JPH07110340B2 - レーザートラッピング方法 - Google Patents
レーザートラッピング方法Info
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- JPH07110340B2 JPH07110340B2 JP10451791A JP10451791A JPH07110340B2 JP H07110340 B2 JPH07110340 B2 JP H07110340B2 JP 10451791 A JP10451791 A JP 10451791A JP 10451791 A JP10451791 A JP 10451791A JP H07110340 B2 JPH07110340 B2 JP H07110340B2
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Description
グ方法に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、低屈折率微粒子または金属微粒子等の光反射性微粒
子の場合にもこれを光トラップし、これら微粒子の加
工、修飾等を行うことのできる新しいレーザートップの
ための方法と、これを利用した微粒子の加工・修飾に関
するものである。
放射圧を用いてマイクロメートル・オーダの微粒子を捕
捉するもので、1970年、Ashkinによって提案された手法
である。このレーザートラッピングでは、レーザー光を
波長オーダまで絞り込むことにより、微粒子を重力に逆
らって持ち上げて3次元的に捕捉することが可能であ
り、ビームの走査や試料ステージの移動により、目的の
微粒子だけの非接触なマニピュレーションが可能である
という特徴を有している。そのため、生物学や化学の分
野で盛んにその応用のための検討が行われており、生物
細胞の操作やセルソータ、マイクロサージャリー等が報
告されている。また、この発明の発明者もポリマーラテ
ックスのレーザアブレーションなどの極微化学への応用
を試みている。
トラッピングでは、周囲の媒質よりも屈折率が高く、か
つレーザー光に対して全く吸収のない微粒子しか捕捉す
ることができないという制約があった。たとえば、溶媒
としてよく使われる水は屈折率が低いため、水滴をトラ
ップすることは困難であった。また、金属微粒子や、ポ
リマーラテックスに金属をコーティングした微粒子はレ
ーザー光を反射するためにトラッピングはできず、逆に
はね除けられてしまう。その理由は、これらの微粒子の
場合、放射力がレーザービームから遠ざかる方向に働く
ためである。
り散乱されて波数ベクトルの方向が変わり、それに比例
して光子の運動量が変化する。その際、運動量保存則に
より微粒子に力(放射圧)が働く。その力は、微粒子の
屈折率が周囲の媒質より高い場合、レーザの集光位置の
方向を向くため、微粒子は集光スポット付近に引き寄せ
られる様に捕捉される。しかしながら、たとえば図1に
示したように、屈折率が周囲より低い微粒子の場合、向
きが逆になり、レーザービームから押し除けられる方向
に力が働く。そのため、この光学系では単一ビームによ
る微粒子の捕捉はできない。
する微粒子についての放射力を示したものである。1つ
の光子による放射力は反射面に垂直方向、すなわち、こ
の場合微粒子の中心方向を向き、レーザー光全体とし
て、光強度の高い方から低い方向に押す力が働く。従っ
て、この場合も、微粒子は捕捉できず、ビームからはね
除けられる現象が起こる。
捕捉という特徴のある手段であって、有機物ポリマー粒
子ばかりでなく、生物細胞、無機物質等のトラップと、
この状態を利用しての微細加工や化学修飾を可能とする
方法として極めて有用なものである。しかしながら、上
記した通り、これまでの方法によっては、低屈折率微粒
子や金属等の光反射性微粒子をトラップすることができ
ないため、その応用の拡がりにはおのずと限界があっ
た。
の微粒子に対してレーザートラッピング方法を適用し、
これら微粒子の微細加工、修飾等を可能とする新しい手
段の実現が望まれていた。この発明は、以上の通りの事
情に鑑みてなされたものであり、従来の方法の欠点を改
善し、低屈折率微粒子または金属等の光反射性微粒子で
あっても光トラップすることのできる新しいレーザート
ラッピング方法を提供することを目的としている。
を解決するものとして、集光レーザービームを高速で周
回走査して微粒子もしくはそれらの微粒子群を捕捉する
ことを特徴とするレーザートラッピング方法を提供す
る。また、この発明は、この捕捉された微粒子の加工・
修飾、さらにはパターン形成や輸送等を行う方法をも提
供する。
ムを高速で円形等に周回走査することにより、いわゆる
光のカプセルを作り、その中に微粒子を閉じ込めて3次
元的にトラッピングする手法を提案する。この手法を用
いれば、レーザートラッピングの応用範囲が広がるだけ
でなく、従来のレーザートラッピングの様に、捕捉した
い微粒子以外の微粒子までが放射圧で引き寄せられるこ
とがない(近づいてきても光の壁ではね除けられる)た
め、単一微粒子のスペクトロスコピーを行う上でも有利
である。
に示したように、集光レーザービームで円形等の捕捉対
象の形状や集合に合わせた形に高速で繰り返し周回走査
