JPH07131240A - アレーアンテナ給電方法および円形配列アレーアンテナ - Google Patents
アレーアンテナ給電方法および円形配列アレーアンテナInfo
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- JPH07131240A JPH07131240A JP27083993A JP27083993A JPH07131240A JP H07131240 A JPH07131240 A JP H07131240A JP 27083993 A JP27083993 A JP 27083993A JP 27083993 A JP27083993 A JP 27083993A JP H07131240 A JPH07131240 A JP H07131240A
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- antenna elements
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Abstract
(57)【要約】
【目的】円錐ビームの方向θ0をより大きく設定するこ
とが可能で、円錐ビームの利得を大きくする。 【構成】アンテナ素子の素子数をN個(ただし、Nは2
以上の整数)備え、当該アンテナ素子を、円形上に等間
隔に配置した円形配列アレーアンテナにおける給電方法
であって、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Rad.)
(ただし、mは2以上の整数)になるように(ただし、
前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ(Rad.)(た
だし、pは自然数)にする場合を除く)、前記アンテナ
素子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前記ア
ンテナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれずらし
て等電力で給電する。
とが可能で、円錐ビームの利得を大きくする。 【構成】アンテナ素子の素子数をN個(ただし、Nは2
以上の整数)備え、当該アンテナ素子を、円形上に等間
隔に配置した円形配列アレーアンテナにおける給電方法
であって、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Rad.)
(ただし、mは2以上の整数)になるように(ただし、
前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ(Rad.)(た
だし、pは自然数)にする場合を除く)、前記アンテナ
素子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前記ア
ンテナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれずらし
て等電力で給電する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、円形配列アレーアンテ
ナの給電方法に関するものである。
ナの給電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、赤道上空の静止衛星との通信に用
いられるアンテナとして、例えば、円錐ビームを形成す
るアレーアンテナが知られている。この円錐ビームアン
テナについては、特公平1−20802号公報に示され
ている技術がある。該従来例における円形配列アレーア
ンテナを図2により説明する。
いられるアンテナとして、例えば、円錐ビームを形成す
るアレーアンテナが知られている。この円錐ビームアン
テナについては、特公平1−20802号公報に示され
ている技術がある。該従来例における円形配列アレーア
ンテナを図2により説明する。
【0003】図2は、アンテナ素子6素子で構成する円
形配列アレーアンテナを表している。円形配列アレーア
ンテナのビームパターンは、図2に示すように、天頂に
対して利得をもたない円錐ビームを形成しており、船舶
の移動にかかわらず無追尾の状態で通信を可能にしてい
る。ここで、円形配列アレーを構成する平面に垂直で、
円形配列の中心点を通る鉛直軸からの傾きを示すθを天
頂角とし、θ0を円錐ビームの方向、rを円形配列の半
径、nはアンテナ素子番号で1からNまでの整数、φn
(Rad.)を基準アンテナ素子A1と、基準アンテナ素子
A1から数えてn番目のアンテナ素子Anが、円形配列の
配列中心Oとなす角度φをアレーアンテナの構成されて
いる平面内の方位角とする。
形配列アレーアンテナを表している。円形配列アレーア
ンテナのビームパターンは、図2に示すように、天頂に
対して利得をもたない円錐ビームを形成しており、船舶
の移動にかかわらず無追尾の状態で通信を可能にしてい
る。ここで、円形配列アレーを構成する平面に垂直で、
円形配列の中心点を通る鉛直軸からの傾きを示すθを天
頂角とし、θ0を円錐ビームの方向、rを円形配列の半
径、nはアンテナ素子番号で1からNまでの整数、φn
(Rad.)を基準アンテナ素子A1と、基準アンテナ素子
A1から数えてn番目のアンテナ素子Anが、円形配列の
配列中心Oとなす角度φをアレーアンテナの構成されて
いる平面内の方位角とする。
【0004】ところで、第1の平面に垂直に交わる第2
の平面上の電磁界の大きさがゼロになるようにする場
合、2素子のアンテナ素子を用い、その2素子を前記第
2の平面に対して対称の位置に配置し、各素子に給電す
る給電位相をそれぞれ逆相、つまり、π(Rad.)ずらして
給電すれば良いことが知られている。このように給電し
た場合、それぞれのアンテナ素子から同じ距離だけ離れ
た場所では、それぞれ2素子のアンテナ素子から放射さ
れた電磁界のベクトルの大きさは等しく、ベクトルの向
きはちょうど逆向きとなり、そこでの2素子のアンテナ
素子の放射する電磁界の作る合成電磁界は相殺される。
の平面上の電磁界の大きさがゼロになるようにする場
合、2素子のアンテナ素子を用い、その2素子を前記第
2の平面に対して対称の位置に配置し、各素子に給電す
る給電位相をそれぞれ逆相、つまり、π(Rad.)ずらして
給電すれば良いことが知られている。このように給電し
た場合、それぞれのアンテナ素子から同じ距離だけ離れ
た場所では、それぞれ2素子のアンテナ素子から放射さ
れた電磁界のベクトルの大きさは等しく、ベクトルの向
きはちょうど逆向きとなり、そこでの2素子のアンテナ
素子の放射する電磁界の作る合成電磁界は相殺される。
【0005】そこで、上記従来技術では、天頂に対して
利得をもたないようにするために、図2に示すように、
その2つのアンテナ素子の中心点を結んだ直線上にあ
る、それぞれのアンテナ素子からの等距離の点Oを円形
配列の中心となるようにし、各アンテナ素子に対する給
電位相は、円形配列の中心Oを挟んで対称に位置する2
素子に対しては逆相に給電している。また、6つのアン
テナ素子を、点Oを中心とする円周上に60度ずつ角度
間隔をおいて配置し、隣合うアンテナ素子に対する給電
位相差はそれぞれ一定になるように、π/3(Rad.)ずつ
給電位相差を付けて給電し、一周で2π(Rad.)の給電位
相差が付くようにしている。このようにアンテナ素子を
配置して給電位相を決めると、各アンテナ素子が放射す
る電磁波の作る合成電磁界は、各アンテナ素子からの等
距離の点、すなわち、配列中心Oを通る鉛直軸上でのベ
クトルの向きは互いに相殺されて円錐ビームを構成す
る。このとき、円周方向の一様性は、円形配列素子の素
子数で決まる。また、円錐ビームの方向θ0は、円形配
列の半径rで決まる。円形配列の半径rを大きくすれ
ば、円錐ビームの方向θ0は小さくなり、円錐ビームの
強さを示す利得は大きくなる。また、円形配列の半径r
を小さくすれば、円錐ビームの方向θ0は大きくなり、
円錐ビームの強さを示す利得は小さくなる。このよう
に、アレー半径rを変化させると円錐ビームの方向θ0
とその利得とが一意的に決まってしまう。
利得をもたないようにするために、図2に示すように、
その2つのアンテナ素子の中心点を結んだ直線上にあ
る、それぞれのアンテナ素子からの等距離の点Oを円形
配列の中心となるようにし、各アンテナ素子に対する給
電位相は、円形配列の中心Oを挟んで対称に位置する2
素子に対しては逆相に給電している。また、6つのアン
テナ素子を、点Oを中心とする円周上に60度ずつ角度
