JPH07108277A - 無菌化液体供給器 - Google Patents

無菌化液体供給器

Info

Publication number
JPH07108277A
JPH07108277A JP27511993A JP27511993A JPH07108277A JP H07108277 A JPH07108277 A JP H07108277A JP 27511993 A JP27511993 A JP 27511993A JP 27511993 A JP27511993 A JP 27511993A JP H07108277 A JPH07108277 A JP H07108277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
antibacterial
storage container
container
ions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27511993A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinya Matsumoto
信也 松元
Yasuhiro Morimura
安博 森村
Shinichi Kunisaki
伸一 國崎
Goro Fujiwara
護朗 藤原
Mitsunobu Masuda
光信 益田
Masaru Kanazawa
優 金沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takuma Co Ltd
Suntory Ltd
Original Assignee
Takuma Co Ltd
Suntory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takuma Co Ltd, Suntory Ltd filed Critical Takuma Co Ltd
Priority to JP27511993A priority Critical patent/JPH07108277A/ja
Publication of JPH07108277A publication Critical patent/JPH07108277A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Devices For Dispensing Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 手間及び手数を要することなく、しかも、液
体を無駄に破棄する必要なく、無菌状態の液体を供給す
ることができるようにする。 【構成】 液体取出し用の一つの口2aを有する液体容
器2と、液体を受け入れて貯留する貯留容器4とを設
け、前記液体容器2内の充填液体を貯留容器4内に流下
供給するように、液体容器2を、その口2aが下方を向
いて前記貯留容器4内に上方から挿入する供給姿勢に着
脱自在に保持する保持手段を設け、前記貯留容器4内か
ら貯留液体を流下させて取り出すための取出し手段を設
け、前記貯留容器4内に、物理的な接触で菌を死滅させ
る抗菌能を表面に有する抗菌性素子12を、貯留液体に
接触する状態で、かつ、液体取り出しを許容する状態に
充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミネラルウォーターや
天然水で代表される飲料水などを貯留していて必要に応
じて取り出せるようにしてある液体供給器で、詳しく
は、液体取出し用の一つの口を有する液体容器と、液体
を受け入れて貯留する貯留容器とを設け、前記液体容器
内の充填液体を貯留容器内に流下供給するように、液体
容器を、その口が下方を向いて前記貯留容器内に上方か
ら挿入する供給姿勢に着脱自在に保持する保持手段を設
け、前記貯留容器内から貯留液体を流下させて取り出す
ための取出し手段を設けてあるものに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の液体供給器では、供給姿勢に保
持させた液体容器から貯留容器への液体供給が、それに
伴う貯留容器内の貯留液体の液面上昇により液体容器の
口が貯留液体の液面下に浸漬することで液封されて、充
填液体を流下させようとする液体容器内の圧力が貯留液
体の液面に作用する大気圧と等しくなることで自動的に
停止し、他方、貯留液体の取出しに伴う貯留液体の液面
下降により前記口に対する液封が破壊されることで液体
容器内に口から空気が入って、前記液体容器内の圧力が
増加することで自動的に開始される。そして、液体容器
に液体が充填されて密封された状態では、その液体容器
内への液体の充填が工場などで厳密な管理のもとで衛生
的に行われていることにより、遊離塩素などの殺菌剤を
含まないミネラルウォーターや自然水のように、液体容
