JPH07217603A - 直線的に移動する少なくとも１つの部材を作動する油圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明の目的は、従来の装置と比較してよ
り簡単に構成された油圧装置を提供することにある。 【構成】 この発明は、直線的に移動する少なくとも１
つの部材、特に、中圧或いは高圧主回路遮断器の可動接
触子を作動する油圧装置に関し、油圧装置は、少なくと
も１つの部材に対応してそれぞれ設けられた１つのピス
トン−シリンダーユニット２０と、このピストン−シリ
ンダーユニット２０へ油圧流体を高圧で供給できる高圧
リザーバー３６〜４２と、油圧流体の低圧リザーバー
と、を有している。油圧流体は、ポンプ２８、２９によ
り低圧リザーバーから高圧リザーバーに運ばれる。油圧
装置の個々の部材は、中央分配装置１８へ接続され、中
央分配装置１８は、高圧油圧流体および低圧油圧流体の
それぞれの場合で少なくとも１つのライン３４、３５を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、直線的に移動する少
なくとも１つの部材、特に、中圧或いは高圧主回路遮断
器の可動接触子要素を作動する油圧装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】このような油圧装置は、特に、高圧回路
遮断器の可動接触子要素の作動に用いられる。高圧は中
圧の分野をカバーするものと考えられている。このよう
な高圧回路遮断器は、ガス絶縁、特にＳＦ₆ 絶縁、金属
封入スイッチとして、或いは空気解放型スイッチとして
形成することができる。主回路遮断器、即ち主回路遮断
器の１つのポール或いは複数のポールのそれぞれの可動
接触子要素を作動する駆動系は、エネルギー貯蔵部を有
し、エネルギー貯蔵部は、ばね貯蔵部として形成できる
とともに、そのエネルギーは可動接触子要素を作動する
ために放出される。この目的のため、エネルギー貯蔵部
は油圧装置内に組み込まれており、１つ或いは複数の可
動接触子要素が作動ピストンへそれぞれ接続されてい
る。油圧エネルギーは、作動ピストンの両側、即ち大き
い領域を有する空間および小さい領域を有する空間内へ
与えられ、その結果、ピストンがスイッチ位置内へ移動
される。適切な切換えバルブを作動することにより、大
きいピストン領域により境された空間は低圧リザーバー
へ接続され、その結果として、ピストンの急な置き換え
が可能となり、可動接触子要素がスイッチオフ位置内へ
移動される。

【０００３】公知の駆動系の場合、比較的複雑なパイプ
ライン系は、貯蔵部、即ちポンプとして形成されたチャ
ージングユニットと、作動ユニット、即ち作動ピストン
と、の間に配置されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、従
来の装置と比較してより簡単に構成された油圧装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明に係る油圧装置は、直線的に移動する少な
くとも１つの部材、特に、中圧或いは高圧主回路遮断器
の可動接触子要素を作動する油圧装置であって、上記少
なくとも１つの部材へそれぞれ設けられたピストン−シ
リンダーユニットと、このピストン−シリンダーユニッ
トへ油圧流体を高圧で供給できる高圧リザーバーと、上
記油圧流体のための低圧リザーバーと、上記低圧リザー
バーから上記高圧リザーバーへ上記油圧流体を運ぶポン
プと、を有する油圧装置において、上記油圧装置の個々
の部材（２２、２３、２４・・・）は、中央分配装置
（１８）へ接続され、この中央分配装置は、高圧の油圧
流体および低圧の油圧流体のための少なくとも１つのラ
イン（３４、３５）をそれぞれ備えている。

【０００６】

【作用】特に好ましい方法によると、中央分配装置は分
配レールとして形成され、この分配レールは、長方形の
断面を有しているとともに引き伸ばされ、高圧および低
圧の油圧流体のためのラインは、分配レール内を平行に
続く２つの縦孔により形成されている。

【０００７】この配列を用いると、エネルギー貯蔵部お
よび作動ピストンの間に設けなければならないパイプラ
イン、およびこれらの間に設けられた油圧装置の部材を
省くことが可能となる。

【０００８】また、分配レールは、同時に個々の部材を
保持するために使用できるという利点を有している。請
求の範囲第３項の特徴部によると、ピストン−シリンダ
ーユニット、即ち作動ピストンは、分配レールの第１の
側面上に取り付けられ、ピストン−シリンダーユニット
を駆動する制御バルブは、分配レールの第１の側面に対
向する第２の側面上に取り付けられ、高圧リザーバーお
よび／或いはポンプは、そこへ直角に続く分配レールの
第３の側面上に取り付けられ、横孔は、個々の部材へ接
続され、分配レール内に設けられ、そして、連結された
縦孔内に開放されている。