間隔をおいて配置し、隣合うアンテナ素子に対する給電
位相差はそれぞれ一定になるように、π/3(Rad.)ずつ
給電位相差を付けて給電し、一周で2π(Rad.)の給電位
相差が付くようにしている。このようにアンテナ素子を
配置して給電位相を決めると、各アンテナ素子が放射す
る電磁波の作る合成電磁界は、各アンテナ素子からの等
距離の点、すなわち、配列中心Oを通る鉛直軸上でのベ
クトルの向きは互いに相殺されて円錐ビームを構成す
る。このとき、円周方向の一様性は、円形配列素子の素
子数で決まる。また、円錐ビームの方向θ0は、円形配
列の半径rで決まる。円形配列の半径rを大きくすれ
ば、円錐ビームの方向θ0は小さくなり、円錐ビームの
強さを示す利得は大きくなる。また、円形配列の半径r
を小さくすれば、円錐ビームの方向θ0は大きくなり、
円錐ビームの強さを示す利得は小さくなる。このよう
に、アレー半径rを変化させると円錐ビームの方向θ0
とその利得とが一意的に決まってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の円
形配列アレーアンテナを、赤道上空の静止衛星との通信
に用いる場合、高緯度地方では静止衛星を見込む天頂角
は大きくなるため、円錐ビームの方向θ0が大きくなる
ように配列半径rを決定しなければならない。しかし、
θ0を大きくするとビームの強さを示す利得は小さくな
ってしまい、赤道上空の静止衛星との通信ができなくな
るという問題が生じる。さらに、従来の構成では、半径
rを小さくしても、このθ0は利得が小さくなりすぎる
ために35度ぐらいまでしか調整できず、θ0をさらに
大きくすることができないという問題がある。
形配列アレーアンテナを、赤道上空の静止衛星との通信
に用いる場合、高緯度地方では静止衛星を見込む天頂角
は大きくなるため、円錐ビームの方向θ0が大きくなる
ように配列半径rを決定しなければならない。しかし、
θ0を大きくするとビームの強さを示す利得は小さくな
ってしまい、赤道上空の静止衛星との通信ができなくな
るという問題が生じる。さらに、従来の構成では、半径
rを小さくしても、このθ0は利得が小さくなりすぎる
ために35度ぐらいまでしか調整できず、θ0をさらに
大きくすることができないという問題がある。
【0007】本発明は、この問題点を解決するために、
円錐ビームの方向θ0をより大きく設定することが可能
な給電方法および円形配列アレーアンテナを提供するこ
とを目的とする。
円錐ビームの方向θ0をより大きく設定することが可能
な給電方法および円形配列アレーアンテナを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも2つ以上のアンテナ素子を、
円形配列した円形配列アレーアンテナにおいて、前記ア
ンテナ素子の各々に給電する給電部を有し、前記給電部
は、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Rad.)(ただ
し、mは2以上の整数)になるように、前記アンテナ素
子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前記アン
テナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれずらす位
相手段を備える。ただし、前記アンテナ素子の素子数を
N個(ただし、Nは2以上の整数)としたときに、前記
位相手段は、前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ
(Rad.)(ただし、pは自然数)にする場合を除く。
に、本発明は、少なくとも2つ以上のアンテナ素子を、
円形配列した円形配列アレーアンテナにおいて、前記ア
ンテナ素子の各々に給電する給電部を有し、前記給電部
は、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Rad.)(ただ
し、mは2以上の整数)になるように、前記アンテナ素
子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前記アン
テナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれずらす位
相手段を備える。ただし、前記アンテナ素子の素子数を
N個(ただし、Nは2以上の整数)としたときに、前記
位相手段は、前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ
(Rad.)(ただし、pは自然数)にする場合を除く。
【0009】また、前記アンテナ素子は、円形上に等間
隔に配置され、前記位相手段は、基準となる1つのアン
テナ素子の給電位相を0としたときに、他のアンテナ素
子と当該基準となるアンテナ素子との円形配列の中心を
挟んだ角度により、前記給電位相差をあらかじめ決定し
ておくことができる。
隔に配置され、前記位相手段は、基準となる1つのアン
テナ素子の給電位相を0としたときに、他のアンテナ素
子と当該基準となるアンテナ素子との円形配列の中心を
挟んだ角度により、前記給電位相差をあらかじめ決定し
ておくことができる。
【0010】また、前記給電部は、電力を出力する給電
回路と、前記アンテナ素子ごとに設けられ、前記アンテ
ナ素子の各々に対しては等電力で給電を行なうように前
記電力を分配する分配器と、前記給電回路に接続され、
前記給電回路から前記分配器の各々に給電するための給
電線路とをさらに備え、前記位相手段は、前記アンテナ
素子間の前記給電線路の長さを変化させることにより、
前記給電位相差を調整することができる。
回路と、前記アンテナ素子ごとに設けられ、前記アンテ
ナ素子の各々に対しては等電力で給電を行なうように前
記電力を分配する分配器と、前記給電回路に接続され、
前記給電回路から前記分配器の各々に給電するための給
電線路とをさらに備え、前記位相手段は、前記アンテナ
素子間の前記給電線路の長さを変化させることにより、
前記給電位相差を調整することができる。
【0011】前記給電線路は、複数系統設けられ、前記
給電回路にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
給電回路にそれぞれ接続されるようにしてもよい。
【0012】前記アンテナ素子は、ヘリカルアンテナと
パッチアンテナとのうちいずれかで構成し、前記位相手
段は、前記アンテナ素子への給電点の位置を変えること
により、前記給電位相差を調整することができる。
パッチアンテナとのうちいずれかで構成し、前記位相手
段は、前記アンテナ素子への給電点の位置を変えること
により、前記給電位相差を調整することができる。
【0013】アンテナ素子の素子数をN個(ただし、N
は2以上の整数)備え、当該アンテナ素子を、円形上に
等間隔に配置した円形配列アレーアンテナにおける給電
方法として、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Ra
d.)(ただし、mは2以上の整数)になるように(ただ
し、前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ(Rad.)
(ただし、pは自然数)にする場合を除く)、前記アン
テナ素子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前
記アンテナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれず
らして等電力で給電することにより、本発明の目的を達
成することができる。
は2以上の整数)備え、当該アンテナ素子を、円形上に
等間隔に配置した円形配列アレーアンテナにおける給電
方法として、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Ra
d.)(ただし、mは2以上の整数)になるように(ただ
し、前記円形の一周の給電位相差を、2pNπ(Rad.)
(ただし、pは自然数)にする場合を除く)、前記アン
テナ素子の各々の前記円形上の配置位置に基づいて、前
記アンテナ素子の各々に給電する給電位相をそれぞれず
らして等電力で給電することにより、本発明の目的を達
成することができる。
【0014】
【作用】本発明は、上記したように構成するが、このよ
うな場合の作用を以下に示す。
うな場合の作用を以下に示す。
【0015】給電部の位相手段は、前記円形の一周で給
