JPH0683783B2 - 気固系流動層内の気泡制御方法および気固系流動層装置 - Google Patents

気固系流動層内の気泡制御方法および気固系流動層装置

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JPH0683783B2
JPH0683783B2 JP15729090A JP15729090A JPH0683783B2 JP H0683783 B2 JPH0683783 B2 JP H0683783B2 JP 15729090 A JP15729090 A JP 15729090A JP 15729090 A JP15729090 A JP 15729090A JP H0683783 B2 JPH0683783 B2 JP H0683783B2
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diameter
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充幸 中島
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01J8/00Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes
    • B01J8/18Chemical or physical processes in general, conducted in the presence of fluids and solid particles; Apparatus for such processes with fluidised particles
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
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    • B01J2208/00Processes carried out in the presence of solid particles; Reactors therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、流動層における気・固接触の良好な流動状
態を実現するための方法および装置に関し、特に流動層
内を上昇する気泡群の気泡径を小さなままに維持するよ
うに制御し、もって気・固接触面積の増大、気泡上昇速
度の抑止、気泡の滞留時間の増大をなさしめ気・固接触
の良好な流動状態を形成する気固系流動層内の気泡制御
方法およびその気固系流動層装置に係わるものである。
【従来の技術】
固体粒子を気体で流動化する流動層装置は、反応装置、
燃焼装置、焼成装置、乾燥装置や熱交換装置などとし
て、各産業分野で広く用いられている。 これらの流動層装置においては、容器内の固体粒子層の
下方からガス分散器を通して最小流動化速度以上の速度
で気体を流すと、流動化して粒子層に気泡が発生し、気
泡群と粒子群の二相からなる不均一系の流動層が形成さ
れる。そして、流動層内の気泡は隣接する気泡どうしが
合体を繰り返して大きく成長しながら上昇し、流動層上
部に至る。 上記の流動層における気体と固体粒子との接触が充分に
なされることは、例えば気・固反応(気体・固体粒子間
の反応)、気・気反応(固体粒子を触媒とした二種類以
上の気体どうしの反応)、燃焼や焼成(固体粒子の酸化
反応)、乾燥や熱交換(気体・固体粒子間の物質移動や
熱移動)等にとって重要である。 一般に、気泡は隣接する気泡どうしが合体を繰り返して
大きく成長しながら上昇し、気泡径が大きいものほど上
昇速度の早い気泡となる。そのため、気泡径が大きくな
ればなるほど、気泡群の総表面積が小さくなると共に、
気泡の滞留時間が短くなり、気・固の接触時間は減少
し、気・固接触が不十分となる。この現象は大型の流動
層においてより顕著となる。従って、これら流動層装置
においては、気泡径をできるだけ小さくし、もって気・
固の接触面積を増大させ、気泡上昇速度を抑えて気泡の
滞留時間を増大させることが、気・固接触を良好にする
ために有効であり、また重要である。 従来より、流動層内の気・固接触の良好な流動状態を実
現する目的で、流動層内にバッフルを取り付けるなどの
工夫がなされてきた。 従来から一般的によく用いられた多孔板型バッフルや水
平形管群などは、バッフルにぶつかる気泡を分裂させ小
さくするとか、バッフルが流れに対して抵抗を持つこと
により、気泡をバッフルで再分解させるなど、バッフル
が気泡に直接作用することに着目して設置されてきた。
【発明が解決しようとする問題点】
しかし、これら従来のバッフルを使用する場合は、流動
層水平断面全体にわたる大きなバッフルを流動層内に複
数段設ける必要があるので、バッフル自身のコストが大
きくかかるという問題がある。 また、これらバッフルは、気泡に直接作用して分裂させ
る性質上、近くの分裂した気泡どうしがすぐに合体しな
