JPH0680501A - 生物体の発生学研究に有用な透視標本およびその製造方法 - Google Patents
生物体の発生学研究に有用な透視標本およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0680501A JPH0680501A JP4233887A JP23388792A JPH0680501A JP H0680501 A JPH0680501 A JP H0680501A JP 4233887 A JP4233887 A JP 4233887A JP 23388792 A JP23388792 A JP 23388792A JP H0680501 A JPH0680501 A JP H0680501A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】生物体の成熟段階を観察することができる永久
保存が可能な透視標本を提供する。 【構成】発生の初期から末期に到る各段階の材料を固定
液の中に移して固定、染色、脱水してから、これらの材
料をスライドガラス上に所定の間隔を維持するように配
列した状態に標本瓶内に固定させる一方、これを透明剤
で浸漬させて密封する。また、材料をピクロール酸水溶
液とホルマリン、アセト酸とから組成されるボウイン液
に浸漬、固定させ、材料の内部まで色素が充分に浸透さ
れることができるように染色後材料を再び無水アルコー
ルに浸漬させて脱水してから、前記材料をスライドガラ
ス上に所定の間隔で、バルサムを滴加してから透明剤を
浸漬させて、標本瓶を密封して製造する。
保存が可能な透視標本を提供する。 【構成】発生の初期から末期に到る各段階の材料を固定
液の中に移して固定、染色、脱水してから、これらの材
料をスライドガラス上に所定の間隔を維持するように配
列した状態に標本瓶内に固定させる一方、これを透明剤
で浸漬させて密封する。また、材料をピクロール酸水溶
液とホルマリン、アセト酸とから組成されるボウイン液
に浸漬、固定させ、材料の内部まで色素が充分に浸透さ
れることができるように染色後材料を再び無水アルコー
ルに浸漬させて脱水してから、前記材料をスライドガラ
ス上に所定の間隔で、バルサムを滴加してから透明剤を
浸漬させて、標本瓶を密封して製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生物体の発生段階を観察
するのに利用される透視標本に関するもので、特に生物
体の生命現象を発生生理学的な観点から理解するのに有
益なばかりではなく、その発生および成熟段階を単一標
本内に一目瞭然に配置することによって発生学研究に有
効に利用することができるようにした発生段階観察用透
視標本の製造方法に関するものである。
するのに利用される透視標本に関するもので、特に生物
体の生命現象を発生生理学的な観点から理解するのに有
益なばかりではなく、その発生および成熟段階を単一標
本内に一目瞭然に配置することによって発生学研究に有
効に利用することができるようにした発生段階観察用透
視標本の製造方法に関するものである。
【0002】一般に、すべての生物体は受精卵(または
苗)から各種の段階の成熟過程をへて成体に到るが、こ
のような成長過程によると、受精卵が卵膜に包囲されて
自由に活動するのにまだ早い胚の段階を経るようにな
り、継続して自由な活動が可能な幼生に成長され、幼生
の段階から再び成熟されて成体の段階に到る。
苗)から各種の段階の成熟過程をへて成体に到るが、こ
のような成長過程によると、受精卵が卵膜に包囲されて
自由に活動するのにまだ早い胚の段階を経るようにな
り、継続して自由な活動が可能な幼生に成長され、幼生
の段階から再び成熟されて成体の段階に到る。
【0003】このような一連の成長過程を発生と指称
し、この発生の過程を学問的に研究する分野が発生学で
ある。
し、この発生の過程を学問的に研究する分野が発生学で
ある。
【0004】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】しか
し、発生学を研究するのには相当な時間とともに観察対
象の生物体が存在しなければならないので、発生学研究
が一部学者や関心をもっている少数のグループによって
制限的に行なわれていることが実状である。
し、発生学を研究するのには相当な時間とともに観察対
象の生物体が存在しなければならないので、発生学研究
が一部学者や関心をもっている少数のグループによって
制限的に行なわれていることが実状である。
【0005】その上に、発生学の研究のためには原型の
損傷されていない材料が要求されており、これらの発生
