JPH07218723A - 偏光子 - Google Patents

偏光子

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JPH07218723A
JPH07218723A JP6013569A JP1356994A JPH07218723A JP H07218723 A JPH07218723 A JP H07218723A JP 6013569 A JP6013569 A JP 6013569A JP 1356994 A JP1356994 A JP 1356994A JP H07218723 A JPH07218723 A JP H07218723A
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light
polarized light
optical
polarization
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JP6013569A
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English (en)
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Sanpei Ezaki
賛平 江崎
Kunihiko Yoshino
邦彦 吉野
Katsuhiko Katano
克彦 片野
Shingo Inoue
新吾 井上
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Nikon Corp
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱応力や力学的外部応力下においても偏光度
の低下を極力抑制することを可能にする。 【構成】 透明基板7a、7bの表面に屈折率の互いに
異なる薄膜が2層以上形成され、各薄膜の界面における
光線3の反射率および透過率の偏光依存性を利用して特
定の振動方向を有する光4、5を選択して出射する偏光
子において、透明基板7a、7bの光弾性定数を実質的
に零にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば偏光ビームス
プリッタ(Polarizing Beam Splitter:以下「PBS」
と称する)など、特定の振動方向を有する光を選択して
出射する偏光子に関する。
【0002】
【従来の技術】図3および図4は、それぞれこの種のP
BSの従来例の一例を示す図であり、図3に示すPBS
はMacNeille型PBSと呼ばれ、図4に示すPBSは平
板型PBSと呼ばれる。
【0003】図3に示すPBSは、光学ガラスからなる
1対の直角プリズム1a、1bの斜辺に薄膜部2a、2
bを形成し、接合層2cを介してこれら薄膜部2a、2
bを接合することにより構成されている。以下、薄膜部
2a、2bおよび接合層2cをまとめて偏光分離部2と
称する。薄膜部2a、2bは、互いに屈折率の異なる複
数層(好ましくは奇数層)の薄膜が積層されてなる(薄
膜の図示は省略する)。それぞれの薄膜の屈折率は、い
わゆるブリュスター条件を満足するように設定されてい
る。したがって、直角プリズム1aの直辺側から自然光
3を入射し、薄膜間の界面への入射角がいわゆるブリュ
スター角になるようにして入射すると、偏光分離部2を
構成する薄膜の界面における反射光をs偏光5のみにす
ることができ、偏光分離部2の透過光をp偏光4のみに
することができる。この結果、自然光3をp偏光4とs
偏光5とに分離することができる。ここで、p偏光4は
図3の紙面に沿った振動面を有する偏光を指し、s偏光
5は図3の紙面に直交する振動面を有する偏光を指し、
図中の矢印は偏光の振動方向を、・(黒点)は偏光の振
動方向が紙面に直交する方向にあることを示している。
【0004】また、図4に示すPBSは、光学ガラスか
らなる透明基板1の表面に偏光分離部6が形成されてな
る。この偏光分離部6は、互いに屈折率の異なる多数
(図示例では4層)の薄膜6a〜6dが積層されて構成
されている。偏光分離部6は、薄膜6a〜6dの界面に
おける反射率および透過率がp偏光およびs偏光でそれ
ぞれ異なることを利用し、p偏光4の透過率が高くs偏
光5の反射率が高い薄膜6a〜6dの組み合わせを多数
用意して透過光中のp偏光4の割合および反射光中のs
偏光5の割合を徐々に高め、結果としてp偏光4とs偏
光5とを分離する。したがって、図3のPBSと異な
