JPH0720221U - 表面仕上げ器具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 誰もが容易に取り扱え、ハンディで携行も容
易となって時と場所を問わずに使用に供することがで
き、いかなる形状に対しても対処することができ、スピ
ーディに作業を施行することを可能とし、かつ、低価格
で需要者に供給することができるようにする。 ［構成］ 握持部の一端に刳り刃を、他端には先端を屈
曲させた釿状刃を備えていることとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は表面仕上げ器具、特に金属製の部品や部材の製造加工後に残るバリ や変形部位等の削り落とし、掻き取り、面取り等の作業に使用され、主に異形多 種の製品に対応処理することができ、その使い勝手に優れた表面仕上げ器具に関 する。

【０００２】

【考案の背景】

一般的に、金属工作物のバリ取り、削り落とし、掻き取りあるいは面取り等 の作業はその金属工作物が定形の場合には専用の機械装置が使用されるが、それ でも最終的な仕上げチェックは手作業により、ヤスリをはじめとする工具が使用 されている。また、金属工作物が異形の少数多種の場合は当初より専用の機械装 置になじまず、ほとんどが手作業による表面仕上げ処理が施されることとなる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来は手作業で表面仕上げ処理を行なうための格別な専用器 具や工具は存在しておらず、既存の製品で代用していたために、時として対処の 仕方が難しく、作業に時間がかかり、しかも熟練度が低いと目標とする仕上げの 程度を得ることは困難なものとなっていた。

【０００４】

【考案の目的】

そこで、本考案は係る従来の実情に着目してなされたもので、かかる問題点 を解消して、誰もが容易に取り扱え、ハンディで携行も容易となって時と場所を 問わずに使用に供することができ、いかなる形状に対しても対処することができ 、スピーディに作業を施行することを可能とし、かつ、低価格で需要者に供給す ることができることとした表面仕上げ器具を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 この目的を達成するために、本考案に係る表面仕上げ器具は握持部の一端に 刳り刃を、他端には先端を屈曲させた釿状刃を備えていることを特徴としている 。

【０００６】

【作用】

上記した構成としたことにより、凹部や孔部の内面や開口縁には刳り刃で対 応でき、面取りや表面削り等には釿状刃で対応することができる。また、一つの 握持部の両端に上記した二種の刃を備えたことで、片手操作による半回転で所望 の刃を随時に選択使用することができ、携行も容易なため、必要時に即対処する ことも可能となるのである。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して説明する。図１は本考案を実施 した表面仕上げ器具の斜視図、図２は同じく側面図、図３は同じく断面図である 。

【０００８】 これらの図にあって１は表面仕上げ器具本体であり、この表面仕上げ器具本 体１は主に右手利きの作業者用として構成されているもので、アルミニウム等の 金属製の握持部２を有している。この握持部２は片手で持った場合にやや両端が 掌中から突出する程度の長さをした平板状をしているもので、その厚さ（高さ） 部分の略３：１程度の箇所に一方壁面に継なぎ部３を残して、長手方向に沿った スリット４が形成されている。

【０００９】 前記した握持部２のスリット４には一方の端部に刳り刃５が、また他方の端 部には刃先６ａの構成された先端をやや鈍角ぎみに弧状に屈曲させた釿状刃６が 各々その基部を挟持されて備えられている。この挟持はスリット４の遊端に形成 された透孔７・７…内に挿通されたネジ８・８…により、スリット４の遊端縁が 当接するまで締め付けられ、接触圧を強めることで抜け落ちの防止が図られてい る。

【００１０】 また、前記した刳り刃５はその背部５ａを継なぎ部３の内面と当接させるよ うにして安定性が図られ、その刃付テーパ部５ｂは釿状刃６の刃先６ａと相互に 上下逆方向となるように構成されている。かかる構成とすることで掌中で握持部 ２を半回転させることで即時に各々の刃５・６による作業態勢をとることができ るものとされている。

【００１１】 さらに、刳り刃５側にあって握持部２のスリット４の遊端側のコーナーには テーパ部９（あるいはアール部）が形成されており、これは刳り刃５を使用する 際に、右手親指の腹を刳り刃５の背部５ａに当てがうこととなるが、添えられる 人指し指への負担を軽減するものである。なお、前記したネジ８の頭部は透孔７ 内に収まっているが、これは握持部２を持った際の異和感と当接する掌部分の負 担をなくすためである。

【００１２】 また、少なくとも釿状刃６にはバネ性を保有した鋼材等が使用され、このバ ネ性を保有させることで工作物表面やコーナー等への刃先６ａの喰い込み性を増 加させ、少ない力で作業することを可能としている。

【００１３】 本実施例に係る表面仕上げ器具は上記のように構成されている。そのため、 工作物の凹部や孔部の内面、開口縁については刳り刃５で対応でき、他の外面や 縁部には釿状刃６で対応することができる。そして、その構成から各刃５・６は 交換可能となり、その各刃５・６の素材として例えばバンドソーの廃材等を利用 することができ非常に経済的となっている。また、スリット４の構成位置が握持 部２の厚さ分に対し、片寄らせ、厚い部分が常に上方へくるため、力のかけ具合 も無理のないものとなっている。なお、本実施例は右手利き用のものを示したが 、左手利き用としては各刃５・６を逆転して取り付けることで済むことは勿論で ある。

【００１４】

【考案の効果】 本考案に係る表面仕上げ器具は上述のように構成され、使用される。そのた め、片手操作で容易に工作物の仕上げ処理を実行でき、携行が便利なため、時と 場所を選ばず作業をすることができる。また、各刃を交換自在とすることで複数 種の刃を差し換えることも、さらに、単品のみでなく、セットとして複数本を用 意しておくこともでき、その刃の特性や構成から作業がスピードアップされ、能 率的なものとなる。そして、その構造の簡易性から大量生産も可能となり、価格 も低廉なものとして需要者に供給することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案を実施した表面仕上げ器具の斜視図であ
る。

【図２】側面図である。

【図３】断面図である。

【符号の説明】

１ 表面仕上げ器具本体 ２ 握持部 ３ 継なぎ部 ４ スリット ５ 刳り刃 ５ｂ 刃付テーパ部 ６ 釿状刃 ７ 透孔 ８ ネジ ９ テーパ部

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 握持部の一端に刳り刃を、他端には先端
   を屈曲させた釿状刃を備えていることを特徴とする表面
   仕上げ器具。
2. 【請求項２】 前記した刳り刃と釿状刃は交換自在とし
   てあることを特徴とする請求項１に記載の表面仕上げ器
   具。
3. 【請求項３】 前記した刳り刃の刃付テーパ面と釿状刃
   の刃先とは相互に逆方向に向けてあることを特徴とする
   請求項１または請求項２に記載の表面仕上げ器具。
4. 【請求項４】 握持部には長手方向に沿ってスリットを
   形成し、刳り刃及び釿状刃の基部をそのスリット内に挟
   持させ、そのスリットの遊端をネジで締着させてあるこ
   とを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３に記
   載の表面仕上げ器具。
5. 【請求項５】 少なくとも釿状刃はバネ性を保有した材
   料で成形されていることを特徴とする請求項１、請求項
   ２、請求項３または請求項４に記載の表面仕上げ器具。