JPH07157439A - 骨内部埋め込み用製剤 - Google Patents

骨内部埋め込み用製剤

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JPH07157439A
JPH07157439A JP5339812A JP33981293A JPH07157439A JP H07157439 A JPH07157439 A JP H07157439A JP 5339812 A JP5339812 A JP 5339812A JP 33981293 A JP33981293 A JP 33981293A JP H07157439 A JPH07157439 A JP H07157439A
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bone
preparation
implanting
drug
artificial
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JP5339812A
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English (en)
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Yoshiaki Ishii
良章 石井
Ichiro Yamakawa
一郎 山川
Sumio Watanabe
純男 渡辺
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Eisai Co Ltd
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Eisai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】薬物を徐々に放出しながら骨組織の修復を補填
できる骨内部埋め込み用製剤を提供する。 【構成】薬物と高分子物質を圧縮した成型物もしくは溶
融後固化した成型物に、人工骨成分を混合して成型し、
これに人工骨成分で被覆することから得られる骨内部埋
め込み用製剤。薬物としては、種々の抗生物質や抗腫瘍
剤などを用いることができ、人工骨成分としては従来用
いられているものであればいかなるものも用いることが
できる。また、高分子物質は、生体内で分解する物質を
用いることが望ましい。 【効果】本発明による骨内部埋め込み用製剤からの薬物
の放出は容易に制御できる。またいったん骨内部に埋め
込んだ後は、取り出す必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は徐放化された薬物を含む
人工骨成分含有の骨内部埋め込み用製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】難治性疾患である慢性骨髄炎や開放骨折
の術後感染の治療として、アミノグリコシド系抗生物質
を徐放化させた高分子ビーズ(ゲンタマイシン含有ポリ
メチルメタクリレート)を骨内部に外科的に埋め込む治
療が欧米では実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、用いた
高分子が、生体内で分解しないため、感染の鎮静化には
役立っても、骨組織の修復には無効であり、なおかつ、
一定期間後抜去する必要がある。このため、手術後に取
り出す必要がなく、かつ、ハイドロキシアパタイト、β
−第3リン酸カルシウムなどの人工骨成分を基剤とし
て、骨組織の修復が同時に可能となるような埋め込み剤
が、骨・関節感染性疾患には理想的である。このような
埋め込み剤としては、ジャ−ナル オブ コントロ−ル
ドリリ−ズ第2巻 179〜186頁 1985年
(J.Controlled Release Vo
l.2 179〜186(1985))に、ジベカシ
ン、ハイドロキシアパタイトをポリ乳酸中に分散固化し
たものが報告されているのを初めとして、特開平4−2
79520号には、薬物をポリ乳酸などの高分子物質と
混合または溶融し、これに人工骨成分を混合して、成型
することによって得られる製剤が、薬物の放出速度を調
節でき、徐放化し得るものであると開示されている。し
かし、これらの技術では、一般に治癒まで長期間を要す
る骨組織修復の治療に用いるのに、薬物の放出速度の調
節・骨形成共に不十分であり、更に改良の余地があるも
のと考えられていた。
【0004】そこで、本発明者らは薬物を含有する骨内
部埋め込み用製剤について、更なる検討を行った。薬物
の放出速度を調節して、従来のものより更に良好な徐放