【０００９】従って、この発明によると、分配レール
は、油圧流体の分配のみならず、個々の部材を保持する
ために用いられ、個々の部材は、分配レールとともに予
め組立て可能なユニットを形成している。

【００１０】分配レール上の個々の部材の配列の単一化
は、請求の範囲第４項の特徴部に見出だせる。

【００１１】この発明の油圧装置が金属封入型、ガス絶
縁型スイッチング装置へフランジ接続されている場合、
ピストン−シリンダーユニットは、分配レールおよびフ
ランジの間に配置され、制御バルブは、分配レールのフ
ランジから離れた側面上に設けられている。

【００１２】発明の更なる単一化は、モジュール様に形
成されているとともにシールを伴って分配レール上に取
り付けられている個々の部材により形成でき、シール
は、全ての接続に同一で、高圧または低圧ラインに通じ
る接続ラインのために挿入されている。その結果、組立
および貯蔵は、かなり簡単にできる。

【００１３】更なる改良によると、エネルギー貯蔵部内
の貯蔵空間、即ち高圧リザーバーは、分配レールへ直接
的に隣接でき、大きいピストン領域に対向する貯蔵空間
の後壁は、分配レールの隣接した側壁により形成されて
いる。このため、この部分の組立および密閉は簡略化さ
れ、高圧リザーバーは、挿入されたシールとともに側壁
内の凹所内に係合するカラーを備えている。

【００１４】分配レールは、有利な方法でアルミニウム
で構成できる。その結果、分配レールは、十分な強度を
有するとともに比較的軽量になる。

【００１５】連携されたシールおよび他の接続とともに
横孔のみを他の工程により製造することが必要であるよ
うに、分配レールは、前もって用意されその中に組み入
れられた縦孔を有する押出しプロフィール（an extrude
d profile ）である。

【００１６】調整スライドは、縦孔或いは特定の横孔内
へ導入でき、これにより、縦孔或いは横孔内の油圧流体
の流れは調整可能な抵抗により妨害でき、その結果、一
方では作動ピストンの動きが調整でき、他方では圧力流
体内のうねりが減少或いは緩衝できる。

【００１７】更に、高圧主回路遮断器の接触の同時の閉
鎖が調整できる。

【００１８】

【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。

【００１９】図１および図２に示すように、主回路遮断
器（power circuit breaker ）を作動する油圧装置を内
部に備えたハウジング１１は、フランジ板１０上に設け
られ、フランジ板１０は、主回路遮断器の近くで金属封
入型、ガス絶縁型スイッチング装置の図示しない開放フ
ランジに対してねじ込むことができる。

【００２０】フランジ板１０は、複数の開口１６（図２
では１つの開口のみが示されている）を有し、各開口１
６を介してそれぞれ１つの駆動ロッド１７が挿通され、
駆動ロッド１７は個々の主回路遮断器ポールのそれぞれ
の可動接触子要素へ接続されている。

【００２１】フランジ板１０上に据え付けられた油圧装
置は、図３に示すように、実質的に長方形断面の分配レ
ール１８を備え、分配レール１８のフランジ板１０側の
側面１９上には、各主回路遮断器ポールに対応した作動
ピストンユニット２０がそれぞれ設けられ、分配レール
１８のフランジ板１０とは反対側の側面２１上には、各
主回路遮断器ポールに対応した切換えバルブ２２がそれ
ぞれ設けられている。１つの主回路遮断器が全部で３つ
の主回路遮断器ポールを有することから、３つの作動ピ
ストンユニットおよび３つの切換えバルブ２２ａ、２２
ｂ、２２ｃが設けられ、各場合において、図３により明
確に示されているように、２つのスイッチ−オフ回路の
電磁システム２３、２４および１つのスイッチ−オン回
路の１つの電磁システム２５が、個々の切換えバルブ２
２ａ、２２ｂ、２２ｃへ設けられている。モーターポン
プユニットは、２つの切換えバルブ２２ａおよび２２ｂ
の間で、フランジ板１０へ直角に続く側面２６上から左
側に設けられ、モーターポンプユニットは、単に概略的
に示されたポンプ２９の駆動モータ２８、およびフィル
ターユニット３０を備えている。フィルターユニット３
０は、内部に接続孔３２、３３を配列したモーターポン
プブロック３１へ接続され、各接続孔３２、３３は、そ
れぞれ分配レール１８内に設けられた縦孔３４或いは３
５を有している。この場合、縦孔３４は図示しない低圧
収集タンクへ接続され、縦孔３５は以下に示すエネルギ
ー貯蔵部へ接続され、ポンプは、接続ライン即ち接続孔
３２を介して低圧タンクから油圧流体を吸引し、接続ラ
イン３３を介して縦孔３５へ圧縮流体をフィードする。