器内に充填された液体が殺菌能を持たないものであって
も、液体を無菌状態に維持することができるが、液体容
器から貯留容器内に供給されて貯留された状態では、外
気に接触するから、ミネラルウォーターや自然水のよう
に殺菌能を持たない液体の場合には、菌増殖が発生す
る。このような菌増殖は、液体の濁りを招来したり、菌
の代謝物質による影響で液体の味が損なわれることを招
来するばかりでなく、衛生上、好ましくない。
【0003】そこで従来では、殺菌剤を液体に投入して
殺菌する殺菌手段や、加温水で洗浄する洗浄手段、液体
の全部を抜いて乾燥させる乾燥手段が菌対策として採用
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術によるときは、次のような欠点があった。
【0005】殺菌手段によるときは、殺菌剤を液体に投
入するから、菌増殖を防止できるものの、殺菌剤により
液体の味が損なわれることが不可避であった。
【0006】洗浄手段によるときは、洗浄直後であれば
ほぼ無菌状態に維持できるが、時間経過に伴う菌増殖が
不可避で、安全範囲内での液体供給を行うためには、菌
増殖があまり進行していない段階で、つまり、頻繁に洗
浄する必要があり、菌対策に多大な手間及び手数を要
し、作業性が悪い。しかも、洗浄を行う際には、貯留容
器内に貯留されている液体を破棄する必要があるので、
ミネラルウォーターや自然水などの高価な液体の場合、
無駄に液体を捨てることになり、経済面で不利である。
【0007】乾燥手段によるときも、洗浄手段と同様
に、乾燥といった手数及び手間を要し、しかも、乾燥す
る毎に貯留容器内の液体を破棄する必要があって、高価
な液体の場合、経済面で不利である。
【0008】本発明の目的は、手間及び手数を要するこ
となく、しかも、液体を無駄に破棄する必要なく、無菌
状態の液体を供給することができる無菌化液体供給器を
提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明による
無菌化液体供給器の特徴は、液体取出し用の一つの口を
有する液体容器と、液体を受け入れて貯留する貯留容器
とを設け、前記液体容器内の充填液体を貯留容器内に流
下供給するように、液体容器を、その口が下方を向いて
前記貯留容器内に上方から挿入する供給姿勢に着脱自在
に保持する保持手段を設け、前記貯留容器内から貯留液
体を流下させて取り出すための取出し手段を設けてある
液体供給器において、前記貯留容器内に、物理的な接触
で菌を死滅させる抗菌能を表面に有する抗菌性素子を、
貯留液体に接触する状態で、かつ、液体取り出しを許容
する状態に充填してある点にある。
【0010】本発明の第2発明による無菌化液体供給器
の特徴は、上記第1発明において、前記取出し手段の流
下管を貯留容器の底部に接続し、その流下管の基端部分
で液体の温度を調整する温調手段を設けてある点にあ
る。
【0011】本発明の第3発明による無菌化液体供給器
の特徴は、上記第1発明や第2発明において、前記抗菌
性素子として、抗菌性金属イオンをイオン交換体にイオ
ン交換反応により結合させた抗菌材を5〜30重量%の
割合で混入した樹脂製品を設け、前記抗菌性金属イオン
として、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンのうちの少な
くとも銀イオンを選択してある点にある。
【0012】本発明の第4発明による無菌化液体供給器
の特徴は、上記第1発明や第2発明において、前記抗菌
性素子として、抗菌性金属イオンを不溶性無機体に担持
させた抗菌材を5〜30重量%の割合で混入した樹脂製
品を設け、前記抗菌性金属イオンとして、銀イオン、銅
イオン、亜鉛イオンのうちの少なくとも銀イオンを選択
してある点にある。
【0013】本発明の第5発明による無菌化液体供給器
の特徴は、上記第3発明や第4発明において、前記抗菌
性素子の充填量を、貯留容器内の貯留液体1lに対して
表面積を90cm2 以上とさせる量に設定してある点に
ある。
【0014】
【作用】液体供給器では、貯留容器内から貯留液体を取
り出す毎に貯留液体に流れが発生し、かつ、貯留液体の
取り出しに伴い液体容器の口に対する液封が破壊されて
液体容器内の充填液体が貯留容器内に流下供給される毎
にその流下供給液体の流れで貯留液体が攪拌される。こ
の液体供給器の特性に着目して、第1発明では、貯留容
器内に抗菌性素子を充填してあるから、液体中の菌がそ
の抗菌性素子の表面に接触することで死滅する殺菌作用
を有するのみならず、取り出しに伴う貯留液体の流動に
よりその抗菌性素子表面への菌の接触の機会が非常に多
くなり、その結果、攪拌装置を設けたり、抗菌性素子の
充填量を過剰に多くしたりすることなく、効率良く貯留
液体中の菌を死滅させることができる。
【0015】第2発明によるときは、流下管の基端部分
での温調手段による液体の温度調整、つまり、加熱や冷
