JPH0696837B2 - 製紙における渦流形クリーナーの目詰り防止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、紙料液に渦流を与え
て繊維と重量異物とを分離するようにした渦流形クリー
ナーの目詰り防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】渦流形クリーナーは下端に向けて漸次小
径となる渦流室を有し、該渦流室内において紙料液に渦
流を与えることにより比重の軽い繊維分を浮揚し次工程
へ取り出しつつ、比重の大きな砂等の重量異物を沈降さ
せて渦流室下端のリジェクトノズルより吐出するように
構成されており、通常このクリーナーを多数併設し一時
に多量の紙料液の除塵、精選処理が行なえるようにし、
各クリーナーのリジェクトノズルより重量異物と共に吐
出された紙料液は再び回収されて次段のクリーナー群に
にかけるように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】而して上記リジェク
トノズルは口径が小さいために短期に目詰りを生じ、こ
の目詰りが進行すると砂等が他の異物と共に固く圧縮さ
れて固形化され除去し難くなる問題を有している。上記
のように多数本のクリーナーを設備しているため屡々こ
の目詰りに気付かずに運転を続行し精選能力を低下させ
たり、又一端目詰りが生ずると作業者はクリーナー下端
に接続された重量異物導出用のホースを抜去し、鉄棒等
でリジェクトノズルを繰返し突き入れ目詰り除去を行わ
なければならない煩雑な作業を強いられている実情にあ
る。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】この発明は上記の問題
を解決すべく提供されたものであって、その手段として
渦流室内で紙料液に渦流を与え、比重の軽い繊維から分
離した重量異物を沈降させて渦流室下端のリジェクトノ
ズルより吐出するようにした製紙における渦流形クリー
ナーにおいて、上記吐出口と対向して高圧水噴射ノズル
又は高圧エアー噴射ノズルを設置し、クリーナー運転中
に該ノズルを作動させその高圧水又は高圧エアーにてリ
ジェクトノズル内の目詰りを除去するように構成したも
のである。

【０００５】

【作用】この発明によれば、渦流形クリーナーの運転中
において上記高圧水又は高圧エアー噴射ノズルを定期的
に稼働する等して、リジェクトノズル内の目詰りを未然
に防止でき、目詰り防止手段として極めて簡素なる構造
にして実効を上げ得る。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図１、図２に基いて説
明する。

【０００７】１は渦流形クリーナーであり、該クリーナ
ー１は上部において拡径し下部において漸次小径となる
逆錐形の形態を呈して内部に同形状の渦流室２を画成
し、該渦流室２下端にリジェクト重量異物を吐出するリ
ジェクトノズル３を有し、上部に紙料液供給口４と精選
紙料液吐出口５とを有する。

【０００８】而して、紙料液供給口４より渦流室２内へ
紙料液を供給して同紙料室内を満たし、この紙料液に渦
流を与えながら比重の軽い繊維分を浮揚させて上記精選
紙料液吐出口５より吐出させ次工程に供給すると同時
に、比重の大きな砂等の重量異物を上記リジェクトノズ
ル３より吐出し、これをこのリジェクトノズル３に接続
したホース６を介してリジェクトノズル３直下に配され
た回収槽７に回収する。

【０００９】上記リジェクトノズル３の開口８と対向し
て高圧水噴射ノズル又は高圧エアー噴射ノズル９を設置
する。この噴射ノズル９は高圧水供給ホース１０を介し
て高圧水又は高圧エアー供給ヘッダー管１１に接続さ
れ、ホース１０とヘッダー管１１間の経路に手動バルブ
１２及び電磁弁又は空圧弁１３を設ける。即ち、ヘッダ
ー管１１より分岐した高圧水又は高圧エアー供給管路に
手動バルブ１２を設けて手動により流量調整及びオン、
オフが行なえるようにすると共に、この手動バルブの出
口側に上記電磁弁又は空圧弁１３を配して自動制御にて
流量調整及びオン、オフが行なえるようにする。

【００１０】かくして電磁弁又は空圧弁１３の自動制御
により噴射ノズル９を定期的又は断続的に稼働させるこ
とにより、高圧水又は高圧エアーを前記リジェクトノズ
ル３内へ噴射し、その目詰り砂を確実に除去し得る。

【００１１】実施例に従い更に詳述すると、上記リジェ
クトノズル３に短管１４を外挿しこの外挿部端部に取り
付けた弾性リング１５を以ってリジェクトノズル部外周
面に密着せしめ、この短管１４の下端延出部側壁に上記
高圧水又は高圧エアー噴射ノズル９を貫通し、溶接等に
て同側壁に一体に取り付け支持する。従って、噴射ノズ
ル９はエルボ形を呈し、基端を上記短管側壁に貫通支持
させ前記高圧水又は高圧エアー供給ホースと接続すると
共に、先端を上方へ向け立ち上げその先端開口１６をリ
ジェクトノズル３の開口８と対向させる。好ましくはこ
のノズル３の開口８の軸線と噴射ノズル９の開口１６の
軸線と短管１４の軸線を同軸芯に対向させ、噴射ノズル
口径Ｄ１をリジェクトノズル口径Ｄ２より小径にする。

【００１２】又上記短管１４の外周面にフランジ１７を
取り付けこのフランジ１７を短管１４に外挿した吊板１
８に支持し、短管１４及び噴射ノズル９の組立体を吊設
する。上記吊板１８は吊棒１９にて吊設し、吊棒１９上
端をクリーナー外周面に設けたフランジ２０に螺合し、
ナット２１にてフランジ２０に締め付け固定できるよう
にする。この吊棒１９の締め付けにて吊板１８及び短管
１４を引き上げ、ノズル外周面にガタなく緊密にしまり
嵌めする。

【００１３】上記の通り短管１４と噴射ノズル９とは一
体構造化し、ノズルユニットを形成する。このノズルユ
ニットを短管１４を以って、リジェクトノズル３に外挿
するのみで簡単に取り付けノズル３、９の対向状態を容
易に形成できる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明した通りこの発明によれば、渦
流形クリーナーの運転中において上記高圧水又は高圧エ
アー噴射ノズルを定期的に稼働する等して、リジェクト
ノズル内の目詰りを未然に防止でき、目詰り防止手段と
して極めて簡素なる構造にして実効を上げることがで
き、精選能力を健全に維持できる。又従来のノズル清掃
作業を不要とし大幅な省力化を達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す渦流形クリーナー群の
側面図。

【図２】本発明の一実施例における渦流形クリーナーを
一部断面して示す拡大側面図。

【符号の説明】 １ 渦流形クリーナー ２ 渦流室 ３ リジェクトノズル ４ 紙料供給口 ５ 精選紙料吐出口 ９ 高圧水又は高圧エアー噴射ノズル １４ 短管 １５ 弾性リング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】渦流室内で紙料液に渦流を与え、比重の軽
   い繊維から分離した重量異物を沈降させて渦流室下端の
   リジェクトノズルより吐出するようにした製紙における
   渦流形クリーナーにおいて、上記吐出口と対向して高圧
   水噴射ノズル又は高圧エアー噴射ノズルを設置したこと
   を特徴とする上記渦流形クリーナーの目詰り防止装置。
2. 【請求項２】上記クリーナー下端にホース接続用短管を
   外挿し該短管内に上記吐出口を開口させると共に、上記
   噴射ノズルを上記短管側壁に貫通支持させたことを特徴
   とする請求項１記載の渦流形クリーナーの目詰り防止装
   置。