JPH07229984A - ダイバータ、核融合装置および高温プラズマの中性化方法 - Google Patents

ダイバータ、核融合装置および高温プラズマの中性化方法

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JPH07229984A
JPH07229984A JP6044824A JP4482494A JPH07229984A JP H07229984 A JPH07229984 A JP H07229984A JP 6044824 A JP6044824 A JP 6044824A JP 4482494 A JP4482494 A JP 4482494A JP H07229984 A JPH07229984 A JP H07229984A
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fusion
hydrogen
diverter
plasma
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JP6044824A
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Hideo Ikegami
英雄 池上
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Technova Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマのダイバータへの衝突を防止して、
ダイバータの蒸発による消失を解消するとともに、中性
子による放射化の問題を解消すること。 【構成】 水素吸蔵合金によって構成されたダイバータ
2において、核融合反応炉1から放出される核融合プラ
ズマによって加熱されることにより水素吸蔵合金から放
出される大量の水素によってガスブランケットを形成し
て、前記核融合反応炉から放出される高温の核融合プラ
ズマを冷却して中性化するダイバータ2および高温プラ
ズマの中性化方法、および前記ダイバータ2によって中
性化された核融合プラズマを排出する排出装置3とを備
えた核融合装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵材料によって
構成されたダイバータが放出した水素をガスブランケッ
トとして利用して、放出された高温の核融合プラズマを
冷却して中性化するダイバータ、核融合装置および高温
プラズマの中性化方法に関する。また、一般にガスブラ
ンケットによる耐高熱壁として、一般的工業利用も可能
である。
【0002】
【従来の技術】従来の第1の核融合装置は、図4および
図5に示すように核融合炉Rにおける核融合反応後高温
の核融合プラズマをタングステンの厚い金属板によって
構成されるダイバータDに当てて中性化して、中性化さ
れたプラズマを真空ポンプPによって核融合炉N外に排
出していた。
【0003】従来の第2の核融合装置は、前記ダイバー
タDとして、上記従来の第1装置の固体の金属板の代わ
りに図6の(A)に示すように溶融した金属を連続して
供給するという提案によるものであった。
【0004】従来の第3の核融合装置は、前記ダイバー
タDとして、上記従来の第1装置の固体の金属板の代わ
りに図6の(B)に示すように金属球を連続して転がし
て供給するという提案によるものであった。
【0005】従来の第4の核融合装置は、図6の(C)
に示すように前記従来の第1装置のダイバータを構成す
る前記固体の金属板Dの表面にノズルNによりガスを供
給するという提案によるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の第1の核融
合装置は、超高温の核融合プラズマを金属板によって構
成されるダイバータDに当てて中性化するものであるた
め、ダイバータDを構成するタングステンの板が溶解し
て蒸発するので、1年間で厚さにして約1メートルおよ
び重量にして数100トンものタングステンが消失する
とともに、消失して薄くなったタングステンの板を交換
しようにも、中性子によって放射化しており、作業者も
入れず、ICを利用するロボットも使えないため、処理
も思うように出来ないという問題が有った。
【0007】また上記従来の第1の核融合装置は、膨大
