JPH07122403B2 - タ−ビンロ−タの熱応力監視方法 - Google Patents

タ−ビンロ−タの熱応力監視方法

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JPH07122403B2
JPH07122403B2 JP2299386A JP2299386A JPH07122403B2 JP H07122403 B2 JPH07122403 B2 JP H07122403B2 JP 2299386 A JP2299386 A JP 2299386A JP 2299386 A JP2299386 A JP 2299386A JP H07122403 B2 JPH07122403 B2 JP H07122403B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は高中圧一体型タービンにおけるタービンロー
タの熱応力監視技術に係り、特に中圧タービンロータの
熱応力を監視するタービンロータの熱応力監視方法に関
する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
高中圧一体型蒸気タービンのように高温蒸気に晒される
蒸気タービンロータは、例えば蒸気タービン起動時、蒸
気圧力温度が上昇するに従って蒸気からタービンロータ
への熱伝達率が向上し、タービンロータの表面メタル温
度は上昇する。一方、タービンロータの内部はロータ表
面からの熱伝導によって温度上昇するために、ロータ内
部温度はロータ表面温度より遅れて上昇する。その結
果、タービンロータの内外面間では大きな温度差が生じ
て熱応力が発生する。
最近原子力発電プラントや火力発電プラントに用いられ
る事業用蒸気タービンは大容量化の要請から大型化して
おり、タービンロータのロータ直径が大きくなってい
る。このため、タービンロータの温度上昇が同じであっ
ても、ロータ内外面の温度差が大きくなり、発生する熱
応力も大きくなる傾向にある。さらに、原子力発電プラ
ント等の基底負荷運転用プラントの増加に伴って、火力
発電プラントは電力の需要変動に応じた負荷調整用発電
プラントとしての役割が大きくなり、深夜停止−早朝起
動が繰り返される過酷な運転が余儀なくされる。これら
の火力発電プラントの安全運転を確保するためには、蒸
気タービンの高温蒸気に晒されるタービンロータの熱応
力監視がますます重要視される傾向にある。タービンロ
ータの熱応力はユニット計算機や個別の熱応力監視装置
により行なわれているのが実情である。
ところで、蒸気タービンロータにおいて熱応力が最も厳
しい箇所は、タービン起動から全負荷運転に至る間にお
ける蒸気温度変化が大きい箇所であり、特に、蒸気ター
ビンの高圧第1段および再熱部第1段の各タービン羽根
車の根元部ロータ表面に厳しい熱応力が作用することが
知られている。このため、蒸気タービンは高圧第1段や
再熱部第1段のタービンロータの熱応力監視が極めて重
要となり、タービン運転監視項目の1つに挙げられてい
る。
タービンロータの内外面温度差に基づくロータ熱応力の
計算は、一般的にタービンロータの形状が無限円筒に近
似可能であるため、タービンロータ内部の温度分布が既
知であれば導くことができ、例えば日本機械学会誌第74
巻第627号第402頁の「蒸気タービンロータの非定常熱応
力」に記載の基本的な材料力学の式から導くことが可能
であり、次式で表わされる。
ここで、 σs:タービンロータ表面の接線および軸方向応力 σb:タービンロータボア(中心孔)表面の接線および
軸方向応力 β:線膨脹係数 ν:ポアソン比 E:縦弾性係数 Ts:タービンロータ表面温度 Tb:タービンロータボア表面温度 Ta:タービンロータ体積平均温度 Rs:タービンロータ外半径 Rb:タービンロータ内半径 であり、ロータ内部の温度分布がわかれば(1)式,