却により、貯留容器内の貯留液体に対流が発生するか
ら、加熱液体や冷却液体を得るための構成を利用して、
より一層、菌の抗菌性素子表面への接触の機会を多くす
ることができる。
【0016】そして、菌との物理的な接触によりその菌
を死滅させる抗菌材としては、銀イオンをゼオライトな
どのイオン交換体にイオン交換反応により結合させた抗
菌材や、銀イオン・銅イオン・亜鉛イオンをゼオライト
などのイオン交換体にイオン交換反応により結合させた
抗菌材、銀イオンをジルコニウム化合物などの不溶性無
機体に担持させた抗菌材、銀イオン・銅イオン・亜鉛イ
オンをジルコニウム化合物などの不溶性無機体に担持さ
せた抗菌材が知られており、これら抗菌材では、銀イオ
ン・銅イオン・亜鉛イオンという抗菌性金属イオンがイ
オン交換体や不溶性無機体から離脱することがないこと
が既に判明している。しかも、本発明者らが行った研究
及び実験の結果、上記の抗菌材を15〜30重量%の割
合で混入した樹脂製品では、抗菌材の使用量を最小限に
しながらも、表面に十分な抗菌能を発現することがで
き、その樹脂製品を抗菌性素子として十分に利用できる
ことが判明している。また、上記抗菌材を5重量%の割
合で混入した樹脂製品であっても、水中の生菌数を10
00個/cc以下という実用上問題のない範囲に維持す
ることができる。従って、抗菌性素子として前記の樹脂
製品を用いる第3発明や第4発明によるときは、抗菌能
を長期にわたって維持することができて抗菌性素子の交
換などのメンテナンスを少なくすることができ、しか
も、経済的に抗菌能を発現することができる。
【0017】本発明者らが研究及び実験を行った結果、
上記のように貯留液体の取り出しに伴ってその貯留液体
が流動する液体供給器では、貯留液体1lに対して前記
抗菌性素子の表面積が少なくとも90cm2 あれば貯留
液体中の菌を死滅させることができることを知見した。
第5発明によるときは、上記の知見に基づいて貯留液体
1lに対して抗菌性素子の表面積を90cm2 以上とし
てあるから、貯留液体に対する殺菌を確実に行うことが
できる。
【0018】
【発明の効果】従って本発明によれば、殺菌剤を用いる
ことなく貯留容器内での菌の増殖を常時防止して、洗浄
や液抜き乾燥といった手間、手数が掛かる特別な操作を
要することなく、かつ、液体を無駄にすることなく、常
に、無菌状態の液体を味を損なうことのない状態で供給
することができる無菌化液体供給器を提供し得るように
なった。
【0019】特に請求項2記載のようにすれば、構造簡
単かつ安価に液体の流動を活発に行わせて、一層、無菌
化性能を向上することができる。
【0020】請求項3又は4記載のようにすれば、抗菌
材の主体である銀イオンや銅イオン、亜鉛イオンなどの
抗菌性金属イオンのイオン交換体や不溶性無機体からの
脱落がなくて、非常に長期にわたって抗菌性を発揮する
ことができるから、抗菌性素子に対する交換等のメンテ
ナンスを少なくしながらも、液体を無菌状態する機能を
長期にわたって発揮することができる。
【0021】請求項5記載のようにすれば、使用する抗
菌性素子の量を可及的に少なくしながらも、確実に殺菌
することができる。
【0022】
【実施例】ミネラルウォーターや自然水などの飲料水を
供給する無菌化飲料水供給器への適用例を示す。無菌化
飲料水供給器は、図1に示すように、本体1と、その本
体1に飲料水を供給するための液体容器の一例であるボ
トル2とからなり、前記ボトル2は、飲料水取出し用の
一つの口2aを有し、この口2aを形成する口部は小径
に構成されている。
【0023】前記本体1は、ケース3に、前記ボトル2
からの飲料水を受け入れて貯留する貯留容器4を内装す
るとともに、前記ボトル2を供給姿勢で着脱自在に保持
する保持手段と、前記貯留容器4内の貯留飲料水を流下
させて取り出す取出し手段と、温調手段と、無菌化手段
とを組み付けて構成されている。前記貯留容器4は、上
部に受入口4aを有する。
【0024】前記保持手段は、前記ボトル2内の充填飲
料水を貯留容器4内に流下供給するように、前記ボトル
2を、その口2aが下方を向いて貯留容器4内に上方か
ら挿入する供給姿勢に着脱自在に保持する手段であっ
て、前記ケース3の天板に、その周部で口部に連なる大
径部分を載置するように口2aを下方に向けた倒立姿勢
のボトル2の口部を上方から挿入させる開口5を形成し
て構成されている。
【0025】そして、前記ボトル2を供給姿勢に保持さ
せると、口2aから空気がボトル2内に入り込むことで
ボトル2内の充填飲料水が流下し、ボトル2から貯留容
器4への飲料水の供給が開始される。その飲料水の供給
に伴い貯留容器4内の貯留飲料水の水面が上昇してその
水面下に口2aが浸漬することにより口2aが貯留飲料
水で塞がれて、つまり、水封されて口2aを通しての空
気のボトル2内への入り込みが阻止されることにより、
充填飲料水を流下させようとするボトル2内の圧力(ボ