いように、かなり大きな抵抗(圧力損失)をもたせて分
裂気泡を再分散させる必要があるが、その抵抗によって
バッフルの直下に気・固接触に関与しない気体の層が生
じてしまう。その結果、形成される流動層全体の高さが
増大するので、予め流動層の容器本体の高さを高くして
おかなければならないという問題点がある。 さらに、容器内メンテナンスの際には、バッフルを外さ
なければ点検に入れないという問題もある。 また、これらバッフルの粒子流れに対する抵抗は、粒子
混合を減少させ、流動層の特色である流動層内の温度均
一性を損なうことにもなる。 これらの問題点を解決するためには、水平断面積が小さ
く、かつ効果の大きいバッフルでなければならない。 この種の気泡群に対する抵抗(圧力損失)の少ないバッ
フルとしては、第11図と第12図に示す特公昭51−30872
号公報のものや第13図(A),(B)に示す特公昭49−
45463号公報のものの如き、流動層12が形成される塔
(容器)2の側壁内周面3に設けられた環状、板片状、
棒状等の水平バッフル5が提案されている。 しかし、第11図と第12図のバッフル5は、側壁内周面3
等の垂直面近傍に生じている粒子群の下向きの流れを中
断しその流れを層内方の上昇する気泡群に導くことによ
って、流動層12を複数の反応域に区画していわゆるステ
ージング効果を生じせしめ、反応生成ガスの一部が流動
層内で再循環されて過度の分解等を生ずるのを防止しよ
うとするものであり、上昇する気泡径をできるだけ小さ
くするためのものではなく、また当然、気泡径の小さく
するためのバッフルの諸条件も明らかにされていない。 また、第13図のバッフルは、流動層が形成される塔2の
側壁内周面3の摩耗を防止するもので、第11図,第12図
のバッフルと同様に上昇する気泡径をできるだけ小さく
するためのものではなく、また当然、気泡径を小さくす
るためのバッフルの諸条件も明らかにされていない。 本発明者は、上述の如き気泡に直接作用するバッフルの
問題点を解消し、流動層内を上昇する気泡群の気泡径を
小さいまま維持して気・固接触のより良好な流動状態を
実現する手段を得ることにつき鋭意研究した結果、流動
層において気泡がほとんど無い塔側壁内周面近傍に設け
られた環状や板片状のバッフルが、気泡挙動に大きな影
響を与えることを見出し、さらにその影響を利用して気
泡の空間分布を均一にすると流動層内を上昇する気泡群
の気泡径を小さいまま維持できることを見出してこの発
明を完成させたものである。
【問題を解決するための手段】
すなわち、この発明の第1の発明における気固系流動層
内の気泡制御方法は、流動層が形成される容器の側壁内
周面に沿って、流動層を形成する粒子が通過できる隙間
を介してもしくは隙間を介することなくバッフルを設
け、かつ、上記バッフルの水平方向の成分長さの幅を該
バッフルが設けられる容器側壁内周面の直径または相当
直径の0.01〜0.05倍とすると共に、下記の定義 による比バッフル水平面積を0.14〜0.32の範囲にするこ
とによって、上記流動層内を上昇する気泡群の平均径を
比較的小さいままに維持することを特徴とするものであ
る。 また、この発明の第2の発明における気固系流動層装置
は、流動層が形成される容器の側壁内周面に沿ってバッ
フルを設けてなる気固系流動層装置において、上記バッ
フルは流動層を形成する粒子が通過できる隙間を介して
もしくは隙間を介することなく前記容器側壁内周面に沿
って設けられており、かつ、上記バッフルの水平方向の
成分長さの幅が、該バッフルが設けられる容器側壁内周
面の直径または相当直径の0.01〜0.05倍であると共に、
下記の定義、 による比バッフル水平面積が0.14〜0.32の範囲であるこ
とを特徴とするものである。 上記のバッフルは、容器側壁内周面に沿って環状に一段
あるいは多段に設けることができる。一段設けた場合の
バッフルの設置位置、あるいは多段に設けた場合の最下
段のバッフルの設置位置は、流動層の底部に設けたガス
分散器から当該バッフルまでの鉛直距離が、容器側壁内
周面の直径または相当直径より短くなる位置とすること
が望ましい。ガス分散器が複数のガス分散器から構成さ
れている場合には、全供給量の50容量%以上のガスが供
給されているガス分散器を基準とし、あるいは50容量%
以上のガスを供給するガス分散器がないときは下からの
合計ガス量が全供給量の50容量%以上となる箇所のガス
分散器を基準として、上記の鉛直距離を測定すればよ
い。 また、容器側壁内周面から隙間を介してバッフルを設け
る場合の隙間は、3mm以上で、かつ、バッフルが設けら
れる位置の容器側壁内周面の直径または相当直径の8分
の1以下の隙間とすることが望ましい。
【作用】
以上の手段を採ることで、流動層内で最大流速を持つ側
壁内周面近傍の粒子群の下降流が、前述した特定の幅と
特定の比バッフル水平面積を有するバッフルにより阻止
されて、その粒子群の下降流は流動層中心軸を流れるよ
うに誘導される。その結果、流動層中心軸方向へ集まろ
うとする気泡の流れは、流動層中心軸付近を流れる粒子
下降流に阻害され、流動層外周方向に押しやられて、こ
