JPH0670658A - 真珠養殖に使用する真珠母核 - Google Patents
真珠養殖に使用する真珠母核Info
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- JPH0670658A JPH0670658A JP4247197A JP24719792A JPH0670658A JP H0670658 A JPH0670658 A JP H0670658A JP 4247197 A JP4247197 A JP 4247197A JP 24719792 A JP24719792 A JP 24719792A JP H0670658 A JPH0670658 A JP H0670658A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【目的】 表面を歯エナメル質のように堅く均一緻密連
続に光沢のあるハイドロキシアパタイト又はリン酸３カ
ルシウムで被膜された真珠母核。 【構成】 カルシウム系セラミックス、ガラス、アルミ
ナ、ジルコニア、チタン及び酸化チタンよりなる群から
選ばれた少なくとも１つよりなる真珠母核素材を、酸化
カルシウム、シリカの存在下に、カルシウムイオン及び
リン酸イオンを含む、ＰＨ５〜９の溶液中に浸漬するこ
とにより、球状体表面にハイドロキシアパタイトを被覆
させるか、又は酸化カルシウム、シリカの存在下に、カ
ルシウムイオン及びリン酸イオンを含む、ＰＨ４以下の
溶液中に浸漬する。 【効果】 効率よく短時間で品質のよい真珠が養殖され
る。
続に光沢のあるハイドロキシアパタイト又はリン酸３カ
ルシウムで被膜された真珠母核。 【構成】 カルシウム系セラミックス、ガラス、アルミ
ナ、ジルコニア、チタン及び酸化チタンよりなる群から
選ばれた少なくとも１つよりなる真珠母核素材を、酸化
カルシウム、シリカの存在下に、カルシウムイオン及び
リン酸イオンを含む、ＰＨ５〜９の溶液中に浸漬するこ
とにより、球状体表面にハイドロキシアパタイトを被覆
させるか、又は酸化カルシウム、シリカの存在下に、カ
ルシウムイオン及びリン酸イオンを含む、ＰＨ４以下の
溶液中に浸漬する。 【効果】 効率よく短時間で品質のよい真珠が養殖され
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は真珠養殖に際し、真珠貝
に核入れされる真珠母核に関するものである。
に核入れされる真珠母核に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】真珠の養殖法として、例えば、ビクトウ
貝、赤貝などの貝殻の研磨加工球状体を真珠母核とし、
これをアコヤ貝、クロチョウ貝、アベ貝などの真珠貝の
殻と体内の間に核入れして真珠を形成させる方法が行わ
れているが、真珠母核として使用しえる貝の数が減少し
つつあるため、真珠母核としてそれらの貝を採取するこ
とが困難になりつつあるのが現状である。
貝、赤貝などの貝殻の研磨加工球状体を真珠母核とし、
これをアコヤ貝、クロチョウ貝、アベ貝などの真珠貝の
殻と体内の間に核入れして真珠を形成させる方法が行わ
れているが、真珠母核として使用しえる貝の数が減少し
つつあるため、真珠母核としてそれらの貝を採取するこ
とが困難になりつつあるのが現状である。
【０００３】このため、貝殻に代る真珠母核の開発が問
題となり各種の母核が検討されている。例えば、特開昭
60-259135 号公報は、真珠粉、珊瑚粉及び甲殻粉から選
ばれた粉末と炭酸カルシウムとからなる真珠母核を、特
開昭63-219325 号公報は、炭酸カルシウムと合成樹脂と
からなる真珠母核を、特開昭59-31636号公報は、表面を
高分子薄膜で被覆した真珠母核を、開示している。これ
らの真珠母核は、生体とはなじみの薄い真珠母核である
