JPH0674890U - エアーガンの銃身 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 製造コストを低下でき、且つ偏心精度を高
め、しかも、部分的な置換によって種々の機能を発揮し
得る可能性をもったエアーガンの銃身を提供すること。 〔構成〕 銃身が基端部と残余部とに着脱自在に構成さ
れ、前記基端部が、チャンバーに挿入される偏心部分と
前記残余部を受け入れるホルダー部分とで構成され、前
記残余部を真円銃身で構成してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ガス圧を用いてプラスチック製の球形弾丸を発射する玩具用エアー ガンの発射装置に用いられるエアーガンの銃身の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

本考案は、先に提案した特願平４−１９５８１８号にかかるエアーガンの銃身 の改良にかかるものである。この前提となる発明は、ガス圧を用いてプラスチッ ク製の球形弾丸を発射するエアーガンで、銃身の基端面の底部内周縁を面取り加 工しておき、球形弾丸の発射時において銃身の基端面に接当位置するＯリングの 中心軸が、水平に構えた銃身の中心軸に対して実質的に直下方に変位させた状態 で発射され、球形弾丸がＯリングを通過する時に球形弾丸の下側部が前記面取り 部分に接当し、この案内面の作用で弾丸を銃身内の上方へ押し上げ、上壁内面に 接当させ、弾丸の下側にクリアランスを形成させる（玩具用の球形弾丸の外径は 銃身内径よりも通常相当に小さい）のであり、これによって、水平に構えた銃身 の中心軸に対して水平方向に直交する軸芯を回転軸芯として、銃口を右に見た側 面視において左回転させて発射する結果、弾丸に上向き回転を与えて浮力を得、 以て飛距離を伸ばすものである。この発明は既に実施され、その飛距離が通常の 銃身の２倍以上に伸びる（同じガス圧で）ことが実証されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記発明に用いられた銃身は、既存の銃の銃身に置換することで充分にその機 能を発揮できる一面を持っている。そこで、上述のように、銃身のチャンバーに 対する取り付けにおいて、チャンバーの中心軸及びチャンバーに内装したＯリン グの中心軸を、銃身の中心軸に対して実質的に直下方に変位させるのに、前記銃 身１の基端部１Ａを、図３に示すように、その上側を切削した偏心銃身に構成す ることによって得ていたものである。 各種の銃の本体（外装を含む）には、銃身を装填するスペースが確保されてい るが、その基本設計では、例えば、チャンバーへの差し込みだけで組みつけがで きるように、通常、チャンバーへの許容範囲（取り付け孔は、８．５５ミリ）を 見込んだ外径８．５ミリの真円銃身（内径或いは口径は６．１〜６．２ミリ）が そのまま用いられるため、前記装填スペースもこの外径の銃身が入るように設計 されている。但し、所要銃身装填部の全てがこの外径８．５ミリのスペースを有 するようにされているものではない。図３においては、銃身の前側においても小 径化のための切削部分１Ｂが備えられている。尚、１Ｃは上記面取り部分を示す 。

【０００４】 何れにしても、銃身が外径８．５ミリの真円であること、その銃身の外径が銃 身の略全長に亘って保持されていることが必要であるが、一方においては、外径 ８．５ミリの真円の銃身を偏心させて削り出すには、略外径１０ミリの真円銃身 が必要である。 そして、この偏心切削は、通常、旋盤によって行われ、その際、チャックにス ペーサーを介装して偏心が得られるようにしている。ところが、略外径１０ミリ の真円銃身を切削するのに、略全長に亘って偏心切削を行わなければならない場 合が多く、例え全長に及ばない場合があっても、比較的大部分を切削対象としな ければならないのが実情であった。この為、偏心切削に多大の時間を必要として コスト高を招く原因となると共に、銃身の一方をチャックにスペーサーを介装し て挟持し、切削が進行してバイトがチャックから離れだすにつれて心ブレが大き くなり、偏心精度が非常に悪くなるという重大な問題が生じた。

