JPH07254724A - X線検出器 - Google Patents

X線検出器

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JPH07254724A
JPH07254724A JP6043620A JP4362094A JPH07254724A JP H07254724 A JPH07254724 A JP H07254724A JP 6043620 A JP6043620 A JP 6043620A JP 4362094 A JP4362094 A JP 4362094A JP H07254724 A JPH07254724 A JP H07254724A
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rays
layer
ray
sic
light conversion
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Udein Ashiyurafu
アシュラフ・ウディン
Fumio Ueno
文雄 上野
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • H01L31/02322Optical elements or arrangements associated with the device comprising luminescent members, e.g. fluorescent sheets upon the device

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低いバイアス電圧で動作し、高効率、高感
度、かつ速い応答時間でX線を検出でき、しかも高温に
耐え、X線による損傷も受けずに寿命が長いX線検出器
を提供する。 【構成】 p型α−SiC基板(10)、基板(10)
上に形成されたp型SiCエピタキシャル層(11)、
p型SiCエピタキシャル層(11)上に形成されたn
+ 型SiCエピタキシャル層(12)、基板(10)に
オーミック接触する電極(13)、およびn+ 型SiC
エピタキシャル層(12)にオーミック接触する電極
(14)を有する紫外線検出部と、n+ 型SiCエピタ
キシャル層(12)に接触して形成され、X線の照射に
より紫外線を放射する光変換層(100)とを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はX線波長域のフォトンを
検出することができ、高温環境でも作動するX線検出器
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、X線結晶学では、量子効率が高
く、分解能が高く、応答性の良好なX線検出器が要望さ
れている。また、最近の先端技術産業では、X線および
可視光を使用する検査技術が不可欠である。高い分解能
と広い視野を有するX線検出器はますます必要になって
きている。現在幾つかのタイプのX線検出器が市販され
ているが、いずれも応答時間が遅く、検出効率が悪い。
以下これらのX線検出器について説明する。
【0003】(1)マイクロチャネルプレート(MC
P)型のX線検出器は、MCPの前面に設けられX線を
電子に変換する金の被覆層からなるフォトカソードと、
電子を増幅するMCPと、電子の運動エネルギーを光に
変換する高感度のIn:CdS蛍光体とからなる。蛍光
体は、光を真空系から伝達する光ファイバーのフェース
プレート上に被覆されている。この検出器を作動させる
ためには、kVオーダーのバイアス電圧を印加できる電
源が必要である。この検出器の所定のX線領域での最大
感度は約0.02%である。応答時間はミリ秒のオーダ
ーである(G.A.Burginyon et a
l.,“X線検出器の物理と応用”,R.B.Hoov
er編,SPEI,Vol.1736(1992)p.
36)。
【0004】(2)モノリシック・リニア・アレイ型の
X線検出器は、発光過程を介在することなく、イオン化
作用を有する放射線を電荷に直接的に変換するものであ
る。X線フォトンは変換材料中で電子−正孔対を生成
し、この電子−正孔対はkVオーダーの非常に強い電場
を印加することにより分離される。パルス整形時間内で
の正孔の電荷収集の相対的な効率はその用途を支配する
最も重要なパラメータである。このタイプのX線検出器
は代表的なシンチレータフォトダイオードよりも感度が
良好である。このタイプのX線検出器の効率は約0.0
1%であり、応答時間はマイクロ秒のオーダーである
(R.Polichar et al.,“X線検出器
の物理と応用”,R.B.Hoover編,SPEI,
Vol.1736(1992)p.42)。
【0005】(3)Si(Li)X線検出器は、5ke
V以下のスペクトル領域でX線を検出するのに使用さ