トル2内の充填飲料水の水頭圧と内部の空気圧との和)
が次第に低下し、そのボトル2内の圧力が貯留飲料水の
水面に作用する大気圧と等しくなったときに、ボトル2
から貯留容器4への飲料水の流下供給が自動的に停止さ
れる。この状態で貯留容器4内から貯留飲料水が取り出
されて貯留飲料水の水面が口2aよりも下降することに
より口2aに対する水封が破壊されると、口2aから空
気がボトル2内に入り込み、この空気の入り込みでボト
ル2内の圧力が貯留飲料水の液面に作用する大気圧以上
となったときに、ボトル2から貯留容器4への飲料水の
供給が自動的に開始される。そして、この飲料水の供給
は、前記と同様に、その供給に伴う貯留飲料水の水面上
昇により口2aが水封されてボトル2内の圧力が大気圧
となったときに自動的に停止される。
【0026】前記取出し手段は、前記貯留容器4からの
飲料水取出し用の流下管6として、常温水取出し用、冷
水取出し用、温水取出し用の3本の流下管6a,6b,
6cを貯留容器4の底部に接続し、各流下管6a,6
b,6cの先端に開閉自在な給水コック7a,7b,7
cを装備させて構成されている。
【0027】前記温調手段は、冷水取出し用の流下管6
bを介して取り出される飲料水を冷却し、温水取出し用
の流下管6cを介して取り出される飲料水を加熱する手
段であって、冷水取出し用の流下管6bの基端部分にヒ
ートポンプの蒸発器8aを内装し、温水取出し用の流下
管6cの基端部分に電気ヒータ(シーズヒータなど)8
bを内装して構成されている。冷水取出し用の流下管6
bの基端部分は、蒸発器8aで冷却される水を貯留して
おくことで、給水コック7bを開いての冷水取出しの
際、迅速に冷水を供給できるようにするために、大径に
構成されており、温水取出し用の流下管6cの基端部分
も同様に、電気ヒータ8bで加熱される水を貯留してお
くことで、給水コック7cを開いての温水取出しの際、
迅速に温水を供給できるようにするために、大径に構成
されている。なお、温水取出し用の流下管6cの基端部
分内の温水が貯留容器4内に浮上するおそれがあるか
ら、基端部分の入口に、貯留容器4から基端部分への通
水のみを許容する逆止弁を設けたり、或いは、浮上した
温水の貯留容器4内への入り込みを阻止する逆U字形の
吸い込み管を連接したりして、温水が貯留容器4内に入
ることを防止するようにすることが好ましい。9,1
0,11は、ヒートポンプの圧縮機、凝縮器、放熱用の
ファンである。
【0028】前記無菌化手段は、前記貯留容器4内の飲
料水を無菌化するための手段であって、前記貯留容器4
内に、物理的な接触で菌を死滅させる抗菌能を表面に有
する複数の円筒状の抗菌性素子12を、貯留飲料水に接
触する状態で、かつ、飲料水取出しを許容する状態に充
填して構成されている。
【0029】前記抗菌性素子12は、抗菌材を5〜30
重量%の割合で混入した樹脂製品であって、具体的な形
状大きさの一例をあげると、内径が2.5cm、長さが
3.8cm、厚さが0.1cm、表面積が約64cm2
の円筒状である。そして、前記抗菌性素子12の充填量
は、貯留容器4内の貯留飲料水1lに対して表面積を9
0cm2 以上とさせる量に設定されている。前記抗菌性
素子12の樹脂としては、不飽和ポリエステル、エポキ
シ、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱硬化性樹脂
や熱可塑性樹脂である。前記抗菌材としては、抗菌性金
属イオンの一例である銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン
のうちの銀イオンをイオン交換体にイオン交換反応によ
り結合させたものや、銀イオンと銅イオンと亜鉛イオン
とをイオン交換体にイオン交換反応により結合させたも
の、銀イオンを不溶性無機体に担持させたもの、銀イオ
ンと銅イオンと亜鉛イオンとを不溶性無機体に担持させ
たものを挙げることができる。前記イオン交換体はゼオ
ライトであるが、他のものとしては、イオン交換樹脂な
どを挙げることができる。不溶性無機体としては、ジル
コニウム化合物を挙げることができる。
【0030】上記の構成によれば、貯水飲料水の取出し
に伴い貯留飲料水に流れが発生し、ボトル2から貯留容
器4への飲料水の供給に伴い貯留飲料水が攪拌され、流
下管6b,6c基端部分での飲料水の加熱冷却により貯
留飲料水に対流が発生し、その結果、貯留飲料水中の菌
が抗菌性素子12の表面に接触する機会が多くなって、
殺菌を効果的に行える。
【0031】次に、貯留容器4内に抗菌性素子12を充
填したことによる一般細菌に対する抗菌効果を確認する
ために本発明者らが行った実験を示す。実験に使用した
抗菌性素子12は、内径が2.5cm、長さが3.8c
m、厚さが0.1cm、表面積が約64cm2 の円筒状
のものであり、その抗菌材には、ゼオライトに銀イオン
をイオン交換反応により結合させたものを使用し、樹脂