れら気泡群は流動層内を比較的均一に流れるようにな
る。 流動層内の気泡分布が均一となると、隣接する気泡との
合体確率が減少して、気泡群はその径の増大を阻止さ
れ、気泡径が比較的小さなままに維持される。その結
果、流動層で良好な気・固接触が得られるようになる。 すなわち、この発明においては、基本的には気泡群に直
接作用するものでなく、気泡群の流れに付随して起こる
流動層内の粒子群の流れを特定の条件で変えてやること
により気泡群の流れを変え、気泡の分布を均一にし、気
泡群の合体確率を減らし、成長を遅らせることにより流
動層内の平均気泡径を小さく維持する。 これを詳しく説明すると、バッフルのない流動層内では
上昇する気泡群が比較的多く流れる部分が存在し、その
部分は流動層底部では初め比較的流動層外周に近い部分
に環状に現れ、流動層内を上昇するにつれて流動層中心
軸方向に移動する。気泡の合体は隣接の気泡どうしでな
されるため、気泡が多く集まるところではより一層合体
が促進される。特に気泡がある一ヵ所すなわち流動層中
心軸付近に集まった場合には気泡径は急激に大きくな
る。また、流動層内を上昇する気泡の底部には一般に気
泡ウェィクと呼ばれる粒子相があり、流動層底部で気泡
の生成と同時に気泡ウェィクに取り込まれた粒子は気泡
に伴って上昇し流動層上部表面で気泡の破裂と共に解放
される。そして気泡と共に上昇した粒子量に見合う量の
粒子が流動層内を下降する。下降する粒子群は気泡とは
逆に流動層外周付近を下降する。この粒子下降流によっ
て気泡はさらに流動層中心軸方向に押しやられ、この力
学的バランスにより流動層の流動状態が定まっているの
である。 この発明においては、気泡群の気泡径を小さくするため
に、特定のバッフルによって気泡の分布を均一にし、特
に合体が極度に促進される流動層中心軸上に気泡を集ま
らないようにし、すなわち気泡の流れと粒子の流れの力
学的バランスを変えてやり、これによって流動層内の平
均気泡径を小さく維持するのである。
【実施例】
以下に、図面を参照して本発明を詳細に説明する。 第1図は、この発明の一実施例を示す流動層装置1であ
り、円筒状の塔本体(容器)2の底部にガス分散板(分
散器)4が設けられている。この分散板4は、多孔板、
小孔のある部材等の多孔性部材からなっており、流動層
12の支持体として作用すると共に流動層12に気体が均一
に流れるように構成されたものである。分散板4で区画
された塔本体2底部のガスだめ10に連通して弁8を介装
したガス流入配管6が接続されており、気体がガス流入
配管6、弁8、ガスだめ10および分散板4を通って流動
層12に導かれる。その導入された気体によって分散板4
上方の微細粒子が流動化され、気泡群と粒子群の二相か
らなる不均一系の流動層12が形成される。 符号14は流動層上部界面であり、流動化粒子はおもにこ
の界面以下に保持され、一部の粒子が気体に同伴されて
界面上に飛散するが、飛散した粒子は、塔本体2上部空
間のフリーボード部16で分離されるかもしくはフリーボ
ード部16に必要により配置されるサイクロン18により気
体と分離され、流動層12内に戻される。サイクロン18の
ディプレグ20は、流動層12内まで挿入することもできる
し、この実施例のようにディプレグ20からサイクロン18
へのガスの吹抜けを防ぐ一種の逆止弁的作用をなすトリ
クル弁22を用いてサイクロン18で分離される粒子を流動
層12内に戻すこともできる。分離気体は、塔本体2もし
くは必要により設けられたサイクロン18に連通接続され
たガス出口配管24を通じて排出または次の工程に送られ
る。 また、流動化される粒子は、塔本体2上部に設けられた
配管26から必要により投入され、分散板4上方近傍の塔
本体2に設けられた配管28から排出される。粒子の入排
出の必要の無い場合には、配管26,28に介装された弁30,
32は、閉じられている。 かかる流動層装置において、この発明に係わるバッフル
34,36が、流動層12が形成される位置の塔本体2の側壁
内周面3に沿って設けられている。 すなわち本実施例においては、バッフル34,36が、側壁
内周面3に沿ってリング状に、かつ水平に上下2段に配
され、第2図の如く側壁内周面3を各バッフル34,36の
間に、流動層を形成する粒子が通過できる隙間49が設け
られ、側壁面内周面3の数ヵ所から突出させた水平支持
部材35に溶接保持されている。この隙間49は、必要によ
り設けられるもので、設定できる隙間の大きさは、粒子
径、ガス流速や流動層の直径等によって異なるので、実
験により好ましい寸法を設定する。従って、この隙間寸
法は一概には規定できないが、一般的には流動層12を形
成する粒子径の10倍以上または3mm以上が好ましく、大
きくても側壁内周面の直径または相当直径(流動層が形
成される塔本体2の内径または相当内径)の8分の1以
下である。 上記の各バッフル34,36は、下記の式(1)で示される
ように、円柱状の流動層12の直径Dtすなわち円筒状の塔
本体2の側壁内周面3の直径Dtの0.01〜0.05倍の水平方
