JPH07122134A - 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの検査方法 - Google Patents

架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの検査方法

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JPH07122134A
JPH07122134A JP28761593A JP28761593A JPH07122134A JP H07122134 A JPH07122134 A JP H07122134A JP 28761593 A JP28761593 A JP 28761593A JP 28761593 A JP28761593 A JP 28761593A JP H07122134 A JPH07122134 A JP H07122134A
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JP
Japan
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layer
crosslinked polyethylene
cable
cross
cable core
Prior art date
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Pending
Application number
JP28761593A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Yamashita
泰浩 山下
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 簡単な作業で、しかも短時間にて架橋ポリエ
チレン絶縁ケーブルの絶縁体中の欠陥部の有無を検査で
きる検査方法を提供する。 【構成】 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの任意長を採
取し、その金属遮蔽層、および防食層などの層を取り外
し、導体2と、内部半導電層3、架橋ポリエチレン絶縁
体層4、必要に応じて設けられた外部半導電層5からな
る積層樹脂層からなるケーブルコア1となし、次いで、
前記ケーブルコア1より導体2を引き抜き、得られた積
層樹脂層もしくは前記ケーブルコアのそのままを、その
長手方向に沿う断面で複数に分割して観察用試料7とな
し、前記観察用試料7の架橋ポリエチレン絶縁体層が透
明になるまで加熱した後、目視にて、架橋ポリエチレン
絶縁体層4中の異物の存在や、前記架橋ポリエチレン絶
縁体層4と接する内部半導電層3および外部半導電層5
との境界部分の不整や異物の有無を調べることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリエチレン絶縁
体中の異物などの欠陥部の有無を検査する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、製造後の架橋ポリエチレン絶縁ケ
ーブルの仕上がり状態を検査する一つの指標として、架
橋ポリエチレン絶縁ケーブルの電気特性を低下させる架
橋ポリエチレン絶縁体層中の異物の存在、前記絶縁体層
と接して設けられた内部または/および外部半導電層と
の境界部分の不整などを調査する方法がある。この方法
は、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを1mm以下に薄く
輪切りすることによって、架橋ポリエチレン絶縁体に光
を透過できるようにし、常温で顕微鏡観察を行うことに
よって、架橋ポリエチレン絶縁体層中の異物の存在、該
絶縁体層と接して設けられた内部または/および外部半
導電層との境界部分の不整などを調査するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような顕微鏡を
使用する検査方法で、架橋ポリエチレン絶縁体層中の微
小な異物や、前記絶縁体層と接して設けられた内部また
は/および外部半導電層との境界部分の微小な不整など
を検出するためには、顕微鏡の拡大倍率を大きくする必
要がある。このため、顕微鏡で一度に見られる輪切りし
た供試体中の視野が狭くなり、一枚の供試体を完全に調
査するのにかなりの時間を要する。また、供試体の厚み
方向に顕微鏡の焦点深度を変化させて調査しないと、絶
縁体中の微小な異物や、境界部分の微小な不整などを検
出し損なう可能性があるため、このような焦点深度調整
