JPH07235079A - 超解像度読取り専用の光データ記憶媒体 - Google Patents

超解像度読取り専用の光データ記憶媒体

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JPH07235079A
JPH07235079A JP6025655A JP2565594A JPH07235079A JP H07235079 A JPH07235079 A JP H07235079A JP 6025655 A JP6025655 A JP 6025655A JP 2565594 A JP2565594 A JP 2565594A JP H07235079 A JPH07235079 A JP H07235079A
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JP6025655A
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Ii Hon Uu
ホン ウー・イー
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記憶媒体及び読み取り装置のコストを低く抑
えることができ、再生回数に制限がない超解像度読取り
専用の光データ記憶媒体を提供すること。 【構成】 データをピットとして記憶する基板6と、温
度依存透過率を有するマスキング層10と、反射層7
と、保護層8とを備え、マスキング層10は、その電子
帯域構造部において禁止帯の幅を有し、周囲温度におけ
る禁止帯の幅は、記録データの読取りに使用される光源
の光子エネルギーよりも僅かに大きく、温度の上昇と共
に減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高記録密度を有する読
取り専用のコンパクトディスク等の光データ記憶媒体
(以下、光ディスクを例として、単に光ディスクと呼
ぶ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、高記録密度光ディスクは、特にデ
ィジタル動画の記憶用途向けにコンピュータと消費者向
け電子機器業界により強く要望されている。コンパクト
なサイズと低い製作コストを特徴とするコンパクトディ
スク(CD)が、ディジタル画像の記憶用途向けに研究
されている。図8(a)及び図8(b)に概略示される
ように、既存のコンパクトディスクは、ポリカーボネー
ト基板6、通常アルミニウム材料である反射層7、およ
び保護層8から構成される。データは、1.6μmのトラッ
クピッチを有する基板6上のスパイラルトラック内に記
憶される。8-14変調(EMF)がチャネルコーディング
に使用されるので、記録ピット5の長さは0.9から3.3μ
mの範囲であり、それは3Tから11Tの信号に対応してい
る。既存のコンパクトディスク記録密度は、最小ピット
長さにより限定されるのが明白であり、その最小ピット
長さは、NAを対物レンズの開口数およびλを光源の波長
とした場合、ピックアップ光学素子の遮断周波数(2NA/
λ)により決定される。光学式ピックアップの理想的な
光伝達機能は、図9に示される。光学システムの非均一
性応答により、最小長さを有するピットの期間に対応す
る空間周波数f1は通常、遮断周波数fCの約1/2 になるよ
うに選定されるので、読取り波形は、高周波数信号を大
幅に上昇させることを必要としないで、電子回路により
容易に等化することができる。図10に示されるよう
に、ピットピッチが一定値まで減少されると、レーザス
ポット9は、2つの隣接するピットに対して同時に重な
り合うので、符号間干渉を生じる。再生された信号のビ
ット誤り率は、符号間干渉の増加と共に増加することに
なる。
【0003】一層高い記録密度を達成するために、ピッ
クアップヘッドの光応答範囲を拡大する手段を見出す必
要がある。NAが大きくなると、焦点深度が減少し、また
光学軸に対してディスクを傾斜したときに彗星状収差が
増加することになるので、NAを増加することによる光伝
達機能の向上は極めて限定される。図9から明らかなよ
うに、NAの場合を別にして、ピックアップヘッドの遮断
周波数を増加する最も直接的な方法は、より短い波長の
光源を使用することである。スペクトルの青緑波長領域
