JPH07120306A - 赤外線検出装置およびその封止方法 - Google Patents

赤外線検出装置およびその封止方法

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JPH07120306A
JPH07120306A JP5266480A JP26648093A JPH07120306A JP H07120306 A JPH07120306 A JP H07120306A JP 5266480 A JP5266480 A JP 5266480A JP 26648093 A JP26648093 A JP 26648093A JP H07120306 A JPH07120306 A JP H07120306A
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JP
Japan
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infrared
substrate
infrared detection
hollow portion
package
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Pending
Application number
JP5266480A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Sakai
淳 阪井
Shigeaki Tomonari
恵昭 友成
Koichi Aizawa
浩一 相澤
Keiji Kakinote
啓治 柿手
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基板に形成された中空部と外部空間との間に
圧力差を生じさせることなく、中空部内部を真空または
低熱伝導性ガスで置換することを可能とする。 【構成】 中空部11を有する基板12と、周辺が基板
12に支持されると共に中空部11を覆うように形成さ
れた熱絶縁膜13と、熱絶縁膜13上に形成された赤外
線検出体14とを備えた赤外線検出素子10を、気密性
パッケージ内に収容するとともに、そのパッケージの内
部を真空あるいは低熱伝導性ガスで満たしてなる赤外線
検出装置において、中空部11とそれを除く外部空間と
の間を連通する手段22を設けるとともに、その連通手
段22に、赤外線検出素子10を真空または低熱伝導性
ガスで置換してパッケージ内に気密封止するため、それ
らが収容された気密性容器40を排気する際、排気中に
中空部11と気密性容器40の内部空間41との間に圧
力差を生じさせないようなコンダクタンスを持たせたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、素子に入射した赤外線
を熱に変換し、その温度変化分を検出する、所謂、熱型
の赤外線検出素子を備えた赤外線検出装置およびその封
止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイアフラム構造を有する熱型赤
外線検出素子を用いた赤外線検出装置においては、その
赤外線検出素子の感度を向上させるため、赤外線検出素
子を収容するパッケージ内部を真空にする、あるいはパ
ッケージ内に低熱伝導性ガスを封入する、といった手段
が提案されている。
【0003】なお、この種の赤外線検出素子は、中空部
を有する基板上に、この中空部を覆って周辺が基板に支
持された熱絶縁膜を設け、この熱絶縁膜上に赤外線検出
体を形成して、検出感度を向上させている。赤外線検出
体としては、温度変化に伴って抵抗値が変化するサーミ
スタが用いられており、このサーミスタには、例えばア
モルファスシリコン薄膜が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
赤外線検出装置においては、以下に示すような問題点が
あることが判明した。
【0005】 基板に形成された中空部も、気密性パ
ッケージ内と同様に、真空または低熱伝導性ガスで置換
しなければ、高感度化が図れない。
【0006】 赤外線検出素子を真空または低熱伝導
性ガスで置換してパッケージ内に気密封止するには、真
空排気系が接続された気密性容器内で行う必要がある
が、気密性容器を排気する際、中空部とそれを除く外部
空間との間に、熱絶縁膜の破壊圧力以上の圧力差が生じ
ると、熱絶縁膜が破壊する。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、中空部と外部
空間との間に圧力差を生じさせることなく、中空部内部
を真空または低熱伝導性ガスで置換することが可能な赤
外線検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、中空部を有する基板と、周辺が前記基板に支
持されると共に前記中空部を覆うように形成された熱絶
縁膜と、その熱絶縁膜上に形成された赤外線検出体とを
備えた赤外線検出素子を、気密性パッケージ内に収容す
るとともに、そのパッケージの内部を真空あるいは低熱
伝導性ガスで満たしてなる赤外線検出装置において、前
記中空部とそれを除く外部空間との間を連通する手段を
設けるとともに、その連通手段に、赤外線検出素子を真
空または低熱伝導性ガスで置換してパッケージ内に気密
封止するため、それらが収容された気密性容器を排気す
る際、排気中に前記中空部と気密性容器の内部空間との
間に圧力差を生じさせないようなコンダクタンスを持た
せたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明によれば、中空部とそれを除く外部空間
との間を連通する手段を設けたことにより、赤外線検出
素子を真空または低熱伝導性ガスで置換してパッケージ
内に気密封止するため、それらが収容された気密性容器
を排気する際、排気中に中空部と気密性容器の内部空間
との間に圧力差が生じなくなる。従って、赤外線検出素
子の熱絶縁膜を破壊することなく、中空部内を真空また
は低熱伝導性ガスで置換することが可能となる。