ため、母核として真珠貝に挿入すると、母貝の拒絶反応
が発生し易く、真珠母核の歩留りがわるいという欠点を
有している。
題となり各種の母核が検討されている。例えば、特開昭
60-259135 号公報は、真珠粉、珊瑚粉及び甲殻粉から選
ばれた粉末と炭酸カルシウムとからなる真珠母核を、特
開昭63-219325 号公報は、炭酸カルシウムと合成樹脂と
からなる真珠母核を、特開昭59-31636号公報は、表面を
高分子薄膜で被覆した真珠母核を、開示している。これ
らの真珠母核は、生体とはなじみの薄い真珠母核である
ため、母核として真珠貝に挿入すると、母貝の拒絶反応
が発生し易く、真珠母核の歩留りがわるいという欠点を
有している。
【０００４】特開平1-148135号公報は、真珠母核歩留り
向上のため、真珠母核表面をコラーゲン、フィブロネク
チンなどの生体成分で被覆することを提案しているが、
母貝の拒絶反応が完全に抑制されたとは云えない。これ
ら真珠母核の有する欠点を排除した真珠母核として特開
平3-219817号公報は、ハイドロキシアパタイトの使用を
提案している。ハイドロキシアパタイトは生体成分で、
粘膜や皮膚などの軟組織に対し、優れた親和性を有して
いるので、母貝に対する親和性が高く、拒絶反応が発生
しないので、従来の真珠母核に較べ、優れた真珠母核で
あると云える。又、我々はリン酸３カルシウムのような
他のリン酸カルシウム系化合物もハイドロキシアパタイ
トと同様に優れた真珠母核であることを見出している。
向上のため、真珠母核表面をコラーゲン、フィブロネク
チンなどの生体成分で被覆することを提案しているが、
母貝の拒絶反応が完全に抑制されたとは云えない。これ
ら真珠母核の有する欠点を排除した真珠母核として特開
平3-219817号公報は、ハイドロキシアパタイトの使用を
提案している。ハイドロキシアパタイトは生体成分で、
粘膜や皮膚などの軟組織に対し、優れた親和性を有して
いるので、母貝に対する親和性が高く、拒絶反応が発生
しないので、従来の真珠母核に較べ、優れた真珠母核で
あると云える。又、我々はリン酸３カルシウムのような
他のリン酸カルシウム系化合物もハイドロキシアパタイ
トと同様に優れた真珠母核であることを見出している。
【０００５】真珠形成のための真珠母核としては、堅
く、表面が均一に光沢を有することが要求され、特に表
面の均一性及び光沢は、えられる真珠の品質に大きな影
響を及ぼす。従って真珠母核として、望まれる堅さ、表
面の均一性及び光沢をえることは、欠くことの出来ない
真珠母核の品質である。ハイドロキシアパタイトは高
温、高圧などの処理後真珠母核として使用されるので、
それらの処理条件を適当に選択することにより、充分な
堅さがえられ、研磨によりある程度の表面の均一性及び
光沢もえられるが、これらの処理では真珠母核として充
分な表面均一性と光沢をえることは困難である。
く、表面が均一に光沢を有することが要求され、特に表
面の均一性及び光沢は、えられる真珠の品質に大きな影
響を及ぼす。従って真珠母核として、望まれる堅さ、表
面の均一性及び光沢をえることは、欠くことの出来ない
真珠母核の品質である。ハイドロキシアパタイトは高
温、高圧などの処理後真珠母核として使用されるので、
それらの処理条件を適当に選択することにより、充分な
堅さがえられ、研磨によりある程度の表面の均一性及び
光沢もえられるが、これらの処理では真珠母核として充
分な表面均一性と光沢をえることは困難である。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】従来の真珠母核の欠点
を排除し、堅く、表面が均一で、光沢を有し、拒絶反応
を発生しないので、真珠貝に真珠母核として核入れ使用
するとき、真珠母核の歩留りがよく、すぐれた品質の真
珠がえられ易い真珠母核を提供することを、本発明は課