で作動する半導体レーザダイオードの開発において最近
大きな前進が見られたが、低抵抗率のp型材をどうのよ
うにして得るか、およびp型材へオーム接触をどうのよ
うにして行うかなどの幾つかの重要な問題が依然未解決
のままである。
【0004】超解像度は、光源の波長を減少すること、
またはNAを非物理的に増加することと同一の効果を有す
る、記録密度を増加する代替技術である。超解像度は、
光学システムの改良またはディスク構造の改良により達
成できる。後者の方法は、前者の方法よりも有効である
と報告されている。図11(a)は、ソニー(K. Yasuda
など、「超高解像度によるプレマスタード光ディス
ク」、光メモリと光データ記憶に関する1993年国際シン
ポジウム、No. Th3.2、1993年7月)により最近報告され
た超解像度読取り専用光ディスクの概略を示す図であ
る。そのディスク構造は、相変化材料からなるピットマ
スキング層10を加え、またポリカーボネート基板をガ
ラス基板に取り替えた点で現行のコンパクトディスクの
ものと異なる。相変化材料としてGe2Sb2Te5 が使用され
る。相変化材料層の温度は、その材料層が焦点合わせさ
れたレーザ光線で照射されると上昇する(図11(b)
にその温度分布の一例を示す)。相変化材料層の温度が
約 600℃の溶融限界温度を越えると、その層は結晶状態
から液体状態に変化する。ついでその反射率は、図11
(c)に示されるように低下する。液体状態における相
変化材料層の反射率は非常に低いので、図11(b)に
示されるように、記録されるピット5はマスク11によ
って効果的に被覆される。その結果、溶融限界温度を越
えない光線スポット直径9内の三日月形領域12だけを
読取りできるので、記録密度を増加できる。この方法
は、対物レンズ開口を拡大することに相当するので、図
12に示されるように遮断周波数が増加する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、相変化材料層の融点が 600℃と高いので、強
力レーザを光源として使用し、かつガラスを基板材料と
して使用する必要があり、したがって記憶媒体と読取り
装置のコストが上昇するという課題がある。さらに現行
段階における再生回数は約10,000回であると報告されて
おり、それは実際の用途にとり十分なものではない。
【0006】本発明は、従来の光ディスクのこのような
課題を考慮し、記憶媒体及び読み取り装置のコストを低
く抑えることができ、再生回数に制限がない超解像度読
取り専用の光データ記憶媒体を提供することを目的とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、デ
ータをピットとして記憶する基板と、温度依存透過率を
有するマスキング層と、高反射性層と、保護層とを備え
た光データ記憶媒体において、マスキング層は、その電
子帯域構造部において禁止帯の幅を有し、周囲温度にお
ける禁止帯の幅は、記録データの読取りに使用される光
源の光子エネルギーよりも僅かに大きく、温度の上昇と
共に減少する光データ記憶媒体である。
【0008】請求項2の本発明は、データをピットとし
て記憶する基板と、温度依存透過率を有するマスキング
層と、高反射性層と、保護層とを備えた光データ記憶媒
体において、マスキング層は2層から成り、その2層の
両方はその電子帯域構造部において禁止帯の幅を有し、
その禁止帯の幅は温度の上昇と共に減少し、一方の層の
禁止帯の幅は、周囲温度において記録データの読取りに
使用される光源の光子エネルギーよりも小さく、他方の
層の禁止帯の幅は、その光子エネルギーよりも大きく、
その高い禁止帯の幅を有する層の禁止帯の幅は、所定温
度において光子エネルギーよりも小さくなり、所定温度
は光線スポット内の最大と最小の温度間の中間範囲にあ
り、低い禁止帯の幅を有する層が基板に隣接して形成さ
れている光データ記憶媒体である。
【0009】請求項3の本発明は、データをピットとし
て記憶する基板と、温度依存透過率を有するマスキング
層と、高反射性層と、保護層とを備えた光データ記憶媒
体において、マスキング層は3層から成り、その3層の
全ては、その電子帯域構造部において禁止帯の幅を有
し、その禁止帯の幅は温度の上昇とともに減少し、中央
層の禁止帯の幅は、周囲温度において記録データの読取