れ、特にシンクロトロン放射設備に応用される。エネル
ギー分散型Si(Li)検出器の量子検出効率は、非分
散性シンクロトロン放射で決定される。Si(Li)検
出器のカウント数は約10cpsに限定され、リングに
はわずかな電子しか蓄積されない(R.Clarke
et al.,Rev.Sci.Instrum.,6
0,2280(1989))。この検出器の検出効率は
極めて低い。Si(Li)検出器の検出効率だけでなく
精度も、X線による損傷作用により時間とともに変化す
る。
【0006】(4)X線ガス位置敏感検出器と呼ばれる
別の種類の検出器も使用される。この種の検出器は、2
〜3kVという高いバイアス電圧下でガスをイオン化さ
せてX線を検出する。検出効率は非常に低く、応答時間
も秒オーダーと長い(A.F.Barbosa et
al.,Rev.Sci.Instrum.,60,2
315(1989))。
【0007】(5)最近、Bi12SiO20(BSO)単
結晶板を用いたポッケルス読出し光学変調(PROM)
を応用した高品質のX線イメージ検出器が提案されてい
る(Y.Osugi et al.,“X線検出器の物
理と応用”,R.B.Hoover編,SPEI,Vo
l.1736(1992)p.2)。このPROMは、
BSO単結晶板、透明な絶縁層、および単結晶板の両面
に形成された2つの電極とからなる。露光の準備に際し
て、2つ透明電極により、BSO結晶板の両面に大きな
電位差を一様に印加する。BSO結晶板中ではX線のフ
ォトンエネルギーが効率的に電子−正孔対を生成し、そ
れらは結晶にトラップされるまで高電場に沿って短い距
離を掃引される。トラップされた電荷は、X線イメージ
の強度分布に応じて、結晶板にかかる電位差のパターン
を生成する。この電位差のパターンは、ポッケルス効果
により非破壊的に読出すことができる。しかし、この検
出器の効率と分解能は、現状での要求水準よりもはるか
に低い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低い
バイアス電圧で動作し、高効率、高感度、かつ速い応答
時間でX線を検出でき、しかも高温に耐え、X線による
損傷も受けずに寿命が長いX線検出器を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のX線検出器は、
第1導電型のα−SiC基板と、該基板上に形成された
第1導電型のSiC層と、該SiC層上に形成された第
2導電型の高濃度SiC層と、前記第1導電型の基板に
オーミック接触する電極と、前記第2導電型の高濃度S
iC層にオーミック接触する電極とを有する紫外線検出
部と、前記第2導電型の高濃度SiC層に接触して形成
され、X線の照射により紫外線を放射する光変換層とを
具備したことを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明のX線検出器は、紫外線検出部と、X線の照射によ
り紫外線を放射する光変換層とを有する。
【0011】本発明における紫外線検出部は、第1導電
型のα−SiC基板と、該基板上に形成された第1導電
型のSiC層と、該SiC層上に形成された第2導電型
の高濃度SiC層と、前記第1導電型の基板にオーミッ
ク接触する電極と、前記第2導電型の高濃度SiC層に
オーミック接触する電極とを有する。具体的なSiC層
の構成は、p型基板\p型エピタキシャル層\n+ 型エ
ピタキシャル層でもよいし、n型基板\n型エピタキシ
ャル層\p+ 型エピタキシャル層でもよい。
【0012】この紫外線検出部は、電極間にバイアス電
圧を印加した状態で、SiCのバンドギャップよりも高
いエネルギーを有する電磁波(波長300nm以下の紫
外線に相当する)が照射されると電流を発生するフォト
ダイオードとして作用する。ただし、この紫外線検出部
はX線を直接検出することができない。
【0013】本発明のX線検出器では、紫外線検出部を
構成する第2導電型の高濃度SiC層に接触して、X線
によって励起され紫外線を発光することができる光変換
層(光学変調層)が設けられる。このような光変換層を
構成する材料としては、種々の蛍光体を用いることがで
きる。例えば、Y23 :Gd,BaF2 :Ce,La
PO4 : Euなどの物質は、室温でX線により励起され
ると200〜400nmの波長域の紫外線を放射するこ
とができる。光変換層から放射される紫外線の発光強度
は、励起X線の強度の1〜4%に達する。この発光強度
は、光変換材料への適当な付活剤のドーピングを最適化
することにより、増加させることができる。なお、これ
らの光変換材料はガンマ線が照射された場合にも紫外線
を放射するので、ガンマ線の検出に用いることもでき
る。
【0014】光変換材料の具体例とその変換波長(X線
で励起されたときに発光する紫外線の波長)を表1に示
す。表1中の参考文献は以下の通りである。(a)L.