な量のダイバータを構成するタングステンが消失するた
めに大容量のダイバータを用いる必要が有るので、核融
合反応炉内には配設することが出来ないため、図7に示
すような核融合反応炉Rのトロイダルマグネットコイル
Tの外にダイバータDを配設する案も提案されている
が、ダイバータを核融合反応炉R外に配設するための実
用的な具体的提案は無く、大容量のダイバータDを内部
に配置し得る径の大きな大容量の核融合反応炉Rを作
り、中央部の一部おいてプラズマを閉じ込めて利用する
案も考えられるが、費用および消費電力の観点より実用
的では無いという問題が有った。
【0008】さらに上記従来の第2の核融合装置は、上
記従来の第1の核融合装置のダイバータDを構成するタ
ングステンの板が溶解して蒸発する問題を解決するため
に、ダイバータを構成する固体の金属の代わりに、溶融
した金属を連続して供給するという提案に基づくもので
あるが、溶融した金属を実際どのようにして連続供給す
るのか、具体的な方法および装置が提案されていないと
いう問題が有った。
【0009】また上記従来の第3の核融合装置は、上記
従来の第1の核融合装置のダイバータDを構成するタン
グステンの板が溶解して蒸発する問題を解決するととも
に、上記従来の第2の核融合装置の溶融金属の具体的供
給方法が確立されていない問題を解決するために、ダイ
バータとして金属球を連続して転がして供給するという
提案に基づくものであるが、途中の1個の金属球が溶け
た場合に連続供給が行われないという問題が有るととも
に、従来の第1の装置と同様に放射化した一部が蒸発し
た金属球の処理の問題が有った。
【0010】さらに上記従来の第4の核融合装置は、上
記従来の各核融合装置の有していた問題点を解決するた
めに、上記第1の核融合装置の固体のダイバータDの表
面にノズルNによってガスを供給するものであるが、前
記ダイバータDの表面に一様にガスを供給することが出
来ないという問題が有り、上記従来の各装置と同様の問
題が有った。
【0011】また上記従来のダイバータおよび核融合装
置は、放射化したダイバータ材料が、核融合プラズマに
逆流して不純物として核融合プラズマを劣化させるとい
う問題が有った。
【0012】そこで本発明者は、ダイバータを水素吸蔵
材料によって構成して、高温の核融合プラズマによって
前記ダイバータが加熱されることにより放出する水素を
ガスブランケットとして利用して、供給される高温の核
融合プラズマを冷却して中性化するという本発明の第1
の技術的思想に着眼して、さらに研究開発を重ねた結
果、ダイバータに対して高温のプラズマが当たることを
防止することによって、ダイバータが溶解して蒸発する
ことによるダイバータの消失を防止するとともに、中性
子によって放射化したダイバータの処理の問題を解消す
るという目的を達成する本発明に到達した。
【0013】また、本発明者は、前記ダイバータを構成
する前記水素吸蔵材料の温度が低下したら水素を吸蔵す
る性質を利用して、前記核融合プラズマとともに放出さ
れる高温の未燃焼水素同位体元素を選択的に吸蔵すると
ともに、前記核融合プラズマとともに放出されたヘリウ
ムは吸蔵しないで排出することにより、燃料分別を行う
という本発明の第2の技術的思想に着眼して、核融合の
灰である不要なヘリウムを排出するという目的を達成す
る本発明に到達した。
【0014】さらに、本発明者は、前記ダイバータを構
成する前記水素吸蔵材料の温度に応じて水素を放出およ
び吸蔵する性質を利用して、閉じた系において前記核融
合反応炉の高温核融合プラズマによって加熱された未反
応の水素を放出するとともに、運転サイクルに応じて前
記核融合プラズマとともに放出される燃料としての水素
同位体を吸蔵することを繰り返すという本発明の第3の
技術的思想に着眼して、系外に水素が流出するのを防止
することにより燃料である水素同位体を有効利用すると
いう目的を達成する本発明に到達した。
【0015】また、本発明者は、ガスブランケットとし
て利用するために必要量の水素を吸蔵する水素吸蔵材料
によって構成された小容量のダイバータを実現するとい
う本発明の第4の技術的思想に着眼して、トカマク型核
融合反応炉内の磁力線の放出面に実用的に配置可能なダ
イバータを提供することを可能にするという目的を達成
する本発明に到達した。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載
