JPH0720204U - 加工機械のスピンドル構造 - Google Patents
加工機械のスピンドル構造Info
- Publication number
- JPH0720204U JPH0720204U JP5440993U JP5440993U JPH0720204U JP H0720204 U JPH0720204 U JP H0720204U JP 5440993 U JP5440993 U JP 5440993U JP 5440993 U JP5440993 U JP 5440993U JP H0720204 U JPH0720204 U JP H0720204U
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- Japan
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- disc spring
- draw bar
- chuck
- disc
- spindle
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- Pending
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- Gripping On Spindles (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 皿バネ相互間および皿バネとドロー・バーと
の間の摩擦力を低減してスピンドルのダイナミックバラ
ンスをとる。 【構成】 中空円筒状のスピンドル10の内部に、先端
にチャック14を具備したドロー・バー12を略同軸に
設け、このドロー・バー12の長軸部16に皿バネ18
を挿通し、ドロー・バー12の後端に設けたナット20
を締め付けて皿バネ18を圧縮状態にセットする。工具
22のクランプ時は、この皿バネ18の反発力でドロー
・バー12を後方に引いてチャック14を閉じ、アンク
ランプ時はドロー・バー12を後方から押してチャック
14を開く。皿バネ18の表面にはフッ素樹脂コーティ
ングを施していて、これが潤滑剤の役目をなすため、皿
バネ18の内径とドロー・バー12の外径との間のクリ
アランスを小さくしても皿バネ18は自由に摺動でき
る。
の間の摩擦力を低減してスピンドルのダイナミックバラ
ンスをとる。 【構成】 中空円筒状のスピンドル10の内部に、先端
にチャック14を具備したドロー・バー12を略同軸に
設け、このドロー・バー12の長軸部16に皿バネ18
を挿通し、ドロー・バー12の後端に設けたナット20
を締め付けて皿バネ18を圧縮状態にセットする。工具
22のクランプ時は、この皿バネ18の反発力でドロー
・バー12を後方に引いてチャック14を閉じ、アンク
ランプ時はドロー・バー12を後方から押してチャック
14を開く。皿バネ18の表面にはフッ素樹脂コーティ
ングを施していて、これが潤滑剤の役目をなすため、皿
バネ18の内径とドロー・バー12の外径との間のクリ
アランスを小さくしても皿バネ18は自由に摺動でき
る。
Description
【0001】
本考案は、フライス盤やボール盤等の工作機械に取り付けられ、工具等をクラ ンプして高速で回転させるスピンドル構造に関する。
【0002】
フライス盤やボール盤等の工作機械に用いられるスピンドルは、高速で回転す るためダイナミックバランスがくずれると異常振動を生じ、精密加工が困難とな る。このため、例えば10,000rpm程度の高速で回転する高速スピンドル におけるダイナミックバランスは、一般に1.0〜1.5(g・mm)以下のバ ランス取りを必要としている。
【0003】 従来のスピンドル構造は、図6に示すように、スピンドル10の内部にこのス ピンドル10と同軸でかつ先端にチャック14を具備した引き込み棒(以下、ド ロー・バーという)12を設け、このドロー・バー12の長軸部16に断面皿状 の多数の皿バネ18を互いに対向するように挿通し、ドロー・バー12の後端に 設けたナット20を締め付けることにより、皿バネ18を圧縮状態にセットして いた。そして、工具(切削工具の他、加工品を含む)22をクランプするには、 多数の皿バネ18の反発力でドロー・バー12を後方に引いてチャック14を閉 じ、反対に工具22をアンクランプするには、ナット20を後方から押して(矢 印A方向の力)ドロー・バー12を前方に動かし、チャック14を開く。
【0004】 なお、皿バネ18はドロー・バー12の外径と皿バネ18の内径との間のクリ アランス分だけ径方向に移動可能であるが、ダイナミックバランスをとるには、 皿バネ18は回転中心から径方向に移動しないのが望ましい。
【0005】
図7のように、内径がd1 の皿バネ18に荷重を加えて圧縮すると、図8のよ うに内径がd2 (d1 >d2 )に変化する。例えば、皿バネ18の内径d1 が1 2(mm)で、ドロー・バー12の外径Dとのクリアランスが0.1(mm)以 下の場合は、皿バネ18が圧縮されて内径d1 が変化したり、あるいは皿バネ1 8の偏心等によりドロー・バー12と皿バネ18との間に摩擦力が発生する。こ の摩擦力が大きいと、皿バネ18が軸方向に摺動できなくなって各皿バネ18が 均一にたわまず、また、チャック14を開く力も大きな荷重(アンクランプ力) を必要とする。 このため、従来は皿バネ18の内径d1 はドロー・バー12の外径Dに対して 少なくとも0.1(mm)以上のクリアランスが必要であった。また、皿バネ1 8の外径D2 はスピンドル内径D1 に対し0.5〜1(mm)程度のクリアラン スを設けていた。なお、グリース等を塗布して潤滑を良くしようとしても、皿バ ネ18の圧縮力がかなり高い(約300kg・f)ため役に立たない。
