JPH07247151A - 炭素繊維強化水硬性複合材料とその製造方法 - Google Patents

炭素繊維強化水硬性複合材料とその製造方法

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JPH07247151A
JPH07247151A JP3816694A JP3816694A JPH07247151A JP H07247151 A JPH07247151 A JP H07247151A JP 3816694 A JP3816694 A JP 3816694A JP 3816694 A JP3816694 A JP 3816694A JP H07247151 A JPH07247151 A JP H07247151A
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carbon fiber
weight
water
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composite material
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JP3816694A
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Mitsuru Awata
満 粟田
Akira Shiraki
明 白木
Mitsuharu Tezuka
光晴 手塚
Yasoji Ozawa
八十治 小沢
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防水性に優れ、又、含水時にも優れた強度を
示す炭素繊維強化複合材料を提供する。 【構成】 炭素繊維を混入した水硬性複合材料に、撥水
剤として、(A)アルケニルコハク酸無水物を(B)ポ
リビニルアルコールまたはその誘導体および(C)界面
膜強化物質とを含有する炭素繊維強化水硬性複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として土木・建築分野
において使用される撥水性に優れた炭素繊維補強セメン
トの製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化水硬性複合材料は通常のモ
ルタルの強度不足を、炭素繊維のもつ引張強度と弾性率
とを利用して補うために開発されたものであり、曲げ強
度、引張強度および靱性に優れている。この炭素繊維強
化水硬性複合材料用の炭素繊維は引張強度が100kg
/mm 2 以上のものを使用し、水溶性のポリマーを用い
て集束し、混練時に炭素繊維を単糸分散させる(特開昭
63−162559号公報)という手段があった。
【0003】しかしながら、該セメントは、気乾状態に
おいてその補強効果が発揮されるのであって、水の浸水
により水分を多く含んだ場合、マトリックスと炭素繊維
の界面の摩擦力が落ちるため、補強効果は低くなり、強
度が低下するという問題があった。また、吸水が容易に
行われると、凍結温度で水が氷に変化する際に、その容
積が10%増加することに伴う組織破壊を来たすため、
凍結融解性能が低下するといった問題もある。一般のセ
メント等では水の浸入を防止するため、シリコーン等の
撥水剤が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、炭素繊
維強化セメントにかかる撥水剤を添加すると炭素繊維の
分散が悪くなるため撥水剤を用いることはできなかっ
た。
【0005】
【課題を解決させるための手段】本発明者らは前記課題
を解決すべく種々検討を重ねた結果、該セメントを製造
するときに、特定の撥水剤を適当量添加することによ
り、硬化させた後に、撥水性に優れ、含水強度や、凍結
融解性能に優れた炭素繊維強化複合材を製造できること
を見いだし、本発明を完成したものである。
【0006】すなわち本発明の目的は、吸水により、著
しい強度低下の生じない炭素繊維強化水硬性複合材料と
その製造方法を提供することであり、かかる目的は、炭
素繊維を混入した水硬性複合材料において、撥水剤とし
て(A)アルケニルコハク酸無水物、(B)ポリビニル
アルコールまたはその誘導体および(C)界面膜強化物
質を含有することを特徴とする炭素繊維強化水硬性複合
材料、より好ましくは、該界面膜強化物質がナフタリン
スルホン酸・ホルマリン高縮合物及び/又はアセチレン
ジオールからなる前記の炭素繊維強化水硬性複合材料、
並びに(A)アルケニルコハク酸無水物、(B)ポリビ
ニルアルコールまたはその誘導体および(C)界面膜強
化物質を含有する撥水剤を水中に乳化させ、エマルジョ
ン組成物とした後、該エマルジョン組成物を水と共に、
炭素繊維を混入した水硬性材料に、添加、混練すること
を特徴とする炭素繊維強化複合材料の製造方法、好まし
くは該炭素繊維を混入した水硬性材料100重量部に対
して、該エマルジョン組成物の固形分が0.05〜2.
