JPH07184648A - Hcvプロテイナーゼ活性物質、その製造法並びに同プロテイナーゼおよび同プロテイナーゼ阻害剤のアッセイ法 - Google Patents

Hcvプロテイナーゼ活性物質、その製造法並びに同プロテイナーゼおよび同プロテイナーゼ阻害剤のアッセイ法

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JPH07184648A
JPH07184648A JP5018854A JP1885493A JPH07184648A JP H07184648 A JPH07184648 A JP H07184648A JP 5018854 A JP5018854 A JP 5018854A JP 1885493 A JP1885493 A JP 1885493A JP H07184648 A JPH07184648 A JP H07184648A
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proteinase
hepatitis
virus
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sequence
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Kunitada Shimotoono
邦忠 下遠野
Makoto Hijikata
誠 土方
Noriyuki Kato
宣之 加藤
Yuuko Ootsuyama
祐子 大津山
Hiroshi Nibuya
博 丹生谷
Nobuko Kakiuchi
信子 垣内
Yasumasa Komoda
泰正 菰田
Yasutsugu Motoi
康嗣 許斐
Yasunori Tanji
保典 丹治
Yuji Hirowatari
祐史 広渡
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SOUYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
SOUYAKU GIJUTSU KENKYUSHO KK
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 C型ウイルス性肝炎治療薬の開発のため、
(1)ウイルス蛋白分解酵素を大量生成する方法を確立
し、(2)その機能を検討し、活性あるウイルス蛋白分
解酵素を得、さらに(3)該酵素を用いて、該酵素およ
び該酵素の阻害剤のアッセイ法を開発することを目的と
する。 【構成】 非A型非B型肝炎患者の血漿より調製したR
NAを基にcDNAを調製し、これらのうち、898−
1233番目または992−1907番目のアミノ酸配
列をコードするDNA断片がHCVプロテイナーゼ活性
を有することを見いだし、該HCVプロテイナーゼをコ
ードする遺伝子をクローニングした。これを用い、HC
Vプロテイナーゼ物質を発現させた。さらに、上記HC
VプロテイナーゼによるHCVウイルス蛋白の切断部位
を特定した。 【効果】 新規なHCVプロテイナーゼ物質を大量に生
産することができ、これによって抗HCV剤として有用
なプロテイナーゼ阻害剤を有効に検出することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗HCV剤として有用と
考えられるHCVプロテイナーゼ阻害物を検出するため
に有用なHCVプロテイナーゼを大量に提供することに
関するものである。また同HCVプロテイナーゼの製造
法、並びに同プロテイナーゼおよび同プロテイナーゼ阻
害剤のアッセイ法にも関する。
【0002】C型肝炎ウイルス(HCV)は大部分の輸
血後非A非B型肝炎の原因ウイルスと考えられており
[Q.−L. Choo,et al.,サインエンス
(Science),244,359,(1989),
G.Quo,etal.,Science,244,3
62,(1989)]、近年、その遺伝子がcDNAと
してクローニングされ、その構造のほぼ全容が明らかに
されている。日本型HCVゲノムは約9400ヌクレオ
チドの+鎖の一本鎖RNAからなり、3010アミノ酸
をコードする9030ヌクレオチドのタンパク質読み枠
(ORF:open reading frame,オ
ープンリーディングフレーム)が存在している[N.K
ato,et al.,プロシージングス・オブ・ザ・
ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエス
エー(Proc.Natl.Acad.Sci.US
A),87,9524,(1990)]。HCVの塩基
配列とアミノ酸配列を別紙配列表(配列番号:22)に
示す。しかしながら、現在ウイルス粒子の精製が困難で
あり、ウイルスを産生する培養細胞が得られていないこ
となどからウイルス粒子やウイルスタンパク質の実体は
まだ明らかになっていない。ORFのアミノ酸配列の相
同性や遺伝子の構造などから、HCVはフラビウイルス
やペスチウイルスと比較的近縁であることが示されてい
る[N.Kato,et al.,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,87,9524,(1
990)]が、これら近縁ウイルスの各種ウイルスタン
パク質は、HCVと同様に一つの巨大なORFにコード
され、翻訳時あるいは翻訳後に細胞性のプロテイナーゼ
であるウイルス自身のプロテイナーゼによって切断、プ
ロセスされて産生されることが知られている。これらの
ウイルスは共通してそのORFアミノ末端側にウイルス
粒子を構成するウイルス構造タンパク質、そのカルボキ
シル末端(C末端)側に非構造タンパク質がコードされ
ていると考えられている。本発明者らは既に、HCV−
ORFのアミノ末端(N末端)側にはウイルスコアタン
パク質と考えられるp22とウイルス外被タンパク質と
考えられる2つの糖タンパク質gp35,gp70がN
末端側から順にコードされ、各々翻訳と共役して細胞小
胞体に存在するシグナルペプチダーゼによって切断され
産生されることを無細胞転写翻訳実験系を用いて示して
いる[M.Hijikata,etal.Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,88:5547,
(1991)]。HCV−ORF非構造タンパク質領域
にはコンピューターによるアミノ酸配列の相同性解析か
ら他の近縁ウイルス同様にキモトリプシン様セリンプロ
テイナーゼとの相同配列が認められ、HCV非構造タン
パク質の切断、産生に必要なHCVプロテイナーゼの存
在が示唆されている[N.Kato,etal.,フェ
ブス・レターズ(FEBS Lett.),280,3
25,(1991)]。
【0003】一方、PCT公開WO91/15575に
おいてhSODとHCVの一部分との融合蛋白を切断す
る物質が開示されているが、このものはプロテイナーゼ
の上流側(確かな位置は不明)を切断するセリンプロテ
アーゼと推定されている。しかしながら、上記の非構造
タンパク質領域のプロセッシング様式が充分に解明され
ているとは言えず、またこのプロテイナーゼ活性を持つ
タンパク質分子の検出も研究の緒についたところであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本邦に於ける非A非B
型肝炎はそのほとんどがHCVの感染に因るものである
ことが判明した。C型ウイルス肝炎は年間約50〜60
万人の発症をみ、しかも高率で慢性化して慢性肝炎に、
さらに高率で肝硬変、肝癌に移行する。C型ウイルス性
肝炎の治療にはインターフェロンが最も有効であった
が、その治癒率は約30%と低く、かつ慢性肝炎では治
癒率は著しく低下する。また、インターフェロンを大量
に長期投与するための白血球減少、悪寒、食欲不振等の
副作用も無視できない。そこで新たなより効果の高い薬
剤が求められている。ウイルスプロテイナーゼはウイル
スタンパク質の産生に必須である為、ウイルスの増殖に
必要不可欠である。またその基質特異性は一般に高い
為、このウイルスプロテイナーゼ活性に対する阻害物質
は副作用の少ない有効な抗ウイルス剤となる可能性が期
待される。そのような抗ウイルス剤を提供するために
は、該阻害物質の検索のために必要なHCVプロテイナ
ーゼ活性物質の大量提供が必要であり、本発明はそのた
めの(1)新規なHCVプロテイナーゼ活性物質の同
定、単離、更にはそれを用いたHCVプロテイナーゼー
の発現、並びに(2)該HCVプロテイナーゼ活性物質
を用いる、同プロテイナーゼおよび同プロテイナーゼ阻
害剤のアッセイ法の開発を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するべく鋭意研究の結果、HCVプロテイナーゼ
活性物質をコードする新規な遺伝子を得、これを用い、
HCVプロテイナーゼ活性物質を発現させることに成功
した。
【0006】また、HCVプロテイナーゼ活性物質によ
って切断されるC型肝炎ウイルスの切断個所のいくつか
を特定することにも成功した。更に、HCVプロテイナ
ーゼ活性測定系を構築し、その測定系を用いた同プロテ
イナーゼの阻害剤のスクリーニング法を開発して本発明
を完成するに至った。
【0007】なお、現在HCVには異なった遺伝子型が
いくつか存在し、各遺伝子型間にはそれぞれ約10%か
ら30%ほどの塩基配列の相違が存在することがわかっ
ている。本発明においては、日本で最も主要な遺伝子型
である日本型HCV(HCV−J)(Katoら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,8
7:9524−9528,1990)を用いて実験し、
この塩基配列をもとに記載する。
【0008】すなわち、本発明者等は非A非B型肝炎患
者の血漿より調製したRNAを基にHCVのcDNAを
調製し、このcDNAを切断して種々のDNA断片を
得、これらのHCVプロテイナーゼ活性について検討し
たところ、これらの内、HCV−ORF上898−12
33番目(配列番号:1)または992−1907番目
(配列番号:2)の新規なアミノ酸配列もしくはその一
部をコードする新規な配列のDNA断片がHCVプロテ
イナーゼ活性を有するための最小単位であることを見出
した。上記2つのDNA断片のうち、前者は、最終ウイ
ルス産物としてのプロテイナーゼの上流を切断するもの
であり、このものは前記公知のWO91/15575が
セリンプロテイナーゼと推定されていたのに対して、セ
リンプロテイナーゼとは異なるプロテイナーゼであり、
また後者は、最終ウイルス産物としてのプロテイナーゼ
の下流を切断するセリンプロテイナーゼを含む。このよ
うなものは本発明で初めて見出されたものである。
【0009】すなわち、本発明は (1)HCVプロテイナーゼの上流部位の切断能を有
し、アミノ酸配列 (配列番号:1)もしくはその一部を含有するプロテイ
ナーゼ、 (2)HCVプロテイナーゼの下流部位の切断能を有
し、アミノ酸配列 (配列番号:2)もしくはその一部を含有するプロテイ
ナーゼ、 (3) (配列番号:1)のアミノ酸配列をコードするDNAも
しくはその一部を含有するDNA配列、 (4) (配列番号:2)のアミノ酸配列をコードするDNAも
しくはその一部を含有するDNA配列、 (5) (配列番号:3)もしくはその一部を含有する上記
(3)記載のDNA配列、 (6) (配列番号:4)もしくはその一部を含有する上記
(4)記載のDNA配列、 (7)上記(3)、(4)、(5)または(6)記載の
DNA配列を含むベクター、 (8)上記(7)記載のベクターで形質転換した形質転