題としている。
を排除し、堅く、表面が均一で、光沢を有し、拒絶反応
を発生しないので、真珠貝に真珠母核として核入れ使用
するとき、真珠母核の歩留りがよく、すぐれた品質の真
珠がえられ易い真珠母核を提供することを、本発明は課
題としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】前記のように、ハイドロ
キシアパタイトは、生体成分、特に骨、歯の主成分であ
り、歯エナメル質が、人体で最も堅い組織で、ハイドロ
キシアパタイトを主成分とする無機質９5.６％、有機質
1.７％、水分2.３％より、光沢を有することが知られて
いる。従って歯エナメル質のように、ハイドロキシアパ
タイト結晶を、真珠母核表面に均一に、規則正しく配列
させえれば、光沢があり、均一緻密で堅い真珠母核とな
り、それを使用すれば、効率よく高品質の真珠がえられ
るのではないかと考え、「生体内反応を利用したアパタ
イト層の合成」〔畠宏太郎ら、日化１９９１（１０）１
４５９−６０〕を参考にし、種々検討した結果、本発明
を完成することができた。
キシアパタイトは、生体成分、特に骨、歯の主成分であ
り、歯エナメル質が、人体で最も堅い組織で、ハイドロ
キシアパタイトを主成分とする無機質９5.６％、有機質
1.７％、水分2.３％より、光沢を有することが知られて
いる。従って歯エナメル質のように、ハイドロキシアパ
タイト結晶を、真珠母核表面に均一に、規則正しく配列
させえれば、光沢があり、均一緻密で堅い真珠母核とな
り、それを使用すれば、効率よく高品質の真珠がえられ
るのではないかと考え、「生体内反応を利用したアパタ
イト層の合成」〔畠宏太郎ら、日化１９９１（１０）１
４５９−６０〕を参考にし、種々検討した結果、本発明
を完成することができた。
【０００８】即ち、真珠母核素材である球状体をCaO 及
びSiO2を含む物質、例えばメタ珪酸カルシウム、ガラス
などの粉末の存在下にCa2+及びHPO4 2-を含むＰＨ５〜９
の溶液に浸漬することにより、真珠母核素材表面に、歯
エナメル質と同様な堅い、均一連続緻密で光沢のあるハ
イドロキシアパタイト被膜が、同様にCa2+及びHPO4 2-を
含むＰＨ４以下の溶液に浸漬することにより、真珠母核
素材表面に、堅い均一連続緻密で光沢のあるリン酸３カ
ルシウム被膜が形成され、真珠母核として優れた性質を
示すことを認めた。
びSiO2を含む物質、例えばメタ珪酸カルシウム、ガラス
などの粉末の存在下にCa2+及びHPO4 2-を含むＰＨ５〜９
の溶液に浸漬することにより、真珠母核素材表面に、歯
エナメル質と同様な堅い、均一連続緻密で光沢のあるハ
イドロキシアパタイト被膜が、同様にCa2+及びHPO4 2-を
含むＰＨ４以下の溶液に浸漬することにより、真珠母核
素材表面に、堅い均一連続緻密で光沢のあるリン酸３カ
ルシウム被膜が形成され、真珠母核として優れた性質を
示すことを認めた。
【０００９】本発明では、従来使用されているいかなる
真珠母核でも本願の真珠母核素材として使用可能である
が、ハイドロキシアパタイト、リン酸３カルシウム、ピ
ロリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム
系セラミックス；ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、結
晶ガラスなどのガラス類；アルミナ、ジルコニア、チタ
ン、酸化チタンなどのセラミックスが好ましいと云え
る。ハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO4)6(OH)2 なる
示性式で示されるが、Ca／Ｐ＝１０／６のモル比を有す
る純粋のハイドロキシアパタイトを合成でえるには工程
が複雑であり、企業的とは云えない。然しながらCa／Ｐ