の第1発明)のダイバータは、水素を吸蔵した水素吸蔵
材料によって構成され、核融合反応後の核融合プラズマ
に接触する位置に配設され、前記核融合プラズマよって
加熱されることにより前記水素吸蔵材料から水素を放出
して、前記放出された水素によってガスブランケットを
形成して、供給される高温の核融合プラズマを冷却する
とともに中性化し得る構成より成るものである。
【0017】本発明(請求項2に記載の第2発明)の核
融合装置は、核融合反応を行い核融合プラズマを放出す
る核融合反応炉と、水素吸蔵材料によって構成され、前
記核融合反応炉から放出される核融合プラズマによって
加熱されることにより水素吸蔵材料から放出される水素
によってガスブランケットを形成して、前記核融合反応
炉から放出される高温の核融合プラズマを冷却するとと
もに中性化した後排出するダイバータとから成るもので
ある。
【0018】本発明(請求項3に記載の第3発明)の核
融合装置は、第2発明において、前記ダイバータが、前
記水素吸蔵材料の温度が低下した場合における水素を吸
蔵する性質により、前記核融合プラズマとともに放出さ
れる水素および前記放出された核融合プラズマによって
加熱されることにより自ら放出した水素を選択的に吸蔵
するとともに、前記核融合プラズマとともに放出された
ヘリウムは吸蔵しないで排出し得る燃料分別装置を構成
するものである。
【0019】本発明(請求項4に記載の第4発明)の核
融合装置は、第2発明において、前記ダイバータが、前
記水素吸蔵材料の水素を吸蔵する性質により、前記核融
合反応炉から放出された高温の核融合プラズマによって
加熱されることにより水素を放出するとともに、温度が
低下した場合においては前記核融合プラズマとともに放
出される水素および前記放出された核融合プラズマによ
って加熱されることにより自ら放出した水素を吸蔵する
閉じた系の水素放出吸蔵装置を構成するものである。
【0020】本発明(請求項5に記載の第5発明)の核
融合装置は、第2発明において、前記ダイバータが、前
記核融合反応炉内の磁力線の放出面近傍において、前記
核融合プラズマの方向を決定する磁力線に対して傾斜し
て配設されている構成より成るものである。
【0021】本発明(請求項6に記載の第6発明)の高
温プラズマの中性化方法は、核融合反応後の核融合プラ
ズマによって加熱されることによりダイバータを構成す
る水素吸蔵材料から大量の水素を放出して、前記放出さ
れた水素をガスブランケットとして利用することによっ
て放出された高温の核融合プラズマを冷却して中性化し
た後排出する工程より成るものである。
【0022】
【作用】上記構成より成る第1発明のダイバータは、核
融合反応後の核融合プラズマによって加熱されることに
よりダイバータを構成する前記水素吸蔵材料から水素を
放出することによって、前記放出された水素によりガス
ブランケットを形成して供給される高温の核融合プラズ
マを冷却して中性化するものである。
【0023】上記構成より成る第2発明の核融合装置
は、前記核融合反応炉が核融合反応を行い核融合プラズ
マを放出し、水素吸蔵材料によって構成された前記ダイ
バータが、前記核融合反応炉から放出される核融合プラ
ズマによって加熱されることにより水素吸蔵材料から放
出される水素によってガスブランケットを形成して、前
記核融合反応炉から放出される高温の核融合プラズマを
冷却して中性化した後排出するものである。
【0024】上記構成より成る第3発明の核融合装置
は、前記燃料分別装置を構成する前記ダイバータが、前
記水素吸蔵材料の温度が低下した場合における水素を吸
蔵する性質により、前記核融合プラズマとともに放出さ
れる水素および前記放出された核融合プラズマによって
加熱されることにより自ら放出した水素を選択的に吸蔵
するとともに、前記核融合プラズマとともに放出された
ヘリウムは吸蔵しないで排出するものである。
【0025】上記構成より成る第4発明の核融合装置
は、前記水素放出吸蔵装置を構成する前記ダイバータ
が、前記水素吸蔵材料の水素を吸蔵する性質により、閉
じた系において、前記核融合反応炉から放出された高温
の核融合プラズマによって加熱されることにより水素を
放出するとともに、温度が低下した場合においては前記
核融合プラズマとともに放出される水素および前記放出
された核融合プラズマによって加熱されることにより自
ら放出した水素を吸蔵するのものである。