換体、 (9)上記(8)記載の形質転換体を培養することから
なる、上記(1)もしくは(2)記載のプロテイナーゼ
の製造法、 (10)(1)または(2)記載のプロテイナーゼを用
いて、C型肝炎ウイルス蛋白の切断反応の進行を検出す
ることからなる、C型肝炎ウイルスプロテイナーゼ活性
のアッセイ法において、(i) 該精製したC型肝炎ウ
イルスプロテイナーゼと、C型肝炎ウイルスプロテイナ
ーゼによって切断されるアミノ酸配列を含む基質ポリペ
プチドとを試験管内で反応させる系、あるいは(ii)
大腸菌、動物培養細胞、昆虫細胞、またはウサギ網状赤
血球溶血液を用いる無細胞翻訳系で、C型肝炎ウイルス
プロテイナーゼと基質蛋白質とを同時に発現させ、細胞
内または無細胞翻訳系内でプロテイナーゼと基質を反応
させる系、を用いる上記アッセイ法、および (11)(1)または(2)記載のプロテイナーゼを用
いて、反応系に試験化合物を添加し、C型肝炎ウイルス
蛋白の切断反応の進行を、試験化合物添加のものと添加
しないものとで比較することからなる、C型肝炎ウイル
スプロテイナーゼ阻害剤のアッセイ法において、(i)
該精製したC型肝炎ウイルスプロテイナーゼと、C型
肝炎ウイルスプロテイナーゼによって切断されるアミノ
酸配列を含む基質ポリペプチドとを試験管内で反応させ
る系、あるいは(ii) 大腸菌、動物培養細胞、昆虫細
胞、またはウサギ網状赤血球溶血液を用いる無細胞翻訳
系で、C型肝炎ウイルスプロテイナーゼと基質蛋白質と
を同時に発現させ、細胞内または無細胞翻訳系内でプロ
テイナーゼと基質を反応させる系、を用いる上記アッセ
イ法、に関するものである。
【0010】本発明におけるHCVプロテイナーゼ活性
物質をコードする遺伝子は、上記の898−1233番
目(配列番号:1)または992−1907番目(配列
番号:2)アミノ酸配列をコードするものがその最小単
位として挙げられるが、この他、配列番号1に関するも
のとして722−1907番目、722−1647番
目、722−1466番目、722−1325番目、7
22−1233番目、898−1907番目、898−
1325番目のアミノ酸配列をコードするものが、また
配列番号2に関するものとしては722−1907番
目、898−1907番目、992−1907番目のア
ミノ酸配列をコードするものが挙げられる。しかしなが
ら、本発明においては上記遺伝子と実質的に同一の機能
を有する範囲において塩基配列が置換、挿入、あるいは
欠失したものでもよい。
【0011】本発明におけるHCVプロテイナーゼ活性
物質をコードする遺伝子は、以下の方法で得ることがで
きる。
【0012】非A非B型肝炎患者の血漿よりRNAを調
製し、N.Kato,et al.,プロシージングス
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.S
ci.USA),87,9524,(1990)の方法
によりcDNAを調製する。これらのうち、必要な遺伝
子断片を結合し、898−1233番目または992−
1907番目のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列をコー
ドするDNA断片を得ることができる。DNA断片の結
合には、重複する領域の中で共通して存在する制限酵素
部位を利用する方法(結合方法1)、あるいは適切な制
限酵素部位がない場合はポリメラーゼ連鎖反応(PC
R)法により、結合可能な重複DNA断片を合成し、こ
れを介して制限酵素部位で結合させる方法(結合方法
2)等を利用できる。また、公知の配列を基に、898
−1233番目または992−1907番目を含むアミ
ノ酸配列をコードするDNA配列を合成することによ
り、得ることができる。
【0013】HCVプロテイナーゼは上記遺伝子を用
い、大腸菌、動物細胞、昆虫細胞、ウサギ網状赤血球溶
血液等で発現させることができる。
【0014】大腸菌でのプロテイナーゼの産生に用いる
プラスミドベクターとしては、pTZ18、pTZ1
9、pUC18、pUC19、Bluescript
KS、SK、pHSG398、pRSET、pGEX−
2T、pRIT2Tなどが挙げられる。発現したプロテ
イナーゼの安定性を増し、精製が容易に行えるように、
プロテイナーゼのアミノ酸末端側にマルトースバインデ
ィングプロテイン(MBP)との融合した状態で発現す
るpMAL−cなどが好ましい。発現に用いる大腸菌株
としてはHB101、TB1、JM105などを用いる
ことができるが、組換えプラスミドの変異が起こりにく
いrecA-の菌株JM109が好ましい。
【0015】ウサギ網状赤血球溶血液を用いた無細胞翻
訳系ではベクタープラスミドとしてT7 RNAポリメ
ラーゼの強力なプロモーターをもつpTZ18Rなどが
好ましい。
【0016】動物培養細胞で発現する場合には、強力な
プロモーターであるサイトメガロウイルスのプロモータ
ーとエンハンサーにHCVプロテイナーゼ遺伝子をつな
ぎ、下流にSV40ポリアデニレーションシグナルをつ
なぐことで高レベルで安定な発現ができる。発現ベクタ
ーには、pSV2−gpt、pSV2dhfr、p91
023(B)、CDM8、pcDL−SRα296、B
CMGSNeoなどを用いることができる。作成した組
換えプラスミドを動物細胞に導入する方法としては、リ
ン酸カルシウム法、Chen−Okayama法、DE
AEデキストラン法などを用いることができる。使用で
きる動物細胞としては、COS、CHO、HeLaなど
を含む。
【0017】昆虫培養細胞でプロテイナーゼを発現する
場合には、バキュロウイルスベクターを用いることがで
きる。ウイルスベクターの作成にあたっては、まず発現
しようとする外来遺伝子をトランスファーベクターに組
み込む。トランスファーベクターは、通常の大腸菌プラ
スミドが本体で、ポリヘドリン遺伝子の上流数kbと下
流数kbずつが外来遺伝子をクローニングする部位で連
結された配列を含む。野生型ウイルスDNAとともに細
胞内に導入されると、上流と下流とで2度のホモロガス
リコンビネーションを起こし、クローニング部位に挿入
された外来遺伝子とウイルスDNAのポリヘドリン遺伝
子が置換され、組換え遺伝子が組み込まれたウイルスが
作られるように設計されている。
【0018】バキュロウイルスには宿主特異性の異なる
2種のウイルスが存在する。1つはキンウワバの1種オ
ートグラファ・カルフォルニカ(Autographa
californica)を宿主とするウイルス(A
cNPV)であり、in vitroではハスモンヨト
ウ近縁種のSF:スポドプテラ・フルギペルダ(Spo
doptera frugiperda)の樹立細胞株
との組み合わせで増殖可能である。もう1つは、カイコ
(Bombyx mori)を宿主とするウイルス(B
mNPV)であり、T3ウイルス株と卵巣由来のカイコ
培養細胞(Bm−N4)を用いることができる。これら
のウイルスの中でもオートグラファ・カリフォルニカは
従来から広く研究されてきており、最適である。トラン
スファーベクターと野生型ウイルスDNAを宿主細胞に
導入する方法としては、リン酸カルシウム法を用いるこ
とができる。
【0019】組み換えウイルスの作成に当たっては、ま
ずバキュロウイルスの増殖に非必須な遺伝子領域を組み
込んだ第一の組み換えベクターが作成される。
【0020】この場合、前記領域にバキュロウイルス内
で機能するプロモーターを存在させることが必要であ
り、さらにプロモーター下流に適当な制限酵素切断配列
を有する合成リンカーを挿入することが好ましい。
【0021】ここでいう増殖に非必須な遺伝子領域と
は、例えばバキュロウイルスのポリヘドリン遺伝子
(L.K.ミラーら,Science,Vol,21
9,pp715−721(1983))など、外来性遺
伝子の挿入による変異を受けても実質上ウイルスの増殖
に影響を及ぼさない領域を言う。
【0022】また、バキュロウイルス内で機能するプロ
モーターとは、合成、天然を問わずバキュロウイルスが
保有する転写の系でプロモーターとして有効に機能しえ
るものであればいかなる塩基配列のものでも良く、例え
ばバキュロウイルスのポリヘドリンをコードする遺伝子
のプロモーターがあげられる。
【0023】本発明においては、第一の組み換えベクタ
ーのプロモーター下流にC型肝炎ウイルスの非構成蛋白
質に存在するセリンプロテイナーゼ活性領域を含む遺伝
子配列を挿入して第二の組み換えベクターを作成する。
挿入方法は、例えば第一のベクターのプロモーター下流
に人為的に付与された制限酵素切断配列を利用して挿入
すれば良い。
【0024】次にバキュロウイルスの全ゲノムとこの第
二の組み換えベクターを混合した後に、昆虫細胞にトラ
ンスフェクションにより導入し、ベクター遺伝子とウイ
ルスゲノム遺伝子の間に相同組み換えを起こさせ、組み
換えバキュロウイルスを構築する。ここで用いられる昆
虫細胞はバキュロウイルスが増殖可能であればよく、例
えばスポドプラテ・フルギペルダ(Spodopter
a furugiperda)などがあげられる。
【0025】こうして得られた組み換えバキュロウイル
スを感染しやすい昆虫細胞または昆虫の幼虫に感染さ
せ、発現した蛋白質を回収する。感染に使用する昆虫細
胞または昆虫の幼虫はバキュロウイルスが増殖可能であ
れば特に限定されないが、例えば細胞増殖の早い昆虫細
胞のスポドプラテ・フルギペルダ(Spodopter
a furugiperda)などが好ましい。
【0026】このようにして、バキュロウイルスの増殖
に非必須な遺伝子領域にC型肝炎ウイルスのセリンプロ
テイナーゼを含む非構成蛋白質領域をバキュロウイルス
内で機能するプロモーターと共に組み込まれた組み換え
バキュロウイルスを得て、この組み換えウイルスを昆虫
細胞または昆虫の幼虫に感染させ、蛋白質を発現させる
ことにより大量に簡便に目的蛋白質を製造することがで
きる。
【0027】酵素の精製は、酵素を発現させるプラスミ
ドにジヒドロ葉酸リダクターゼ遺伝子をHCVプロテイ
ナーゼ遺伝子の下流にインフレームに挿入し、HCVプ
ロテイナーゼとジヒドロ葉酸リダクターゼを融合させて
ある場合にはメトトレキセートカラム、酵素を発現させ
るプラスミドにマルトースバインディングプロテイン
(MBP)遺伝子をHCVプロテイナーゼをコードする
cDNA断片の上流にインフレームで挿入し、HCVプ
ロテイナーゼとMBPとを融合させてある場合にはアミ
ロースカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィ
ーによって行うことができる。
【0028】上記のように生成させたウイルス蛋白質分
解酵素は、このようにして得た基質蛋白を上記の切断部
位で特異的に切断するが、この切断反応を適当な方法で
検出できる。例えば、精製したウイルス蛋白分解酵素と
基質蛋白質を用いて酵素反応し、生成物を電気泳動し染
色して検出する、あるいは粗精製したウイルス蛋白分解
酵素を用いて酵素反応し、生成物を電気泳動し、ウエス
タンブロット法により検出する。また、合成ペプチドの
切断に関しては、HPLCによる検出、末端標識の遊離
の検出などを行うことができる。
【0029】酵素反応は、pH5.0から10.0で行
うことができるが、至適pHはpH7.0から8.0で
ある。イオン要求性については、亜鉛0.1mMから1
0mMを添加すると酵素反応が促進される。
【0030】ウイルス蛋白分解酵素の力価は、上記切断
部位を含むC型肝炎ウイルス蛋白を1時間で切断するマ
イクロモル数で定義することができ、電気泳動で切断さ
れた生成物を検出し、モル数を計算することによって算
定できる。
【0031】同酵素の力価の判定にはバクテリアあるい
は細胞中に生成された酵素と基質によっても行うことが
