JPH068752B2 - 翼の回転中の振動デ−タの分析処理方法 - Google Patents

翼の回転中の振動デ−タの分析処理方法

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JPH068752B2
JPH068752B2 JP12795786A JP12795786A JPH068752B2 JP H068752 B2 JPH068752 B2 JP H068752B2 JP 12795786 A JP12795786 A JP 12795786A JP 12795786 A JP12795786 A JP 12795786A JP H068752 B2 JPH068752 B2 JP H068752B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タービン翼の振動特性をはじめ、回転体の動
的挙動について得られたデータを分析,処理して振動特
性を把握する方法に係り、特に、回転中の固有振動数,
振幅など回転体の挙動把握に重要な特性を分析,処理す
る方法に関する。
〔従来の技術〕
回転体から得られた振動データを分析処理して固有振動
数,振幅などの振動特性として把握するには、まず、一
般的に回転体の振動は実際の回転中にどのようにして発
生するかを知らねばならない。そこで、タービン翼を例
にとり、その回転中の振動挙動を概説し、そこから得ら
れた振動データをもとに、振動特性を把握する従来の方
法について述べ、その問題点を明らかにする。
種々の構造物と同様にタービン翼もまた、種々の固有振
動数と固有振動モードを持つている。この固有振動数と
振動モードは、翼の形状,構造(翼と翼を直結部材で連
結する構造など)によってそれぞれ異なり、また、翼に
よつては回転中の遠心力の作用によつても変化すること
は良く知られている。さて、このような翼に何らかの振
動が発生するためには、翼に加振力が作用しなければな
らない。この加振力について簡単に述べると、タービン
翼が流体中を回転する際、円周方向に流体の不均一流が
存在すると、回転中の翼に流体による周期的な加振力が
作用し、その周波数成分は、回転数の整数倍の周波数で
あることも良く知られている。また、この値に流体によ
る加振力として、流体の乱れ等に伴うランダムな周波数
成分の加振力が存在する。
このような加振力が作用する時の翼の挙動について、回
転数を低速から次第に高速まで変化させる場合につい
て、第2図を例にとつて説明する。第2図は、横軸を回
転数、縦軸を翼の振動数にとり、そこに回転数に伴う翼
の固有振動数の変化等の振動特性を表すようにしたもの
で、キヤンベル線図とも呼ばれ、翼の振動特性表示によ
く用いられる。図中の多数の斜めの線は前述の回転数の
整数倍を回転次数と呼ぶことにする。
さて、翼の三つの固有モード(モード名をM1,M2,
M3と表記する)を例にとり、その固有振動数が回転に
伴い第2図の実線1,2,3で表すように変化すると仮
定する。回転数を低速から高速まで変化させると、翼に
は、さまざまの回転次数の強制加振力が作用するが、一
般に、いずれかの回転次数の加振力の周波数と翼のいず
れかの固有振動数が一致すると共振が起こり振幅が増大
する。第2図の〇印は共振点(翼の固有振動数と加振周
波数が一致する回転数とその振動数)の例を示す。
さて、このような翼の振動設計を行なう上で重要なこと
は、例えば、第2図に示すような、ターービン運転回転
数範囲では、翼の共振点がないような設計を行なうこと
である。そのために、翼の固有振動数が回転数変化に伴
いどのように変化するかを知ることが重要である。翼の
固有振動数は計算によつて予測することも可能である
が、精度的に必ずしも十分でない場合、実測との比較に
よつて、計算精度を確認し、次の翼の振動設計に反映さ
せたり、あるいは、計算精度は十分であつても、最終的
に実験によつて確認する場合、あるいは、計算が非常に
困難な翼構造の振動特性を実験のみで把握する場合な
ど、いずれにしても、実験によつて回転中の翼の固有振
動数の変化を測定することが非常に重要である。
回転中の翼の振動の測定方法には種々のものがあるが、
測定方法そのものについては省略し、以下では回転中の
翼について測定され電気信号に変換された振動波形を分
析,整理して、固有振動数等の特性を求める従来の方法