電位相差が2mπ(Rad.)(ただし、mは2以上の整数)
になるように、前記アンテナ素子の各々の前記円形上の
配置位置に基づいて、前記アンテナ素子の各々に給電す
る給電位相をそれぞれずらす。これは、円形に配列され
たアンテナ素子に対して、次の数1式で表されるよう
に、基準となるアンテナ素子A1とn番目のアンテナ素
子An(ただし、アンテナ素子数をN(ただし、Nは2
以上の整数)個としたときに、nは、1からNまでの整
数で、アンテナ素子番号を示す)とが、円形配列の中心
Oに対して作る角度φnのm(ただし、mは2以上の整
数を表す)倍の給電位相ψnとすることである。
電位相差が2mπ(Rad.)(ただし、mは2以上の整数)
になるように、前記アンテナ素子の各々の前記円形上の
配置位置に基づいて、前記アンテナ素子の各々に給電す
る給電位相をそれぞれずらす。これは、円形に配列され
たアンテナ素子に対して、次の数1式で表されるよう
に、基準となるアンテナ素子A1とn番目のアンテナ素
子An(ただし、アンテナ素子数をN(ただし、Nは2
以上の整数)個としたときに、nは、1からNまでの整
数で、アンテナ素子番号を示す)とが、円形配列の中心
Oに対して作る角度φnのm(ただし、mは2以上の整
数を表す)倍の給電位相ψnとすることである。
【0016】
【数1】ψn=m×φn ・・・・・・・・(1) このとき、まず、円形に等間隔に配列されたアンテナ素
子に対して給電位相を1周で2mπ(Rad.)、つまりNを
アンテナ素子の総数として、隣あうアンテナ素子ごとに
2mπ/N(Rad.)の給電位相差で給電した場合の指向特
性を求める。この場合、円形配列アレーの中心Oに対し
て対称に位置するアンテナ素子は、必ずしも逆相に給電
されない。例えば、m=2の場合、1周で4π(Rad.)と
なり、円形配列の配列中心Oに対して対称に位置するア
ンテナ素子への給電位相差は2π(Rad.)となり逆相給電
とはならない。
子に対して給電位相を1周で2mπ(Rad.)、つまりNを
アンテナ素子の総数として、隣あうアンテナ素子ごとに
2mπ/N(Rad.)の給電位相差で給電した場合の指向特
性を求める。この場合、円形配列アレーの中心Oに対し
て対称に位置するアンテナ素子は、必ずしも逆相に給電
されない。例えば、m=2の場合、1周で4π(Rad.)と
なり、円形配列の配列中心Oに対して対称に位置するア
ンテナ素子への給電位相差は2π(Rad.)となり逆相給電
とはならない。
【0017】以下、このような場合について、図1を用
いてその作用を説明する。図1において、Nはアンテナ
素子の総数、nは、アンテナ素子番号であり、1からN
までの整数を示す。A1からANまでのアンテナ素子が円
形に等間隔に配置されている。rは配列半径、Oは配列
中心、ψnはn番目のアンテナ素子に対する給電位相、
φnはn番目のアンテナ素子Anの基準アンテナ素子A1
からの配列中心Oを挟んだ角度を示す。図1において
は、N個のアンテナ素子A1からANを半径をrとして等
間隔に円形に配列し、各アンテナ素子に対しては数1式
に従って給電位相を決めている。すなわち、アンテナ素
子Anに対する給電位相は、基準アンテナ素子A1と円形
配列の中心Oが挟む角度φnのmを自然数としてm倍で
給電する。図1に示すようにアンテナ素子が等間隔に円
周上に配列されていた場合、アレーアンテナの指向特性
を表す式F(θ,φ)は、アンテナ素子の指向特性を表
す式g(θ,φ)とアンテナ素子の空間配置、給電振
幅、および、給電位相の効果を含む項を表すアレーファ
クターf(θ,φ)を用いて次の数2式で表される。
いてその作用を説明する。図1において、Nはアンテナ
素子の総数、nは、アンテナ素子番号であり、1からN
までの整数を示す。A1からANまでのアンテナ素子が円
形に等間隔に配置されている。rは配列半径、Oは配列
中心、ψnはn番目のアンテナ素子に対する給電位相、
φnはn番目のアンテナ素子Anの基準アンテナ素子A1
からの配列中心Oを挟んだ角度を示す。図1において
は、N個のアンテナ素子A1からANを半径をrとして等
間隔に円形に配列し、各アンテナ素子に対しては数1式
に従って給電位相を決めている。すなわち、アンテナ素
子Anに対する給電位相は、基準アンテナ素子A1と円形
配列の中心Oが挟む角度φnのmを自然数としてm倍で
給電する。図1に示すようにアンテナ素子が等間隔に円
周上に配列されていた場合、アレーアンテナの指向特性
を表す式F(θ,φ)は、アンテナ素子の指向特性を表
す式g(θ,φ)とアンテナ素子の空間配置、給電振
幅、および、給電位相の効果を含む項を表すアレーファ
クターf(θ,φ)を用いて次の数2式で表される。
【0018】
【数2】 F(θ,φ)=g(θ,φ)・|f(θ,φ)|……(2) 但し、以下の数3および数4式で表せる。
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】上記数3式からアンテナ素子が有限個であ
ることに起因する円周方向の非一様性を無くして数3式
を簡単化するために、アンテナ素子数Nを無限大まで拡
張する。これは、数3式の級数項を積分することによ
り、アレーファクターは次の数5式のように求められ
る。
ることに起因する円周方向の非一様性を無くして数3式
を簡単化するために、アンテナ素子数Nを無限大まで拡
張する。これは、数3式の級数項を積分することによ
り、アレーファクターは次の数5式のように求められ
る。
【0022】
【数5】
【0023】ただし、uは数6に示すように表すことが
できる。
できる。
【0024】
【数6】
【0025】また、k0は自由空間波数、Cは比例定
数、θは天頂角、φは方位角、mは自然数である。
数、θは天頂角、φは方位角、mは自然数である。
【0026】従って、アンテナ素子数を無限大にしたと
きにはアレーファクターは数5式のようにm次のベッセ
ル関数に収束する。すなわち、円形配列アレーによって
円錐ビームを形成する場合、その限界は数5式で表され
る。つまり、数5式に示されるように、配列中心Oに対
して対称に位置する2素子に対する給電位相差が逆相で
なくても、円形配列アレーならば天頂に対して電波を放
射しない円錐ビームを形成することができることがわか
る。ここで、ベッセル関数の次数mは円形に配列された
アンテナ素子に図1に示すように一周で給電位相差が2
mπ(Rad.)になるようにすることに対応している。
きにはアレーファクターは数5式のようにm次のベッセ
ル関数に収束する。すなわち、円形配列アレーによって
円錐ビームを形成する場合、その限界は数5式で表され
る。つまり、数5式に示されるように、配列中心Oに対
して対称に位置する2素子に対する給電位相差が逆相で
なくても、円形配列アレーならば天頂に対して電波を放
射しない円錐ビームを形成することができることがわか
る。ここで、ベッセル関数の次数mは円形に配列された
アンテナ素子に図1に示すように一周で給電位相差が2
mπ(Rad.)になるようにすることに対応している。
【0027】次に、具体的に、天頂方向に対して利得を
持たないような円錐ビームが形成されていることを天頂
方向のアレーファクターを用いて示す。この場合、天頂
方向は、θ=0であり、そのときのアレーファクターが
0の場合に、天頂方向に対して利得を持たないことを示
している。
持たないような円錐ビームが形成されていることを天頂
方向のアレーファクターを用いて示す。この場合、天頂
方向は、θ=0であり、そのときのアレーファクターが
0の場合に、天頂方向に対して利得を持たないことを示
している。
【0028】前述と同様に、一周で2mπ(Rad.)の給電
位相差が付くように円形配列アレーの各アンテナ素子に
対して給電する場合を考える。この場合、まず、従来の
ように、円形配列の中心Oに対して対称に位置する2つ
のアンテナ素子におけるアレーファクターを考えてみ
る。2つのアンテナ素子に対する給電位相は、初期給電
位相をδ(Rad.)とすると、δ(Rad.)、δ+mπ(Rad.)
となる。この2素子が作る天頂方向のアレーファクター
をθ=0とし、φについての項を消して(φは、この場
合考慮しないため)、f(0)を計算すると、数7式の
ようになる。
位相差が付くように円形配列アレーの各アンテナ素子に
対して給電する場合を考える。この場合、まず、従来の
ように、円形配列の中心Oに対して対称に位置する2つ
のアンテナ素子におけるアレーファクターを考えてみ
る。2つのアンテナ素子に対する給電位相は、初期給電
位相をδ(Rad.)とすると、δ(Rad.)、δ+mπ(Rad.)