(2)式より熱応力の大きさも定まる。
一方、タービンロータ内部の温度分布は、ロータ軸方向
の熱移動を無視してロータ(厚肉円筒)半径方向のみの
一次元熱伝導問題に近似することが知られている。この
ようなロータ半径方向の熱伝導に対する温度分布を求め
るためにいろいろな手法が提案されており、中でも特開
昭54−28904号公報に記載の差分法による計算方法は、
比較的精度がよくかつ計算処理に適した手法として広く
使用されている。
差分法を使用して温度分布を求める場合、初期条件の設
定とタービンロータ外表面温度の経時変化の読み込みに
注意を要する。初期条件の設定は、最大熱応力発生時点
が一般にタービン起動過程の後半で生じることから、初
期値が最大熱応力に与える影響が小さく、タービン起動
の直前に蒸気タービン全体が熱的平衡状態にあるとし
て、蒸気タービンの代表的メタル表面温度を読み取り、
一様な温度分布としておくことで充分である。
ところが、蒸気タービンの起動後においては、回転駆動
されるタービンロータの外表面温度を直接的に計測する
ことが実際上不可能である。このため、タービンロータ
外表面に接触する蒸気と同じ蒸気が接しているタービン
ケーシングの内面メタル温度を計測し、この温度をター
ビンロータ表面温度として、あるいはタービンロータ表
面温度を導くための基準温度として使用することが多
い。
このようなタービンケーシング内面メタル温度として
は、最大熱応力が発生するタービンロータ部位にそれぞ
れ対応して、高圧部では高圧第1段後蒸気室内面メタル
温度が、再熱部では再熱蒸気室内面メタル温度が使用さ
れる。前者は主蒸気の温度変化とタービン調速段特性と
の相乗効果を、後者は再熱蒸気温度変化をそれぞれ計測
し、監視装置内で各計測値を熱応力に換算することによ
って蒸気タービンの過渡変化の厳しさを代表させること
ができる。
ところが、高中圧一体型蒸気タービンにおいては、運転
中における実機タービンロータでの温度計測試験結果か
ら、高圧部の洩れ蒸気が中間グランドを通って再熱部に
流入するために、再熱部第1段落付近のタービンロータ
外表面の温度変化は、熱電対などで測定されたタービン
ケーシング内面メタル温度、すなわち、再熱蒸気温度の
変化ではなく、高圧第1段で測定された高圧第1段後蒸
気温度の影響を強く受ける。
したがって、高中圧一体型蒸気タービン再熱部のタービ
ンロータの温度分布を、第8図に示すように、高圧第1
段後内面メタル温度と再熱蒸気室内面メタル温度とを計
測して高圧部および再熱部のタービンロータ温度分布を
求め、各タービンロータの熱応力を算出する計算方法で
は、算出されたタービンロータ熱応力が実際の熱応力値
とかけ離れたものになりかねない。しかし、今までは再
熱部に作用する高圧第1段後蒸気温度の影響をどの程度
取り入れたらよいか明らかでなかった。
その後、同様な実機タービンロータでの温度測定試験
が、例えば「火力原子力発電」誌の第30巻第3号第235
頁に記載された「蒸気タービンの新しい起動方式」に記
載されており、これに基づいて高圧第1段後蒸気温度の
影響についての定量的な評価が行なわれている。その結
果、第8図に示すように、タービンロータの熱応力を再
熱蒸気温度を基準にして求める方法では、正確な熱応力
監視ができないことが明らかになった。
第8図に示す方法でタービンロータの熱応力を求める
と、この熱応力分布に基づいて作成される蒸気タービン
の起動・停止曲線は実際にロータに発生する熱応力を正
確に反映したものではないために、長期的にはタービン
ロータの寿命管理に重大な誤りを犯すこととなり、ター
ビンロータ寿命期間内に予期せぬ補修作業を行なわなけ
ればならない等の問題があった。
〔発明の目的〕
この発明は上述した事情を考慮してなされたもので、高
中圧一体型タービンのタービンロータの熱応力監視精度
を飛躍的に向上させ、タービンロータの長期的な保守管