が1.４〜1.８のモル比を有し、Cl、Ｆ、CO3 などを含有
するリン酸カルシウム塩は、一般のカルシウム塩及びリ
ン酸塩より容易に合成され、えられる塩はハイドロキシ
アパタイトと同様の性質を示すので、かかる塩もハイド
ロキシアパタイトの中に含まれている。
真珠母核でも本願の真珠母核素材として使用可能である
が、ハイドロキシアパタイト、リン酸３カルシウム、ピ
ロリン酸カルシウム、炭酸カルシウムなどのカルシウム
系セラミックス；ガラス、硬質ガラス、石英ガラス、結
晶ガラスなどのガラス類；アルミナ、ジルコニア、チタ
ン、酸化チタンなどのセラミックスが好ましいと云え
る。ハイドロキシアパタイトは、Ca10(PO4)6(OH)2 なる
示性式で示されるが、Ca／Ｐ＝１０／６のモル比を有す
る純粋のハイドロキシアパタイトを合成でえるには工程
が複雑であり、企業的とは云えない。然しながらCa／Ｐ
が1.４〜1.８のモル比を有し、Cl、Ｆ、CO3 などを含有
するリン酸カルシウム塩は、一般のカルシウム塩及びリ
ン酸塩より容易に合成され、えられる塩はハイドロキシ
アパタイトと同様の性質を示すので、かかる塩もハイド
ロキシアパタイトの中に含まれている。
【００１０】前記の物質から選ばれた少なくとも１つの
物質、又はそれに必要に応じて結合材、無機顔料などを
添加した物質を、常法により微粉砕混合し、真空排気
下、加熱加圧、例えば８００℃、１５００kg／cm2 以上
に処理して、えられる球状物質を真珠母核素材として使
用する。結合材、無機顔料などの添加量は特に限定され
ないが、一般に素材に対し０〜１０重量％程度で充分で
あり、球状物質の径は、目的とする真珠の径により適宜
選択される。
物質、又はそれに必要に応じて結合材、無機顔料などを
添加した物質を、常法により微粉砕混合し、真空排気
下、加熱加圧、例えば８００℃、１５００kg／cm2 以上
に処理して、えられる球状物質を真珠母核素材として使
用する。結合材、無機顔料などの添加量は特に限定され
ないが、一般に素材に対し０〜１０重量％程度で充分で
あり、球状物質の径は、目的とする真珠の径により適宜
選択される。
【００１１】このようにして得られた真珠母核素材は、
CaO 及びSiO2を含む物質、例えばメタ珪酸カルシウムや
CaO とSiO2を主成分としたガラスなどの粉末とともにCa
2+及びHPO4 2-を含むＰＨ５〜９の溶液に浸漬処理され
る。浸漬時間が長いほどハイドロキシアパタイト被膜が
形成されるので、少なくとも２日以上の浸漬処理を行な
うことが望ましい。又、浸漬する溶液は体液組成に近い
溶液、例えばＰＨを中性付近に調整した疑似体液を用い
ると被膜の形成が速く、溶液の温度を３６℃以上にする
ことにより更に被膜の形成が速まり、更に溶液を振盪し
たり、溶液を新しく取り替えることにより被膜形成が速
まる。又、真珠母核素材をCaO 及びSiO2を含む物質、例
えばメタ珪酸カルシウムやCaO とSiO2を主成分としたガ
ラスなどの粉末とともにCa2+及びHPO4 2-を含むＰＨ４以
下の溶液に浸漬処理され、リン酸３カルシウム被膜が形
成される。このような処理により真珠母核素材表面に、
連続緻密な光沢のある堅い被膜が均一に成長した真珠母
核が得られる。
CaO 及びSiO2を含む物質、例えばメタ珪酸カルシウムや
CaO とSiO2を主成分としたガラスなどの粉末とともにCa
2+及びHPO4 2-を含むＰＨ５〜９の溶液に浸漬処理され
る。浸漬時間が長いほどハイドロキシアパタイト被膜が
形成されるので、少なくとも２日以上の浸漬処理を行な
うことが望ましい。又、浸漬する溶液は体液組成に近い
溶液、例えばＰＨを中性付近に調整した疑似体液を用い
ると被膜の形成が速く、溶液の温度を３６℃以上にする
ことにより更に被膜の形成が速まり、更に溶液を振盪し
たり、溶液を新しく取り替えることにより被膜形成が速