0重量部である前記の炭素繊維強化複合材料の製造方
法、より好ましくは該界面膜強化物質がナフタリンスル
ホン酸・ホルマリン高縮合物及び/又はアセチレンジオ
ールからなる前記の炭素繊維強化複合材料の製造方法、
により容易に達成される。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明におけるセメント原料としては建築材料や土木材料
に用いられる各種セメントが使用できる普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメン
ト、アルミナセメントおよび低収縮セメントのいずれで
も良く、好ましくは低収縮セメントおよび早強ポルトラ
ンドセメントを用いる。
【0008】本発明で用いられる撥水剤は、(A)成分
としてアルケニルコハク酸無水物をポリビニルアルコー
ルまたはその誘導体および界面膜強化物質とともに水中
に乳化してなる撥水性エマルジョン組成物である。アル
ケニルコハク酸無水物としては、炭素数が通常4〜4
0、好ましくは8〜20の直鎖状または分岐状のα−オ
レフィンと無水マレイン酸との反応により得られるアル
ケニルコハク酸無水物が用いられる。その具体例として
は、例えばオクテニルコハク酸無水物、ノネニルコハク
酸無水物、デセニルコハク酸無水物、ドデセニルコハク
酸無水物、トリイソブテニルコハク酸無水物、ヘキサデ
セニルコハク酸無水物、ヘキサデセニルコハク酸無水
物、イソオクタデセニルコハク酸無水物、エイコデセニ
ルコハク酸無水物等が挙げられる。
【0009】また、本発明において用いられるポリビニ
ルアルコールまたはその誘導体としては、20℃におけ
る4%水溶液の粘度が通常1〜80センチポイズ、好ま
しくは3〜30センチポイズ、また、ケン化度が通常8
5モル%以上、好ましくは86〜99.8モル%のもの
が挙げられる。また、ポリビニルアルコールの誘導体は
その置換基に水酸基以外にもカルボキシル基や、含窒素
基等を有するものが挙げられる。
【0010】本発明において用いられる(B)成分のポ
リビニルアルコールまたはその誘導体の好ましい使用量
はアルケニルコハク酸無水物100重量部に対して通常
1〜10重量部、より好ましくは2〜8重量部である。
使用量が少なすぎる場合では、安定なエマルジョンが得
られにくく、また多すぎる場合ではエマルジョンの粘度
が著しく高くなり好ましくない。
【0011】本発明に用いられる(C)成分である界面
膜強化物質とは、界面を補強し、安定化させる効果を持
つ物質をいう。中でも、(イ)カルボン酸化合物もしく
はスルホン酸化合物の重合体の水溶性塩またはビニル化
合物とカルボン酸化合物もしくはスルホン酸化合物との
付加物もしくは共重合体の水溶性塩、(ロ)(イ)の付
加物もしくは共重合体の水溶性塩と界面活性剤との混合
物、(ハ)高級アルコールと界面活性剤との混合物、
(ニ)沸点200℃以上の疎水性液体と界面活性剤との
混合物、(ホ)沸点200℃以上の疎水性液体と界面活
性剤と高級アルコールとの混合物、(ヘ)ナフタリンス
ルホン酸・ホルマリン高縮合物、(ト)高縮合トリアジ
ン系化合物、(チ)アセチレンジオール系化合物、並び
に上記(イ)〜(チ)のうち任意の2種類以上の組み合
わせ等、界面に物理的に吸着されて強化する物質が好ま
しい。特に好ましくは(ヘ)と(チ)の組み合せであ
る。
【0012】本発明で用いられる界面膜強化物質として
の(イ)または(ロ)における、カルボン酸化合物もし
くはスルホン酸化合物の重合体の水溶性塩またはビニル
化合物とカルボン酸化合物もしくはスルホン酸化合物の
付加物もしくは共重合体の水溶性塩としては、以下のも
のが具体例として挙げられる。ポリスチレンスルホン酸
の水溶性塩、ポリ(メタ)アクリル酸の水溶性塩、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体スルホン化物の水溶性
塩、アルケニルコハク酸の水溶性塩、炭素数4〜12の
α−オレフィンと無水マレイン酸共重合体の水溶性塩等
を挙げることができる。
【0013】また、界面膜強化物質(ハ)または(ホ)
において、用いられる高級アルコールとしては、例え
ば、n−ブタノール、n−オクタノール、n−デカノー
ル、ステアリルアルコール、セチルアルコール、2−エ