理や寿命管理を正確に行ない得るようにしたタービンロ
ータの熱応力監視方法を提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
この発明に係るタービンロータの熱応力監視方法は、高
圧部と再熱部とを軸方向に備えたタービンケーシング内
に高中圧一体型タービンロータを収容し、このタービン
ロータの熱応力を監視するために、高圧第1段後蒸気室
内面メタル温度と再熱蒸気室内面メタル温度とを検出す
る方法において、上記高圧第1段後蒸気室内面メタル温
度の計測値を基準に再熱部のタービンロータ表面温度を
計算することにより、再熱部タービンロータ表面温度が
高圧部から中間グランド部を経由して再熱部に流入する
洩れ蒸気に支配されることを考慮することを特徴とする
方法である。
〔発明の実施例〕
以下、この発明に係るタービンロータの熱応力監視方法
の一実施例について添付図面を参照して説明する。
第2図はこの発明に係るタービンロータの熱応力監視方
法を実施した高中圧一体型蒸気タービンを示し、図中符
号10は高中圧一体型蒸気タービンの外部ケーシングを示
し、この外部ケーシング10内に内部ケーシング11が収容
され、内部ケーシング11内には高圧部12と再熱部13とが
軸方向に対向して形成され、高中圧一体型タービンロー
タ14が収容されている。そして、図示しないボイラから
の主蒸気は外部ケーシング10に突設された主蒸気管15か
ら内部ケーシング11を貫いてノズルボックス16に案内さ
れる。ノズルボックス16に形成されたノズルと高圧第1
段羽根車17とから高圧第1段のタービン段が形成され、
ノズルボックス16に案内された主蒸気はそのノズルから
高圧第1段羽根車17に向って噴出される。噴出された主
蒸気はタービン羽根車17を通過する際に、タービン羽根
車17に回転力を付与する仕事をして温度降下し、高圧第
1段後蒸気室18(第3図)に案内される。この蒸気は第
1段後蒸気室から第2段以降のタービン段落に順次案内
されて同様の仕事をし、その後ケーシング10,11外に出
て図示しない再熱器にて再熱される。
また、高圧第1段後蒸気室18に対応する内部ケーシング
11には、第3図に示すように、第1段後蒸気室内面メタ
ル温度を計測する温度検出器としての熱電対20が埋設さ
れており、この熱電対20により高圧第1段後蒸気室部の
温度変化を計測している。この温度検出により、タービ
ンロータ14の高圧部表面21a,21b,21c等に発生する局所
最大熱応力を監視している。
一方、図示しない再熱器にて加熱された再熱蒸気は、外
部ケーシング10に突設された再熱蒸気管23から再熱蒸気
室24に案内され、続いてこの再熱蒸気室24から再熱部第
1段ノズル25を通って第1段タービン羽根車26に送ら
れ、このタービン羽根車26に回転力を付与している。上
記再熱部第1段ノズル25と第1段タービン羽根車26とか
ら再熱部第1段のタービン段落が構成され、第1段ター
ビン羽根車26で仕事をした再熱蒸気は、その後再熱部第
2段以降のタービン段落に順次案内される。
他方、再熱蒸気の温度変化は、外部ケーシング10に設け
られた温度検出器として熱電対28により計測され、この
熱電対28で再熱蒸気室24の内面メタル温度を検出してい
る。
ところで、高中圧一体型タービンの実機タービンロータ
14においては、高圧部12の洩れ蒸気が中間グランド30を
通って再熱部13に流入するため、再熱部第1段のタービ
ン段落付近のタービンロータ外表面31a,31bの温度変化
は熱電対28で測定さた再熱蒸気温度の変化ではなく、熱
電対20で測定された高圧第1段後蒸気温度の影響を強く
受ける。
この点から、熱応力監視装置は、第1図に示すように、
高圧第1段後蒸気室18の高圧第1段後内面メタル温度を
計測する熱電対20により、高圧部タービンロータ温度分