りに使用される光源の光子エネルギーよりも小さく、2
つの側面層の禁止帯の幅は、その光子エネルギーよりも
大きく、2つの側面層の禁止帯の幅は、所定温度におい
て光子エネルギーよりも小さくなり、所定温度は光線ス
ポット内の最大と最小の温度間の中間範囲にある光デー
タ記憶媒体である。
【0010】
【作用】本発明は、電子帯域構造部において禁止帯の幅
を有するマスキング層が、周囲温度における禁止帯の幅
は、記録データの読取りに使用される光源の光子エネル
ギーよりも僅かに大きく、その幅が温度の上昇と共に減
少するので、強力な光源を用いることなく超解像度を達
成できる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0012】図1は、本発明にかかる第1の実施例の光
ディスクの構造を示す断面図である。すなわち、超解像
度の光ディスクは、ポリカーボネートまたはガラスの基
板6、ピットマスキング層10、反射層7、および保護
層8から構成される。この光ディスクは、ピットマスキ
ング層10の材料の点で前述のソニーにより報告された
超解像度光ディスクと異なる。ソニーのディスクにおい
てピットマスキング層は相変化材料であるので、マスキ
ング層を、低い反射率が得られるように材料の相変化を
達成するために600℃まで加熱する必要がある。しか
しながらマスキング層として本発明に示すとおりの材料
を使用すれば、反射率は一層低い温度で変えることがで
きる。
【0013】図2は、ピットマスキング層についての禁
止帯の幅の温度依存性を概略示す図である。図2から明
らかなように、この材料の禁止帯の幅は、温度の増加と
共に減少する。ほとんどの半導体材料は、図2に示され
るものと同様な禁止帯の幅の温度依存性を有することが
広く知られている。本実施例の光ディスクに適用する場
合、一定温度TCにおけるマスキング層の禁止帯の幅は、
光源の光子エネルギーに等しいように選定される。その
温度TCは、マスキング材料と光源の規定された組合わせ
に基づいて実験的にまたは模擬実験により求めることが
できる。光源の波長とマスキング層の禁止帯の幅とは上
記の要求事項に合致するように調整できるが、後者の方
が実施上好ましい。と言うのは、合金をマスキング層と
して使用でき、その合金の禁止帯の幅は、合金を構成す
る成分の組成を変更することにより容易に変えることが
できるからである。
【0014】温度TCの決定は、光子エネルギーの関数と
してマスキング層の吸収係数を示す図3により概略説明
できる。ほとんどの半導体材料の場合、室温を越える温
度での吸収は帯域間の遷移により支配され、その遷移に
関する吸収係数αと光子エネルギーhνとの間の関係が
次式(数1)により示される。
【0015】
【数1】 α (hν-EG)1/2 ただしhはプランク定数であり、νはレーザの周波数で
あり、またEG はマスキング層の禁止帯の幅である。マ
スキング層内の一定の吸収は、温度を上昇するのに必要
であり、TCは周囲温度よりも僅か低く選定できる。レー
ザ光線がマスキング層上に照射されると、照射された光
の一部の吸収により温度が上昇することになる。図4
(a)及び図4(b)に示すように、光ディスクは回転
するので、レーザスポットの後部部分により照射された
マスキング層は、他の部位よりも温度が高くなることに
なる。このようにして高い温度領域の禁止帯の幅は、レ
ーザ光線の光子エネルギーよりもかなり小さくなり、一
方それにより吸収が強められ、この強められた吸収によ
り、吸収領域における温度がさらに上昇する。この正の
フィードバックプロセスにより、図4(c)に示される
ように、レーザスポットの後部部分において反射率が急
激に低下する。レーザスポットの一部を効果的にマスキ
ングし、超解像度を生じるのが、この部位である。
【0016】図5(a)は、本発明にかかる第2の実施
例の光ディスクの構造を示す断面図である。本実施例に
おいて、ピットマスキング層は上部マスキング層13及
び下部マスキング層14の2層から構成される。図5
(b)に示すように、上部マスキング層13の禁止帯の
幅15は、周囲温度においても光源の光子エネルギーよ
りもかなり低いように選定されるので、熱エネルギー源
とみなすことができる。レーザ光線が上部マスキング層
13上へ入射されると、光の一部が吸収され、また室温
を越える温度での半導体については非照射プロセスが支