向の成分長さの幅Wrをそれぞれ有している。上記水平方
向の成分長さの幅Wrとは、上方の無限遠点から見た側壁
内周面3側から流動層中心軸に向う投影幅であり、バッ
フルの側壁内周面3側から流動層中心軸に向う水平成分
長さであって、本実施例では水平のバッフルなのでバッ
フル34,36の幅そのものがWrに当る。 Wr/Dt= 0.01〜0.05 ……(1) ただし、 Wr:バッフルの水平方向の成分長さの幅[m] Dt:該バッフルが設けられる位置の側壁内周面の直径
(流動層の直径)[m] さらに、上記バッフル34,36は、下記の(2)式による
比バッフル水平面積が0.14〜0.32の範囲になるように
も、設定されている。 上記(2)式における「バッフルの水平方向の成分面
積」とは、上方の無限遠点から見た流動層12内の各バッ
フルの投影面積であり、各バッフルの水平成分面積であ
って、上記「比バッフル水平面積」は流動層水平段面積
に対するバッフルの水平成分総面積の比を表すものであ
る。また、上記(2)式の分数の分子の記載における
「流動層内」とは、ガス分散器板から流動層上部界面ま
での塔内部を意味する。 本実施例においては、第1図から明らかなようにバッフ
ル34とバッフル36は、同一の水平方向の成分面積Arを有
しているので、上記(2)式の比バッフル水平面積は次
のように表すことができる。 比バッフル水平面積=Ar×Nr/At =2Ar/At =0.14〜0.32 ……(3) ただし、 Ar:バッフルの水平方向の成分面積(上方からの投影面
積) [m2] Nr:バッフル段数[−] At:側壁内周面の水平断面積 (流動層の水平断面積)[m2] この比バッフル水平面積の意義を上記(3)式を踏まえ
てさらに詳しく説明すると、流動層内にバッフルを2段
に設置した場合には、流動層直径に対し2〜4%の水平
方向の成分長さの幅のリング状バッフルで充分に気泡径
を小さく維持することができる。更にバッフルの段数を
増やした場合には、バッフルの水平方向の成分長さの幅
を小さくすれば同様の効果が生ずる。例えば、バッフル
を5段に設置した場合には、流動層直径の1%の幅のバ
ッフルが気泡径を小さく維持するのに効果がある一方、
流動層直径の2%の幅のバッフルのままでは、この発明
の効果が生じないのである。この発明における比バッフ
ル水平面積は上述の現象を把握するもので、比バッフル
水平面積を0.14〜0.32の範囲にし、かつバッフルの水平
方向の成分長さの幅を上記(1)式の範囲にすること
で、この発明の効果を生じさせることができることを示
すものである。 また、この実施例の最下段のバッフル34は、分散板4か
らの鉛直距離Zrが流動層12の直径Dtすなわち塔本体2の
側壁内周面3の直径長さDtよりも短い位置に設けられて
いる(Zr<Dt). 以上の構成により、流動層12内で最大下降流速を持つ側
壁内周面3近傍の粒子群下降流が前述した特定の幅と特
定の比バッフル水平面積を有するバッフル34,36により
阻止されて、その粒子群の降下流は流動層12の中心軸近
くを流れるように誘導される。その結果、流動層12の中
心軸近くへ集まろうとする気泡の流れは、流動層中心軸
付近を流れる粒子下降流に阻害され、流動層外周方向に
押しやられて、これら気泡群は流動層内を比較的均一に
流れるようになる。 流動層12内の気泡分布が均一となると、隣接する気泡と
の合体確率が減少して、気泡群はその径の増大を阻止さ
れ、気泡径が比較的小さなままに維持される。その結
果、気泡群と粒子群の気・固接触面積が減少せず、また
気泡が大きくなって気泡上昇速度が上がるのを抑えるこ
とができ、気泡の滞留時間を減少させることがなく、流
動層12で良好な気・固接触が得られるようになるのであ
る。 すなわち、特定の条件を備えるバッフル34,36は、基本
的には気泡群に直接作用するものでなく、気泡群の流れ
に付随して起こる流動層12内の粒子群の流れを変えてや
ることにより気泡群の流れを変え、気泡の分布を均一に
し、気泡群の合体確率を減らし、成長を遅らせることに
より流動層12内の平均気泡を小さく維持するのである。
これによって、流動層12内を気・固接触の良い流動状態
に変えることができる。特にこの作用は、流動層の高さ
Lfが側壁内周面の直径Dt以上を有し固体粒子の密度が2.
5g/cm3程度で粒子径が300μm未満の流動層において顕
著にあらわれる。また、粒子密度がより小さいもので
は、更に大きな粒径においてもこの作用が顕著にあらわ
れる。 また本実施例においては、最下段のバッフル34を、分散
板4からこのバッフル34までの鉛直距離Zrが流動層12の
直径Dtすなわち塔本体2の側壁内周面3の直径長さDtよ
りも短くなるような位置に設けた(Zr<Dt)。すなわ
ち、一般に、バッフルなどの内挿物の無い流動層では、
気泡は流動層直径の1倍から6倍の範囲の流動層高さに
至るまでに気泡の合体が急激に促進されて流動層中心軸
に集まる。この発明におけるバッフルは、気泡の分布を
均一にして気泡の合体確率を減らし気泡径の増大を防ぐ
仕組みのため、気泡どうしの合体が進んでしまった段階