り、それぞれの薄膜6a〜6dの屈折率はブリュスター
条件を満足するように定められていない。これは、理想
的なブリュスター条件を満足するような薄膜の屈折率お
よび薄膜界面への入射角の組み合わせを得ることが難し
いためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のPBSでは、薄膜部2および偏光分離部6が光
学ガラスからなる直角プリズム1a、1bおよび透明基
板1の表面に形成されているので、光学ガラスに熱応力
や力学的外部応力が作用すると光弾性効果に起因する光
学的異方性が誘起されるので、この光学的異方性により
PBSが所望の性能を得ることが難しくなる、という問
題があった。
【0006】ここで、光弾性効果および光学的異方性に
ついて簡単に説明する。一般に、ガラスのような等質等
方な透明体に力を加えて応力を生じさせると、この透明
体に光学的な異方性が生じ、ある種の結晶体と同様に複
屈折性を持つようになる。これは光弾性効果と呼ばれて
いる。応力が生じたときの透明体の屈折率はいわゆる屈
折率楕円体で表すことができ、このとき、屈折率楕円体
の主屈折率軸は主応力軸に一致する。主屈折率をn1
2、n3、主応力をσ1、σ2、σ3(それぞれ添字が共
通なものは同一方向にある)とすると、これらの間には
次式のような関係が成立する。
【数1】n1=n0+C1σ1+C22+σ3) n2=n0+C1σ2+C23+σ1) n3=n0+C1σ3+C21+σ2) ここに、n0は無応力のときの屈折率、C1は直接応力光
定数、C2は横応力光定数である。
【0007】このような透明体に直線偏光を入射する
と、各主応力方向の屈折率n1、n2、n3が異なること
から、入射光は、屈折率n1、n2、n3および直線偏光
の入射方向で定まる所定の方向の振動面を持ち、かつ、
振動面が互いに直交する2つの要素波に分れ、これら要
素波は互いに異なる屈折率を感じる。ここで、透明体内
の応力分布が均一でない場合は、透明体の各点において
主屈折率n1、n2、n3が異なる値をとることに注意し
なければならない。各要素波が互いに異なる屈折率を感
じる結果、2つの要素波が透明体内を伝播して透明体か
ら出射するとき、これら要素波の間には、次式で与えら
れる光路差(位相差)Δφが生じる。
【数2】Δφ=(2π/λ)(n’−n”)・d ここに、λは光の波長、n’、n”はそれぞれ各要素波
が透明体内で感じる平均屈折率、dは透明体の光透過厚
である。この結果、直線偏光を透明体に入射すると、透
明体から出射する光は一般に楕円偏光に変化する。
【0008】上述の主屈折率n1、n2、n3の式を変形
すると、
【数3】 n2−n1=(C1−C2)(σ2−σ1)=C(σ2−σ1) n3−n2=(C1−C2)(σ3−σ2)=C(σ3−σ2) したがって、C=C1−C2なる定数が0であれば、透明
体に3次元方向の応力σ1、σ2、σ3が作用しても、n1
=n2=n3(=n0+Δn)であるから、各要素波は至
るところで同じ屈折率を感じる。よって、C=0であれ
ば、応力が作用している場合でも等方性媒質として取り
扱うことができる。ここで、C=C1−C2は光弾性定数
と呼ばれる。
【0009】PBSの直角プリズム1a、1bおよび透
明基板1を形成する光学ガラスには、次のような応力が
生じると考えられる。まず、光学ガラスは一般に金属等
のホルダーに保持されるため、このホルダーからの保持
力により光学ガラスに応力が生じる。また、光学ガラス
に入射する自然光3などの一部はこのガラスに吸収さ
れ、これに伴ってガラスが発熱して熱膨張が起こる。一
般に、光学ガラスに入射する自然光3などの強度は必ず
しも一様ではないので、熱膨張の程度はガラスの面方向
の場所によって異なる。したがって、ガラスが不均一に
熱膨張することにより応力が生じる。さらに、ガラスの
熱膨張によりホルダーにも応力が生じ、その反作用とし
て光学ガラスに応力が生じる。以上のような熱応力や力
学的外部応力により光学ガラスに光学的異方性が生じ
る。
【0010】直角プリズム1a、1bおよび透明基板1
の光学ガラスに生じた光学的異方性がPBSの性能に与
える影響について考える。これら直角プリズム1bおよ
び透明基板1内をp偏光4が伝播するとき、このp偏光
4はそれぞれ主応力方向に依存した互いに直交する振動
面を有する要素波に分離し、直角プリズム1bおよび透
明基板1から出射する時点では所定の光路差が生じて偏
光状態が変わっている。すなわち、p偏光4にs偏光成
分が加わる。同様に、直角プリズム1a内をs偏光5が
伝播するとき、このs偏光5が直角プリズム1aから出