【００２２】図４により詳細に示された上述したエネル
ギー貯蔵部３６は、切換えバルブ２２ｂおよび２２ｃの
間の近くで側面２６上に設けられている。エネルギー貯
蔵部の貯蔵部材３７は、重ねて一列に接続された複数の
板ばねである。保持板３８は、分配レール１８とは反対
側に設けられた板ばね３７の終端に設けられている。ピ
ストン４０はシリンダー空間４１内に配置され、ピスト
ンの左側の空間４１ａ、即ち小さいピストン領域を有す
る空間、およびピストンの右側の空間４１ｂ、即ち大き
いピストン領域を有する空間は、両側に圧力流体を収容
している。ピストン空間４１およびピストンロッド３９
をガイドする孔４２は、分配レール１８上に設けられた
シリンダーブロック４３内に収容され、分配レール１８
がそれ自体で大きいピストン領域に対する側のピストン
空間を境している。この目的のため、シリンダーブロッ
ク４３は、ピストン空間４１を限定するとともに分配レ
ール１８の側面２６上の凹所４５に係合するカラー様の
突出部４４を有している。カラー或いはカラー様の突出
部４４がその外側に密閉を生じるための環状のシール４
６を有することは自明である。詳細図５において、低圧
リザーバーへ接続された縦孔３４を見い出せる。横孔４
７は、空間４１ｂから縦孔３５に向かって続いている。
縦孔３４は、分配レール１８およびシリンダーブロック
４３内を延びた追加の横孔（参照符号なし）を介して空
間４１ａへ接続され、ピストン４０から出る漏洩オイル
が低圧容器へ運ばれる。

【００２３】図２および図３に示すように、作動ピスト
ン２０は、中間部材４８を介してベルクランク４９へ接
続されている。ベルクランク４９は、スイッチングシャ
フト５０上に設けられ、ロッド１７は、スイッチングシ
ャフトへ接続されている。ベルクランクは、別の中間部
材５１を介して予備スイッチ５２へ接続されている。

【００２４】２つの部材の間の密閉（図６参照）、例え
ば、分配レール１８上に装着可能なモジュール５４内の
孔５３と、分配レール１８内の横孔５５と、の間の密閉
は、ブッシュ５６により与えられる。ブッシュ５６は、
２つの部分の間の分離したジョイント５７を超えて２つ
の部分を接続或いは係合し、環状のシール５８、５９が
分離したジョイント５７の両側上でブッシュ５６内に設
けられている。

【００２５】切換えバルブ２２の縦孔３４、３５および
／或いはピストン空間４１ｂまたは作動ピストンユニッ
ト２０への内部の相互接続は、それ自体公知であり、こ
こでは、より詳細に説明する必要はない。

【００２６】尚、この発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、発明の範囲を超えることなく種々変
形可能である。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の油圧装
置は、上記のような構成および作用を有しているので、
従来の装置と比較してより簡単に構成された油圧装置を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、この発明による油圧装置の平面図。

【図２】図２は、図１の線II-II に沿った断面図。

【図３】図３は、図１の線III-III に沿った分配レール
を通った断面図。

【図４】図４は、図１の線IV-IV に沿った断面図。

【図５】図５は、図４の部分Ｘの詳細な拡大図。

【図６】図６は、

【符号の説明】

１０…フランジ板、１１…ハウジング、１６…開口、１
７…駆動ロッド、１８…分配レール、１９、２６…側
面、２０…作動ピストンユニット、２２ａ、２２ｂ、２
２ｃ…切換えバルブ、２３、２４、２５…電磁システ
ム、２８…駆動モータ、２９…ポンプ、３０…フィルタ
ーユニット、３１…モーターポンプブロック、３２、３
３…接続孔、３４、３５…縦孔、３６…エネルギー貯蔵
部、３７…貯蔵部材、３８…保持板、３９…ピストンロ
ッド、４０…ピストン、４１…シリンダー空間、４１ａ
…小さいピストン領域、４１ｂ…大きいピストン領域、
４３…シリンダーブロック、４４…カラー様の突出部、
４５…凹所、４６…環状のシール、４７…横孔、４８、
５１…中間部材、４９…ベルクランク、５０…スイッチ
ングシャフト、５２…予備スイッチ、５３…孔、５４…
モジュール、５５…横孔、５６…ブッシュ、５７…ジョ
イント、５８、５９…環状のシール。