配的であるので、吸収されたエネルギーの大部分が熱エ
ネルギーへ転換される。半導体の熱伝導率は基板材料よ
りもかなり大きいので、熱エネルギーは下部マスキング
層14へ拡散して、温度を上昇させることになる。レー
ザスポットの後部部分における下部マスキング層14の
温度が一定値まで上昇すると、その部位の禁止帯の幅1
6は、光源の光子エネルギーよりも小さくなるようにな
る。これによりその部位において光の強い吸収が生じ
て、レーザスポットの後部部分により被覆されるピット
を効果的にマスキングする。図1に示される単層構成よ
りも有利な複層マスキング材料の利点は、マスキング層
の禁止帯の幅の変動とレーザダイオードの波長とにおい
て、より大きい許容範囲が許されることである。
【0017】図6(a)は、本発明にかかる第3の実施
例の光ディスクの構造を示す断面図である。本実施例に
おいて、ピットマスキング層は、図6(b)に示すよう
に、高い禁止帯の幅21を有する上部マスキング層17
と下部マスキング層19により両側から挟まれた薄い吸
収層である中央マスキング層18から構成される。中央
マスキング層18の禁止帯の幅20は、周囲温度におい
ても光子エネルギーよりもかなり低いように選定される
ので、中央マスキング層18は、高い禁止帯の幅21を
有する2つの側層17,19への熱源として機能でき
る。この構成において2つの側層17,19は、低い温
度においてレーザ光線を殆ど透過させる。しかしながら
側層17,19の温度が一定値まで上昇すると、2つの
側層17,19も、レーザ光線に対する効果的な吸収層
となるので、この高い温度領域は、ピットマスキング層
によりマスキングされることになる。この構成の利点
は、中央マスキング層18内の光の吸収により発生する
熱エネルギーが2つの側層17,19へ効果的に拡散で
きることである。
【0018】図7(a)は、上記実施例の超解像度光デ
ィスクの好ましい製造プロセスを説明する図である。図
6(a)に示される3層構成の光ディスクは、最も複雑
な構造であるので、ここで例としてとりあげる。このデ
ィスクについての製作方法が一旦理解されると、より単
純な構造を有する他のディスクは同様な方法で製作でき
る。読取り光源は任意の種類のレーザでよいが、ここで
は例としてCdxZn1-xSe/ZnSySe1-yまたはCdxZn1-xSe/Mgx
Zn1-xSySe1-yの二重ヘテロ構造(DH)レーザをとりあげ
る。と言うのは、これは将来における光ディスクに対す
る最も有望な青緑光源であるからである。
【0019】基板上に記録ピットを形成する製造プロセ
スは、従来のディスクのものと同一の方法で実施できる
ので、ここで繰り返し説明する必要はないので省略す
る。引き続くプロセスとして、従来のコンパクトディス
クの製造におけるような反射層を調製する代わりに、ピ
ットマスキング層は、プレマスタード基板上に形成され
る。DHレーザダイオードの光子エネルギーは活性層の禁
止帯の幅に殆ど等しい事実を考慮すれば、CdxZn1-xSe合
金層は、好ましいマスキング材料として使用される。マ
スキング層の禁止帯の幅は、合金におけるCd 部分xを変
更することにより容易に変えることができる。
【0020】本実施例において、Cd、ZnおよびSeは高い
蒸気圧を有するので、熱蒸発は、CdxZn1-xSe合金層の蒸
着に採用される。蒸着のための調製として、プレマスタ
ード基板6は先ず、清浄化され、乾燥され、ついで蒸発
室29へ載置される。熱蒸発は通常真空中で実施され、
また基板6も一定温度まで加熱する必要があるので、こ
の場合の好ましい基板6はガラス材料であろう。蒸発室
29の圧力が一定レベル(例えば10-6トール)まで真空
ポンプ31で下げられた後、基板6用の加熱器スイッチ
が入れられ、ついでCd、ZnおよびSe用の加熱器スイッチ
がそれぞれ入れられる。予備加熱期間中、シャッター2
5〜28の全ては閉じられる。基板6および源(Cd、Zn
およびSeの各材料を示し、その材料を入れた容器を源セ
ルと呼ぶ)の温度が個別の事前設定値で一旦安定する
と、シャッター25〜28は開いて、下部マスキング層
の蒸着を開始する。Cd部分はCdおよびZnの源温度により
制御でき、またその厚さは蒸着時間により制御できる。
光源の光子エネルギーに比べてかなり小さい禁止帯の幅