まる。又、真珠母核素材をCaO 及びSiO2を含む物質、例
えばメタ珪酸カルシウムやCaO とSiO2を主成分としたガ
ラスなどの粉末とともにCa2+及びHPO4 2-を含むＰＨ４以
下の溶液に浸漬処理され、リン酸３カルシウム被膜が形
成される。このような処理により真珠母核素材表面に、
連続緻密な光沢のある堅い被膜が均一に成長した真珠母
核が得られる。
【００１２】このようにしてえられた真珠母核は、表面
を連続均一、緻密に堅いハイドロキシアパタイトやリン
酸３カルシウムで被膜され、歯エナメル質のような光沢
を発し、高い生体活性を有している。従って、真珠母核
として真珠貝に核入れし、真珠を養殖すると効率よく、
短期間で品質のよい真珠がえられる。以下に実施例を示
して具体的に本発明を説明する。
を連続均一、緻密に堅いハイドロキシアパタイトやリン
酸３カルシウムで被膜され、歯エナメル質のような光沢
を発し、高い生体活性を有している。従って、真珠母核
として真珠貝に核入れし、真珠を養殖すると効率よく、
短期間で品質のよい真珠がえられる。以下に実施例を示
して具体的に本発明を説明する。
【００１３】
【実施例１】平均粒子径５μｍに微粉化されたハイドロ
キシアパタイト微粉を、封管に入れ、真空に排気後、熱
間静水圧プレス装置を用いて、８００℃、１５００kg／
cm2に２時間保持して、直径７ｍ／ｍの球状の真珠母核
素材をえた。Na+ 142.0 mM、Ｋ+ 5.0 mM、Ca2+ 2.5 mM
、Mg2+1.5 mM、Cl- 148.8 mM、HCO3 -4.2 mM、HPO
4 2-1.0 mM 及び SO4 2- 0.5 mM のイオン濃度を有し、ト
リス緩衝剤でＰＨを約７に調整した疑似体液（ＳＢＦ）
１００ml及び重量％で、MgO 4.6 、CaO 44.7、SiO234.0
、P2O5 16.2 及びCaF2 0.5の組成を有する平均粒子径
２００μｍのガラス粒子５ｇを含む振盪器に、えられた
真珠母核素材５個を入れ、３６℃で２日間振盪後、振盪
器より真珠母核素材をとり出し、それを1.５倍のイオン
濃度を含む1.５倍濃度のＳＢＦ１００mlに投入し、３６
℃で６日間振盪した。その間２日毎に1.５倍濃度のＳＢ
Ｆを更新した。えられた真珠母核の表面は、約１０μｍ
の厚さに堅く均一連続緻密なハイドロキシアパタイトで
被膜され、歯エナメル質のような光沢を発していた。
キシアパタイト微粉を、封管に入れ、真空に排気後、熱
間静水圧プレス装置を用いて、８００℃、１５００kg／
cm2に２時間保持して、直径７ｍ／ｍの球状の真珠母核
素材をえた。Na+ 142.0 mM、Ｋ+ 5.0 mM、Ca2+ 2.5 mM
、Mg2+1.5 mM、Cl- 148.8 mM、HCO3 -4.2 mM、HPO
4 2-1.0 mM 及び SO4 2- 0.5 mM のイオン濃度を有し、ト
リス緩衝剤でＰＨを約７に調整した疑似体液（ＳＢＦ）
１００ml及び重量％で、MgO 4.6 、CaO 44.7、SiO234.0
、P2O5 16.2 及びCaF2 0.5の組成を有する平均粒子径
２００μｍのガラス粒子５ｇを含む振盪器に、えられた
真珠母核素材５個を入れ、３６℃で２日間振盪後、振盪
器より真珠母核素材をとり出し、それを1.５倍のイオン
濃度を含む1.５倍濃度のＳＢＦ１００mlに投入し、３６
℃で６日間振盪した。その間２日毎に1.５倍濃度のＳＢ
Ｆを更新した。えられた真珠母核の表面は、約１０μｍ
の厚さに堅く均一連続緻密なハイドロキシアパタイトで
被膜され、歯エナメル質のような光沢を発していた。
【００１４】
【実施例２】平均粒径５μｍに微粉化されたジルコニア
微粉末を封管中に入れ、真空に排気後、熱間静水圧プレ
ス装置を用い８００℃、１５００kg／cm2 に２時間保持
して直径５ｍ／ｍの球状の真珠母核素材をえた。Ca2+1.