について述べ、その問題点を明らかにする。
そこで、第2図のような振動特性を持つ翼について、加
振周波数の変化と翼の振動応答の関係を回転次数5(加
振周波数が回転数の五倍である加振部分)の加振力と翼
の振動応答を例にとり、もう少し詳しく説明する。第3
図は加振次数5の周波数を横軸に、縦軸に翼の振動振幅
をとつていわゆる共振応答を表わしたものである。回転
上昇に伴い加振周波数が増すと、まず、M1モードの共
振が現われ、次にM2,M3モードというように共振が
現われる。このような分析法は一般に回転次数トラッキ
ング分析と呼ばれ、通常第4図のブロツク図に示すよう
な機器構成で分析することができる。すなわち、測定さ
れた翼振動波形4と回転数信号(例えば一回転一パルス
の信号)を用い、回転次数信号発生器11により回転数
の整数倍の周波数を持つ信号を発生させ、これをトラツ
キングフイルタ10のチユーニング信号として用いて、
翼振動波形信号のうち、回転数の整数倍の周波数成分の
み通過させ、その振幅値をグラフの縦軸に、回転数(ま
たは、回転数の整数倍の周波数)を横軸になるように、
例えば、X−Yレコーダ12等を用いて描かせると第3
図のような結果が得られる。これにより、翼の各振動モ
ードが共振する回転数と翼振動数及び振幅値の情報が得
られる。第2図のような特性を持つ翼の振動波形から各
回転次数ごとに第3図と同様の分析を行なつた結果をも
とに、横軸を回転数、縦軸を振動数にとつたグラフ上に
共振点の回転数と共振数をプロツトすると第5図のよう
なものが得られる。第5図は、第2図のM1,M2,M
3の各モードの回転数に伴う固有振動数の変化を表わす
実線1,2,3がないものと同じである。
また、第5図のような、翼の振動特性の整理結果は、別
の方法でも得られる。第6図はそのための機器構成を示
すもので、翼の振動波形を実時間周波数分析器、あるい
は、高速フーリエ変換器(FFTアナライザ)などによ
り周波数分析する。一方、第4図の場合と同様の回転数
信号を検出し、これを回転数カウンタで計測し、回転数
情報を計算機に取り込み、回転数が所定量だけ変化する
ごとに、上述の実時間周波数分析器、あるいは、FFT
アナライザによつて翼の振動波形の分析を行なう。第7
図はある回転数で、翼の振動波形を周波数分析した結果
の一例である。また、第8図は、回転数変化に対して、
所定の回転数変化ごとの周波数分析結果を合わせて表示
した一例である。さて、第8図によつて、翼の振動特性
の大まかな様子はわかるが、さらに、どの回転数のどの
振動数で翼の振動振幅が大きくなるか、あるいは、共振
するかなどの定量的な結果を得るために、次のようなデ
ータ処理法がとられる。すなわち、第7図のある回転数
の周波数分析結果のうち、回転数の整数倍の振動数に相
当する振幅値のみ選択的に記憶し、回転数が変化した時
の周波数分析結果についても同様の処理を行ない、各回
転数と、その回転次数倍の振動数成分の振幅値に関する
一群のデータを得る。次にこれを、各回転次数ごとに、
横軸に回転数(あるいは、回転数の加振次数倍である振
動数)を、縦軸に振幅をとつて整理すると、各回転次数
ごとに、第3図のような回転次数トラツキング分析結果
と同様の結果が得られる。以下、同様にして、やはり最
終的に、第5図と同様の翼の振動特性図を得ることがで
きる。
なお、この種の分析処理方法に関連するものとして例え
ば、「LAとデータ処理の自動化」南茂夫監修(KK)
総合技術センタ発行昭58,6/30P158〜160が
ある。
さて、第5図の振動特性図に注目すると、以上述べてき
た振動波形の分析法からも明らかなように、〇印で表わ
される共振点は、回転次数の周波数と翼の固有振動数が
一致した点を表わすのみであつて、翼の一つの振動モー
ドについてみれば一つの回転次数の周波数成分との共振
点と、次の回転次数の周波数成分との共振点の間の領域
の固有振動数についての情報は得られていないことに注
意する必要がある。
そこで、第5図の結果をもとに、任意の回転数における
固有振動数を求める一般的な方法は、例えば、第5図に
おいて、それぞれ、M1,M2,M3モードに対応する
共振点のデータ(回転数と振動数)をもとに、固有振動
数を回転数に対する曲線近似で表したり、内挿法、ある
いは、外挿法によつて任意の回転数に対する固有振動数
を求める。しかし、この方法には次のような問題点があ
る。
(1)例えば、第5図のM1,M2,M3などの各モード
の固有振動数が互いに非常に近い値をとる時、どの共振
点が、どのモードに対応するかの判別が難しい場合があ
る。
(2)例えば、第5図のM1モードの固有振動数を求める
場合、回転数の高い範囲の共振点が得られていない場
合、その領域の固有振動数を外挿により求めようとすれ
ば誤差が大きくなる。
(3)翼構造によつては、加振周波数と固有振動数が一致
しても共振点として現れず、固有振動数を求められない
場合がある。
ここで、上記(3)の場合について、もう少し詳しく説明
する。タービン翼を連結する場合、連結部材によつて全
周のすべての翼を切れ目なく連結する翼構造(以下、こ
れを全周一リング翼構造と呼ぶ)、あるいか、全周の翼
が、翼を植込んでいるデイスクと連成振動する場合、節
直径モードと呼ばれる、数多くの固有振動モードを持つ
が、それらのモードが加振を受けて共振する条件は、単
に固有振動数と各回転次数の加振周波数が一致するだけ
ではなく、各モードの節直径数と回転次数の値が等しい
条件が必要であることはよく知られている。これを、模
式的に示したものが第9図であり、各モードの節直径数
と、回転次数の値が一致する点のみが共振点として表さ
れる。このような場合、現れる共振点の数が極端に少な
くなり、それにより、各振動モードの固有振動数を精度
よく知ることはほとんど不可能である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、回転中の翼の振動波形のデータより、
どの回転数でも、固有振動数を精度よく知るための分
析,整理手段を提供するにある。
〔問題点を解決するための手段〕
翼の振動波形にはどのような情報が含まれているかにつ
いて概説する。翼は回転中に、先に述べたような、回転
数の整数倍の周波数の加振力による強制加振を受けると
共に、流体の持つ乱れ成分、あるいは、回転軸を介して
伝達される機械的加振成分があり、これらは、広い範囲
の周波数成分を持つランダムな加振力としての特徴を持
つている。これにより、翼の振動は、ほとんどの固有振
動モードの振動が励起され、発生,振動減衰による消滅
を繰返すランダムな振動現象を呈している。通常、この
ランダムな加振力は小さいため、翼の振動レベルも小さ
いが、比較的感度のよい振動測定法を用いることにより
検出可能であり、振動波形中には、各固有振動モードの
振動が含まれていることになり、例えば、第2図のよう
な振動特性の翼のある回転数における周波数分析の結果
は、第7図に示したように、微小ながらM1,M2,M
3の各振動モードのランダム振動のピークが現われるこ
とになる。
本発明の目的は、この振動波形に注目し、各回転数ごと
に回転数分析した結果をもとに、翼の固有振動数成分を
はじめとする周波数成分の抽出を行ない、それを回転数
と振動数の関係を表すグラフ上に表示することにより達
成される。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面によつて説明する。本発
明に係る、振動分析装置の基本構成は、第6図と略同様
である。すなわち、回転中の翼の振動波形4は、通常の
実時間周波数分析器、あるいは、FFT分析器5で周波
数分析され、周波数分析の結果(振動数と振幅)はイン
ターフエイス(図示しない)などを介して計算機6に取
り込まれ記憶装置7に記憶される。一方、例えば一回転
に一パルスの回転数信号8は回転数計測器9で計測さ
れ、回転数値は図示しないインターフエイスなどを介し
て計算機6に取り込まれ、記憶装置7に記憶される。こ
のデータの取り込み記憶手順につき、回転数が次第に上
昇していく過程の振動波形の分析,取り込み手順を例に
とつてさらに詳述する。データ取り込み開始から終了ま
での手順を第10図に示す。まず、分析開始後、計算機
6には常時、回転数値が取り込まれ、回転数値があらか
じめ設定された下限値Ωに達すると、計算機6からの
指令により、振動波形4は、分析器5でただちに分析さ
れ、その周波数と周波数に対応する振幅値が計算機6に
取り込まれ、記憶装置7に記憶される。通常の分析器で
指定された分析取波数域F1〜F(F1<F2)におい
て、周波数分解能ΔFが決まつており、従つて、分析周
波数域で 個の周波数成分に対応してデイジタル化した振幅値が分
析器5から計算機6に取に込まれる。すなわち、分析器
5から計算機6に取り込まれるデータは周波数の低い方
から順N+1個(分析周波数範囲の両端を加える。)の
振幅値データV(j=1〜N+1)のみであつて、各
振幅値に対応する周波数値Fは任意のn番目のデータに
対しては、 F=F+(n−1)ΔF によつて求められる。こうして、回転数が下限値Ω
達した時、計算機6の記憶装置7には下限回転数Ω
(N+1)個の振幅値の一組のデータが記憶される。次
に、再び、回転数Ωを計算機6に取り込み、下限回転数
値Ωに比べ回転数Ωがあらかじめ指定された回転数ピ
ツチΔΩ以上に増えていれば、前述したと同様に計算機
6からの指令により、その回転数Ωに対応する振動波形
5の周波数分析結果(N+1個の振幅値データV,j
=1〜N+1)が計算機6に取り込まれ、記憶装置7に
記憶される。こうして、先にデータを取り込んだ回転数
よりもΔΩ以上増すごとに、データ取り込み記憶を繰り
返し、最終的に、回転数Ωがあらかじめ設定された上限
値Ωを越えると、データの取り込み記憶を終了する。
さて、次に記憶されたデータの処理方法について述べ
る。処理方法の手順を第1図に示す。記憶されたデータ
のうち任意の回転数データΩとそれに対応する振幅値
データVij(j=1〜N+1)の処理方法について述べ
る。一例として、回転数Ωにおける周波数分析結果よ
り、分析周波数範囲F〜Fの間のN+1個の振幅値
分布が、横軸に周波数、縦軸に振幅値をとつて第11図
のように表せたとする。その一部分を拡大して表すと、
例えば、第12図のようになり、周波数分解能ΔFの間
隔を持つ振幅値の点列で表される。さて、本発明のデー
タ処理方法では、このような周波数分析結果のうち、振
幅値が極大値をとる時、すなわち、ある周波数における
振幅値が、その前後の周波数の振幅値より大きい値をと
る時、その振幅の極大値と周波数のみを選択する。具体
的には、回転数Ωに対応する振幅値データVij(j=
1〜N+1)において、連続する三つの振幅値データV
ij,Vij+1,Vij+2を比較し、Vij+1が、Vij,Vij+2
よりも大きければ、極大値vm=Vij+1として選択し、そ
の時の周波数=F1+jΔFにより与えられ
る。第12図に選択された振幅の極大値vとその周波
の例が示されている。次に、これら選択された極
存大データをもとに、横軸を回転数、縦軸に周波数をと
つたグラフ上に、回転数Ωに対応して、振幅値が極大
値を示した。その周波数の点をプロツトする。具体
的には、このプロツト作業は計算機6の指令により、デ
イスプレイ装置13の横軸に回転数、縦軸に周波数をと
つて表した画面上にプロツトさせてもよいし、同様にX
−Yプロツタ14上にプロツトさせてもよい。以上述べ
た処理を、回転数の下限値Ωから上限値Ωまで繰り
返して行なうことによつて、例えば、第2図のような振
動特性を持つ翼の振動分析結果が理想的には第13図の
ように表される。第13図の例では、各回転数Ωに対す
る、振幅が極大値となる周波数の点は、+信号によ
つてプロツトされている。なお、第13図において、破
線で示した斜めの線は回転次数の加振周波数成分を表す
線であり、あらかじめ、デイスプレイ装置13の画面
上、または、プロツタ14の図面上に描いておいてもよ
く、また、後から描き加えたものであつてもよい。
さて、第13図のような結果が得られる理由について、
翼の振動現象の現われ方との関連で説明する。先に説明
したように、回転中の翼は回転次数の強制加振力を受
け、一般に、この加振周波数と翼の固有振動数が一致す
ると、振幅が増大する共振現象を起こすが、一方、流体
の乱れ等に伴うランダムな周波数成分の加振力によつ
て、翼の持つすべての固有振動モードの振動が励起さ
れ、その振動の発生,消滅を繰り返す、いわゆる、ラン
ダム振動を、常時、繰り返している。従つて、第2図の
ような振動特性を持つ翼のある回転数における振動波形
を周波数分析した結果は、第7図に示したように、M
1,M2,M3各固有振動モードのランダム振動のピー
クを持つことになり、上述の振幅の極大値とその周波数
を選択する処理によつてとらえることが可能となる。か
くして、分析回転数範囲Ω〜Ωを通してこれらの点
をプロツトして表したキヤンベル線図として、第13図
のような結果が得られ、翼の振動モードM1〜M3の回
転に伴う固有振動数変化が明瞭に把握できることにな
る。もちろん、第13図に分析データの処理結果を図形
的に表現したものであるが、各回転数Ωにおける振幅
が極大値を示す周波数より、各モードの固有振動数
の具体的数値を知ることも可能である。
次に、第13図は、振動波形中に、翼の固有振動の成分
だけが存在するような理想的な場合の処理結果である
が、通常実際の翼の振動波形中には、この他にさまざま
な振動成分が含まれている。その代表例として、回転次
数の周波数を持つ振動成分がある。この原因は、回転次
数の周波数の強制加振力による翼の振動応答が現われる
場合もあるが、その場合は翼の固有振動数と加振周波数
が近くなつて共振状態に近くなる場合に限られており、
むしろ、振動波形の計測上の問題で、例えば一回転に一
回の割合で振動波形中にノイズが混入する場合が多く、
その振動波形を周波数分析すると回転数の整数倍の周波
数において、振幅の極大値を持つことになる。
また、この他に、測定された振動波形に、計測器をはじ
め振動測定系全体から混入するランダムな周波数成分の
ノイズがあり、これらも周波数分析の結果、不定期的
に、特定の周波数成分の振幅の極大値を示すことにな
る。
従つて、本来の翼の固有振動成分に上記したような振動
成分が重畳された振動波形の分析,処理した結果は、例
えば、第14図のようになり、第13図の結果に加え
て、回転次数成分の振動15、及び、ランダムなノイズ
成分の振動16が現わされることになるが、翼の固有振
動数は、回転に伴い連続的に変化するので、第14図の
ようにプロツトされた点の一連の変化により容易に固有
振動数成分を区別することができる。
本発明の実施例では、説明の都合上、振動波形の周波数
分析結果の計算機への取り込み,記憶と、データの処理
は別々に行なうものとして説明したが、本発明の主旨を
そこなうことなく、ある回転数で振動波形の分析結果を
計算機に取り込んだ後、ただちに、振幅の極大値成分の
選択、及び、デイスプレイ装置、あるいは、X−Yプロ
ツタ等へのプロツトを行なうものであつてもよい。この
処理作業は、計算機の処理が、あらかじめ設定した回転
数ピツチΔΩ、あるいは、分析したい回転数間隔ΔΩだ
け回転上昇するに要する時間以常に終了するに足る十分
な速度,能力がある場合に可能である。
また、第1図の説明において、デイスプレイ装置10、
あるいは、X−Yプロツタへのプロツトは、全回転数に
おける極大値成分選択の処理ごとに行なうものとして示
したが、全分析回転数範囲における極大値成分の選択処
理のあと一括して行なうものであつてもよい。
以上の説明では、すべて回転数が上昇する時の分析処理
方法として示したが、回転数が下降する場合にも、計算
機へのデータ取り込み法の簡単な変更で、容易に適用で
きる。
また、振幅極大値成分の選択で残された全データを、デ
イスプレイ装置、または、X−Yプロツタ上にプロツト
するものとして説明したが、振動波形中にランダムな周
波数のノイズ成分が数多く重畳している場合、ノイズに
対応する極大値成分のプロツトが非常に増大して、得ら
れたキヤンベル線図からの翼の固有振動成分の判別に困
難をきたす場合がある。このような場合に対し、選択さ
れた極大値成分のうち、振幅値がある閾値を越えたもの
のみプロツトすることができる。さらに、この閾値は、
プロツトの結果等を見て、変更可能にし、振動特性判別
に最適なキヤンベル線図を得るようにすることができ
る。
また、さらに、この処理によつて得られたキヤンベル線
図上に、振動振幅の情報を合わせて示すこともできる。
その一例として、選択された極大値成分のうちその振幅
値が、ある閾値以上のものについて、キヤンベル線図上
にプロツトした、点(Ω)を中心に、振動振幅
の大きさに比例した直径の円を描くことができる。ま
た、他の例としては、第15図に示すように、選択され
た、極大値成分のうち、さらに、その振動数が翼の固有
振動数と略一致するもののみ選択し、さらに、回転数の
整数倍の周波数と略一致するもののみ選択し、キヤンベ
ル線図上の該当する点を中心に、その振幅値に比例した
直径の中を描いて、振幅の大きさを表示することもでき
る。
以上の説明では、振動波形の分析は通常の実時間周波数
分析器、または、FFTアナライザ等によつて行ない、
分析データの取り込み,記憶,ならびに、極大値振動成
分の選択処理は計算機によつて行なうものとして示した
が、あらかじめ、周波数分析器、または、FFTアナラ
イザ等に、マイコン等を組み込み、周波数分析結果よ