チルヘキサノール、2−ヘプチルウンデカノールなどの
直鎖または分岐を有する、炭素数が通常4〜20、好ま
しくは8〜18の脂肪族アルコールを挙げることができ
る。
【0014】また、界面膜強化物質(ニ)または(ホ)
において用いられる、沸点200℃以上の疎水性液体と
しては、例えば、ジメチルポリシロキサン、アルキルメ
チルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキサン等
のシリコーンオイル類またはその誘導体、タービン油、
マシン油、α−オレフィンの重合体等の天然または合成
炭化水素油、ビフェニル、ターフェニル等の芳香族炭化
水素油等が挙げられる。
【0015】また、界面膜強化物質(ロ)、(ハ)、
(ニ)また(ホ)において用いられる界面活性剤として
は以下のものが具体例として挙げられる。ソルビタンモ
ノオレートやソルビタンモノステアレートなどのソルビ
タン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレートやポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レートなどのポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類、
ポリオキシエチレンソルビトールモノオレートなどのポ
リオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル類、ポ
リオキシエチレンモノオレートやポリオキシソルビタン
モノステアレートなどのポリオキシアルキレンアルキル
エステル類、ポリオキシエチレンラウリルアルコールリ
ン酸エステル等のポリオキシアルキレンアルキルアルコ
ール無機酸エステル類、ポリオキシエチレン・ポリオキ
シエチレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキ
ルアリルエーテル類、ステアリルアミンの塩酸塩、ステ
アリルアミンの四級化合物等の含窒素カチオン性化合
物、パーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活
性剤、ラウリルアルコール硫酸エステルNa塩、オレイ
ル硫酸エステルNa塩等の高級アルコール硫酸エステル
塩類、ラウリルアルコールポリエチレングリコール硫酸
エステルNa塩、オレイルアルコールポリエチレングリ
コール硫酸エステルNa塩等の高級アルコールエチレン
オキサイド付加物の硫酸エステル類、アルキルベンゼン
スルホン酸Na塩、α−オレフィンスルホン酸Na塩等
のスルホン酸塩類、オレイルアルコールリン酸モノエス
テルジNa塩、ステアリルアルコールリン酸モノエステ
ルジNa塩等の高級アルコールリン酸エステル類、オレ
イン酸アミン塩、パルミチン酸Na塩等の高級脂肪酸塩
類などの界面活性剤の1種または2種以上の組み合わせ
が挙げられる。
【0016】さらに、界面膜強化物質の好ましい使用量
はアルケニルコハク酸無水物100重量部に対して通常
1〜50重量部、より好ましくは8〜30重量部であ
る。使用量が少なすぎる場合では十分な界面膜強化効果
は得られず、また多すぎる場合では撥水性が低下するの
で好ましくない。本発明におけるエマルジョン組成物を
製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法とし
て転相乳化法、機械的乳化法が挙げられ、これらの方法
の単独または併用も可能である。機械的乳化法としては
ホモミキサー等の高速撹拌器、バルブホモジナイザーの
ような高圧乳化機、コロイドミル、超音波等の方法があ
り、均一なエマルジョンを製造できる方法であれば、い
ずれでも良い。
【0017】本発明で用いられる撥水剤の添加量は、セ
メント100重量部に対し固形分で0.05重量部から
2.0重量部が好ましく、0.05重量部以下では撥水
効果が小さく、2重量部以上ではモルタル混練時に繊維
の分散不良が起こりやすいため好ましくない。本発明の
撥水剤は炭素繊維を混入したセメントに更に骨材その他
を配合した混合物に水と共に添加して使用される。
【0018】本発明で用いられる炭素繊維としては、特
に制限されるものではない。通常引張強度が100kg