を得るべく、鋭意研究を行った。その結果、以下に示す
ものが、所期の目的を達成することを見いだし、本発明
を完成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、薬
物、高分子物質、人工骨成分のいずれか1種または数種
からなる薬物を含有する骨内部用埋め込み剤において、
薬物と高分子物質をあらかじめ圧縮若しくは溶融した
後、人工骨成分を混合して固化し、得られた成型物に、
更に人工骨成分により、被覆することを特徴とする薬物
を含有する骨内部埋め込み用製剤であり、また更に、本
発明は薬物と高分子物質を混合し、圧縮若しくは溶融固
化せしめて成型物とした後、これを顆粒状に解砕し、次
いで人工骨成分を混合し、圧縮成型した後、得られた成
型物を人工骨成分で被覆することを特徴とする薬物を含
有する骨内部用埋め込み用製剤の製造方法である。
【0006】本発明によって得られた薬物を含有する骨
内部用埋め込み用製剤は、薬物が生体内で適度な速さで
放出されるように制御されており、各種疾患に適した徐
放化された骨内部埋め込み用製剤を得ることができる。
したがって、本発明の目的は、薬物の放出速度が制御さ
れた新規な薬物を含有する骨内部埋め込み用製剤を提供
することにある。本発明における薬物は骨内部に埋め込
む必要があるものであれば、いかなるものでも使用可能
である。感染性疾患には抗生物質が用いられるが、悪性
腫瘍にも必要に応じて抗ガン剤等の薬物を用いることが
できる。
【0007】本発明における骨内部埋め込み用製剤の製
造は、一般に用いられる技術を組み合わせることによっ
て、行うことができる。例えば薬物と高分子を混合し、
材料試験機あるいは圧延機等で圧縮後、得られた成形物
を乳バチあるいは解砕機で解砕し、篩により必要な粒度
のものを分取し、さらに、ハイドロキシアパタイト等の
人工骨成分を混合して適当な形態に圧縮加工し、この圧
縮加工したものを一個または二個以上を人工骨成分によ
ってくるむことによる方法などを挙げることができる。
【0008】本発明における高分子物質とは、主として
生体内分解性高分子を指すが、合成又は天然起源のいず
れも用いることができる。例えば、合成高分子重合物の
例としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−α−
シアノアクリル酸エステル、ポリ−β−ヒドロキシ酪
酸、ポリオルソエステル、ポリアミノ酸等があげられ
る。これらの高分子重合物は、一種でも、二種以上の共
重合物あるいは単なる混合物でもよく、またこれらの塩
でもよい。又、天然高分子の例としては、アルブミン、
ゼラチン、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロ
ン酸等があげられる。
【0009】これらの高分子の中で、特に好ましい高分
子としては、ポリ乳酸、あるいは乳酸・グリコール酸コ
ポリマーが挙げられる。
【0010】本発明における抗生物質とは、特に限定さ
れないが、アミノグリコシド系、ペニシリン系、セファ
ロスポリン系などいずれも用いることができる。例を挙
げれば、ゲンタマイシン、ジベカシン、トプラマイシ
ン、アミカシン、カネンドマイシン、リビドマイシン、
シソマイシン、フラジオマイシン、アンピシリン、ピペ
ラシリン、チカルシリン、塩酸テトラサイクリン、塩酸
オキシテトラサイクリン、セファロチン、セファロリジ
ン、セファゾリン、セフォチアム、セフォペラゾン、ア
ズスレオナム、ヴァンコマイシン、アルベカシン、リフ
ァンピシン等である。
【0011】本発明における人工骨成分とは、整形外科
領域で骨充填剤として用いられているものである。例え
ばハイドロキシアパタイト、第2リン酸カルシウム、第
3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウ等の無機塩を
いうが、人工骨成分として用いられうるものであればよ
い。また、薬物を含有する成型物に用いる人工骨成分と
被覆層を形成する人工骨成分は、同一でもよいが、異な
っていてももちろん差し支えない。人工骨成分の最も好
ましいものの例としては、第2リン酸カルシウム、α−
第3リン酸カルシウム及び第4リン酸カルシウムの混合
物(以下リン酸カルシウム混合物と記す)など用いるこ
とができる。特にこれらの混合物は、水で練ると化学反
応を起こし、硬化してリン酸カルシウムセメントとなる
ため、本発明にかかる製剤及び製剤を製造する方法に好
ましく用いることができる。この場合、操作性向上のた
めに、コンドロイチン硫酸ナトリウムなどを水に添加し
てもよい。また、リン酸カルシウム混合物と水との化学
反応を促進するためにコハク酸ナトリウムなどの反応促