では、以後の気泡群の気泡径を維持することができて
も、気泡を分裂させて小さくすることはできない。した
がって、気泡どうしの合体がある程度促進される前にバ
ッフルの作用が発揮されることが望ましい。したがって
本実施例においては、分散板4から最下段バッフル34ま
での鉛直距離Zrを流動層の直径Dtよりも短くし、気泡群
の気泡径を比較的小さいままに維持するようにしている
のである。 なお第3図に示したように、ガス分散板4やスパージャ
37等の複数のガス分散器によって気体が2カ所以上の高
さから流動層内に供給される場合においては、上記鉛直
距離Zrは全気体供給量の50容量%以上の気体を供給する
分散器からの鉛直距離とし、50%容量以上の気体を供給
する分散器が無い場合には下からの合計気体量が全供給
気体量の50容量%以上となる所の分散器からの垂直距離
とする。つまり、流動層の底部に設けた主たるガス分散
器からの鉛直距離が側壁内周面の直径(流動層の直径)
より短くなるような位置に最下段のバッフルを設ければ
よいのである。すなわち、第3図の場合においてガス分
散板4からの気体供給量が全供給量の50容量%以上であ
れば、最下段のバッフル34を分散板4からの鉛直距離Zr
(a)が側壁内周面3の直径長さDtよりも短い位置(Zr
(a)<Dt)に設ければよい。一方、スパージャ37から
の気体供給量が全供給量の50容量%以上であれば、最下
段のバッフル34のスパージャ37の気体吹出し面からの鉛
直距離Zr(b)が側壁内周面3の直径長さDtよりも短い
位置(Zr(b)<Dt)に設ければよい。さらに、スパー
ジャ37の上方に図示されていない他のスパージャがあっ
て、ガス分散板4とスパージャ37との気体供給量の合計
で始めて全供給量の50容量%以上となる場合には、スパ
ージャ37の気体吹出し面からの鉛直距離Zr(b)が側壁
内周面3の直径長さDtよりも短い位置(Zr(b)<Dt)
に設け、一方、ガス分散板4とスパージャ37との気体供
給量の合計が全供給量の50容量%に満たない場合には、
図示しない上方のスパージャの気体吹出し面からの鉛直
距離が側壁内周面3の直径長さDtよりも短い位置に最下
段のバッフル34を設けたほうが好ましい状態になるわけ
である。 さらに前記実施例においては、各バッフル34,36と側壁
内周面3との間の隙間49を設けて、これらバッフル34,3
6を側壁内周面3に沿って取付けた。各バッフル34,36と
塔本体2の側壁内周面3との間に隙間49を設けた場合と
設けない場合では、その気泡径に及ぼす影響はほとんど
変わらない。しかし、観察によればバッフルと側壁内周
面の間に隙間を設けない場合には、バッフルの上に粒子
の動かないデッドゾーンが形成される。このデッドゾー
ンは、流動層反応器の場合には副反応等が生ずるホット
スポットになり好ましくない働きをし、乾燥や熱交換の
場合においても好ましくない働きをしたり無駄な領域と
なる。側壁内周面とバッフルの間に隙間を開けた場合に
は、デッドゾーンは隙間の無い場合に比べきわめて小さ
いか、バッフルの形状によっては全く生じない。したが
って、前述の実施例においては各バッフル34,36と側壁
内周面3の間に流動層12を形成する粒子が自由に流れる
程度の隙間49を設けているわけである。この隙間の大き
さは、流動層を形成する粒子が通過できる隙間であれば
よく、一般的には流動層12を形成する粒子径の10倍以上
または3mm以上が好ましい。しかし、この隙間をあまり
大きく取りすぎると、流動層12内で最大流速を持つ側壁
内周面3近傍の粒子群の下降流を、バッフル34,36によ
り阻止して、その粒子群の降下流は流動層12の中心軸近
くを流れるように誘導することが有効にできなくなる。
前述したようにこの隙間寸法は、粒子径、ガス流速や流
動層の直径等によって異なるので、実験により好ましい
寸法を設定するのが好ましいが、大きくても側壁内周面
の直径または相当直径の8分の1以下である。 また、上記実施例においては、同寸法のバッフル34,36
を円筒状の塔本体2の側壁内周面3に沿ってリング状
に、かつ水平に上下2段に設けたが、この実施例に限ら
ずこの発明の実施態様が種々存在する。 すなわち、2つのバッフル34,36は必ずしも同じ幅であ
る必要はない。複数段のリング状バッフルで異なる幅の
バッフルを用いる場合には、各バッフルが上記(1)式
におけるバッフルの水平方向の成分長さの幅を有し、か
つ比バッフル水平面積が0.14〜0.32の範囲にあればよい
のである。また、バッフル34またはバッフル36自身に幅
の変化があっても差し支えない。すなわち、同一レベル
に設置されるバッフル内においてもバッフル水平方向の
成分長さの幅に変化があっても差し支えない。その場合
は、水平方向の成分長さの幅の平均値を上記(1)式に
あてはめればよい。 また、上記実施例の如き円筒形流動層では、粒子下降流
れの最大流速部分が側壁内周面近傍に円環状に存在する
ため、その流れを制御するバッフルの形状は本質的には
リング状(円環状)形状とすることが好ましい。円筒形
以外の流動層でも側壁内周面近傍に粒子下降流が存在す