射する時点では所定の光路差が生じて偏光状態が変わっ
ている。すなわち、s偏光5にp偏光成分が加わる。
【0011】結果として、直角プリズム1a、1bおよ
び透明基板1の光学ガラスに異方性が生じると、PBS
から出射する偏光の偏光度を低下させ、PBSの性能低
下の原因となる。従来、PBSに用いられていた光学ガ
ラスの光弾性定数Cの値は大きく、たとえば、PBSの
直角プリズム1a、1bや透明基板1に多用されている
BK7(ドイツ ショット社記号)という種類の光学ガ
ラスでは2.78(波長λ=633nm)という値が得られてい
る。このため、熱応力や力学的外部応力により誘起され
る光学的異方性、およびこれに基づく光路差Δφが無視
できない値になる。
【0012】本発明の目的は、熱応力や力学的外部応力
下においても偏光度の低下を極力抑制することの可能な
偏光子を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、本発明は、透明基板7a、7bの
表面に屈折率の互いに異なる薄膜が2層以上形成され、
各薄膜の界面における光線3の反射率および透過率の偏
光依存性を利用して特定の振動方向を有する光4、5を
選択して出射する偏光子に適用される。そして、上述の
目的は、透明基板7a、7bの光弾性定数を実質的に零
にすることにより達成される。
【0014】ここにいう光弾性定数が実質的に零とは、
透明基板7a、7bの光学的異方性に基づく光路差によ
り読み出し光9が受ける影響が無視できる程度の値をい
い、一例として波長500〜650nmの光に対して光弾性定数
が-0.1〜0.1[10-8cm2/N]の範囲にあればよい。
【0015】
【作用】透明基板7a、7bの光弾性定数が実質的に零
であるので、熱応力や力学的外部応力が透明基板7a、
7bに生じても、この透明基板7a、7bが実質的に光
学的等方性を有し、透明基板7a、7b内を伝播する光
にほとんど光路差が生じない。
【0016】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0017】
【実施例】
−第1実施例− 図1は、本発明による偏光子が適用された偏光ビームス
プリッタ(PBS)の第1実施例を示す断面図である。
本実施例のPBSと図3に示す従来のPBSとの相違点
は、直角プリズム7a、7bの材質にある。したがっ
て、従来例と同様な構成要素については同一の符号を付
し、その説明を省略する。
【0018】本実施例のPBSに使用されている直角プ
リズム7a、7bは、その光弾性定数が実質的に零の材
質から形成されている。上述のごとく、光弾性定数が実
質的に零とは、直角プリズム7a、7bの光学的異方性
に基づく光路差によりp偏光4、s偏光5が受ける影響
が無視できる程度の値をいい、一例として波長500〜650
nmの光に対して光弾性定数が-0.1〜0.1[10-8cm2/N]の範
囲にあればよい。
【0019】このような材質の一例としては、本出願人
の提案にかかる偏光光学系用光学ガラスが挙げられる。
この光学ガラスは、酸化物換算の重量%で下記の組成を
有する。 SiO2 17.0〜 27.0% Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0% PbO 73.0〜 75.0% As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
【0020】各成分の組成範囲を上記のようにした理由
は次の通りである。PbOは、上述のように、ガラスの光
弾性定数がPbOの含有量に大きく依存し、具体的には、P
bOの含有量が増加するにしたがって光弾性定数の値が減
少し、ある一定量において零になって以降は負の値をと
ることを利用し、光弾性定数の値を実質的に零に制御す
るために用いられる。PbOの含有量により光弾性定数の
値が変化するのは、鉛イオンの配位状態がその含有量の
増加とともに変化するためと考えられる。上述した範囲
の光弾性定数、すなわち光弾性定数の値が実質的に零の
光学ガラスは、PbOの含有量を73〜75重量%の範囲内に
することにより実現される。
【0021】SiO2は本発明の光学ガラスにおけるガラス
組成物であり、17重量%以上は必要であるが、27重量%
以上であると上述のPbOの含有量が所定範囲を外れて減
少してしまい、光弾性定数が大きくなってしまう。
【0022】Na2O+K2O+Li2Oといったアルカリ金属成分
は、ガラスの熔解温度およびガラス転移温度を下げ、ガ
ラスの失透に対する安定性を高める効果があるため、0.