進剤を添加することももちろん差し支えない。また、本
発明における圧縮若しくは溶融後固化した成型物とは、
固化した後必要に応じて何らかの方法で解砕したものを
も包含するものとする。具体的に好ましい解砕物として
は例えば約12メッシュ篩を通過し、約42メッシュ篩
に残存する解砕物をあげることができる。
【0011】解砕物の粒度は250μ以上が好ましく、
更に好ましくは、350μ〜1400μとすることが好
ましい。本発明において高分子と薬物の配合率は特に限
定されず、適切な徐放性が得られるように自由に変える
ことができる。また、圧縮成形に際して必要ならばステ
アリン酸カルシウムあるいはタルク等の滑沢剤を配合す
ることができる。さらに、解砕した成形物と人工骨成分
の配合率も特に限定されず、適用疾患に適した比率にす
ればよい。圧縮成形に際しては必要ならば滑沢剤等の添
加剤を使用することができる。本発明において被覆層と
は、1個の核となる薬物を含有した成型物の表面を被覆
するものを指すのはもちろんであるが、薬物を含有した
2個以上の成型物を内包するように被覆するものをも包
含するものとする。
【0013】本発明により得られた薬物を含有する骨内
部埋め込み用製剤は、含有する薬物の放出を制御するこ
とが可能であるが、必要により加熱あるいはコーティン
グなどの処理によって、更に放出速度の調節をすること
ができる。以下に本発明の具体的な実施例を示し、本発
明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定
されるものではない。
【0014】
【実施例】実施例1 硫酸ゲンタマイシン粉末20mg、ポリ乳酸40mgを攪拌
しながら油浴中で、120℃まで加温してポリ乳酸を溶
かし、硫酸ゲンタマイシンをポリ乳酸中に均一に分散さ
せた。冷却固化後、乳鉢で砕き、16メッシュ、28メ
ッシュ、42メッシュのふるいでわけた。別に、第3リ
ン酸カルシウム:第4リン酸カルシウム:第2リン酸カ
ルシウム=75:20:5の混合物80mgに対して、コ
ンドロイチン硫酸ナトリウム:コハク酸ナトリウム:水
=5:12:83(W/W) の混合物22.9mgを添加して
ふるいわけで得られた顆粒をそれぞれ加えて、ペースト
状混合物とした。ペースト状混合物165mgを内径5ミ
リメートルのテフロン製鋳型に充填し、気温37℃湿度
50%で24時間保存して硬化させた(直径5ミリメー
トル、高さ5ミリメートルの円柱状成型物)。次にリン
酸カルシウム混合物150mgにコンドロイチン硫酸ナト
リウム:コハク酸ナトリウム:水=5:12:83(W/
W) の混合物を42.9mgを添加し練合した。その練合
物約50mgを内径6ミリメートルのテフロン製鋳型の底
部に充填した。次いで、上記方法で得た円柱状成型物を
鋳型のほぼ中心に据えた。約100mgの練合物を上から
加えて、成型物の周囲にセメントの被覆層が均一に成型
されるように直径6ミリメートルのテフロン棒で圧縮し
た。気温37℃湿度50%の条件で24時間保存して、
硬化後にテフロン製鋳型より取り出した。実験例 (1)方法 上記の実施例によって得られた製剤及び上記の方法に準
じて得られた以下の組成を有する比較例1、2及び3に
示す成型物を用いて、37℃・pH7.4のリン酸緩衝液
中に静置した場合の放出率を経時的に測定した。
【0021】比較例1 硫酸ゲンタマイシン20mgに、リン酸カルシウム混合物
120mgにコンドロイチン硫酸ナトリウム:コハク酸ナ
トリウム:水=5:12:83(W/W) の混合物34.3
mgを添加し練合したものを混合研和した成型物。比較例2 比較例1で得られた成型物に、上記の実施例の方法に準
じてリン酸カルシウム混合物をコンドロイチン硫酸ナト
リウム:コハク酸ナトリウム:水=5:12:83(W/
W) で練ったリン酸カルシウムセメント150mgの被覆
層を施した成型物。比較例3 (特開平4−279520号開示の技術) dlポリ乳酸(重量平均分子量20000)40mgを溶
かし、硫酸ゲンタマイシン20mgと混和し冷却させて固
体とし、乳鉢で砕いた。その後16、28、42メッシ
ュのふるいでふるいわけ、それぞれをリン酸カルシウム
セメント80mgと混和させて、オートグラフAG−50
00Aで加重300kgで圧縮させた成型物。
【0022】(2)結果 結果を図1に示す。図1において、縦軸はゲンタマイシ
ンの放出率(%)を示し、横軸は時間(日)を示す。図
1から明らかな如く、本発明によって得られた骨内部埋
め込み用製剤は、比較例に較べて、明らかな徐放化が見
られ、従来の技術に比べ、より緩やかな放出速度で、従
来技術に比して2倍以上の時間において、安定した薬物