H.Brixner et al.,J.Solid
State Chem.,89,138(1990);
(b)蛍光体ハンドブック,蛍光体同学会編,オーム社
刊(1987)p.221−223;(c)R.Vis
ser et al.,J.Phys.Conden
s.Matter,5,1659(1993);(d)
W.van Schaik et al,J.Elec
trochem.Soc.,140、216(199
3)。
【0015】
【表1】
【0016】本発明のX線検出器によるX線の検出原理
を説明する。まず、光変換材料にX線を照射させる。こ
の場合、SiCがX線に対して透明な材料であるため、
紫外線検出部の側からSiCを通して光変換材料にX線
を照射することができる。また、光変換層をX線が照射
される側に配置して、光変換層に直接X線を照射する場
合には、光変換層の膜厚をその光変換材料へのX線の侵
入深さよりも薄くすることが好ましい。光変換層は、X
線により励起されて紫外線を放射する。光変換層から放
射される紫外線の強度は、励起X線の強度と線形な関係
を有する。紫外線検出部は光変換材料から放射された紫
外線を検出する。したがって、紫外線検出部による検出
信号はX線の量と線形な関係を有する。本発明のX線検
出器の応答時間は、ナノ秒のオーダである。
【0017】本発明においては、検出効率を上げるため
に、光変換層の外側に反射器を設けてもよい。具体的に
は、X線検出器本体を、凹面鏡または平面鏡を有するホ
ルダーにセットする。これらのミラーはX線励起された
光変換層から放射される紫外線を反射するので、X線検
出器の効率を高めることができる。
【0018】また、検出効率を上げるために、第1導電
型のα−SiC基板、該基板上に形成された第1導電型
のSiC層、該SiC層上に形成された第2導電型の高
濃度SiC層、前記第1導電型の基板にオーミック接触
する電極、および前記第2導電型の高濃度SiC層にオ
ーミック接触する電極をそれぞれ有する1対の紫外線検
出部を用い、前記1対の紫外線検出部を構成する前記第
2導電型の高濃度SiC層の間に光変換層を挟んで形成
してもよい。この場合も、光変換層の膜厚をその光変換
材料へのX線の侵入深さよりも薄くすることが好まし
い。
【0019】本発明のX線検出器は2.0〜4.0Vの
低いバイアス電圧で動作する。その量子効率(検出効
率)は従来のX線検出器よりも約2〜3桁高くなる。ま
た、応答時間はナノ秒のオーダーである。本発明のX線
検出器はSiCが主体となっているので、高温でも作動
する。また、SiCはX線を透過させるので、シリコン
その他の材料からなる固体X線検出器と異なり、X線に
よる損傷作用を受けない。したがって、従来のものに比
べて寿命も長い。さらに、本発明のX線検出器は従来の
X線検出器に比べて構造が簡単であり、体積も小さい。
この結果、製造が簡単であり、しかも狭い場所でも使用
できるほどコンパクトになる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 図1に本実施例におけるX線検出器の斜視図、図2にそ
の断面図を示す。なお、図2では六方晶SiCを6H:
SiCと表記する。アルミニウムまたはボロンがドープ
されたキャリヤー濃度0.5〜10×1018cm-3のp
型SiC基板10上に、アルミニウムまたはボロンがド
ープされた1〜5μm厚さのp型SiCエピタキシャル
層11が形成されている。エピタキシャル層11のキャ
リヤー濃度は約1〜5×1017cm-3である。不純物の
濃度は実質的に均一であってもよいし、勾配をもってい
てもよい。p型SiCエピタキシャル層11の上に窒素
を高濃度にドープしたn+ 型SiCエピタキシャル層1
2が形成されている。n+型SiCエピタキシャル層1
2の厚さは0.1〜0.5μmであり、キャリヤー濃度
は1〜10×1018cm-3である。p型SiCエピタキ
シャル層11に深さ方向に徐々に低濃度になるように勾
配を持たせて不純物をドーピングすると、デプレッショ
ン領域の幅が広がって応答効率が増大する。基板10の
裏面には基板とオーミック接触するTi/Alからなる
くし形の電極13が形成されている。エピタキシャル層
12の上面にはこの層とオーミック接触するNi/Al
からなるくし形の電極14が形成されている。これらの
電極は被着した後、Arガス雰囲気中でアニールされ
る。また、電極13にはAuワイヤ15が、電極14に
はAuワイヤ16がそれぞれ接続されている。このよう
な構造により、紫外領域のフォトンを検出できる、n+
−p接合を有するフォトダイオード(紫外線検出部)が
構成される。さらに、上記構造を有する紫外線検出部を
構成するn+ 型SiCエピタキシャル層12に接触する
ように、光変換層100が形成されている。光変換層1
00は、X線が照射されると250〜350nmの波長
領域の強い紫外線を放射する。
【0021】このX線検出器では、p型SiC基板10
の側からX線が照射される。SiCはX線を透過させる
材料であるので、X線はSiCを通して光変換材料10
0に照射される。前述したように光変換層100はX線
が照射されると250〜350nmの波長領域の強い紫
外線を放射する。この紫外線は、紫外線検出部に照射さ
れ、バイアス電圧が印加されている2つの電極14、1
5間に電流が生じる。
【0022】図3に、いくつかの光変換材料について室
温でX線により励起したときの放射スペクトルを示す。
図3において、AはY1.98Gd0.023 、BはLaPO
4 :Eu3+(0.5mol%)、CはBaF2 :Ce
(0.0012mol%)、DはBaF2 :Ce(0.