5重量%以上必要であるが、5重量%を超えると化学的
耐久性を著しく損なう。As2O3+Sb2O3は必要に応じて添
加することができるが、3重量%を超えるとガラスの耐
失透性、分光透過特性等を損なう。
【0023】この偏光光学系用光学ガラスは、各成分の
原料としてそれぞれの元素に対応する酸化物、炭酸塩、
硝酸塩などを使用し、それらを所望の割合に秤量し混合
して調合原料とし、これを1,000〜1,300℃に加熱して熔
解し、清澄、攪拌を行って均質化した後、予め予熱され
た金型に鋳込み徐冷することにより容易に製造すること
ができる。
【0024】これ以外にも、たとえばSF57(ドイツ
ショット社の記号)といった重フリントガラスは、波
長λ=589.3nmの光に対する光弾性定数が0.03[10-6mm2/
N](ショット社のカタログによる)と実質的に零とみな
せる値であるため、直角プリズム7a、7bを形成する
材料となりうる。あるいは、光学ガラスに限らず、プラ
スチック等であっても光弾性定数が実質的に零の透明物
質であれば直角プリズム7a、7bを形成する材料とな
りうる。
【0025】本実施例のPBSでは、直角プリズム7
a、7bに熱応力や力学的外部応力が生じていても、こ
れら直角プリズム7a、7bを形成する材質の光弾性定
数が実質的に零であるため、ほぼ光学的に等方的な材質
として振る舞う。したがって、本実施例のPBSに直角
プリズム7a側から自然光3を入射しても、偏光分離部
2で分離されたp偏光4およびs偏光5は直角プリズム
7a、7b内で要素波に分離せず、あるいは、分離した
としても要素波に生じる光路差はほとんど無視できる程
度の値であるので、偏光分離部2で分離されたp偏光4
およびs偏光5がほぼそのままの状態で(つまり、p偏
光4にs偏光成分が加わることなく、s偏光5にp偏光
成分が加わることなく)直角プリズム7a、7bから出
射する。
【0026】以上から、PBSから出射するp偏光4、
s偏光5にそれぞれ異なる偏光成分が含まれる現象を抑
制することができ、PBSの偏光度が良くなって性能の
向上を図ることができる。
【0027】−第2実施例− 図2は、本発明による偏光子が適用された偏光ビームス
プリッタ(PBS)の第2実施例を示す図である。本実
施例のPBSと図4に示す従来のPBSとの相違点は、
透明基板7の材質にある。したがって、従来例と同様な
構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略
する。
【0028】本実施例のPBSに使用されている透明基
板7は、その光弾性定数が実質的に零の材質から形成さ
れている。このような材質については、上述の第1実施
例の直角プリズム7a、7bを形成する材質として既に
説明しているので詳細な説明は省略する。
【0029】本実施例のPBSでは、透明基板7に熱応
力や力学的外部応力が生じていても、この透明基板7を
形成する材質の光弾性定数が実質的に零であるため、ほ
ぼ光学的に等方的な材質として振る舞う。したがって、
本実施例のPBSに自然光3を入射しても、偏光分離部
6で分離されたp偏光4は透明基板7で要素波に分離せ
ず、あるいは、分離したとしても要素波に生じる光路差
はほとんど無視できる程度の値であるので、偏光分離部
6で分離されたp偏光4がほぼそのままの状態で透明基
板7から出射する。以上から、本実施例によっても、上
述の第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】以上説明した実施例と請求の範囲との対応
において、直角プリズム7a、7bおよび透明基板7は
それぞれ透明基板を構成している。なお、本発明の偏光
子は、その細部が上述の各実施例に限定されず、種々の
変形が可能である。一例として、各実施例はそれぞれ偏
光ビームスプリッタに適用していたが、透明基板および
薄膜の組み合わせにより構成されている限り、単一の偏