過程を全体的に観察するためにはうさぎの場合30段
階、そして蛙の場合には約45段階に到る発生段階別の
材料をそれぞれ収集しなければならない困難が伴ない、
その収集された材料はやはり長期間の保存が事実上不可
能な問題点があるので、結局発生学研究に適切な発生段
階観察用標本の必要性が切実に要求されていた。
損傷されていない材料が要求されており、これらの発生
過程を全体的に観察するためにはうさぎの場合30段
階、そして蛙の場合には約45段階に到る発生段階別の
材料をそれぞれ収集しなければならない困難が伴ない、
その収集された材料はやはり長期間の保存が事実上不可
能な問題点があるので、結局発生学研究に適切な発生段
階観察用標本の必要性が切実に要求されていた。
【0006】しかしながら、このような状況にも拘わら
ず、一般的に提供されている従来の標本は代替としての
材料を長期的に保存することにのみ重点を置いているの
で、生物体全体、またはその一部を解剖した状態で外形
的な形状を一定期間保存する程度の標本として止ってい
る。
ず、一般的に提供されている従来の標本は代替としての
材料を長期的に保存することにのみ重点を置いているの
で、生物体全体、またはその一部を解剖した状態で外形
的な形状を一定期間保存する程度の標本として止ってい
る。
【0007】したがって、発生学の研究のために発生段
階を観察しようとする場合、全体標本として構成される
多数個の成長段階別の標本を各段階別に個別製造した後
にこれらを保管しなければならない不便が伴ない、その
製造においても実に莫大な経費が必要とされていたの
で、その普及に多大な困難があった。
階を観察しようとする場合、全体標本として構成される
多数個の成長段階別の標本を各段階別に個別製造した後
にこれらを保管しなければならない不便が伴ない、その
製造においても実に莫大な経費が必要とされていたの
で、その普及に多大な困難があった。
【0008】本発明者らはこのような従来の標本の有す
る課題を解消するために、教育用として簡便に活用する
ことができる各種標本の形態を検討した結果、容器の形
態に形成されるガラス瓶内に成長段階別または部位別に
採取した生物体の成長サンプルを順次的に整頓させて透
視標本に製造する場合、観察が大変容易なことは勿論の
こと、また永久保存が可能であるということに着眼して
本発明を完成した。
る課題を解消するために、教育用として簡便に活用する
ことができる各種標本の形態を検討した結果、容器の形
態に形成されるガラス瓶内に成長段階別または部位別に
採取した生物体の成長サンプルを順次的に整頓させて透
視標本に製造する場合、観察が大変容易なことは勿論の
こと、また永久保存が可能であるということに着眼して
本発明を完成した。
【0009】したがって、本発明の目的は、生物体の成
熟段階を一目に観察することができる永久保存が可能な
透視標本を提供することにある。
熟段階を一目に観察することができる永久保存が可能な
透視標本を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、一つの生物体から別
異の位置の器官系統を切片として採取して標本を製造す
ることによって成長段階別、部位別の観察が同時に行な
われることができる透視標本を提供するものである。
異の位置の器官系統を切片として採取して標本を製造す
ることによって成長段階別、部位別の観察が同時に行な
われることができる透視標本を提供するものである。
【0011】本発明のまた他の目的は、このような透視
標本の製造方法を提供するものである。
標本の製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は第1に:発生の初期から末期に到る各段階
の材料を固定液の中に移して固定、染色、脱水してか
ら、これらの材料をスライドガラス上に所定の間隔を維
持するように配列した状態に標本瓶内に固定させる一
方、これを透明剤で浸漬させて密封構成したことを特徴
とする。
に、本発明は第1に:発生の初期から末期に到る各段階
の材料を固定液の中に移して固定、染色、脱水してか
ら、これらの材料をスライドガラス上に所定の間隔を維
持するように配列した状態に標本瓶内に固定させる一
方、これを透明剤で浸漬させて密封構成したことを特徴
とする。
【0013】又、本発明の第1の製造方法においては、
採取された各段階の材料をピクロール酸水溶液とホルマ
リン、アセト酸とから組成されるボウイン液に浸漬させ
て24時間固定させ、硼砂とカミンを水とアルコールに
溶解させて濾過した溶液を利用して材料の内部まで色素
が充分に浸透されることができるように染色し、染色を