できる。すなわち酵素あるいは基質を挿入した発現ベク
ターをバクテリアあるいは細胞に形質転換し、細胞中で
生成した基質と酵素の細胞中での反応を測定することが
できる。
【0032】酵素反応の最適温度は、上記反応条件で2
0℃から40℃である。
【0033】阻害剤のアッセイは、上記の酵素反応系、
あるいはバクテリアおよび細胞による蛋白質分解酵素発
現系に、適当な溶媒に溶解した試験化合物を添加し、基
質蛋白の切断反応あるいは自己分解反応の進行を、試験
化合物非添加のものと比較して行う。
【0034】さらに具体的には、産生されたプロテイナ
ーゼの活性測定は、精製した酵素と今回明らかとなった
HCVプロテイナーゼによって切断されるアミノ酸配列
を含む基質ポリペプチドとを試験管内で反応させる系、
および大腸菌、動物培養細胞、昆虫細胞、ウサギ網状赤
血球溶血液を用いた無細胞翻訳系などで酵素と基質であ
る蛋白質とを同時に発現させ、細胞内または無細胞翻訳
系内で酵素と基質を反応させる系で蛋白質の切断を行
い、切断生成物をポリアクリルアミド電気泳動で分子量
に応じて分離し、ウエスタンブロット法を用いて検出し
た切断生成物の量を指標として行う。ウエスタンブロッ
ト法はまた、HCVプロテイナーゼによるペプチドの切
断によって発色するようデザインされた基質を用いて発
色の度合いを指標として測定することもできる。このH
CVプロテイナーゼ活性測定系に試験化合物を添加した
ときと、添加しないときを比較することにより、HCV
プロテイナーゼの阻害剤のスクリーニングを行うことが
できる。
【0035】HCVプロテイナーゼの阻害剤としては、
上記の活性測定に使用される切断点を含むペプチドがそ
のまま拮抗阻害剤となる。さらにこのようなペプチドの
アミノ末端をブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキ
シカルボニル基などの保護基で修飾するとペプチドが安
定化されて好ましい。また、切断点のペプチド結合を下
図のように改変することにより優れたプロテイナーゼ阻
害剤が得られることが知られており(Proc.Nat
l.Acad.Sci.U.S.A.86:9757−
9761,1989)、HCVプロテイナーゼについて
も同様である。
【0036】
【化1】 本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略
号で表示する場合、IUPAC−IUB Commis
ion on Biochemical Nomenc
latureによる略号あるいは当該分野における慣用
略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミ
ノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しな
ければL−体を示すものとする。
【0037】DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 GlyまたはG :グリシン AlaまたはA :アラニン ValまたはV :バリン LeuまたはL :ロイシン IleまたはI :イソロイシン SerまたはS :セリン ThrまたはT :スレオニン CysまたはC :システイン MetまたはM :メチオニン GluまたはE :グルタミン酸 AspまたはD :アスパラギン酸 LysまたはK :リジン ArgまたはR :アルギニン HisまたはH :ヒスチジン PheまたはF :フェニールアラニン TyrまたはY :チロシン TrpまたはW :トリプトファン ProまたはP :プロリン AsnまたはN :アスパラギン GlnまたはQ :グルタミン なお、本発明のHCVプロテイナーゼ活性物質において
は、活性が維持されている限り、そのアミノ酸配列の一
部が修飾(付加、除去、その他のアミノ酸への置換な
ど)されていてもよい。
【0038】
【実施例】以下の実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】本発明の実施例で得られたプラスミドpN
898−1233でエシェリチア・コリJM109を形
質転換した形質転換体エシェリチア・コリ(Esche
richia coli)JM109−pN(898−
1233)、およびプラスミドpN992−1907で
上記JM109を形質転換したエシェリチア・コリ(E
scherichia coli)JM109−pN
(992−1907)は平成4年1月31日に通商産業
省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)にそれぞ
れ受託番号FERM P−12734およびFERM
P−12733として寄託されている。
【0040】実施例1: HCVゲノムRNAの一部に
相当するcDNA断片の構成および構築方法(図1〜
3) アラニンアミノトランスフェラーゼ高値の非A非B型肝
炎患者の血漿よりRNAを調製し、N.Kato,et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,87,9524,(1990)の方法に従いcD
NA(C1,C2,C3,C4,C5およびC6)を得
た。C1,C2,C3,C4,C5およびC6はそれぞ
れpTZ18のEcoRI−HindIIIに挿入し、
プラスミドpC1,pC2,pC3,pC4,pC5お
よびpC6を作成した。図1のHCV RNAgeno
meにおけるH,D,Sはセリンプロテイナーゼ様配列
の中の活性部位を形成する3つのアミノ酸をコードする
位置を示す。
【0041】(1)翻訳開始メチオニンコドンの導入 pC1プラスミドをEcoRI(挿入配列の5’末端側
に相当する)で切断し、E.coli DNAポリメラ
ーゼIクレノーフラグメントを用いて平滑末端にした
後、T4DNAリガーゼとNcoIリンカー[d(CA
GCCATGGCTG)](配列番号:5)を用いて両
末端を結合し、翻訳開始に必要なメチオニンコドンを導
入した。この結果、HCV−ORFのアミノ酸配列のN
末端側にこのリンカー由来のメチオニン、アラニン、グ
ルタミン酸、フェニルアラニンの4種のアミノ酸が導入
された。
【0042】(2)構築方法結合方法1 隣接する各DNA断片が重複する領域の中
で共通して存在する制限酵素部位でその断片を結合す
る。
【0043】結合方法2 結合方法1で用いることがで
きる制限酵素が存在しない場合、PCR法を用いて、結
合に可能な重複DNA断片を合成し、これを介して結合
した(図3)。すなわち、 i) DNA断片1を含むプラスミドを鋳型として制限
酵素部位Aの5’上流とDNA断片2との重複領域にオ
リゴヌクレオチドプライマーを設定して(各々プライマ
ーaとプライマーaRとする)PCR法によりこのプラ
イマー間のDNAを増幅する(1次PCR、PCR産物
1)。
【0044】ii) 同様にDNA断片2を含むプラスミ
ドを鋳型としてプライマーaRより5’上流の位置に設
定したプライマーbと制限酵素部位の3’下流に設定し
たプライマーbRを用いてPCR法によりプライマー間
のDNAを増幅する(1次PCR、PCR産物2)。
【0045】iii) PCR産物1とPCR産物2を鋳
型として、プライマーaとプライマーbRを用いてPC
R法によりプライマー間のDNAを増幅する(2次PC
R、PCR産物3)。
【0046】iv)制限酵素部位AとBを利用してDNA
断片1、PCR産物3、そしてDNA断片2を結合す
る。
【0047】C1とC2の結合(図2) 結合方法2、鋳型DNA1:pC1,鋳型DNA2:p
C2 制限酵素部位A:SphI,制限酵素部位B:Eco5
2I プライマーa :5’−TTTGTACGGGCTCA
GGGGCT−3’(配列番号:6) プライマーaR:5’−TCCATGTCAGAGAA
GACGAC−3’(配列番号:7) プライマーb:5’−GCGGTGGCAGTAGAG
CCCGTC−3’(配列番号:8) プライマーbR:5’−ACCCCTGCTCTCCA
AAACTA−3’(配列番号:9) pC1のSphI−HindIII部位にPCR産物Sp
hI−Eco52I断片とpC2のEco52I−Hi
ndIII断片を挿入してpC1−2を作成した。
【0048】C2とC3の結合 結合方法1、プラスミドベクターpTZ18RのEco
RI−BamHI部位にpC2のEcoRI−SphI
断片とpC3のSphI−BamHI断片を挿入してp
C2−3を作成した。
【0049】C1−2とC2−3の結合 結合方法1、pC1−2のBssHII(部分切断)−H
indIII部位にpC2−3のBssHII−HindIII
断片を挿入してpC1−3を作成した。
【0050】C2−3とC4の結合 結合方法2、鋳型DNA1:pC2−3、鋳型DNA
2:pC4 制限酵素部位A:BssHII、制限酵素部位B:Bam
HI プライマーa:5’−GTCGTCTTCTCTGAC
ATGGA−3’(配列番号:10) プライマーaR:5’−TGGTAGTCGAGTCA
GTTGAGT−3’(配列番号:11) プライマーb:5’−ACTCAACTGACTCGA
CTACCA−3’(配列番号:12) プライマーbR:5’−TCAGCGGGCGTGAG
CTCATA−3’(配列番号:13) pC1−3のBssHII(部分切断)−BamHI部
位にPCR産物(C2−4)のBssHII−BamH
I断片を挿入してpC1−4を作成した。
【0051】C4とC5の結合 結合方法2、鋳型DNA1:pC4,鋳型DNA2:p
C5 制限酵素部位A:BamHI,制限酵素部位B:Sac
I プライマーa:5’−ACATGTGTCACCCAG
ACAGT−3’(配列番号:14) プライマーaR:5’−TCAGCGGGCGTGAG
CTCATA−3’(配列番号:13) プライマーb:5’−ATGACGCAGGCTGTG
CTTGG−3’(配列番号:15) プライマーbR:5’−CTGCATTCCTTGCT
CGATGT−3’(配列番号:16) PCR産物をBamHIsSacIで切断しC4−5B
amHI−SacI断片を得た。
【0052】C5とC6の結合 結合方法2、鋳型DNA1:pC5,鋳型DNA2:p
C6 制限酵素部位A:SacI、制限酵素部位B:SmaI プライマーa:5’−ATGACGCAGGCTGTG
CTTGG−3’(配列番号:15) プライマーaR:5’−CTGCATTCCTTGCT
CGATGT−3’(配列番号:16) プライマーb:5’−GTTCGATGAGATGGA
AGAGT−3’(配列番号:17) プライマーbR:5’−CATCCACTGCACAG
CCCCCTC−3’(配列番号:18) PCR産物をSacIとSmaIで切断しC5−6Sa
cI−SmaI断片を得た。
【0053】C1−4とC4−5とC5−6の結合 結合方法1、pC1−4プラスミドをPstI(挿入配
列の3’末端側に位置するベクター内の部位)で切断
し、T4ファージDNAポリメラーゼIを用いて平滑末
端化した後、BamHIで切断し、このpC1−4のB
amHI−平滑末端化PstI部位にC4−5BamH
I−SacI断片とC5−6SacI−SmaI断片を
挿入してpC1−6を作成した。pC1−6はGCV−
ORF上722番目のアミノ酸から1907番目のアミ
ノ酸までの領域に相当するcDNAを含むためpN72
2−1907と命名した。722番目のアミノ酸のコド
ンより5’上流にはNcoIリンカーが存在し、この配
列に由来するメチオニン、アラニン、グルタミン酸、フ
ェニルアラニンの4種のアミノ酸がこの順にN末端側に
付加されている。
【0054】(3)欠失変異体発現プラスミドの構築
(図4) pN898−1907:pN722−1907をEco