には、不飽和ポリエステル樹脂を使用した。そして、抗
菌性素子12として、抗菌材を5重量%含有するもの
と、10重量%含有するものと、15重量%含有するも
のと、30重量%含有するものとの4種類を用意した。
【0032】実験は、幅が30cm、奥行きが30c
m、有効水深が15cmの角形の貯留容器4内に13.
5リットルの飲料水を貯留し、〈1〉貯留容器4内に、
抗菌材含有量が5重量%の抗菌性素子12の20個を充
填してある場合、〈2〉貯留容器4内に、抗菌材含有量
が5重量%の抗菌性素子12の30個を充填してある場
合、〈3〉貯留容器4内に、抗菌材含有量が10重量%
の抗菌性素子12の20個を充填してある場合、〈4〉
貯留容器4内に、抗菌材含有量が10重量%の抗菌性素
子12の30個を充填してある場合、〈5〉貯留容器4
内に、抗菌材含有量が15重量%の抗菌性素子12の2
0個を充填してある場合、〈6〉貯留容器4内に、抗菌
材含有量が15重量%の抗菌性素子12の30個を充填
してある場合、〈7〉貯留容器4内に、抗菌材含有量が
30重量%の抗菌性素子12の20個を充填してある場
合、〈8〉貯留容器4内に、抗菌材含有量が30重量%
の抗菌性素子12の30個を充填してある場合、〈9〉
貯留容器4内に抗菌性素子12を充填していない場合、
つまり、抗菌能を持たない比較対象の場合、のそれぞれ
で日数経過に伴う貯留飲料水中の一般細菌の生菌数の変
動を調査することで行った。この菌数の調査は、液体供
給器のコックを無差別に開き、先ず最初2リットルを取
り出した後にサンプリングを行い、次いで、標準寒天培
地を用いて36℃、48時間培養後に培地に集落を形成
した生菌の数をカウントすることで行った。なお、
〈1〉から〈8〉については経過日数が60日になるま
で調査し、〈9〉の比較対象については経過日数が10
日になるまで調査した。
【0033】結果のうち、〈1〉から〈8〉の抗菌性素
子12を充填した場合の結果を表1にまとめて示し、
〈9〉の抗菌性素子12を充填していない比較対象の場
合の結果を表2に示す。なお、表1中のNDは、生菌が
検出されずであり、表2中の数値は、飲料水となる貯留
容器4内の水1cc中の生菌数である。表から明らかな
ように、抗菌性素子12を貯留容器4内に充填すること
により、貯留飲料水を無菌化状態に維持できる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】〔別実施例〕上記実施例では、温調手段と
して、加熱と冷却とを行なえるものを示したが、温調手
段としては、加熱のみを行なうもの、冷却のみを行なう
ものであっても良い。
【0037】上記実施例では、温調手段を有する液体供
給器への適用を示したが、本発明は、温調手段を備えな
いものにも適用することができる。
【0038】上記実施例では、飲料水供給器への適用を
示したが、本発明は、各種の液体供給器に適用すること
ができる。
【0039】上記実施例では、抗菌性素子12として、
円筒状のものを示したが、抗菌性素子12としては、円
柱状、立方体状、直方体状、球状などの円筒状以外の形
状のものであっても良く、加えて、抗菌性素子12とし
ては、糸状、棒状などの形状のものであっても良い。要
するに、抗菌性素子12の形状、大きさは適宜変更可能
である。また、貯留容器4への充填量を少なくしてコス
トを低減するためには、抗菌性素子12が可及的に小さ
いながらも表面積が大きいものであることが好ましい。
円筒状以外の抗菌性素子12の例を挙げると、図2に示
すように、割り12aが入った円筒状のもの、図3に示
すように、抗菌性材料からなる抗菌板12Aの複数を湾
曲させてリング状の連結材12Bで全体が花弁状となる
ように連結して構成したもの、図4に示すように、渦巻
き状に構成されたもの、図5に示すように、抗菌性材料
からなる抗菌板12Cを固定具12Dでその渦巻き状を
維持するように固定して構成したもの、図6に示すよう
に、六角形や三角形(図では六角形を示す。)のハニカ
ム構造に構成された紙基材Eに抗菌材を含有する樹脂を
含浸させて構成したものなどである。もちろん、これら
抗菌性素子12の貯留容器4への投入量(個数)は、そ
れらの表面積及び貯留容器4の貯留量に応じて適宜決定
する。
【0040】上記実施例において、貯留容器4や液体容
器(ボトル)2、流下管6、給水コック7a,7b,7
c、冷却用の蒸発器8a、加熱用の電気ヒータ8bの少
なくとも接水面を抗菌化して実施したり、液体容器2の
口部やケース点板のうち開口5周辺部など、液体容器2
の交換作業時に手指などが触れやすく、また、水とも接
触し易い箇所を抗菌化して実施する。抗菌化の手段とし
ては、抗菌対象物自体を、上記実施例で示した抗菌性樹
脂など抗菌材を含有する樹脂で作成したり、或いは、抗
菌対象物を、抗菌材を含有する樹脂でコーティングした
りする手段を挙げることができる。