光成分のみを通過させる偏光子であっても適用可能であ
る。
【0031】<実験例>各成分の原料としてそれぞれの
元素に対応する酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを用意し、
これらを高度に精製した後、表1および表2に記載の割
合となるように秤量し、混合して調合原料とし、これを
1,000〜1,300℃に加熱して電気炉中で熔解し、清澄、攪
拌を行って均質化した後、予め予熱された金型に鋳込み
徐冷することにより偏光光学系熔光学ガラスを製造し
た。表1および表2中の数値は、酸化物換算の重量%に
よる成分割合を示し、合計で100%になる。
【0032】このようにして得られたガラスについて、
波長λ=633nmの光に対する光弾性定数および線膨張係
数を測定した。光弾性定数Cは、既知の波長λの光、既
知のサイズlの試料を用い、上述の式においてσ1=σ3
=0となる既知の一軸性応力σ2を試料に加えた状態で
光路差Δφを測定することにより算出した。測定結果を
表1および表2に示す。また、酸化鉛(PbO)の含有量
を横軸に、光弾性定数を縦軸にとったグラフを図5に示
す。酸化鉛の含有量が増加するに連れて光弾性定数はほ
ぼ直線的に減少し、ある点で零の値をとり、以降は負の
値をとることが理解できる。
【0033】なお、比較例として、偏光光学系に従来多
用されていたBK7について、その成分割合、波長λ=
633nmの光に対する光弾性定数および線膨張係数の測定
結果を表2に示す。番号1〜7の光学ガラスの光弾性定
数がBK7のそれに比較してはるかに小さく、特に、番
号4〜6の光学ガラスについては光弾性定数が実質的に
零であるとみなせる範囲の値であることが理解できる。
また、番号1〜7の光学ガラスの線膨張係数はBK7の
それとほぼ同レベルであることから、BK7のかわりに
番号1〜7の光学ガラスを用いた場合でも、治具や他の
光学部品に熱膨張率の差に基づく影響を及ぼすことはな
い。
【表1】
【表2】
【0034】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、偏光子の透明基板の光弾性定数を実質的に零にし
たので、熱応力や力学的外部応力下においても透明基板
が光学的等方性を有する。したがって、透明基板の光学
的異方性に基づく偏光子の偏光度低下現象を十分に抑制
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である偏光ビームスプリッ
タを示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例である偏光ビームスプリッ
タを示す断面図である。
【図3】従来の偏光ビームスプリッタの一例を示す断面
図である。
【図4】従来の偏光ビームスプリッタの他の例を示す断
面図である。
【図5】酸化鉛の含有量と光弾性定数との関係を示す図
である。
【符号の説明】
2、6 偏光分離部 2a、2b 薄膜部 6a〜6d 薄膜 3 自然光 4 p偏光 5 s偏光 7 透明基板 7a、7b 直角プリズム
フロントページの続き (72)発明者 井上 新吾 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面に屈折率の互いに異なる
    薄膜が2層以上形成され、前記各薄膜の界面における光
    線の反射率および透過率の偏光依存性を利用して特定の
    振動方向を有する光を選択して出射する偏光子におい
    て、 前記透明基板の光弾性定数が実質的に零であることを特
    徴とする偏光子。
JP6013569A 1994-02-07 1994-02-07 偏光子 Pending JPH07218723A (ja)

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