7 mM、K + 5.0 mM、Na+ 142mM、Cl 150 mM 、HPO4 2-1.1
mMのＰＨ約3.５に調整した溶液１００ml及びメタ珪酸
カルシウム粉末５ｇを含む振盪器に、えられた真珠母核
素材５個を入れ、３６℃で２日間振盪後、振盪器より真
珠母核素材を取出し、それを上記ＰＨ約3.５に調整した
溶液の1.５倍イオン濃度を含む1.５倍濃度のＰＨ約3.５
に調整した溶液１００ml中に投入し、３６℃で６日間振
盪した。その間２日毎に1.５倍濃度のＰＨ約3.５に調整
した溶液を更新した。えられた真珠母核は、表面を約１
０μｍの厚さの均一連続緻密な堅いリン酸３カルシウム
で被覆され、光沢を発していた。
微粉末を封管中に入れ、真空に排気後、熱間静水圧プレ
ス装置を用い８００℃、１５００kg／cm2 に２時間保持
して直径５ｍ／ｍの球状の真珠母核素材をえた。Ca2+1.
7 mM、K + 5.0 mM、Na+ 142mM、Cl 150 mM 、HPO4 2-1.1
mMのＰＨ約3.５に調整した溶液１００ml及びメタ珪酸
カルシウム粉末５ｇを含む振盪器に、えられた真珠母核
素材５個を入れ、３６℃で２日間振盪後、振盪器より真
珠母核素材を取出し、それを上記ＰＨ約3.５に調整した
溶液の1.５倍イオン濃度を含む1.５倍濃度のＰＨ約3.５
に調整した溶液１００ml中に投入し、３６℃で６日間振
盪した。その間２日毎に1.５倍濃度のＰＨ約3.５に調整
した溶液を更新した。えられた真珠母核は、表面を約１
０μｍの厚さの均一連続緻密な堅いリン酸３カルシウム
で被覆され、光沢を発していた。
【００１５】
【実施例３】直径７ｍ／ｍのガラス球を真珠母核素材と
して使用し、Ca2+1.7 mM、K + 5.0mM、Na+ 142 mM、Cl
145 mM 、HPO4 2-1.1 mMのＰＨ約６に調整した溶液１０
０ml及び例１で使用したガラス粉末５ｇを含む容器に上
記の真珠母核素材を５個入れ、常温で５日間浸漬後、真
珠母核素材を取り出し、上記溶液の1.５倍濃度の溶液１
００mlに投入し、６０℃で２日間振盪した。得られた真
珠母核の表面は約１５μｍの厚さに均一連続緻密なハイ
ドロキシアパタイトで被覆され、歯エナメル質のように
堅くて光沢を発している真珠母核をえた。
して使用し、Ca2+1.7 mM、K + 5.0mM、Na+ 142 mM、Cl
145 mM 、HPO4 2-1.1 mMのＰＨ約６に調整した溶液１０
０ml及び例１で使用したガラス粉末５ｇを含む容器に上
記の真珠母核素材を５個入れ、常温で５日間浸漬後、真
珠母核素材を取り出し、上記溶液の1.５倍濃度の溶液１
００mlに投入し、６０℃で２日間振盪した。得られた真
珠母核の表面は約１５μｍの厚さに均一連続緻密なハイ
ドロキシアパタイトで被覆され、歯エナメル質のように
堅くて光沢を発している真珠母核をえた。
【００１６】
【実施例４】平均粒径５μｍのリン酸３カルシウム微粉
末を封管に入れ、真空に排気後、熱間静水圧プレス装置
を用いて１０００℃、１５００kg／cm2 に２時間保持し
て７ｍ／ｍの緻密球状の真珠母核素材をえた。これに例
１に示されたと同様の処理を施して、表面が約１０μｍ
の厚さに均一連続緻密なハイドロキシアパタイトで被膜
され、歯エナメル質のように堅くて光沢を発している真
珠母核をえた。
末を封管に入れ、真空に排気後、熱間静水圧プレス装置
を用いて１０００℃、１５００kg／cm2 に２時間保持し
て７ｍ／ｍの緻密球状の真珠母核素材をえた。これに例
１に示されたと同様の処理を施して、表面が約１０μｍ
の厚さに均一連続緻密なハイドロキシアパタイトで被膜
され、歯エナメル質のように堅くて光沢を発している真
珠母核をえた。
【００１７】
【実施例５】例１におけるハイドロキシアパタイトの代
りに、ピロリン酸カルシウムとアルミナをほぼ等量ずつ
含む均一混合物（５−１）、炭酸カルシウム（５−
２）、チタン（５−３）及び酸化チタン（５−４）を夫
々使用した以外は、例１と同様に処理して、夫々表面が
約１０μｍの厚さに均一連続緻密で堅いハイドロキシア
パタイトで被膜され、歯エナメル質のような光沢を有す
る夫々の真珠母核をえた。
りに、ピロリン酸カルシウムとアルミナをほぼ等量ずつ
含む均一混合物（５−１）、炭酸カルシウム（５−
２）、チタン（５−３）及び酸化チタン（５−４）を夫
々使用した以外は、例１と同様に処理して、夫々表面が
約１０μｍの厚さに均一連続緻密で堅いハイドロキシア
パタイトで被膜され、歯エナメル質のような光沢を有す
る夫々の真珠母核をえた。