【０００５】 又、上記発明に用いられた銃身は、一本の銃身の基端部の偏心切削であるため 、一旦、偏心率を決めて切削してしまえば、ユーザー側においてその後偏心率を 変更できるものではない。しかし、使用する球形弾丸の重量（種々の重さのもの が存在する）を適宜選択したい場合に、前記偏心率を調整できることで弾丸の重 量に応じた飛距離調節が可能であるにもかかわらず、これに対処し難いという問 題もあった。 本考案は、こうした従来技術の問題に鑑み、本来の飛距離増大が図れることは 勿論ながら、製造コストを低下でき、且つ偏心精度を高め、しかも、部分的な置 換によって種々の機能を発揮し得る可能性をもったエアーガンの銃身を提供する ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるエアーガンの銃身は、上記目的を達成するために、請求項１に 記載の通り、銃身のチャンバーに対する取り付けにおいて、前記銃身の基端部を 偏心切削した偏心銃身に構成し、チャンバーの中心軸及びチャンバーに内装した Ｏリングの中心軸を、銃身の中心軸に対して実質的に直下方に変位させ、前記銃 身の基端面の底部内周縁に面取り部を設けて構成したガス圧を用いてプラスチッ ク製の球形弾丸を発射する玩具用エアーガンの発射装置に用いられるエアーガン の銃身であって、前記銃身が基端部と残余部とに着脱自在に構成され、前記基端 部が、前記チャンバーに挿入される偏心部分と前記残余部を受け入れるホルダー 部分とで構成され、前記残余部を真円銃身で構成したものである。 尚、本考案にかかるエアーガンの銃身は、上記銃身のホルダー部分に、前記残 余部の位置固定のためのネジが設けられているのが好ましい。更に、上記残余部 の前記ホルダー部分へ挿入する側の先端が先窄まりのテーパーに切削され、前記 ホルダー部分が同一のテーパー角度を有するドリルで穿孔されているのが好まし い。 また、本考案に言うエアーガンとは、圧縮空気、ボンベに内蔵した各種液化ガ スを用いて発射されるもので、単発、連発構造を問わない。

【０００７】

【作用】

本考案のエアーガンの銃身によれば、銃身が基端部と残余部とに着脱自在に構 成され、偏心部分がその基端部という極く一部（短い）となって、これを切削す る際に、旋盤のチャックにスペーサーを介装して挟持し回転させて切削を行って も、心ブレを生じることがなく、偏心精度が高く維持できるのである。また、銃 身の大部分を偏心切削するのに較べて、大幅に時間を節約でき、コストダウンを 図ることがでる。 そして、前記偏心部分の偏心率を異ならせた複数の基端部を製作しておけば、 これを残余部に付け変えるだけで、使用弾丸の重量に応じて容易に飛距離調節を 行うこともできる。

【０００８】

【実施例】

本考案のエアーガンの銃身の好適実施例を図１乃至図３に基づいて以下詳述す る。 図１は、銃身１のチャンバー２に対する取り付けにおいて、前記銃身１の基端 部を偏心切削した偏心銃身に構成し、チャンバーの中心軸Ｘ１及びチャンバーに 内装したＯリングの中心軸Ｘ１を、銃身１の中心軸Ｘ２に対して実質的に直下方 に変位（０．６乃至１．０ミリが適当）させ、前記銃身１の基端面の底部内周縁 に面取り部１Ｃを設けて構成したガス圧を用いてプラスチック製の球形弾丸を発 射する玩具用エアーガンの発射装置と共にこれに装着された銃身１とを示す。 上記チャンバー２は、一般に用いられている公知技術の発射機構が内装される が、本考案の本旨から外れるので、ここでの図示、詳細説明を省略する。 ３は、チャンバー２の内部に装填された球形弾丸であり、プラスチック製で、 通常の規格では直径６ミリである。