RIおよびRsrIIで切断し、E.coli DNAポ
リメラーゼIクレノーフラグメントを用いて平滑末端に
した後、T4DNAリガーゼとNcoIリンカー[d
(CAGCCATGGCTG)](配列番号:5)を用
いて両末端を結合し、構築した。
【0055】pC992−1907:pN898−19
07と同様に、ただし切断はEcoRIとSacIIで行
い、NcoIリンカーは[d(GCCATGGC)]を
用いた。
【0056】pN1117−1907:pN898−1
907と同様、ただし切断はEcoRIとBssHIIで
行い、NcoIリンカーは[d(CAGCCATGGC
TG)](配列番号:5)を用いた。
【0057】pN722−1647:pN722−19
07の挿入配列3’末端側NsiI−SphI断片を欠
失させて構築した。
【0058】pN722−1466:pN722−19
07構築の中間体(pC1−4)を用いた。
【0059】pN722−1325:pN722−19
07構築の中間体(pC1−3)を用いた。
【0060】(4)pN722−1325産物のN末端
側およびC末端側からの欠失変異体を発現するプラスミ
ドの構築 pN898−1325:N722−1325を用いてN
898−1907と同様に作成した。
【0061】pN992−1325:N722−132
5を用いたN992−1907と同様に作成した。
【0062】pN722−1233:pN722−13
25の挿入配列の3’末端下流に存在するプラスミドベ
クター内のXbaI,PstI両制限酵素部位を用いて
Steven Henikoffらの方法[ジーン(G
ene),28,351(1984)]に従って欠失変
異体を作成した。
【0063】pN722−1174:N722−132
5と同様に作成した。
【0064】pN722−1019:N722−123
3と同様に作成した。
【0065】(5)pN722−1907およびpN7
22−1325の点突然変異体(pN722−1907
M1、pN722−1325M1)の構築 T.A.Kunkelらの方法[メソッズ・イン・エン
ザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),154,367(1987)]に従ってpN
722−1325を鋳型として20−merのオリゴヌ
クレオチド5’−GTCCACCCGCGGAGCCC
TTC−3’(配列番号:19)を用いて部位特異的突
然変異誘発(Site−directed mutag
enesis)を行い、HCV−ORF上1165番目
のアミノ酸に相当するセリン残基(推定されるセリンプ
ロテイナーゼの活性残基に相当する)をアラニン残基に
変異させ、N722−1325M1を構築した。pN7
22−1907M1はpN722−1325M1を基に
pN722−1907同様に構築した(図4)。
【0066】実施例2:HCVプロテイナーゼによる切
断性の解析 (A)無細胞転写翻訳実験 M.Hijikataら[Proc.Natl.Acs
d.Sci.USA,88,5547,(1991)]
の実験条件に準じる。
【0067】(1)T7RNAポリメラーゼを用いた無
細胞転写実験 (i)用いたすべての発現用組換えプラスミドは挿入配
列3’末端側のベクター配列に存在するHindIII部
位で切断した。 (ii)直鎖状になったプラスミド2.5ugを40mM
Tris−HCl(pH8.0),15mM MgC
2,0.5mM ATP,0.5mM CTP,0.
5mM UTP,0.05mM GTP,0.5mMm
7G(5’)ppp(5’)G,50u RNasin
を含む溶液に加え、40u T7RNAポリメラーゼを
用いて37℃,60分間転写した。
【0068】(iii)転写して得られたRNAは公知の
方法(フェノール抽出、クロロホルム抽出、エタノール
沈澱)により回収した。
【0069】(2)ウサギ網状赤血球溶血液を用いた無
細胞翻訳実験 (i)無細胞転写実験によって合成したRNAを70%
ウサギ網状赤血球溶血液、40μMアミノ酸混合液(メ
チオニンを除く)、80eq./mlの犬膵臓ミクロソ
ーム膜画分、10μCi35S−メチオニンを含む溶液中
で30℃、60分間翻訳した。
【0070】(ii)同時にミクロソーム膜画分を除いた
反応も行った。
【0071】(iii)翻訳反応産物はSDSポリアクリ
ルアミド電気泳動法とそれに続くフルオログラフィーに
よって検出した。
【0072】(B)結果 (1)N722−1907の無細胞翻訳産物の解析(図
5) ミクロソーム膜画分存在下、分子量130kDa,10
5kDa,100kDa,70kDa,26kDa,2
1kDaの6種のポリペプチドが認められた。後述する
欠失変異体の翻訳産物の解析から130kDaポリペプ
チドは未切断の翻訳産物、すなわち前駆体であり、10
5kDaと100kDaのポリペプチドは切断中間体、
70kDa,26kDa,21kDaのポリペプチドが
前駆体から切断されて産生された産物であることがわか
った。以後、3種の産物の各々をp70,p26,p2
1と呼ぶことにするが、p21を除くp70,p26は
ミクロソーム膜画分非存在下でも産生されるため、この
翻訳産物自体にプロテイナーゼ活性が存在することがわ
かった。
【0073】(2)C末端側およびN末端側からの欠失
変異体の無細胞翻訳産物の解析(図5) (i)C末端側からの欠失変異体 N722−1647:分子量100kDaの前駆体ポリ
ペプチドとp70とp21が検出されたが、p26は認
められなかった。このことからp26はN722−19
07のC末端領域に由来し、N722−1907の10
0kDa中間体はp21とp70から、105kDa中
間体はp26とp70から構成されることがわかった。
【0074】N722−1466:分子量78kDaの
前駆体ポリペプチドとp21および51kDaの産物が
認められた。
【0075】N722−1325:分子量55kDaの
前駆体ポリペプチとp21および33kDaの産物が認
められた。
【0076】N722−1233:分子量42kDaの
前駆体ポリペプチドとp21および24kDaの産物が
認められた。以上の結果から3種の産物はN722−1
907中でN末端側からp21−p70−p26の順に
並ぶことがわかった。
【0077】N722−1174:分子量35kDaの
前駆体ポリペプチドのみが検出された。この欠失変異体
ではp21が産生されず、p21とp70(p21/p
70)を切断するプロテイナーゼ活性が失われた。
【0078】N722−1019:分子量21kDaの
前駆体ポリペプチドのみが検出された。このことからp
21とp70の間の切断点はHCV−ORF上ほぼ10
00番目のアミノ酸の近辺であることがわかった。
【0079】(ii)N末端側からの欠失変異体 N898−1907:ミクロソーム存在非存在に関わら
ず分子量110kDaの前駆体ポリペプチドと96kD
aの切断中間体およびp26と10kDa前後の産物が
検出されたがp21は認められなかった。このことから
もp21がN722−1907のN末端側に位置し、p
21のN末端側の切断がミクロソーム依存的であること
がわかった。
【0080】N992−1907:分子量110kDa
の前駆体ポリペプチドとp26および72kDaの産物
が検出された。p70は認められずp21とp70を切
断するプロテイナーゼ活性が失われたことが示された。
しかしながらp26が検出されることからp70とp2
6(p70/p26)を切断するプロテイナーゼ活性は
認められている。切断産物の分子量等から推定してp7
0/p26の切断点はHCV−ORF上ほぼ1650番
目のアミノ酸の近辺であることがわかった。
【0081】N1117−1907:前駆体ポリペプチ
ドのみが検出されプロテイナーゼ活性はすべて失われ
た。
【0082】(iii)両末端からの欠失変異体 N898−1325:分子量47kDaの前駆体ポリペ
プチドと33kDaと10kDa前後の産物が検出さ
れ、p21/p70の切断活性は保存されていた。
【0083】N992−1325:分子量36kDaの
前駆体ポリペプチドのみが検出され、p21/p70の
切断活性は失われた。
【0084】N898−1233:分子量34kDaの
前駆体ポリペプチドと24kDaと10kDa前後の産
物が検出され、p21/p70の切断活性は保存されて
いた。
【0085】以上のことをまとめるとN722−190
7のポリペプチドにはプロテイナーゼ活性が存在し、そ
れ自体を切断してN末端からp21,p70,p26の
各産物が産生される。欠失変異体を用いた解析からp2
1/p70の切断活性はHCV−ORF上、アミノ酸配
列898番目から1233番目(配列番号:1)までの
領域に存在し、約1000番目のアミノ酸近辺を切断す
ることがわかり、p70/p26の切断活性はアミノ酸
配列992番目から1907番目(配列番号:2)まで
の領域に存在し、約1650番目のアミノ酸近辺を切断
することがわかった。HCV−ORF上、アミノ酸配列
1075番目から1185番目の領域にはキモトリプシ
ン様のセリンプロテイナーゼと相同性の高いアミノ酸配
列が存在し、これがウイルスプロテイナーゼである可能
性が示唆されている[N.Kato,et al.FE
BS Lett.,280,325,(1991)]。
この領域を欠く欠失変異体(N722−1174および
N1117−1907)は各々プロテイナーゼ活性を失
っており、今回認められたp21/p70およびp70
/p26の切断活性がこのセリンプロテイナーゼ様構造
に依存する可能性がある。そこでこのことを検討するた
め、この構造中、セリンプロテイナーゼの活性中心に相
当するHCV−ORF1165番目のセリン残基をアラ
ニン残基に変異させた突然変異体N722−1907M
1およびN722−1325M1を作成し(図4)、同
様に解析を行った(図5)。
【0086】N722−1907M1:N722−19
07に比較して、分子量130kDaの前駆体ポリペプ
チドと105kDaの中間体およびp21は検出された
が100kDaの中間体およびp26は認められず、p
70/p26の切断に関与するプロテイナーゼ活性のみ
が失われ、p21/p70の切断活性は保存されてい
た。
【0087】N722−1325M1:N722−13
25と全く同じプロテイナーゼ活性を示し、p21/p
70の切断活性は保存されていた。
【0088】以上のことからp70/p26の切断活性
はHCV−ORF上1075番目から1185番目まで
のアミノ酸配列に相当する領域に存在するキモトリプシ
ン様セリンプロテイナーゼ相同構造に依存するが、p2
1/p70の切断は、ORF上の領域はp70/p26
の切断活性と重複するが、これとは全く異なるプロテイ
ナーゼ活性によることがわかった。
【0089】したがって、p21/p70の切断活性を
示す最小領域をコードするプラスミドとしてpN898
−1233,p70/p26の切断活性を示す最小領域
をコードするプラスミドとしてpN992−1907が
これらHCVプロテイナーゼの発現のために有用である
と考えられる。
【0090】pN898−1233でエシェリチア・コ
リJM109を形質転換した形質転換体エシェリチア・
コリ(Escherichia coli)JM109
−pN(898−1233)、およびpN992−19
07で上記JM109を形質転換したエシェリチア・コ
リ(Escherichia coli)JM109−
pN(992−1907)は平成4年1月31日に通商
産業省工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)にそ
れぞれ受託番号FERM P−12734およびFER