を有する純粋のCdSeが薄い吸収層として使用されるなら
ば、そのCdSeは、Zn用のシャッター25を単に閉じるだ
けで容易に得ることができる。CdSeの蒸着を完了した
後、Zn用のシャッター25は再び外されて、上部マスキ
ング層が調製される。
【0021】純粋のCdSeではない合金層を薄い吸収層と
して使用しようとするならば、異なる事前設定温度を有
する、図7(b)に示される複数のZnとCdの源セルが、
側層から中央層へCd 部分を変更するのに使用できる。
側層の蒸着中、Zn(1)22および Cd(1)24用のシャッ
ターは開かれ、かつZn(2)32およびCd(2)33用のシャ
ッターは閉じられ、また中央層の蒸着の場合は逆とな
る。これらの多重源セルを使用すると、セル温度の変更
に待ち時間を必要としないので、蒸着時間を節減でき
る。マスキング層の蒸着後、超解像度光ディスクの製造
は、反射層および保護層の形成まで進み、それらの層の
製造は、従来のコンパクトディスクの製作と同一の方法
で実施できる。
【0022】以上のように、相変化材料がピットマスキ
ング層として使用されるソニーにより報告された超解像
度光ディスクと異なり、本発明は、読取り光源の光子エ
ネルギーと比較して、レーザスポットの低温度領域にお
いて大きい禁止帯の幅を有し、かつその高温度領域にお
いて小さい禁止帯の幅を有する材料を使用する。この材
料の使用により、強力レーザを必要とすることなく超解
像度を達成できる。相変化は、このディスクには必要な
いので、再生回数は殆ど無限である。
【0023】又、マスキング層に用いる材料の特性およ
び形成手法に応じて、ポリカーボネートまたは他のプラ
スチックは、従来の光ディスクにおけるように基板材料
として依然使用できる。
【0024】本発明は、その好ましい実施例に関して図
示され、かつ説明されたが、本発明の範囲と内容から逸
脱することなく構成および詳細の変更を実施できること
は、技術に有能な者により理解される。したがってこの
説明は、解説を目的としたもので、それに限定されるも
のではない。他の実施例は、本発明の精神の範囲に入
る。
【0025】なお、上記実施例では、マスキング層に半
導体材料を用いて説明したが、これに限らず、本発明に
従う要求事項を満足する材料であればよく、無機材料ま
たは有機材料のいずれでもよい。しかしながら、同一の
合金材料であるがレーザダイオードの活性層の合金材料
に対して異なる組成を有する合金材料が、より望まし
い。と言うのは、この組合わせにより、レーザダイオー
ドの波長の変動、および周囲温度の変化により生じるマ
スキング層の禁止帯の幅の変動を打ち消しできるからで
ある。
【0026】また、上記実施例では、マスキング層の形
成の手段として熱蒸発法を説明したが、これに限定され
るものではなく、電子ビーム蒸発、スパッタリングおよ
び電気化学沈着などの他の方法でもよい。特に有機材料
は、回転溶剤被覆加工によっても製作できる。
【0027】また、上記実施例では、基板としてガラス
を用いる例を説明したが、これに限らず、高真空または
高い基板温度を必要としない手法の場合、ポリカーボネ
ートなどのプラスチック材料を基板として使用できる。
それは光ディスクのコスト削減に役立つことができる。
光源は他の種類のレーザでもよい。
【0028】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、マスキング層は、その電子帯域構造部において
禁止帯の幅を有し、周囲温度における禁止帯の幅は、記
録データの読取りに使用される光源の光子エネルギーよ
りも僅かに大きく、温度の上昇と共に減少するので、記
憶媒体及び読み取り装置のコストを低く抑えることがで
き、再生回数に制限がないという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1の実施例の光ディスクの構
造を示す断面図である。
【図2】同第1の実施例におけるマスキング層の温度と
禁止帯の幅との関係を示す図である。
【図3】同第1の実施例におけるマスキング層の光子エ
ネルギーと吸収係数との関係を示す図である。
【図4】同図(a)は、同第1の実施例におけるマスキ
ング層の温度分布を示す図、同図(b)は、そのときの
禁止帯の幅の位置依存性を示す図、同図(c)は、その
ときの反射率の位置依存性を示す図である。