るため、バッフルは側壁内周面に沿った形状のバッフル
とすることが好ましい。すなわち、この発明に係わるバ
ッフルは、流動層水平断面が円形の場合には円環状とす
るのが好ましく、例えば流動層水平断面すなわち塔本体
が四角形であるならばバッフルの形状も側壁内周面に沿
った四角の環状バッフルであることが望ましく、もし仮
に塔本体の水平断面が三角形の場合にはトライアングル
状の環状バッフルとすることが好ましい。また、塔本体
の側壁以外に、流動層内部にサイクロンのディプレグや
熱交換器などの垂直面があるならば第12図の如く当然そ
の面に沿ってもバッフルをつけても差し支えない。 これら円形以外の流動層や内挿物のある場合にも相当直
径を用いることにより上記(1)式ないし(3)式の適
用を行えばよい。塔本体が円錐状のようなものでは、バ
ッフルの取り付けられる位置の相当直径に基づいてバッ
フルの幅を決めればよい。 なお、流動層では粒子以降流れの最大流速部分が側壁内
周面近傍に環状に存在するため、その流れを制御するバ
ッフルの形状は本質的には環状とすることが好ましい
が、必ずしも同一平面上にバッフルがある必要はなく、
第4図のように環状のバッフル38,39,40を斜に設けても
よく、さらに第5図の如くバッフル41を側壁内周面に沿
って螺旋状に設けた場合や、第6図の如くバッフル42を
互い違いに断続的に取り付けた場合でも、上方の無限遠
点から見たバッフルが環状であればよい。さらに、上方
の無限遠点から見たこの発明に係わるバッフルが環状に
形成されず多少の欠かき部分があつても、すなわち、帯
状のバッフルであっても、上記(1)式と(2)式ない
し(3)式とを満たすバッフルにあつては、環状に形成
されたバッフルより水平方向の成分長さの幅が大きく、
それだけ気泡群に影響を与える作用が大きく、該バッフ
ルのない部分があっても、流動層全体として見れば気泡
群の分布を均一にしており、この発明の作用がなされて
いる訳である。要は、上記(1)式と(2)式ないし
(3)式が満足されればよいわけである。 なおその際、上記バッフルのない部分の上下に、他のバ
ッフルが来るように、全体として上記バッフルのない部
分がちらばるように設けられるのが好ましいのは無論で
ある。 また、上記実施例においては、縦断面が長方形のバッフ
ル34,36の例を示したが、バッフルの上面の形状や鉛直
方向の厚さによる粒子群や気泡群の流れに対する有意差
は特になく、要はバッフルの水平方向の成分長さの幅や
水平方向の成分面積の総和が上記所定の値を有していれ
ばよい。したがって、バッフルの縦断面の形状は、長方
形に限らず、制作上の問題やバッフル上の粒子のデッド
ゾーンを極力なくすと言った配慮から、第7図に示すよ
うな縦断面が円形のバッフル43でも、第8図に示すよう
な縦断面が上に凸の三角形のバッフル44でもよく、構造
上壊れないものであればよい。また、バッフル43等を中
空体とし、その内部に冷却または加熱媒体を通すように
して熱交換器の機能をも持たせるようにしてもよい。 さらに、第9図(A),(B)に示すように側壁内周面
3に沿って、バッフル45,46を同心円状に支持部材47上
に配置固定し、バッフル45とバッフル46との間に流動層
を形成する粒子が通過できる隙間48を形成して、バッフ
ル45とバッフル46とであたかも1つのバッフルの様に構
成してもよい。このように2つのバッフル間の隙間48や
側壁内周面3とバッフル45との間の隙間49を形成するこ
とによって、側壁内周面3の直径が非常に大きくて必然
的に水平成分の幅が大きいバッフルにしなければならな
いような場合に、バッフル上にデッドゾーンが形成され
るのを防止することができる。 また、バッフルの支持部材設置箇所は側壁内周面3から
突設させても、他の場所に設けても構わない。さらに、
バッフルと側壁内周面3との間に隙間49を設けずに溶接
等により直接側壁内周面3に設けてもよいのは無論であ
る。以上のように、この発明の主旨にしたがう限り種々
の変更が可能である。 なお、上述した流動層装置は、塔の内部に流動層が形成
される場合を例に挙げて説明したが、流動装置が燃焼装
置あるいは焼成装置の場合には、燃焼炉あるいは焼成炉
等の炉内部に流動層が形成されることになる。本明細書
において使用する“流動層が形成される容器”という用
語は、塔や炉等を包含するものとして用いている。 次に、比較例とこの発明の実施態様に相当する実験例と
を挙げてさらにこの発明を詳細に説明する。 塔本体が透明なアクリル樹脂製で、外部から流動層高や
側壁近傍が観察できる第1図とほぼ類似形状の実験装置
を用いて実験を行った。塔本体の側壁内周面の直径(流
動層の直径)は480mmで、ガス分散板は40mm正方配列の
孔を持つ多孔板(開口比0.3%)を用い、粒子落下防止
のために分散板上に325メッシュと2メッシュのステン
レス金網を重ねて固定してある。流動化粒子は平均粒径
135μmの珪砂を用い、空気を流動化ガスとして空塔規
準で0.092m/sのガス流速で、流動層高を930mmとした。 気泡の検出は、光透過量の経時変化をそれぞれ測定する
上部検出端と下部検出端とを上下に隔てて設けられた検
出部、光ファイバー、レーザー光源およびフォトトラン
ジスターを用いる光透過法により行なった。測定点は流
動層中心軸上から半径方向に6点とし、高さ方向には分
散板からの高さZが330mmと730mmの2点で測定した。1
測定点に対し約11分間ぶんのデータをデータレコーダか
らADコンバータを介してコンピュータに送り、気泡流速
qbと平均気泡径dbvを求めた。解析の方法は、上下の検
出端の気泡信号の時間差t1と上下検出端間の距離Lpから
気泡上昇速度ub(=Lp/t1)を求め、気泡信号の持続時
間t2と気泡上昇速度ubから気泡の弦長λ(=ub×t2)を
求め、気泡頻度fsと平均弦長から気泡流速qb(=fs×
)を求めた。また平均気泡径dbvについては、Fluidiz
ation '85 Science and Technologyの第63〜74頁(Scie
nce Press社出版)に記載されている気泡の弦長λの分
布から気泡径分布を対数正規分布として求めて平均気泡
径dbvを算出する方法によった、なお、気泡弦長λは、
検出端を横切る気泡の縦長さで、気泡の中心が検出端を
横切るとき気泡径と等しくなるものである。気泡流速qb
は、流動層内のある位置で気泡として流れる単位時間単
位水平面積当りのガス量である。 また、気泡の流れの偏りと平均気泡径dbvとの関係を調
べるために、下方から上昇する気泡量の半分が流れてい
る流動層中心側の流動層水平断面積と全流動層水平断面
積との比を表す。(rb50/R)2を下記の方法により求め
た。 すなわち、まず流動層中心軸側と側壁内周面側を流れる
気泡量が等しくなる流動層中心軸からの距離rb50を求め
るために、流動層中心軸からの距離rより内側(流動層
中心軸側)を流れる単位時間当りの気泡量Qis(r)と
上記距離rより外側(側壁内周面側)を流れる単位時間
当りの気泡量Qos(r)を表す下記(4)式と(5)式
と、上記流動層中心軸側と側壁内周面側を流れる気泡量
が等しくなる流動層中心軸からの距離rb50で表す流動層
中心軸側の気泡量と側壁内周面側の気泡量との関係式で
ある下記(6)式とから、下記(7)式を導き出し、こ
の(7)式に各測定点の気泡流速qbから内外挿して得ら
れる流動層中心軸からの距離rの関数である気泡流速qb
(r)とその平均値である平均気泡流速と流動層の
半径Rとを代入しrb50を求め、(rb50/R)2を得た。 ただし、 R:流動層の半径[m] :平均気泡流速[m/s] なお、この(rb50/R)2が0.5より著しく小さい場合は、気
泡の流れは流動層中心軸側に偏って流れていることを示
し、0.5より著しく大きい場合には側壁内周面側に偏っ
て流れていることを示している。 a.バッフルに関する条件 (なおバッフルを設けたときのバッフルと側壁内周面と
の隙間はいずれも4mmとした。) 比較例1:バッフルを有さない流動層 実験例1:幅10mmのリング状バッフルをガス分散板からの
高さ300mmと700mmの2段に設置した流動層 (Wr/Dt=0.021, 比バッフル水平面積=Ar×Nr/At=0.160) 実験例2:幅20mmのリング状バッフルをガス分散板からの
高さ300mmと700mmの2段に設置した流動層 (Wr/Dt=0.042, 比バッフル水平面積=Ar×Nr/At=0.314) 実験例3:幅5mmのリング状バッフルをガス分散板からの
高さ100mm〜900mmに200mm間隔で5段に設置した流動層 (Wr/Dt=0.010, 比バッフル水平面積=Ar×Nr/At=0.200) 比較例2:幅10mmのリング状バッフルをガス分散板からの
高さ100mm〜900mmに200m間隔で5段に設置した流動層 (Wr/Dt=0.021, 比バッフル水平面積=Ar×Nr/At=0.400) なお、Wrはバッフル幅、Dtは塔内径、Arはバッフルの水
平面積、Nrはバッフル段数、Atは塔断面積である。 b.実験結果 上記実験結果を基に上記平均気泡径dbvと上記(rb50/R)2
との関係を示すと第10図のようになる。 この実験結果および第10図から幅10〜20mmのバッフルを
2段設置することで平均気泡径がかなり小さく維持でき
ることがわかる。また、幅5mmのバッフルを5段設置す
ることで平均気泡径がかなり小さく維持できるが、幅10
mmのバッフルを5段設置した場合には平均気泡径を小さ
く維持する効果がないことがわかる。すなわち、第10図
から比較例1では流動層中心軸方向に気泡が集り、比較
例2では塔本体の側壁内周面側に気泡が集りすぎたため
に気泡径が大きくなったことがわかり、この発明に係わ
る比バッフル水平面積0.14〜0.32に有意性のあることが
明らかである。
【発明の効果】
この発明によれば、流動層が形成される容器の側壁内周
面に沿って、流動層を形成する粒子が通過できる隙間を
介してもしくは隙間を介することなくバッフルを設け、
かつ、上記バッフルの水平方向の成分長さの幅を該バッ
フルが設けられる容器側壁内周面の直径または相当直径
の0.01〜0.05倍とすると共に、比バッフル水平面積を0.
