JPH0711061Y2 - 給紙装置の給紙ギヤ取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、プリンタ等で配設される給紙ローラを用いた
給紙装置において、その給紙ローラを固定した給紙シャ
フトに、回転力伝達用の給紙ギヤを取付ける構造に関す
る。

〈従来の技術〉 この種の給紙ギヤ取付構造の従来例を第３図の平面図と
第４図の側面図に示す。

図で示す様に、給紙ローラ１が固定された給紙シャフト
２は、フレーム３に回転可能に支持されている。フレー
ム３の外側に突出した給紙シャフト２の一端には、図示
しない駆動ギヤと噛合して給紙ローラ１に回転力を伝達
する給紙ギヤ４が取付けられている。しかもこの給紙ギ
ヤ４は、メイテナンス時に給紙ローラ１を取り外し得る
様に、給紙シャフト２に着脱可能に取付けられている。

即ち、給紙シャフト２に、その給紙シャフト２の周壁を
貫通させてピン挿着孔５が穿設され、更にこのピン挿着
孔５にノックピン６が、その両端を給紙シャフト２の周
壁から突出させた状態で緩挿されている。

一方、給紙ギヤ４には、フレーム３と反対側にボス部７
が設けられ、このボス部７にピン係着溝８が設けられて
いる。ピン係着溝８は、上記給紙シャフト２から突出し
たノックピン６の両端を係着すべく、ボス部７の端面7a
と給紙ギヤ４の軸孔4a内に開口されたものである。

そしてフレーム３に支持させた給紙シャフト２に給紙ギ
ヤ４を取付けるには、先ず給紙ギヤ４の軸孔4aに給紙シ
ャフト２を挿入して、給紙シャフト２のピン挿着孔５を
ボス部７の外側に露出させる。この状態でピン挿着孔５
にノックピン６を挿着し、そのノックピン６の両端をボ
ス部７のピン係着溝８に係着させる様にして給紙シャフ
ト２をフレーム３内方へ移動させる。これにより、給紙
ギヤ４と給紙シャフト２とが一体に回転し得る様に、給
紙ギヤ４は給紙シャフト２に取付けられることになる。

又、取付け時と逆の順序で給紙ギヤ４を給紙シャフト２
から取外すことができる。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし上記給紙ギヤ取付構造では、給紙ギヤ４を給紙シ
ャフト２に対して着脱する際に、給紙シャフト２のピン
挿着孔５を給紙ギヤ４のボス部７の外側に露出させる為
には、給紙シャフト２を少なくともボス部７の厚みｄ分
だけフレーム３の外方へ移動させなければならない。即
ち給紙装置内にそれだけの空間が必要となって、給紙装
置が大型化してしまうという問題があった。

更に上記給紙ギヤ取付構造では、給紙シャフト２のピン
挿着孔５に対してノックピン６を挿脱する際、注意しな
いとノックピン６がピン挿着孔５から抜け落ちてしまう
という欠点もあった。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記問題点を解決すべく案出された給紙装置の
給紙ギヤ取付構造で、給紙ギヤのボス部に、給紙シャフ
トを給紙ギヤに対して移動させることにより給紙シャフ
トのピン挿着孔の何れか一方の開口のみを露出させる切
欠部分を設けたことを特徴とするものである。

〈作用〉 給紙ギヤのボス部に切欠部分を設けたことにより、給紙
シャフトのピン挿着孔に対してノックピンを挿脱する際
の、給紙シャフトの給紙ギヤに対する移動量が減少す
る。又、このノックピン挿脱時には、ノックピンの一端
はボス部の一方のピン係着溝内に位置することになる。

〈実施例〉 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。

第１図は本考案に係る給紙ギヤ取付構造を示す平面図、
第２図は同側面図である。尚第１図及び第２図におい
て、第３図及び第４図で示した従来例と相違ない構成要
素については同一の符号を付して説明を省略する。

図で示す様に、本考案の給紙ギヤ取付構造は、給紙ギヤ
９の構成に特徴を有する。

即ち、給紙ギヤ９の、フレーム３と反対側に設けられた
ボス部10には、ボス部10の端面10aと給紙ギヤ９の軸孔9
a内に開口した二つのピン係着溝11が軸孔9aを挟んで形
成されるとともに、その一方のピン係着溝11をボス部10
の端面10a側から部分的に切り欠く様にして切欠部分12
が形成されている。

上記ボス部10の切欠部分12は、切り欠かれた方のピン係
着溝11-1の長さｌがノックピン６の一端を確実に係着さ
せるに充分な長さとなる様な、しかも後述の如き効果が
得られる様な大きさ及び形状に形成されるもので、例え
ば扇形に形成される。

給紙ギヤ９のボス部10に上記切欠部分12を形成したこと
により、給紙シャフト２を給紙ギヤ９に対して移動させ
て、給紙シャフト２のピン挿着孔５の何れか一方の開口
5aのみを露出させることができる。この時の給紙シャフ
ト２の移動量は、当然、ボス部10の厚みＤより小さい僅
かな量ですむ。

そして上述の如く一方の開口5aを露出させることによ
り、ピン挿着孔５に対してノックピン６を挿脱すること
ができ、よって給紙シャフト２に対して給紙ギヤ９を着
脱し得る。しかもこの様にしてノックピン６を挿脱する
際には、ノックピン６の一端はボス部10の一方のピン係
着溝11内に位置する為、抜け落ちることがない。

〈考案の効果〉 以上述べた様に本考案の給紙ギヤ取付構造によれば、給
紙シャフトに対する給紙ギヤの着脱に要する給紙シャフ
トの移動量を小さくすることができ、よってそれだけ給
紙装置を小型化し得る。

しかも給紙シャフトのピン挿着孔に対するノックピンの
挿脱時にノックピンが抜け落ちてしまうという欠点も除
去される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る給紙ギヤ取付構造を示す平面
図、 第２図は、同側面図、 第３図は、従来例を示す平面図、 第４図は、同側面図である。 １……給紙ローラ,2……給紙シャフト,5……ピン挿着
孔,5a……開口,6……ノックピン,9……給紙ギヤ,10……
ボス部,11……ピン係着溝,12……切欠部分。

フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−183543（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−260181（ＪＰ，Ａ) 実開 昭63−45423（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−108624（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−24714（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭64−24713（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭45−28127（ＪＰ，Ｂ１) 特許156484（ＪＰ，Ｃ１)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙ローラを固定した給紙シャフトに、該
   給紙シャフトの周壁を貫通させてピン挿着孔を穿設する
   とともに、該ピン挿着孔にノックピンを、該ノックピン
   の両端を前記給紙シャフトの周壁から突出させた状態で
   緩挿し、 給紙ギヤにはボス部を設けるとともに、該ボス部にピン
   係着溝を形成し、 前記給紙シャフトのピン挿着孔に挿着したノックピンの
   両端を前記給紙ギヤのボス部のピン係着溝に係着させた
   状態で、前記給紙ギヤを前記給紙シャフトに着脱可能に
   取付ける給紙装置の給紙ギヤ取付構造において、 前記給紙ギヤのボス部に、前記給紙シャフトを前記給紙
   ギヤに対して移動させることにより該給紙シャフトのピ
   ン挿着孔の何れか一方の開口のみを露出させる切欠部分
   を設けたことを特徴とする給紙装置の給紙ギヤ取付構
   造。