【0041】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】概略構成図
【図2】別実施例を示す抗菌性素子12の斜視図
【図3】別実施例を示す抗菌性素子12の斜視図
【図4】別実施例を示す抗菌性素子12の斜視図
【図5】別実施例を示す抗菌性素子12の斜視図
【図6】別実施例を示す抗菌性素子12の斜視図
【符号の説明】
2a 口 2 液体容器 4 貯留容器 6 流下管 12 抗菌性素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森村 安博 東京都港区元赤坂1―2―3 サントリー 株式会社東京支社内 (72)発明者 國崎 伸一 大阪府三島郡島本町大字山崎1023―1 サ ントリー株式会社技術開発センター微生物 センター内 (72)発明者 藤原 護朗 大阪府大阪市北区堂島浜一丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 益田 光信 大阪府大阪市北区堂島浜一丁目3番23号 株式会社タクマ内 (72)発明者 金沢 優 京都府京都市南区久世殿城町600―1 株 式会社タクマ京都分析センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体取出し用の一つの口(2a)を有す
    る液体容器(2)と、液体を受け入れて貯留する貯留容
    器(4)とを設け、前記液体容器(2)内の充填液体を
    貯留容器(4)内に流下供給するように、液体容器
    (2)を、その口(2a)が下方を向いて前記貯留容器
    (4)内に上方から挿入する供給姿勢に着脱自在に保持
    する保持手段を設け、前記貯留容器(4)内から貯留液
    体を流下させて取り出すための取出し手段を設け、前記
    貯留容器(4)内に、物理的な接触で菌を死滅させる抗
    菌能を表面に有する抗菌性素子(12)を、貯留液体に
    接触する状態で、かつ、液体取り出しを許容する状態に
    充填してある無菌化液体供給器。
  2. 【請求項2】 前記取出し手段の流下管(6)を貯留容
    器(4)の底部に接続し、その流下管(6)の基端部分
    で液体の温度を調整する温調手段を設けてある請求項1
    記載の液体供給器。
  3. 【請求項3】 前記抗菌性素子(12)として、抗菌性
    金属イオンをイオン交換体にイオン交換反応により結合
    させた抗菌材を5〜30重量%の割合で混入した樹脂製
    品を設け、前記抗菌性金属イオンとして、銀イオン、銅
    イオン、亜鉛イオンのうちの少なくとも銀イオンを選択
    してある請求項1又は2記載の液体供給器。
  4. 【請求項4】 前記抗菌性素子(12)として、抗菌性
    金属イオンを不溶性無機体に担持させた抗菌材を5〜3
    0重量%の割合で混入した樹脂製品を設け、前記抗菌性
    金属イオンとして、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンの
    うちの少なくとも銀イオンを選択してある請求項1又は
    2記載の液体供給器。
  5. 【請求項5】 前記抗菌性素子(12)の充填量を、貯
    留容器(4)内の貯留液体1lに対して表面積を90c
    2 以上とさせる量に設定してある請求項3又は4記載
    の液体供給器。
JP27511993A 1993-08-20 1993-11-04 無菌化液体供給器 Pending JPH07108277A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27511993A JPH07108277A (ja) 1993-08-20 1993-11-04 無菌化液体供給器

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20600193 1993-08-20
JP5-206001 1993-08-20
JP27511993A JPH07108277A (ja) 1993-08-20 1993-11-04 無菌化液体供給器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07108277A true JPH07108277A (ja) 1995-04-25

Family

ID=26515389

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27511993A Pending JPH07108277A (ja) 1993-08-20 1993-11-04 無菌化液体供給器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07108277A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150039886A (ko) * 2007-02-27 2015-04-13 크라프트 푸즈 알앤디, 인크. 음료 준비용 기계 내의 또는 이와 관련된 개선부