となる。この2素子が作る天頂方向のアレーファクター
をθ=0とし、φについての項を消して(φは、この場
合考慮しないため)、f(0)を計算すると、数7式の
ようになる。
【0029】
【数7】
【0030】数7式をみてみると、mが奇数の場合、つ
まり、円形配列アレーに対する給電位相が一周で2π、
6π、10π(Rad.)等の場合はexp(jmπ)は−1となる
ので天頂方向のアレーファクターは必ず0になるが、m
が偶数の場合、つまり、円形配列アレーに対する給電位
相が一周で4π、8π、12π(Rad.)等の場合はexp(jm
π)は1となり、天頂方向のアレーファクターは0には
ならない。すなわち、天頂方向に対して利得を持ってし
まい、円錐ビームとはならない。しかし、本発明におい
ては、中心Oに対して対称に位置する2つのアンテナ素
子だけでなく、アレーアンテナとして用いるすべてのア
ンテナ素子から放射する電界により天頂方向の利得をな
くすようにしている。
まり、円形配列アレーに対する給電位相が一周で2π、
6π、10π(Rad.)等の場合はexp(jmπ)は−1となる
ので天頂方向のアレーファクターは必ず0になるが、m
が偶数の場合、つまり、円形配列アレーに対する給電位
相が一周で4π、8π、12π(Rad.)等の場合はexp(jm
π)は1となり、天頂方向のアレーファクターは0には
ならない。すなわち、天頂方向に対して利得を持ってし
まい、円錐ビームとはならない。しかし、本発明におい
ては、中心Oに対して対称に位置する2つのアンテナ素
子だけでなく、アレーアンテナとして用いるすべてのア
ンテナ素子から放射する電界により天頂方向の利得をな
くすようにしている。
【0031】図3を参照してこのことを説明する。図3
に示すような実線で示している4つの互いに直交してい
るアンテナ素子を用いて、現在考えている2素子に加え
て、その2素子に直交する別の2素子のアンテナ素子を
合わせて全部で4素子のアンテナ素子を考える。上記と
同様に、円形配列に対して一周で2mπ(Rad.)の給電位
相差を付けた場合、円形配列の中心に対して対称に位置
する2つのアンテナ素子の給電位相差はmπ(Rad.)にな
るが、4つのアンテナ素子に対する給電位相は、初期給
電位相をδ(Rad.)とすると、δ(Rad.)、δ+mπ/2
(Rad.)、δ+mπ(Rad.)、δ+3mπ/2(Rad.)とな
る。天頂方向のアレーファクターをθ=0とし、φにつ
いての項を消して(φは、この場合考慮しないため)、
f(0)を計算すると、数8式に示すようになる。
に示すような実線で示している4つの互いに直交してい
るアンテナ素子を用いて、現在考えている2素子に加え
て、その2素子に直交する別の2素子のアンテナ素子を
合わせて全部で4素子のアンテナ素子を考える。上記と
同様に、円形配列に対して一周で2mπ(Rad.)の給電位
相差を付けた場合、円形配列の中心に対して対称に位置
する2つのアンテナ素子の給電位相差はmπ(Rad.)にな
るが、4つのアンテナ素子に対する給電位相は、初期給
電位相をδ(Rad.)とすると、δ(Rad.)、δ+mπ/2
(Rad.)、δ+mπ(Rad.)、δ+3mπ/2(Rad.)とな
る。天頂方向のアレーファクターをθ=0とし、φにつ
いての項を消して(φは、この場合考慮しないため)、
f(0)を計算すると、数8式に示すようになる。
【0032】
【数8】
【0033】このようにして、mが奇数の場合、天頂方
向に対して利得を持たない指向特性が得られることが示
せる。
向に対して利得を持たない指向特性が得られることが示
せる。
【0034】ただし、以下に述べるような理由から、ア
ンテナ素子数をN個とすると、2mπ(Rad.)が一周で2
pNπ(Rad.)(ただし、pは自然数)で給電する場合は
除く。
ンテナ素子数をN個とすると、2mπ(Rad.)が一周で2
pNπ(Rad.)(ただし、pは自然数)で給電する場合は
除く。
【0035】まず、mが偶数の場合を考える。m=2
m’(m’は自然数)とすると、お互いに直交する4つ
のアンテナ素子の天頂方向に作る指向特性のアレーファ
クターf(0)は次の数9式のようになる。
m’(m’は自然数)とすると、お互いに直交する4つ
のアンテナ素子の天頂方向に作る指向特性のアレーファ
クターf(0)は次の数9式のようになる。
【0036】
【数9】
【0037】数9式をみてみると、m’が奇数の場合、
円形配列アレーに対する給電位相が一周で4π、12
π、20π(Rad.)等の場合はexp(jm'π)は−1となるの
で天頂方向のアレーファクターは必ず0になる。また、
m’が偶数の場合、つまり、mが4の倍数の場合は、円
形配列アレーに対する給電位相が一周で8π、16π、
24π(Rad.)等の場合はexp(jm'π)は1となり、天頂方
向のアレーファクターは0にはならない。これは、例え
ば、4素子のアンテナ素子を円形に並べた場合、一周で
8π(Rad.)の給電位相差がつくように給電を行うと、各
アンテナ素子の給電位相差は2π(Rad.)となり同相給電
となってしまい、アレーアンテナの天頂方向に対して電
波を放射し、利得を持ってしまうことを意味する。すな
わち、アンテナ素子数をN個とすると、一周で2pNπ
(Rad.)で給電する場合、アンテナ素子数Nを無限大にし
て取れば理論上は上記数5式のように示せても実際のア
ンテナ素子数Nは有限個なので、2pNπ(Rad.)で給電
すると各アンテナ素子間の給電位相差は同相となりアレ
ーアンテナの天頂方向に対して電波を放射してしまい、
利得を持ってしまう。これは、m=pNであるときを除
くことを意味する。
円形配列アレーに対する給電位相が一周で4π、12
π、20π(Rad.)等の場合はexp(jm'π)は−1となるの
で天頂方向のアレーファクターは必ず0になる。また、
m’が偶数の場合、つまり、mが4の倍数の場合は、円
形配列アレーに対する給電位相が一周で8π、16π、
24π(Rad.)等の場合はexp(jm'π)は1となり、天頂方
向のアレーファクターは0にはならない。これは、例え
ば、4素子のアンテナ素子を円形に並べた場合、一周で
8π(Rad.)の給電位相差がつくように給電を行うと、各
アンテナ素子の給電位相差は2π(Rad.)となり同相給電
となってしまい、アレーアンテナの天頂方向に対して電
波を放射し、利得を持ってしまうことを意味する。すな
わち、アンテナ素子数をN個とすると、一周で2pNπ
(Rad.)で給電する場合、アンテナ素子数Nを無限大にし
て取れば理論上は上記数5式のように示せても実際のア
ンテナ素子数Nは有限個なので、2pNπ(Rad.)で給電
すると各アンテナ素子間の給電位相差は同相となりアレ
ーアンテナの天頂方向に対して電波を放射してしまい、
利得を持ってしまう。これは、m=pNであるときを除
くことを意味する。
【0038】したがって、アンテナ素子数をN個とし一
周で2pNπ(Rad.)で給電する場合を除いて、一周で2
mπ(Rad.)の給電位相差が付くように各アンテナ素子に
対して給電を行うと円形配列アレーアンテナの場合、必
ず天頂方向に対して電波を放射しない円錐ビームを形成
する指向特性となる。
周で2pNπ(Rad.)で給電する場合を除いて、一周で2
mπ(Rad.)の給電位相差が付くように各アンテナ素子に
対して給電を行うと円形配列アレーアンテナの場合、必
ず天頂方向に対して電波を放射しない円錐ビームを形成
する指向特性となる。
【0039】つぎに、上記数5式および数6式に基づい
て、円錐ビームの方向θ0としたいときに、円形配列の
半径をどのように設定すればよいかを説明する。
て、円錐ビームの方向θ0としたいときに、円形配列の
半径をどのように設定すればよいかを説明する。
【0040】数5式において、φについての項を消す
(φは、この場合考慮しないため)と、数10式に示す