終了した材料を再び無水アルコールに浸漬させて脱水し
てから、前記材料をスライドガラス上に所定の間隔が維
持されることができるように付着した状態でバルサムを
滴加して、透明剤を浸漬させてから、標本瓶の蓋を覆っ
て密封させる工程から成ることを特徴とする。
採取された各段階の材料をピクロール酸水溶液とホルマ
リン、アセト酸とから組成されるボウイン液に浸漬させ
て24時間固定させ、硼砂とカミンを水とアルコールに
溶解させて濾過した溶液を利用して材料の内部まで色素
が充分に浸透されることができるように染色し、染色を
終了した材料を再び無水アルコールに浸漬させて脱水し
てから、前記材料をスライドガラス上に所定の間隔が維
持されることができるように付着した状態でバルサムを
滴加して、透明剤を浸漬させてから、標本瓶の蓋を覆っ
て密封させる工程から成ることを特徴とする。
【0014】さらに、本発明の第2の製造方法において
は、採取された各段階の材料をボウイン液に24時間固
定させ、これを硼砂カミン溶液で染色して無水アルコー
ルに浸漬させて脱水してから、継続してパラフィンに埋
没させた後に切断して10〜20μの切片に形成し、ス
ライドガラス上に付着してキシロールでパラフィンを除
去すると同時にバルサムを滴加して乾燥させてから、カ
バーガラスで覆って透明剤に浸漬させる工程から成るこ
とを特徴とする。
は、採取された各段階の材料をボウイン液に24時間固
定させ、これを硼砂カミン溶液で染色して無水アルコー
ルに浸漬させて脱水してから、継続してパラフィンに埋
没させた後に切断して10〜20μの切片に形成し、ス
ライドガラス上に付着してキシロールでパラフィンを除
去すると同時にバルサムを滴加して乾燥させてから、カ
バーガラスで覆って透明剤に浸漬させる工程から成るこ
とを特徴とする。
【0015】
【作用】本発明の透視標本は、透明剤を介して、標本を
観察することができるだけでなく、生物体の発生から成
熟段階を一連のものとして配置して観察することができ
る。
観察することができるだけでなく、生物体の発生から成
熟段階を一連のものとして配置して観察することができ
る。
【0016】このような目的を達成するための本発明を
実施例に基づいて詳細に説明すると下記のとうりであ
る。
実施例に基づいて詳細に説明すると下記のとうりであ
る。
【0017】
【実施例】本発明の透視標本を製造するためには、まず
標本として製造しようとする生物体の大きさと標本を通
じて観察しようとする部位が何かを判断して標本形態を
決定する。
標本として製造しようとする生物体の大きさと標本を通
じて観察しようとする部位が何かを判断して標本形態を
決定する。
【0018】即ち、蛙のように孵化される前の卵から充
分に成長した蛙までの約45段階に行なわれる発生段階
を標本として製造する場合であると、これらの材料の大
きさが比較的に小さいので、全体標本として製造しても
差し支えないが、人の発生過程と類似する哺乳類、例え
ばうさぎや犬の消化器系統、または神経系統等のように
より詳細な内部構造の観察が必要な場合には材料全体を
標本として保管するのに困難が伴うので、切片に製造す
ることが有利であるためである。
分に成長した蛙までの約45段階に行なわれる発生段階
を標本として製造する場合であると、これらの材料の大
きさが比較的に小さいので、全体標本として製造しても
差し支えないが、人の発生過程と類似する哺乳類、例え
ばうさぎや犬の消化器系統、または神経系統等のように
より詳細な内部構造の観察が必要な場合には材料全体を
標本として保管するのに困難が伴うので、切片に製造す
ることが有利であるためである。
【0019】実施例1(全体標本の製造方法) 海胆の胚のように小形のものとか鶏胚のように偏平なも
の、そして材料全体の大きさが比較的に小さい生物体の
標本製造に望ましい方法として、収集された材料を全体
の標本として製作する場合には、材料を固定する段階
と、染色段階、脱水段階および脱水された材料を透明剤
に浸漬させて標本を完成する段階に分けられる。
の、そして材料全体の大きさが比較的に小さい生物体の
標本製造に望ましい方法として、収集された材料を全体
の標本として製作する場合には、材料を固定する段階
と、染色段階、脱水段階および脱水された材料を透明剤
に浸漬させて標本を完成する段階に分けられる。
【0020】全体標本を製造する第一段階は材料を固定
する段階として、生物体の胚や幼生等の発生初期から末
期に到る各段階にある材料を注意して固定液の中に移
す。
する段階として、生物体の胚や幼生等の発生初期から末
期に到る各段階にある材料を注意して固定液の中に移
す。
【0021】このとき、筋肉が発達した材料(蛙の場合