M P−12733として寄託されている。pN898
−1233は配列番号20で示したDNA配列を、pN
992−1907は配列番号21で示したDNA配列を
含む。
【0091】実施例3:バキュロウイルスを用いた発現
系 (A)バキュロウイルスによるC型肝炎ウイルスの非構
成蛋白質領域に存在するプロテイナーゼ配列の領域の発
現 (1)C型肝炎ウイルスの非構成蛋白質領域に存在すプ
ロテイナーゼ配列の領域を含む遺伝子を組み込んだ第二
の組み換えベクターの作製 非A非B型肝炎患者の血清から単離したC型肝炎ウイル
スの遺伝子の塩基3018番の制限酵素RsrIIサイト
から塩基6052番の制限酵素SmaIサイトを切り出
し、RsrIIサイト側に開始コドンのメチオニンを含む
リンカー1を、SmaIサイト側にリンカー2をライゲ
ーションし、結合した後リン酸化する。東洋紡績(株)
製のベクターpTZ18UをEcoRI、HindIII
で切断し、切断したベクターを精製し脱リン酸化し、前
述したリンカー1,2を結合したC型肝炎ウイルスの遺
伝子とライゲーションをし、一度、大腸菌にトランスフ
ォーメーションにより導入し増やす。
【0092】その得られたプラスミドを再度EcoR
I、HindIIIで切断し、リンカー1,2を結合した
C型肝炎ウイルスの遺伝子を得る。EcoRIサイト側
にはリンカー3を、HindIIIサイト側には終始コド
ンを含むリンカー4をライゲーションし、結合した後リ
ン酸化する。PHARMIGEN社製のバキュロウイル
ストランスファーベクターpVL941(第二の組み換
えベクター)をBamHIで切断し、脱リン酸化し、前
述したリンカー3,4を結合したC型肝炎ウイルスの遺
伝子とライゲーションをし、一度、大腸菌にトランスフ
ォーメーションにより導入し増やし第二の組み換えベク
ターを作製する。この第二の組換えベクターの作製手順
を図6に示す。
【0093】(2)組み換えバキュロウイルスの作製 PHARMIGEN社製のトランスフェクションキット
BACULOGOLDを使用し、前述したバキュロウイ
ルストランスファーベクターpVL941(第二の組み
換えベクター)とバキュロウイルス遺伝子を混合し、ス
ポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera f
urugiperda)の細胞Sf9に挿入する。この
トランスフェクションキットのバキュロウイルス遺伝子
はバキュロウイルストランスファーベクターと相同組み
換えを起こさないとウイルスとして増殖できないように
なっているため、相同組み換えを起こしたウイルスだけ
が得られる。
【0094】細胞に挿入して一週間程度の後、この組み
換えウイルスを回収する。
【0095】(3)組み換えバキュロウイルスによるC
型肝炎ウイルスの非構成蛋白質に存在するプロテイナー
ゼ配列領域の製造 得られた組み換えバキュロウイルスを細胞Sf9に感染
させ、培養3日後に回収する。ウエスタンブロット法に
より発現蛋白質の確認を行った。
【0096】その結果、分子量約70000ダルトンの
蛋白質を産生していることが判明した。(図7を参照)
C型肝炎ウイルス遺伝子のRsrIIサイトからSmaI
サイトの領域には、その分子内に含まれるプロテイナー
ゼにより切断される場所が2か所含まれており、プロテ
イナーゼ配列の領域は分子量70000ダルトンの蛋白
質として産生されることが推定され、実際に発現した蛋
白質と同一の分子量である。
【0097】ウエスタンブロット法を用いた抗血清は、
下遠野らにより報告(Jpn.J.Cancer Re
s.Vol.83,pp264−268(1992))
されている蛋白質07(塩基4224番から塩基496
3番)により得られた抗血清を用いた。
【0098】ウエスタンブロット法はMolecula
r Cloning(Cold Spring Har
bor Laboratory Press,198
9)18項を参照して行った。
【0099】(B)組み換えバキュロウイルスにより発
現した分子量70000ダルトンの蛋白質のN末端解析 分子量70000ダルトンの蛋白質のN末端はC型肝炎
遺伝子内に存在するプロテイナーゼにより切断される。
N末端解析を解析することによりこの切断点が解明され
る。
【0100】スポドプテラ・フルギペルダ(Spodo
ptera furugiperda)の細胞Sf21
に組み換えバキュロウイルスを感染させ3日後に遠心分
離し回収する。100mMリン酸ナトリウム緩衝液pH
7.4で再懸濁し超音波破砕する。遠心分離により不溶
性分画を回収し、12.5%均一ゲルSDS電気泳動を
行う。PVDF膜(ミリポア製)にプロッティングを行
い、コマシブリリアントブルーにより染色し分子量70
000ダルトンの蛋白質を切り取る。
【0101】次いでアプライドバイオシステム477A
プロテインシーケンサーを使用してこの蛋白質のN末端
分析を行った。
【0102】結果はアラニン−プロリン−イソロイシン
−スレオニン−アラニン−トリプトファン−?−グルタ
ミン−グルタミン−スレオニンとなり、切断点はアミノ
酸1026番ロイシンとアミノ酸1027番アラニンの
間であることが確認された。
【0103】実施例4:大腸菌を用いた発現系(HCV
プロテイナーゼによるHCV−ORF上アミノ酸番号1
657番目のスレオニンと1658番目のセリンの間の
切断) (A)プラスミドの構築 C型肝炎ウイルスゲノムのcDNA断片としてGene
bank database(accession n
o.D90208)の配列を用いた。実験はT.Man
iatis (Molecular Cloning,
A Laboratory Manual Seco
nd Edition,Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,198
9)の条件に準じる。なお、本発明で使用したプラスミ
ドを図8にまとめて示した。
【0104】pMANS2d3 HCV−ORF上アミノ酸番号722番目から1325
番目をコードするcDNA断片をプラスミドベクターp
MAL−c(New England BioLabs
Inc.品番#800)のEcoRI−XbaIサイ
トに挿入したプラスミドpMANS23をEcoRI及
びKpnIで切断し、エキソヌクレアーゼIIIで消化し
たマングビーンヌクレアーゼで平滑末端にし、さらにD
NAポリメラーゼIクレノーフラグメントを用い末端を
完全に平滑末端にした後、T4DNAリガーゼを用いて
両末端を結合して構築した。挿入されたcDNA断片の
塩基配列を決定しHCVゲノム上3294番目から43
18番目までの塩基配列が挿入されている事を確認し
た。
【0105】pMANS2d3X プラスミドpMANS2d3をSacIで切断しT4ポ
リメラーゼで平滑末端にした後、HindIIIで切断し
得られた平滑末端化SacI−HindIII断片をpM
AL−cのStuI−HindIIIサイトにT4DNA
リガーゼを用いて連結した。このプラスミドで形質転換
したE.coliはMBP(Maltose Bind
ing Protein)とHCV−ORF上985番
目から1325番目のアミノ酸が融合したポリペプチド
を発現する。
【0106】pdhfrFX1SH Takashi Osumi(Biochemical
and Biophysical Research
Communications 181:947−9
54 1991)で報告されたプラスミドpTZCMV
dhfrのサイトメガロウイルスのプロモーターエンハ
ンサー配列をSV40プロモーターと置き換えたpTZ
SV2dhfrsHのHindIII−平滑末端化Bc1
Iサイトに合成DNA: 5’−AGCTTTCATCGAAGGTCGAGGTAT−3’ 3’−AAGTAGCTTCCAGCTCCATA−5’ を連結し、さらに以下のDNA: 5’−CGTCGACAAGCTTGTCGACG−3’ 3’−GCAGCTGTTCGAACAGCTGC−5’ をBamHIサイトに連結した。
【0107】pdhfrFX2SH Takashi Osumi(Biochemical
and Biophysical Reserch
Communicaions 181:947−954
1991)で報告されたプラスミドpTZCMVdh
frのサイトメガロウイルスのプロモーターエンハンサ
ー配列をSV40プロモーターと置き換えたpTZSV
2dhfrHのHindIII−平滑末端化Bc1Iサイ
トに合成DNA: 5’−AGCTTGCAATCGAAGGTCGAGGTAT−3’ 3’−ACGTTAGCTTCCAGCTCCATA−5’ を連結し、さらに以下のDNA: 5’−CGTCGACAAGCTTGTCGACG−3’ 3’−GCAGCTGTTCGAACAGCTGC−5’ をBamHIサイトに連結した。
【0108】pNS234Ndhfr HCV−ORF上アミノ酸番号722番目から1647
番目をコードするcDNA断片をプラスミドベクターp
TZ18RのEcoRI−SphIサイトに挿入したp
NS234NをHindIIIで切断し、pdhfrFX
1SHのdhfr遺伝子を含むHindIII断片を連結
した。塩基配列を決定しHCV−ORFとdhfr遺伝
子が同じ読み枠である事を確認した。
【0109】pNS234Spdfr HCV−ORF上アミノ酸番号729番目から1908
番目をコードするcDNA断片をクローニングしたpN
S234SのNsiI−HindIII断片を 5'-TGCATGTCGGGCGACCTGGAGGTCGTCACTAGTA- 3' 3'-ACGTGCAGCCCGCTGGACCTCCAGCAGTGATCAT -5' と置き換えた。HindIIIサイトにpdhfrFX2
SHのdhfr遺伝子を含むHindIII断片を連結し
た。塩基配列を決定しHCV−ORFとdhfr遺伝子
が同じ読み枠である事を確認した。
【0110】pMANS34Ns+dhfr pNS234SPdhfrをSacIIとSa1Iで切断
し得られたSacII−Sa1I断片をpMANS2d3
XのSacII−Sa1Iサイトに連結した。このプラス
ミドで形質転換したE.coliはMBPとHCV−O
RF上985番目から1658番目のアミノ酸とジヒド
ロ葉酸リダクターゼが融合したポリペプチドを発現す
る。
【0111】pMANS34Ns+dhfrM1 pMANS34Ns+dhfrのBlnII−EcoT2
2I断片をpNS234SM1のBlnII−EcoT2
2I断片と置き換えた。このプラスミドで形質転換した
E.coliはMBPとHCV−ORF上1165番目
のセリンがアラニンに置換された985番目から165
8番目のアミノ酸とジヒドロ葉酸リダクターゼが融合し
たポリペプチドを発現する。
【0112】pMANS34Ns+dhfrdSm pMANS34Ns+dhfrをSmaIで切断しSm
aI−SmaI断片を欠失させ再び連結した。このプラ
スミドで形質転換したE.coliはMBPとHCV−
ORF上985番目から1116番目のアミノ酸が融合
したポリペプチドを発現する。
【0113】(B)大腸菌での蛋白質の発現 実験はT.Maniatis (Molecular
Cloning, ALaboratory Manu
al Second Edition,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Pr
ess,1989)の条件に準じる。
【0114】pMANS34Ns+dhfrでE.co
li JM109を形質転換した形質転換体pMANS
34Ns+dhfr/JM109を0.1mlのLB
Brothに植え37℃で一晩振盪培養した培養液に1
0mlのLBを加え培養液の600nmの吸光度が0.