ようになる。
(φは、この場合考慮しないため)と、数10式に示す
ようになる。
【0041】
【数10】
【0042】ここで、f(θ)の値を最も大きくしたい
ときのθをθ0とすると、数10式は数11式のように
なる。
ときのθをθ0とすると、数10式は数11式のように
なる。
【0043】
【数11】
【0044】ここで、数11式が最大になるような半径
rを求めればよいので、数11式を数12式のように書
き直す。
rを求めればよいので、数11式を数12式のように書
き直す。
【0045】
【数12】
【0046】数12式において、最大値を与えるrをも
とめればよい。このため、数12式を微分して、微分係
数が0となるときのrを数13式より求める。
とめればよい。このため、数12式を微分して、微分係
数が0となるときのrを数13式より求める。
【0047】
【数13】
【0048】以上のようにして、円錐ビームの方向θ0
としたいときに、円形配列の半径を求める。
としたいときに、円形配列の半径を求める。
【0049】また、円形配列の半径を求める他の方法と
しては、以下に示すようなシミュレーションにより計算
してもとめる方法がある。
しては、以下に示すようなシミュレーションにより計算
してもとめる方法がある。
【0050】(1)上記数10式に基づいて、rに電波
の波長(ここで、電波の波長をλで示す)で規格化した
値0.5を代入する。
の波長(ここで、電波の波長をλで示す)で規格化した
値0.5を代入する。
【0051】(2)θに、0度から90度までの値を入
れて、関数値fとθとの関係を表すグラフを求める。
れて、関数値fとθとの関係を表すグラフを求める。
【0052】(3)そのときにfが最大となるθ0を求
める。
める。
【0053】(4)θ0とこのときのrの値を記憶して
おく。
おく。
【0054】(5)rの値を少しづつ変えるために、r
=r+0.01などを代入する。
=r+0.01などを代入する。
【0055】(6)上記(2)から(5)を繰返し、θ
0とrの値を複数求めていく。
0とrの値を複数求めていく。
【0056】(7)記録した複数のθ0とrの値から、
θ0とrとの関係を示すグラフを作成する。
θ0とrとの関係を示すグラフを作成する。
【0057】(8)(7)で作成したグラフより、希望
する円錐ビームの方向θ0に対応するrを求める。
する円錐ビームの方向θ0に対応するrを求める。
【0058】このようにして作成したグラフを、図12
(b)に示す。また、利得が大きくなるという効果を示
すために、半径rと最大利得との関係を図12(a)を
示す。図12(a)において、横軸は、円形配列の半
径、縦軸は最大利得を示す。また、図12(b)におい
て、横軸は、円形配列の半径、縦軸は円錐ビームの方向
を示す。また、図12(a)および(b)において、給
電位相を1周で2mπ(Rad.)(ここでは、m=
1,2,3,4,5の場合を示す)で給電したときのそ
れぞれの関係を示している。ここで、給電位相を1周で
2π(Rad.)とした場合は、従来の構成によるもの
である。
(b)に示す。また、利得が大きくなるという効果を示
すために、半径rと最大利得との関係を図12(a)を
示す。図12(a)において、横軸は、円形配列の半
径、縦軸は最大利得を示す。また、図12(b)におい
て、横軸は、円形配列の半径、縦軸は円錐ビームの方向
を示す。また、図12(a)および(b)において、給
電位相を1周で2mπ(Rad.)(ここでは、m=
1,2,3,4,5の場合を示す)で給電したときのそ
れぞれの関係を示している。ここで、給電位相を1周で
2π(Rad.)とした場合は、従来の構成によるもの
である。
【0059】図12(b)に示すように、従来の構成で
は、半径が0.5λ〜1.5λの間では、円錐ビームの
方向θ0については、10度ぐらいから30度ぐらいま
でしか設定できない。本発明では、円形の一周で給電位
相差が2mπ(Rad.)(ただし、mは2以上の整数)にな
るように設定するので、図12(b)に示すように、円
形の一周で給電位相差を、4π、6π、8π、10π(R
ad.)とすることにより円錐ビームの方向θ0をより大き
く設定することが可能となる。
は、半径が0.5λ〜1.5λの間では、円錐ビームの
方向θ0については、10度ぐらいから30度ぐらいま
でしか設定できない。本発明では、円形の一周で給電位
相差が2mπ(Rad.)(ただし、mは2以上の整数)にな
るように設定するので、図12(b)に示すように、円
形の一周で給電位相差を、4π、6π、8π、10π(R
ad.)とすることにより円錐ビームの方向θ0をより大き
く設定することが可能となる。
【0060】さらに、円錐ビームの方向θ0が同じ値の
場合には、円形の一周で給電位相差を、4π、6π、8
π、10π(Rad.)とすることにより最大利得を大きくす
ることができる。例えば、円錐ビームの方向θ0を30
度とすると、図12(b)から給電位相差2πのときに
半径rは0.54λ、4πのときに半径rは0.94
λ、6πのときに半径rは1.3λ、8πおよび10π
のときに半径rは1.5λ以上となる。その時の最大利
得は、図12(a)より、0.54λのときに6.89
(dBi)、0.94λのときに8.81(dBi)、
1.3λのときに9.1(dBi)とそれぞれなる。こ
のように、給電位相を1周で4π、6π、8π、10π
(Rad.)と大きくするに従って特定方向(この場合、天頂
角30度)にビームを向けたときに最大利得も大きくな
る。
場合には、円形の一周で給電位相差を、4π、6π、8
π、10π(Rad.)とすることにより最大利得を大きくす
ることができる。例えば、円錐ビームの方向θ0を30
度とすると、図12(b)から給電位相差2πのときに
半径rは0.54λ、4πのときに半径rは0.94
λ、6πのときに半径rは1.3λ、8πおよび10π
のときに半径rは1.5λ以上となる。その時の最大利
得は、図12(a)より、0.54λのときに6.89
(dBi)、0.94λのときに8.81(dBi)、
1.3λのときに9.1(dBi)とそれぞれなる。こ
のように、給電位相を1周で4π、6π、8π、10π
(Rad.)と大きくするに従って特定方向(この場合、天頂
角30度)にビームを向けたときに最大利得も大きくな
る。
【0061】これにより、円錐ビームの方向θ0が大き
くなると、電波の強さが小さくなるという問題点を解決
することが可能となる。
くなると、電波の強さが小さくなるという問題点を解決
することが可能となる。
【0062】また、方位角方向に対して、一様に電波を
放射させるためには、アンテナ素子数は多ければ多いほ
どよい。
放射させるためには、アンテナ素子数は多ければ多いほ
どよい。
【0063】
【実施例】以下、本発明を適用した場合の具体的なアン
テナ素子に対する給電方法の例を図4から図9を参照し
て説明する。
テナ素子に対する給電方法の例を図4から図9を参照し
て説明する。
【0064】本実施例では、円形に等間隔に配列された
アンテナ素子に対して給電位相を1周で2mπ(Rad.)、
つまりNをアンテナ素子の総数として、隣あうアンテナ
素子ごとに2mπ/N(Rad.)の給電位相差で給電する場
合において、m=2として給電位相差を一周で4π(Ra
d.)になるようにした給電方法を示している。すなわ
ち、配列中心Oに対して対称に位置する2素子に対する
給電位相差が360度となるように各アンテナ素子に給
電を行う。
アンテナ素子に対して給電位相を1周で2mπ(Rad.)、
つまりNをアンテナ素子の総数として、隣あうアンテナ
素子ごとに2mπ/N(Rad.)の給電位相差で給電する場
合において、m=2として給電位相差を一周で4π(Ra
d.)になるようにした給電方法を示している。すなわ
ち、配列中心Oに対して対称に位置する2素子に対する
