JPH0714958Y2 - 加圧水型原子炉燃料集合体用上部ノズル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、加圧水型原子炉用燃料集合体における上部ノ
ズルの構造の改良に関するものである。

［従来の技術］ 加圧水型原子炉の長期サイクル運転時における高燃焼度
では燃料集合体の伸びが問題となる。この問題の解決に
は、燃料集合体の全長を短くすれば良い。しかし単に短
くすると、内挿物を変更しなければならない。

内挿物は第２図（（イ）は上面図、（ロ）は側面図）に
示すもので、第３図のように上部ノズルと嵌合して用い
られる。両図において１は上部ノズル、３は内挿物、４
は内挿物の板、５は制御棒案内管、６はスプリング、７
はプラグロッドである。

上記のとおり、内挿物３は上部ノズル１と嵌合し、運転
中に制御棒案内管５をふさぐ役目を果たしている。しか
し、燃料集合体の全長を短くすると、現在の内挿物で
は、内挿物の高さが下がってしまう。

そもそも内挿物を押さえる力は、スプリング６を炉心の
上部炉心板で押さえることにより発生させるので、燃料
集合体全長が短くなるとスプリングの押さえしろが短く
なるため、押さえる力が小さくなる。

そこで第４図のように、プレート部２の厚みt₀を厚くし
て、炉心下面から内挿物が嵌合する面までの高さＨを高
くすると、上部ノズルの内のり高さｄが小さくなるの
で、従来の取扱い治具で燃料を掴み吊り下げることがで
きなくなるという問題が生じる。また、ｄを確保するた
めフック部８の厚さＴを小さくすることは吊り下げた時
の上部ノズルの強度が小さくなることを意味する。

［考案が解決しようとする問題点］ 加圧水型原子炉用燃料集合体として従来からの内挿物や
燃料取扱い治具などがそのまま使用できるように燃料集
合体の全長を短くできないかということである。

［問題点を解決するための手段］ 加圧水型原子炉用燃料集合体において、上部ノズルのプ
レート部の内挿物と嵌合する部分即ち該プレート部中央
部分の板厚をプレート部の他の部分の板厚より厚くした
構造の上部ノズルを用いることにした。

［作用］ 上記のような問題点解決手段を講じた上部ノズルは、内
挿物取扱い治具が従来のままで使用でき、かつ、燃料集
合体の吊り下げ強度も小さくならない。

［実施例］ 第１図は本考案に係る加圧水型原子炉用燃料集合体の上
部ノズルの実施例である。

１は上部ノズル、２はプレート部、t₀は従来のままの板
厚，t₁はプレート部の中央部の板厚で、t₁＞t₀にしてい
る。板厚の変化する部分は滑らかにして、応力の集中し
ない構造にしている。

板厚を大とするのは、嵌合する部分を基本とするが、そ
れより若干大としても、また小としても、その効果は変
わらない。

なお、作り方としては、機械加工と溶接であるが、鋳物
で製作することも可能である。

［考案の効果］ 本考案の上部ノズルの改良により、 （１）燃料集合体の全長を短くすることができると共
に、現在計画されている燃料の高燃焼度化に対応でき
る。

（２）燃料集合体の全長を短くしても、内挿物および燃
料取扱い治具が従来のままで使用できる。

（３）燃料吊り下げ時の応力の高くなる中心部の応力を
緩和できる。

等の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の上部ノズル説明図、第２図は内挿物の
説明図（（イ）は上面図、（ロ）は側面図）、第３図は
内挿物が上部ノズルに挿入された説明図、第４図は従来
の上部ノズルの説明図である。 １……上部ノズル、２………プレート部、３……内挿
物、４……（内挿物の）板、５……制御棒案内管、６…
…スプリング、７……プラグロッド、８……フック部、
t₀……プレート部の板厚、t₁……プレート中央部の板
厚、Ｔ……フック部厚さ、ｄ……上部ノズル内のり高
さ、Ｈ……炉心下面から内挿物が嵌合する面までの高
さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】加圧水型原子炉燃料集合体用上部ノズルの
   プレート部が内挿物と嵌合する該プレート部中央部分の
   板厚をプレート部の他の部分の板厚より厚くした構造を
   特徴とする加圧水型原子炉燃料集合体用上部ノズル。