6になるまで振盪培養を続けた。吸光度が0.6に達し
た時点で最終濃度0.5mMになるようイソプロピルベ
ータ−チオガラクトシドを加えさらに2時間振盪培養し
た。培養液を遠心し菌体を集めた。集めた菌体を10m
M Tris−HCl(pH7.6),30mM Na
Cl,10mMEDTA(pH8.0)のバッファー1
mlに懸濁した後、超音波破砕機で菌体を破壊し菌体抽
出液を得た。菌体抽出液に2xSDS−PAGEサンプ
ルバッファー1mlを加え100℃で5分加熱し発現産
物溶液を得た。
【0115】pMANS34Ns+dhfrM1で同様
に蛋白質の発現を行い発現産物溶液を得た。
【0116】pMANS34Ns+dhfrdSmで同
様に蛋白質の発現を行い発現産物溶液を得た。
【0117】(C)発現産物の解析 SDSポリアクリルアミド電気泳動後抗ジヒドロ葉酸リ
ダクターゼ抗体を用いたウエスタンブロット法で解析を
行った。
【0118】結果 pMANS34Ns+dhfr産物の解析 140kDa,24kDa,23kDaの3種のポリペ
プチドが認められた。 pMANS34Ns+dhfrM1産物の解析 140kDa,23kDaの2種のポリペプチドが認め
られた。
【0119】 pMANS34Ns+dhfrdSm産物の解析 23kDaのポリペプチドが認められた。
【0120】以上の結果から140kDaのポリペプチ
ドはMBPとHCV−ORF上985番目から1658
番目のアミノ酸とジヒドロ葉酸リダクターゼが融合した
ポリペプチド、23kDaのポリペプチドはdhfr遺
伝子上に存在する開始コドンから翻訳されたポリペプチ
ドである事が推定される。そしてHCV−ORF上98
5番目から1658番目のポリペプチドはフラビウイル
スのトリプシン様セリンプロテイナーゼと相同な領域が
含まれる事から、HCV−ORF上985番目から16
58番目のポリペプチドに存在するセリンプロテイナー
ゼによって140kDaのポリペプチドが切断され24
kDaのジヒドロ葉酸リダクターゼが融合したポリペプ
チドが産生されたと推定される。
【0121】(D)メトトレキセートカラム作成方法
(MTX−ゲル) トレシルトヨパールゲル(東ソー株式会社製)6.25
gを100mM炭酸ナトリウム0.5M塩化ナトリウム
水溶液250mlに入れ、良く混合する。エチレンジア
ミン(和光純薬製)を310μl入れ16時間25℃で
おだやかに混合する。溶液を捨て、ゲルを回収し、10
0mMトリス塩酸緩衝液pH8.5、250mlを加
え、15分混合する。この工程を5回繰り返す。
【0122】塩酸および水酸化ナトリウム溶液でpH
6.5に合せた蒸留水でゲルをよく洗浄する。その後、
容量を250mlにする。メトトレキセート(和光純薬
製)225mgをpH6.5に合せた蒸留水25mlに
溶解し加える。
【0123】このゲル溶液を25℃で混合しながら、あ
らかじめ1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミドハイドロクロライド97mgを2
5mlのpH6.5に合せた蒸留水で溶解しておき、こ
れを30分ごとに2.5mlづつ10回に分け加える。
その後、20時間25℃でおだやかに混合する。
【0124】蒸留水でよくゲルを洗浄する。次に0.2
M炭酸水素ナトリウムで続いて1M塩化カリウムでよく
洗浄する。
【0125】(E)ジヒドロ葉酸リダクターゼが融合し
たポリペプチドの精製 pMANS34Ns+dhfrでE.coli JM1
09を形質転換した形質転換体pMANS34Ns+d
hfr/JM109を20mlのLB Brothに植
え37℃で一晩振盪培養した培養液に2000mlのL
Bを加え培養液の600nmの吸光度が0.6になるま
で振盪培養を続けた。吸光度が0.6に達した時点で最
終濃度0.5mMになるようイソプロピルベータ−チオ
ガラクトシドを加えさらに2時間振盪培養した。培養液
を遠心し菌体を集めた。集めた菌体を10mM Tri
s−HCl(pH7.6),30mM NaCl.10
mM EDTA(pH8.0)のバッファー200ml
に懸濁した後、超音波破砕機で菌体を破壊し菌体抽出液
を得た。菌体抽出液を9000gで20分間遠心し上清
を得た。この上清に最終濃度10%になるようグリセロ
ールを加えた。この溶液を上記のカラムバッファ(50
mM Tris−HCl pH7.6 100mM K
Cl 2mM DTT 10% Glycerol)で
平衡化した1mlのMTXゲルをつめたカラムにかけ、
ゲルに吸着しない蛋白質をカラムバッファで洗浄し、溶
出バッファ(50mM Tris−HCl pH8.8
500uM葉酸 2mM DTT10% Glyce
rol)でゲルに吸着したジヒドロ葉酸リダクターゼが
融合したポリペプチドを溶出した。
【0126】(F)ジヒドロ葉酸リダクターゼが融合し
たポリペプチドのアミノ末端のアミノ酸配列の決定 精製したジヒドロ葉酸リダクターゼが融合したポリペプ
チドをSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で分子量
に応じて分離した後PVDF膜にブロットしクマシーブ
リリアントブルーで染色し24kDaのポリペプチドを
PVDF膜ごと切り取った。この切り取ったPVDF膜
をアブライドバイオシステムズ製プロテインシークエン
サー477Aにかけポリペプチドのアミノ末端のアミノ
酸配列を決定した。
【0127】結果 24kDaのポリペプチドのアミノ酸末端の配列はSK
LAIEG?GMI?LIAALAVであった。
【0128】この結果からHCV−ORF上985番目
から1658番目のポリペプチドに存在するセリンプロ
テイナーゼによってHCV−ORF上1657番目のス
レオニンと1658番目のセリンの間が切断される事が
明かとなった。
【0129】実施例5:切断部位のアミノ酸変異体の作
成とHCVプロテイナーゼによるその変異体産物の切断
性の解析 (A)プラスミドpNS234Sの作成 C型肝炎遺伝子の塩基2527番の制限酵素BssHII
サイトから塩基6499番の制限酵素PstIサイトを
切り出し、BssHIIサイトはあらかじめT4DNAポ
リメラーゼにより平滑末端にし、5’CAGCCATG
GCTG3’(NcoIリンカー)をつないだ。市販の
ベクターpTZ18R(東洋紡績製)のマルチクローニ
ングサイトのEcoRIサイトとPstIサイトに、E
coRIサイトはあらかじめT4DNAポリメラーゼに
より平滑末端にしておき、NcoIリンカーをつないだ
上記C型肝炎遺伝子塩基2527番から塩基6499番
までを挿入した。
【0130】塩基6065番SmaIからマルチクロー
ニングサイトのSphIの遺伝子を除き、T4DNAポ
リメラーゼにより平滑末端にし再度結合した。
【0131】遺伝子の結合はT4DNAリガーゼを用い
た。得られたプラスミドをpNS234Sと命名した。
【0132】(B)プラスミドpNS234Sp−6d
hfrの作成 Takashi Osumi(Biochemical
and Biophysical Research
Communications 181:947−9
54,1991)で報告されたプラスミドpTZCWV
dhfrのサイトメガロウイルスのプロモーターエンハ
ンサー配列をSV40プロモーターと置きかえたプラス
ミドpTZSV2dhfrsHのプロモーター領域の直
後のHindIIIサイトとあらかじめT4DNAポリメ
ラーゼにより平滑末端したBlnIサイトに、 5’AGCTTGCAATCGAAGGTCGAGGTAT3’ 3’ACGTTAGCTTCCAGCTCCATA5’ (Lfx2リンカー)を挿入した。
【0133】さらにポリAシグナル後のBamHIサイ
トを切断しT4DNAポリメラーゼにより平滑末端に
し、 5’CGTCGACAAGCTTGTCGACG3’ 3’GCAGCTGTTCGAACAGCTGC5’ (SHSリンカー)を挿入した。
【0134】HindIIIによりLfx2リンカーにつ
ながるdhfr遺伝子を取り出し、プラスミドpNS2
34SのマルチクローニングサイトのHindIIIサイ
トに挿入した。
【0135】塩基5287番NsiIからLfx2リン
カー前に存在するHindIIIの遺伝子を次の遺伝子と
交換した。
【0136】 さらに、このリンカーの中に存在するSpeIサイトに
次のリンカーを挿入した。
【0137】 5’CTAGTACCTGGGTGCTGGTAGGCA3’ 3’ATGGACCCACGACCATCCGTTCGA5’ 以上のようにして、プラスミドpNS234Sp−6d
hfrを作成した。
【0138】(C)プラスミドpNS234−6dhf
r/T1657Nの作成 pNS234Sp−6dhfrをSpeIで切断し、M
ung Beanヌクレアーゼにより平滑末端にし、続
いてHindIIIで切断しdhfr遺伝子を除く。
【0139】そして、次のリンカーを挿入した。
【0140】 5’ATAGTACCTGGGTGCTGGTAGGCA3’ 3’TATCATGGACCCACGACCATCCGTTCGA5’ 再度、HindIIIによりプラスミドpNS234Sか
ら取り出したLfx2リンカーにつながるdhfr遺伝
子を、このプラスミドのHindIIIサイトに挿入し
た。得られたプラスミドをpNS234−6dhfr/
T1657Nと命名した。
【0141】(D)その他のプラスミドの構築 pNS234S/L1026I T.A.Kunkelらの方法(メソッズ.イン.エン
ザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),154,367(1987))に従って上記
のpNS234Sを鋳型として20−merのオリゴヌ
クレオチド5’>GTGATAGGCGCAATGAG
CCG<3’を用いて部位特異的突然変異誘発(sit
e−directed mutagenesis)を行
い、HCV−ORF上1026番目のアミノ酸に相当す
るロイシン残基(推定されるp21とp70の切断部
位)をイソロイシン残基に変異させ構築した。
【0142】pNS234S/L1026V T.A.Kunkelらの方法(メソッズ.イン.エン
ザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),154,367(1987))に従ってpN
S234Sを鋳型として20−merのオリゴヌクレオ
チド5’>GTGATAGGCGCCACGAGCCG
<3’を用いて部位特異的突然変異誘発を行い、HCV
−ORF上1026番目のアミノ酸に相当するロイシン
残基(推定されるp21とp70の切断部位)をバリン
残基に変異させ構築した。
【0143】pCMV プラスミドベクターpBluescript ‖ KS
+のクローニングサイトXbaI−BamHIサイトに
CMVのプロモター遺伝子[PCMV(B)由来のXb
aI−BamHI 0.6Kb Fragment]
を、HicII−Sa1IサイトにSV40のpoly
A signal[pSVL由来のBamHI−Sa1
I 0.6Kb Fragment]をそれぞれ挿入し
構築した。
【0144】pCMV/NS234S C型肝炎ウイルスゲノム(Genebank data
base accession no.D9020
8)上729番目から1908番目のアミノ酸をコード
するcDNA断片をプラスミドベクターpCMVのEc
oRI−BamHIサイトに挿入し構築した。
【0145】pCMV/NS2345C C型肝炎ウイルスゲノム(Genebank data