には尾芽期以後)は急に固定液に浸漬する場合、筋肉の
収縮に困って原型を保存することができないので、強い
麻酔をしておくのがよい。
には尾芽期以後)は急に固定液に浸漬する場合、筋肉の
収縮に困って原型を保存することができないので、強い
麻酔をしておくのがよい。
【0022】材料の固定時に使用される固定液として
は、ボウイン液を使用するのが望ましく、固定液の組成
をピクロール酸飽和溶液とホルマリン、アセト酸を混合
したものが主に利用されるが、その望ましい組成比はピ
クロール酸飽和溶液75mlとホルマリン25ml、ア
セト酸5mlがよい。そして、固定させようとする材料
の状態によりアセト酸の量の増減を調整することが必要
である。
は、ボウイン液を使用するのが望ましく、固定液の組成
をピクロール酸飽和溶液とホルマリン、アセト酸を混合
したものが主に利用されるが、その望ましい組成比はピ
クロール酸飽和溶液75mlとホルマリン25ml、ア
セト酸5mlがよい。そして、固定させようとする材料
の状態によりアセト酸の量の増減を調整することが必要
である。
【0023】また、固定時間は材料の大きさにより多少
の差異があることが許容できるが、一般的に胚や幼生に
おいては固定液が容易に浸透するので、普通の場合24
時間程度で充分である。
の差異があることが許容できるが、一般的に胚や幼生に
おいては固定液が容易に浸透するので、普通の場合24
時間程度で充分である。
【0024】固定材料を保存するためには70%のアル
コールに入れる。
コールに入れる。
【0025】第二段階は固定された材料を硼砂カーミン
(Borax Carmine)に全体染色する段階として、この段階
においては硼砂のカーミンを水とアルコールに溶解させ
た溶液を使用する。
(Borax Carmine)に全体染色する段階として、この段階
においては硼砂のカーミンを水とアルコールに溶解させ
た溶液を使用する。
【0026】硼砂カーミンを製造するためには、まず硼
砂4gを100mlの水に混合し、ここに微細に破砕さ
れたカーミン2〜3gを添加させて加熱する。
砂4gを100mlの水に混合し、ここに微細に破砕さ
れたカーミン2〜3gを添加させて加熱する。
【0027】カーミンが完全に溶解されると、これをそ
のままに放置して冷却させた後に、ここに同量の70%
アルコールを添加してから、これに間歇的な振動を加え
ながら7〜14日の経過後に濾過して使用する。
のままに放置して冷却させた後に、ここに同量の70%
アルコールを添加してから、これに間歇的な振動を加え
ながら7〜14日の経過後に濾過して使用する。
【0028】染色に必要な時間は材料の大きさと其他の
条件により若干の差異があるので、必ず制限する必要は
ないが、材料の内部まで色素が充分に浸透されて未着色
部位が存在しない程度の時間であるとよい。
条件により若干の差異があるので、必ず制限する必要は
ないが、材料の内部まで色素が充分に浸透されて未着色
部位が存在しない程度の時間であるとよい。
【0029】染色を終了した材料は、70%のアルコー
ルに濃度が濃厚な塩酸を4〜5滴加えた液に移して材料
から色が染み出ないようになるまで放置した後に、再び
70%アルコールに移す。そして、90%のアルコール
と無水アルコールに浸漬させて脱水させる。
ルに濃度が濃厚な塩酸を4〜5滴加えた液に移して材料
から色が染み出ないようになるまで放置した後に、再び
70%アルコールに移す。そして、90%のアルコール
と無水アルコールに浸漬させて脱水させる。
【0030】このように製造した材料をスライドガラス
上に所定の間隔を維持することができるように配列した
状態でバルサムを滴加した後に、透明剤に浸漬させ、標
本瓶の蓋を覆って密封することによって所望の発生学研
究用の透視標本を完成する。
上に所定の間隔を維持することができるように配列した
状態でバルサムを滴加した後に、透明剤に浸漬させ、標
本瓶の蓋を覆って密封することによって所望の発生学研
究用の透視標本を完成する。
【0031】前記のように透視標本を製造する際に、標
本瓶の内部に封入される透明剤としてはキシロールとト
ルエン等が使用されることができ、材料を固定している
スライドガラス上には、また材料の成長時期や部位別の
特徴点等の簡単な事項を記録として残すことが望まし
い。
本瓶の内部に封入される透明剤としてはキシロールとト
ルエン等が使用されることができ、材料を固定している
スライドガラス上には、また材料の成長時期や部位別の
特徴点等の簡単な事項を記録として残すことが望まし
い。
【0032】実施例2(切片標本の製造方法) 生物体の細部的な器官やより具体的な観察が要求される