【００１８】
【実施例６】表面粗さ測定 被覆操作を行なう前の真珠母核素材と被覆操作後の真珠
母核及び従来より使用されている天然の貝の貝殻より得
られている真珠母核について表面粗さを測定した結果、
被覆操作前の真珠母核素材については例３のガラス球を
除いて±約0.５μｍの表面粗さであり、例３のガラス球
は±約0.１μｍの表面粗さであった。被覆後の表面粗さ
については全ての真珠母核について±約0.０５μｍの表
面粗さとなった。従来より使用されている天然の貝の貝
殻より得られている真珠母核の表面粗さは±約0.１μｍ
であった。
母核及び従来より使用されている天然の貝の貝殻より得
られている真珠母核について表面粗さを測定した結果、
被覆操作前の真珠母核素材については例３のガラス球を
除いて±約0.５μｍの表面粗さであり、例３のガラス球
は±約0.１μｍの表面粗さであった。被覆後の表面粗さ
については全ての真珠母核について±約0.０５μｍの表
面粗さとなった。従来より使用されている天然の貝の貝
殻より得られている真珠母核の表面粗さは±約0.１μｍ
であった。
【００１９】
【実施例７】実施例１から実施例５−４までにえられた
真珠母核を、常法に従い真珠貝に１個ずつ核入れし通常
の真珠形成工程と同様に真珠貝を海中で育成し、約６ケ
月後貝体内より核を取出し、養殖結果を調べた。真珠母
核の歩留りは８５％と良好で、えられた真珠はすぐれた
光沢を有し品質良好であった。
真珠母核を、常法に従い真珠貝に１個ずつ核入れし通常
の真珠形成工程と同様に真珠貝を海中で育成し、約６ケ
月後貝体内より核を取出し、養殖結果を調べた。真珠母
核の歩留りは８５％と良好で、えられた真珠はすぐれた
光沢を有し品質良好であった。
【００２０】
【発明の効果】本発明による真珠母核は、母核素材をCa
O 及びSiO2を含む物質とともにカルシウムイオン及びリ
ン酸イオンを含む、ＰＨ５〜９の溶液中に浸漬処理する
ことにより、その表面に均一連続緻密で堅く、歯エナメ
ル質様光沢を有するハイドロキシアパタイトを被覆させ
るか、又は母核素材をCaO 及びSiO2を含む物質とともに
カルシウムイオン及びリン酸イオンを含む、ＰＨ４以下
の溶液中に浸漬処理することにより、その表面に均一連
続緻密で堅く、光沢を有するリン酸３カルシウムを被覆
させたものであるので、母核素材としてはいかなる物質
でも使用できるとともに、真珠貝に核入れして養殖する
とき短期間で、効率良く品質の良い真珠が得られる。
O 及びSiO2を含む物質とともにカルシウムイオン及びリ
ン酸イオンを含む、ＰＨ５〜９の溶液中に浸漬処理する
ことにより、その表面に均一連続緻密で堅く、歯エナメ
ル質様光沢を有するハイドロキシアパタイトを被覆させ
るか、又は母核素材をCaO 及びSiO2を含む物質とともに
カルシウムイオン及びリン酸イオンを含む、ＰＨ４以下
の溶液中に浸漬処理することにより、その表面に均一連
続緻密で堅く、光沢を有するリン酸３カルシウムを被覆
させたものであるので、母核素材としてはいかなる物質
でも使用できるとともに、真珠貝に核入れして養殖する
とき短期間で、効率良く品質の良い真珠が得られる。
Claims (3)
- 【請求項１】 カルシウム系セラミックス、ガラス、ア
ルミナ、ジルコニア、チタン及び酸化チタンよりなる群
から選ばれた少なくとも１つよりなる球状体を、酸化カ
ルシウム、シリカの存在下に、カルシウムイオン及びリ
ン酸イオンを含む、ＰＨ５〜９の溶液中に浸漬すること
により、球状体表面にハイドロキシアパタイトを被覆さ
せたことを特徴とする真珠養殖に使用する真珠母核。 - 【請求項２】 カルシウム系セラミックス、ガラス、ア
ルミナ、ジルコニア、チタン及び酸化チタンよりなる群
から選ばれた少なくとも１つよりなる球状体を、酸化カ
ルシウム、シリカの存在下に、カルシウムイオン及びリ
ン酸イオンを含む、ＰＨ４以下の溶液中に浸漬すること
により、球状体表面にリン酸３カルシウムを被覆させた
ことを特徴とする真珠養殖に使用する真珠母核。 - 【請求項３】 カルシウム系セラミックスが、ハイドロ
キシアパタイト、リン酸３カルシウム、ピロリン酸カル
シウム、炭酸カルシウム及びそれらの混合物より選ばれ