【0006】 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、皿バネ相互間および皿バネとド ロー・バーとの間の摩擦力を低減することによりダイナミックバランスのとれた 加工機械のスピンドル構造を提供することを目的とする。
【0007】
本考案は上記の問題を解決するため、中空円筒状のスピンドルの中空部に該ス ピンドルと同軸でかつ先端にチャックを具備したドロー・バーを設けると共にこ のドロー・バーの外周に互いに対向するように挿通した多数の皿バネを圧縮状態 で取付け、その反発力でドロー・バーを常時後方に引っ張ることにより前記チャ ックを閉じて工具をクランプする形式の加工機械のスピンドル構造において、前 記皿バネの表面に樹脂コーティングを施したことを特徴とする。
【0008】
上記のように構成された本考案によれば、ドロー・バーの長軸部に挿通した各 皿バネの表面に樹脂コーティングを施したので、このコーティング樹脂が潤滑剤 の役目をなし、皿バネ相互間や皿バネとドロー・バーとの間の摩擦力を低減させ る。このため、皿バネの内径とドロー・バーの外径との間のクリアランスを小に しても皿バネは自由に摺動することができ、皿バネの径方向の移動量は少なくな る。また、この摩擦力の低減によりドロー・バーの外周に多数挿通された皿バネ は均一にたわむほか、チャックを開くときのアンクランプ力も小さくて済む。
【0009】
以下、図面に基づき本考案の好ましい実施例を説明する。 図1は本考案に係る加工機械のスピンドル構造を示し、従来例と同一又は相当 する部材には同一の符号を付している。同図において、このスピンドル構造は中 空円筒状のスピンドル10と、該スピンドル10の中空部にこれと略同軸に設け られ、かつ先端にチャック14を有するドロー・バー12と、このドロー・バー 12の長軸部16に互いに対向するように挿通した多数の皿バネ18を有してい る。
【0010】 上記スピンドル10は先端にテーパ部24を有し、このテーパ部24の後方に チャック収容室26を形成し、このチャック収容室26の後部にはチャック14 を開閉するための突状部30を有している。また、上記ドロー・バー12は後端 にネジ部32を有し、先端のチャック14とこのネジ部32の中間の長軸部16 に皿バネ18を挿通している。更に、前記のネジ部32にはカラー34を介して ナット20を螺合している。
【0011】 上記チャック14は、その支点36を中心として先端の爪38が開閉可能とな っていて、この支点36がチャック収容室26の突状部30を通過することによ り開閉する。これを簡単に説明すると、支点36が後方(図の右方向)から前方 (図の左方向)に移動して突状部30の位置にくると先端の爪38が開いて工具 22をアンクランプし、反対に支点36が前方から後方に移動して突状部30の 位置にくると先端の爪38が閉じて工具22をクランプする。
【0012】 次に本考案は、図2に示すように、皿バネ18の表面に樹脂コーティングを施 したことを特徴とする。 この皿バネ18の寸法は、外径D2 が25mm、内径d1 が12.2mm、板 厚tが1.25mm、自由高さWが1.95mmである。そして、この皿バネ1 8の表面に粉体焼き付けにより全面に40〜50μmの厚さのフッ素樹脂28を コーティングしている。 このコーティング樹脂28は潤滑剤の役目をなし、皿バネ18相互間の潤滑を 良くする他、皿バネ18の内径部のコーティング樹脂28とドロー・バー12の 長軸部16とが接触して、皿バネ18とドロー・バー12との間の潤滑を良くす る。よって、皿バネ18の内径d1 とドロー・バー12の外径Dとの間のクリア ランスを小さくしても、皿バネ18は自由に摺動できるため略均一に変位する。 なお、上記コーティング樹脂28はフッ素樹脂に限られない。更に、コーティ ング厚さは上記の値以下では潤滑の効果が少なくなり、また上記の値以上では剥 離のおそれが生じる。
【0013】 次に、このスピンドル構造の動作を説明する。まず、ドロー・バー12の長軸 部16に160個の皿バネ18を互いに対向するように挿通し、ナット20を回 転させて皿バネ18の全長を自由長よりも28mmだけ短くする(こうして皿バ ネ18を圧縮状態にセットする)。チャック14に工具22をセットする際、油 圧シリンダー等(図示せず)でナット20を後方から押してドロー・バー12を 前方に少し移動させ、チャック14を開く。この開いたチャック14にスピンド ル10の先端のテーパ部24側から工具22を差し込み、次にナット20を押し ていた油圧シリンダー等の荷重を取り去る。これによりチャック14が閉じて工 具22をクランプすると共に、皿バネ18の反発力(略300kgf)でこのク ランプ状態を保持する。
【0014】 図3は、皿バネ18にフッ素樹脂コーティングを施さず、かつ皿バネ18の内 径d1 とドロー・バー12の外径Dとの間のクリアランスを0.1mm以下とし た場合(従来の皿バネで、これを標準皿バネという)の荷重−変位特性を示し、 図4は、皿バネ18にフッ素樹脂コーティングを施し、かつクリアランスを0 .04mm以下とした場合(これをコーティング皿バネ(A)という)の荷重− 変位特性を示し、 図5は、皿バネ18にフッ素樹脂コーティングを施し、かつクリアランスを0 .07mm程度にした場合(これをコーティング皿バネ(B)という)の荷重− 変位特性を示す。 なお、図3〜図5の上側の曲線は荷重を付加する場合の特性を示し、下側の曲 線は荷重を取り去る場合の特性を示す。