標本の製造に利用される方法として、全体標本として製
造する場合と同様に固定段階と染色段階、脱水段階そし
てパラフィンに埋没させる段階および切片に製造し付着
する段階に分けることができる。
標本の製造に利用される方法として、全体標本として製
造する場合と同様に固定段階と染色段階、脱水段階そし
てパラフィンに埋没させる段階および切片に製造し付着
する段階に分けることができる。
【0033】前述のように発生初期から末期に到る各段
階の材料をボウイン液で24時間固定させてから、硼砂
カーミン溶液で染色し、無水アルコールで脱水してか
ら、継続される次の段階として材料をパラフィンに埋没
させる。
階の材料をボウイン液で24時間固定させてから、硼砂
カーミン溶液で染色し、無水アルコールで脱水してか
ら、継続される次の段階として材料をパラフィンに埋没
させる。
【0034】この段階においては厚い紙で製造したパラ
フィン埋没容器内に絶断方向を考慮して材料を配置し、
材料周囲にパラフィン液を注入して埋没させた後にパラ
フィンを完全に凝固させる。
フィン埋没容器内に絶断方向を考慮して材料を配置し、
材料周囲にパラフィン液を注入して埋没させた後にパラ
フィンを完全に凝固させる。
【0035】このとき、特に注意しなければならない事
項は、埋没容器内に配置された材料上にパラフィン液が
封入されて材料が埋没された後には、凝固されたパラフ
ィンが不透明な状態を示すので、切断しよ造方法に関す
る。
項は、埋没容器内に配置された材料上にパラフィン液が
封入されて材料が埋没された後には、凝固されたパラフ
ィンが不透明な状態を示すので、切断しよ造方法に関す
る。
【0036】うとする材料の方向を容易に確認すること
ができないので、材料の配置方向を埋没容器に表示する
とか、埋没容器を防寒紙で製造し容器の内面に防寒紙の
線が位置するようにして凝固されたパラフィンの表面に
防寒紙の線が表示されることができるようにすることも
一つの方法である。
ができないので、材料の配置方向を埋没容器に表示する
とか、埋没容器を防寒紙で製造し容器の内面に防寒紙の
線が位置するようにして凝固されたパラフィンの表面に
防寒紙の線が表示されることができるようにすることも
一つの方法である。
【0037】次には切片を製造するが、まず周囲のパラ
フィンを注意深く除去し、パラフィンリボンを10〜2
0μ厚さに連続切断して切片を製造する。
フィンを注意深く除去し、パラフィンリボンを10〜2
0μ厚さに連続切断して切片を製造する。
【0038】このとき、切断した切片は順序が狂わない
ように注意して紙箱に整理する。
ように注意して紙箱に整理する。
【0039】このように製造された切片をスライドガラ
スに付着し、キシロールでパラフィンを除去してから、
バルサムを滴加した後に乾燥させてカバーガラスを被覆
する。
スに付着し、キシロールでパラフィンを除去してから、
バルサムを滴加した後に乾燥させてカバーガラスを被覆
する。
【0040】カバーガラスは24mm×32mm、24
mm×52mmの大きさのもの等を使用し、スライドガ
ラスはこれより大きなものを択して余白に必要な事項を
記録する。
mm×52mmの大きさのもの等を使用し、スライドガ
ラスはこれより大きなものを択して余白に必要な事項を
記録する。
【0041】そして、前記スライドガラスを透明剤が封
入されている標本瓶の内部に挿入させ垂直に自立するよ
うにしてから、蓋を覆って密封し透視標本を完成する。
入されている標本瓶の内部に挿入させ垂直に自立するよ
うにしてから、蓋を覆って密封し透視標本を完成する。
【0042】切片標本に製造する本発明の実施例におけ
る各成長段階別材料の器官系統中の観察を必要にする任
意の2個所以上を同時に抜粋して切片に製造した後に、
スライドガラス上に2列または3列に配置する場合には
器官別、成長別に表現される各発生段階をより明瞭に観
察することができることは勿論である。
る各成長段階別材料の器官系統中の観察を必要にする任
意の2個所以上を同時に抜粋して切片に製造した後に、
スライドガラス上に2列または3列に配置する場合には
器官別、成長別に表現される各発生段階をより明瞭に観
察することができることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上の実施例によって具体的に述べたよ
うに製造される本発明の透視表面によると、生物体の発
生過程を一目で観察することができるばかりではなく、
観察対象になる外形的な全体形状は勿論のこと、一部分
の器官系統や血管の分布状態等が成長段階により如何に
変化されるものかを視覚的な方向に拘泥を受けずに細密