た少なくとも１である請求項１及び２の真珠母核。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247197A JPH0670658A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 真珠養殖に使用する真珠母核 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4247197A JPH0670658A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 真珠養殖に使用する真珠母核 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0670658A true JPH0670658A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17159896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4247197A Pending JPH0670658A (ja) | 1992-08-25 | 1992-08-25 | 真珠養殖に使用する真珠母核 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0670658A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8835004B2 (en) | 2009-03-20 | 2014-09-16 | 3M Innovative Properties Company | Sintering support comprising fully stabilized zirconia outer surface and crystalline phase composition, and method of making thereof |
| CN104496459A (zh) * | 2014-12-02 | 2015-04-08 | 佛山铭乾科技有限公司 | 一种纳米羟基磷灰石陶瓷及其制备方法 |
| CN105266999A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-01-27 | 中国医学科学院北京协和医院 | 电动双气囊催眠多功能早产婴儿保育箱 |
| CN105342774A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 中国医学科学院北京协和医院 | 气动拍抚催眠多功能早产婴儿护理套 |
| CN105342775A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 中国医学科学院北京协和医院 | 多功能早产婴儿护理套 |
-
1992
- 1992-08-25 JP JP4247197A patent/JPH0670658A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8835004B2 (en) | 2009-03-20 | 2014-09-16 | 3M Innovative Properties Company | Sintering support comprising fully stabilized zirconia outer surface and crystalline phase composition, and method of making thereof |
| CN104496459A (zh) * | 2014-12-02 | 2015-04-08 | 佛山铭乾科技有限公司 | 一种纳米羟基磷灰石陶瓷及其制备方法 |
| CN104496459B (zh) * | 2014-12-02 | 2016-12-07 | 佛山铭乾科技有限公司 | 一种纳米羟基磷灰石陶瓷及其制备方法 |
| CN105266999A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-01-27 | 中国医学科学院北京协和医院 | 电动双气囊催眠多功能早产婴儿保育箱 |
| CN105342774A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 中国医学科学院北京协和医院 | 气动拍抚催眠多功能早产婴儿护理套 |
| CN105342775A (zh) * | 2015-11-23 | 2016-02-24 | 中国医学科学院北京协和医院 | 多功能早产婴儿护理套 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |