JPH0693415B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ用電解液

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JPH0693415B2
JPH0693415B2 JP1264325A JP26432589A JPH0693415B2 JP H0693415 B2 JPH0693415 B2 JP H0693415B2 JP 1264325 A JP1264325 A JP 1264325A JP 26432589 A JP26432589 A JP 26432589A JP H0693415 B2 JPH0693415 B2 JP H0693415B2
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electrolytic capacitor
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電解コンデンサ用電解液の改良にかかり、
特に耐電圧性を向上させた電解コンデンサ用電解液に関
するものである。
〔従来の技術〕
通常の電解コンデンサは、粗面化処理を施したアウミニ
ウム、タンタル等の弁金属箔の表面に絶縁性の酸化皮膜
層を形成した陽極電極箔と、集電用の陰極電極箔とを電
解紙を介して巻回してコンデンサ素子を形成するととも
に、電解液を含浸し、外装ケースに収納した構成からな
る。
コンデンサ素子の陽極電極箔上に形成された酸化皮膜層
は誘電体となり、また電解液は電解質層となる。そし
て、この電解質層である電解液が真の陰極として作用す
る。すなわち、電解液は陽極箔上に形成された誘電体層
と集電用の陰極箔との間に介在して、その抵抗分が電解
コンデンサに直列に挿入されていることになる。
したがって、電解液の電導度が低いと、電解コンデンサ
内部の等価直列抵抗分が増大して高周波特性や損失特性
に悪影響を及ぼすことになる。しかし、一般的に電解液
の電導度を向上させると火花電圧が低下してしまう傾向
があり、電解コンデンサの耐電圧特性が損なわれること
があった。逆に耐電圧特性を向上させるために各種の添
加剤を添加した場合、その電導度が低下してしまい、結
果として損失が増大する。
そこで、電解コンデンサの電導度を低下させずかつ耐電
圧特性を向上させる手段として、各種の添加剤を電解液
に添加する手段が提案されている。例えば、スルファミ
ン酸(特開昭49−82963号)、スベリン酸(特開昭49−1
33860号)リン酸ドデシル(特開昭49−73659号)、アル
キルリン酸(特開昭52−153154号)、ジ亜リン酸(特開
昭57−141913号)、ホウ酸−マンニット系(特開昭57−
60829号)、ホウ酸−マンニット−ポリビニルアルコー
ル系(特開昭59−177915号)、変性シリコーンオイル
(特開平1−175722号)等である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、電子機器の利用範囲の増大から電解コンデン
サ性能の向上改善の要求が高まり、従来の電解液の電導
度では充分とは言えなくなりつつある。そのため、更に
電解液の電導度を向上させる必要があり、その影響とし
て耐電圧特性を維持することが困難となっている。
この発明の目的は、高い電導度を維持しつつ、耐電圧特
性を向上させた電解液の提供にある。
〔課題を解決するための手段〕
有機極性溶媒を主溶媒とし、有機酸、無機酸あるいはそ
の塩を溶質とした電解コンデンサ用電解液に、一般式: (式中、X1ないしX6は、同じまたは異なる水素原子、高
級アシル基または炭素数6以上のアルコール残基、R1
いしR6はエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
キシドであり、l,m,n,p,q,rは1以上の整数を表す)の
ポリオキシアルキレンソルビットを添加したことを特徴
としている。
オキシアルキレンの重合度(l,m,n,p,q,r)は、1以上
であれば、特に限定的な範囲はないが、著しく重合度が
高くなると合成が困難であったり溶解度が低下するなど
の不都合が生じるので、好ましくは1以上100以下程度
が適当である。
この発明による使用する前記ポリオキシアルキレンソル
ビットの一般式中X1ないしX2に該当する炭素数6以上の
いわゆる高級アルコールの具体例としては、ヘキシルア
ルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、
カプチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコ
ール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ト
リデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデ
シルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアル
コール、ステアリルアルコール、ナノデシルアルコー
ル、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシ
ルアルコール、オレイルアルコール、フィトール等が上
げられる。
高級アシル基に相当する脂肪酸としては、一般式:CH
3(CH2)nCOOH(nは9以上の整数)で表される飽和脂肪
酸があり、例えば、 ウンデシル酸(n=9)、ラウリン酸(n=10)、 トリデシル酸(n=11)、ミリスチン酸(n=12)、 ペンタデシル酸(n=13)、パルミチン酸(n=14)、 ヘプタデシル酸(n=15)、ステアリン酸(n=16)、 ノナデカン酸(n=17)、アラキン酸(n=18)、 ベヘン酸(n=20)、リグノセリン酸(n=22)、 セロチン酸(n=24)、ヘプタコサン酸(n=25)、 モンタン酸(n=27)、メリシン酸(n=28)、 ラクセル酸(n=30)等が挙げられる。
また不飽和脂肪酸としては、ウンデシレン酸<10>(1
1)、オレイン酸(cis)<9>(18)、エライジン酸
(trans)<9>(18)、セトレイン酸<11>(22)、