17mol%)についての結果である。なお、Aに関し
てはL.H.Brixner et al,前掲文献
(a); Bに関してはW.van Schaik et
al.,前掲文献(d); CおよびDに関してはR.
Visser et al,前掲文献(c)にそれぞれ
開示されている。
【0023】このうち、例えばAのスペクトルのピーク
強度は、励起X線強度の約1%である。この材料では、
23 :Gd中のGd濃度を最適化することにより放
射強度をさらに増加させることができる。その他のB〜
Dのスペクトルのピーク強度は、励起X線強度の1〜3
%である。いずれの光変換材料でも、放射スペクトルの
ピークは約300nmの波長領域にある。この波長領域
は後述するように紫外線検出部の感度が最大となる領域
の近傍である。また、これらの光変換材料の放射スペク
トルのライフタイムはナノ秒のオーダである。
【0024】図4に200〜400nmの波長領域にお
ける紫外線検出部の応答スペクトルを示す。約270n
mで応答性がピークを示している。図5にn+ 型エピタ
キシャル層の厚さと応答性のピーク位置との関係を示
す。n+ 型エピタキシャル層の厚さが減少するにつれ
て、応答性のピーク位置が短波長側にシフトしているこ
とがわかる。
【0025】図6に紫外線検出部の周波数応答曲線を示
す。この検出部は107 Hz以上の信号を検出できる。
応答時間は100ns以下である。図7に本発明のX線
検出器による検出信号の出力をX線励起出力の関数とし
て示す。300Kの温度で検出信号出力とX線出力とは
線形な関係を有する。X線出力が非常に高い場合には、
光変換材料からの紫外線放射強度が飽和するため、直線
的関係が飽和することもあり得る。したがって、励起出
力が非常に高い場合には、光変換材料とともに適切なド
ーパントを用いてドーピング濃度を最適化することも必
要になる。
【0026】実施例2 光変換材料はX線で励起されると全方位に紫外線を放射
する。このため、紫外線検出部の表面と反対方向に放射
された紫外線は、検出することができない。本実施例で
は、このように外部へ出て行く紫外線を検出するため
に、紫外線の反射器を設けた例について説明する。
【0027】図8に凹面鏡110を有するホルダーに取
付けられたX線検出器を示す。p型SiC基板10上に
p型SiCエピタキシャル層11およびn+ 型SiCエ
ピタキシャル層12が形成されている。基板10の裏面
には電極13が、エピタキシャル層12の上面には電極
14が形成されている。電極13にはAuワイヤ15
が、電極14にはAuワイヤ16がそれぞれ接続されて
いる。また、エピタキシャル層12の上面に光変換層1
00が形成されている。光変換層100の厚みは紫外線
の侵入深さのオーダーである。侵入深さは光変換材料の
種類および紫外線のエネルギーに依存する。
【0028】図8に示されるように、X線はSiCを通
して光変換層100に照射され、光変換層100は紫外
線を放射する。紫外線検出部と反対側へ照射される紫外
線は凹面鏡110で反射されるので、紫外線検出部で検
出できる。このように凹面鏡110を設けると、実施例
1と比較してX線の検出効率をさらに2〜3倍に上げる
ことができる。
【0029】図9に示すように、X線検出器を平面鏡1
20を有するホルダーにセットしても同様な効果を得る
ことができる。 実施例3 図10は2つの紫外線検出部の光変換層100を形成し
たX線検出器を示している。2つの紫外線検出部はそれ
ぞれp型SiC基板10上にp型SiCエピタキシャル
層11およびn+ 型SiCエピタキシャル層12が形成
された構造を有している。基板10の裏面には電極13
が、エピタキシャル層12の上面には電極14が形成さ
れている。電極13にはAuワイヤ15が、電極14に
はAuワイヤ16がそれぞれ接続されている。これらの
紫外線検出部は、エピタキシャル層12側を対向させて
配置され、両者のエピタキシャル層12の間に光変換層
100が形成されている。光変換層100の厚みはX線
の侵入深さ(1.0〜50μm)のオーダーである。侵
入深さは光変換材料の種類およびX線のエネルギーに依
存する。
【0030】図10に示されているように、X線はSi
Cを通して光変換層100に照射される。紫外線検出部