【0015】 図3の標準皿バネによれば、たわみが4.5〜6.0(mm)の部分で荷重の 値が急上昇し、かつ全体的に荷重の値が大である。これは、クリアランスが大き いにもかかわらず標準皿バネのたわみが不均一なためと思われる。 図4のコーティング皿バネ(A)によれば、たわみが6.0(mm)付近にお いて、標準皿バネが5.85×102 (kg・f)であるのに対し、4.95× 102 (kg・f)であり、15〜16(%)ほど荷重の値が小さい。また、図 5のコーティング皿バネ(B)によれば、たわみが6.0(mm)付近において 4.60×102 (kg・f)であり、標準皿バネよりも21(%)ほど荷重の 値が小さい。更に、コーティング皿バネ(A)(B)では、標準皿バネのような たわみの不均一は見られない。 以上のことから、コーティング皿バネは標準皿バネに対し、皿バネ18とドロ ー・バー12との間のクリアランスを半分以下にしても、良好なたわみ特性が得 られる。
【0016】
以上のように、本考案は皿バネの表面に樹脂コーティングを施したので、この コーティング樹脂が潤滑剤の役目をなし、皿バネとドロー・バーとの間のクリア ランスを小さくすることができるため、ダイナミックバランスのとれたスピンド ル構造を得ることができる。また、上記コーティング樹脂により皿バネ相互間お よび皿バネとドロー・バーとの間の摩擦力が小さくなり、皿バネを均一にたわま せることができる。このため、アンクランプ時の荷重は従来よりも小さくて済む 。更に、従来は皿バネ内径とドロー・バー外径とが金属接触してドロー・バーが 摩耗するためドロー・バーを焼き入れて硬化させていたが、本考案によればコー ティング樹脂によりドロー・バー自身が摩耗することはなくドロー・バーの熱処 理は不要となる。
【図1】本考案に係る加工機械のスピンドル構造を示す
図である。
図である。
【図2】皿バネの外観を示す図である。
【図3】荷重ー変位特性を示す図である。
【図4】荷重ー変位特性を示す図である。
【図5】荷重ー変位特性を示す図である。
【図6】従来のスピンドル構造の縦断面図を示す図であ
る。
る。
【図7】皿バネの内径の変化を示す図である。
【図8】皿バネの内径の変化を示す図である。
10 スピンドル 12 ドロー・バー 14 チャック 16 長軸部 18 皿バネ 20 ナット 22 工具 24 テーパ部 26 チャック収容室 28 フッ素樹脂 30 突状部 32 ネジ部 36 支点 38 爪
Claims (2)
- 【請求項1】 中空円筒状のスピンドルの中空部に該ス
ピンドルと同軸でかつ先端にチャックを具備した引き込
み棒を設けると共にこの引き込み棒の外周に互いに対向
するように挿通した多数の皿バネを圧縮状態で取付け、
その反発力で引き込み棒を常時後方に引っ張ることによ
り前記チャックを閉じて工具をクランプする形式の加工
機械のスピンドル構造において、 前記皿バネの表面に樹脂コーティングを施したことを特
徴とする加工機械のスピンドル構造。 - 【請求項2】 前記皿バネの樹脂コーティング厚さを4
0〜50μmとしたことを特徴とする請求項1記載の加
工機械のスピンドル構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5440993U JPH0720204U (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 加工機械のスピンドル構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5440993U JPH0720204U (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 加工機械のスピンドル構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0720204U true JPH0720204U (ja) | 1995-04-11 |
Family
ID=12969909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5440993U Pending JPH0720204U (ja) | 1993-09-14 | 1993-09-14 | 加工機械のスピンドル構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0720204U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006528083A (ja) * | 2003-05-22 | 2006-12-14 | ウエストウインド エアー ベアリングス リミテッド | 回転工具の保持装置 |
JP2008121903A (ja) * | 2001-06-14 | 2008-05-29 | Chuo Spring Co Ltd | 重ね皿ばね |
-
1993
- 1993-09-14 JP JP5440993U patent/JPH0720204U/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008121903A (ja) * | 2001-06-14 | 2008-05-29 | Chuo Spring Co Ltd | 重ね皿ばね |
JP2006528083A (ja) * | 2003-05-22 | 2006-12-14 | ウエストウインド エアー ベアリングス リミテッド | 回転工具の保持装置 |
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