base accesion no.D90208)
上729番目から3010番目のアミノ酸をコードする
cDNA断片をプラスミドベクターpCMVのEcoR
I−BamHIサイトに挿入し構築した。
【0146】pCMV/NS2345C−M1 T.A.Kunkelらの方法(メソッズ.イン.エン
ザイモロジー(Methods in Enzymol
ogy),154,367(1987))に従ってpC
MV/2345Cを鋳型として20−merのオリゴヌ
クレオチド5’>GTCCACCCGCGGAGCCC
TTC<3’を用いて部位特異的突然変異誘発を行い、
HCV−ORF上1165番目のアミノ酸に相当するセ
リン残基(推定されるセリンプロテイナーゼの活性残基
に相当する)をアラニン残基に変異させ、3315bp
に存在するSacIIサイトと3806bpに存在する
AvrIIサイトで切断し、同じくpCMV/NS23
45CのSacII−AvrIIサイトと交換すること
により構築した。
【0147】pCMV/NS5PSN C型肝炎ウイルスゲノム(Genebank data
base accession no.D9020
8)上2054番目から2951番目のアミノ酸をコー
ドするcDNA断片をプラスミドベクターpCMVのE
coR1−BamHIサイトに挿入し構築した。
【0148】(E)無細胞転写翻訳実験 (1)T7RNAポリメラーゼを用いた無細胞転写翻訳
実験、および(2)ウサギ網状赤血球溶血液を用いた無
細胞翻訳実験、は実施例2(A)に記載の方法によって
実施した。
【0149】(F)細胞系での蛋白発現実験 Chen,C.らの方法(Mol.Cell.Bio
l.,7:2745−2752,1987)に準じる。
【0150】(1)Chen−Okayama法による
COS−Cellへのトランスフェクション (i)COS細胞(5ml培地2×105)をシャーレ
等にまき、37℃(5%炭酸ガス)で一夜培養する。
【0151】(ii)約10ugのDNAを0.25m
lの0.25M CaCl2と0.25mlの2×BB
S(50mM BES(N,N−bis(2−hydr
oxyethyl)−2−aminoethanesu
lfonic acid,280mM NaCl,1.
5mM Na2HPO4,pH6.95)の混液に加え、
室温に10−20分間置く。
【0152】(iii)これを一滴ずつ培地中の細胞に
加え、良く拡散させ、37℃で15−24時間培養す
る。
【0153】(iv)培地を除き、細胞を5mlのPB
S(Phosphate Buffered Sali
ne)で2度洗い、5mlの新しい培地を加え、37℃
(5%炭酸ガス)で2昼夜培養する。
【0154】(v)培養細胞をトリプシン処理し、細胞
を回収する。
【0155】(2)抗体アッセイ (i)回収した培養細胞はSDSポリアクリルアミド電
気泳動とそれに続くウェスタンブロッテイング法(Mo
lecular Cloning,Second Ed
ition,Section18)によりPVDF膜
(MILLIPORE製)にトランスファーした。
【0156】(ii)PVDF膜にトランスファーされ
た蛋白は、p70抗体[Jpn.J.Cancer R
es.Vol.83,264−268,1992に記載
されている蛋白質07(塩基番号4224から塩基番号
4963)により得られた抗体])、p58抗体[Jp
n.J.Cancer Res.Vol.83,264
−268,1992に記載されている蛋白質15(塩基
番号7071から塩基番号7660)により得られた抗
体]を用い、抗体アッセイ(Molecular Cl
oning,Second Edition,Sect
ion18)した。
【0157】(G)実験結果 (1)無細胞転写翻訳実験(図9) (i)pSN234Sの無細胞翻訳産物の解析(図9
レーンl):分子量21kDa,70kDa,28kD
aの3種のポリペプチドが認められた。これはp70蛋
白内に存在するプロティナーゼ活性により、1本のポリ
プロティンが3本のポリペプチドに切断され生じたもの
である。
【0158】(ii)pSN234S/L1026Iの
無細胞翻訳産物の解析(図9 レーン2):分子量91
kDa,28kDaの2種のポリペプチドが認められ
た。これは、p21とp71の切断点に存在するロイシ
ンがイソロイシンに置き換わったため、p70から産生
されたプロテイナーゼによって、p21とp70の切断
点が認識されなかったためである。
【0159】(iii)pSN234S/L1026V
の無細胞翻訳産物の解析(図9 レーン3):分子量9
1kDa,28kDaの2種のポリペプチドが認められ
た。これは、p21とp71の切断点に存在するロイシ
ンがバリンに置き換わったため、p70から産生された
プロテイナーゼによって、p21とp70の切断点が認
識されなかったためである。
【0160】以上,(i)−(iii)の結果より、p
21とp70の切断には1026番目のロイシンが関与
しており、ロイシンをイソロイシンまたはバリンに変異
させたpSN234S/L1026I、pSN234S
/L1026Vにおいては、p70から産生されるプロ
テイナーゼによって、認識されないことが判った。
【0161】(iv)pSN234Sp−6dhfrの
無細胞翻訳産物の解析(図9 レーン4):分子量21
kDa,70kDa,24kDaの3種によってポリペ
プチドが認められた。これはp70から産生されたプロ
テイナーゼによって、p21とp70、p70とp31
が切断されるためである。
【0162】(v)pSN234Sp−6dhfr/T
1657Nの無細胞翻訳産物の解析(図9 レーン
5):分子量21kDa,94kDaの2種のポリペプ
チドが認められた。これは、p70とp31の切断点に
存在するスレオニンがアスパラギンに置き換わったた
め、p70から産生されたプロテイナーゼによって、p
70とp31の切断点が認識されなかったためである。
【0163】(2)細胞系での蛋白質発現実験(図1
0) (i)pCMVNS234Sの細胞系での蛋白発現実験
(図10 レーン1):p70抗体で検出したところ、
分子量約120kDa,70kDaの2種のポリプロテ
インが検出された。120kDaの蛋白は、プロテイナ
ーゼによって切断される前の前駆体蛋白に相当し、70
kDaの蛋白は切断後に産生される蛋白に相当する。
【0164】(ii)pCMVNS/M1の細胞系での
蛋白発現実験(図10 レーン2):p70抗体で検出
したところ、前駆体蛋白のみが検出された。これは、セ
リンプロテイナーゼの活性中心である1165番目のセ
リンがアラニンに置換されたため、プロテイナーゼ活性
を失い、前駆体蛋白のプロセッシングがなされなかった
ためである。p58抗体で検出したところ、同様に前駆
体蛋白のみが検出された。
【0165】(iii)細胞内でpCMVNS234S
とpCMVNS/M1とをコトランスフェクトすること
による蛋白発現実験(図10 レーン3):p58抗体
で検出したところ、前駆体蛋白と58kDaの蛋白が検
出された。これは、pCMVNS234Sから産生され
る、セリンプロテイナーゼを含むp70蛋白がpCMV
NS/M1から産生される前駆体蛋白のp31とp58
蛋白間、p58とp66蛋白間を切断してp58蛋白を
産生するためである。
【0166】以上,(i)−(iii)の結果より、p
31とp58の切断には1940−1980番目の領域
に切断点が存在することが推定される。
【0167】(iv)pCMV/NS5PNSの細胞系
での蛋白発現実験(図10 レーン5):p58抗体で
検出したところ、分子量約120kDaの蛋白のみが検
出された。
【0168】(v)pCMVNS234SとpCMV/
NS5PNSの細胞系での蛋白発現実験(図10 レー
ン6):p58抗体で検出したところ、前駆体蛋白と4
6kDaの蛋白が検出された。これは、pCMVから産
生される、セリンプロテイナーゼを含むp70蛋白がp
CMV/NS5PNSから産生される蛋白の、p58と
p66蛋白間を切断してp46蛋白を産生するためであ
る。
【0169】以上の結果より、HCVゲノムにコードさ
れるセリンプロテイナーゼによって切断されるHCV蛋
白の切断部位は、HCV−ORF上アミノ酸番号で19
40−1980と2410−2440の領域に存在する
ことが推定される。実施例6:ウイルス蛋白分解酵素反
応のアッセイ法 (1)アッセイ法−1 酵素反応 酵素反応は10mMリン酸ナトリウムpH7.2、10
mMβ−メルカプトエタノール存在下37℃で行う。p
MANS34NS+dhfrの発現産物(MBP−NS
34−DHFR)の自己分解反応は上記反応溶液50μ
l中、蛋白約10μgを37℃で反応させ、蛋白分解酵
素活性による24KDのNS4−DHFR蛋白の生成を
SDS−ポリアクリルアミド電気泳動で分析する。泳動
された蛋白をニトロセルロースあるいはポリフッ化ビニ
リデン膜に転写する。これにDHFR蛋白に対する抗血
清を反応させ、さらに標識された血清アルブミンに対す
る抗血清で染色して、ウエスタンブロット法で検出し、
HCV−ORF上アミノ酸番号1657番目と1658
番目の間の自己切断活性を確認した。
【0170】MBP−NS34−DHFRなど発現酵素
蛋白の、ウイルス由来蛋白を切断する活性の測定を行う
が、本アッセイでは、本明細書に記載する切断部位を含
むウイルス由来蛋白を大腸菌などで発現させて生成し、
これを基質として用いる。
【0171】ウイルス蛋白分解酵素の力価は、27KD
の基質と分子間切断反応によって生じた生成物との割合
から、1時間で切断するマイクロモル数で定義すること
ができる。
【0172】(2)アッセイ法−2 バクテリア内で
のウイルス蛋白切断反応 バクテリアでde novo生成したウイルス蛋白分解
酵素の自己切断活性の検出には、プラスミドを大腸菌に
形質転換し、大腸菌内でMBP−NS34−DHFRの
生成をIPTG添加で誘導する。誘導された蛋白の切断
生成物をSDS−ポリアクリルアミド電気泳動に付し、
生成物である24KDのNS4−DHFRをウエスタン
ブロット法で検出し、HCV−ORF上アミノ酸番号1
657番目と1658番目の間の自己切断活性を確認し
た。
【0173】 (3)アッセイ法−3 無細胞系転写翻訳系 実施例5の(E)無細胞系転写翻訳系を用いて、pSN
234Sの無細胞系転写翻訳産物の解析を行い、NS3
抗体に反応するp70蛋白を検出し、HCV−ORF上
アミノ酸番号1026番目と1027番目の間、および
1657番目と1658番目の間の自己切断活性を確認
した。
【0174】 (4)アッセイ法−4 細胞系での蛋白発現実験 実施例5の(F)細胞系での蛋白発現実験を用いて、p
CMVSN234SをCOS細胞にトランスフェクトし
て発現産物の解析を行い、NS3抗体に反応するp70
蛋白を検出し、自己切断活性を検討した。
【0175】また、pSN234S(酵素用ベクター)
とpCMVNS/M1(蛋白用ベクター)とをコトラン
スフェクトして発現産物の解析を行い、p58抗体に反
応するp58蛋白を検出し、分子間反応によるNS4と
NS5Aの間、およびNS5AとNS5Bの間の分子間
切断活性を検出した。
【0176】なお、HCV蛋白質のプロセシングを表す
模式図を図11に示す。
【0177】
【発明の効果】本発明によって、C型肝炎ウイルス蛋白
を特異的な部位で切断するC型肝炎ウイルス蛋白分解酵
素を精製した蛋白として得ることができ、その活性を検
出することができた。この酵素を用いて該酵素の阻害剤