14〜0.32の範囲にしたから、上記流動層内を上昇する気
泡群の平均径を比較的小さいままに維持することができ
る。 また、この発明において設けるバッフルは、従来の通常
50%以下の開孔率と言われている多孔板形バッフルに比
べて著しくその開口率が大きく、水平面積の小さいバッ
フルを設ければよい。従ってバッフル自身のコストが小
さく、また、気泡群や粒子群に対する抵抗(圧力損失)
もきわめて小さくなる。さらに、その抵抗が小さいた
め、バッフルの直下に気・固接触に関与しない気体の層
が生ずることがないので、これに起因する流動層全体の
高さが増大することがなく、予め流動層の塔本体の高さ
を高くしておく必要がない。さらにまた、塔内メンテナ
ンスの際には、バッフルを取外さなくとも点検できる。 また、流動層内の粒子群の一部下降流は流れる位置を制
御されるが、気泡群の流れを本質的には阻害していない
ので、気泡群から持ち上げる粒子の量は変わらず、した
がって、下降する粒子量も変わらないので、伝熱特性な
どの粒子の運動が支配的な温度均一性などの流動層の特
質は阻害されることはない。 しかも、流動層内の気泡分布を均一とし、隣接する気泡
との合体確率が減少して、気泡群はその径の増大を阻止
させられる。その結果、気泡径を比較的小さなままに維
持できるので、気泡群と粒子群の気・固接触面積を減少
させることがなく、また気泡が大きくなって気泡上昇速
度が上がるのを抑えるから、気泡の滞留時間を減少させ
ることもなく、流動層の気・固接触の良好な流動状態を
実現することができる。 なお、上述したこの発明の効果は、流動層全体に限った
ことではなく、形成されている流動層中のある部分にの
みこの発明がなされている場合においても、当該部分に
おいてこの発明の作用およびそれに伴う効果が発現する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す流動層装置の縦断面
図;第2図はバッフルの設置状態を示するものであっ
て、第2図(A)は第2図(B)のA−A線に沿う断面
図、第2図(B)は第2図(A)のB−B線に沿う断面
図;第3図はこの発明の別な実施例を示す流動層装置の
部分縦断面図;第4図はバッフルを斜めに設置した状態
を示す説明図;第5図はバッフルを螺旋状に設置した状
態を示す説明図;第6図は欠かき部分のあるバッフルを
設置した状態を示す説明図、第7図は縦断面が円形のバ
ッフルを示す説明図、第8図は縦断面が三角形のバッフ
ルを示す説明図、第9図は同心円状に2つのバッフルを
設置した状態を示すものであって、第9図(A)は第9
図(B)のA−A線に沿う断面図、第9図(B)は第9
図(A)のB−B線に沿う断面図;第10図は平均気泡径
dbvと(rb50/R)2との関係を示すグラフ;第11図は従来の
バッフル付き流動層装置の縦断面図;第12図はバッフル
付きの別形式の流動層装置の部分斜視図;第13図(A)
(B)は従来のバッフル付き流動層装置におけるバッフ
ル設置状態を示す説明図。 1……流動層装置、2……塔本体(容器)、 3……側壁内周面、4……ガス分散板 12……流動層、 34,36,38,39,40,41,42,43,44,45および46……バッフ
ル、 48および49……隙間。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動層が形成される容器の側壁内周面に沿
    って、流動層を形成する粒子が通過できる隙間を介して
    もしくは隙間を介することなくバッフルを設け、かつ、
    上記バッフルの水平方向の成分長さの幅を該バッフルが
    設けられる容器側壁内周面の直径または相当直径の0.01
    〜0.05倍とすると共に、下記の定義 による比バッフル水平面積を0.14〜0.32の範囲にするこ
    とによって、上記流動層内を上昇する気泡群の平均径を
    比較的小さいままに維持することを特徴とする気固系流
    動層内の気泡制御方法。
  2. 【請求項2】前記バッフルを前記容器側壁内周面に沿っ
    て環状に一段または多段に設けると共に、最下段のバッ
    フルを前記流動層の底部に設けた主たるガス分散器から
    該最下段バッフルまでの鉛直距離が該容器側壁内周面の
    直径または相当直径より短くなる位置に設けることを特
    徴とする請求項1記載の気固系流動層内の気泡制御方
    法。
  3. 【請求項3】前記隙間は、3mm以上で、かつ、該バッフ
    ルが設けられる容器側壁内周面の直径または相当直径の
    8分の1以下の隙間であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の気固系流動層内の気泡制御方法。
  4. 【請求項4】流動層が形成される容器の側壁内周面に沿
    ってバッフルを設けてなる気固系流動層装置において、
    上記バッフルは流動層を形成する粒子が通過できる隙間
    を介してもしくは隙間を介することなく前記容器側壁内
    周面に沿って設けられており、上記バッフルの水平方向
    の成分長さの幅が、該バッフルが設けられる容器側壁内
    周面の直径または相当直径の0.01〜0.05倍であると共
    に、下記の定義 による比バッフル水平面積が0.14〜0.32の範囲であるこ
    とを特徴とする気固系流動層装置。
  5. 【請求項5】前記バッフルを前記容器側壁内周面に沿っ
    て環状に一段または多段に設けると共に、最下段のバッ
    フルを前記流動層の底部に設けた主たるガス分散器から
    該最下段バッフルまでの鉛直距離が該容器側壁内周面の
    直径または相当直径より短くなる位置に設けたことを特
    徴とする請求項4記載の気固系流動層装置。
  6. 【請求項6】前記隙間は、3mm以上で、かつ、該バッフ
    ルが設けられる容器側壁内周面の直径または相当直径の
    8分の1以下の隙間であることを特徴とする請求項4ま
    たは請求項5記載の気固系流動層装置。
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