【0010】
【実施例】図1は本発明に係る赤外線検出装置と真空排
気系の構成を示す概略図で、図2は本発明の一実施例を
示すものであり、この実施例に係る赤外線検出装置は、
赤外線検出素子10と、赤外線検出素子10を実装する
ベース20と、実装された赤外線検出素子10をカバー
するキャップ30とより成り、赤外線検出素子10は、
中空部11を有する基板12と、中空部11を覆うよう
に周辺が基板12に支持された熱絶縁膜13と、熱絶縁
膜13上に形成された赤外線検出体14とを備えてい
る。また、ベース20の素子実装面21には、ベース2
0の中心を通る溝状の通気孔22が形成され、ベース2
0の周縁は素子実装面21より一段低い段部23が形成
されている。そして、ベース20とキャップ30とは、
ベース20の段部23にキャップ30の鍔部31を当接
し、電気的溶接等により接合することにより、気密パッ
ケージを構成する。
【0011】ところで、赤外線検出素子10を真空また
は低熱伝導性ガスで置換してパッケージ内に気密封止す
るため、図1に示すように、排気系(図示せず)が接続
された気密性容器40の内部に、赤外線検出素子10が
実装されたベース20とキャップ30とを収容し、気密
性容器40内でベース20とキャップ30とを接合する
が、その際、上記通気孔22を介して基板12の中空部
11と気密性容器40の内部空間41とが連通される。
連通される通気孔22の大きさ(コンダクタンス)は、
気密性容器40を排気する際、中空部11と気密性容器
40の内部空間41との間に圧力差が生じないような値
に設定される。
【0012】中空部11と内部空間41との間に圧力差
を生じさせないようなコンダクタンスは、以下のように
して求められる。
【0013】図1において、真空系の排気速度をS0
気体の流量をQ0 とする。このとき基板12の中空部1
1の容積をV1 、圧力をP1 とし、気密性容器40の内
部の容積をV2 、圧力をP2 とすると共に、中空部11
と内部空間41との間の通気孔22のコンダクタンスを
C、排気速度をS1 、気体の流量をQ1 とすると、次の
関係が成立する。
【0014】S1 ・P1 =Q1 ……… (1) C(P2 −P1 )=Q1 ……… (2) また、気密性容器40内の圧力P2 の変化は次のように
なる。
【0015】 V2 (dP2 /dt)=−S0 ・P2 +Q1 通常、V2 ≫V1 で、S0 ・P2 に対しQ1 は無視でき
る程小さいとすると、 V2 (dP2 /dt)=−S0 ・P2 となり、これより P2 =P0 exp(−S0 ・t/V2 ) となる(但し、P0 は気密性容器40の内部空間41の
初期圧力である)。また、中空部11の圧力をP1 の変
化は次のようになる。
【0016】V1 (dP1 /dt)=−S1 ・P1 (1),(2) 式より V1 (dP1 /dt)=C(P2 −P1 ) となり、これより P1 =P2 +(P0 −P2 )exp(−C・t/V1 ) となる。従って、上式においてP1 とP2 がほぼ等しく
なるようにコンダクタンスCを設定すればよい。なお、
圧力差の許容上限は、熱絶縁膜13の破壊圧力で規定さ
れる。
【0017】更に、具体的な例をとって詳述するに、
今、S0 =10cm3 /S,V2 =10cm3 ,V1 =10
-3cm3 /Sの条件の赤外線検出素子10および真空排気
系を備えると共に、熱絶縁膜13は厚さが1μmの酸化
窒化シリコン膜で形成され、破壊が生じる圧力差が約3
00Torrとする。
【0018】次に、具体的な例を用いて説明する。今、
0 =10cm3 /S,V2 =10cm3 ,V1 =10-3cm
3 /Sなる条件の赤外線検出素子10および真空排気系
を備えると共に、熱絶縁膜13は厚さが1μmの酸化窒
化シリコン膜で形成され、破壊が生じる圧力差が約30
0Torrとする。この系においてコンダクタンスCが10
-6cm3 /S,10-5cm3 /S,10 -4cm3 /S,10-3
cm3 /Sのときの排気時間と中空部11の圧力をP1
内部空間41の圧力P2 の関係は、それぞれ図3〜図6
に示すようになる。
【0019】これより、コンダクタンスCが10-3cm3
/Sの時(図6参照)、P1 ,P2の圧力差が約300T
orr以下で排気が可能であることがわかる。
【0020】また、このコンダクタンスCを得るための
通気孔22の大きさは、次のようになる。即ち、円形導
管の粘性流を仮定すると、一般に次のようになる。
【0021】D4 =C・L/182p ここで、Dは導管の直径、Lは導管の長さ、pは導管の
入口、出口の平均圧力であり、C=10-3cm3 /S,L
=0.05cm,p=380Torrのとき、導管の断面積は約1
00μm2 となる。従って、通気孔22の設計に当たっ
ては、上記の導管の断面積(約100μm2 )以上の断
面積を持たせることが好ましい。
【0022】次に、図7〜図9は、中空部11と内部空
間41との間を連通する手段の異なる実施例を示すもの
で、図7に示すものは、連通手段としての通気孔22を
基板12の下端に設けたものであり、この場合、通気孔
22を中空部11と同時に形成することが可能となる。
また、図8に示すものは、通気孔22を熱絶縁膜13に
設けけたもので、この場合、この通気孔22を通して表
面から基板12をエッチングして中空部11を形成する
ことが可能となる。さらに、図9に示す実施例は、ベー
ス20と基板12との間にスペーサ23を介在させて連
通手段としたもので、この場合、赤外線検出体14とベ
ース20との間隔が広がるので、ベース20への熱伝導
量を減じることが可能となり、より高感度化が図れる。
【0023】なお、これらいずれの実施例においても、
必要とする連通手段(通気孔)の大きさは、上記と同様
にして求めることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように、赤外線検出素子
を真空または低熱伝導性ガスで置換してパッケージ内に
気密封止するため、それらが収容された気密性容器を排
気する際、排気中に中空部と気密性容器の内部空間との
間に圧力差を生じさせないようなコンダクタンスを持つ