布および再熱部タービンロータ温度分布を求め、これに
再熱蒸気温度を必要に応じて考慮して、高圧部および再
熱部のタービンロータの熱応力を算出するようになって
いる。このようにして求めた熱応力を呼称応力とすれ
ば、第4図に示すタービンロータ14の高圧部12のロータ
外表面21a,21b,21cおよび再熱部13のロータ外表面31a,3
1bの熱応力は、それぞれの箇所の応力集中係数を乗ずる
ことにより、求められる。その際、再熱部13のタービン
ロータ表面温度は、高圧第1段後蒸気室内面メタル温度
の測定値に、所定の値の熱伝達率を遅れ要素として考慮
し、熱応力計算を進めることが望ましい。
次に、タービンロータの熱応力を求める温度分布計算原
理について一般的な差分法を例にとり説明する。
第5図は、熱応力を計算しようとするタービンロータ14
の軸直角断面を差分法の演算のための要素に分割した図
である。この要素分割図から、要素iの時刻τ+Δτに
おける温度は次式で表わされる。
Tiτ+Δτ=Ti τ+ΔTiΔτ ……(4) ここで、ΔTiΔτは時間Δτにおける要素iの温度上昇
を示し、この温度上昇ΔTiΔτは、 で表わされる。
ただし、Dは各要素間における熱貫流率である。
この熱貫流率Dは次式で表わされる。
ただし、λ:タービンロータ材の熱伝達率 α:タービンロータ外表面の熱伝達率 Ri:タービンロータの要素iまでの半径 である。
また、要素iの熱容量Ciは、 Ci=2πRiΔRCpγ ……(7) ただし、Cp:タービンロータ材の比熱 γ:タービンロータ材の比重量 で表わされる。
したがって、上記各式から、時刻τ=0における初期温
度分布Ti°が既知であれは、初期温度分布を基準にし
て、Δτ時間経過後の要素iの温度上昇量ΔTi Δτを求
めることができる。このことから、任意の時刻τ+Δτ
における要素iの温度Tiτ+Δτを求めることができ
る。ただし、温度T1とタービンロータ外表面の熱伝達率
αは時間に関する変数となるので注意を要する。なお、
温度T1はタービンロータ表面に接する蒸気温度であり、
上記熱伝達率αは、蒸気の圧力と温度およびタービンロ
ータ表面における蒸気とタービンロータとの相対速度か
ら定まり、タービンの運転状態に応じた時間関数とな
る。
今、タービンロータ外表面の熱伝達率α=∞あるいは充
分に大きな値とすると、タービンロータ表面温度Tsと蒸
気温度T1とは等しくなる。この蒸気温度T1として、高圧
部12に対しては高圧第1段後蒸気室内面メタル温度を、
再熱部13に対しては再熱蒸気室内面メタル温度を採用
し、これらのメタル温度をほぼタービンロータ表面温度
として使用したのが従来の方法である。この発明に係る
タービンロータの熱応力監視方法は高圧部12および再熱
部13に対して高圧第1段後蒸気室内面メタル温度を基準
温度として採用し、再熱部13に対しては再熱蒸気温度に
よる較正を必要に応じて行なうものである。
なお、高圧第1段後蒸気室内面メタル温度の代りに主蒸
気温度を、再熱蒸気室内面メタル温度の代りに再熱蒸気
温度をそれぞれ使用し、これらに適当な補正を加えて所
要のタービンロータ表面における蒸気温度T1の計算を求
めるようにしたものも従来から存在する。
次に、タービンロータの熱応力監視方法について、従来
技術に基づく場合と、この発明に基づく場合について説
明する。
第6図(A)および(B)は高中圧一体型タービンの実
機タービンロータ温度測定データを整理したグラフを示
すもので、第6図(A)は実機タービンロータの温度記
録グラフであり、第6図(B)は、第6図(A)の各組
み合せからなる温度分布に対する熱応力計算値を示すグ
ラフである。
初めに、第6図(A)において、温度曲線aは再熱蒸気
室内面メタル温度の実測値(再熱蒸気温度基準の再熱部
タービンロータのロータ表面温度)をプロットしたもの
であり、符号b1,b2,b3はタービンロータ14の熱伝達率