によってX線励起された光変換層100から放射される
紫外線を検出することによりX線を検出する。この場
合、2つの紫外線検出部を用いているので、検出効率を
上げることができる。
【0031】実施例4 図11に他のX線検出器の例を示す。このX線検出器で
は、以上で説明したものと同様の紫外線検出部を構成す
るp型SiC基板10の側に光変換層100が形成され
ている。光変換層100の厚みはX線の侵入深さのオー
ダーである。
【0032】図11に示すように、X線は光変換層10
0に直接照射され、紫外線を照射する。紫外線検出部に
よってX線励起された光変換層100から放射される紫
外線を検出することによりX線を検出でき、上記と同様
な効果が得られる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、低
いバイアス電圧で動作し、高効率、高感度、かつ速い応
答時間でX線を検出でき、しかも高温に耐え、X線によ
る損傷も受けずに寿命が長いX線検出器を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるX線検出器の斜視
図。
【図2】本発明の実施例1におけるX線検出器の断面
図。
【図3】本発明のX線検出器に用いられる光変換材料が
X線励起されたときに放射する紫外線のスペクトル図。
【図4】本発明の実施例1におけるX線検出器の応答ス
ペクトル図。
【図5】本発明の実施例1におけるX線検出器のn+
エピタキシャル層の厚さと感度のピーク位置との関係を
示す特性図。
【図6】本発明の実施例1におけるX線検出器の応答性
を周波数の関数として示す特性図。
【図7】本発明の実施例1におけるX線検出器について
X線励起出力と検出信号出力との関係を示す特性図。
【図8】本発明の実施例2におけるX線検出器の斜視
図。
【図9】本発明の実施例2における他のX線検出器の斜
視図。
【図10】本発明の実施例3におけるX線検出器の斜視
図。
【図11】本発明の実施例4におけるX線検出器の斜視
図。
【符号の説明】
10…p型SiC基板、11…p型SiCエピタキシャ
ル層、12…n+ 型SiCエピタキシャル層、13、1
4…電極、15、16…Auワイヤ、100…光変換
層、110…凹面鏡、120…平面鏡。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のα−SiC基板、該基板上
    に形成された第1導電型のSiC層、該SiC層上に形
    成された第2導電型の高濃度SiC層、前記第1導電型
    の基板にオーミック接触する電極、および前記第2導電
    型の高濃度SiC層にオーミック接触する電極を有する
    紫外線検出部と、前記第2導電型の高濃度SiC層に接
    触して形成され、X線の照射により紫外線を放射する光
    変換層とを具備したことを特徴とするX線検出器。
  2. 【請求項2】 前記光変換層の外側に反射器を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載のX線検出器。
  3. 【請求項3】 前記光変換層がX線が照射される側に配
    置され、その膜厚が該光変換層へのX線の侵入深さより
    も薄いことを特徴とする請求項1記載のX線検出器。
  4. 【請求項4】 第1導電型のα−SiC基板、該基板上
    に形成された第1導電型のSiC層、該SiC層上に形
    成された第2導電型の高濃度SiC層、前記第1導電型
    の基板にオーミック接触する電極、および前記第2導電
    型の高濃度SiC層にオーミック接触する電極をそれぞ
    れ有する1対の紫外線検出部と、前記1対の紫外線検出
    部を構成する前記第2導電型の高濃度SiC層の間に挟
    まれて形成され、X線の照射により紫外線を放射する光
    変換層とを具備したことを特徴とするX線検出器。
  5. 【請求項5】 前記光変換層の膜厚が該光変換層へのX
    線の侵入深さよりも薄いことを特徴とする請求項4記載
    のX線検出器。
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