振用コンデンサと共に、R
    F励起期間の間に前置増幅器端子が短絡されたときにN
    MR信号の周波数で高インピーダンスとなる阻止回路を
    形成する請求項5記載の局部体積コイル。
  7. 【請求項7】 縦軸のまわりに回転する横成分を有する
    NMR信号をイメージング領域から受けるための方法に
    於いて、 縦軸に平行にイメージング領域を通過する第一の軸を有
    するほぼ円筒形の枠を設けるステップ、 イメージング領域の第一の部分からのNMR信号の回転
    する横成分に感応するように、上記枠の第一の部分に第
    一の直角コイルを配置するステップ、および上記枠の第
    二の部分に配置され、上記第一の直角コイルから電磁的
    に隔離されるように上記第一の直角コイルと重なる第二
    の直角コイルを設け、この第二の直角コイルにより、イ
    メージング領域の第一の部分から縦方向にずれたイメー
    ジング領域の第二の部分からのNMR信号の回転する横
    成分に感応するステップを含むことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 上記第一および第二の直角コイルは各々
    が二対の対向するループを有する直角ヘルムホルツコイ
    ルであり、一対の直角軸の内の対応する一方の軸に沿っ
    て変動する磁界に応答して得られた対向する各ループか
    らの信号を加算接続するステップを含む請求項7記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 上記直角ヘルムホルツコイルの二対の対
    向するループの各ループはほぼ長方形で、上記縦軸に平
    行な縦方向セグメントおよび上記枠の外周に沿った円周
    方向セグメントを有し、上記枠の縦軸のまわりに45度
    の間隔で縦方向セグメントを配置するステップを含む請
    求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記縦軸から半径方向外側に伸びてい
    て、上記縦方向セグメントの端に配置された4個の環状
    のリブが上記枠に設けられ、上記円周方向セグメントは
    相互の容量性結合を最小にするために上記縦軸から異な
    る距離のところに環状のリブに沿って配置されている請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 コイル相互間の電気的相互作用を最小
    にするためにNMR信号の周波数で5オームのオーダの
    入力インピーダンスを有する前置増幅器を各ヘルムホル
    ツ対に接続するステップを含む請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 上記各ヘルムホルツコイルの対向する
    ループの対を、インダクタンスを介して共振用コンデン
    サの両端間で上記前置増幅器に接続し、RF励起期間の
    間に前置増幅器端子が短絡されたときにNMR信号の周
    波数で高インピーダンスとなる阻止回路を上記インダク
    タンスと上記共振用コンデンサとが形成するように上記
    インダクタンスを調整するステップを含む請求項11記
    載の方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009279422A (ja) * 2009-07-21 2009-12-03 Ge Healthcare Japan Corp Rfコイルおよび磁気共鳴撮影装置

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