給電位相差が360度となるように各アンテナ素子に給
電を行う。
【0065】図4に、本発明を8素子の円形配列アレー
アンテナに適用した場合のアレーアンテナの構成図を示
す。図4において、1はアンテナ素子であり、複数のア
ンテナ素子が、等間隔になるように配置されている。ア
ンテナ素子としては、パッチアンテナやヘリカルアンテ
ナを利用することができる。給電線路2は、アンテナ素
子に電力を分配するための分配器11を備え、給電回路
10に接続する。給電回路10は、各アンテナ素子に対
して給電をして、各アンテナ素子に対する分岐部分で
は、分配器11により各アンテナ素子に対して同じだけ
の電力を供給するために、給電線路内での損失を考慮し
て不等分配している。分配器11としては、ウィルキン
ソン型などのY型電力分配器や、ハイブリッド回路(3
dB方向性結合器)などを利用すればよい。ハイブリッ
ド回路としては、ブランチライン型、1/4波長分布結
合型、ラットレース型、位相反転型などがある。これら
は、分配する電圧比をそれぞれ設定できるようになって
いるので、給電線路内での損失を考慮して電圧比をあら
かじめ設定しておく。また、この構成では、各アンテナ
素子A1からA8までの給電位相をそれぞれ0から4π(R
ad.)までつける。すなわち、隣合うアンテナ素子の給電
位相差をπ/2(Rad.)ずつずらす必要がある。このため
に、隣あうアンテナ素子に対する給電線路の長さの差を
利用することにより位相差を設けている。この場合、給
電線路内を伝搬する電波の波長、すなわち、管内波長を
λgとすると、隣あうアンテナ素子への給電線路長の差
がλg/4になるようにすれば、給電位相差はπ/2(Ra
d.)となる。
アンテナに適用した場合のアレーアンテナの構成図を示
す。図4において、1はアンテナ素子であり、複数のア
ンテナ素子が、等間隔になるように配置されている。ア
ンテナ素子としては、パッチアンテナやヘリカルアンテ
ナを利用することができる。給電線路2は、アンテナ素
子に電力を分配するための分配器11を備え、給電回路
10に接続する。給電回路10は、各アンテナ素子に対
して給電をして、各アンテナ素子に対する分岐部分で
は、分配器11により各アンテナ素子に対して同じだけ
の電力を供給するために、給電線路内での損失を考慮し
て不等分配している。分配器11としては、ウィルキン
ソン型などのY型電力分配器や、ハイブリッド回路(3
dB方向性結合器)などを利用すればよい。ハイブリッ
ド回路としては、ブランチライン型、1/4波長分布結
合型、ラットレース型、位相反転型などがある。これら
は、分配する電圧比をそれぞれ設定できるようになって
いるので、給電線路内での損失を考慮して電圧比をあら
かじめ設定しておく。また、この構成では、各アンテナ
素子A1からA8までの給電位相をそれぞれ0から4π(R
ad.)までつける。すなわち、隣合うアンテナ素子の給電
位相差をπ/2(Rad.)ずつずらす必要がある。このため
に、隣あうアンテナ素子に対する給電線路の長さの差を
利用することにより位相差を設けている。この場合、給
電線路内を伝搬する電波の波長、すなわち、管内波長を
λgとすると、隣あうアンテナ素子への給電線路長の差
がλg/4になるようにすれば、給電位相差はπ/2(Ra
d.)となる。
【0066】また、図5に、図4と同様に、8素子の円
形配列アレーアンテナに対する別の構成図を示す。図5
において、給電線路3は、給電線路2に対して予め2π
(Rad.)、すなわち、360度の位相差を付けている。図
6に、この時のアレーアンテナの配置を示す。図6に示
すように、各アンテナ素子A1からA4までと、A5から
A8までとの給電位相差をそれぞれ2π(Rad.)まで付
けるだけでよい。また、それぞれのアンテナ素子の給電
位相差と、給電線路2に対する給電線路3の位相差と
は、前述と同様の原理で、給電線路の長さの差を利用す
ればよい。
形配列アレーアンテナに対する別の構成図を示す。図5
において、給電線路3は、給電線路2に対して予め2π
(Rad.)、すなわち、360度の位相差を付けている。図
6に、この時のアレーアンテナの配置を示す。図6に示
すように、各アンテナ素子A1からA4までと、A5から
A8までとの給電位相差をそれぞれ2π(Rad.)まで付
けるだけでよい。また、それぞれのアンテナ素子の給電
位相差と、給電線路2に対する給電線路3の位相差と
は、前述と同様の原理で、給電線路の長さの差を利用す
ればよい。
【0067】また、図7に、図4と同様に、8素子の円
形配列アレーアンテナに対する別の構成図を示す。図7
において、給電線路3は、給電線路2に対して予め2π
(Rad.)の位相差を付けている。図8に、この時の具体的
な給電方法を含めたアレーアンテナの配置を示す。図8
に示すように、アンテナ素子としてヘリカルアンテナ6
を利用している。図8において、4はヘリカルアンテナ
の巻始めの点を示している。ヘリカルアンテナの場合、
その巻始めの角度を変えると給電点の位置が変化して位
相差を変えることができる。すなわち、アンテナ素子ま
での給電線路は等長の線路であっても、そのヘリカルア
ンテナの巻始めの点の位置4、つまり、給電点を360
度変化させることにより、給電位相を2π(Rad.)だけ
変化できることを利用している。このことを利用し、A
1からA4のアンテナ素子に対しては、等長の給電線路2
で給電し、アンテナ素子の給電点の位置をπ/2(Ra
d.)ずつずらして0から2π(Rad.)の給電位相差を付
け、A5からA8のアンテナ素子にたいしては、予め、2
πだけ位相をずらした別の給電線路3を用い、アンテナ
素子に対する給電点をA1からA5と同様に、π/2(Ra
d.)ずつずらして給電を行ない、全体として、一周で4
π(Rad.)の給電位相差を付けている。
形配列アレーアンテナに対する別の構成図を示す。図7
において、給電線路3は、給電線路2に対して予め2π
(Rad.)の位相差を付けている。図8に、この時の具体的
な給電方法を含めたアレーアンテナの配置を示す。図8
に示すように、アンテナ素子としてヘリカルアンテナ6
を利用している。図8において、4はヘリカルアンテナ
の巻始めの点を示している。ヘリカルアンテナの場合、
その巻始めの角度を変えると給電点の位置が変化して位
相差を変えることができる。すなわち、アンテナ素子ま
での給電線路は等長の線路であっても、そのヘリカルア
ンテナの巻始めの点の位置4、つまり、給電点を360
度変化させることにより、給電位相を2π(Rad.)だけ
変化できることを利用している。このことを利用し、A
1からA4のアンテナ素子に対しては、等長の給電線路2
で給電し、アンテナ素子の給電点の位置をπ/2(Ra
d.)ずつずらして0から2π(Rad.)の給電位相差を付
け、A5からA8のアンテナ素子にたいしては、予め、2
πだけ位相をずらした別の給電線路3を用い、アンテナ
素子に対する給電点をA1からA5と同様に、π/2(Ra
d.)ずつずらして給電を行ない、全体として、一周で4
π(Rad.)の給電位相差を付けている。
【0068】図7および図8に示した構成におけるヘリ
カルアンテナの代わりにパッチアンテナ素子を用いても
よい。この場合の16素子の円形配列アレーアンテナに
対する構成図を図13に示す。また、図14に、この時
の具体的な給電方法を含めたアレーアンテナの配置を示
す。図13および図14においては、16素子の円形配
列アレーアンテナに1周で8π(Rad.)の給電位相差を付
けている。図14において、アンテナ素子としてパッチ
アンテナ7を用い、給電点8は、パッチアンテナの給電
点を示している。また、給電線路9は、給電線路2と比
較して予め4πだけ位相差をつけた別の給電線路であ
り、給電線路12は、給電線路2と比較して予め6πだ