をスクリーニングすることによって、C型ウイルス性肝
炎の治療薬の開発を行うことができ、本発明の効果は極
めて有用である。
【0178】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:336 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 配列番号:2 配列の長さ:916 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 配列 配列番号:3 配列の長さ:1008 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列 配列番号:4 配列の長さ:2748 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列 配列番号:5 配列の長さ:12 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 CAGCCATGGC TG 配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 TTTGTACGGG CTCAGGGGCT 配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 TCCATGTCAG AGAAGACGAC 配列番号:8 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 GCGGTGGCAG TAGAGCCCGT C 配列番号:9 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 ACCCCTGCTC TCCAAAACTA 配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 GTCGTCTTCT CTGACATGGA 配列番号:11 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 TGGTAGTCGA GTCAGTTGAG T 配列番号:12 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 ACTCAACTGA CTCGACTACC A 配列番号:13 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 TCAGCGGGCG TGAGCTCATA 配列番号:14 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 ACATGTGTCA CCCAGACAGT 配列番号:15 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 ATGACGCAGG CTGTGCTTGG 配列番号:16 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 CTGCATTCCT TGCTCGATGT 配列番号:17 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 GTTCGATGAG ATGGAAGAGT 配列番号:18 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 CATCCACTGC ACAGCCCCCT C 配列番号:19 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸、合成DNA 配列 GTCCACCCGC GGAGCCCTTC 配列番号:20 配列の長さ:1042 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:11..1042 特徴を決定した方法:E 配列 配列番号:21 配列の長さ:2777 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 配列の特徴: 特徴を表す記号:CDS 存在位置:9..2777 特徴を決定した方法:E 配列 配列番号:22 配列の長さ:3010,9431 配列の型:アミノ酸,核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:RNA 配列
【図面の簡単な説明】
【図1】pN722−1907(HCVゲノムRNAの
一部に相当するcDNA断片を含むプラスミド)構築の
方法の概略を示す。
【図2】図1における結合方法の概略を示す。
【図3】図1における結合方法2の概略を示す。
【図4】pN722−1907の欠失変異体および点突
然変異体を示す。
【図5】pN722−1907、その欠失変異体および
点突然変異体の無細胞転写翻訳産物のSDS電気泳動法
による解析結果を示す。
【図6】C型肝炎ウイルスの非構成蛋白質に存在するセ
リンプロテイナーゼ活性領域を含む遺伝子を組み込んだ
バキュロウイルストランスファーベクターpVL941
の作製手順を示す。
【図7】組換えバキュロウイルスにより産生した蛋白質
のウエスタンブロット法による結果を示す。
【図8】本発明に使用したプラスミドを示す。
【図9】無細胞転写翻訳実験の結果を示す。
【図10】細胞系での蛋白発現実験の結果を示す。
【図11】C型肝炎ウイルス蛋白質のプロセシングを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/576 Z // C07K 14/18 8318−4H (C12N 9/50 C12R 1:19) (C12N 1/21 C12R 1:19) 特許法第30条第1項適用申請有り 平成3年8月10日、 日本癌学会発行の「第50回 日本癌学会総会記事」に発 表 (72)発明者 土方 誠 東京都中央区佃2−21−11 (72)発明者 加藤 宣之 東京都目黒区東が丘2−5−20 国立がん センター宿舎RE−41 (72)発明者 大津山 祐子 東京都中央区築地5−1−1 国立がんセ ンター宿舎A−14 (72)発明者 丹生谷 博 東京都江東区豊洲4−10−5−1306 (72)発明者 垣内 信子 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 菰田 泰正 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 許斐 康嗣 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 丹治 保典 神奈川県横浜市鶴見区岸谷4−34 NKK 社宅 C−407 (72)発明者 広渡 祐史 神奈川県海老名市河原口 2398 東ソー厚 木寮

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 のアミノ酸配列もしくはその一部を含有するプロテイナ
    ーゼ。
  2. 【請求項2】 C型肝炎ウイルス蛋白を、C型肝炎ウイ
    ルス蛋白のアミノ酸番号1026−1027間で切断す
    る請求項1記載のプロテイナーゼ。
  3. 【請求項3】 のアミノ酸配列もしくはその一部を含有するプロテイナ
    ーゼ。
  4. 【請求項4】 C型肝炎ウイルス蛋白を、C型肝炎ウイ
    ルス蛋白のアミノ酸番号1657−1658間で切断す
    る請求項3記載のプロテイナーゼ。
  5. 【請求項5】 をコードするDNAもしくはその一部を含有するDNA
    配列。
  6. 【請求項6】 をコードするDNAもしくはその一部を含有するDNA
    配列。
  7. 【請求項7】 もしくはその一部を含有する請求項5記載のDNA配
    列。
  8. 【請求項8】 もしくはその一部を含有する請求項6記載のDNA配
    列。
  9. 【請求項9】 請求項5、6、7または8記載のDNA
    配列を含むベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載のベクターで形質転換し
    た細胞。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の形質転換体を培養する
    ことからなる、請求項1もしくは2記載のプロテイナー
    ゼの製造法。
  12. 【請求項12】 請求項1または2記載のプロテイナー
    ゼを用いて、C型肝炎ウイルス蛋白の切断反応の進行を
    検出することからなる、C型肝炎ウイルスプロテイナー
    ゼ活性のアッセイ法において、(i) 該精製したC型
    肝炎ウイルスプロテイナーゼと、C型肝炎ウイルスプロ
    テイナーゼによって切断されるアミノ酸配列を含む基質
    ポリペプチドとを試験管内で反応させる系、あるいは
    (ii) 大腸菌、動物培養細胞、昆虫細胞、またはウサ
    ギ網状赤血球溶血液を用いる無細胞翻訳系で、C型肝炎
    ウイルスプロテイナーゼと基質蛋白質とを同時に発現さ
    せ、細胞内または無細胞翻訳系内でプロテイナーゼと基
    質を反応させる系、を用いる上記アッセイ法。
  13. 【請求項13】 請求項1または2記載のプロテイナー
    ゼを用いて、反応系に試験化合物を添加し、C型肝炎ウ
    イルス蛋白の切断反応の進行を、試験化合物添加のもの
    と添加しないものとで比較することからなる、C型肝炎
    ウイルスプロテイナーゼ阻害剤のアッセイ法において、
    (i) 該精製したC型肝炎ウイルスプロテイナーゼ
    と、C型肝炎ウイルスプロテイナーゼによって切断され
    るアミノ酸配列を含む基質ポリペプチドとを試験管内で
    反応させる系、あるいは(ii) 大腸菌、動物培養細
    胞、昆虫細胞、またはウサギ網状赤血球溶血液を用いる
    無細胞翻訳系で、C型肝炎ウイルスプロテイナーゼと基
    質蛋白質とを同時に発現させ、細胞内または無細胞翻訳
    系内でプロテイナーゼと基質を反応させる系、を用いる
    上記アッセイ法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2786787A1 (fr) * 1998-12-08 2000-06-09 Proteus Methode d'analyse in vitro d'un phenotype connu a partir d'un echantillon d'acides nucleiques
FR2786788A1 (fr) * 1998-12-08 2000-06-09 Proteus Procede de criblage de substances capables de modifier l'activite d'une ou plusieurs proteines cibles ou d'un ensemble cible de proteines exprimees in vitro
US6818396B1 (en) 2000-11-28 2004-11-16 Proteus S.A. Process for determination of the activity of a substance using an in vitro functional test

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