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20150039886A (ko) * 2007-02-27 2015-04-13 크라프트 푸즈 알앤디, 인크. 음료 준비용 기계 내의 또는 이와 관련된 개선부
US9668606B2 (en) 2007-02-27 2017-06-06 Koninklijke Douwe Egberts B.V. Machine for the preparation of beverages
US9723944B2 (en) 2007-02-27 2017-08-08 Koninklijke Douwe Egberts B.V. Machine for the preparation of beverages
KR101880795B1 (ko) * 2007-02-27 2018-07-20 크라프트 푸즈 알앤디, 인크. 음료 준비용 기계
US10729276B2 (en) 2007-02-27 2020-08-04 Koninklijke Douwe Egberts B.V. In or relating to a machine for the preparation of beverages
US11684200B2 (en) 2007-02-27 2023-06-27 Koninklijke Douwe Egberts B.V. Machine for the preparation of beverages

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU572481B2 (en) The use of chlorine dioxide gas as a chemosterilizing agent
KR100523309B1 (ko) 살균 수단을 구비한 식수 디스펜서
Kukhtyn et al. Formation of biofilms on dairy equipment and the influence of disinfectants on them
US20040101572A1 (en) Microbial control system
JPH0648488A (ja) 飲料水のディスペンサ
US7152759B2 (en) Bottled liquid dispensers
US20090233375A1 (en) Thermal bath systems and thermally-conductive particulate thermal bath media and methods
US20170159987A1 (en) Microbial Control System
EP3370841A1 (en) Device and method for isolation of potentially harmful material present in human or animal urine
JPH07108277A (ja) 無菌化液体供給器
US20060149212A1 (en) Antimicrobial matrix and method of use
CA2717702C (en) Systems using thermally-conductive particulate thermal media and methods
KR20040089034A (ko) 나노실버가 함유된 물 꼭지
JP3953971B2 (ja) Cuイオンミネラル殺菌水発生装置とCuイオンミネラル殺菌水発生装置の使用方法
US20110311927A1 (en) Methods for Supporting a Vessel Within a Laboratory Bath
CN101711227B (zh) 消毒装置和方法
KR200372795Y1 (ko) 나노실버가 함유된 물 꼭지
JPH10174581A (ja) 培養容器
Patel et al. Economical solution to remove microbes from harvested roof water
KR100454044B1 (ko) 항균기능을 갖는 냉온수공급기기
JPH04135499U (ja) 液体供給装置
JPH01266807A (ja) 膜分離装置
GB2415948A (en) Bottled liquid dispenser
JPH0742073Y2 (ja) 冷水供給機
Elston Animal Health Management for Aquaculture: Shellfish Series