け位相差をつけた別の給電線路である。本実施例におい
ては、パッチアンテナの給電点の位置により給電位相を
変化させている。この場合、パッチアンテナの給電点の
位置によって、位相が2πまでは変化させることができ
るので、それ以上の給電位相差をつけるときには前述の
ように給電線路の長さの調整を合わせて行なう。この場
合、給電位相については16素子のパッチアンテナを4
素子ずつのグループに別けて、それぞれのグループに、
給電線路2と比較して予め2π、4π、6π(Rad.)ず
つそれぞれ位相差をつけておき、各グループ内の給電線
路は等長にし、各パッチアンテナ素子の給電点を、図1
3および図14に示すように、90度ずつずらすように
する。これにより、隣あうアンテナ素子の給電位相を9
0度ずつ、1周で8π(Rad.)の給電位相差を付けること
ができる。また、円偏波を発生させる場合には、給電点
8を2つに分け、それぞれの給電点8に対する給電位相
を線路長でλg/4ずらして90度ずらし、さらに、2
つの給電点8を90度ずらした位置に設ければよい。
カルアンテナの代わりにパッチアンテナ素子を用いても
よい。この場合の16素子の円形配列アレーアンテナに
対する構成図を図13に示す。また、図14に、この時
の具体的な給電方法を含めたアレーアンテナの配置を示
す。図13および図14においては、16素子の円形配
列アレーアンテナに1周で8π(Rad.)の給電位相差を付
けている。図14において、アンテナ素子としてパッチ
アンテナ7を用い、給電点8は、パッチアンテナの給電
点を示している。また、給電線路9は、給電線路2と比
較して予め4πだけ位相差をつけた別の給電線路であ
り、給電線路12は、給電線路2と比較して予め6πだ
け位相差をつけた別の給電線路である。本実施例におい
ては、パッチアンテナの給電点の位置により給電位相を
変化させている。この場合、パッチアンテナの給電点の
位置によって、位相が2πまでは変化させることができ
るので、それ以上の給電位相差をつけるときには前述の
ように給電線路の長さの調整を合わせて行なう。この場
合、給電位相については16素子のパッチアンテナを4
素子ずつのグループに別けて、それぞれのグループに、
給電線路2と比較して予め2π、4π、6π(Rad.)ず
つそれぞれ位相差をつけておき、各グループ内の給電線
路は等長にし、各パッチアンテナ素子の給電点を、図1
3および図14に示すように、90度ずつずらすように
する。これにより、隣あうアンテナ素子の給電位相を9
0度ずつ、1周で8π(Rad.)の給電位相差を付けること
ができる。また、円偏波を発生させる場合には、給電点
8を2つに分け、それぞれの給電点8に対する給電位相
を線路長でλg/4ずらして90度ずらし、さらに、2
つの給電点8を90度ずらした位置に設ければよい。
【0069】また、別の実施例として、図9に、固定移
相器を用いた場合の構成図を示す。図9において、固定
移相器5は、各アンテナ素子に対して、前述のようにπ
/2(Rad.)ずつ位相差を付けている。
相器を用いた場合の構成図を示す。図9において、固定
移相器5は、各アンテナ素子に対して、前述のようにπ
/2(Rad.)ずつ位相差を付けている。
【0070】以上述べたように、前述の作用に述べたよ
うな位相差を、線路長や移相器などの移相手段により各
アンテナ素子ごとに設けることにより、円錐ビームを構
成することができる。
うな位相差を、線路長や移相器などの移相手段により各
アンテナ素子ごとに設けることにより、円錐ビームを構
成することができる。
【0071】これらの実施例では、給電線路を模式的に
同一基板上に配置しているが、給電線路だけを別の基板
に構成して多層化してもよい。また、ここまでは、8素
子円形配列アレーに一周で4πの給電位相差を付ける場
合について述べているが、一周で6π(Rad.)、8π(Ra
d.)、10π(Rad.)等でもよい。なお、一周で6π(Ra
d.)、8π(Rad.)、10π(Rad.)の給電位相差を付ける
場合、アンテナ素子数がそれぞれ、3、4、5個の場合
は、作用の項で説明したように、各アンテナ素子は同相
給電となってしまうので、素子数をそれぞれ3、4、5
個以外の数にしなければならない。また、方位角方向の
円錐ビームを一様性をもたせるためには、アンテナ素子
数を多くすればよい。さらに、作用で述べたように、円
錐ビームの方向θ0を、円形配列の半径rを変えること
によって設定する。
同一基板上に配置しているが、給電線路だけを別の基板
に構成して多層化してもよい。また、ここまでは、8素
子円形配列アレーに一周で4πの給電位相差を付ける場
合について述べているが、一周で6π(Rad.)、8π(Ra
d.)、10π(Rad.)等でもよい。なお、一周で6π(Ra
d.)、8π(Rad.)、10π(Rad.)の給電位相差を付ける
場合、アンテナ素子数がそれぞれ、3、4、5個の場合
は、作用の項で説明したように、各アンテナ素子は同相
給電となってしまうので、素子数をそれぞれ3、4、5
個以外の数にしなければならない。また、方位角方向の
円錐ビームを一様性をもたせるためには、アンテナ素子
数を多くすればよい。さらに、作用で述べたように、円
錐ビームの方向θ0を、円形配列の半径rを変えること
によって設定する。
【0072】つぎに、指向特性図を参照して本実施例の
効果を説明する。本実施例を適用した場合のシミュレー
ションによる指向特性図を図11に示し、比較するため
に従来技術を用いた場合のシミュレーションによる指向
特性図を図10に示す。この指向特性図は、作用で述べ
たように、数5式および数6式から求め、アンテナ素子
数を無限大にした場合を示している。図10および図1
1において、縦軸はアンテナから放射される電波の利
得、すなわち電波の強さを表しており、横軸は天頂角を
表している。図10においては、前述した従来技術によ
って、給電位相差2π/1周の位相差で、円形配列の中
心Oを挟んで対称に位置する2素子に対しては逆相に給
電している。この場合、円錐ビームの方向θ0を30度
に向けたときの指向特性を表し、(5)式によってこの
場合の限界性能を示している。この構成のアレーアンテ
ナにおいてはこれよりよい性能の指向特性は得られな
い。この場合、配列半径rは波長で規格化した値で0.
54λとなっており、天頂角θ0が30度における電波
の強さを示す利得は6.89dBiである。また、図1
1は、上記実施例を適用し、給電位相差4π/1周の位
相差で、円錐ビームの方向θ0を30度に向けたときの
指向特性を表し、(5)式によってこの場合の限界性能
を示している。この場合の配列半径rは波長で規格化し
た値で0.94λとなっており、電波の強さを示す利得
は8.81dBiとなる。この2つの図を比べるとわか
るように、本発明を適用した場合の方が、その限界性能
は、従来の技術によって形成された円錐ビームの利得よ
りもよくなっていることがわかる。
効果を説明する。本実施例を適用した場合のシミュレー
ションによる指向特性図を図11に示し、比較するため
に従来技術を用いた場合のシミュレーションによる指向
特性図を図10に示す。この指向特性図は、作用で述べ
たように、数5式および数6式から求め、アンテナ素子
数を無限大にした場合を示している。図10および図1
1において、縦軸はアンテナから放射される電波の利
得、すなわち電波の強さを表しており、横軸は天頂角を
表している。図10においては、前述した従来技術によ
って、給電位相差2π/1周の位相差で、円形配列の中
心Oを挟んで対称に位置する2素子に対しては逆相に給
電している。この場合、円錐ビームの方向θ0を30度
に向けたときの指向特性を表し、(5)式によってこの
場合の限界性能を示している。この構成のアレーアンテ
ナにおいてはこれよりよい性能の指向特性は得られな
い。この場合、配列半径rは波長で規格化した値で0.