エルカ酸(sis)<13>(22)、ブラシジン酸(trans)
<13>(22)、リノール酸<9,12>(18)、リノレン酸
<9,12,15>(18)、アラキドン酸<5,8,11,14>(2
0)、ステアロール酸<3重結合,9>(18)[<>内は
不飽和結合の位置、( )内は総炭素原子数を表す]等
が挙げられる。
この発明による電解液の主溶媒たる有機極性溶媒は、プ
ロトン性極性溶媒として、エタノール、プロパノール、
ブタノール、ペンタノール等の1価アルコール類、また
エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、メトキシエタノール等の多価アルコール類、アルコ
ールエーテル類があり、非プロトン性極性溶媒として
は、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、N-エチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド
等のアミド系の極性溶媒、γ‐ブチロラクトン、N-メチ
ル‐2-ピロリドン、エチレンカーボネート等のラクト
ン、環状アミド系の溶媒が挙げられ、他にアセトニトリ
ル等のニトリル系、ジメチルスルホキシド等のオキシド
系が非プロトン性極性溶媒として例示でき、これらの主
溶媒を各々単独で、あるいは混合して用いることができ
る。
また、この発明で使用する電解質としては、特に制限は
なく、通常使用されているものでよい。例えば、アニオ
ン源として有機酸類、例えば蟻酸、酢酸等の脂肪族モノ
カルボン酸類やマロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸類または安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸
類があり、無機酸類としては、ホウ酸、リン酸、ケイ酸
等が挙げられる。カチオン源としては、例えばアンモニ
ウム、メチルアンモニウム等のモノアルキルアンモニウ
ムカチオン類、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモ
ニム等のジアルキルアンモニウムカチオン類、トリメチ
ルアンモニウム、トリエチルアンモニウム等のトリアル
キルアンモニウムカチオン類、テトラメチルアンモニウ
ム、トリエチルメチルアンモニウム等の第四級アンモニ
ウムカチオン等があり、他にホスホニウム、アルソニウ
ムカチオン類が挙げられる。
この発明による電解コンデンサ用電解液は、前記に例示
した有機極性溶媒を単独もしくは複数を100重量部用意
し、必要に応じて水を0〜50重量部混合した溶媒中に電
解質物質からなる溶質を単独もしくは複数を組み合わせ
て1〜30重量部溶解すればよい。そして、このような電
解液に、前記のポリオキシアルキレンソルビットを、好
ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは0.5〜6重量部
添加することより所望の特性を得ることができる。
〔作用〕
この発明で使用されるポリオキシアルキレンソルビット
の耐電圧特性を向上する作用としては、電解コンデンサ
の誘電体であるアルミニウム酸化皮膜界面に、非イオン
界面活性剤としてのポリオキシアルキレンソルビットの
ミセル層の形成が関与するものと考えられる。
〔実施例〕
以下、この発明にかかる電解コンデンサ用電解液の実施
例につき説明する。
各実施例においては、従来例と同じ溶媒および溶質によ
り電解液を調合し、これにポリオキシアルキレンソルビ
ットを添加した。そして、添加するポリオキシアルキレ
ンソルビットは以下のものを使用した。
A)テトラオレイン酸ポリオキシアルキレンソルビット B)ステアリン酸ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンソルビット C)ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテルソルビッ
D)ポリオキシプロピレンソルビット 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 実施例8 以上の結果から分かるように、この発明の電解液の電導
度は、従来例と比較して同等もしくは若干低下するもの
の、10%〜50%程度耐電圧を向上させることができた。
〔発明の効果〕
以上のようにこの発明は、有機極性溶媒を主溶媒とし、
有機酸、無機酸あるいはその塩を溶質とした電解コンデ
ンサ用電解液に、 一般式: (式中、X1ないしX6は、同じまたは異なる水素原子、高
級アシル基または炭素数6以上のアルコール残基、R1
いしR6はエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
キシドであり、l,m,n,p,q,rは1以上の整数を表す)の
ポリオキシアルキレンソルビットを添加したことを特徴
としているので、通常の電解液にこれらの添加剤を少量
添加することで、電導度を維持しつつ耐電圧特性を向上
させることができる。そのため、高電圧における電気的
特性が良好に安定し、この電解液を使用した電解コンデ
ンサの信頼性が向上する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機極性溶媒を主溶媒とし、有機酸、無機
    酸あるいはその塩を溶質とした電解コンデンサ用電解液
    に、 一般式: (式中、X1ないしX6は、同じまたは異なる水素原子、高
    級アシル基または炭素数6以上のアルコール残基、R1
    いしR6はエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオ
    キシドであり、l,m,n,p,q,rは1以上の整数を表す)の
    ポリオキシアルキレンソルビットを添加したことを特徴
    とする電解コンデンサ用電解液。
JP1264325A 1989-10-11 1989-10-11 電解コンデンサ用電解液 Expired - Fee Related JPH0693415B2 (ja)

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