【０００９】 図２に示すように、前記銃身１は、極く短い基端部１Ａと、他の大部分からな る残余部１Ｂとに着脱自在に構成され、前記基端部１Ａが、前記チャンバー２に 挿入される偏心部分１ａと前記残余部１Ｂを受け入れるホルダー部分１ｂとで構 成され、前記残余部１Ｂを真円銃身（実質的な切削を必要としないもので、ここ では外径８．５ミリ）で構成されている。前記偏心部分１ａは、外径１０ミリの 真円銃身１の基端部１Ａを偏心切削（外径８．５ミリとした）することによって 形成されている。この偏心切削のプロセスは、従来通り、旋盤のチャックにスペ ーサーを介装して行うものである。 ４は、ネジであって、図１に示す上記銃身１のホルダー部分１ｂに穿孔したネ ジ孔５に螺合されており、前記残余部１Ｂの位置固定を行うものである。 上記残余部１Ｂの前記ホルダー部分１ｂへ挿入する側の先端１ｄが先窄まりの テーパーに切削され、その挿入が容易に行うことができると共に前記ホルダー部 分１ｂが同一のテーパー角度を有するドリルで穿孔されていて、残余部分１Ｂの 挿入だけで突き合わせ部において密着嵌合が得られる。この残余部１Ｂの前記ホ ルダー部分１ｂへの挿入について、両者にネジを切って螺合させる方式を採って も良いことは勿論である。 尚、上記ホルダー部分１ｂが外径１０ミリであるが、この部分は僅かの長さで あればよく、銃本体への取り付けに際して、銃本体を殆ど改造することまでもな く挿入設置できるものである。

【００１０】

【考案の効果】

本考案によれば、従来の如く銃身の略全長に亘って偏心切削を行う必要なく、 短い基端部だけ偏心切削すれば足りるので、その偏心切削に際しての心ブレを未 然に回避できて精度の良い偏心部分を得ることができ、しかもその切削時間を大 幅に短縮してコストダウンを図ることもできる顕著な効果を奏するに至った。 また、基端部が残余部と着脱自在となったことで、所望の偏心率の基端部を複 数準備しておくことで、各種の要因（使用弾丸の重量等）に合わせて偏心率の異 なる基端部を用い、本来の飛距離の調節を行うことが出来易くなったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかるエアーガンの銃身の要部の縦断
側面図である。

【図２】本考案にかかるエアーガンの銃身の一部切り欠
き斜視図である。

【図３】従来例にかかるエアーガンの銃身の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 銃身 １Ａ 基端部 １Ｂ 残余部 １Ｃ 面取り部分 １ａ 偏心部分 １ｂ ホルダー部分 １ｄ 先端部分 ４ ネジ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 銃身のチャンバーに対する取り付けにお
   いて、前記銃身の基端部を偏心切削した偏心銃身に構成
   し、チャンバーの中心軸及びチャンバーに内装したＯリ
   ングの中心軸を、銃身の中心軸に対して実質的に直下方
   に変位させ、前記銃身の基端面の底部内周縁に面取り部
   を設けて構成したガス圧を用いてプラスチック製の球形
   弾丸を発射する玩具用エアーガンの発射装置に用いられ
   るエアーガンの銃身であって、前記銃身が基端部と残余
   部とに着脱自在に構成され、前記基端部が、前記チャン
   バーに挿入される偏心部分と前記残余部を受け入れるホ
   ルダー部分とで構成され、前記残余部を真円銃身で構成
   したエアーガンの銃身。
2. 【請求項２】 上記銃身のホルダー部分には、前記残余
   部の位置固定のためのネジが設けられている請求項
   （１）のエアーガンの銃身。
3. 【請求項３】 上記残余部の前記ホルダー部分へ挿入す
   る側の先端が先窄まりのテーパーに切削され、前記ホル
   ダー部分が同一のテーパー角度を有するドリルで穿孔さ
   れている請求項（１）又は請求項（２）のエアーガンの
   銃身。