通気手段を設けたことにより、赤外線検出素子の熱絶縁
膜を破壊することなく、中空部内を真空または低熱伝導
性ガスで置換することが可能となり、高感度な赤外線検
出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る赤外線検出装置と真空排気系の構
成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る赤外線検出装置(キャップを除い
た状態)の一実施例を示すもので、(a)は一部断面の
側面図、(b)はその平面図である。
【図3】本発明に係る赤外線検出装置において、通気手
段のコンダクタンスCが10-6cm3 /Sのときの排気時
間と中空部の圧力P1 および内部空間の圧力P2 の関係
を示すグラフである。
【図4】本発明に係る赤外線検出装置において、通気手
段のコンダクタンスCが10-5cm3 /Sのときの排気時
間と中空部の圧力P1 および内部空間の圧力P2 の関係
を示すグラフである。
【図5】本発明に係る赤外線検出装置において、通気手
段のコンダクタンスCが10-4cm3 /Sのときの排気時
間と中空部の圧力P1 および内部空間の圧力P2 の関係
を示すグラフである。
【図6】本発明に係る赤外線検出装置において、通気手
段のコンダクタンスCが10-3cm3 /Sのときの排気時
間と中空部の圧力P1 および内部空間の圧力P2 の関係
を示すグラフである。
【図7】本発明に係る赤外線検出装置(キャップを除い
た状態)の異なる実施例を示す一部断面の側面図であ
る。
【図8】本発明に係る赤外線検出装置(キャップを除い
た状態)の異なる実施例を示す一部断面の側面図であ
る。
【図9】本発明に係る赤外線検出装置(キャップを除い
た状態)の異なる実施例を示す一部断面の側面図であ
る。
【符号の説明】
10 赤外線検出素子 11 中空部 12 基板 13 熱絶縁膜 14 赤外線検出体 20 ベース 21 素子実装面 22 連通手段(通気孔) 23 段部 24 スペーサ 30 キャップ 31 鍔部 40 気密性容器 41 内部空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柿手 啓治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空部を有する基板と、周辺が前記基板
    に支持されると共に前記中空部を覆うように形成された
    熱絶縁膜と、その熱絶縁膜上に形成された赤外線検出体
    とを備えた赤外線検出素子を、気密性パッケージ内に収
    容するとともに、そのパッケージの内部を真空あるいは
    低熱伝導性ガスで満たしてなる赤外線検出装置におい
    て、前記中空部とそれを除く外部空間との間を連通する
    手段を設けるとともに、その連通手段に、赤外線検出素
    子を真空または低熱伝導性ガスで置換してパッケージ内
    に気密封止するため、それらが収容された気密性容器を
    排気する際、排気中に前記中空部と気密性容器の内部空
    間との間に圧力差を生じさせないようなコンダクタンス
    を持たせたことを特徴とする赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 前記連通手段を、赤外線検出素子を実装
    するベースの素子実面に設けたことを特徴とする赤外線
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記連通手段を、前記基板の下端に設け
    たことを特徴とする赤外線検出装置。
  4. 【請求項4】 前記連通手段を、前記熱絶縁膜に設けけ
    たことを特徴とする赤外線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記連通手段を、前記ベースと基板との
    間にスペーサを介在させることにより形成したことを特
    徴とする赤外線検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の赤外線検出素子を気密パッケージするにあたり、ベー
    スに実装された赤外線検出素子と、その赤外線検出素子
    をカバーするキャップとを真空排気系が接続された気密
    性容器内に収容し、気密性容器内を真空または低熱伝導
    性ガスで置換した後、前記ベースとキャップとを気密封
    止してなる赤外線検出装置の封止方法。
JP5266480A 1993-10-25 1993-10-25 赤外線検出装置およびその封止方法 Pending JPH07120306A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6034369A (en) * 1996-11-27 2000-03-07 Nec Corporation Thermal infrared detecting device capable of detecting infrared rays without influence of operating temperature
US7095064B2 (en) 2003-03-31 2006-08-22 Denso Corporation Semiconductor sensor with pressure difference adjusting means

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6034369A (en) * 1996-11-27 2000-03-07 Nec Corporation Thermal infrared detecting device capable of detecting infrared rays without influence of operating temperature
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Effective date: 20001010