αを10000kcal/m2・hr・℃、500kcal/m2・hr・℃および
200kcal/m2・hr・℃とそれぞれ変化させた場合におけ
る、高圧第1段後蒸気室内面メタル温度基準の再熱部タ
ービンロータ表面温度計算値をプロットした計算温度曲
線であり、符号cは第3図に示す再熱部13のタービンロ
ータボア部分33aの表面温度実測値をプロットしたグラ
フ、符号dは再熱蒸気室内面メタル温度aを基準にして
求めたタービンロータボア温度計算値をプロットしたグ
ラフである。また、符号e1,e2,e3は高圧第1段蒸気室
内面メタル温度を基準にして求めたタービンロータボア
温度計算値をそれぞれプロットしたもので、上記の計算
温度曲線b1,b2,b3に対応してタービンロータの熱伝達
率αを10000kcal/m2・hr・℃、500kcal/m2・hr・℃、20
0kcal/m2・hr・℃と変化させた場合のグラフである。
そして、第6図(A)から明らかなように、タービンロ
ータボア33の実測温度曲線cの変化は再熱蒸気室内面メ
タル温度a、即ち、再熱蒸気基準のタービンロータボア
温度dの変化傾向とは全く異なり、これらを一致させる
に必要な補正方法を見出すことができない。
これに対して、高圧第1段蒸気室メタル温度基準のター
ビンロータボア温度e1,e2,e3はタービンロータ14の熱
伝達率αを適当に調整することにより、タービンロータ
の実測定温度曲線cと極めて良好な整合性を得ることが
できる。数多くの測定データを判断したところでは、例
えば熱伝達率α=300〜1000kcal/m2・hr・℃のタービン
ロータを用いるのが好ましいことがわかった。
次に、第6図(B)に示されたタービンロータの熱応力
曲線Aは、第6図(A)の温度曲線aに対応する再熱蒸
気室内面メタル温度を基準としたものであり、この熱応
力曲線Aは、第6図(A)の温度曲線b1,b2,b3に対応
する高圧第1段後蒸気室内面メタル温度基準の熱応力曲
線B,C,Dとは全く異なっており、最大熱応力発生点やそ
の大きさも相関性を備えていない。したがって、タービ
ンロータ14の寿命管理に必要な最大熱応力の監視は、タ
ービンロータの実測ボア温度に合せることが可能な、高
圧第1段後蒸気室内面メタル温度基準で行なわなければ
ならないことを意味する。
次に、この発明の他の実施例について説明する。
第7図は高中圧一体型タービンにおける中間グランド部
30から再熱部第1段を拡大して示すもので、中間グラン
ド部30を設計変更することにより、洩れ蒸気を実線矢印
Saで、再熱蒸気を破線Sbで示すように流すことができ
る。
この場合には、再熱部13のタービンロータ14のロータ表
面の温度を支配する蒸気は、高圧部からの洩れ蒸気だけ
でなく、再熱蒸気の影響も部分的に受ける。
この場合のロータ表面部蒸気温度T1は、 T1=mTFSI+nTRST ……(8) ただし、TFSI:高圧部からの洩れ蒸気温度 TRST:再熱蒸気温度 m,n:設計条件で定まる係数 とすることにより求めることができる。このため、係数
m,nを蒸気タービンの運転状態に応じて適宜決定するこ
とにより、洩れ蒸気と再熱蒸気の両方の影響を考慮する
ことができる。
その際、高圧第1段後蒸気室内面メタル温度の計測値
は、主蒸気温度や主蒸気圧力、タービン負荷等の運転パ
ラメータを考慮して求めた第1段後蒸気温度であっても
よく、また、再熱部再熱蒸気室内面メタル温度の計測値
は、再熱蒸気温度や再熱蒸気圧力等の運転パラメータか
ら求められた再熱蒸気室蒸気温度であってもよい。
〔発明の効果〕
以上に述べたようにこの発明においては、高圧第1段後
蒸気室内面メタル温度の計測値を基準に再熱部のタービ
ンロータ表面温度を計算し、高圧部から中間グランド部
を経由して再熱部に流入する洩れ蒸気の影響をタービン
ロータの熱応力の監視に取り入れたから、タービンロー
タ特に中圧ロータ(再熱ロータ)部ロータの熱応力監視