する。このとき、時間平均した空間強度分布は、各時刻
における強度分布のインコヒーレントな足し合わせとな
る。従って、幾何学的に考えると、走査ビームの内側に
2つの円錐の底面をくっ付けた形の暗所(光の当たらな
い部分)ができる。この部分に微粒子や微粒子群が入る
と、上下左右どの方向に動いても斥力を受け、いわゆる
光の壁ができる。実際には、波動光学的に、暗所の部分
でも光強度は零とならず、すべての方向から斥力を受け
る状態となり、その合力が重力等の外力とつり会った位
置で微粒子は捕捉される。
(集光スポットが走査する面)上の中心を通る軸上にお
ける力学的ポテンシャルを模式的に表わしたものであ
る。2つの山がレーザービームの走査位置に対応し、そ
の間のディップの平衡位置に存在する。2つの山の頂点
より外側では、ポテンシャルが減少して外向きの力が働
く。従って、光の壁の外の微粒子が平衡位置に入ること
はできない。そのため、トラッピングを行なう場合は、
まず、レーザービームを照射しない状態で、ブラウン運
動あるいはステージ走査により微粒子を捕捉位置付近ま
で移動させた後、ビームを照射してトラップするという
操作が必要となる。この点が、図4(b)の様なすり鉢
状の力学的ポテンシャルを持つ従来のレーザートラッピ
ングと異なる。しかし、逆に、従来のレーザートラッピ
ングでは、目的とする微粒子以外の粒子までが時間と共
にポテンシャルの底に集まってしまい、スペクトロスコ
ピー等を行なう上で問題となっていたが、この発明の方
法では、完全に単一微粒子の捕捉が可能である。
の方法においては、対象とする微粒子が、これまでその
光トラップが困難であった低屈折率の各種の微粒子や、
金属、合金等の光反射の微粒子にまで拡大適用すること
ができる。これらの微粒子の種類には制限はなく、その
種類を考慮して各種のレーザー光を使用することができ
る。
た微粒子(その集合状態を含めて)に対しては、パルス
レーザー、その他のエネルギー線の照射、あるいは化学
的変性材を使用することにより、その加工、修飾を行う
ことができる。微粒子の組成、特性そのものの変化か
ら、表面性状の変質まで、多様な加工、修飾が可能とな
る。また、レーザー光の移動、反射回折等の利用によっ
て、パターニングや、輸送も可能となる。
ない。水、アルコール、エーテル等の有機溶媒、その他
の各種の媒体が使用できる。
のレーザートラッピング方法について説明する。この発
明の構成とその作用効果を確認するための実験システム
の構成を例示したものが図5である。この例において使
用しているトラッピング用レーザー光はCWNd:YA
Gレーザー(SpectronSL902T、波長1064nm)であ
る。レーザー光源(1)からのこのレーザー光を2枚の
ガルバノミラー(GSI G325DT)(2)で2軸
方向に偏向させ、2枚のレンズ系(3)て顕微鏡光学系
の開口数と焦点位置に合わせる。顕微鏡(Nikon Optiph
otXF)内ではダイクロイックミラー(4)で反射し、
油浸対物レンズ(x100、NA=1.30)(5)で試料上
に集光する。集光スポットの大きさは約1μmである。
2枚のガルバノミラー(2)は共に顕微鏡の開口瞳と結
像位置にあり、ガルバノミラー(2)による偏向によ
り、焦点位置は試料上を2次元的に走査する。ガルバノ
ミラー(2)はコントローラ(Marubun)(6)で制御
され、たとえば、後述する円形のパターンの場合、毎秒
33回の繰り返し描画が可能である。描画パターンの形
状・大きさはコンピュータ(NEC PC9801R
A)からコントローラに指示を与える。微粒子トラッピ
ングの様子は、試料の下方からの照明により、CCDカ
メラ(NEC NC−15M)(7)上に結像してモニ
ター(8)によって観測する。レーザー光のパワーは、
試料上で145mWであった。
折率1.46−1.47、粘度25cP)中に分散させた粒径約
4μmの水滴(屈折率1.33)をレーザー捕捉している様
子である。レーザービームは、水滴(図中の実線矢印)
の回りを約6μmの直径で回転走査している。この水滴
は、顕微鏡のステージをx、y方向に動かしても静止し
ているが、その近傍の水滴(図中の破線矢印)は移動し
ているのがわかる。また、ステージを上下させてもボケ
ないことから、3次元的に捕捉されていることが確認さ
れた。さらに、コンピュータのプログラムにより、円形
走査の中心をx、y平面内で移動させると、それにした
がって、微粒子が輸送される様子も観測できた。レーザ
ー走査を停止して一点だけを照明すると、この水滴は、
その点から逃げる方向に動くことから、図1で示したよ
うに、放射圧は斥力として微粒子に働いていることも確
認できた。
径約2μm)を捕捉している(図中の実線矢印)様子で
ある。捕捉されていない粒子は図の右から左に移動して
いる(図中の破線矢印)が、光の壁により捕捉微粒子を
巻くように流れている。この場合、z軸方向にトラップ
することはできなかったが、x、y方向には自由に移動
させることが可能であった。この試料に集光ビームを直
接照射すると、一瞬にして視野外に弾き飛ばされた。
より、レーザービームを走査することにより、屈折率が
媒質よりも低い微粒子や金属等の光反射性微粒子を捕捉
・操作することが可能となる。そして、この方法によ
り、従来より発明者が行なってきたトラッピングによる