の手間も検査時間を長引かせる要因になっている。更
に、従来の顕微鏡による検査方法では、当該ケーブルの
絶縁体中の微小な異物や、境界部分の微小な不整などの
検出漏れを極力防止する意味から、数十枚の輪切りした
供試体を調査しているため、検査に相当な時間を必要と
していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、簡単な作業
で、しかも短時間にて架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの
絶縁体中の異物などの欠陥部の有無を検査する方法を提
供することを目的とするものである。即ち、本発明の架
橋ポリエチレン絶縁ケーブルの検査方法は、図2に示す
ように、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの任意長を採取
し、その金属遮蔽層、および防食層などの層を取り外
し、導体2と、内部半導電層3、架橋ポリエチレン絶縁
体層4、必要に応じて設けられた外部半導電層5からな
る積層樹脂層からなるケーブルコア1となし、次いで、
前記ケーブルコア1より導体2を引き抜き、得られた積
層樹脂層もしくは前記ケーブルコアのそのままを、その
長手方向に沿う断面で複数に分割して観察用試料7とな
し、しかるのち、前記観察用試料7の架橋ポリエチレン
絶縁体層が透明になるまで加熱した後、目視にて、前記
透明になった架橋ポリエチレン絶縁体層4中の異物の存
在や、前記架橋ポリエチレン絶縁体層4と接する内部半
導電層3および外部半導電層5との境界部分の不整や異
物の有無を調べることを特徴とするものである。
【0005】なお、観察用試料7の加熱方法は、特に限
定されるものでなく、例えば恒温槽などを用いても充分
可能である。本発明において、供試ケーブルコア1から
調製した観察用試料7の架橋ポリエチレン絶縁体層4を
透明になるまで加熱する理由は、架橋ポリエチレンは結
晶の融解温度未満では結晶間での光の反射のため不透明
であるが、結晶の融解温度以上に加熱されると透明にな
る。このように、透明化した架橋ポリエチレン絶縁体層
4をこの時点で観察すれば、従来の顕微鏡を使用する方
法に比べてより大きな体積について、異物の存在や、前
記架橋ポリエチレン絶縁体層4と接する内部半導電層3
および外部半導電層5との境界部分の不整の存在を一度
に目視観察できるからである。
【0006】本発明の検査方法において、目視観察によ
っても従来の顕微鏡を使用する検査方法と同程度の検出
感度で架橋ポリエチレン絶縁体層4中の異物や不整部分
を検出できる理由は以下の通りである。不整部分の検出
を例にして説明すると、ケーブルにおける不整は、ケー
ブルの長手方向に沿って少なくとも数mm程度は連続す
るものであり、従って従来の顕微鏡による観察では、前
記不整部分を薄く輪切りにして断面で観察しているた
め、長手方向の情報が欠除している。一方、本発明の検
査方法は、不整を長手方向の情報も含んだ立体として観
察できるため、供試体を拡大して観察せずとも顕微鏡観
察と同程度の不整検出感度を保持できる。また、異物に
対しても、前記輪切り供試体による顕微鏡観察と比べ、
より多くの情報を含んだ立体として観察できる本発明の
検査方法は、供試体を拡大観察せずとも、従来の顕微鏡
観察と同程度の異物検出感度を保持することが可能であ
る。また、本発明の検査方法では、架橋ポリエチレン絶
縁体中の異物の他に、空隙(ボイド)や実使用されたケ
ーブルであれば、架橋ポリエチレン絶縁体中に生成した
水トリーや電気トリーなども容易に観察できる。なお、
架橋ポリエチレン絶縁体の場合、結晶が融解している状
態でも、架橋構造であるため、取扱によって供試体を観
察し難くくなるような変形を伴う可能性は極めて少ない
と言う特長を有する。
【0007】以下に、本発明の検査方法の一例を、図1
および図2を用いて具体的に説明する。先ず、図2に示
すように、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルからある程度
の長さのケーブルを採取し、金属遮蔽層、および防食層
などを取り外し、導体2と、内部半導電層3、架橋ポリ
エチレン絶縁体層4、外部半導電層5の積層樹脂層から
なる供試ケーブルコア1を作る。次に、前記供試ケーブ
ルコア1より導体2を引き抜き、内部半導電層3、架橋
ポリエチレン絶縁体層4、外部半導電層5からなる積層
樹脂層を、その長手方向に沿う断面6に沿って複数に分
割して図1に示す如き観察用試料7を作る。ここで前記
積層樹脂層を、その長手方向に沿う断面6に沿って複数