の放出を見ることができた。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】硫酸ゲンタマイシンの放出率を示す。縦軸はゲ
ンタマイシンの放出率(%)を示し、横軸は時間(日)
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/545 9454−4C 31/65 9454−4C 31/71 9454−4C 47/30 B A61L 27/00 J C08K 3/00 KJQ 5/00 KJT C08L 67/04 LPK

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬物、高分子物質、人工骨成分のいずれ
    か1種または数種からなる骨内部用埋め込み剤におい
    て、薬物と高分子物質を圧縮した成型物、または溶融し
    た後、必要により人工骨成分を混合し固化した成型物
    に、更に人工骨成分による被覆層を設けることを特徴と
    する薬物を含有する骨内部埋め込み用製剤。
  2. 【請求項2】 薬物が抗生物質または抗ガン剤である請
    求項1記載の骨内部埋め込み用製剤。
  3. 【請求項3】 抗生物質が、ゲンタマイシン、ジベカシ
    ン、トプラマイシン、アミカシン、カネンドマイシン、
    リビドマイシン、シソマイシン、フラジオマイシン、ア
    ンピシリン、ピペラシリン、チカルシリン、塩酸テトラ
    サイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、セファロチ
    ン、セファロリジン、セファゾリン、セフォチアム、セ
    フォペラゾン、アズスレオナム、ヴァンコマイシン、ア
    ルベカシン、リファンピシンから選択された1種または
    2種以上の抗生物質である請求項1または2記載の骨内
    部埋め込み用製剤。
  4. 【請求項4】 高分子物質が生体内分解性高分子物質で
    ある請求項1記載の骨内部埋め込み用製剤。
  5. 【請求項5】 高分子物質がポリ乳酸,ポリグリコール
    酸,ポリ−α−シアノアクリル酸エステル,ポリ−β−
    ヒドロキシ酪酸,ポリオルソエステル,ポリアミノ酸,
    ゼラチン,コラーゲン,コンドロイチン硫酸,ヒアルロ
    ン酸,アルブミンから選択された1種または2種以上の
    混合物あるいは共重合物である請求項1記載の骨内部埋
    め込み用製剤。
  6. 【請求項6】 高分子物質がポリ乳酸または乳酸・グリ
    コール酸コポリマーである請求項1記載の骨内部埋め込
    み用製剤。
  7. 【請求項7】 人工骨成分が第2リン酸カルシウム、第
    3リン酸カルシウム、第4リン酸カルシウム、ハイドロ
    キシアパタイトから選択された1種または数種の人工骨
    成分である請求項1記載の骨内部埋め込み用製剤。
  8. 【請求項8】 人工骨成分が、第2リン酸カルシウム、
    α−第3リン酸カルシウム及び第4リン酸カルシウムの
    混合物である請求項1記載の骨内部埋め込み用製剤。
  9. 【請求項9】 人工骨成分が、第2リン酸カルシウム、
    α−第3リン酸カルシウム及び第4リン酸カルシウムの
    混合物を水で練ることにより硬化させたものからなる請
    求項1記載の骨内部埋め込み用製剤。
  10. 【請求項10】 薬物を含有する骨内部用埋め込み剤を
    製造する際、薬物と高分子物質を混合し、圧縮若しくは
    溶融固化せしめて成型物とした後、これを必要に応じて
    顆粒状に解砕し、次いでこれに人工骨成分を混合し、更
    に圧縮成型し、この固化した成型物を人工骨成分で被覆
    することを特徴とする薬物を含有する骨内部埋め込み用
    製剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 高分子物質が請求項5記載の高分子物
    質である請求項10記載の骨内部埋め込み用製剤の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 高分子物質がポリ乳酸である請求項1
    0記載の骨内部埋め込み用製剤の製造方法。
  13. 【請求項13】 薬物が請求項3記載の抗生物質である
    請求項10記載の骨内部埋め込み用製剤の製造方法。
  14. 【請求項14】 人工骨成分が請求項7記載の人工骨成
    分である請求項10記載の骨内部埋め込み用製剤の製造
    方法。
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