・鮮明に示すことができるので、生物体に関する学校教
育は勿論のこと、生物学、医学、農学等の各分野の研究
資料として有用に活用されることができるであろう。
うに製造される本発明の透視表面によると、生物体の発
生過程を一目で観察することができるばかりではなく、
観察対象になる外形的な全体形状は勿論のこと、一部分
の器官系統や血管の分布状態等が成長段階により如何に
変化されるものかを視覚的な方向に拘泥を受けずに細密
・鮮明に示すことができるので、生物体に関する学校教
育は勿論のこと、生物学、医学、農学等の各分野の研究
資料として有用に活用されることができるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 成田 淳▲てつ▼ 東京都板橋区舟渡2丁目34番21号ペガサス マンション602号
Claims (4)
- 【請求項1】 発生の初期から末期に到る各段階の材料
を固定液の中に移して固定、染色、脱水してから、これ
らの材料をスライドガラス上に所定の間隔を維持するよ
うに配列した状態に標本瓶内に固定させる一方、これを
透明剤で浸漬させて密封構成したことを特徴とする発生
学研究に有用な発生段階観察用透視標本。 - 【請求項2】 所定の間隔に配列される前記材料が、2
個所以上から同時に抜粋した切片からなり、これらがス
ライドガラス上に2列または3列に配置されることを特
徴とする請求項1記載の発生段階観察用透視標本。 - 【請求項3】 採取された各段階の材料をピクロール酸
水溶液とホルマリン、アセト酸とから組成されるボウイ
ン液に浸漬させて24時間固定させ、 硼砂とカミンを水とアルコールに溶解させて濾過した溶
液を利用して材料の内部まで色素が充分に浸透されるこ
とができるように染色し、 染色を終了した材料を再び無水アルコールに浸漬させて
脱水してから、 前記材料をスライドガラス上に所定の間隔が維持される
ことができるように付着した状態でバルサムを滴加して
から透明剤を浸漬させ、 標本瓶の蓋を覆って密封させて構成したことを特徴とす
る発生学研究に有用な透視標本の製造方法。 - 【請求項4】 採取された各段階の材料をボウイン液に
24時間固定させ、これを硼砂カミン溶液で染色して無
水アルコールに浸漬させ脱水してから、継続してパラフ
ィンに埋没させた後に切断して10〜20μの切片に形
成し、スライドガラス上に付着してキシロールでパラフ
ィンを除去すると同時にバルサムを滴加して乾燥させて
から、カバーガラスで覆って透明剤に浸漬させる工程か
ら構成される発生学研究に有用な透視標本の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233887A JPH0680501A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 生物体の発生学研究に有用な透視標本およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4233887A JPH0680501A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 生物体の発生学研究に有用な透視標本およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0680501A true JPH0680501A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=16962122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4233887A Pending JPH0680501A (ja) | 1992-09-01 | 1992-09-01 | 生物体の発生学研究に有用な透視標本およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0680501A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10104136A (ja) * | 1996-09-26 | 1998-04-24 | Kanagawa Kagaku Gijutsu Akad | 組織観察用薄切片試料作製方法 |
WO2014069519A1 (ja) * | 2012-10-30 | 2014-05-08 | 学校法人金沢医科大学 | 透明化生物標本作製用キット及び透明化生物標本作製方法 |
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