/mm2 以上の例えばコールタールピッチ、石油ピッ
チ、石炭液化物、ポリアルリロニトリル、セルロース等
を原料とした炭素繊維を用いることができる。炭素繊維
の糸径としては、5〜30μm、好ましくは6〜18μ
mのものが用いられる。炭素繊維の繊維長としては、ア
スペクト比として500〜4000のものが好ましく用
いられる。
【0019】繊維の集束剤は、モルタルにしたときに、
チョップドストランド状の炭素繊維が単糸分散すること
も可能とさせる集束剤が用いられ、例えば、硬化剤未添
加のエポキシエマルジョンや、ポリビニルアルコール系
として、未ケン化ポリ酢酸ビニル、部分ケン化ポリビニ
ルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールがあ
る。また、メチルセルロース、エチルセルロース、カル
ボキシルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、可溶性デンプン等のデンプン
誘導体も用いられる。好ましくは硬化剤未添加のエポキ
シエマルジョンが用いられる。本発明で用いられるエポ
キシエマルジョンとしては、以下のエポキシ化合物を界
面活性剤でエマルジョン化したものが使用できる。エポ
キシ化合物とは、例えば、ビスフェノール型、ノボラッ
ク型、脂環族型、レゾール型、アミノ型などのエポキシ
化合物のモノマー、低重合物が挙げられ、中でも、ビス
フェノールA型で分子量が470以下、あるいはノボラ
ック型で分子量が600以下のエポキシ化合物が好まし
い。例えば、シェル化学社製“エピコート”815、8
27、828および834、CIBA−GEIGY(チ
バ−ガイギー)社製“アラルダイト”ECN−1235
である。
【0020】これらをエマルジョン化する界面活性剤と
しては、ポリオキシメチレンのヒマシ油エーテル、ノニ
ルフェニルエーテル、スチレン化フェニルエーテルなど
のポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテルおよびポリビニルア
ルコールなどの中から選ばれた少なくとも1種類の界面
活性剤が挙げられる。
【0021】集束剤の濃度は0.2〜2.0wt%、好
ましくは0.5〜1.5wt%に調節する。添着の方法
は、水に集束剤を混入して規定の濃度にし、その溶液に
炭素繊維を長繊維のまま滑車を通じて含浸させる。含浸
後の炭素繊維は100〜120℃で乾燥、切断される。
繊維長は5〜20mmが好ましい。エマルジョンタイプ
のエポキシの場合、その添着量が0.1wt%以下で
は、無添着の場合とほとんど変化がなく、通常のモルタ
ルミキサーでは繊維を充分分散させることが困難で、オ
ムニミキサーのような特殊なミキサーが必要とされ、使
用した際も繊維の毛羽立ちは目立つ。また2〜5wt%
の場合は、炭素繊維の周りにエポキシエマルジョンが多
すぎて炭素繊維とマトリックスの結合が弱くなるため、
逆に炭素繊維強化複合材料の強度は落ちる。さらに、5
wt%以上になると、混練時、水を添加した後も炭素繊
維はストランド状態のままで単糸分散は起こらないた
め、繊維による補強効果は少なくなる。したがってエポ
キシエマルジョンの場合0.2〜2wt%が好ましい。
【0022】骨材としては、砂、ケイ石、砂利、砕石、
シラスバルーン、フライアッシュ等が挙げられる。平均
粒径が6mmで好ましくは珪砂5号を、軽量骨材は平均
粒径40μmの中空シリカを用い、セメント100重量
部に対して合計20〜30重量部混入する。また、繊維
の分散剤としては通常一般に使用されているものが使用
でき、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース等のセルロース誘導体、ポリアミド型、ポリア
ミン型、アルキルピコリニウム塩型、アルキルアミンの
水溶性塩型等のカチオン界面活性剤、アルキルアミンオ
キサイド型ノニオン性界面活性剤、アルキルアラニン
型、アルキルアミンオキサイド型ノニオン性界面活性
剤、アルキルグリシン型、アルキルアラニン型、アルキ
ルベタイン型、アルキルイミダゾリン型等の両性界面活
性剤のうちいずれか1種または2種以上の混合物が使用
される。
【0023】減水剤としてはトリアジン環系高縮合物塩