修飾・加工等の自由度を増すと共に、その応用範囲も拡
がる。また、シリコン等も操作できることからマイクロ
マシーンの組立てや駆動装置としての応用も考えられ
る。さらに、この発明の方法は、発明者が提案している
微粒子パターン形成や輸送等のマニピュレーションにも
拡張できる。
図である。
図である。
に示した模式図である。
シャル状態を示した模式状態図である。
動パラフィン中に分散させた水粒子のレーザートラッピ
ングを示した平面図である。
中に分散させた鉄粉末のレーザートラッピングを示した
平面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 集光レーザービームを高速で周回走査し
て微粒子もしくはそれらの微粒子群を捕捉することを特
徴とするレーザートラッピング方法。 - 【請求項2】 請求項1の方法によって捕捉した微粒子
もしくはその微粒子群に加工、修飾することを特徴とす
るレーザートラッピング加工・修飾方法。 - 【請求項3】 請求項1の方法によって捕捉した微粒子
もしくはその微粒子群をパターン形成もしくは輸送する
ことを特徴とするレーザートラッピング動態形成方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10451791A JPH07110340B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | レーザートラッピング方法 |
CA002057506A CA2057506C (en) | 1990-12-13 | 1991-12-12 | Laser trapping and method for applications thereof |
US07/806,635 US5212382A (en) | 1990-12-13 | 1991-12-13 | Laser trapping and method for applications thereof |
DE69113008T DE69113008T2 (de) | 1990-12-13 | 1991-12-13 | Lasereinfang und Verfahren zu seinen Anwendungen. |
EP91311607A EP0490697B1 (en) | 1990-12-13 | 1991-12-13 | Laser trapping and method for applications thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10451791A JPH07110340B2 (ja) | 1991-05-09 | 1991-05-09 | レーザートラッピング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04334544A JPH04334544A (ja) | 1992-11-20 |
JPH07110340B2 true JPH07110340B2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=14382690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10451791A Expired - Lifetime JPH07110340B2 (ja) | 1990-12-13 | 1991-05-09 | レーザートラッピング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07110340B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5512745A (en) * | 1994-03-09 | 1996-04-30 | Board Of Trustees Of The Leland Stanford Jr. University | Optical trap system and method |
NZ536283A (en) * | 2002-04-10 | 2006-11-30 | Arryx Inc | Apparatus and method to generate and control optical traps to manipulate small particles |
US7628865B2 (en) * | 2006-04-28 | 2009-12-08 | Asml Netherlands B.V. | Methods to clean a surface, a device manufacturing method, a cleaning assembly, cleaning apparatus, and lithographic apparatus |
-
1991
- 1991-05-09 JP JP10451791A patent/JPH07110340B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04334544A (ja) | 1992-11-20 |
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