り、ただちに、極大値振動成分のみを選択するアルゴリ
ズムをプログラミングしておき、その出力として、極大
値成分の振幅値及び周波数値が得られるようなものであ
つてもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、回転中の翼の振動特性、特に、回転に
伴う翼の種々の固有振動数の変化を、測定回転数、ある
いは分析回転数の全域にわたり、精度よく把握すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のデータ処理,整理方法を示
すブロツク図、第2図は通常のタービン翼等の振動特性
例を表すキヤンベル図、第3図は振動波形の回転数トラ
ツキング分析例図、第4図は回転数トラツキング分析の
ための機器構成を示すブロツク図、第5図は第2図のキ
ヤンベル線図の別の表示例図、第6図は振動波形の他の
分析法の機器構成を表すブロツク図、第7図は第6図の
分析法による分析例図、第8図は第7図の分析例を重ね
て示した図、第9図はタービン翼の他の振動特性を表す
キヤンベル線図、第10図は振動波形分析データの取り
込み,記憶手順を示すブロツク図、第11図は周波数分
析結果の一例を示す図、第12図は第11図の部分の拡
大図、第13図ないし第15図は本発明のデータ分析法
に基づくキヤンベル線図の表示例を示す図である。 1〜3…固有振動数線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 和雄 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小野田 武志 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】翼の回転時の各回転数において発生する振
    動成分を適当な手段を用いて計測し、電気信号に変換さ
    れた振動波形を用いて、その振動数成分と振幅値を分
    析,処理する方法において、 任意の回転数において検出された前記振動波形を通常の
    周波数分析器、あるいは高速フーリエ変換器などで分析
    され、前記周波数分析器の周波数下限より周波数分解能
    間隔ごとに配列された振幅値データを用いて、ある周波
    数値に対応する振幅値がその前後の周波数値に対応する
    振幅値よりも大きい場合、すなわち、極大値となる場合
    のみ、その振幅の極大値とその周波数の値を選択的に抽
    出,記憶すると同時に、これに対応する回転数を記憶
    し、これらのデータをもとに、横軸に回転数、縦軸に振
    動数をとつたグラフ上に、上記各回転数に対応する、振
    幅の極大値を示した振動数値を、点又は記号でプロツト
    又は表示することを特徴とする翼の回転中の振動データ
    の分析処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、 各回転数において、選択的に抽出された振幅の極大値デ
    ータのうち振幅値がある敷居値を越えるもののみを残
    し、これに対応する振動数値に対応する点のみを、回転
    数と振動数の関係を表すグラフ上に点又は記号によりプ
    ロツト又は表示することを特徴とする翼の回転中の振動
    データの分析処理方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、 前記周波数分析器マイクロコンピユータを内蔵させ、分
    析器の周波数分析結果より、振幅が極大となる周波数成
    分とその振幅値を選択的に抽出し、出力できる機能をプ
    ログラミングにより付加したことを特徴とする翼の回転
    中の振動データの分析処理方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、 選択的に抽出された振幅の極大値データのうち、その周
    波数が、翼の固有振動数と略一致するかどうか判別し、
    かつその周波数が回転数の整数倍の周波数に略一致する
    時のみ、回転数−振動数グラフ上の該当する点を中心
    に、振動値に比例した直径を持つ円を描くことを特徴と
    する翼の回転中の振動データの分析処理方法。
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