を主成分とする特殊界面活性剤、特殊スルホン基カルボ
キシル基含有多元ポリマー、アニオン型特殊高分子活性
剤、ナフタレンスルホン酸縮合物リグニンスルホン酸誘
導体等が挙げられる。添加量はセメント100部に対し
て1〜4部混入する。また、分散剤、減水剤の他に消泡
剤、発泡剤等の混和剤も適宜添加できる。セメント原料
と炭素繊維、水、その他助剤を混練する混合機として
は、通常用いられる全ての混合機が使用でき、パドル
型、プロペラ型、櫂型、タービン型、パン型、リボン
酸、スクリュー型、ワーナ型、ニーダー型等の撹拌翼を
有する混合機の場合は、炭素繊維とセメント原料とを水
を加えずにまず混合し、ついで水を加えて混練する。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 (実施例1〜3)内容積70リットルのモルタルミキサ
ーに、低収縮セメント100重量部、ケイ砂5号12.
5重量部、軽量骨材12.5重量部、メチルセルロース
0.25重量部添加し、さらにポリビニルアルコール系
集束剤1.5wt%を添着した炭素繊維を組成物全体の
体積分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、短繊維が
充分分散した混合物を得る。ついで、撥水剤としてアル
ケニルコハク酸(三菱石油(株)製“MS−100”)
100重量部を、ポリビニルアルコール(日本合成化学
工業(株)製“GH200”)2重量部、アセチレンジ
オール(日信化学(株)製“SURFYNOL S
E”)3重量部およびナフタリンスルホン酸・ホルマリ
ン高縮合物(花王(株)製“マイティ150”)5重量
部で乳化したものを、先に減水剤(ポゾリス物産(株)
販売の“NL−4000”)3重量部とクエン酸0.5
重量部を水47重量部に入れておいた水50.5重量部
に、セメントに対する撥水剤固形分比が0.5、1.0
および2.0重量部となる量をそれぞれ添加し、水系を
それぞれ合計51,51.5,52.5重量部としてセ
メント混合物に加えて、30秒混練することにより、炭
素繊維強化水硬性複合材料を製造した。強度試験体の養
生は20℃、60R.T%の状態で行い、4週後および
同サンプルを24時間水中に浸漬後に曲げ試験をJIS
A 5201に準じて行った。なお、載荷速度は2m
m/min、試験体数はn=6で行った。また、吸水量
を測るためJIS A 1404に準じて、4×4×1
6cmサイズの試験体を用いて24時間水中に含浸さ
せ、吸水試験を行った。試験体数はn=3である。ま
た、タイル接着試験は建築研究所式試験に準じて行っ
た。また、凍結融解試験は−20〜20℃まで昇温・降
温・保持時間(20℃で散水)を含め1サイクル6時間
を300サイクル行い、諸物性の測定を行った。
【0025】(実施例4)内容積70リットルのモルタ
ルミキサーに、早強ポルトランドセメント100重量
部、ケイ砂5号49.5重量部、軽量骨材16.5重量
部、メチルセルロース0.25重量部添加し、さらに炭
素繊維を体積分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、
短繊維が充分分散した混合物を得る。ついで、撥水剤と
してアルケニルコハク酸(三菱石油(株)製“MS−1
00”)100重量部を、ポリビニルアルコール(日本
合成化学工業(株)製“GH200”)2重量部、自己
乳化型アセチレンジオール(日信化学(株)製“SUR
FYNOL SE”)3重量部およびナフタリンスルホ
ン酸・ホルマリン高縮合物(花王(株)製“マイティ1
50”)5重量部で乳化したものを、固形分比で0.5
重量部になるよう、減水剤を2重量部加えてある水49
重量部に添加したものを49.5重量部加えて、30秒
混練することにより、炭素繊維強化水硬性複合材料を製
造した。以下、養生方法、試験方法は実施例1〜3と同
様である。
【0026】(実施例5)内容積70リットルのモルタ
ルミキサーに、早強ポルトランドセメント100重量
部、ケイ砂5号49.5重量部、軽量骨材16.5重量
部、メチルセルロース0.25重量部添加し、さらに炭
素繊維を体積分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、