【図5】同図(a)は、本発明にかかる第2の実施例の
光ディスクの構造を示す断面図、同図(b)は、同実施
例における光源の光子エネルギーと比べた複層マスキン
グ材料の帯域配列を示す図である。
【図6】同図(a)は、本発明にかかる第3の実施例の
光ディスクの構造を示す断面図、同図(b)は、同実施
例における光源の光子エネルギーと比べた複層マスキン
グ材料の帯域配列を示す図である。
【図7】同図(a)は、同第3の実施例の光ディスクの
製造プロセスにおけるCdxZn1-xSe合金の熱蒸発を説明す
る図、同図(b)は、異なるCd部分を有する合金を蒸発
するための多重源セルを示す図である。
【図8】同図(a)は、従来のマスキング層を持たない
光ディスクの構成を示す図、同図(b)は、その構造を
示す断面図である。
【図9】光学式ピックアップの理想的な光伝達機能を示
す図である。
【図10】従来のマスキング層を持たない光ディスクに
おける符号間干渉を説明する図である。
【図11】同図(a)は、従来のマスキング層を有する
光ディスクの構造を示す断面図、同図(b)は、そのマ
スキング層における温度分布を示す図、同図(c)は、
そのときの反射率の温度依存性を示す図である。
【図12】図11の光ディスクにおける光伝達機能を示
す図である。
【符号の説明】
1 コンパクトディスク 2 信号記録領域 5 記録ピット 6 基板 7 反射層 8 保護層 9 レーザスポット 10 ピットマスキング層 13 上部マスキング層 14 下部マスキング層 17 上部マスキング層 18 中央マスキング層 19 下部マスキング層 28 基板シャッター 29 蒸発室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 データをピットとして記憶する基板と、
    温度依存透過率を有するマスキング層と、高反射性層
    と、保護層とを備えた光データ記憶媒体において、前記
    マスキング層は、その電子帯域構造部において禁止帯の
    幅を有し、周囲温度における前記禁止帯の幅は、記録デ
    ータの読取りに使用される光源の光子エネルギーよりも
    僅かに大きく、温度の上昇と共に減少することを特徴と
    する光データ記憶媒体。
  2. 【請求項2】 データをピットとして記憶する基板と、
    温度依存透過率を有するマスキング層と、高反射性層
    と、保護層とを備えた光データ記憶媒体において、前記
    マスキング層は2層から成り、その2層の両方はその電
    子帯域構造部において禁止帯の幅を有し、その禁止帯の
    幅は温度の上昇と共に減少し、一方の層の禁止帯の幅
    は、周囲温度において記録データの読取りに使用される
    光源の光子エネルギーよりも小さく、他方の層の禁止帯
    の幅は、その光子エネルギーよりも大きく、その高い禁
    止帯の幅を有する前記層の禁止帯の幅は、所定温度にお
    いて前記光子エネルギーよりも小さくなり、前記所定温
    度は光線スポット内の最大と最小の温度間の中間範囲に
    あり、低い禁止帯の幅を有する前記層が基板に隣接して
    形成されていることを特徴とする光データ記憶媒体。
  3. 【請求項3】 データをピットとして記憶する基板と、
    温度依存透過率を有するマスキング層と、高反射性層
    と、保護層とを備えた光データ記憶媒体において、前記
    マスキング層は3層から成り、その3層の全ては、その
    電子帯域構造部において禁止帯の幅を有し、その禁止帯
    の幅は温度の上昇とともに減少し、中央層の禁止帯の幅
    は、周囲温度において記録データの読取りに使用される
    光源の光子エネルギーよりも小さく、2つの側面層の禁
    止帯の幅は、その光子エネルギーよりも大きく、前記2
    つの側面層の禁止帯の幅は、所定温度において前記光子
    エネルギーよりも小さくなり、前記所定温度は光線スポ
    ット内の最大と最小の温度間の中間範囲にあることを特
    徴とする光データ記憶媒体。
JP6025655A 1994-02-23 1994-02-23 超解像度読取り専用の光データ記憶媒体 Pending JPH07235079A (ja)

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