54λとなっており、天頂角θ0が30度における電波
の強さを示す利得は6.89dBiである。また、図1
1は、上記実施例を適用し、給電位相差4π/1周の位
相差で、円錐ビームの方向θ0を30度に向けたときの
指向特性を表し、(5)式によってこの場合の限界性能
を示している。この場合の配列半径rは波長で規格化し
た値で0.94λとなっており、電波の強さを示す利得
は8.81dBiとなる。この2つの図を比べるとわか
るように、本発明を適用した場合の方が、その限界性能
は、従来の技術によって形成された円錐ビームの利得よ
りもよくなっていることがわかる。
【0073】以上の説明のように、給電位相を一周で2
π(Rad.)の自然数倍にすると、円錐ビームの方向を示す
同一角度θ0において、その利得を上げることができ
る。具体的には、前述したように、図12において、円
錐ビームの方向θ0を30度にする場合、給電位相を一
周で2πにした場合と、一周で4πにした場合では、そ
の利得は、6.89dBiと8.81dBiとなる。そ
の時の配列半径rは、電波の波長λとすると0.54λ
と0.94λとなる。従って、円錐ビームの方向θ0を
決めた後、その利得を給電方法を円形配列アレー一周で
2mπ(Rad.)とすることによって変えることができる。
また、円形配列の半径を変えることによって、円錐ビー
ムの方向θ0を変化させることができる。すなわち、円
錐ビームの方向θ0が大きくなると、電波の強さが小さ
くなるという問題点を解決することが可能となる。さら
に、本実施例によれば、円錐ビームの方向θ0を、給電
位相を一周で2πにした場合より大きくすることができ
る。
π(Rad.)の自然数倍にすると、円錐ビームの方向を示す
同一角度θ0において、その利得を上げることができ
る。具体的には、前述したように、図12において、円
錐ビームの方向θ0を30度にする場合、給電位相を一
周で2πにした場合と、一周で4πにした場合では、そ
の利得は、6.89dBiと8.81dBiとなる。そ
の時の配列半径rは、電波の波長λとすると0.54λ
と0.94λとなる。従って、円錐ビームの方向θ0を
決めた後、その利得を給電方法を円形配列アレー一周で
2mπ(Rad.)とすることによって変えることができる。
また、円形配列の半径を変えることによって、円錐ビー
ムの方向θ0を変化させることができる。すなわち、円
錐ビームの方向θ0が大きくなると、電波の強さが小さ
くなるという問題点を解決することが可能となる。さら
に、本実施例によれば、円錐ビームの方向θ0を、給電
位相を一周で2πにした場合より大きくすることができ
る。
【0074】
【発明の効果】円錐ビームの方向θ0をより大きく設定
することが可能な給電方法および円形配列アレーアンテ
ナを提供する
することが可能な給電方法および円形配列アレーアンテ
ナを提供する
【図1】本発明による円形配列アレーに対するアンテナ
素子に対する給電方法を表す説明図。
素子に対する給電方法を表す説明図。
【図2】従来の技術による円形配列アレーの構成図。
【図3】本発明を適用した給電方法によって円形配列ア
レーに給電した場合の配列中心に対して対称に位置する
4つのアンテナ素子の給電位相を示した説明図。
レーに給電した場合の配列中心に対して対称に位置する
4つのアンテナ素子の給電位相を示した説明図。
【図4】本発明を8素子の円形配列アレーに適用した場
合の給電回路構成図。
合の給電回路構成図。
【図5】本発明を8素子の円形配列アレーに適用した場
合の他の給電回路構成図。
合の他の給電回路構成図。
【図6】図5で示した給電回路構成を8素子の円形配列
アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置図。
アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置図。
【図7】本発明を8素子の円形配列アレーに適用した場
合の他のの給電回路構成図。
合の他のの給電回路構成図。
【図8】図7で示した給電回路構成を8素子の円形配列
アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置図。
アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置図。
【図9】固定移相器を用いて本発明の給電方法を8素子
の円形配列アレーに適用した場合の具体的な給電線路配
置図。
の円形配列アレーに適用した場合の具体的な給電線路配
置図。
【図10】従来の技術によって円形配列アレーに給電し
た場合の垂直面内指向特性図。
た場合の垂直面内指向特性図。
【図11】本発明による円形配列アレーに対する給電方
法によって給電された場合の垂直面内指向特性図。
法によって給電された場合の垂直面内指向特性図。
【図12】円形半径と円錐ビームの方向との関係を示す
グラフ(a)と、円形半径と最大利得との関係を示すグ
ラフ(b)。
グラフ(a)と、円形半径と最大利得との関係を示すグ
ラフ(b)。
【図13】本発明を16素子の円形配列アレーに適用し
た場合の他の給電回路構成図。
た場合の他の給電回路構成図。
【図14】図13で示した給電回路構成を16素子の円
形配列アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置
図。
形配列アレーに適用した場合の具体的な給電線路配置
図。
1…アンテナ素子、2…給電線路、3…給電線路2に対
して、予め2πの位相差を付けた別の給電線路、4…4
はヘリカルアンテナの巻始めの点、5…固定移相器、6
…ヘリカルアンテナ、7…パッチアンテナ素子、8…パ
ッチアンテナの給電点、9…給電線路2に対して、予め
4πの位相差を付けた別の給電線路、10…給電回路、
11…分配器、12…給電線路2に対して、予め6πの
位相差を付けた別の給電線路。
して、予め2πの位相差を付けた別の給電線路、4…4
はヘリカルアンテナの巻始めの点、5…固定移相器、6
…ヘリカルアンテナ、7…パッチアンテナ素子、8…パ
ッチアンテナの給電点、9…給電線路2に対して、予め
4πの位相差を付けた別の給電線路、10…給電回路、
11…分配器、12…給電線路2に対して、予め6πの
位相差を付けた別の給電線路。
Claims (7)
- 【請求項1】少なくとも2つ以上のアンテナ素子を、円
形配列した円形配列アレーアンテナにおいて、 前記アンテナ素子の各々に給電する給電部を有し、 前記給電部は、前記円形の一周で給電位相差が2mπ(R
ad.)(ただし、mは2以上の整数)になるように、前記
アンテナ素子の各々の前記円形上の配置位置に基づい
て、前記アンテナ素子の各々に給電する給電位相をそれ
ぞれずらす位相手段を備えることを特徴とする円形配列
アレーアンテナ。 - 【請求項2】請求項1において、前記アンテナ素子の素
子数をN個(ただし、Nは2以上の整数)としたとき
に、 前記位相手段は、前記円形の一周の給電位相差を、2p
Nπ(Rad.)(ただし、pは自然数)にする場合を除く
ことを特徴とする円形配列アレーアンテナ。 - 【請求項3】請求項2において、前記アンテナ素子は、
円形上に等間隔に配置され、 前記位相手段は、基準となる1つのアンテナ素子の給電
位相を0としたときに、他のアンテナ素子と当該基準と
なるアンテナ素子との円形配列の中心を挟んだ角度によ
り、前記給電位相差をあらかじめ決定しておくことを特
徴とする円形配列アレーアンテナ。 - 【請求項4】請求項2において、 前記給電部は、電力を出力する給電回路と、前記アンテ
ナ素子ごとに設けられ、前記アンテナ素子の各々に対し
ては等電力で給電を行なうように前記電力を分配する分
配器と、前記給電回路に接続され、前記給電回路から前
記分配器の各々に給電するための給電線路とをさらに備
え、 前記位相手段は、前記アンテナ素子間の前記給電線路の
長さを変化させることにより、前記給電位相差を調整す
ることを特徴とする円形配列アレーアンテナ。 - 【請求項5】請求項4において、前記給電線路は、複数
系統設けられ、前記給電回路にそれぞれ接続されること
を特徴とする円形配列アレーアンテナ。 - 【請求項6】請求項2において、前記アンテナ素子は、
ヘリカルアンテナとパッチアンテナとのうちいずれかで
構成し、 前記位相手段は、前記アンテナ素子への給電点の位置を
変えることにより、前記給電位相差を調整することを特
徴とする円形配列アレーアンテナ。 - 【請求項7】アンテナ素子の素子数をN個(ただし、N
は2以上の整数)備え、当該アンテナ素子を、円形上に
等間隔に配置した円形配列アレーアンテナにおける給電
方法であって、 前記円形の一周で給電位相差が2mπ(Rad.)(ただし、
mは2以上の整数)になるように(ただし、前記円形の
一周の給電位相差を、2pNπ(Rad.)(ただし、pは
自然数)にする場合を除く)、前記アンテナ素子の各々
の前記円形上の配置位置に基づいて、前記アンテナ素子
の各々に給電する給電位相をそれぞれずらして等電力で
給電することを特徴とする円形配列アレーアンテナの給
電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27083993A JPH07131240A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | アレーアンテナ給電方法および円形配列アレーアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27083993A JPH07131240A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | アレーアンテナ給電方法および円形配列アレーアンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07131240A true JPH07131240A (ja) | 1995-05-19 |
Family
ID=17491727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27083993A Pending JPH07131240A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | アレーアンテナ給電方法および円形配列アレーアンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07131240A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006060770A (ja) * | 2004-03-31 | 2006-03-02 | Toto Ltd | マイクロストリップアンテナ及び高周波センサ |
KR20150141023A (ko) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 한국전자통신연구원 | 원형 배열 안테나 |
KR20190061969A (ko) * | 2017-11-28 | 2019-06-05 | 광운대학교 산학협력단 | 와이파이 기반 실내 측위를 위한 빔포밍 안테나 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP27083993A patent/JPH07131240A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006060770A (ja) * | 2004-03-31 | 2006-03-02 | Toto Ltd | マイクロストリップアンテナ及び高周波センサ |
KR20150141023A (ko) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 한국전자통신연구원 | 원형 배열 안테나 |
KR20190061969A (ko) * | 2017-11-28 | 2019-06-05 | 광운대학교 산학협력단 | 와이파이 기반 실내 측위를 위한 빔포밍 안테나 |
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