【0026】上記構成より成る第5発明の核融合装置
は、前記ダイバータが、前記核融合反応炉内の磁力線の
放出面近傍において、前記核融合プラズマの方向を決定
する磁力線に対して傾斜して配設されているので、前記
核融合反応炉外に飛び出してきた一定の角度を成すプラ
ズマによって加熱されることによりダイバータを構成す
る前記水素吸蔵材料から水素を放出して、前記放出され
た水素によって供給される高温の核融合プラズマを冷却
して中性化するものである。
【0027】上記構成より成る第6発明の高温プラズマ
の中性化方法は、核融合反応後の核融合プラズマによっ
て加熱されることによりダイバータを構成する水素吸蔵
材料から大量の水素を放出して、前記放出された水素を
ガスブランケットとして利用することによって放出され
た高温の核融合プラズマを冷却して中性化した後排出す
るものである。
【0028】
【発明の効果】上記作用を奏する第1発明のダイバータ
は、ダイバータを構成する前記水素吸蔵材料から放出さ
れた水素によって形成されたガスブランケットによって
供給される高温の核融合プラズマを冷却して中性化する
ので、ダイバータに対して高温のプラズマが当たること
を防止して、ダイバータが溶解して蒸発することによる
ダイバータの消失を防止するとともに、中性子によって
放射化したダイバータの処理の問題を解消するという効
果を奏する。
【0029】上記作用を奏する第2発明の核融合装置
は、前記第1発明と同様の効果を奏するとともに、前記
ダイバータが核融合プラズマ燃料と同じ水素同位体を吸
蔵および放出するものであるため、燃料である水素同位
体を有効に利用することが出来るという効果を奏する。
【0030】上記作用を奏する第3発明の核融合装置
は、燃料である水素の分別を可能にするとともに、不要
な核融合の灰であるヘリウムの除去が可能であるという
効果を奏する。
【0031】上記作用を奏する第4発明の核融合装置
は、閉じた系内において水素の放出および吸蔵を繰り返
すことにより、系外に水素が流出するのを防止して燃料
である水素を有効利用して、系外より水素を補充するこ
とを不要にするとともに、不純物の流入を防止するとい
う効果を奏する。
【0032】上記作用を奏する第5発明の核融合装置
は、ガスブランケットとして利用するために必要量の水
素を吸蔵する水素吸蔵材料によって小容量のダイバータ
を実現するとともに、トカマク型核融合反応炉内の磁力
線の放出面に実用的に配置可能なダイバータを提供する
ことを可能にするという効果を奏する。
【0033】上記作用を奏する第6発明の高温プラズマ
の中性化方法は、前記第1発明と同様の効果を奏すると
ともに、核融合反応後の核融合プラズマによって加熱さ
れることにより放出された水素をガスブランケットとし
て作用させるとともに、放出された高温の核融合プラズ
マが前記ダイバータに到達するのを防止するとともに、
温度が下がるとガスブランケットを構成していた水素を
ダイバータに吸蔵させ、繰り返し可逆動作を可能にする
という効果を奏する。
【0034】
【実施例】以下本発明の実施例につき、図面を用いて説
明する。
【0035】本実施例のダイバータ、核融合装置および
高温プラズマの中性化方法は、図1ないし図3に示すよ
うに核融合反応を行い核融合プラズマを放出する核融合
反応炉1と、水素吸蔵金属材料としての水素吸蔵合金に
よって構成され、前記核融合反応炉から放出される核融
合プラズマによって加熱されることにより水素吸蔵合金
から放出される大量の水素によってガスブランケットを
形成して前記核融合反応炉から放出される高温の核融合
プラズマを冷却して中性化するダイバータ2と、前記ダ
イバータ2によって中性化された核融合プラズマを排出
する排出装置3とから成るものである。
【0036】前記核融合反応炉1は、図2に示すように
略D型断面のトロイダルマグネットコイル11の外側に
全ポロイダルマグネットコイル12を配設して、プライ
マリシールド13内に外側ブランケット14を形成して
その内側にカーボンカーテン15を形成するとともに、
その内部の略D形の空間16内の磁界の中に非円形D型
高温プラズマを封じ込める100万Kw程度の出力が可
能な実用炉としてのトカマク型の反応炉10によって構
成され、燃料としての重水素DとトリチウムTを燃やし
て、高温高密度のD+ 、T+ 4He++などの核融合プ