に分割する理由は、供試ケーブルコア1の横断面方向か
らだけでなく、側断面方向からの目視観察も可能となる
ようにするためで、このようにすることにより検出感度
を向上させることができる。
【0008】このようにして調製した観察用試料7を、
恒温槽中などでその架橋ポリエチレン絶縁体層4が透明
になるまで加熱する。この架橋ポリエチレン絶縁体層4
が透明になるまで加熱とは、架橋ポリエチレンの結晶融
解温度以上に加熱して透明になった架橋ポリエチレンを
もった観察用試料7を、加熱ゾーンから取り出して温度
低下することも考慮しても、観察時間中、前記架橋ポリ
エチレン絶縁体層4の透明度を保持できる温度を指すも
のである。なお、前記架橋ポリエチレン絶縁体層4の加
熱透明化の際の加熱温度を150℃を超える温度とする
と、観察用試料7の架橋ポリエチレン絶縁体層4の切断
面の酸化現象が著しくなり、酸化生成物に覆われる様に
なり架橋ポリエチレン絶縁体層4の内部が目視観察し難
くなる。従って、観察用試料7の加熱温度は、架橋ポリ
エチレンの結晶融解温度以上、具体的には120℃以
上、150℃未満で行うのが望ましい。
【0009】図1は、図2で多数に分割して調製した観
察用試料7を架橋ポリエチレンの結晶融解温度以上に加
熱し、架橋ポリエチレン絶縁体層4が透明な状態にある
様子を示すものである。不整部分8は、観察用試料7を
構成する内部半導電層3から架橋ポリエチレン絶縁体層
4に突出した突起状の不整である例を示した。また、ケ
ーブルの製造過程で生じた架橋ポリエチレンの局部焼け
に伴う炭化物や、製造者の意図しない金属片などの異物
9が、架橋ポリエチレン絶縁体層4中に混入している状
態を示すものである。なお、本発明の検査方法では、前
記不整部分8や異物9などは、立体として観察されるた
め、これらを横断面で平面として観察する従来の顕微鏡
観察よりも多くの情報が得られることは明らかである。
また、上記説明では、内部半導電層3、架橋ポリエチレ
ン絶縁体層4、外部半導電層5の積層樹脂層を、その長
手方向に沿う断面6に沿って複数に分割して観察用試料
7を調製する例を示したが、観察の必要感度に応じて分
割数を減らしたり、あるいは全く分割しないで横断面方
向からのみ、架橋ポリエチレン絶縁体層4を観察するこ
とによって、検査時間をより一層短縮することも可能で
ある。
【0010】
【作用】架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの架橋ポリエチ
レン絶縁体層4は、球形状の結晶粒の集まりから出来て
おり、隣合う結晶粒間では、通常、結晶の配向する方向
が異なる。従って、結晶粒間では光の反射が生じるた
め、結晶粒が存在する温度では架橋ポリエチレン絶縁体
層4は不透明状態にある。本発明の検査方法では、この
不透明状態にある架橋ポリエチレン絶縁体層4を結晶の
融解温度以上に加熱してやるので、前記結晶粒は溶けて
結晶粒中のポリマーの配向も存在しなくなる。よって、
透明な架橋ポリエチレン絶縁体層4となり、前記結晶粒
間での光の反射は激減し光が透過し易くなるので、内部
の異物の存在や、前記架橋ポリエチレン絶縁体層4と接
する内部半導電層3および外部半導電層5との境界部分
の不整の存在が目視にて容易に調べられる。
【0011】
【実施例】本発明の検査方法と従来の顕微鏡による検査
方法とを、例えば、3相交流の相間定格電圧66kv、
導体断面積400mm2 の架橋ポリエチレン絶縁ケーブ
ルの絶縁体中の欠陥部の観察検査を例にして比較する。
3相交流の相間定格電圧66kv、導体断面積400m
2 の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの場合、不整部に
関しては、250μm未満の突出高さを有する突起状不
整部の存在までが許容されており、異物については異物
の長径の許容値は252μm未満と決められている。こ
のような許容値に近い大きさの不整部および寸法の異物
を、従来の顕微鏡観察による検査方法で観察する場合、
顕微鏡の拡大率は50倍程度で検査がなされる。この
時、従来の顕微鏡観察による検査方法での検出感度は、
前記不整部に対しては最小20μm、異物に対しては、
最小10μmとされている。これに対して、本発明の検
査方法は、上述したように同等の検出感度を有してい
る。
【0012】また、検査に要する作業時間は、従来の顕
微鏡観察による検査方法の場合は、最低20枚のケーブ
ル輪切り供試体の調査が要求されるので、300分(1
5分/1枚の輪切り供試体×20枚)を必要とする。つ
まり、前記ケーブル輪切り供試体の長さを1mm/枚と
した場合、長手方向に20mm長さのケーブルを検査す