短繊維が充分分散した混合物を得る。ついで、先に減水
剤3重量部とクエン酸0.5重量部を入れておいた水5
0.5重量部に、実施例1〜3で用いた撥水剤を固形分
比で0.5重量部添加して、水系を全量で51重量部加
えて、30秒混練することにより、炭素繊維強化水硬性
複合材料を製造した。以下、養生方法、試験方法は実施
例1〜3と同様である。
【0027】(比較例1〜2)内容積70リットルのモ
ルタルミキサーに、低収縮セメント100重量部、ケイ
砂5号12.5重量部、軽量骨材12.5重量部、メチ
ルセルロース0.25重量部添加し、さらに炭素繊維を
体積分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、短繊維が
充分分散した混合物を得、先に減水剤3重量部とクエン
酸0.5重量部を入れておいた水50.5重量部に、撥
水剤を固形分比でそれぞれ0および5重量部添加したも
のをそれぞれ50.5,55.5重量部加えて、30秒
混練することにより、炭素繊維強化水硬性複合材料を製
造した。試験体の養生および試験方法は実施例1〜3と
同じ方法で行った。
【0028】(比較例3)内容積70リットルのモルタ
ルミキサーに、低収縮セメント100重量部、ケイ砂5
号12.5重量部、軽量骨材12.5重量部、メチルセ
ルロース0.25重量部添加し、さらに炭素繊維を体積
分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、短繊維が充分
分散した混合物を得る。ついで、パラフィンワックス
(日本精蝋(株)製 融点63℃)76重量部および石
油樹脂(東邦石油樹脂(株)製“ハイレジン#90”)
19重量部を、ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合
体Na塩2.5重量部およびポリビニルアルコール(日
本合成化学工業(株)製“GL05”)2.5重量部で
乳化したものを撥水剤として、先に減水剤3重量部とク
エン酸0.5重量部を入れておいた水50.5重量部
に、その固形分比で5.0重量部になるよう添加し、水
系の合計を55.5重量部としたものをセメントに加え
て、30秒混練することにより、炭素繊維強化水硬性複
合材料を製造した。強度試験体の養生は20℃、60
R.T%の状態で行い、4週後および同サンプルを24
時間水中に浸漬後に曲げ試験をJIS A 5201に
準じて行った。なお、載荷速度は2mm/min、試験
体数はn=6で行った。また、吸水量を測るためJIS
A 1404に準じて、4×4×16cmサイズの試
験体を用いて24時間水中に含浸させ、浸漬実験を行っ
た。試験体数はn=3。また、タイル接着試験は建築研
究所式試験に準じて行った。
【0029】(比較例4)内容積70リットルのモルタ
ルミキサーに、低収縮セメント100重量部、ケイ砂5
号12.5重量部、軽量骨材12.5重量部、メチルセ
ルロース0.25重量部添加し、さらに炭素繊維を体積
分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、短繊維が充分
分散した混合物を得る。ついで、シリコーン(東レシリ
コーン(株)製 “SH200”)100重量部を、ミ
リスチン酸ビメチルエタノールアミン塩(花王(株)製
“ルナックMY−98”)10重量部で乳化したものを
撥水剤として、先に減水剤3重量部とクエン酸0.5重
量部を入れておいた水に、その固形分比で2.0重量部
になるよう添加し、水系の合計を52.5重量部とした
ものをセメントに加えて、30秒混練することにより、
炭素繊維強化水硬性複合材料を製造した。強度試験体の
養生は20℃、60R.T%の状態で行い、4週後およ
び同サンプルを24時間水中に浸漬後に曲げ試験をJI
S A 5201に準じて行った。なお、載荷速度は2
mm/min、試験体数はn=6で行った。また、吸水
量を測るためJIS A 1404に準じて、4×4×
16cmサイズの試験体を用いて24時間水中に含浸さ
せ、浸漬実験を行った。試験体数はn=3。また、タイ
ル接着試験は建築研究所式試験に準じて行った。
【0030】(比較例5)内容積70リットルのモルタ
ルミキサーに、早強ポルトランドセメント100重量
部、ケイ砂5号49.5重量部、軽量骨材16.5重量
部、メチルセルロース0.25重量部添加し、さらに炭
素繊維を体積分率で1.8%加え、30秒乾式混合し、
短繊維が充分分散した混合物を得る。ついで、水を50
重量部加えて、30秒混練することにより、炭素繊維強
化水硬性複合材料を製造した。以下、養生方法、試験方
法は実施例1〜3と同様である。以下の結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明、すなわち炭
素単位繊維を混入したセメントの中に、水で薄めた撥水
剤を添加、混練することによって製造した硬化体が、防
水性能に優れ、含水時の曲げ強度の保持率が80%以上
および凍結融解300サイクル後のタイルの接着強度の
保持率が80%以上の炭素繊維強化水硬性複合材料を得
ることが可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/04 24/22 B C 24/26 B D06M 13/144 13/192 //(C04B 28/02 24:04 14:38 A 24:26 B 24:22 B C 24:02) (72)発明者 小沢 八十治 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維を混入した水硬性複合材料にお
    いて、撥水剤として(A)アルケニルコハク酸無水物、
    (B)ポリビニルアルコールまたはその誘導体および
    (C)界面膜強化物質を含有することを特徴とする炭素
    繊維強化水硬性複合材料。
  2. 【請求項2】 該界面膜強化物質がナフタリンスルホン
    酸・ホルマリン高縮合物及び/又はアセチレンジオール
    からなる請求項1記載の炭素繊維強化水硬性複合材料。
  3. 【請求項3】 (A)アルケニルコハク酸無水物、
    (B)ポリビニルアルコールまたはその誘導体および
    (C)界面膜強化物質を含有する撥水剤を水中に乳化さ
    せ、エマルジョン組成物とした後、該エマルジョン組成
    物を水と共に、炭素繊維を混入した水硬性材料に、添
    加、混練することを特徴とする炭素繊維強化複合材料の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 該炭素繊維を混入した水硬性材料100
    重量部に対して、該エマルジョン組成物の固形分が0.
    05〜2.0重量部である請求項3記載の炭素繊維強化
    複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 該界面膜強化物質がナフタリンスルホン
    酸・ホルマリン高縮合物及び/又はアセチレンジオール
    からなる請求項3又は4記載の炭素繊維強化複合材料の
    製造方法。
JP3816694A 1994-03-09 1994-03-09 炭素繊維強化水硬性複合材料とその製造方法 Pending JPH07247151A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012140777A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Taiheiyo Material Kk 建築用目地材
JP2013129946A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 炭素繊維用サイジング剤および該サイジング剤で処理された炭素繊維束

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012140777A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Taiheiyo Material Kk 建築用目地材
JP2013129946A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Sumitomo Seika Chem Co Ltd 炭素繊維用サイジング剤および該サイジング剤で処理された炭素繊維束

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