ラズマが生成され、投入された燃料の約1%が核融合反
応を起こし、ヘリウムHeおよび中性子nが放出され
る。閉じ込め時間は1秒程度であるため、燃料の99%
は燃焼せずに排出されるが、排出される水素の同位体と
1%のヘリウムはプラズマ化しており1億度以上の高温
となっている。
【0037】前記ダイバータ2は、図1に示すように水
素吸蔵合金として水素を吸蔵したパラジウムの長さ約1
m、容積約10リットル、重量約100Kgの矩形板2
0によって構成され、図2および図3に示すように前記
核融合反応炉内のポロイダル磁場が弱くなり、磁気面の
間隔が広くなった熱流速密度が減少している磁力線の放
出面近傍において、前記核融合プラズマの方向を決定す
る磁力線に対して傾斜して上下合計4か所に配設されて
いる。
【0038】水素吸蔵合金としての前記パラジウム板2
0で構成されたダイバータ2は、前記核融合反応炉1か
ら飛び出してきた核融合プラズマによって加熱される
と、大量の水素ガスを放出して図1に示すようにガスブ
ランケットとしての水素ガスのカーテン21を形成する
ガスブランケット装置を構成する。しかも温度が下がる
とダイバータ2を構成するパラジウム板20の水素吸蔵
特性により、ガスブランケット21を構成していた水素
を吸蔵してガスブランケットを一掃するため、核融合反
応炉1の温度変化に応じてガスブランケットを制御する
ガスブランケット制御装置を構成するものである。
【0039】ガスブランケット装置を構成するダイバー
タ2は、前記核融合反応炉1から放出される高温の核融
合プラズマが前記パラジウム板20に当たる前に前記パ
ラジウム板20の前面に形成された水素ガスのカーテン
であるガスブランケット21に接触して冷却されるとと
もに、核融合プラズマが中性化される。
【0040】また、前記ダイバータ2は、前記水素吸蔵
合金としてのパラジウム板20の温度が低下した場合に
おける水素を吸蔵する性質により、前記核融合プラズマ
とともに放出される水素同位体(水素、重水素、トリチ
ウム)および前記放出された核融合プラズマによって加
熱されることにより自ら放出した水素を選択的に吸蔵す
るとともに、前記核融合プラズマとともに放出されたヘ
リウムは吸蔵しないで排出する燃料分別装置を構成する
ものである。
【0041】前記ダイバータ2は、前記水素吸蔵合金と
してのパラジウム板20の温度に応じて水素を吸蔵およ
び放出する性質により、前記核融合反応炉1から放出さ
れた高温の核融合プラズマによって加熱されることによ
り水素を放出するとともに、温度が低下した場合におい
ては前記核融合プラズマとともに前記核融合反応炉1か
ら放出される水素および前記放出された核融合プラズマ
によって加熱されることにより自ら放出してガスブラン
ケットを形成していた水素を吸蔵する閉じた系における
前記水素放出吸蔵装置を構成するものである。
【0042】前記排出装置3は、図1に示すように真空
ポンプ30によって構成され、中性化された核融合プラ
ズマであるヘリウムを核融合反応炉1外に排出し得る構
成より成る。
【0043】上記構成の前記ダイバータおよびトカマク
型の核融合装置に基づく本実施例の高温プラズマの中性
化方法は、前記核融合反応炉1における核融合反応後の
核融合プラズマによって加熱されることにより前記ダイ
バータ2を構成する水素吸蔵合金としてのパラジウム板
20から大量の水素ガスが放出され、前記パラジウム板
20の前面にガスブランケットとしての水素ガスのカー
テン21が形成され、前記核融合反応炉1から飛び出し
てきた前記高温の核融合プラズマが前記パラジウム板2
0に当たる前に前記パラジウム板20の前面に形成され
た水素ガスのカーテン21に接触して冷却され、前記冷
却された核融合プラズマが中性化され、前記真空ポンプ
30によって前記中性化された核融合プラズマである灰
としてのヘリウムを核融合反応炉外に排出されるもので
ある。
【0044】上記構成の本実施例のダイバータは、核融
合反応後の核融合プラズマによって加熱されることによ
りダイバータ2を構成するパラジウム板20から水素を
放出することによって、前記放出された水素によりガス
ブランケット21を形成して供給される高温の核融合プ
ラズマを冷却して中性化するものである。
【0045】上記構成の本実施例の核融合装置は、前記
核融合反応炉1が核融合反応を行い核融合プラズマを放
出し、水素吸蔵合金であるパラジウム板20によって構
成された前記ダイバータ2が、前記核融合反応炉1から
放出される核融合プラズマによって加熱されることによ
りパラジウム板20から放出される水素によってガスブ
ランケット21を形成して、前記核融合反応炉1から放
出される高温の核融合プラズマを冷却して中性化した後
排出するものである。
【0046】上記構成の本実施例の核融合装置は、前記
燃料分別装置を構成する前記ダイバータ2が、前記パラ
ジウム板20の温度が低下した場合における水素を吸蔵
する性質により、前記核融合プラズマとともに放出され
る水素および前記放出された核融合プラズマによって加
熱されることにより自ら放出した水素を選択的に吸蔵す
るとともに、前記核融合プラズマとともに放出されたヘ
リウムは吸蔵しないで排出するものである。
【0047】上記構成の本実施例の核融合装置は、前記
水素放出吸蔵装置を構成する前記ダイバータ2が、前記
パラジウム板20の温度に応じて水素を吸蔵および放出
する性質により、閉じた系において、前記核融合反応炉
1から放出された高温の核融合プラズマによって加熱さ
れることにより水素を放出するとともに、温度が低下し
た場合においては前記核融合プラズマとともに放出され
る水素および前記放出された核融合プラズマによって加
熱されることにより自ら放出した水素を吸蔵するのもの
である。
【0048】上記構成の本実施例の核融合装置は、前記
ダイバータ2が、前記核融合反応炉1内の磁力線の放出
面近傍において、前記核融合プラズマの方向を決定する
適度の間隔で形成されている磁力線に対して傾斜して配
設されているので、前記核融合反応炉1外に飛び出して
きた一定の角度を成すプラズマによって加熱されること
によりダイバータ2を構成する前記パラジウム板20か
ら水素を放出して、前記放出された水素によって供給さ
れる高温の核融合プラズマを冷却して中性化するもので
ある。
【0049】上記作用を奏する本実施例のダイバータ
は、ダイバータ2を構成する前記パラジウム板20から
放出された水素によって形成されたガスブランケット2
1によって供給される高温の核融合プラズマを冷却して
中性化するので、ダイバータ2に対して高温のプラズマ
が当たることを防止して、上述した従来装置のダイバー
タが溶解して蒸発するとともにその結果ダイバータが消
失するのを防止して、中性子によって放射化したダイバ
ータの処理の問題を解消するという効果を奏する。
【0050】また本実施例の核融合装置は、前記ダイバ
ータ2が核融合プラズマ燃料と同じ水素同位体を吸蔵お
よび放出するものであるため、燃料である水素同位体を
有効に利用することが出来るという効果を奏する。
【0051】さらに本実施例の核融合装置は、前記ダイ
バータ2が前記燃料分別装置として作用するので、燃料
である水素を分別して吸収することを可能にするととも
に、結果として不要な核融合の灰であるヘリウムの除去
が可能であるという効果を奏する。
【0052】また本実施例の核融合装置は、前記ダイバ
ータ2が前記水素放出吸蔵装置として作用するので、閉
じた系内において水素の放出および吸蔵を繰り返すこと
により、系外に水素が流出するのを防止して燃料である
水素を有効利用して、系外より水素を補充することを不
要にするとともに、上記従来装置における蒸発したダイ
バータ材料のような不純物の前記核融合反応装置への流
入を防止するという効果を奏する。
【0053】さらに本実施例の核融合装置は、ガスブラ
ンケットとして利用するために必要量の水素を吸蔵する
前記パラジウム板20によって長手方向長さ約1mおよ
び約10リットルの小容量且つ軽量(100Kg)のダ
イバータを実現するという効果を奏するとともに、前記
トカマク型核融合反応炉内のポロイダル磁場が弱くな
り、磁気面の間隔が広くなり、熱流速密度が減少してい
るダイバータの配設位置として適している1m前後の寸
法的余裕しかない磁力線の放出面近傍において実用的に
配置可能なダイバータを提供するという効果を奏する。
すなわち、従来のダイバータは蒸発による消失量が大き
いので大容量になるため、一般の核融合反応炉内には収
容スペースが無いので、核融合反応炉の外にダイバータ
を配設する必要が有るが、ダイバータを核融合反応炉外
に配設するための実用的な具体的装置が開発されていな
いため、大容量のダイバータを核融合反応炉の内部に配
置出来るようにするためには径の大きな大容量の核融合
反応炉を作り、中央部の一部おいてプラズマを閉じ込め
て利用することになるが、本実施例装置は、この案にお
いて実用化を妨げていた上述の費用および消費電力が膨
大になるという問題を解決するという効果を奏する。
【0054】また本実施例の高温プラズマの中性化方法
は、核融合反応後の核融合プラズマによって加熱される
ことにより放出された水素をガスブランケットとして作
用させるとともに、放出された高温の核融合プラズマが
前記ダイバータ2に到達するのを防止するとともに、温
度が下がるとガスブランケットを構成していた水素をダ
イバータに吸蔵させ、閉じられた系内において繰り返し
可逆動作を可能にするという効果を奏する。
【0055】さらに本実施例のダイバータは、ダイバー
タ2を構成する前記水素吸蔵合金としての前記パラジウ
ム板20から放出された水素によって供給される高温の
核融合プラズマを冷却して中性化するので、上記従来装
置におけるダイバータのプラズマ衝撃によるスパッタリ
ング、蒸発および不純物の発生を防止して、ダイバータ
の摩耗および消失を解消するという効果を奏する。
【0056】また本実施例の核融合装置および高温プラ
ズマの中性化方法は、前記ダイバータ2が核融合プラズ
マ燃料と同じ水素を吸蔵したまま動作するため、操作お
よび取扱が簡単であるという効果を奏する。
【0057】さらに本実施例装置は、前記ダイバータ2
に水素以外の気体を発生させないので、核融合プラズマ
の崩壊につながる新たな不純物発生源としてのガスを持
たないとともに、結果として核融合プラズマの崩壊を防
止するという効果を奏する。
【0058】また本実施例装置は、ダイバータの配設位
置として適している前記トカマク型核融合反応炉内のポ
ロイダル磁場が弱くなり、磁気面の間隔が広くなった熱
流速密度が減少している磁力線の放出面近傍において小
容量および軽量のダイバータ2の実用的な配置を可能に
するという効果を奏するとともに、トカマク型核融合反
応炉が有する最も困難な問題の一つであるダイバータの
消失および放射化された微粒子の拡散、散逸の問題を解
決するという効果を奏する。
【0059】上述の実施例は、説明のために例示したも
ので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無
く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記
載から当業者が認識することができる本発明の技術的思
想に反しない限り、変更および付加が可能である。
【0060】上述の実施例において、一例として前記ダ
イバータの水素吸蔵材料としてパラジウム板を用いた例
について述べたが、本発明としてはそれに限定するもの
では無く、その他の必要量の水素を吸蔵し得るFe−N
i合金、バナジウム、Ca、La、Li、Na、U、
K、Ti、Mg、Mg2 Ni、Mo2 Cu、TiCo、
ZrMn2 、TiCo0.3 Mn0.3 、TiCo0.3 Fe
0.3 、Ti0.2 0.3 、LaCo3 、CoNi3 、Mm
Co3 、MmNi4.5 Mn0.5 、MmNi4.5
0.3 、MmNi2.3 Co2.3 、FeTi、TiMn
1.5 、MmNi6 、MgH2 、TiH2 、VH2 、Zr
2 、LaH3 、LaNi5 6 、FeTiH1.95、M
2 NiH4 およびその他の水素吸蔵金属、水素吸蔵合
金およびその他の非金属材料を採用することも可能であ
り、形状も上記実施例において説明した板以外に必要に
応じて所定形状のものを採用することが可能であり、所
定形状の容器内に載置するのであれば、粒状および粉状
のものも採用可能である。
【0061】上述の実施例において、一例として略D型
断面のトロイダルマグネットコイル11の外側に全ポロ
イダルマグネットコイル12を配設して、その内部の略
D形の空間16内の磁界の中に非円形D型高温プラズマ
を封じ込める100万Kw程度の出力が可能な実用炉と
してのトカマク型の反応炉について説明したが、本発明
としてそれに限定するものでは無く、上述したダイバー
タが利用可能であればタイプ、形状、サイズの制約は受
けないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例装置および方法の基本原理を示
す説明図である。
【図2】本実施例の核融合装置を示す断面図である。
【図3】本実施例の核融合装置におけるポロイダル磁場
および熱流速密度の分布およびダイバータの配設位置の
一例を示す線図である。
【図4】従来の第1装置の基本原理を示す説明図であ
る。
【図5】従来の第1装置を示す断面図である。
【図6】従来の第2ないし第4装置を説明するための説
明図である。
【図7】従来の第1装置のダイバータの配設位置の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 核融合反応炉 2 ダイバータ 3 排出装置 11 トロイダルマグネットコイル 12 全ポロイダルマグネットコイル 13 外側シールド 14 外側ブランケット 15 カーボンカーテン 16 空間 21 水素ガスのカーテン(ブランケット) 30 真空ポンプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を吸蔵した水素吸蔵材料によって構
    成され、 核融合反応後の核融合プラズマに接触する位置に配設さ
    れ、 前記核融合プラズマよって加熱されることにより前記水
    素吸蔵材料から水素を放出して、 前記放出された水素によってガスブランケットを形成し
    て供給される高温の核融合プラズマを冷却するとともに
    中性化し得る構成より成ることを特徴とするダイバー
    タ。
  2. 【請求項2】 核融合反応を行い核融合プラズマを放出
    する核融合反応炉と、 水素吸蔵材料によって構成され、前記核融合反応炉から
    放出される核融合プラズマによって加熱されることによ
    り水素吸蔵材料から放出される水素によってガスブラン
    ケットを形成して、前記核融合反応炉から放出される高
    温の核融合プラズマを冷却するとともに中性化した後排
    出するダイバータとから成ることを特徴とする核融合装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 前記ダイバータが、前記水素吸蔵材料の温度が低下した
    場合における水素を吸蔵する性質により、前記核融合プ
    ラズマとともに放出される水素および前記放出された核
    融合プラズマによって加熱されることにより自ら放出し
    た水素を選択的に吸蔵するとともに、前記核融合プラズ
    マとともに放出されたヘリウムは吸蔵しないで排出し得
    る燃料分別装置を構成することを特徴とする核融合装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項2において、 前記ダイバータが、前記水素吸蔵材料の水素を吸蔵する
    性質により、前記核融合反応炉から放出された高温の核
    融合プラズマによって加熱されることにより水素を放出
    するとともに、温度が低下した場合においては前記核融
    合プラズマとともに放出される水素および前記放出され
    た核融合プラズマによって加熱されることにより自ら放
    出した水素を吸蔵する閉じた系の水素放出吸蔵装置を構
    成することを特徴とする核融合装置。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記ダイバータが、前記核融合反応炉内の磁力線の放出
    面近傍において、前記核融合プラズマの方向を決定する
    磁力線に対して傾斜して配設されていることを特徴とす
    る核融合装置。
  6. 【請求項6】 核融合反応後の核融合プラズマによって
    加熱されることによりダイバータを構成する水素吸蔵材
    料から大量の水素を放出して、 前記放出された水素をガスブランケットとして利用する
    ことによって放出された高温の核融合プラズマを冷却し
    て中性化した後排出することを特徴とする高温プラズマ
    の中性化方法。
JP6044824A 1994-02-18 1994-02-18 ダイバータ、核融合装置および高温プラズマの中性化方法 Pending JPH07229984A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112309589A (zh) * 2019-07-26 2021-02-02 核工业西南物理研究院 一种磁约束聚变装置燃料补充设备

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