るため、従来の顕微鏡による検査方法では、300分の
観察時間を必要とすることになる訳である。一方、本発
明の検査方法では、50mm長さのケーブル供試体を検
査するために要する時間は10分である。このように、
従来の顕微鏡による検査方法と比較して本発明の検査方
法は、観察検査に要する作業時間が格段に短縮化される
ものである。なお、検査の準備に必要とされる作業時間
は、従来の顕微鏡による検査方法と本発明の検査方法と
の間に差はない。
【0013】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の架橋ポ
リエチレン絶縁ケーブルの検査方法は、従来の顕微鏡観
察による検査方法に比べて作業が簡単でありながら、同
等の検出感度を有しており、しかも、観察検査に要する
作業時間は、従来の顕微鏡観察による検査方法の1/3
0と格段に短い時間にて行えるなど極めて実用性に富ん
でいるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の検査方法の実施例で、架橋ポリエチレ
ン絶縁ケーブルから採取した供試ケーブルコアから調製
した観察用試料の斜視図である。
【図2】架橋ポリエチレン絶縁ケーブルから採取した供
試ケーブルコアの斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・架橋ポリエチレン絶縁ケーブルから採取した
供試ケーブルコア 2・・・・導体 3・・・・内部半導電層 4・・・・架橋ポリエチレン絶縁体層 5・・・・外部半導電層 6・・・・長手方向に沿う断面 7・・・・供試ケーブルコアから調製した観察用試料 8・・・・不整部分 9・・・・異物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの任意長
    を採取し、その金属遮蔽層、および防食層などの層を取
    り外し、導体(2)と、内部半導電層(3)、架橋ポリ
    エチレン絶縁体層(4)、必要に応じて設けられた外部
    半導電層(5)からなる積層樹脂層からなるケーブルコ
    ア(1)となし、次いで、前記ケーブルコア(1)より
    導体(2)を引き抜き、得られた積層樹脂層もしくは前
    記ケーブルコアのそのままを、その長手方向に沿う断面
    で複数に分割して観察用試料(7)となし、しかるの
    ち、前記観察用試料(7)の架橋ポリエチレン絶縁体層
    が透明になるまで加熱した後、目視にて、前記透明にな
    った架橋ポリエチレン絶縁体層(4)中の異物の存在
    や、前記架橋ポリエチレン絶縁体層(4)と接する内部
    半導電層(3)および外部半導電層(5)との境界部分
    の不整や異物の有無を調べることを特徴とする架橋ポリ
    エチレン絶縁ケーブルの検査方法。
  2. 【請求項2】 前記観察用試料(7)を、架橋ポリエチ
    レンの結晶融解温度以上に加熱することを特徴とする請
    求項1記載の架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの検査方
    法。
  3. 【請求項3】 前記観察用試料(7)を、120〜15
    0℃に加熱することを特徴とする請求項1記載の架橋ポ
    リエチレン絶縁ケーブルの検査方法。
JP28761593A 1993-10-22 1993-10-22 架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの検査方法 Pending JPH07122134A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10804006B2 (en) 2019-02-25 2020-10-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Resin composition molded article and direct-current power cable

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10804006B2 (en) 2019-02-25 2020-10-13 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Resin composition molded article and direct-current power cable

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