フロントページの続き (72)発明者 ルディ・バインゲルトナー ドイツ連邦共和国、デー − 63594 ハ ッセルロート、タウヌスシュトラーセ ５

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 直線的に移動する少なくとも１つの部
   材、特に、中圧或いは高圧主回路遮断器の可動接触子要
   素を作動する油圧装置であって、 上記少なくとも１つの部材へそれぞれ設けられたピスト
   ン−シリンダーユニットと、 このピストン−シリンダーユニットへ油圧流体を高圧で
   供給できる高圧リザーバーと、 上記油圧流体のための低圧リザーバーと、 上記低圧リザーバーから上記高圧リザーバーへ上記油圧
   流体を運ぶポンプと、を有する油圧装置において、 上記油圧装置の個々の部材（２２、２３、２４・・・）
   は、中央分配装置（１８）へ接続され、この中央分配装
   置は、高圧の油圧流体および低圧の油圧流体のための少
   なくとも１つのライン（３４、３５）をそれぞれ備えて
   いることを特徴とする油圧装置。
2. 【請求項２】 上記分配装置は、好ましくは長方形の断
   面を有しているとともに高圧および低圧ラインが縦孔
   （３４、３５）により形成されている引き伸ばされた分
   配レール（１８）を備えていることを特徴とする請求項
   １に記載の油圧装置。
3. 【請求項３】 上記ピストン−シリンダーユニット（２
   ０）は、上記分配レール（１８）の第１の側面（１９）
   上に取り付けられ、上記ピストン−シリンダーユニット
   （２０）を駆動する制御バルブ（２２）は、上記分配レ
   ール（１８）の第１の側面に対向する第２の側面（２
   １）上に取り付けられ、上記高圧リザーバー（３６〜４
   ２）およびポンプ（２８、２９）は、そこへ直角に続く
   上記分配レール（１８）の第３の側面（２６）上に取り
   付けられ、上記分配レール（１８）内に設けられた横孔
   （３２、３３）を介して連結された上記縦孔（３４、３
   ５）に接続されていることを特徴とする請求項１または
   ２のいずれか一方に記載の油圧装置。
4. 【請求項４】 上記ピストン−シリンダーユニット（２
   ０）および関連した制御バルブ（２３、２４）は、上記
   分配レール（１８）の縦長の範囲へ直角に続く平面内に
   それぞれ配置され、上記高圧リザーバー（３６〜４２）
   およびポンプ（２８、２９）は、それぞれ２つの隣接し
   た平面の間に配置されていることを特徴とする請求項１
   乃至３のいずれか１つに記載の油圧装置。
5. 【請求項５】 ガス絶縁型スイッチング装置へフランジ
   接続された油圧装置であって、上記ピストン−シリンダ
   ーユニット（２０）は、フランジ側で上記分配レール
   （１８）上に取り付けられ、上記制御バルブ（２３、２
   ４）は、上記フランジを避けて上記分配レール（１８）
   に取り付けられていることを特徴とする請求項１乃至４
   のいずれか１つに記載の油圧装置。
6. 【請求項６】 上記個々の部材は、モジュール様に形成
   されているとともに、シール（５６）を伴って上記分配
   レール（１８）上に取り付けられ、上記シール（５６）
   は、全ての接続に同一で、高圧または低圧ラインに通じ
   る接続ラインのために挿入されていることを特徴とする
   請求項１乃至５のいずれか１つに記載の油圧装置。
7. 【請求項７】 上記高圧リザーバー（３６）の貯蔵空間
   （４１）は、上記分配レール（１８）に隣接され、上記
   貯蔵空間（４１）の１つの後壁は、上記分配レール（１
   ８）の隣接した側壁により形成されていることを特徴と
   する請求項１乃至６のいずれか１つに記載の油圧装置。
8. 【請求項８】 上記高圧リザーバー（３６〜４２）は、
   挿入されたシール（４６）とともに上記側壁内の凹所
   （４５）内に係合するカラー（４４）を備えていること
   を特徴とする請求項７に記載の油圧装置。
9. 【請求項９】 上記モジュールと上記分配レール（１
   ８）との間の境界（分離ポイント）での密閉のためにス
   リーブ（５６）が設けられ、このスリーブ（５６）は、
   分離表面（５７）を橋渡しし、上記分離表面（５７）の
   両側上に密閉部材（５８、５９）を備えていることを特
   徴とする請求項１乃至８のいずれかに記載の油圧装置。
10. 【請求項１０】 上記密閉部材（５８、５９）は、それ
    ぞれＯリングシールおよび支持リングであることを特徴
    とする請求項９に記載の油圧装置。
11. 【請求項１１】 上記分配レール（１８）は、アルミニ
    ウムから成ることを特徴とする請求項１乃至１０のいず
    れか１つに記載の油圧装置。
12. 【請求項１２】 上記分配レール（１８）は、前もって
    用意された縦孔を有する押出しプロフィール（an extru
    ded profile ）であることを特徴とする請求項１乃至１
    １のいずれか１つに記載の油圧装置。
13. 【請求項１３】 上記油圧流体を調整するために上記孔
    内に挿入できる調整スライドを備えていることを特徴と
    する請求項１乃至１２のいずれか１つに記載の油圧装
    置。