精度を飛躍的に向上させることができ、タービンロータ
の長期的なロータ寿命管理を精度よく、正確に行なうこ
とができる。
特に、急速な起動停止操作を頻繁に要求される高中圧一
体型タービンにおいては、ロータの熱応力監視を正確に
行ない得るので、起動停止操作そのものの信頼性が著し
く向上する。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明に係るタービンロータの熱応力監視方
法の一実施例を示すブロック図、第2図はこの発明が適
用される高中圧一体型蒸気タービンを示す図、第3図は
上記高中圧一体型蒸気タービンの中央部を拡大して示す
断面図、第4図は上記高中圧一体型蒸気タービンに組み
込まれるタービンロータを示す軸方向断面図、第5図は
タービンロータの軸直角断面を差分法による温度分布計
算のための要素に分割した図、第6図(A)および
(B)は、実機タービンロータの温度実測試験データグ
ラフと、その整理結果から計算されたタービンロータの
熱応力のグラフをそれぞれ示す図、第7図は高中圧一体
型蒸気タービンの変形例を示す図、第8図は従来のター
ビンロータの熱応力監視方法を示すブロック図である。 10,11…ケーシング、12…高圧部、13…再熱部、14…タ
ービンロータ、14a…タービンロータボア、15…主蒸気
管、16…ノズルボックス、17…タービン羽根車、18…高
圧第1段後蒸気室、20,28…熱電対、23…再熱蒸気管、2
4…再熱蒸気室、25…再熱第1段ノズル、26…再熱第1
段タービン羽根車、30…中間グランド部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧部と再熱部とを軸方向に備えたタービ
    ンケーシング内に高中圧一体型タービンロータを収容
    し、このタービンロータの熱応力を監視するために、高
    圧第1段後蒸気室内面メタル温度と再熱蒸気室内面メタ
    ル温度とを検出するタービンロータの熱応力監視方法に
    おいて、上記高圧第1段後蒸気室内面メタル温度の計測
    値を基準に再熱部のタービンロータ表面温度を計算する
    ことにより、再熱部タービンロータ表面温度が高圧部か
    ら中間グランド部を経由して再熱部に流入する洩れ蒸気
    に支配されることを考慮することを特徴とするタービン
    ロータの熱応力監視方法。
  2. 【請求項2】再熱部ロータ表面温度を計算する際、高圧
    第1段後蒸気室内面メタル温度の測定値に、所定の値の
    熱伝達率を遅れ要素として考慮することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載のタービンロータの熱応力監
    視方法。
  3. 【請求項3】再熱部ロータ表面温度を計算する際、高圧
    第1段後蒸気室内面メタル温度と、再熱部再熱蒸気室内
    面メタル温度との計測値をそれぞれ適当な割合で加算し
    た計算温度を用いることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項に記載のタービンロータの熱応力監視方法。
  4. 【請求項4】高圧第1段後蒸気室内面メタル温度の計測
    値は、主蒸気温度、主蒸気圧力、タービン負荷等の運転
    パラメータが考慮された第1段後蒸気温度である特許請
    求の範囲第1項または第3項に記載のタービンロータの
    熱応力監視方法。
  5. 【請求項5】再熱部再熱蒸気室内面メタル温度の計測値
    は再熱蒸気温度、再熱蒸気圧力等の運転パラメータから
    求められた再熱蒸気室蒸気温度である特許請求の範囲第
    3項に記載のタービンロータの熱応力監視方法。
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